エアコンクリーニングの必要性について １．機能回復のための洗浄 エアコンにとって害悪なのは粉塵より風量障害を受けることであり、その粉塵が主 に蓄積する場所は室内機であれば蒸発器、室外機であれば凝縮器です。これらは、そ の役割から同じ熱交換器であり、熱効率を上げるために銅パイプに配列したアルミフ ィン（ヒレ状のアルミ板）を薄くし、感覚を狭め、さらに空気抵抗を受けやすくする 為に（熱効率を上げるために）フィン自体に凹凸を設けています。この工夫が、粉塵 に対しては逆効果となってしまいます。また、室内外機ともに、ファンの羽根に粉塵 が付着した場合も、空気の掻き出し量が減退し、風量阻害になるとともに、ファンモ ーターに負担がかかってしまいます。 室外機の凝縮器に粉塵が蓄積し、風量阻害を起こして熱効率が低下すると、室外機に おける風量ダウンは、凝縮率の低下を招き、生産されるべき液冷媒が減少し、その分、 室内機における液冷媒の蒸発量も減少する為、冷房能力がダウンします。この状態が さらに進行すると、エアコンは不測の事態を招きます。エアコンの圧縮機（コンプレ ッサー）はその名の通り、冷媒ガスを圧縮して高温高圧のガスを作り出しながら、機 械熱も発生しているため、そのままでは、過熱してしまいます。この状態が続くと、 圧力・温度ともに上昇し続け、いわゆるオーバーヒート現象をおこし、最終的に高圧 圧力開閉器という安全装置が働いて、エアコンを全停止させてしまいます。 室内機の蒸発器に粉塵が蓄積し風量ダウンすると、蒸発器内の液冷媒は、減少した空 気の流れに対して熱交換しようとするため、エアコンの吹出し温度はどんどん下降し、 吹出し温度自体は大変に冷たくなります。しかし、絶対的に吹出し風量が足りないた め、室内はいっこうに冷えないという冷房能力の低下を生じます。そのままで進行す ると、風量ダウンで蒸発しきれない液冷媒は、そのまま室外機の圧縮機に戻ることに なり、気水分離器（アキュームレーター）という保護装置があり、気体の冷媒だけを 圧縮機に戻す許容範囲を超え、液冷媒がそのまま圧縮機に送られ、損傷してしまいま す。 エアコンクリーニングというと、たいがい室内機と思われています。その理由は、臭 いや見た目の汚れが大半で、エアコンの機能維持の為にとても重要です。が、現状は 室外機のごみの詰まりが原因の、冷房能力ダウン、故障が大半を占めています。外気 温度が上昇すればするほど室外機の熱交換能力の効率が冷房効果に大きく左右され ます。 ２．省エネの為の洗浄 エアコンは熱量を計算して内部装環境に合わせて機種を選定しています。これによ り、室内空調環境は適切な設定温度を保つことが可能になります。室内空気を吸込み、 冷却して吹き出すという循環により、徐々に温度の低下を図り、設定温度に達するま で圧縮機（コンプレッサー）を回して冷房運転し、設定温度に達するとコンプレッサ ーを停止し送風状態になり、また温度が上昇すると冷房運転を再開して一定の温度を 維持し続けています。 室内機の蒸発器にごみが詰まり風量ダウンを起こすと、この循環システムに狂いが生 じ、なかなか設定温度に達しないとか、設定温度にやっと達してもその後の再起動に よる温度低下に時間がかかるとか、冷房の効きが悪いという状態になります。 室外機の凝縮器にごみが付着すると、外気との熱交換効率が下がり、室内機の設定温 度の要求に対し、コンプレッサーは稼動し続け、コンプレッサーの運転時間が長くな ります。 エアコンのコンプレッサーは心臓部であるとともに、エアコンのパーツの中で一番電 気消費量の多い部品です。室内外機の熱交換ダウンは、コンプレッサーの稼働時間を 長くし、エアコンの効きが悪いうえに電気代がかさむという、まったく効率の悪い状 態を作り出してしまいます。 消費電力比較表 5000 4500 4000 3500 ｋｗ 3000 未洗浄 室内機 室外機 室内外機 2500 2000 1500 1000 500 0 0日 7日 14日 21日 31日 ３．空気環境改善のための洗浄 室内空間において空気中を浮遊する粉塵は存在し、エアコンのフィルターやファン、 熱交換器に付着・蓄積して、そこに多くのカビ・雑菌・ダニなどが繁殖しています。 エアコンはシステム上、室内の空気を吸い込んで熱交換して吹き出し、循環させなが ら徐々に温度を上下させて必然的に室内空気を掻き回し、時にはエアコン内部のゴミ を吐出し、空気環境を悪化させることとなることもあります。その中には「クロカワ カビ」など、弱者といわれる幼児や老人、病弱な人々にとっては、吸引することで「ア レルギー性疾患」を起こす原因となります。また、健常者でもこの粉塵によって咳き 込んだり、くしゃみや鼻水などを起こすこともあります。外気の流入や、人の出入り、 タバコの煙、料理の油煙などにより、多くの粉塵が存在し、「環境改善のための定期 的な洗浄」が、衛生的な室内空間の維持にとって大切な要因として重要視されはじめ ています。 ＜空調室外機 ダイキン工業 RBLY20G 熱交換器部分＞ 熱交換器部分に、ほこりが付着し風量障害を起こしています。 以上のことから、機器保護・省エネ・空気環境改善の為にもエアコン室内機、室外 機ともに分解整備（高圧薬品洗浄）をお勧めいたします。 株式会社ベネフィット エアコン分解洗浄 仕様書 空調室内機 空調室内機 １．熱交換器（蒸発器）フィン高圧薬品洗浄 当社は、アルミフィンを腐食せず、汚れだけを落とす特殊薬品を使用します。 ２．ファン洗浄 分解により、薬品、水洗い洗浄を行います。 ３．ドレンパン清掃 水垢、スライムを除去いたします。 ４．外装パネル清掃 洗剤による清掃を行います。 ５．フィルター清掃 薬品、水洗い洗浄を行います。 ６．ドレン管通水テスト ドレン排水の詰まりをテストします。 ７．室内機点検 機能の点検をし、点検結果報告書を作成します。 ８．作業写真撮影 作業前・作業後をデジタルカメラにて撮影し写真報告書を提出します。 空調室外機 空調室外機 １．熱交換器（凝縮機）高圧薬品洗浄 高圧洗浄機により、20k の圧力で汚れを除去いたします。特殊薬品使用。 ２．ファン清掃 薬品・水洗いを行います。 ３．外装パネル清掃 拭きあげ清掃を行います。 ４．冷媒ガス、圧力測定 マニホールド（圧力計）を用い、圧力測定を行います。 ５．電流電圧測定 電流・電圧を測定し、基準の良否を判定します。 ６．点検表の作成 エアコン点検表を作成し、良否を判定いたします。 ７．作業写真撮影 作業前・作業後をデジタルカメラにて撮影し写真報告書を提出します。
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