メタンハイドレートフォーラム 2016 「メタンハイドレートの貯留層評価と 生産挙動予測: 在来型とどう違うか?」 メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21) 資源量評価グループ 藤井 哲哉 (JOGMEC) 生産手法開発グループ 今野 義浩(産業技術総合研究所) 生産手法開発グループ 内木 元義(日本オイルエンジニアリング株式会社) 2016年12月6日 東京大学 伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール 0 内容 機密性○ 1. メタンハイドレートはどこに、どのように存在するか? 2. 貯留層の評価はどのような方法で行うのか? 3. どうやって試験候補地を決めるか? 4. 生産中に貯留層内でのガス/水の流れはどのように 生じているのか? 5. 生産挙動予測を行うプログラムはどのようなものか? 6. 生産挙動予測の不確実性はどのくらいあるのか? 在来型の石油・天然ガスとの違い に着目しながら説明 1 取り組んでいる作業の流れと発表内容 機密性○ • 資源量・貯留層評価(地質関連)作業の流れと進捗報告(藤井) • 圧力コア解析・貯留層モデル構築、生産挙動予測シミュレータ およびラボ実験との対比・検証(今野) • 生産挙動・生産システムの在来型石油・天然ガスとの比較(内木) 探査・資源量評価 貯留層評価 (どこに、どのくらい?) (試験候補地におい てどのように?) アラスカ 第二渥美海丘ほか 生産挙動予測 ・賦存状況・濃集機構 ・濃集帯分布・資源量 レザキャラ 貯留層モデル構築 MH分解モニタリング ・候補位置選定 ・長期生産挙動 海洋産出試験 ・候補位置選定 ・生産区間決定 ・ヒストリーマッチング ・中長期生産挙動予測 エネルギー収支比・ 経済性の検討 資源量評価 濃集帯分布、資源量 関連 地震探査、地質解釈、物理検層、コアリング 技術 堆積盆シミュレーション(ベースンモデリング) 長期陸上産出試験 3グループの共同作業 モニタリング(温度分布、ケースドホール検層、 2 4成分地震探査)、レザバーシミュレーション 22 どこに、どのように存在するか? 海域におけるメタンハイドレートの賦存形態 0 海面 温度 海面 20 温度→ 水深500m 以上 海底面近傍メタンハイドレート (表層型メタンハイドレート) 泥層内メタンハイドレート 砂質層孔隙充填型 メタンハイドレート 平衡曲線 海底面(例:700m) 深度 500m以浅 安定 領域 海底面 タービダイト 砂泥互層 メタンハイドレート濃集帯 フリーガス層(低飽和ガス層) 深度 砂層型の特徴 (圧力) ・資源量評価が可能(従来型の応用) ・従来からの石油生産技術が使える ・効率的な生産手法が実証されている 東部南海トラフ海域において 複数のメタンハイドレート濃集帯を掘削 画像出典:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム 3 どこに、どのように存在するか? 日本周辺海域におけるMH起源のBSR分布 BSR (Bottom Simulating Reflector) =海底擬似反射面 =メタンハイドレートの基底からの反射面 (地震探査によってメタンハイドレートの存在 を推定する指標: MH探査の第一歩) 詳細調査により海域の 一部に濃集帯の存在を 確認:約5,000km2 濃集帯を示唆する特徴 が海域の一部に認めら れる:約61,000km2 濃集帯を示唆する特徴 がない:約20,000km2 調査データが少ない: 約36,000km2 地震探査の結果から 上記の海域すべてに メタンハイドレート が存在すると 考えられる しかし… 画像出典:林ほか(2010)より 4 どこに、どのように存在するか? 0 海面 温度 地震探査断面におけるBSRの例 20 温度→ (TWT) 1.25 sec 平衡曲線 安定 領域 基礎試錐「南海トラフ」(1999) Z1 =ρ1V1 Z2 =ρ2V2 Sea Bottom 低温・高圧下 でのメタン ハイドレート 海底面 1.50 sec メタンハイドレート 賦存層 安定領域 の下限 フリーガス層 深度 1.75 sec (圧力) BSR ただし,ガス飽和率は10%以下 石油ガス探鉱の感覚では水層に近い メタンと水 として存在 2 km Tsuji,et.al.(2004)より 5 5 どこに、どのように存在するか? メタンハイドレート濃集帯 比抵抗 タービダイト砂泥互層 浅い水深に堆積した粗粒堆積物が,地震・暴風・津波 などによって数十年や数百年に一度の割合で,周りの 流体と混合し流動化して深海へ運搬し,海底扇状地と 呼ばれる地形を形成する。通常は,細粒の泥しか堆積 しない沖合いにおいて,砂泥互層を形成する。 海底扇状地 チャネル チャネル頂部 濃集しない MH賦存層 ローブ Walker,1978 強振幅反射波 BSR MH濃集層 BSR MH安定領域 MH濃集帯 チャネル基底 BSR タービダイト 砂泥互層 画像出典:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム 6 Well β1 (2004) 南西 Well β1 音波速度 Vp 比抵抗 MH 賦存層 Sea-bottom 北東 どこに、どのように存在するか? 海洋産出試験実施地点の 地震探査断面:地層の走向方向 Top of Channel Sands 強振幅反射波 (B) MH濃集帯 (Gross: 45m) BSR (A) Base of channel Saeki et al. (2008) 地震探査データ: ★ 強振幅反射波 ★ 高速度異常 坑井データ: ★ 高比抵抗、高速度区間 High 高いP波速度異常 Velocity (C) Anomaly (D) 高密度速度解析 7 どこに、どのように存在するか? メタンハイドレート賦存の岩石物理モデル Vp Seismic inversion, Vp Hydrate Saturation, Sh 2400 2200 2000 1800 Sh 1600 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0 1400 4000 MH・ガス・油飽和率とP波速度の関係 (同じ条件下での相対比較の例) MH(Matrix supporting model) MH(Pore filling model) Gas Oil 3500 3000 Rock Physics Vp vs. Smh P波速度 Well Log, Vp Gassmann's equations 5000 2500 4000 2000 well log data 3000 Vp 1500 2000 1000 0.00 Original curve 0.20 0.40 Smoothed curve 0.60 (70 HZ high cut filter) 飽和率 1000 0.80 0 1.00 Matrix-supporting Model Helgerud (2001) 0.2 0.4 Sh 0.6 0.8 1 8 どこに、どのように存在するか? 在来型石油・天然ガスとの違い・特徴 (地質・物理探査関連) 基本的には在来型の技術の応用 ●主な違い • 海底面下深度が浅い(~500m)、 地質的に若い未固結堆積物 • 地下状態と地表状態が著しく異なる (地下:固体 → 地表:メタンガス+水) • 石油・天然ガスより音響インピーダン ス(密度×速度:ρV)のコントラストが 明瞭(特に海洋の砂層型) • 微生物起源のメタンを主体とする (東部南海トラフの砂層型の場合) • トラップ機構(自己シール) まだまだ不明なことが多い MHシステム メタンソース (微生物・熱分解) 量と質 温度・圧力 メタンの移動 経路 タイミング 貯留岩 (砂質層) 存在 MH形成 /分解 温度圧力条件、鉱 物組成、塩分濃度 など 性状 泥層 水砂層 泥層 ハイドレートの充填で 浸透率が下がり、メタンが アップデップに移動しない 状態になる 9 貯留層評価作業のワークフロー どのような方法で行うのか? フレームモデル 岩相分布モデル 基本的な流れは 在来型と同じ 貯留層物性モデル ヒストリーマッチング (モデルのアップデート) 玉置ほか(2013) 10 貯留層評価はどのような方法で行うのか? 東部南海トラフにおける資源量調査 (2001~2008) 基礎試錐 「南海トラフ」 (1999) 二次元基礎物理探査 (1996) 二次元基礎物理探査 (2001) 三次元基礎物理探査 (2002) 基礎試錐 「東海沖~熊野灘」 (2004) 11 どのような方法で行うのか? 東部南海トラフにおける メタンハイドレート原始資源量評価 容積法による評価-確率論的手法を適用 メタンハイドレート原始資源量 = GRV×N/G×φ×SMH×VR×CO/28.3 孔隙率(φ) メタンハイド レート飽和率 (SMH) 容積倍率(VR) MH 総岩石容積(GRV) ネット/グロス比 (N/G) 1m3 メタン 172m3 + 水 0.8m3 ケージ占有率(CO) 藤井ほか(2009) 画像出典:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム 96% (1bcf=28.3MMm3) 在来型天然ガスとの比較: 172×0.95=163 ≒ ガス容積係数の逆数(1/Bg=@1300m, 14℃) 12 どのような方法で行うのか? 東部南海トラフ海域の資源量評価結果 算定パラメータ(合計/平均値) 種類 東部南海 トラフの MH濃集 帯 MH原始資源量算定結果 GRV N/G φ SMH VR CO P90 坑井有 44.55億m3 0.38 0.43 0.52 172 0.95 402億m3 1369億m3 838億m3 未掘削 349.31億m3 0.37 0.45 0.51 172 0.95 1367億 9779億m3 4901億m3 1兆1148億m3 (39Tcf) 5739億m3 (20Tcf) 1兆2208億m3 (43Tcf) 5676億m3 (20Tcf) 2兆3356億m3 (83Tcf) 1兆1415億 P10 Pmean m3 合計 (767km2) 0.37 393.86億m3 0.44 0.51 172 0.95 地質的成功確率に対する考え方は? 面積 MH濃集帯以外の感度分析 3920Km2 東部南海トラフの MH賦存層 GRV (1兆2544億 (3920km2) N/G m3) φ 合計 Sh CO VR Net 層厚 Net sand/ gross thickness 0.29 172 0.95 m3 (6Tcf) 1067億 m3 (4Tcf) 6.4m Recoverable reserves Gross Rock Volume 0.48 1769億 (0.02) Porosity 2835億 MH saturation m3 Cage occupancy (10Tcf) Volume ratio m3 (40Tcf) GRV:総岩石容積,N/G:ネット/グロス比,Φ :孔隙率,SMH:MH飽和率,VR:容積倍率,CO:ケージ占有率 感度の大きさ Recovery ratio assumption option 1 坑井有:基礎試錐「東海沖~熊野灘(04)」で確認されたMH濃集帯。 N/G>MH飽和率>GRV 未掘削:基礎物探「東海沖~熊野灘(02)」から存在が推定されるMH濃集帯。 >φ >ケージ占有率 東部南海トラフMH濃集帯の原始資源量=2011年の日本の年間LNG輸入量の約5.5年分 藤井ほか(2009) 東部南海トラフの原始資源量 =2011年の日本の年間LNG輸入量の約11年分 assumption option 2 assumption option 3 399.98 599.98 799.98 999.98 1199.98 1399.98 1599.98 1799.98 1999.98 2199.98 井戸が掘られていない濃集帯の評価結果への寄与度が大きい 画像出典:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム 13 どのような方法で行うのか? 物理検層解析の例 Fujii et al. (2015)を編集 Resistivity (d) GVR (e) Bulk (f) Porosity (i) Vs (a) Natural (b) Caliper (g) Hydrate (h) Vp 自然ガンマ線 坑径(c) (ohm-m) バルク密度 孔隙率 MH飽和率 音波速度 比抵抗(Resistivity density (frac.) (m/sec) gamma ray (inch) saturation (m/sec) Image) (API) 60 80 100 8 10 12 14 0 1 10 100 1000 (g/cc) 1.2 1.6 2.0 (frac.) 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 P波 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1,500 2,500 3,500 S波 0 浸透率 (j) Permeability (md) 1,000 0.010 0.10 1 10 100 (k) Geologic unit 岩相区分 Classification (relation to MH occurrence) Bit size (8.5”) Res_BS Res_BD Res_Ring PhiD TCMR FFV BFV Sh from core analysis sand bulk 井戸が掘られていれば、結構精緻な評価が可能 320 評価項目 330 岩相 K-TIM K-SDR K from XPT Normal alternation Unit (Upper MHCZ) Lobe /sheet type Production interval (Actual) Depth (mbsf) 310 MH Concentrated zone (MHCZ) 60m 280 Coring interval (260-320mbsf) 270 300 Sh from Res_BD Sh from TCMR (corrected) 260 290 RHOB RHOBc 評価ツール Φ from core 自然ガンマ線、比抵抗(イメージ) analysis 評価の課題 Sand dominant alternation Unit (Lower MHCZ) Channel type UCAV Silt dominant Unit (Seal formation) 250 340 350 BSR 密度、中性子など Sand dominant Unit ? (Water bearing layers) ・孔径拡大の影響 未固結層 ・密度・孔隙率の補正 MH飽和率 比抵抗、核磁気共鳴、音波 ・飽和率・浸透率の評価値の信頼性 Fujii et al. (2015) AT1-MC坑における物理検層データと岩相区分 (保圧コア分析による補正が不可欠) 浸透率 Water depth: 997.7m 核磁気共鳴、地層圧力 337 mbsf 孔隙率 14 井戸がない濃集帯における評価 どのような方法で行うのか? Al-Siyabi (2000) 井戸が掘られていない濃集帯における岩相 推定の一例: 地震探査データを用いた 震探相の分類・堆積学的な解釈 → アナログ(類似・相似)となる情報の有 無、 解釈者の経験・技量にも依存し、 不確実性が大きい 濃集帯推定作業の例 北 サイスミックファシス(震探相)区分 南 海底面 BSR 北 南 海底面 高速度異常 BSR 小松ほか(2015):JOGMEC-TRC 年報 15 どうやって試験候補地を決めるか? 東部南海トラフにおける メタンハイドレート探査 (1996-2004) Joides Resolution MITI Nankai Trough Wells (1999) 砂層孔隙充填型のMH 第1回海洋産出試験 実施地点:第二渥美海丘 β 濃集帯 Daini-Atsumi Fujii et al. (2005):ICGH MITI 2-D Seismic Surveys (2,802km) メタンハイドレート濃集帯 1996 2001 METI 3-D Seismic Survey • 調査海域において、計16の濃集帯を抽出 (2002), 1960km2 • 原始資源量評価値: 40 Tcf (この内濃集帯は20 Tcf) 2004 Exploratory test wells LWD Fujii et al. (2008) OTC、藤井ほか(2009)地学雑誌 “Tokai-Oki to Kumanonada” LWD+Coring -> 2012年度の海洋産出試験実施地点の候補 16 機密性○ どうやって試験候補地を決めるか? 第1回海洋産出試験実施地点 3,760,000 試験実施地点 第1回海洋産出試験の実施地点 第1回海洋産出試験実施地点 -北緯33度56分 東経137度19分 3,795,000 第二渥美海丘 3,790,000 β 濃集帯 705.000 710.000 面積 12.3km2 水深 857~1405m 離岸距離 渥美半島~志摩半島沖合 715.000 720.000 17 どうやって試験候補地 を決めるか? 試験候補位置選定のアプローチ (a) Interpretation of Channel Facies (c) P-impedance from seismic inversion Identifying bottom frame (BF) of channels Noguchi et al. (2011) From BSR to top of MHCZ Noguchi et.al. (2011) (2004) (b) RMS amplitude distribution チャネル分布解釈 Channel Distribution (NE-SW) 振幅分布 RMS amplitude 地盤調査井の 結果と坑井対比 海底面地形 Results of Geotechnical holes (2011) Well to well correlation Sea floor bathymetry AT1 (2012) P波インピーダンス P-imp 藤井ほか(2016a) Location of the Production Test 試験候補地 18 第2回海洋産出試験の候補位置選定 100m Loc. 1 AT1-P (2012-13) Loc. 2’ (1) 前回試験との比較 (2) 生産性(全体の厚さ、 上部薄砂泥互層の厚 さ) (3) 減圧生産時のリスク回 避(既存坑井との干渉 、断裂系、水引き(地層 傾斜の浅い側・深い側 :BSRの下) (4) 海底面の傾斜 Drill UD well UD (1) Sand lateral continuity from AT1-MC, P, MT1? (2) Top/Lateral Seal Capacity (3) Enough thickness of MHCZ? OK Loc 2’ Serious Problem Loc 1 どうやって試験候補地 を決めるか? 濃集帯上部 薄砂泥互層 の厚さ 次のスライド 藤井ほか(2016b):JOGMEC-TRC年報 -1000 Water depth (m) 20 Lower MHCZ (m) Fault (Inerpreted) 19 絞り込まれた各候補位置選定の特徴 NW 1 地質断面 2’ どうやって試験候補地 を決めるか? UD SE 事前掘削で再認識された貯留層評価の不確実性 ・メタンハイドレート胚胎分布の多様性。 ・地質レイヤーは連続しているはずなのに、MHの分布にむらあり。 ・メタンの移動・MH集積プロセスをも考慮した検討の必要性。 事前調査井(UD)を掘削して 船上で解析・即時決定 (→ポスター発表を参照) 藤井ほか(2016b):JOGMEC-TRC年報 Advantageous Disadvantageous Loc. 1 Upper MHCZ (20m) Water invasion risk from Down dip, Thinner MHCZ Loc. 2’ Thicker MHCZ Uncertainty of Upper MHCZ 20 圧力コア解析・貯留層モデル構築 生産挙動予測シミュレータ およびラボ実験との対比・検証 (今野) 21 圧力コア解析による貯留層評価 在来型との共通点 • 地震探査・物理検層を通して得られた貯留層情報は、 コア*の解析結果と定量的に相互比較し評価 *地層から採取した試料 在来型との相違点 • 通常のコア採取方法では、陸上・船上にコアを回収した段階 でハイドレートが分解してしまうため、“圧力コア”と呼ばれる 地下の圧力・温度を保持したままのコアを使用 • ハイドレートが胚胎した圧力コアを解析することで、原位置の 貯留層特性を評価 22 圧力コアリング • コア収納部をバルブで閉じ、保圧機構を作動させることで、 原位置に近い圧力を保持したままコアを採取する技術 圧力コアリングで採取したハイドレート胚胎砂 圧力 安定領域 圧力 コアリング 通常のコアリング 温度 多少の温度上昇は許しても、圧力は保持 ⇒ハイドレート安定領域内に維持 ハイドレートが 砂粒子を固結 ↓ 原位置特性の 把握が可能 減圧すると… 砂粒子は未固結 ↓ 原位置特性の 把握は困難 出所: メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムHP 23 圧力コア解析 • 圧力コアを減圧(脱圧)することなく解析し、原位置の貯留層 特性(ハイドレート飽和率や浸透率等)を把握する技術 日米英のみが保有する解析技術 実フィールドの解析に活用(試験地選定、シミュレーション入力データ) 産総研 北海道センター コア輸送 地球深部探査船「ちきゅう」 (JAMSTEC所管) 解析に活用 データ 第1回海洋産出試験 圧力コアリング – 東部南海トラフ(2012年) – インド東方沖(2015年) *MH21から研究者が乗船 出所: メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムHP 24 第1回海洋産出試験地の圧力コア解析例 • ハイドレート飽和率は最大80%程度 • ハイドレート胚胎砂層の浸透率は1~100 md 既往研究より2~3桁大きな値 • ハイドレートの存在形態(morphology)はLoad-bearing ハイドレートの存在形態 砂粒子 既往研究 ハイドレート層の浸透率は低い (減圧法だけでは生産困難?) ハイドレート粒子 ハイドレートは堆積構造の一部を構成 (Load-bearing) →ハイドレートに保持された高い孔隙率 結果 想定より高い浸透率 (減圧法で生産できる見込み) 25 ハイドレート貯留層からのガス生産 在来型との共通点:坑井を掘削し生産 在来型との相違点:ハイドレートは流動しないため、原位置で ハイドレートを分解しガスを発生させる必要 ハイドレートの 安定領域 圧力 加熱 平衡条件 を変化 減圧 ハイドレートの分解領域 (ガスと水) 温度 主要なハイドレート分解手法 減圧法 加熱法 インヒビター圧入法 (平衡条件を変化させる手法) 10 ℃, 10 MPaの貯留層では、およそ 7 MPa以下*に減圧 or 13.5 ℃以上*に加熱 して、はじめて分解が始まる *条件は塩分濃度等によって変化 ⇒分解継続にはさらに減圧・加熱が必要 27 ガス生産とエネルギー収支 • ハイドレートの分解は吸熱反応→分解継続には熱が必要 分解に使われる熱 出典: メタンハイドレートフォーラム2015 28 減圧法の原理 • 貯留層まで掘削した坑井の圧力を減じることで、ハイドレート をガス・水に原位置で分解し、ガスを生産する手法 坑井水 泥質層 地熱 ポ ン プ 地層の顕熱 分解 ・ 吸熱 メタンハイドレートを 含む砂層 地熱 泥質層 安定領域 圧力 ガ ス 減圧法の要件 減圧効果を伝える地層の 浸透性 ハイドレートの分解熱の供給 熱を得るためには減圧が必要 減圧 吸熱反応 温度差 温度 29 生産挙動予測シミュレータ:MH21-HYDRES • 東京大学・日本オイルエンジニアリング株式会社・産総研が MH21の下で共同開発した計算プログラム 多成分・多相を扱うレザバーシミュレータ ガス・水の生産挙動、貯留層内のハイドレート分解挙動、 圧力・温度・飽和率分布を予測 コアスケールからフィールドスケールまで対応 室内実験との比較検証 に基づく理論構築 国内外実フィールドへの 適用実績 世界トップレベルの 精度・機能・安定性 出所: メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムHP 30 シミュレータの概要 在来型との共通点 • 多孔質媒体内のガス・水の流れを計算 – ダルシー則 在来型との相違点 • 熱収支を計算(在来型では重質油等、特別なケースのみ) • ハイドレート(固体) - ガス・水(流体)間の相変化を計算する とともに、その結果生じる貯留層特性の変化を計算 – 有効孔隙率 – 浸透率 – 熱伝導率 等の変化を計算 31 生産挙動予測の流れ コア実験 (cm スケール) 貯留層評価で得た インプットデータ 数値シミュレーション (室内スケール) 数値シミュレーション (フィールドスケール) 相互比較 大型室内産出試験 (m スケール) 要素モデルの検証 パラメータの導出 産出試験の計画・立案 挙動解析 出所: メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムHP 32 コア実験(室内要素試験) • 実際の堆積物を模擬し作成した人工コアやフィールドから 採取した天然コアを用いて、各種要素試験を実施 試料サイズ:直径:5 cm, 長さ:10 cm程度 模擬コア X線CT装置による分解過程の観察 流動挙動・分解挙動等を評価 出所: メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムHP 33 大型室内産出試験 • フィールド挙動を室内で再現するため、メタンハイドレート用 室内試験設備を開発 High-pressure Giant Unit for Methane-hydrate Analyses (HiGUMA) 内容積:1710 L (世界最大) 試料収納部:内径1 m、高さ1.1 m 律速因子*解析に基づき、 設計・開発 フィールドを模擬した生産挙動 を取得し総合的な解釈を実施 *通常の小さなコア実験と実フィールドでは、 スケールの違いにより、ガス生産の律速因子 が異なる 大型室内産出試験装置:HiGUMA 34 第1回海洋産出試験の解析例 • 世界で初めて海洋で実施された産出試験の生産挙動を MH21-HYDRESを用いて数値解析 • 貯留層評価に基づき構築したモデルを用いることで、 分解範囲・主要な生産層等を推定 ⇒第2回試験に活用 実測値 シミュレーション ガス生産レート 実測値 シミュレーション 水生産レート 出所: 第28回メタンハイドレート開発実施検討会 36 生産挙動予測における不確実性 • 貯留層に起因する不確実性 – 貯留層の連続性 • 砂層やハイドレートの不均質な分布 • 断層による分断 • 生産に伴い発生する現象に起因する不確実性 – 出砂 – 地層の圧密・変形 – 細粒成分の坑井近傍への蓄積 – 坑井近傍でのハイドレート再生成 長期の産出試験(1か月、1年)による現象把握・検証が必須 37 生産挙動・生産システムの 在来型石油・天然ガスとの比較 (内木) 38 メタンハイドレート貯留層と 在来型油ガス貯留層の温度・圧力相図 ハイドレート層 ハイドレートの安定領域 (孔隙内はハイドレートと水) 海底面 平衡曲線 ハイドレートの安定領域外(孔隙内はガスと水) (ハイドレートは分解しメタンガスと水になる。 これは吸熱反応であり、温度が低下する。) ハイドレートを貯留層内 で分解させるには、圧力 を下げるか温度を上げ、 安定領域外に温度・圧力 分布を移動させる必要が ある。 もし、井戸元まで流動す る過程で温度・圧力がハ イドレートの安定領域に 戻ってしまえば、ガスと水 が反応しハイドレートの 再生成が生じる。 貯留層内でも同様な条 件となればハイドレート の再生成が起きる。 39 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の温度・圧力相図 典型的な原油(石油)の相図(Phase Diagram) 臨界温度(Tc)以上でDew Point(露点)カー ブより外側はガス相となり、Tc以下で Bubble Point(沸点)カーブより外側は油相 である。 A Bubble Point curveとDew Point curveの内 側はガスと油の2相状態となる。 一般的に在来型の貯留層内は温度一定 と考えて良いので、ガス層ではAからA1の 経路を辿り、ガスコンデンセイト層では、B からB1に圧力が下がったところでガス層内 で液分が析出し、圧力の低下と共にその 割合が増加する。一方、油層では、圧力 がCからC1に下がったところでガスが湧き 出し、油層内が油・ガスの2相状態となる。 ガス層での実際の生産過程においては、 貯留層から井戸を介してガスの生産が行 われるが、井戸のパイプ内では地上(海 上)に近づくにつけ温度が下がるので、Aか らA2の経路を辿り、井戸元では液分が生 産される。 Terry and Rogers (2014) 40 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産井の排ガス(油)半径 半径250mの閉境界のモデルに於ける流動坑底圧を一定とした場合の ハイドレート貯留層のガス及び水生産量の一例 2年過ぎに減圧によるハイドレートの分解が境界(閉境界)に達したためにガス生産量が 減少し始めている。この例では250m先までガス生産の影響が伝わるのに2年位必要とい うことになる。 41 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産井の排ガス(油)半径 在来型油層におけるRadius of Investigation Φ =25%、油層の圧縮率が10-5/psiの場合は以下の様になる 42日で2km 20 hours 100mD/cpの場合は20時間後には井戸から250m先までの貯留層の情報が坑井の圧力変化 となって現れ、感知可能となる。又、42日で約2Km先まで感知可能である。 42 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産井の挙動 ハイドレート貯留層の井戸の生産量の一例 ハイドレート貯留層では孔隙内の可 動水が坑底圧を低下させることにより 井戸に向かって流動し、孔隙内の圧 力が低下し、温度圧力の条件がハイ ドレート安定領域外に出た時にハイド レートの分解が始まり、分解に伴いガ ス・水の有効浸透率が徐々に増大し ガス及び水の生産が始まる。 従って、坑井周辺での流動障害等が 起きない限り、ガスと水の生産量は 時間と共に増大する。 しかしながら、ハイドレートの分解反 応は吸熱反応であるために、熱の供 給が続く必要がある。通常はこの供 給はハイドレート層に隣接する泥層と ハイドレート層の分解フロントの側方 からされる。そして、ハイドレートの分 解フロントが物理的な境界に達する まで生産量が増大する。 43 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産井の挙動 在来型油層の井戸の生産量の一例 在来型油層では貯留層 の圧力が生産の原動力 となるので、流動坑底圧 を一定に保つ限り、時 間とともに徐々に生産 量は低下する傾向にあ る。 生産量を保つためには、 井戸元からの背圧を下 げて流動坑底圧を下げ る必要がある。即ち、坑 底での静止圧との圧力 差(ドローダウン)を一定 に保つ必要がある。 44 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産量・圧力等の実績 メタンハイドレートの産出試験の実績 在来型は生産・圧力等は何十年もの商業生産の実績があるが、 メタンハイドレートには商業生産の実績はない。 メタンハイドレートの生産試験は、条件の良い陸上でも1ヶ月が最長であり、海域においては 東部南海トラフで行われた6日間が最長である。 45 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産量・圧力等の実績 第1回海産試験での実績生産量とシミュレーションによる計算結果 2013年3月12日から18日までの約6日間にわ たって、行われた海産試験の生産量の測定値と 掘削時に坑井から得られた様々な地質データ やコアデータを基に作成されたシミュレーション モデル(2次元円筒座標系)に実測の坑底圧を入 力して計算された生産量のグラフを左図に示す。 生産の初期3日間ほどは、掘削による坑井周辺 の擾乱のため実績の生産量が多くなっているが、 初期の擾乱が収まったと思われる後半の3日間 はそれなりに再現できている。 しかしながら、時間とともにガス生産量が増加す る傾向はこの6日間という試験期間では観測さ れていない。 シミュレーションで示される時間と共に生産量が 増加する現象をより長期な試験で確認されるこ とが望まれる。 出所: 第28回メタンハイドレート開発実施検討会 46 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 生産量・圧力等の実績 在来型油層の井戸の生産量・圧力の一例 在来型油層では貯留層 の圧力が生産の原動力 となるので、流動坑底圧 を一定に保つ限り、時 間とともに徐々に生産 量は低下する傾向にあ る。 生産量を保つために は、井戸元からの背圧 を下げて流動坑底圧を 下げる必要がある。即 ち、坑底での静止圧と の圧力差(ドローダウン) を一定に保つ必要があ る。 48 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 解釈の不確実性 在来型油層での実績データとシミュレーションでの計算結果 左図は在来型油層でのヒス トリーマッチングの一例であ る。 生産量データをモデルに入 力し、モデルにより計算され た坑井の圧力、ガス油比、 含水率等を実績に合うよう に不確実性の高い油層パラ メータを許容範囲の内で変 化させマッチングを行ってい る。 在来型油層では開発初期 に作成された油層モデルを 開発が進んでデータが沢山 得られた段階で、このヒスト リーマッチングを行うことで 最適化して、将来の開発計 画を見直している。 49 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 解釈の不確実性 メタンハイドレートの産出試験の実績 時期 参加国 生産手法 結果 カナダ陸上産出試験 第1回試験 第2回試験 2002年 2007年、2008年 日本、カナダ、米国、 日本、カナダ ドイツ、インド 温水循環法 減圧法 メタンガス生産に成功 (世界初) 3 最大レートは日産350m 、 生産量 急激にレートが低下 累計生産量 470m3 (5日間) 東部南海トラフ 第1回海産試験 2013年 日本 減圧法 海洋において減圧法 減圧法による連続生産に による連続生産に成 成功(世界初) 功(世界初) アラスカ陸上 2012年 米国、日本 減圧法+CO2置換 メタンとCO2の置換を確認 日産2,000-4,000m3 日産約20,000m3 日産3,000m3程度 13,000m3 (6日間) 120,000m3 (6日間) 23,000m3(30日弱) メタンハイドレートの生産試験は、条件の良い陸上でも1ヶ月が最長であり、海域においては東部南 海トラフで行われた6日間が最長である。東部南海トラフでは日産20,000m3と上記試験では最大の 生産量を記録したが、時間とともにガス生産量が増加する傾向はこの6日間という試験期間では観 測されていない。 シミュレーションで示される時間と共に生産量が増加する現象をより長期な試験で確認されることが 望まれる。 50 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 解釈の不確実性 減圧法でのMH生産の場合、分解フロントが拡大することによる生産量の増大が見 込まれている。実際にこの現象が生じるのか、あるいは熱の供給が十分でなかった り、貯留層障害が起きたり、水生産量が増大したりして生産量が増えないのか、その いずれかであるかを見極めることが今後の重要ポイント ガス生産レート 第2回陸産試験第1冬 第2回陸産試験第2冬、第1回海洋産出試験 現状はこの辺まで来た 第2回海洋産出試験の目標期間 長期陸産試験の達成目標 短期 中期 長期 1 10 100 出所: 第29回開発実施検討会 シミュレーションで示される時間と共に生産量が増加する現象をより長期な試験で確認される ことが望まれる。 51 メタンハイドレート貯留層と在来型油ガス貯留層の 解釈の不確実性 メタンハイドレート貯留層は在来型貯留層と異なり、未固結層のためにハイドレー トの分解、ガス・水の生産に伴い、坑井を中心とする地層の変形が考えられる。 MH21ではこれらの地層変形をシミュレートするために、地層変形シミュレータ(力 学モデル)を開発し、分析を行っている。しかしながら、流動シミュレータ(水理モデ ル)にはこれらを考慮する機能は含まれていない。 現在、これらの両モデルを統合化すべく作業中である。 一方、在来型ガス・油田は水溶性ガス田と一部の油・ガス田を除いて、生産に伴う 地層の変形を考慮する必要はない。 52 メタンハイドレート貯留層からの生産システム 坑井群単位で生産を制御 坑井群 1 坑井群 4 海底面 坑井群 2 坑井群 3 坑井 53 メタンハイドレート貯留層からの生産システム 坑井群の設定の一例 フィールド全体 16 坑井群 坑井群 3.55 km 443.11 m 443.11 m マニフォールド 3.55 km 排ガス半径250m と等価 このケースでは フィールドの大きさ が3.55Km四方に4 本の坑井群が16で 合計64本の坑井と なる。 坑井 1坑井の生産領域 54 メタンハイドレート貯留層からの生産システム 全坑井群を同時に稼働した場合 数年でピーク, その後は低い生産レート 同時に生産を開始すると、1本 の坑井の受け持ちの領域、 443mの正方形(井戸を中心とし た半径250mと等価)の境界に分 解の影響が達した時、隣接の 坑井の分解の影響も達するた めに急激に生産量が低下す る。 生産レート フィールド全体 MH層の熱を 利用 この現象がフィールド全体で同 時に起こるために、全体の生産 量も左図のように急激に減退す ることになる。 MH層外からの熱供給 1坑井群 0 5 10 生産期間(年) 55 メタンハイドレート貯留層からの生産システム 坑井群の生産開始時期をずらした場合 長期間の生産を維持できる 左図のケースでは一時に稼 働している坑井数がほぼ一 定となっている。 フィールド全体 生産レート しかしながら、坑井群の稼働 順序により相互の干渉の影 響が異なるために、たとえ、 完全な均質な貯留層であっ ても各坑井群の生産パター ンは異なり、左図のような フィールド全体の生産量が一 定になるとは限らない。 坑井群 0 1 2 3 4 5 5 6 10 生産期間(年) 56 3.55 km 3.55 km メタンハイドレート貯留層と在来型ガス田の 生産システム 3.55 km メタンハイドレート貯留層 3.55 km 在来型ガス貯留層 メタンハイドレート貯留層では1坑井の受け持つ排ガス半径は250m程度と考えられるので、 3.55km四方の貯留層では64本の坑井が必要となる。一方、在来型ガス田では1km程度の排ガス 半径で充分なので、同じ領域で必要な井戸数は1/16の4本となる。 但し、メタンハイドレート胚胎層は海底下200-300mであるのに対し、在来型ガス田では2~3000m あるいはそれ以上となる。 57 メタンハイドレート貯留層と在来型ガス田の 生産システム フィールド全体 生産レート 生産レート フィールド全体 坑井群1 0 2 3 4 5 6 5 生産期間 (年) メタンハイドレート貯留層 10 0 5 生産期間 (年) 10 在来型ガス貯留層 メタンハイドレート貯留層は生産開始から徐々に生産量が増加し、生産量が目標値に達するまで に2~3年は要するのに対し、在来型のガス田では生産開始当初から目標生産量での生産が可 能である。 58 まとめと今後の課題 • • • • • • メタンハイドレート(MH)の貯留層評価・生産挙動予測技術は基 本的に在来型石油・天然ガス開発技術の応用であるが、個別に 見ると相違点・MH固有の技術も幾つかあり、解決すべき技術 課題も多い。 信頼性の高い生産挙動予測を行うためには、実フィールドにお いて1か月以上の生産試験が必要。そのためには、出砂の問題 を克服し、生産量が増えていく傾向を確かめる必要がある。 中長期試験を見据えた候補地の選定の必要性(第二渥美海丘 の特殊性、より適切な貯留層模索の必要性) 日本周辺の各種濃集帯を対象としたエネルギー収支・経済性検 討: 前提となる貯留層モデルや生産挙動予測の不確実性の認 識の必要性。 東部南海トラフにおける原始資源量評価結果への影響度が大 きい坑井が掘削されていない濃集帯における三次元地震探査・ 坑井データ(検層&コア)取得の必要性 より長期の海洋/陸上産出試験の必要性 59 本資料は、経済産業省の委託により実施しているメタンハイドレート 研究開発事業において得られた成果に基づいています。 経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油・天然ガス課 メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21) (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (国研)産業技術総合研究所 60 参考文献・資料 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)のHP http://www.mh21japan.gr.jp/ 林ほか(2010): 石油技術協会誌、第75巻第1号(MH特集号),P42-53. 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