人権 4 て、土壌などから遺伝資源を採取する場合における 人権マネジメント 回 「遺伝資源へのアクセスと利益配分」などについても、 2012年度 研究 人権関連規則に関する 委員会の開催回数 配慮すべき課題と考えています。 課 題 ヒト由来試料等の提供者からの事前の自由意 取り組み 生命の尊厳および人権を尊重するポリシ 思に基づく同意(インフォームド・コンセント)の取得 ー・規約を体系づけ、研究活動を推進しています。環境 や、遺伝情報を含む個人情報の保護を徹底すること リスク低減に関しては、 「 武田薬品グループ環境防災 などの、人権の尊重が重要な課題と認識しています。 業務基準」に基づき継続的な取り組みを行っていま また、研究所周辺の地域住民に対する安全面、健康 す。また、遺伝的なサンプルのライブラリー利用時に 面での影響等に関する情報開示や、探索研究におい は特別な配慮を行うなど、人権に関する課題への取り 組みを着実に進めています。 開発(臨床試験) 「企業価値保全」に向けて 課題 臨床試験の実施にあたっては、予想される効果 被験者の人権に配慮した臨床試験プロセス管理 タケダは、被験者の人権に最大限配慮して、グローバルな臨床試験を 進めています。多くの臨床試験は、さまざまな業務を代行・支援する CRO(医薬品開発業務受託機関)により実施されています。タケダは、 途上国・新興国の被験者の人権配慮が社会的課題となっている現状 も認識しており、特にグローバル臨床試験を委託するCRO の選択に あたっては、品質管理、業務遂行能力、コンプライアンス等に関する 徹底した事前監査を行い、契約後も、タケダの方針と基準に従って、 その活動を継続的に評価し、責任をもって管理しています。 や起こりうる可能性のある副作用、守っていただく事 項等について十分に説明し、患者さんがその内容をよ く理解されたうえで、同意を得る必要があります。 タケダでは、臨床試験に参加していただく患者さん の自由意思を尊重し、安全性を確保するとともに、個 人情報を保護することが重要な課題と考えています。 取り組み ヘルシンキ宣言の精神をもとに定められた 国際水準 ICH-GCP(医薬品の臨床試験の実施の基 準)を遵守し、患者さんの自由意思に基づく同意を得 て、各国の規制要件、社内基準および治験実施計画書 事前監査実施のうえ契約した グローバルCRO 数 4 に従って臨床試験を実施しています。 また、新興国・途上国における臨床試験や、対象者に社 会的弱者が含まれる場合などにも、被験者の人権が損 社 なわれることのないよう十分な配慮を行っています。 参照 P.75 コンプライアンス 研究・開発における主な人権関連規則 研究倫理審査委員会規則 ヒトゲノム・遺伝子解析研究等に関する生命倫理委員会規則 合同遺伝子組み換え実験安全委員会規則 臨床検体取扱実験委員会規則 ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に関する規則 遺伝子組み換え実験実施規則 60 Takeda Annual Report 2013 11 社 BSR「保健医療アクセス 指導原則(GPAH )」の 草案作成に協力した 企業数 CSRに関する国際的な企業会 員組織 BSRによる同原則の草 案作成に、タケダは、グローバ ル製薬企業10 社とともに参加 し、原則策定における主導的な 役割を果たしました。 調達・生産・物流 課題 グローバル製薬企業として、新興国を含む世界 のさまざまな地域から資材を調達し、医薬品の生産お よび物流を行うなかで、労働に関する権利も含め、人 権を尊重することが特に求められていると認識してお り、サプライヤーに対しても十分留意いただくようお 願いする必要があると考えています。 生産においては、工場周辺の地域住民の安全、健康 に配慮することが重要な責務であると考えています。 また、偽造医薬品対策についても、調達・生産・物流全 般に関わる課題の一つと認識しています。 取り組み サプライチェーン全体における課題に対し ては、 「グローバル購買方針」および「 CSR 購買ガイド ライン」を制定し、自らの行動規準を定めるとともに、 サプライヤーに対して期待する事項と行動規範を明 記し、取り組みの強化を図っています。 環境リスクの低減に関しては、 「グローバル EHS 方 針」および「グローバルEHSガイドライン」を制定し、着 実な取り組みを推進しています。また、偽造医薬品に ついては、 「 偽造医薬品対策 3ヵ年計画」に基づいたグ ローバルレベルの対策を進めています。 参照 P.65 環境リスクの低減 P.67 グローバルCSR購買 P.68 偽造医薬品に関するリスク・マネジメント ブラジル工場 バリューチェーン全体 課題 貧困をはじめとするさまざまな理由から、医薬品 へのアクセスが十分ではない方々への対応も、製薬企 業として重要な課題の一つであると認識しています。 取り組み BSR が策定した「保健医療アクセス指導原 則( GPAH )」に署名し、保健医療アクセス課題への対 応に関する当社の基本スタンスを表明しています。 参照 P.53 Access to Healthcare Future Outlook 今後の課題と取り組み 新興国・途上国で事業活動を展開するグローバル製 販売 薬企業に対しては、 くすりづくりのさまざまなプロセス 課題 医薬品は生命に深く関わるものであり、使用法 における人権課題に対する配慮が求められています。 を誤れば、患者さんと社会に対して損害を与えかねま せん。優れた医薬品をお届けするとともに、医薬情報 を適正な手段で的確かつ迅速に提供・収集・伝達する タケダは、人々の「いのち」に携わる製薬企業として、 研 究・開 発・製 造・販 売 など全ての 過 程において、 「ラ ギーレポート※ 」をはじめとする国際的規範となってい るフレームを参照して取り組みを進めています。特に、 ことは、 タケダにとって基本的な責務と考えています。 保健医療アクセスへの対応に関しては、BSR ヘルスケ 取り組 み 「 医療用医薬品プロモーションコード」や アワーキンググループなどをはじめとするグローバル 「医療用医薬品製造販売業公正競争規約」を遵守し、 コミュニティへの積極的な参加を通して得られるさま 「企業活動と医療機関等の関係の透明性に関する指 針」を定めて、公正なプロモーション活動に努めるとと もに、独自のプロモーションコードと規約を定めて、 「高い倫理観」に基づく質の高い医薬情報活動を展開 し、患者さんの人権の尊重を徹底しています。 ざまな知見を活用し、引き続き、 グローバル企業にふさ わしい責任を果たしていきます。 ※ラギーレポート:人権と多国籍企業およびその他の企業の問題に関する 国連事務総長特別代表ジョン・ラギー氏による報告書 活動の詳細は、 「 CSR データブック」に掲載しています。 http://www.takeda.co.jp/csr/reports/ Takeda Annual Report 2013 61
© Copyright 2024 Paperzz