点集束型探触子を用いた回折波の非線形性効果による き裂の進展性の評価 Azavitra Binti Zainal 研究背景及び目的 構造物の溶接部分,原子発電所の高圧機器には,疲労き裂や応力腐食割れ(SCC)などの閉じたき裂が 発生する.特にき裂の先端部分は進展性があるため早期に発見する必要がある.そこで,超音波の 非線形性を利用して,被検体内部に存在する閉口き裂の先端の状態を評価することを本研究の目的 とした. 回折波とポンプ波の利用 閉口き裂 圧縮相 入射波 引張相ではき裂が開い て波が反射する 圧縮相ではき裂が閉じ て波が透過する 振幅 引張相 振幅 0°90°180°270°360° 圧縮相 振幅 送信波形 ポンプ波 引張相 (250kHz) 波形がひずむ 高調波が発生 時間 振幅 ポンプ波の利用 回折波の利用 き裂の先端から発生するため, 低周波数であり,振幅が 回折波を用いてき裂の先端部の かせげるため大きな開閉 状態を調べられる 運動させる 周波数 f 点集束型 探触子 プローブ波 0μs 遅 延 1.0μs 時 2.0μs 間 3.0μs 4.0μs 広帯域探触子 (受信用) ポンプ波用 探触子 水 水 き裂 試験片 時間 受信波形 f 2f 3f 周波数 基本波(A1)に対する2次高調波(A2)の振幅の比は 非線形性のパラメータ(A2/A1)として定義する ①プローブ波とポンプ波を斜角入射し,同一平面 からの評価を行う ②き裂のサイジングを行うために,き裂全体及び その周辺の非線形性を調べ,画像化を行う ②き裂のサイジング(測定方法) 点集束型 探触子 広帯域探触子 (受信用) き裂 水 水 23 ポンプ波用 探触子 走査方向(X方向) き裂 試験片 拡大 100 2 基準点 縦波受信(ポンプ波の相対位相は90度) 単位:[mm] 2 非線形性 遅延時間(μs) 走査方向(X方向) 閉口き裂8[mm] 走査方向(X方向) 開口ノッチ8[mm] き裂先端の付近では非線形性が大きく現れた き裂のサイジングの可能 現場での探傷を考慮し、ポンプ波とプローブ波を同一平面上から入射させた.き裂及びその周辺の非 線形性を調べ画像化を行った。その結果、閉口き裂のき裂高さに沿って非線形性は大きくなり,き裂 先端付近で最大となった.これより、非線形性による画像化は閉口き裂のサイジングに有用であるこ とを実証した.
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