JAWLAS 通信 30 - 日本ワイルドライフアート協会

日
本
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ド ラ
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ト
協
会
会
報
JAWLAS 通信 30
2012 年1月 1 日 発行号
JAWLAS 通信 30 号発行に寄せて
日本ワイルドライフアート協会会長
内 藤 貞 夫
日本ワイルドライフアート協会は、1994 年に野鳥を描く会として発足しました。 その頃は、東京又はその近郊の会員が
ほとんどでしたが、2,3 年するころから会員は全国に広がり始め、約 10 年後にはね 70 名以上に達しておりました。
以前から会員の方々から具体的な JAWLAS の活動内容を知らせて欲しいという要望があがっておりました。
協会としてもきめ細やかな活動内容、会員等の諸活動をお知らせできるとともにワイルドライフアートの普及に努めてい
けるものと信じて 2006 年 4 月に JAWLAS 通信 1 号を発刊することができました。
そして社会状況がめまぐるしく変わりつつある中で 2012 年新年 JAWLAS 通信 30 号の発行にいたりました。
又その間には、2009 年には日本ワイルドライフアート協会 15 周年記念展、ホームページ作成、そして 2011 年 3 月 11 日
東日本大震災、福島第一原発事故、協会として又アーティストとして何ができるか、山脇展の中での初めての支援チャリテ
ィなど。2011 年 JBF での初めてのブース出展、広報活動などなど。 これからも JAWLAS 通信が決め細やかな掲示板とし
て、又、会員の良き交流の場として、そして多くの会員の皆さんの声を載せられるように良き会報になるようにがんばって
いきたいと思っております
最後に大変な仕事を引きうけていただいた編集担当の巻島克之氏には本当に感謝しております。巻島氏の心意気に乾杯 !
又、サポートしていただいている皆様にも乾杯 !
J A
W
L
A
S 通 信
第 30 号 ( 2012年
1 月 1 日 発 行 号 )
目
次
JAWLAS 通信 30 号発行に寄せて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本ワイルドライフアート協会会長 内藤 貞夫・・・・・・・ 1
JBF2011 ワイルドライフアート展アビスタ会場報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大田黒摩利 ・・・・・・ 2
JBF2011 テントブース出展の様子について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小林ひろみ ・・・・・・ 2
To JAWLAS from 九州 with Love ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山本 昭生 ・・・・・・・ 3
会員の個展等諸活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
新入会員紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
2011 年 10 月 1 日~11 月 30 日のメーリングリストのまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
巨星遠望 (その 1) ――末席から垣間見た鳥の巨人たちの思い出――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 巻島 克之 ・・・・・・・・ 9
2011 年度第 4 回理事会議事録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・事務局長 筧
守・・・・・・・・12
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
1
JBF2011 ワイルドライフアート展アビスタ会場報告
大
田
黒
摩 利
我孫子でのワイルドライフアート展(10月22日23日)JAWLAS 通信29号の補足報告
です。
今回も会場は、アビスタ1階ロビーと1階工芸工作室。参加は33名、60作品が並びま
した。
1日目は午前中は雨の残るお天気でしたが、
2日目はなんとか曇りとなり、
多くの人出がありました。カウンターでの集計は、22日496人、23日588人と1000人
を超えるお客様を数えました。
水の館会場の JAWLAS テントブースにて、アビスタの展示を宣伝した効果もあった
かもしれません。
出展作品は平面作品のみでしたが、超リアル系、デフォルメ系、陶板画、染色といつものようにバラエティある作
品群で、来場者の方たちはお好みの作品を見つけながら楽しんでいただけたようです。
郷さんが作品で参加してくださり、
勉強の成果を披露してくれました。
会場の遠いテントブースのお手伝いも搬出入も皆さんのご協力で、
りがけで参加してくださった皆様、
今回、イギリス留学中の東
大変スムーズに運営できました。
とくに泊
朝から最後までのお手伝いお疲れ様でした。たった2日のお祭りですが、
JAWLAS の結束の固さを感じた展示会でした。
ご参加の皆様、ありがとうございました。
JBF 来年の開催は、11 月 3 日(土)4 日(日)の予定です。
JBF2011 テントブース出展の様子について
小 林 ひ ろ み
日本ワイルドライフアート協会は、これまでアビスタ会場において『ワイルドライフアート展』
を開催することにより JBF に参加してきましたが、本年は初めて水の館前にテントブースを出展
しました。
「え、これ、絵ですか?」という嘆声が、テントブースにみえた多くの方々の声でしたが、今
回のアビスタ会場のワイルドライフアート展紹介の DM のコハクチョウの絵や展示のポスター、画集、ポストカードなどを見ていただいたり、
お話をしたりした結果、写真とは違ったワ
イルドライフアートの魅力を感じていただき、たくさんの興味を持って頂けました。そして、写実的な表現を中心に様々な表現法、技法で幅
広く野生生物をテーマとしてアート作品を発表している日本ワイルドライフアート協会の活動を知って頂く良い機会であったと感じていま
す。
協会概要や活動状況等の展示、協会員の個展やグループ展のお知らせ、作品販売や予定外の作家サイン会などを通して来場者の方々と交流
が持てた結果、今後の協会の発展の方向を考えるうえで多くの指針を得ることができました。
初出展ながら、多くの成果を得て無事に終える事が出来ましたことは、深い関心によってこのブースの事業を盛り上げていただいた来場の
皆様のお力によるものではありますが、このブース出展に当たって種々ご配慮たまわった JBF 実行委員会事務局のご尽力と事業を影で支えた
スタッフの方々の並々ならぬ努力によるものでもあります。ここに銘記して感謝の意を表します。
ありがとうございました。
2
To JAWLAS from 九州 with Love
山 本 昭 生
北九州の城下町、小倉。 関門海峡に浮かぶ武蔵と小次郎の決闘の地、巌流島を望む快適なマンションの8階で、ジョン・コルトレーンの
ジャズを聴きながらこの投稿を書いています。
私 が 絵 を 描 き 始 め た き っ か け:
ら松原先生にクラスを間違えましたねと笑われて・・・でも授業料
それは小学校3年生の時。太平洋戦争に入り、父が陸軍将校で朝
も払ったし、ままよ何でも勉強だ・・・と思いなおして貝殻や草花、
鮮の釜山市(現在の韓国のプサン)に家族と共に駐留していたため
昆虫、鳥のはく製などを描き始めた次第。
私も現地の小学校に入学していましたが、3年生の時全市の小・中
その頃信州蓼科に建てたログハウスに週末ごとに滞在し、窓から
学校生が参加する写生大会がありました。私の作品が思いがけず最
近くの林に来る鳥の写真を撮り、
「日本野鳥の会・諏訪支部」に入会
優秀賞に選ばれて、家族や周りから絵の素質があるとおだてら
してバードウォッチングなどに参加しているうちにすっかり鳥のト
れ・・・絵に興味を持ったのがきっかけでした。その時の選評に「屋
リコになりました。出張などでカナダに滞在したときは必ず動物園
根瓦の色が少し重たい・・・しかし素晴らしい作品です」とあって、
に行って鳥の観察をしたり鳥の写真集を買い集めたり・・・。バン
子供心に「色が重たい」とは何だろうと不思議に思ったのを今だに
クーバーの南、米国国境近くの渓谷で厳寒の冬に集まる「ハクトウ
覚えています。
ワシ」の群れを見た時は感動しました。以後、鳥ばかり描いていま
小学6年で終戦、故郷の北九州に引揚げて翌年小倉中学(旧制)
す。
に入学し美術部に入部、中学3年の時新制高校となり小倉高校でさ
そしてふと気がついたら私は酉(トリ)年でした(笑)。
らに3年、合計6年間美術部に在部。当時美術部を指導されていた
その後日本野鳥の会の機関誌で第一回我孫子 IBF が全国から鳥の
教師が水彩を専門にされていたため私もその影響を受けて水彩に専
絵を募集していることを知り、初めて個人で参加しました。当初は
念していました。
催事名称がバードフェスティバルなのでカービング・写真・絵画な
毎日アグリッパのデッサンや人体クロッキーを描かされてうんざ
ど作品はすべて鳥をテーマにしたものに限定されていたと記憶して
り(!)した思い出もあります。高校卒業の頃なぜかジャン・コク
います。最終日に、展示した作品の撤去作業をしている時 JAWLAS
トーに熱中し級友たちへのお別れノートには必ずジャン・コクトー
会員の方から是非と勧誘されて入会。その後会員の皆さんのレベル
の詩と女性の横顔のデッサンを描いていたのが今は懐かしい思い出
の高いアート作品に臆することもなく(!)新宿御苑展、山脇展、
です。
我孫子に毎年参加し、今年3月辞任するまで監事として組織の運営
ところが卒業後東京に出てからは一切絵筆とおさらば・・・。ほ
のお手伝いをさせていただきました。
ぼ50年の空白のあと、カナダの会社を退職する2~3年前に「毎
日が日曜日」になったら何かしなければと思いついたのが古武道(居
最近は特にワシ・タカなどの猛禽類ばかり描いています。獲物を
合道)と細密画でした。
狙う時の鋭い眼は居合の演武で刀を切りつける時の気合いに通ずる
当時私が本当に描きたかった細密画は、オートバイや自動車、飛
所があり、更に彼らの圧倒的な存在感をいかに表現するか苦労する
行機のエンジンなどの透視画でした。新宿の朝日カルチャーセンタ
のも楽しみの一つです。ちなみに人間で眼力(めじから)といえば
ーのカタログをみて入学手続きを済ませ、最初の授業の時に担当講
私の知る限り、
「鬼平」を演じる中村吉右衛門が最も凄いと思います
師の松原先生に何を描きたいですかと問われて実は・・・と話した
(余談になってすみません)。
3
九 州 で の 生 活:
集まりました。三反、平田、永松、樋口の諸氏と私の5人で初顔合
わせ。動物園職員の樋口さんの担当するクジャクの檻の前で鳥や動
九州の最北端にある北九州市は、本州と九州の相互連絡点に位置
物の飼育の苦労話を聞きながらしばし歓談の時を過ごしました。
し、また朝鮮半島とも近い距離にあります。野鳥の生態上日本列島
更に11月23日、たまたま北九州シルバー人材センター主催の
を南北に渡るコース(縦断)と中国大陸や朝鮮半島から東西に渡る
作品展に私が絵を出品した機会に今度は北九州で会いましょうと皆
コース(横断)が交差することから北九州は「渡りの十字路」と呼
さんに呼びかけたら、福岡から三反、平田、永松、宮本さん達が北
ばれ、多くの野鳥が渡来及び繁殖を行っています。最近になって知
九州市戸畑駅前の会場まで来場、市内門司区の松本さんを加えて何
ったことですが、200km に及ぶ海岸線を持ち周りを山に囲まれて
と福岡県在住の JAWLAS 会員7人のうち6人が集まると言う快挙
前に関門海峡を望む変化のあるこの地勢は、生物の多様性に富んだ
(!)となりました。
環境を作り出して多くの野鳥を収容可能にしているとのこと。渡り
鳥が数多く通過するだけでなく、山野と水辺の鳥の両方が観察され
ます。昨年秋、私も実際に数千羽のハチクマやハヤブサが頭上を長
崎・五島列島の方へ飛んでいく姿を見て感動しました。
半世紀以上住んでいた東京を思い切って離れる決心をして、ふる
里、北九州に着いたのは一昨年の12月22日、早くも2年が経ち
ました。転居が果たして正しい決断だったかどうか未だ答えは出て
いませんが、少なくとも新しい環境での生活はこの2年間充実して
いずれ JAWLAS 九州支部(?)が出来るかと今後に期待するところ
いたと言えます
ですが、やはり最大の願望は JAWLAS 巡回展の九州開催でしょう。東
人口100万の都市部からわずか2~30分も電車か車で郊外に
京・名古屋・大阪と来たからには次は九州・・・。
行くと、豊かな自然と穏やかな里山があります。市の南は周囲を山
に囲まれた田園地帯が連なり日本の里山の原風景がそのまま残って
ただ開催のためには世話をする会員がもっと必要です。会を PR
いて訪れるたびに心が癒されます。この辺りの現在の地名は「田川
するためには展覧会の開催が最も有効なので、とりあえず現在の会
(たがわ)」ですが、万葉の昔この付近で多く見かけられた鷹の羽(た
員が2~3点の作品を持ち寄って、福岡か北九州で JAWLAS 九州支部
かは)が地名の語源だと言われています。私にとって「タカ」に縁
展を開催すれば新会員の加入に寄与するのではと皆で話し合いまし
があるのは嬉しいことです。
た。
来年5月の「バードウイーク」あたりを目標に実現できれば幸い
相変わらず毎週月曜・木曜はスポーツジム、水曜・土曜は居合の
ですが・・・。
稽古、特に土曜は近くの市民センターで、小学2年生から中学生ま
での子供たちに居合を教えていますが、武道を通じて礼儀正しくな
っていく子供たちを見ながら私も楽しんでいます。機会があればバ
J A W L A S へ の 提 言:
ードウォッチングに参加、絵を描いたり、模型飛行機を作ったり、
50匹に増えたメダカの世話をしたり、近くに住む友人のため鳥の
1.組織とは:
私は外資系会社や外国政府、日本青年会議所
巣箱やエサ台を作ったり、時々翻訳の仕事をしたり、今のところ体
などの組織の一員として永年の社会経験を積んできましたが、同時
力・気力にも恵まれて新しい環境の生活に満足しています。地震・
に総会や役員会、委員会などの会合で議長としてロバート・ルール
水害などの自然災害もなく原発もなく、とても住みよいこの場所で
法で議事を進行したり組織を運営してきました。
これほど充実したスローライフ(!)を送っているのですから、東
JAWLAS に入会して私が一番驚いたのは組織としての機能が全く
京からの転居は多分正解だったのでしょう・・・。
見られなかったことです。
役員会は会長のご自宅のマンションの居間で、床に座ったり立っ
去る9月18日、福岡県在住の JAWLAS 会員5人が福岡市動物園に
たままの雑談で始まり議事録も正式なものはなく、決議も曖昧のま
4
ま。役員会として成立しているかどうかも不明。会にとって重要な
とも可能です。
進路が役員会での討論なしに進められていたことも・・・。
6月の東北支援チャリティ山脇展の成功は今後の Fund Raising
総会も同様で、あえて言えばまるで親睦会か懇親会の様子でした。
(募金・資金集めの活動)に一つの方向性を示しました。会の発展
会員数があまり多くない当時はこれでも良かったのでしょう。個
のためにはこれからの重要な活動の一つになるでしょう。会に十分
性の強いアーティストの集まりですからそれなりに家庭的な雰囲気
な資金が出来れば今は無償の役員・会員の貢献に報いることも可能
も必要だったかも知れません。ただし全国の会員数がすでに100
です。会員の個展以外でも会として展覧会での作品の売買を考慮す
人を超えてこれからも増加する将来のことを考えると、今のうちに
る時期に来ていると思われます。
やはり組織をしっかり固める必要があると思われます。 この点か
らみると最近の副会長3人制は歓迎すべき改革です。 更に言えば
4.JAWLAS 通信について:
JAWLAS 通信は現在巻島さんに殆ど
副会長はもう2人増やして5人としそれぞれ担当制・・・例えば広
お一人で情報収集や原稿の依頼から編集、印刷までお願いしている
報担当、展覧会担当、渉外担当、財務担当、海外担当などです。そ
実情です。電子メール(ML)による通知や告知は会員全員には届か
れぞれの担当副会長の下に4~5人の委員をつけて活動すれば、各
ないので JAWLAS 通信の存在は現在も将来も重要かつ必要です。
人の作業分担も軽減され組織の運営も円滑になります。組織の改編
私の希望としてはページ数を減らしてでも毎月発行されることで
は大変ですが今から基礎を固めて行けば将来ははるかに楽になるの
す。
は確実ですし事務局の負担も軽減されることでしょう。
山脇展チャリティ募金の東北地方水族館・動物園への寄付の報告
が遅れたことで会員の方から苦情が寄せられた事がありました。こ
2.アーティストの集団:
私はプロのアーティストではあり
れは実際の行為と報告との時差によるもので、会報誌がタイムリー
ませんが、個性の強いそして創造力の豊かな会員の皆さんを纏める
に出ていれば会員の方にこのような誤解も生じなかったでしょう。
のは難しいことです。通常の会社や団体と違い、この会の組織には
ML での告示を頼りにすることは出来ません。
上下関係はありません。従って必要なのは会員個人々々がお互いに
会報誌の内容については理事会の議事録が簡略すぎます。もう少
尊重し合い協力することでしょう。自己主張も必要ですが重要な議
し詳しく討議の内容を会員に伝える必要があると思います。発行回
題を決める時は全員参加による多数決によるのが民主的なロバー
数を増やすことによる編集の負担を軽減するために、各展覧会の展
ト・ルール法の基本です。一旦決議されたらルールに従うのも組織
示作品の掲載を止めて代わりに協会のホームページに作品を載せる
の一員としての責任です。アーティストの皆さんの自由な発想を妨
ことを提言します。 折角会員の努力で出来たホームページですか
げずに且つユニークな会の運営が出来れば他の美術団体にはない魅
らぜひ有効に活用したいし英語版も早く欲しいですね。 これから
力となることは確かです。
の海外との交流も HP があればスムースに進められます。
JAWLAS 通信がワイルドライフアートの啓蒙普及を目標としてい
3.活動:
今特に必要と思われるのは展覧会の広報活動でし
る美術団体の機関誌として健全に成長するためには、それなりに十
ょう。新宿御苑でも山脇でもあれほど会員の皆さんの力作が展示さ
分な予算を計上しサポート人員を増やして、展覧会活動などと同等
れているのに一般の人の入場者が少ないことを残念に思っているの
の事業活動と見做す必要があることを強く主張するものです。
は私だけではないと思います。協賛相手やパトロンを見つけること
も必要。マスメディアの協力があれば最も理想的ですが潤沢な予算
以上、九州の現状をお伝えしながら JAWLAS の将来の発展へのヒ
もない現在何とか知恵を絞る必要があります。芸大や美大の掲示板
ントを述べてみました。
にポスターを貼るとか、Tokyo Walker などのタウン誌に記事を取り
2012年が会員の皆さんにとって良い年でありますよう九州
上げて貰う、或は今はやりの Face book や Twitter に情報を流すこ
から親愛のメッセージを送ります。
5
会
員
の
個
展
等
諸
活
動
大室清さんら 6 人のグループによる「LOVE ネーチャー6 人展」が開催されます。
会 期
2012 年 1 月 22 日(日)~28 日(土)
11:00~18:00 (初日:13:00 開場/最終日:17:00 終了)
会 場
東京交通会館 1 階 ギャラリー・パール ルーム
JR 山手線・京浜東北線有楽町駅下車
〒100-0006 千代田区有楽町 2-10-1 ℡ 03-3212-3772 (期間中のみ)
メンバーは本会会員の大室清(アクリル画)、田原英二(バードカービング、水彩画)両氏のほか、金田光正(バー
ドカービング)、熊坂延子(ウッドバーニング)、下坂史郎(バードカービング)、高田直子(ボタニカルアート)の諸氏
水上清一さん斎藤寿さんが「箱根ラリック美術館のラリックの鳥の世界展」に参加
JWLAS 会員の水上清一です。斉藤 寿さんと共に「美術館でバードウォッチング」ラリックの鳥の世界展に参加します。
この展示は、「鳥」をキーワードに制作されたラリック作品を、水上のバードカービングや斉藤さんのイラストと共に箱根の豊かな自然のなかで
鑑賞できます。 ぜひ、会場にお越しください。詳細はホームページでどうぞ。 http://www.lalique-museum.com/
会 期
2012 年 4 月 28 日(土)~9 月 30 日(日)
会 場
箱根ラリック美術館
〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 186- Tel 0460-84-2255
アクセス 小田急線「箱根湯本駅」より箱根登山バスで30分、
「仙石案内所前」下車すぐ
新宿西口「ハルク」前 小田急高速バス乗り場より約 120 分、
「箱根仙石案内所前」下車すぐ 小田急線「箱根湯本駅」より箱根登山バスで30分、「仙石案内所前」
新宿西口「ハルク」前小田急高速バス乗り場より約 120 分、「箱根仙石案内所前」下車すぐ
入館料
大人 1500 円 / 大 高校・シニア 1300 円 / 中学生・小学生 800 円
招待券をペアでプレゼント! ご応募いただいた JWLAS 会員のうちより、箱根ラリック美術館の招待券を 2 枚 1 組で 10 名の方にプレゼントしま
す。「箱根ラリック美術館 招待券希望 JWLAS 会員」と明記し住所、氏名を添えてメールまたは FAX でご応募ください。
締め切り:1 月 31 日(火) 当選者の発表は招待券の発送をもって代えさせていただきます。
船田善弘さんの「ALASKA~船田善弘・野生動物画展 2011~」が開催されました。
広大で美しい自然が織りなす光や色、音。
力強く、そして懸命に生きる極北の野生動物たち
ラストフロンティア(アラスカ)を描いた作品展
会 期
2011 年 12 月 6 日(火)~11 日(日)
会 場
art gallery OPPO
〒166-0001 東京都杉並区阿佐ヶ谷北 2-15-6 ℡ 03-3223-2080
6
船田さん夫妻と愛息
新
会
横溝
了一
香川県高松市
丸山
正樹
山梨県上野原市
2011年 10 月 1 日 ~
●
協会員皆様へ
員
紹
介
[email protected]
2011年11 月30 日
の
メーリングリスト
のまとめ
我孫子展参加ハガキによる実行委員、サポート、作品販売のご協力を頂いた皆様、松田さん、ありがとう
ございます!
来週中に手配詳細をご連絡致します。引き続き、テントブース協力会員、募集いたしますので、よろしくお願い致します。テ
ントブース実行委員会
●
担当小林ひろみ
山階鳥類研究所の平岡です。JAWLAS 会員ではいらっしゃらないと思いますが、池田学さんという方の動物の作品が、現在
開催中の横浜トリエンナーレで見られるそうです。
「どうぶつと動物園」にイラストを描かれている方だそうです。
http://www.yokohamatriennale.jp/artist/index.html#nameI 横浜トリエンナーレトップ http://www.yokohamatriennale.jp/
●
山階鳥類研究所の平岡です。我孫子の鳥の博物館で、山階鳥研所員のテーマトークが行われます。
山階鳥研所員によるテーマトーク(毎月第二土曜日) http://www.yamashina.or.jp/hp/event/event.html#064
第 6 回「ニワトリの原種・赤色野鶏(セキショクヤケイ)の素顔」
【講師】林良博・山階鳥研所長
【日時】10 月 8 日(土)13 時 15 分~ ※30 分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2 階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着 50 名
※当日 12 時から整理券を配布します
【主催・問い合わせ先】 山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
★参考リンク 林良博
●
山階鳥研所長の紹介 http://www.yamashina.or.jp/hp/gaiyo/staff/hayashi_yoshihiro.html
山階鳥類研究所の平岡です。いままで気づいていませんでしたが、サントリーのウェブサイトで、1973-85 年まで新聞各
紙に掲載された、藪内正幸さんのイラストによる愛鳥キャンペーンの広告が見られます。
http://www.suntory.co.jp/eco/birds/ad/
1971 年に環境庁ができたことでもわかるように、当時、環境問題が世の中の大きな関心事になりだした時代でしたが、現代の
ようにあらゆる企業がこぞって環境のことを言う時代とは違い、環境を前面に出して社会的な発言をする企業はないと言って
よい状況でした。サントリーが大きなスペースを使って環境を守る大切さを訴えたこの広告は、藪内さんの鳥のイラストもあ
わせて、非常に異色なもので、読者に大きな印象を与えたと思います。
●
みなさま、JBF はお天気もそれほど悪くなく、盛り上がったようですね。作品出品に便宜をはかってくださった方々、本
当にどうもありがとうございました!実際に会場に行けないのは残念ですが、地球の裏からでも、こうして作品を出せて、メ
ールやブログなどで様子が拝見できるのはうれしいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。
わたしはファイナル・プ
ロジェクトに突入し、ほとんど毎日、家に引きこもっています。それでも週に 1 度はバードウォッチャーの知り合いがフィー
ルドに連れ出してくれて、ノーフォークの海岸なども定期的に訪れています。土曜日にはアビとクロガモを見ました!
東郷なりさ
●
ヨーロッパとアジア共同開催の EWAA というアートコンペにネイチャークラフトの写真が入選し、今日からロンドンの羅ラ
ギャラリア ポールモールで展示されます。ご興味ある方はサイトでご覧ください。吉田夏生
http://www.ewaaward.com/artists/judges/index/1453/page:1http://www.lagalleria.org/
7
●
JAWLAS会員の皆さん、新宿展担当の松田です。12月20日からの新宿展の参加申し込みの締め切りが迫ってい
ます。まだ、9件しか申し込みがなくて困ってます。皆さんどうぞよろしくお願いしますよー。
締め切りは11月10日です。なお、申込用紙と参加費の払込用紙は9月の会報に同封してお送りしてあります。松田蘭子
●
松田様 お疲れ様です。吉田夏生です。12 月 20 日からなら何とか参加できそうです。ただ、搬入と搬出以外の当番は難
しそうです。(最終日は何日でしたっけ?)出展予定は小さなピュア・ネイチャークラフトの動物3点です。(ラクダ、エゾナ
キウサギ、ライオンまたはバッタ)これでよければ参加」させていただきます。
●
山階鳥類研究所の平岡です。毎月第二土曜日に行っている、山階鳥研所員による「テーマトーク」@我孫子市鳥の博物
館の第 7 回目が明日、11/12(土)に行われます。ふるってご参加ください。
第 7 回「海鳥のヒナの肥満のなぞを解き明かす」
【講師】岡奈理子・山階鳥研自然誌研究室上席研究員
【日時】11 月 12 日(土)13 時 15 分~ ※30 分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
場所】我孫子市鳥の博物館 2 階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)【定員】各回とも先着 50 名
※整理券は発行しません。
【主催・問い合わせ先】山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
●
会員の皆様 今年も残り少なくなってきました。 御苑展は12.20~25日です 会期中の23日に忘年会を行います。
伊勢丹向かい交番のある角ビル8階 和風鮮魚居酒屋 八吉 にて PM 5:00 ~ 7:00 会費 5.000 円 飲み放題です。
御苑展に出展の方は勿論 出展されてない方も また御夫妻同伴でのご参加は大歓迎です。
参加のご返事はメールにて 12.12 日頃までにお待ちしています 。今年も楽しく締めくくりましょう。 福原でした
●
福原さん、山本@北九州です。相変わらず忘年会の手配御苦労さまです。福原さんに敬意を表して今年の忘年会には九
州から出席します。2 年ぶりの上京ですが皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。
PS:
山本昭生
12 月 7 日から銀座での友禅染め作品展のご成功を祈っています。
●
福原勝一様
23 日は、野鳥クラブの行事と重なり、5 時頃は、多分電車の中で、参加は無理だと思います。
●
こんにちは名古屋の伊藤です。11 月 23 日から伴野重由さんの個展が愛知県は長久手町にて開催されますので、お報せで
す。DM は、フォトアルバム
伴野重由 水彩画展
栗林菊夫
『伴野重由さん個展情報 -07』フォルダに入っていますのでご覧下さい。
「郷愁」きょうしゅう
2011 年 11/23 日(水)~11/27 日(日)
絵のあるティータイム
喫茶営業時間
カフェ&ギャラリー
10:00am~6:00pm(最終日 5:00pm)
木もれ陽
〒480-1131
愛知県長久手町湫野田農 106-2
TEL 0561-61-1150
駐車場完備
●
水野です。検査入院のため、11 月 14 日から 22 日まで留守にしておりました。昨日帰宅しました。福原さんの個展は最
終日に伺いたいと思います。忘年会は 12 月 23 日(水・祝)ですね。参加したいと思います。草々
●
福原様 忘年会のお知らせありがとうございます。参加しますので、よろしくお願いします。
平岡考
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山階鳥類研究所の平岡です。昨日書店で本を見ていまして、理系の勉強をしていろいろの分野で活躍している女性のイ
ンタビューを集めた下記書籍に、JAWLAS 会員の菊谷詩子さんが取りあげられているのを発見しましたのでお知らせします。
「理系なお姉さんは苦手ですか?
内田麻理香 著,高世えり子
ISBN 978-4-7741-4753-6
-理系な女性 10 人の理系人生カタログ-」2011 年 8 月 12 日発売
絵
技術評論社
A5 判/216 ページ
定価 1,554 円(本体 1,480 円)
http://gihyo.jp/book/2011/978-4-7741-4753-6
日経にこんな書評が出ていたようです。
http://www.nikkei.com/life/culture/article/g=96958A96889DE1E6E2E3E1E2E7E2E3E4E2EAE0E2E3E39C9C99E2E2E3;p=9694E3
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すでに旧聞なのかもしれませんが、念のためご案内します。
皆さまへ 御苑展 搬入日19日 展示終了後の懇親会を 例年のイタリアンのお店 ラ・ポエムにて行います
。お知らせが遅くなり申し訳ありません 。また先日ご案内しました忘年会の参加申し込みを宜しくお願いします。
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福原
巨
――
星
遠
望
(その 1)
末席から垣間見た鳥の巨人たちの思い出 ――
巻
はじめに
島
克
之
そんなわけで、昭和 20 年代の断片的な思い出は、貴重
先日、伴義之さんのメールのご案内で、中西悟堂研究
なジクソーパズルの一片のように今も大切なものとして、
家・日本野鳥の会元理事の西村真一さんの「中西悟堂と
鮮明に記憶の中に保存している。
この記憶が果たして
善福寺池」という講演を聴く機会を得た。そして、その
正確なものかどうかは現在では検証困難だが、たとえ記
講演に大変感銘をうけた。
憶違いがあったとしても、書き残しておけば私自身のた
それは私に比べればまだお若い西村さんが、年々消え
めもあるが、あるいは何かのお役に立つことがあるかも
ていってしまう中西悟堂の事跡を探求されている、その
知れない。そういう思いで、あるいはつまらないことと
熱意とご努力に感銘したと云っていい。中西悟堂のよう
思われるかもしれないが書き残しておくこととした。
に、日本野鳥の会の創設者であり、鳥類愛護の思想を定
着させた偉大な人でも、公にされた記録以外の事跡は、
初めて野鳥の会の例会に出席する
時とともに忘れられ消えていく。
昭和 21 年か 22 年の春先、私は初めて高輪泉岳寺近く
西村さんは、その残酷な時間を遡って悟堂の細部を発
の F 氏邸で行われた例会に出席した。F 氏は千葉の行徳海
掘し、全体的な立体像を構成しようとする探求者であり、
岸で東京湾では最後と思われるサカツラガンの群れを撮
悟堂の全容の伝道者であろう。そして、そのようなこと
影された方である。その氏の立派で瀟洒な邸宅に、焼け
を可能にするのは 、そのお人柄とそれによって築かれた
跡のバラック住まいだった私は吃驚したものだが、例会
人脈によるものであるに違いない。
会場の広間に続くサンルームのような部屋で会員の皆さ
中西悟堂が名著「野鳥とともに」を執筆した善福寺池
んの閲覧に供している外国図書の絢爛豪華さにもまた吃
の傍の旧邸跡を見つけるのにも、町の様相が変貌してし
驚仰天したものである。
まった現在では大変なご苦労をされたらしい。
その会に集った会員は 3,40 人だったろうか、開会の時
思えば六十数年まえ、私は中学の N 先輩につれられて、
間になっても中西悟堂会長はお出でにならない。2,30 分
いわば探鳥のトレーニングコースとして石神井池⇒善福
過ぎた頃漸く現れた会長は、やおら遅刻を会員に詫び、
寺池⇒井の頭公園という道を何十遍となく通った。
遅刻の理由などを述べられた。
その談話は、
そして時には善福寺池に着くと、いっとき憧れの中西
遅刻した時間を遥かに越えるほどに延延と続いたが、誰
悟堂のお宅の前に佇んだものだった。木造洋館風の邸宅
も苦々しく思うどころか、並み居るみんなが聞き惚れて
のイメージは今でも思い出すことができる。
しまっていた。 と私は感じたものである。
しかし、
当時の私にはファンレターを出すなどの才覚も無く、ま
その話の内容はともかく、会場に到着するまでの状況
して突然訪問することなど思いもよらなかった。ただ眺
の的確な描写、話の緩急、抑揚などそれは実に見事だっ
めるだけで十分満足していたのである。
た。しかも、艶があって力強いその声がまた魅力的だっ
そんな引っ込み思案で、人見知りが強く、しかも不勉
た。その魅力ある声は天性のものもあるが、恐らく若い
強だった私は、その後もいろいろと鳥の世界の、鳥の学
ときからの厳しい修練の賜物にちがいない。会員の皆さ
問の世界の偉大な先達の方々にお目にかかる貴重な機会
んは、僅かな時間の間に中西会長の談話に魅了されてい
は少なくなかったが、その機会を生かすことなく鳥の世
たのだった。
界を離れてしまった。
離れたと言うより入口にも入れ
そのときの会議の内容は全く思いだせないが、不思議
ずに去った、と云うのが事実に近いかも知れない。
なことに中西会長の声音だけは今でも耳に残っている。
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そのとき中西会長は漸く 50 歳
前後の脈絡も無い単なる一つのイメージだけの記憶が
代に入られた壮年期で野鳥の会
これほど強く残っているのは、あの時の中西会長の熱気
の復活に向けて気合の入ってい
とそれに応えたいとする若い学生の純粋な気持ちが透明
た時期だったのだろうと思う。
な膜となって絵画のようなこの場面を保護してきたから
その後、中西悟堂会長には 2,3
山昭和 20 年代の中西悟堂
ではないかと思っている。
回ほど直接お目にかかる機会が
その時また思い出したことは、小屋の窓から見える陽
あったが、特に印象深いのは高尾
光に煌めく美しい青葉の諧調と、そのなかでキビタキが
にご一緒したときである。
しきりに囀っていたこと、であった。
高尾山の蛇滝の道を登って、 滝の傍の修行者のための
壊れかけたような小屋で、同行 2,3 人と中西会長を囲ん
日本鳥学会に出席する
で休憩したときの場面が一枚の絵画のように記憶に残っ
先日この雑文を成るべく正確に書こうと思い、我孫子
ている。
そのとき話の合間に私の同級生の原良次君が
の鳥博物館で日本野鳥の会の「野鳥」と、日本鳥学会の
リュックサックの中から黒田鳥類大図説第一巻を取り出
「鳥」の両機関誌野バックナンバーを閲覧させてもらっ
して開き始めた。
た。しかし、戦後混乱期の昭和 21,22 年頃の記録は、私
私は未だ見たことも無い憧れの図鑑
だったが、こんなものをなぜ原良次君は持っていたのか、
の記憶を裏付けるのには必ずしも十分ではなかった。従
そしてなぜこんな大きい重い書物をリュックに詰めて山
って、以下はまた怪しげな記憶を頼りに記録のあるもの
に来たのか、そんな疑問を感じながら小林重三画伯の図
無いもの織り交ぜながら書いていくことにする。
版に見入っていたものである。
私の記憶は蛇滝の小屋
当時、占領軍の最高司令部 GHQ は俗にマッカーサー司
で、学生 2,3 人が中西会長を囲んで大きな図鑑を前にし
令部と呼ばれ、その権威は今では想像も着かないほどで、
て、ただ座っている。それだけの静止画の記憶に過ぎな
「マッカーサーが来るぞ」などと脅し文句に使われほど
いのだが、この一文を書いているうちに、その記憶のイ
だったものである。そのマッカーサー司令部の天然資源
メージが膨らみはじめ、画像が動きだして声まで聞こえ
局野外生物科長にオリバー.L.オースティンという元米
てくるような錯覚に陥りはじめる。そして、段々考えて
海軍士官の鳥学者が就任していた。そのオースティンさ
いくと、このとき中西会長を引っ張り出したのは、当時
んは東急井の頭線東北沢駅の近くの立派な邸宅を接収し
野鳥の会東京支部設立のことに熱中していた大谷正哉君
て住んでいた。 (この当時、GHQ の高官は日本人の高級住
だったに違いないという思いに辿り着く。
宅を接収して居住していた。)
そのときの
同行の二人は原良次、大谷正哉の両君に違いないと確信
昭和 21,2 年ころ、日本鳥学会の会合は時々このオース
するようになるのだが、これは両君とも故人となった今
ティン邸で開催されていた。私が始めてこの会合に出席
は確かめようもない。
したのは昭和 22 年の 1 月のことだったように思う。その
話はそれるが、原良次君とは、同級生とはいえ私より 4
日は寒い霙交じりの雨の降る日だったが、 東北沢の駅を
歳年長で、後年画家となり昨年 85 歳で亡くなるまで二科
降りるとすぐ前を鷹司信輔公爵が歩いておられるではな
会の重鎮のひとりとして活躍したが、弟子の工藤静香を
いか。 写真で顔はよく存じ上げている鷹司元公爵が冷た
画家に育てたことで一般的には有名になってしまったの
い雨の中を、スプリングコート姿で番傘を差し、大きな
は誠に皮肉である。彼が亡くなる前年、石神井のお宅を
本の風呂敷包みを脇に抱えて歩いて行かれるのだ。 私は
訪問して 70 年以上愛蔵されていた当時の大図説を眺めた
粗末ながらも毛布の仕立て直しのオーバーを着て洋傘を
とき、私は高尾山の一場面を懐かしく思い出したもので
さしていた。「 世が世ならば」という思いや、何となく
あるが、彼はこの黒田鳥類原色大図説を愛蔵した理由を
申し訳ないという思いなど複雑かつ俗な気分から、何と
話さなかったし、高尾山の一場面は全く憶えていなかっ
なく気詰まりになって、老貴族学者の粛然とした後姿に、
た。
私は追いつくことも追い越すこともできなかった。
それにしても、蛇滝の小屋の一場面は何だったのか、
後
で知るのだが、大きな本の風呂敷包みは、当日は新年に
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ちなんでツルの話をするためにご持参されたものだった
のである。
立派な日本家屋である会場のオースティン邸は、一面
に絨毯が敷き詰められ、
壁や柱は一面ペンキで塗装さ
れていて、靴のままあがった。どた靴のまま立派なお屋
敷に上がるのなど身の竦む思いだった。
そんな思いで
壁際に飾られた鳥の剥製や図表を眺めていると、 急に後
ろから肩を掴まれ、大きな声で「グッ、モーニン、ボー
その後、オーステ
イ」と呼びかけられた。それが初めて見るオースティン
ボーイと呼びかけられたことに内心ムッ
ィンとアーサー・シ
としながらも、その大きな体躯に気おされて、どぎまぎ
ンガーによるポケッ
してしまい返事も出来ないでい
ト版も出版されたが、
博士だった。
るうちに、博士は上座の席につい
この図版のほうが、鳥の姿も穏やかで私としては好まし
てしまった。 オースティン博士
かった。
との接触はたったこれだけだが、
話が大分逸れてしまったので元に戻すと、
大きな体からおおらかに呼びか
この寒い
けられた記憶は、何時までも好ま
日のオースティン邸での日本鳥学会の会合の記録を見つ
しく思い出される。帰国後マイアミ博物館時代のオースティン博士
けることが出来なかったが、昭和 22 年 5 月 31 日にオー
スティン邸で総会が開催された記録は見つかった。
しかし、松山資郎さんの書かれた「「野鳥と共に 80 年」
このときの出席者 44 人の名前を見ると、蜂須賀正氏、
を読むと、日本の野鳥保護にも大いに力を尽くされたが、
内田清之助、黒田長久、松山資郎、黒田長禮、山階芳麿、
日本人スタッフは相当に酷使されたらしい。
また、今振り返ればさもしい話だが、オースティン邸
鷹司信輔、籾山徳太郎、中西悟堂、小林桂助など等日本
の会合では、常に卓上のタバコ盆にはアメリカタバコが
の鳥類学を確立したビッグネームが綺羅星のように列な
盛り上げられていて、帰り際に胸ポケットに 2,3 本失敬
っている。
して帰り、翌日学校で仲間と回し喫みして楽しんだもの
恥ずかしながら私の名前もそこに並んでいた。
である。また休憩に出されるコカコーラも初めて味わう
昭和 22 年の記録を見ると、日本鳥学会の例会は比較的
しばしば開催されている。会場は渋谷・南平台の山階鳥
味だった。貧しい時代の思い出である。
類研究所や虎の門の霞会館だったが、毎回前記したお
さらに、余談であるが、帰国後何年かして、博士は「世
界の鳥類 BIRDS OF THE
歴々の殆どの方は出席されていた。そして私もよく出席
WORLD」という大著を刊行され
していたことが記録されている。
た。この本は 35cm×27cm×4cm と大きく、全世界の鳥
700 種がアーサー・シンガーの筆になるカラー図版で掲載
人の一生に「もしもあのとき」は有り得ないが、もし
されている豪華本だった。しかも値段は、私でも買えた
もあの時から、ずっとわが道が続いていたら、などとあ
程安かった。東京田村町にあった海外書籍販売店の店頭
らぬことを思わぬでもない。しかし、そういう妄想は別
に沢山ヒラ積みされていたところを見ると日本でも相当
として、私にとって、あの当時の巨人の方々との僅かな
売れたのではないかではないかと想像される。
接触・見聞は乏しいながら貴重な財産である。
紙面が
尽きたので今回はこれで筆を擱くこととし、皆さんの辟
アーサー・シンガーの図鑑絵画は、日本の小林重三の
易を恐れず、また時をみて続きを書きたいと思う。
絵よりも荒々しいが、生き生きとした描写により惹かれ
たもので、私もこんな絵が描けたら良いなぁと思ったの
が鳥の絵を描くようになった契機の一つである。
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愛鳥懇話会 に出席して
鳥類保護連盟主催
巻島克之
12 月 12 日に日比谷松本楼で開催された愛鳥懇話会に JAWLAS を代表して出席しましたので、その様子をご報告します。
当日は午後 5 時 50 分に鳥類保護連盟総裁の常陸宮殿下をお迎えして開会され、愛鳥週間ポスター原画コンクール総裁賞授
与、矢島稔会長挨拶、横光克彦環境副大臣来賓挨拶、河野洋平愛鳥百人委員会会長乾杯と型どおりに進行し、立食パーティ
による懇談となりました。出席者は 124 名と盛況で、鳥関係の多くの方々と歓談できた楽しい夕べでした。
今回のポスター原画受賞作者は高校三年の荒関葵さんで、写真のとおりしっかりした絵なので本人と付き添いのお母さん、
高校の担任教諭に JAWLAS 入会を勧めてきました。
また、懇談中に江戸屋猫八師匠の進行でプレゼント抽選会があり、常陸宮殿下おん手づから引かれた籤が
何と私に当たりました。
「日本ワイルドライフアート協会・・・・・」と猫八師匠が会場一杯に響きわたる声で朗々と呼び上げて
くれて、満場の拍手を浴びました。これで少しは JAWLAS の PR のお役に立ったのではないかと思っている
次第です。なお、プレゼントの中身は文明堂のカステラでしたので有難く頂戴しました。
2011年度第4回理事会議事録
2011 年 10 月 30 日
事務局長
筧
守
板橋区立グリーンホール401
議題
1. 海外からの出展に関しての件
2. ホームページからの入会審査
3. その他
議題1 海外からの出展は国内に受け入れ代理人がいて、代理人が搬出入の責務を負うことで出展可能とする。
なお出展料は減免されない。
議題2 ホームページからの入会希望者は HP 担当浜中が要審査および作品の HP 掲載、入会のため必要事項等
を説明する。
HP に掲載された入会希望者作品はメーリングリスト「賛否確認機能」を利用し5人の理事の賛成で仮
入会とし理事会であらためて承認する
議題3 山脇展と平行して行なわれた東日本大震災チャリテイの今後課題が話あわれた。
チャリテイ作品のリスト作成。出来る範囲の購入先のリスト作成
JBF テントブース関しての感想および会計報告(総会会計報告で知らせます)がなされた。
提案
ホームページのギャラリーページの作成
ホームページのリンク充実
入会審査 2名が新会員として承認されました。
出席者
内藤貞夫
筧
オブサーバー
守
大田黒摩利
井上忠司
それにしても、
浜中せつお
松田蘭子
福原勝一
栗林菊夫
小林ひろみ
編集後記 漸く 30 号発行に漕ぎつけることができました。
かかります。
以上
これを一つの締めくくりとして、また 31 号から気合を入れて編集に
九州から寄せられた山本さんのお便りと提言は良い拠りどころになります。有難うございました。
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