海外安全対策情報(平成26年第1~3月分) 1. 治安情勢及び一般犯罪

海外安全対策情報(平成26年第1~3月分)
1. 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)2013年犯罪統計
2月、シンガポール警察は、2013年の犯罪統計を公表しました。犯
罪認知件数は29,668件(2012年比4.3%減)、人口10万人
当たりの件数は584件(2012年比6%減)であり、過去10年で
最も低い数値でした。概ねすべての犯罪類型の認知件数が減少する中、
インターネット利用の詐欺事件(ショッピングサイト、オークションサ
イト、ネット上の個人売買における詐欺)及び恐喝事件(紹介サイトや
チャットで知り合った相手からの恐喝)の被害が急増しており、警察で
は、慎重で分別あるインターネット利用による犯罪被害防止を呼びかけ
ています。
(2)リトル・インディア関連
2月、公共秩序(時限的追加)法案が議会で可決されました。同時限立
法により、昨年12月、暴動事件が発生したリトル・インディアの指定
地域におけるアルコールの摂取や販売が制限をされ、警察官の所持品検
査権限や逮捕権限を強化する等の措置がとられています。
2. 殺人、強盗等の凶悪犯罪の事例
(1)ゲイランにおける殺人事件
1月14日夕刻、ゲイラン地区において、35歳の男性が暴行を受けた
末、死亡する事件が発生しました。警察は、男性に暴行を加えた55歳
の男を傷害致死容疑で逮捕し、後に同人は殺人罪で起訴されました。
(2)インドネシア人メイドによる殺人事件
1月と3月、インドネシア人女性メイドが雇用主を殺害する殺人事件が
相次いで2件発生しました。1件目は、1月中旬、セラングーン地区の
アパートで同所に住み込みで稼働していた26歳のインドネシア人女性
メイドが雇用主である女性(77歳)を殺害した容疑で逮捕されました。
2件目は、3月上旬、69歳の女性が Victoria Park Road にある自宅の
プールで死亡しているのを発見され、警察は、同女を殺害した容疑で2
3歳のインドネシア人女性メイドを逮捕しました。2つの事件とも殺害
の動機は明らかにされていません。
3. テロ・誘拐事件発生状況
(1)シンガポールにおけるテロ・爆弾事件の発生は確認されておりません。
(2)国境検問所突破事件
1月17日と3月8日、隣国マレーシアと接するウッドランズ国境検問
所を車両が強行突破してシンガポールに不法入国する事案が立て続けに
2件発生しました。1件目では、マレーシア人女性が運転する車が検問
所を突破し、3日後、同女はシンガポール外務省の敷地に不法侵入した
ところを逮捕されました。2件目では、マレーシア人男性が運転する車
が検問所職員の制止を振り切り、更に、車止め装置も乗り越えた逃走し
ましたが、数時間後、警察に発見、逮捕されました。これまでの捜査か
ら、テロや政治的な動機に基づく犯行であることを示すものはありませ
んが、シンガポール政府は、両件を重大な警備事案ととらえ、再発防止
に向けた諸対策を講じるよう移民検問庁(ICA)
・警察に指示していま
す。
(3)身代金目的誘拐事件
1月8日、ホーガン通り(Hougang Avenue)において2人組の男が大手ス
ーパーチェーン経営者の母親(79歳)を「あなたの息子さん(経営者)
がケガをした。病院に連れて行く。」と嘘を言って車に乗せ誘拐した後、
経営者男性に身代金2千万ドルを要求する身代金目的誘拐事件が発生し
ました。男性は警察に通報するとともに、犯人と交渉の末、準備可能で
あった200万ドルを指定された場所に持参しました。後に身代金を回
収に来た男1名が警察に逮捕され、共犯者であるもう一人の男も間もな
く逮捕されました。誘拐された母親は無傷で発見、保護されました。本
件は、シンガポールで過去10年の間に発生した4件目の誘拐事件でし
た。誘拐罪の最高刑は死刑又は終身刑及び鞭打ち刑です。
4. その他
2月から3月にかけ、シンガポールを商品発送先とする不正クレジットカー
ド使用詐欺事件の被害相談が日本から当大使館に複数寄せられています。注
意喚起のお知らせを当大使館ホームページに掲載しておりますのでご参照
下さい( http://www.sg.emb-japan.go.jp/ryoji_CRDC_1-4-14_j.pdf )。