在コルカタ日本国総領事館管内安全対策情報 平成27年度第4四半期

在コルカタ日本国総領事館管内安全対策情報
平成27年度第4四半期(平成28年1月~3月)
1 社会・治安情勢
当館が管轄する西ベンガル州、ビハール州、オディシャ州、ジャールカンド州において
は、一般犯罪や極左武装勢力マオイストに関する事件が発生しているほか、政党間による
衝突、爆弾事件なども発生しています。また、女性に対する性的犯罪も多く発生しており、
社会問題化しています。今期中の主な事件は以下のとおり(当地紙報道による)
。
○ 1月2日、バングラデシュとの国境地帯である西ベンガル州マルダ(当館から北方約37
0㎞)において、国境警備が、国境を渡ろうとした3人の男の荷物から3㎏のアヘンを発見し、
押収の上3人を逮捕した。
○ 1月4日、ハウラー駅発アムリットサル行きの列車内で、14歳の少女が同列車で移動中
であった国境警備隊員に酒を飲まされた上、複数の隊員から集団強姦されたとして、鉄道警察
に被害届を提出。犯人らは鉄道警察によって即日逮捕された。
○ 1月14日、オディシャ州コラプット(州都ブバネシュワルから南西方向約500㎞)に
おいて、マオイストのグループが同地区の住宅に押し入り、同所に住む男性を連れ去った上、
郊外で殺害した。情報筋によると、マオイストはこの男性を警察への内通者と疑っていたとの
ことである。
○ 1月24日、オディシャ州デオガル(州都ブバネシュワルから北西約230㎞)において、
マオイストとインド軍特殊部隊との銃撃戦があり、マオイストのリーダー2人が射殺された。
○ 1月24日、コルカタ市内の AJC Bese Road(当館の北方約7㎞の地域を東西に通る幹線
道路)において、20歳の女性が3人の男に拉致され、コルカタの公営企業KMC事務所に連
れて行かれた上、強姦未遂の被害に遭った。
○ 1月27日、ジャールカンド州パラム(州都ランチから北西約180㎞)において、マオ
イストが同地域を巡回中の警察部隊を急襲し、警察官5人を含む7人が死亡、6人が負傷した。
○ 2月1日、ジャールカンド州ジャムシェドプル(州都ランチから南東約130㎞)におい
て、14歳の少女が病院内で強姦される事件が発生した。この少女は、前日に少年に強姦され
たとしてこの病院に入院していた。警察は、病院の警備員を強姦の疑いで逮捕した。
○ 2月3日、西ベンガル州ハウラーとウッタラカンド州デーラドゥンを結ぶ Doon Express
の列車内において、乗客の女性が男にひわいな言動をされたと訴え、鉄道警察はこの男を西ベ
ンガル州バンデル(当館から北方約50㎞)の駅で逮捕した。
○ 2月10日、西ベンガル州ムルシダバド(当館から北方約220㎞)において、州与党T
MC党の支援者と、インド共産党の支援者による衝突が発生した。同地区で行われる区長選挙
を巡る対立とみられている。被害報道等はなし。
○
2月10日、西ベンガル州バルドワン郡(当館から北西約110㎞)において、インド共
産党の党員・支援者が配給票に対するデモ行進を行っていたところ、何者かが道路脇建物の屋
根から発砲し、さらに爆弾を投てきした。これにより、同党幹部の1人が死亡、17人が負傷
した。同党では、州与党TMC党による攻撃だとして、警察に被害届を提出した。
○ 2月13日午後8時ころ、コルカタ市ガリア(当館から南東約4㎞)を走行中のバス内で、
乗客の男性が携帯電話で車内の女性を盗撮していたとして逮捕された。別の乗客がこれに気づ
き、声を上げて周囲の乗客とともに犯人を確保し、警察に引き渡した。
○ 2月17日、オディシャ州ルークラ(州都ブバネシュワルから北西約315㎞)において、
オディシャ州警察とテランナガ州警察の合同チームが、学生イスラムテロ組織SIMI
(Students’ Islamic Movement of India)と銃撃戦となり、同メンバー4人を逮捕した。
○ 2月20日、ジャールカンド州NH33(州都ランチから東方約10㎞)において、警察
部隊とマオイストとの銃撃戦があり、マオイスト9人が死亡した。彼らのカバンの中には爆発
物も発見された。
○ 3月9日、西ベンガル州ソルトレイク(当館から北東約15㎞、
)を走行中のバス内で、若
い女性が乗客2人から強制わいせつなどの被害を受け、犯人2人が逮捕された。
○ 3月11日夕方、中央捜査庁(National Investigation Agency、テロ捜査機関)は、西ベ
ンガル州ハウラー(当館から北方約約13㎞)において、バングラデシュを拠点とするイスラ
ム過激派組織JMBとの繋がりが疑われる若者2人を逮捕した。
○ 3月17日、NIA(国家捜査庁、テロ捜査担当)は、ISILとの繋がりが疑われると
して、西ベンガル州ドゥルガプル(当館から北西約170㎞)の工業学校の学生を逮捕した。
○ 3月20日、州与党TMC党の支援者とみられるグループと、インド共産党のグループが
衝突し、共産党活動家4人が負傷した。
○ 3月26日、西ベンガル州カナクル(当館から北西約70㎞)において、インド共産党支
持者と州与党TMC党の支持者が衝突し、12人が負傷した。両党はすぐに警察に被害を訴え、
これまでに4人が逮捕されている。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
当館が所在する西ベンガル州コルカタ市は、人口の都市集中、失業者の増大、貧富差の
拡大等を社会背景として、一般犯罪が増加傾向にあります。殺人、強盗、強姦等の凶悪事
件も多発しており、性犯罪被害は頻繁に報道されています。コルカタ市やビハール州の観
光地ブダガヤなどで、バックパッカーなどの短期邦人旅行者が列車内や駅周辺、繁華街(コ
ルカタのニューマーケットなど)
、安宿街(コルカタのサダル・ストリートなど)において、
スリや置き引きの被害に遭っているほか、見知らぬインド人から親しげに声を掛けられ、
一緒に行動するうちに親しくなり、もっともらしい話を持ちかけられ、クレジットカード
詐欺などの各種詐欺犯罪や女性に対するわいせつ目的の犯罪も発生しています。また、最
近では、邦人旅行者がムンバイやチェンナイで見知らぬインド人から親しげに声をかけら
れ、コーヒーやオレンジジュースなどの飲食物を提供され、飲食後に気を失い、所持品を
窃取されるいわゆる睡眠薬強盗の被害が頻発しており、当地においても過去同様の被害に
遭っている邦人がいることから、睡眠薬強盗に対する十分な警戒が必要です。今期中、日
本人が犯罪に巻き込まれた事案は、2月下旬、日本人旅行者がコルカタに向かう電車内で
パスポートや携帯電話、現金等の入ったカバンが盗まれる事案が発生しています。
3 テロ・爆弾事件発生状況
上記1をご参照ください。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事案には接していません。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
日系企業がターゲットにされた事案及び関連情報はありません。