世界の本屋さん vol.50 ニュージーランド南島・ クイーンズタウン ペーパープラス書店 島オークランドに本店があった。南島の ペーパープラス書店である。この店は北 タ ウ ン で あ る。 そ の 街 の 中 核 的 な 店 が ︵フィヨルド︶の観光基地はクイーンズ 南島の見どころミルフォードサウンド さ 一 杯 で あ る。 店 の 賑 わ い は セ ー ル に 具も手広く扱っているので店の中は楽し にも目は届いている。生活文具、実用文 ペーパーバック、ベストセラー、文芸書 活 書 が 揃 っ て い る こ と も 特 色 で あ る。 そうした人たちを対象にした料理書、生 た。 こ の 地 を 別 荘 に し て い る 人 も 多 い。 ノセ事務所 能勢 仁 南部は山岳地帯で、マウントクックをは ペーパーバックのバーゲンセールがワゴ よって更に盛り上がっている。店頭では ンにあり、店内では文具のセールが派手 じめ三千メートル級の山が多い。湖の多 ペーパープラスの特色といえば山岳 いことも地域特性である。 書、山岳写真集、観光写真集、絵葉書で に行われている。 パープラスの品揃えは充実していた。雑 を 見 た が、 そ の 店 に 負 け な い ほ ど ペ ー な書店である。 本六十、文具四十の割合の地元には便利 着 型 書 店 で あ る。 専 門 書 店 で は な い が、 も五十坪前後の中型の個性派で、地域密 ペーパープラス書店は南島でも北島で ある。筆者がネパールカトマンズに行っ 誌のアイテム数の多いのにも驚かされ た と き、 山 岳 専 門 書 店︵ マ ッ プ ハ ウ ス ︶ た。すべて英誌で八〇〇アイテムはあっ (表紙題字・陳舜臣) 2月 エルキュール・ポアロは朝食の座についていた。 湯気をたてているチョコレートのカップを右手に 世界の本屋さん ﹁書標﹂歳時記 月 著書を語る ○ ﹃京都の歴史を歩く﹄︵岩波新書︶ 1 の刊行に寄せて 高木 博志 2 書標・書評 ﹃三好一族と織田信長﹄ほか 特集 漫画になった文学 第6弾 学 ﹁路上遺産﹂さがしてみませんか? 今月のおすすめ 科 に 添 え ら れ て い る の は ブ リ オ ッ シ ュ だ。 チ ョ コ 会 社 コ ン ピ ュ ー タ 書 18 インフォメーション 本屋うらばなし ﹁姫路店にて﹂ ※表示価格はすべて本体価格です。 書 書 芸 術 レートによくあう。彼は満足そうにうなずいた。 ﹃クリスティー文庫30 第三の女﹄ アガザ・クリスティー著︵早川書房︶より 20 22 持っている。彼は生来甘党である。チョコレート 2 50 学 自 然 科 学 医 人 文 科 学 文 学 ・ 文 文 庫 ・ 新 書 芸 用 書 地 図 ・ 旅 行 実 童 語 学 ・ 辞 典 児 読者から 24 25 27 28 21 23 25 26 −1− 4 6 16 11 19 30 526 著書を語る ○ ︱︱ ﹃京都の歴史を歩く﹄︵岩波新書︶の刊行に寄せて 岩下志麻が、双子の姉妹を演じる川端康成原作の映画﹃古 く中国・台湾・韓国からの観光客で賑わっている。アジア じて、また桜の季節の仁和寺・哲学の道は、欧米だけでな 高木 博志 都﹄︵一九六三年、中村登監督︶。冒頭は、町屋の瓦が美し の若い人びとにとって、京都御所や神社などの観光地に対 この問題の背景には、京都をめぐる国内の観光言説やイ する、天皇制や国家神道などのタブーはないようである。 メージが、翻訳を通じて、国内外に共有されていることが 景観は、このあと高度経済を通じて失われる。ユネスコは、 一 九 七 二 年 に 世 界 遺 産 条 約 を 採 択 す る が、 日 本 は 先 進 国 く広がる、京都市中の鳥瞰からはじまった。実はこうした の な か で も 例 外 的 に 遅 く、 一 九 九 一 年 に な っ て や っ と 批 あるだろう。 に象徴される平安朝の国風文化や、祇園祭や豪奢な安土桃 今日の京都のイメージは、観光の中で、葵祭や源氏物語 准 さ れ た。 さ ら に﹁ 古 都 京 都 の 文 化 財 ﹂ が 世 界 文 化 遺 産 山文化に特徴づけられがちである。 に登録されるのは、一九九四年になってからである。遅延 の 背 景には、工業化や開発優先の要因が指摘される。もし しかし京都の町の構造を考えたときに、平安京の時代か 一九七〇年代に京都が世界遺産に指定されていたら、今と は違い、幻想ではない、もっと歴史と生活に息づく﹁京都 京 の 町 は 現 世 の 世 界 で あ っ た。 そ の 外 側、 鴨 川 の 東 側 や、 ら今日まで、天皇が住む内裏を清浄な中心とする上京・下 さ て 今 日、 京 都 へ の 観 光 客 は 毎 年 五 千 万 人 を 越 え る。 らしい﹂景観があったかもしれない。 西京の周縁には、穢れとされた墓所の来世があり、被差別 を東に越えると清水寺に続く清水坂となる。そこには町の した。たとえば中世の五条通は今の松原通であるが、鴨川 部落や花街・遊廓が立地し、近現代には在日朝鮮人が集住 二〇一四年、二〇一五年とアメリカの有力旅行雑誌﹁ Travel ︵トラベル・アンド・レジャー︶﹂は、京都をもっ Leisure とも世界で人気のある観光地に選んでいる。近年、伏見稲 −2− 526 荷社や清水寺、嵐山や京都御所・平安神宮などは一年を通 + 現 世 と 鳥 辺 野 の 来 世 を 分 け る 境 界 が あ り、﹁ 癩 病 者 ﹂ や ﹁ 犬 神 人 ﹂ な ど、 貧 困 と 病 に あ え ぐ 人 び と の よ り ど こ ろ で たとえば三条大橋は東海道の終点であるが、大津からの に、京都の町を歩いてほしい。 旧街道において、牛馬に託された物や人の痕跡を車石にみ 語られない、あるいは隠されてきた、差別や死の穢れ、花 今日、洛外の宇治は、源氏物語に代表される女性的な場で 中心とする﹁新都心﹂であった都市の記憶に触れてほしい。 された郊外のイメージであるが、室町幕府の﹁北山殿﹂を てほしい。今日、西大路通の北西部は、大正期以降に開発 街をめぐる性の問題に向きあった。洛北の岩倉には、前近 あるが、中近世においては合戦の物語の男性的な場であり、 本書では、天皇や貴族文化に偏りがちな観光のなかでは、 もあった。 代には心を病んだ人々を地域社会が受け入れる、二十一世 京 都 の 歴 史 に 人 び と の 営 み を 思 い、 道 を た ど り 現 場 に 紀につながる医療のかたちがあった。また十六世紀後半か 立っていただければありがたい。花やかな観光言説に流れ ジェンダーが近代に転換するとともに、京都を代表する世 京都に残した足跡にも言及した。鴨川は、生活用水であり がちな京都で、誰のための歴史であるかを、問うことは意 界遺産で文化的景観の場となったのだ。 友禅をはじめ京都の文化を育んだが、古代から昭和期に至 味があるだろう。 ら十七世紀初めには、日本史上、最大の人口比率となった るまで水害をもたらしたし、京都には時代を越える飢饉の −3− キリシタンの信仰や、東アジア世界のなかで朝鮮通信使が 歴史もあった。 再 考 し た 一 つ の 事 例 を あ げ れ ば、 京 都 の 舞 妓、 芸 妓 は、 観光行政において、 ﹁もてなしの文化﹂として京都のイメー ジを代表する。しかし一九五六年の売春防止法の施行以前 は、京都の花街という場自体が、性の問題と不可分であっ たことを、社会の変化を踏まえて歴史的に考えている。 本書は、小林丈広・三枝暁子両氏と私で、現地を歩いて 六年をかけて議論した、共著である。 ﹁都市に生きた人びと﹂ 部からなっており、十五のコースを設定している。ぜひ新 ﹁京の歴史が動くとき﹂﹁人が行きかい、物がめぐる﹂のⅢ 書を手にして、コースごとの、わかりやすい地図を手引き 『京都の歴史を歩く』 岩波新書・900 円 ﹃三好一族と織田信長﹄ 戎光祥出版・二五〇〇円 他ならぬ三好長慶である。三好一族、足利 長が元祖のように感じるが、実践したのは ているからだ。 いる当の︿私﹀は、常に逃れ去ってしまっ 同時に、︿世界﹀もまた、無限に逃れ去る。 文﹄の三好氏編の編纂をしている三好氏研 は、︿世界﹀が﹁問う︿私﹀﹂をも包み込む の基準とする自然科学的世界︵=宇宙︶観 すべての﹁もの﹂と﹁こと﹂を包む﹁対象 将軍家、そして織田信長との覇権戦争を読 究の専門家である。無条件にその英雄性に ﹁ドイツ観念論﹂は、逃れ去る︿私﹀と︿世 ことを、忘却している。 領域﹂は常に高階の﹁対象領域﹂へと無限 かべるであろう。東国を脅かす強敵・武田 帰結されがちであった織田信長の研究も見 界 ﹀ を 何 と か 捉 え 叙 述 し よ う と 格 闘 す る。 みとくことで見えてくるのは﹁将軍﹂を必 信玄、一向衆のネットワークで信長を苦し 直しが進んでいる。織豊期と呼ばれる﹁将 しかし、その果敢な挑戦は、予め失敗を宿 背進するからだ。現在多くの言説が﹁真理﹂ めた本願寺顕如、あるいは外交力を発揮し 軍﹂不在の時期はいかにして生まれたのか。 命づけられていた。人類の知的遺産は、失 著者は戦国時代の史料集である﹃戦国遺 て反信長包囲網を作り上げた足利義昭など 本書もまたそうした研究にひとつのテーマ 敗の堆積である。 要としない新たな政治秩序の形成である。 を挙げる人もいるであろう。しかし、本書 を提供してくれている。武田、本願寺など 織田信長のライバルといえば誰を思い浮 天野忠幸著 が取り上げるのはそのどれでもない。三好 との抗争に比べれば派手さはない。しかし、 従来、三好長慶は家臣である松永久秀の暴 一見地味に見える三好一族という切り口は この誰しもが一度は抱く問いは、必ず問 ﹁私とは何か?﹂ 事態である、︿世界﹀が絶え間なく﹁退隠﹂ しながら、次のように言うのだ。 に豊穣な可能性を見出し、科学信仰を糾弾 ガブリエルは、シェリングの﹁神話哲学﹂ 意志に基礎を持つとする。 ﹁ 哄 笑 ﹂ を 取 り 上 げ、 知 性 は 実 践 的 理 性、 少ないヘーゲルの﹁狂気﹂や、フィヒテの ジジェクは言う。彼は、顧みられることの ﹁乗り越えた﹂現代思想への応答があると、 だが、その失敗の堆積の中に、それらを 長慶をはじめとする三好一族である。 虐を抑えられなかった凡愚な大名といった ︵S︶ 非常に鋭いのである。 M・ガブリエル、S・ジジェク著 ドイツ観念論における主体性﹄ ﹃神話・狂気・哄笑 否定的な評価が多い。せいぜい信長登場ま で﹁前座﹂程度の評価といってもよいかも しれない。しかし、信長が侵出するまで当 時﹁天下﹂と認識されていた畿内を掌握して いたのは他でもない三好長慶である。 ﹁前座﹂ う人を迷路にさ迷い込ませ、袋小路に陥ら し続けるからこそ、我々は諸対象と関わる 堀之内出版・三五〇〇円 それまで足利将軍﹁個人﹂が諸勢力と対 せる。 ﹁私﹂を考え始める瞬間から、その﹁私﹂ と切り捨ててしまっては、彼とその一族が果 立し排除されるということはあったが、将 は既に対象としての﹁私﹂であり、問うて たした歴史的な役割を見失うことになる。 軍﹁家﹂そのものを滅ぼすという発想は皆 世界が存在しないというのは歓迎すべき 無であったといえる。この発想はまるで信 −4− 〝 民 主 主 義 と は、 世 界 の 捕 ら え が た さ の そして宣言する。 ことができる、と。 ︵フ︶ イジメた相手に復讐するのか? と思い読 最初は、手に入れた瞬間移動能力で自分を ジメにあいひきこもり︶の話。読んでいて その能力をある日突然手に入れた少年︵イ そんなユノ少年が小学校生活最後の夏休 静かに受け入れている。いや、諦めている。 彼は、自分は馬鹿だからしょうがない、と スメイトからからかわれ続ける。だけども からユノ少年も周りから理解されず、クラ 顕現なのである。〟 んでいたら、全く違っていた。少年は瞬間 年が彼女のためにどのように力を使ったか 気が付けば彼女の為に力を使っていた。少 移 動 先 で 出 会 っ た 先 輩 に 恋 を し て し ま い、 あれはまだ小さかった頃、二人で観覧車に のようにして、今は亡き母親の助言が甦る。 人になった時、恐れるな、と背中を押すか る。新幹線に乗って西へ向かう。そうして一 み、大人の目を盗んでたった一人で旅に出 いし、自分自身すら変えられない。自分を 超能力を手に入れても世界は変えられな 気 持 ち で こ れ か ら 先 の 人 生 を 俯 瞰 す れ ば、 にするから怖くなるの。遠くを見なさい﹂ 。 乗った時のことだ。曰く﹁近くばかりを気 祥伝社・一五〇〇円 特殊な力を手に入れた人はどうするか? は読んでからのお楽しみだけど、最後は甘 変 え る の は 少 し の 勇 気 な の か も し れ な い。 そこには数え切れないほどの困難が立ちは 例えば瞬間移動、透明人間、小さくなる 能力、発火能力に霊能力、使い方は人それ どんなすごい力を手に入れても少しの勇気 中田永一著 僕なら、私なら、あなたならどのように使 酸っぱくてほっこりとする話だった。 ﹃私は存在が空気﹄ いますか? ぞれだと思うし、その力でたくさんの人を にはかなわない、そう思える一冊でした。 その難読症を抱える小学六年生である。 ﹁文 文字が読めない。本書の主人公・ユノ少年は、 に対しての、胸を張った宣言のようにも思 を否定して未来を諦めていたかつての自分 というその時の彼の囁きが、僕には、自ら かに語りかける場面。 ﹁大丈夫、大丈夫だよ﹂ 最終盤。或る人物に向かって、ユノが静 のだと。 ズアップして自分を否定する必要など無い のだと。ならば、難読症だけを殊更クロー れら数々の厄介事のたった一つに過ぎない だかっている筈なのだと。難読症など、そ そして彼は頓悟する。遠くを見るような 救って英雄になりたいと思う人も多いかも NHK出版・一六〇〇円 難読症、或いは識字障害と呼ばれる一種 中山智幸著 ﹃暗号のポラリス﹄ ︵junjun ︶ しれない。けれども、みんながみんなそん なことができるわけではないし、そう思う 人ばかりではない。 ほんの少しの勇気をだして身近な人を助 けたり、好きな女の子の為に使ったりして もよいのではないか、と思う。 字が読めない﹂と一言で言われても、僕に えるのだ。 の 学 習 障 害 が あ る そ う だ。 そ の 名 の 通 り、 そのなかで特に私がオススメなのが﹁少 は今ひとつピンとこない。恐らく、今この そんな人々の物語が六つ詰まっているの 年 ジ ャ ン パ ー﹂。 誰 も が 憧 れ る 瞬 間 移 動 能 文章を読めているあなたもそうだろう。だ が﹃私は存在が空気﹄だ。 力。瞬間移動といえばすぐに思いつくのが、 ︵沢︶ エ ス パ ー 魔 美 に ド ラ ゴ ン ボ ー ル の 孫 悟 空、 −5− ﹁愛書家の楽園﹂毎年恒例、﹁漫画にな 一九五一年にハリウッドで映画化もさ 中八〇〇円、下七八〇円︶ れた、ポーランドのノーベル文学賞作家 った文学﹂フェアを開催いたします。こ れは、古今東西の文学作品と、そのコミ き軍人貴族ヴィニキウスと、幼いころに の治世下にあるローマ帝国を舞台に、若 人質としてローマに送られてきたリギイ ︵ 一 九 〇 五 年 受 賞 ︶ の 代 表 作。 暴 君 ネ ロ 今回の第六回フェアでは、シェンキェ 族の王女リギアの愛を描く。 カライズ作品を並べて展開するという趣 ヴィチ﹃クォ・ヴァディス﹄ 、ラクロ﹃危 向のものです。 険な関係﹄や、ラヴクラフト、カフカ、モ ーパッサンなどの欧米の古典的名作、平 安 時 代 初 期 の 説 話 集﹃ 日 本 霊 異 記 ﹄、 折 口 信 夫︵ 釈 迢 空 ︶ の 幻 想 譚﹃ 死 者 の 書 ﹄ ・ヴァディス﹄︵全三巻、女子パウロ会・ 藍真理人、シェンキェヴィチ原作﹃クォ ぜひこの機会にお読みください。 ざ ま な 楽 し み か た が で き る フ ェ ア で す。 か、はたまた両方を読み比べるか、さま り、ジャンヌ・モローとジェラール・フ 九 五 九 年 に ロ ジ ェ・ バ デ ィ ム 監 督 に よ 退廃と風紀の紊乱を活写した本作は、一 表された書簡体小説。貴族社会の道徳的 ︵白水社・三四〇〇円︶ ラクロ、桑瀬章二郎訳﹃危険な関係﹄ さいとうちほ﹃子爵ヴァルモン 危険な 関係﹄︵全二巻、小学館・各四〇〇円︶ −6− や泉鏡花、小松左京、高橋克彦、安部龍 太郎、京極夏彦、東野圭吾、乙一、渡辺 淳一、百田尚樹といった、執筆時期も、国 も、ジャンルも異なる幅広い作品を原作 としたコミックが集まりました。 各六〇〇円︶ ィリップの主演で、舞台設定を現代に変 漫画版を手に取るか、原作を手に取る シェンキェーヴィチ、木村彰一訳﹃クオ 一七八二年、革命前夜のフランスで発 ・ ワ デ ィ ス ﹄︵ 全 三 巻、 岩 波 文 庫・ 上・ 『クオ・ヴァディス』 田辺剛﹃異世界の色彩 ラヴクラフト傑 作集﹄︵KADOKAWA・六八〇円︶ よ り は、 原 作 の エ ッ セ ン ス を 抜 き 出 し ﹃ 鰐 ﹄ を 収 録。 す べ て の 作 品 が 十 六 ペ ー ー﹃ 盗 ま れ た 手 紙 ﹄、 ド ス ト エ フ ス キ ー 表題作のほか、夏目漱石﹃こころ﹄ 、ポ 折口信夫﹃死者の書・口ぶえ﹄ ︵岩波文庫・ ︵既刊一、エンターブレイン・七四〇円︶ 折口信夫原作、近藤ようこ﹃死者の書﹄ 利一など、全十一篇収録。 海野十三、モーパッサン、ペロー、横光 藤春夫、夏目漱石、梅崎春生、向田邦子、 えて映画化されている。 H・P・ラヴクラフト、大滝啓裕訳 た 形。 本 書 刊 行 後、﹁ 文 藝 ﹂ で 村 上 春 樹 ジで完結しており、忠実な漫画化という ﹃ラヴクラフト全集四﹄︵創元推理文庫・ となっている近藤ようこが、当麻曼荼羅 ﹃五色の舟﹄の漫画化で本フェアの常連 満開の下﹄ 、 ﹃戦争と一人の女﹄ 、津原泰水 坂口安吾﹃夜長姫と耳男﹄ 、 ﹃桜の森の 七〇〇円︶ ﹃螢﹄の漫画化も発表。 すでに﹁神殿﹂、 ﹁魔犬﹂、 ﹁名もなき都﹂ 六四〇円︶ の三作を収録した﹃魔犬﹄が刊行されて いる著者による、ラヴクラフトのコミカ ライズ第二弾。原作の発表は一九二七年。 水木しげる﹃水木しげるの泉鏡花伝﹄ −7− 宇宙から飛来した謎の隕石が引き起こ 四三年刊の幻想小説に挑む最新刊。下巻 の伝説に想を得た、民俗学者による一九 二〇一二年に﹃ Ebony and Irony ﹄で 川端康成、太宰治、倉橋由美子、夢野久 泉鏡花﹃高野聖﹄︵角川文庫・四三八円︶ ︵小学館・一六〇〇円︶ の刊行が待望される。 作らの短篇を描いたイラストレーターに 八〇〇円︶ ﹃ モ ー パ ッ サ ン 短 篇 集 ﹄︵ ち く ま 文 庫・ ギ・ド・モーパッサン、山田登世子訳 四三〇円︶ 向 田 邦 子﹃ 男 ど き 女 ど き ﹄︵ 新 潮 文 庫・ ﹄︵ パ イ 長 崎 訓 子﹃ MARBLE RAMBLE インターナショナル・一六〇〇円︶ 『MARBLE RAMBLE』 よる、二冊目の漫画化アンソロジー。佐 『死者の書 上』 す奇妙な事件と一家の破滅を描くホラー 小説。 森泉岳土﹃カフカの﹁城﹂他三篇﹄ ︵河出書房新社・一五〇〇円︶ フランツ・カフカ、池内紀訳﹃城﹄ ︵白水Uブックス・一五〇〇円︶ 『異世界の色彩』 昨年十一月三十日に惜しまれながら逝 コオが、鬼退治を買って出る。二〇〇九 ナ﹄を読んで感銘を受けた高橋が、自作 年に高室の﹃縄文物語﹄、﹃ニタイとキナ の漫画化を熱望して実現。 比呂美による現代語訳。 萩尾望都、小松左京原案﹃AWAY﹄ 去した妖怪漫画の大家が、近代幻想文学 の先駆者の生涯を漫画にした、最晩年の ︵全二巻、小学館・各五四五円︶ 二〇三三年のある日、町じゅうから突 仕事。異界を描いてきた二人の作家の出 然、ひとり残らず大人が消えてしまった。 会 い が、 こ こ に あ る。 二 篇 の 小 説︵﹁ 高 野 聖 ﹂、﹁ 黒 猫 ﹂︶ の コ ミ カ ラ イ ズ も、 作 世界は、十八歳未満の子供たちが生きる ﹁ AW A Y ﹂ と そ れ 以 上 の 人 間 が 暮 ら す ︱︱。原作収録の﹃物体O﹄、﹃未来世界 ﹁HOME ﹂に分かれてしまったのだ へようこそ﹄はともに品切れ。 載されていたが、二〇一五年十二月号で 一 巻 の み。﹁ コ ミ ッ ク 乱 ツ イ ン ズ ﹂ に 連 出雲神話を大胆に解釈した﹁エキサイ の理﹄︵既刊一、講談社・四二九円︶ 京極夏彦原作、志水アキ作画﹃絡新婦 完結。続巻が待たれる。 高 橋 克 彦﹃ え び す 聖 子 ﹄︵ 文 春 文 庫・ 七 ティング古事記﹂をコミカライズ。アヨ 二四円︶ 王の使い﹂、﹁牛になった話﹂、﹁蛇執の怪﹂、 の里に現われた鬼の噂を耳にした少年シ 事。﹁ が ご ぜ ﹂、﹁ ど く ろ の 怪 ﹂、﹁ 閻 魔 大 ︵潮出版社・一五〇〇円︶ らに漫画化された。コミックスの既刊は 隠﹄をもとに、直木賞作家が小説化。さ 常朝が武士としての心得をまとめた﹃葉 江戸時代中期に、佐賀鍋島藩士・山本 七八〇円︶ 安部龍太郎﹃葉隠物語﹄︵日経文芸文庫・ ︵既刊一、リイド社・七三〇円︶ 安部龍太郎原作、 藤原芳秀作画﹃葉隠物語﹄ 『葉隠物語 一』 ﹁ 水 木 サ ン が〝 オ モ チ ロ イ 〟 と 感 じ た 高橋克彦作、高室弓生画﹃えびす聖子﹄ 『えびす聖子』 ﹄収録作は、伊藤 像﹂。﹃日本文学全集 −8− 中に収録されている。 池澤夏樹編﹃日本文学全集 日本霊異 記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集﹄ ︵KADOKAWA・一五〇〇円︶ 水 木 し げ る﹃ 水 木 し げ る の 日 本 霊 異 記 ﹄ 『水木しげるの 日本霊異記』 七話﹂を漫画化した、やはり最晩年の仕 ︵河出書房新社・二九〇〇円︶ 08 ﹁ 鷲 に さ ら わ れ た 赤 子 ﹂、﹁ 不 思 議 な 観 音 08 京 極 夏 彦﹃ 絡 新 婦 の 理 ﹄︵ 講 談 社 文 庫・ せて漫画版も刊行された。 本木雅弘主演で映画化され、公開に合わ た大ベストセラー小説の漫画化。はじめ、 て映画化もされ、社会現象を巻き起こし 〇一五年、原作者の一周忌を前に復刊ド 一九九七年に角川書店から刊行され、二 一三七一円︶ 乙一原作、 ミヨカワ将作画﹃山羊座の友人﹄ ットコムから再刊された。 ﹃ 魍 魎 の 匣 ﹄、﹃ 狂 骨 の 夢 ﹄、﹃ 姑 獲 鳥 の 夏﹄、﹃百器徒然袋﹄と、京極作品をコミ ︵集英社・六〇〇円︶ による陰惨ないじめの標的になった末 高校一年生のユウヤは、同級生の金城 カライズし続けてきた描き手が、連載媒 に、追い詰められて金城を殺害したらし 体を﹁コミック怪﹂︵KADOKAWA︶ 社 ︶ に 移 し て 連 載 中。 ﹁百鬼夜行シリー か ら﹁ マ ガ ジ ンS P E C I AL ﹂︵ 講 談 い若槻とともに逃亡するが、その果てに は衝撃的な事実があった。原作は二〇一 ズ︵京極堂シリーズ︶﹂の第五弾。 一年に﹁ファウスト Vol.8 ﹂に発表され、 単行本には未収録である。 百田尚樹原作、 山崎童々漫画﹃幸福な生活﹄ 百 田 尚 樹﹃ 幸 福 な 生 活 ﹄︵ 祥 伝 社 文 庫・ ︵祥伝社・九〇〇円︶ 平凡な生活を送っているかに見える人 六四八円︶ びとの、裏側に隠された真実の顔を最後 の最後に明らかにする、九十二万部突破 各五五二円︶ 渡辺淳一﹃失楽園﹄︵全二巻、角川文庫・ ︵復刊ドットコム・一八五〇円︶ は過去に、三浦しをん﹃木暮荘物語﹄の 十九篇のうち、七篇を漫画化。なお山崎 の 短 篇 集 が 原 作。 文 庫 版 に 収 録 さ れ た し、稼働中の全原発を停止しなければ福 ﹁日本経済新聞﹂連載中から大きな話 ま た、 昨 年 の 第 五 回 か ら 今 回 の 第 六 コミカライズも手掛けている。 井県の高速増殖炉に墜落させると日本政 題を呼び、単行本は二百五十万部を超え −9− 『幸福な生活』 府を脅迫する犯人。原作は一九九五年刊。 牧美也子作画、渡辺淳一原作﹃失楽園﹄ 『山羊座の友人』 二〇一五年には堤幸彦監督、江口洋介・ 建造なった軍用ヘリコプターを奪取 二三〇〇円︶ 東野圭吾﹃天空の蜂 新装版﹄︵講談社・ 蜂﹄ ︵全二巻、講談社・各六〇〇円︶ 東野圭吾原作、猫田ゆかり漫画﹃天空の 『絡新婦の理 一』 江戸川乱歩原作、上村一夫、桑田次郎作 化師・黄金仮面﹄︵実業之日本社︶ ﹄︵白泉社︶ LOVE & WAR 冲 方 丁 原 作、 槇 え び し 漫 画﹃ 天 地 明 察 ﹄ 回 開 催 ま で の 期 間 に は、 本 フ ェ ア で 取 より︶お勢登場﹄︵少年画報社︶ り 上 げ た 作 品 の ほ か、 以 下 の よ う な コ 江 戸 川 乱 歩 原 作、 横 山 光 輝 作 画﹃ 江 戸 森見登美彦原作、岡田祐作画、久米田康 ︵講談社︶ 画﹃江戸川乱歩妖美劇画館Ⅰ 地獄風景 パノラマ島奇譚﹄︵少年画報社︶ 次郎︵中邑冴、大竹とも、鞠之子、小立 川 乱 歩 妖 美 劇 画 館Ⅲ 白髪鬼/闇の顔﹄ 治 キ ャ ラ ク タ ー 原 案﹃ 有 頂 天 家 族 ﹄︵ 幻 ミカライズ作品も刊行されています︵一 野みかん作画︶﹃4大作家からの挑戦状﹄ ︵少年画報社︶ 冬舎コミックス︶ 江 戸 川 乱 歩 原 作、 石 川 球 太、 真 崎・ 守、 ︵実業之日本社︶ 香月日輪原作、みもり漫画﹃地獄堂霊界 部 で あ り、 網 羅 性 は あ り ま せ ん ︶。 ご 興 赤 川 次 郎 原 作、 鈴 木 マ サ カ ズ 作 画﹃ 鼠、 通信﹄︵講談社︶ 猪狩そよ子、坂木司原作﹃和菓子のアン﹄ 池 上 遼 一 作 画﹃ 江 戸 川 乱 歩 妖 美 劇 画 館 影を断つ﹄︵エンターブレイン︶ 香月日輪原作、高橋愛漫画﹃大江戸妖怪 森 博 嗣 原 作、 猫 目 ト ー チ カ 漫 画﹃ 四 季 ﹄ ︵白泉社︶ 味 を 持 た れ た 作 品 が あ れ ば、 フ ェ ア 展 池井戸潤原作、六多いくみ漫画﹃花咲舞 かわら版﹄︵講談社︶ 開作品とあわせてお読みいただければ が黙ってない﹄︵講談社︶ 百田尚樹原作、須本壮一作画﹃海賊とよ 押 絵 と 旅 す る 男 巡 礼 万 華 鏡︵﹁ 鏡 地 獄 ﹂ 夢枕獏原作、伊藤勢漫画﹃闇狩り師 キマ ばれた男﹄︵講談社︶ Ⅱ 白昼夢 人間椅子/お勢地獄/芋虫/ イラ天龍変﹄︵徳間文庫︶ 幸いです。 京極夏彦原作、志水アキ作画﹃姑獲鳥の 冲方丁原作、 近藤るるる漫画﹃ガーゴイル﹄ *愛書家の楽園・特集﹁漫画になった文学 内田康夫、東野圭吾、西村京太郎、赤川 夏﹄︵KADOKAWA︶ 東川篤哉原作、森ゆきなつ作画﹃探偵少 ︵少年画報社︶ 江 戸 川 乱 歩 原 作、 古 賀 新 一 作 画﹃ 江 戸 畠中恵原作、 紗久楽さわ漫画﹃まんまこと﹄ 山口譲司﹃江戸川乱歩異人館﹄︵集英社︶ 三階、丸善名古屋本店一階と京都本店地 ︵講談社︶ 京極夏彦原作、志水アキ作画﹃百器徒然 女アリサの事件簿﹄ ︵幻冬舎コミックス︶ 川乱歩怪奇漫画館 屋根裏の散歩者・陰 獣他﹄︵実業之日本社︶ ︵秋田書店︶ ︵作品社編集部・青木誠也︶ 袋面霊気﹄︵KADOKAWA︶ ﹂でご紹介した書籍は、ジュンク堂 Vol.6 書店池袋本店一階エレベータ前と福岡店 江戸川乱歩原作、関谷ひさし、北竜一朗 弓 き い ろ、 有 川 浩 原 作﹃ 図 書 館 戦 争 ェア展開中です。 下二階にて、二月十日∼三月九日までフ 作画﹃江戸川乱歩猟奇漫画館 地獄の道 − 10 − 『天地明察 九』 ジュンク堂書店福岡店ではただいま ア﹂と題して、主に福岡の、そしてみな ﹁海鳥社刊﹃福岡路上遺産﹄刊行記念フェ さんの住むまちにひっそりと存在してい るであろう﹁路上遺産﹂を見つけてもら えるようなガイドとなる本をご紹介して サングラスのおじさんがまちをブラブ た、﹃福岡路上遺産﹄︵海鳥社・Y氏︵山 まずはフェアのきっかけにもなりまし おります。 ラ歩いて歴史の痕跡をたどることで近頃 お名前なのですが、福岡や九州を主に歴 ﹁Y氏︵山田孝之︶﹂というのは著者の 史探訪や、面白スポットを紹介すること 田孝之︶著・一七〇〇円︶。 史が積み重なり続けていると言われてい で人気のブログ︽Y氏は暇人︾を執筆さ 人気の某テレビ番組でとりあげられた際 た福岡のまちを、自らの足で歩いてみる にも、かなり古い時代から同じ場所に歴 楽しさを感じるきっかけになればと思 れています。 ち 歩 き 本 を い く つ か ご 紹 介 い た し ま す。 を教えてくれる本や、各地の気になるま たあと、歴史の痕跡をたどる面白い方法 れた歴史スポットを訪ねる本をご案内し 書店福岡店のある福岡県福岡市付近の隠 そして本欄では、ひとまずジュンク堂 もわかるようになっており、すぐにでも 富に並べながら、同じ場所の現在の様子 ページに、古地図や古写真、絵葉書を豊 すめてゆくと、見やすいオールカラーの 次には気になることだらけです。読みす 代、天神は海の中だった!?﹂など、目 は 大 変 な 人 気 を 博 し て い ま す。﹁ 鎌 倉 時 いろな話題をとりあげていて、福岡店で この本はブログの記事をもとに、いろ い、 開 催 し て い ま す。︵ 二 月 末 ま で 一 階 どうぞしばらくの間お付き合いください フェアコーナーにて開催中︶ ませ。 実際にその場所へ確かめに行きたくなる ようなつくりになっています。 − 11 − 『福岡路上遺産』 点があったのだと気づくことができます。 ているまちの一角に、過去とつながる接 と違いますが、それでも、日々通り過ぎ どれもきらびやかな観光地とはちょっ ひと味ちがった風景が見えてきます。 名前を通してまちを眺めてみると、また いままで知らなかった町名があり、その です。祇園山笠で有名な博多のまちにも、 ません。 のいまを探してみるのも、よいかもしれ れらの絵葉書になるほど栄えていた場所 葉書から知ることができます。そしてそ て方をしてみると、知らなかった一面が りとした痕跡も、この本のような光の当 どる際にはぜひおすすめしたい一冊で 二五〇〇円︶も、福岡の歴史の痕跡をた 宮 崎 克 則・ 福 岡 ア ー カ イ ブ 研 究 会 編・ ﹃古地図の中の福岡・博多﹄︵海鳥社・ 日常の中に埋もれてしまいがちなひっそ 見えてくる、著者はそれを﹁路上遺産﹂と まち歩きのガイド本としては、他にも す。一八〇〇年代、近世の福岡・博多を 子を比較しつつ、歴史をたどってゆきま ﹃ぶらぶら福岡まちあるき∼歴史さんぽ 名付けています。そんなまち歩きの楽し す。たかだか二百年?それとも、されど さを教えてもらえる一冊で、福岡に住む 二百年?変わっているところ、変わらな 一 三 〇 〇 円 ︶ や、﹃ 古 地 図 で 歩 く 福 岡 ︱ 編 ∼﹄︵ 書 肆 侃 々 房・ 兵 土 剛 著・ 描いた古地図をもとに、いまのまちの様 いところ、同じ土地に歴史が積み重なっ がでしょうか。 そして、古地図とはまた違った面白さ ﹃ふくおか絵葉書浪漫﹄︵海鳥社・益田 があるのは絵葉書です。 福岡市の中でも、﹁太閤町割り﹂の地域、 業の集積地であったり、そういったもの 光地であったり、繁華街であったり、産 昭和にかけての福岡県の、その時々の観 啓一郎編・二三〇〇円︶では、明治から すなわち豊臣秀吉の時代から、約五十年 が何で、どこにあったのかを、当時の絵 かた編集室著・一六〇〇円︶もよくまと まっていて、読みやすい本です。 − 12 − 方にもそうでない方にも、おすすめです。 続いては﹃博多 旧町名歴史散歩﹄︵西 日 本 新 聞 社・ 日 高 三 朗・ 保 坂 晃 孝 著・ 前まで存在していた、博多の昔の町名を 一六〇〇円︶。 いまの風景と重ね合わせてたどる読み物 歴 史 探 訪 ガ イ ド ﹄︵ メ イ ツ 出 版・ 月 刊 は てゆくすがたを目で確かめてみてはいか 『ふくおか絵葉書浪漫』 『ぶらぶら福岡 まちあるき』 『博多 旧町名歴史散歩』 の雰囲気があることにも気づかされます。 く、それぞれの建築物にそれぞれの時代 れた時期は戦前からバブル期までと幅広 しい洋館ふうの建物であっても、建てら 歩いた本です。ひとめ見たところ古めか 絞って、九州・山口・島根の各地を訪ね まちで見かけるちょっと気になる建物に 誰 で も 知 っ て い る 観 光 地 の 洋 館 で な く、 そ西洋館と付いていますが、その対象を 森下友晴著・一七〇〇円︶は、題名にこ 山口・島根の︿現代レトロ建築﹀ ﹄ ︵忘羊社・ のを二点ほど。 ﹃昭和戦後の西洋館 九州・ 続いては、ちょっと変わった視点のも しょうか。 し て い る か も、 と い う の は お お げ さ で とめ方はまち歩きの学術的な価値を示唆 まち歩き本とはちょっと違った見方、ま も読めるのではないでしょうか。前述の ち﹁まち歩き﹂をやってみた本、として なのですが、フィールドワーク、すなわ ると、大学の研究結果をまとめた論文集 味深い一冊です。ざっくりと説明してみ デザイン学コース編・二七〇〇円︶も興 州大学出版会・九州大学大学院アーバン んが、﹃都市理解のワークショップ﹄︵九 ちょっと学術的に過ぎるかもしれませ と思います。 たちが書いた本をいくつかご案内したい リストたちがいるようです。そんなひと 言いますか、﹁路上遺産﹂発見のスペシャ まち歩き、と言いますか、路上観察、と 思 っ て い ま す が、 ほ か に も い ろ い ろ な、 最先端のバリエーションのひとつだと た﹃福岡路上遺産﹄はこの系譜の最新で ています。個人的には、最初にご紹介し に変えてくれそうなヒントが数多く載っ の﹁ただの移動﹂をも楽しい﹁まち歩き﹂ 考えさせられる本、とも言えるかもしれ いにして、ここからは紹介する本の幅を さて、福岡にまつわる本のはこのぐら レトロという言葉の持つ意味についても ません。読んでいると、日々、なんとな 瀬川原平著・一一〇〇円︶から連なって や﹃ 超 芸 術 ト マ ソ ン ﹄︵ ち く ま 文 庫・ 赤 今 和 次 郎 著・ 藤 森 照 信 編・ 一 〇 〇 〇 円 ︶ をたどれば、﹃考現学入門﹄︵ちくま文庫・ 赤瀬川原平他編・七八〇円︶です。もと 本から。﹃路上観察学入門﹄︵ちくま文庫・ まちを構成する要素の中でも重要な、川 所、暗渠について熱く語っている本です。 見た目では川とわからなくなっている場 り、地下に水路を移したりして、ぱっと かつては川があった場所にふたをした 高山英男著・二一〇〇円︶は題名の通り、 ︵柏書房・吉村生・ ﹃暗渠マニアック ! ﹄ 『路上観察学入門』 くるこの本ですが、毎日の通勤通学など 産探しの教科書中の教科書といっていい まずは、こういったまち歩き、路上遺 少しひろげてみたいと思います。 建物がないか探したくなってきました。 く通り過ぎている道の途中にも、そんな 『昭和戦後の西洋館』 − 13 − すので、みなさんが住んでいるまちにあ には暗渠を探すときのヒントも出てきま の例が多く収録されていますが、本の中 てられているからでしょうか⋮⋮。東京 くるのは、この本の持つ﹁暗渠愛﹂にあ 出会う発見の中でも、特別な気すらして う﹁物語﹂は、まち歩きをしている中で という要素をあえて隠してしまったとい もあわせておすすめです。 ビージャパン・垣下嘉徳著・一八〇〇円︶ る の で す。﹃ 路 上 の 芸 術︻ 復 刻 版 ︼ ﹄︵ ホ のほか多彩な世界がそこには広がってい すが、ちょっと下を向いてみると、思い だん気にもとめない方も多いかと思いま れた文化や歴史が解説されています。ふ 多数紹介されており、それぞれにこめら しれません。 しみながら探してみるのも面白いかも 多くあるでしょう。それらを、映画を楽 も、 い ま の ま ち と は き っ と 違 う 部 分 も るかもしれない暗渠、探すときの参考に ﹃マンホール 意匠があらわす日本の文 なのです。 マ ン ホ ー ル、﹁ 路 上 遺 産 ﹂ の 隠 れ た 主 役 暗渠に続いてはマンホールです。実は した本です。東京や大阪、そして福岡も、 に破壊された街並みや建築物などを検証 ジラなどの東宝特撮怪獣映画から、怪獣 上で面白い見方を提案してくれます。ゴ 二 一 〇 〇 円 ︶ も、 歴 史 の 痕 跡 を た ど る 昭和の都市風景﹄︵一迅社・野村宏平著・ すが、﹃ゴジラと東京 怪獣映画でたどる ちょっと例外といえば例外になりま パクトにまとまっています。その土地そ 細とその駅そのまちとのつながりがコン らそれほどもでないひとまで、銅像の詳 なんと百以上 ! とても有名なあのひとか くなってくる部分もありますが、その数 を探して電車に乗っているのかわからな 乗りたいから銅像を見にゆくのか、銅像 地の駅前の銅像を訪ね歩きます。電車に ぜだかはともかくとして、著者は全国各 ない、 ﹁駅前には銅像がある﹂ 。それがな されてみてはいかがでしょうか? ﹃途中下車で訪ねる駅前の銅像﹄︵交通 新聞社・川口素生著・八〇〇円︶もなか 化と歴史﹄︵ミネルヴァ書房・石井英俊著・ かつては︵?︶ゴジラに叩き潰され、踏 言われてみるとたしかにそうかもしれ なか興味深い切り口の本です。 一八〇〇円︶ですが、この本を読むと下 み抜かれているのです。そんなまち並み − 14 − 『ゴジラと東京』 を向いて歩きたくなります。日本各地の 『マンホール』 特色あるマンホールの蓋が図版とともに 『暗渠マニアック!』 の土地の歴史をひもとくきっかけとして ﹃大阪アースダイバー﹄︵講談社・中沢 すが、そこで著者は変わってゆくことを うに思ってもおかしくはないはずなので つけてゆきます。帯文の﹁時をかけてご 肯定的に受け入れつつ、まちのそこかし 近所を旅してみたら懐かしくて新しい風 新一著・一九〇〇円︶です。東京編に続 景は、いままで見えていた大阪とは別の 景が見えてきた﹂という言葉は、日頃何 の銅像、この本を片手に駅前の銅像、今 ものでした。歴史の痕跡のなかでもその 気なく暮らしている場所に眠る記憶があ こにひっそりと存在する歴史の痕跡を見 重なった層の下のほう、﹁地形﹂と﹁地層﹂ る、そしてその痕跡が思わぬところにあ いて出されたこの本ですが、中沢新一独 からみる歴史、まちの成り立ちは、ひと ることをうまく表現している気がします。 特の読み解きから見えてくる大阪の風 びとの営みの移ろいを考えてみる上で 度詳しく見てみませんか? いろいろと考えるきっかけとなる本で 六〇〇円︶は、 沖縄の出版社で働く著者が、 浪 記 ﹄︵ ボ ー ダ ー イ ン ク・新 城 和 博 著・一 最後は沖縄から。﹃ぼくの︿那覇まち﹀放 までのまちの見方が︵少しでも︶変わる 本を一冊片手に、まちへ繰り出し、それ す。このあとは各自みなさまでよさげな りで一旦おわかれとさせていただきま き本はたくさんあるのですが、このあた はないでしょうか。 古地図を片手に那覇のまちをさまよい歩 というわけで、まだまだ面白いまち歩 この本がたどるのは東京の歴史の痕跡 いたまち歩きの記録です。沖縄のたどっ − 15 − ﹃霊園から見た近代日本﹄︵弦書房・浦 辺 登 著・ 一 九 〇 〇 円 ︶ は 福 岡 の 出 版 社、 福岡出身の著者という組み合わせの本で すが、東京の霊園を巡るうちに見いだし た、日本近代史の歴史背景を読み解いた 本です。玄洋社という政治結社を中心に ︵ここが福岡要素ではあります︶、霊園に 並 ぶ お 墓 も 見 方 を ひ と つ 加 え る だ け で、 ですが、全国各地にもそういった本でよ ような﹁路上遺産﹂を見つけていただけ ことを感じることができる本です。 い本は数多くあります。紙幅の関係上あ てきた歴史が、この那覇というまちに変 と少しだけご紹介いたします。 ︵福岡店 大津留︶ ると幸いです。 歴史の痕跡をたどる契機となる、そんな 『ぼくの〈那覇まち〉 放浪記』 わり続けることを強いている、そんなふ 『大阪 アースダイバー』 『霊園から見た 近代日本』 て副題に添えている。これからも研究や の流れは絶えずして万事塞翁馬﹂と表し 一 言 で 表 せ な い と し な が ら も、﹁ ゆ く 川 かりやすく解説している。その到達点を わせてどのように変遷してきたのかをわ 振り返りながら、刑法が社会の変化と合 ができた。巻末ではその連絡先が紹介さ られ、認知度が高まり、各地に相談窓口 る。無戸籍の問題はメディアに取り上げ たどり着くのが困難を伴うと訴えてい 多く、相談をし、戸籍を得るところまで ている。無戸籍の人は貧困であることが 政治家として活動してきたことをまとめ た著者がNPO代表として受けた相談や 社 会 科 学 講義を続ける意向を示し、西欧から輸入 勝利の裏側 して真似てきた刑法が日本独自のものへ れている。 ベトナム フイ・ドゥック著 中野亜里訳 訳者によれば、ベトナムの大学生の多 と変化していく先を創っていくのだと思 一七〇〇円 くは、自国の歴史に関心がないという調 集英社 う試みの大著︵日本語版は原著上下巻の 人観光客の、過激な消費について考察し トで、数年前から急増している訪日中国 中島 恵著 著者は中国事情に詳しいジャーナリス ﹁爆買い﹂後、 彼らはどこに向かうのか? 上 巻 に あ た る ︶。 サ イ ゴ ン﹁ 解 放 ﹂ 後 の た一冊。銀座をはじめ全国各地の事例を 二〇〇〇円 われる。 羽鳥書店 査結果があるそうだ。そうした現状の中 で、著者のように自国の歴史と革命の歴 史を見直そうという人々もいる。本書は、 出来事を中心に記されているが、日本で 勝者の立場から語られてきたベトナム現 はほとんど知られていない事実も数多 多数とりあげ、バブル時代に海外でブラ 代史を見直し、客観的に検証しようとい い。本国ベトナムでも賛否両論が起こり、 受 け ら れ る も の の、 一 度 豊 か さ の 味 を なっている。中国経済は成長に鈍化が見 も載っていて、かなり踏み込んだ内容と ンド品を買い漁っていた日本人との比較 無戸籍の日本人 知った彼らの衝動はしばらく続くと著者 井戸まさえ著 自分の子どもが民法七七二条によって 五〇〇〇円 議論を喚起した。 めこん 無戸籍になり、戸籍を得るために奮闘し は予想している。 法の奥底にあるもの た経験から、戸籍を持っていない日本人 プレジデント社 前田雅英著 刑法や刑事訴訟法で著名な教授の最終 が様々な原因や理由で存在すること知っ 一五〇〇円 講義に加筆・修正したもの。研究生活を − 16 − 社会科学 貧困大国ニッポンの課題 橘木俊詔著 十年くらい前から貧困に ついて議論されるようになったが、最近 は一時ほどの熱気はなく、まるでその問 題は沈静化したかのような錯覚さえおぼ える。しかし実態は更にひどくなってい て、特に高齢者や若者においてはもはや 危機的な状況だと、経済学者の著者は訴 える。格差や福祉、教育といった、相互 に関連するそれらの問題を解決するため に、 い ま 何 が 必 要 か を 真 剣 に 論 じ た 本。 律に関しても詳しく解説されていて、た だ不安を煽るだけでなく、定借の活用等 一六〇〇円 による対策についてまで記述は及ぶ。 日本経済新聞出版社 エコノミストの昼ごはん 独自の視点を与えてくれる。 作品社 戦略読書 二二〇〇円 三谷宏治著 みんなと同じ本ばかり読 んでいたら、同じ視点しか持てない。本 各 国 別 の お い し い ご 飯 に あ り つ く 方 法、 ア メ リ カ の 食 は な ぜ 駄 目 に な っ た の か、 ス ト で も あ る 著 者 の 今 回 の テ ー マ は 食。 著名な経済学者であり、人気コラムニ にS F な ど 無 関 係 の ジ ャ ン ル を 二 つ 加 まずはビジネスの基礎と応用の二つ、次 ト リ ク ス︵R P M ︶ と し て 提 示 さ れ る。 テゴリに分類した読書ポートフォリオマ を明かした一冊。その理論は、四つのカ 全史﹄の著者・三谷氏が独自の読書理論 書 は﹃ 経 営 戦 略 全 史 ﹄﹃ ビ ジ ネ ス モ デ ル 食糧問題をスノビズムに陥らず冷静に考 え、それらをキャリアに応じて変化させ − 17 − 欧州各国の例をあげながら、福祉国家と いう日本の目指す方向性が具体的に示さ れていて、非常に説得力を感じる。 戸建て空き家の増加が最近問題視され える方法など、食に関する問題を経済学 ることが重要だと指摘する。他人と違っ タイラー・コーエン著 てきているが、本書はマンションの方が 的視点で論じる。ローカルスーパーを攻 た面白い意見を持つためには、まさに戦 一七〇〇円 深刻だと警鐘を鳴らしている。マンショ 略し、タクシー運転手とランチを共にす 人文書院 ンの老朽化は住民の高齢化や空室化につ る。 本 書 は 単 な る グ ル メ 本 に 留 ま ら ず、 限界マンション ながり、管理費不足のせいで修繕や立て 米山秀隆著 替えが見送られ、やがては解体もされず 一八〇〇円 略的な読書体験こそが必要となる。 ダイヤモンド社 よい食を求めることは世界の食事情をも 改善する可能性があると言う、経済学者 放置される運命だという。日本でマンショ ンという居住形態が普及した背景や、法 社会科学 コンピュータ デザインケーススタディ API 田中 コミッタと 哲著 著 者 は Ruby して、新たな機能の追加にも数多くかか わってきた人物。本書はその経験をもと に、さまざまな機能がどのような考えに 取がテーマで、聞き込みや尾行といった ンジニアリングと呼ばれる個人情報の奪 マとしたのに対し、今回はソーシャルエ てのデザインパターンを Python の文脈 に適用し、有用なものとそうでないもの アナログなものから偽のログインページ とを検証していく。中級者以上を対象と した内容なので、ビギナーはまず同時発 兵法にも﹁彼を知り己を知れば百戦あや データハウス 三五〇〇円 リティスキルはぐっと上がる。 を用いるかを学ぶことで、貴方のセキュ うからず﹂とある。攻撃者がどんな手法 作成まで、多岐にわたって紹介。孫子の 売された﹃入門 Python3 ﹄︵三七〇〇円︶ から取り掛かるとよいだろう。 オライリー・ジャパン 三四〇〇円 UI GRAPHICS メタファーを必要としないまでに成熟し 瀬戸美月、齋藤健一著 情報セキュリ ティマネジメント試験は今年四月から実 ス マ ー ト フ ォ ン と ユ ー ザ ー の 関 係 は、 水野勝仁、深津貴之、渡邊恵太他著 めくれていくかのようなエフェクト。ス 施される新試験。システム開発・管理者 基づいてデザインされてきたか、その具 体例をまとめたプラクティス集になって 多かった初期でこそ有効なデザインだっ 向けではなく、ITを利用するすべての ワイプなどの操作に不慣れなユーザーが 情報セキュリティマネジメント 平成二八年度 教科書 ン で 求 め ら れ る よ う に な っ て き て い る。 キュリティに関する知識はあらゆるシー 昨今のサイバー攻撃の増加で、情報セ 三〇〇〇円 個人情報調査の教科書 ビー・エヌ・エヌ新社 ハッカーの学校 著 IPUSIRON 昨 年 一 月 発 行 の ベ ス トセラー﹃ハッカーの学校﹄︵三五〇〇円︶ インプレス 一七八〇円 ので、ぜひ春の試験に向けて勉強したい。 本試験対応書籍が続々と発行されている 題﹄ ︵リックテレコム・一七〇〇円︶など ﹃情報セキュリティマネジメント予想問 のインターフェイス論を提示している。 インの実例を多数紹介しつつ、これから 徹底攻略 いる。昨年末の RubyKaigi 会場では、用 意された百冊が一日で完売した。巻頭に たが、現在はやや冗長なものとなりつつ た。たとえばページ遷移の際のページが は Ruby の開発者として知られるまつも とゆきひろ氏のコメントも寄せられてい ある。その結果として生まれたのが、フ ひとを対象にした実務的な試験だ。 る。 Ruby に携わるひとなら必読の一冊だ。 二七八〇円 技術評論社 ラットデザインだ。本書はフラットデザ 実践 Python3 著 Mark Summerfield 斎藤康毅訳 す ぐ れ た I T 系 書 籍 に 贈 ら れ る Jolt アワード二〇一四年版受賞書籍が邦訳さ れた。デザインパターンの古典的バイブ め の デ ザ イ ン パ タ ー ン ﹄︵S B ク リ エ イ の続編。前著がサーバー侵入を主なテー ル﹃オブジェクト指向による再利用のた ティブ・四八〇〇円︶で紹介されたすべ − 18 − コンピュータ 世界でいちばん素敵な夜空の教室 けの数を網羅した作品集は本書が初めて 世界一夜空がキレイな場所ってどこな るにはうってつけの季節。 星や月の話に、 冬 は 空 気 が 澄 ん で、 星 座 や 夜 空 を 見 ラネタリウム解説員が贈る夜空のお話。 に認定されている、多摩六都科学館のプ 世界一﹁最も先進的なプラネタリウム﹂ た時から、彼の作品の虜になった。 トでヘリタンス・カンダラマを初めて見 だろう。かくいう私も、あるウェブサイ 建築に魅せられた著者の熱意のあらわれ 三三八ページ。このボリュームは、バワ や設計図を交えて解読した。ページ数は を運び、バワの二十五の建築作品を写真 だ。著者は、スリランカに幾度となく足 の か。 各 季 節 の 夜 空 の 見 ど こ ろ、 オ ス れ岩山に沿って建てられたホテルだ。ラ 多摩六都科学館天文チーム監修 スメ絶景スポットなどなど、美しい夜空 キ・セナナヤケ作の動物のオブジェがイ 自 然 科 学 青木 淳著 人気の建築家十組十四人の事務所を訪 の写真とともに、わかりやすく紹介され 天才建築家の 成功するデザインの法則 ね、その仕事術をインタビューした本書。 ている。 ンテリアの所々に現れ、廊下の真ん中に ヘリタンス・カンダラマは、緑に囲ま 作品のアイデアやコンセプトの着想か 一四〇〇円 その他にも、水に浮かぶ回廊が印象的 三才ブックス なブルーウォーター・ホテルや、バワの あるが、複数の建築家を取材し一冊にま 歴史、文化を西洋建築と見事に融合した ス リ ラ ン カ の モ ン ス ー ン 気 候 や 風 土、 岩本弘光著 今、注目の建築家である ジェフリー・バワ。 いた﹁アニミズム・モダン﹂は、スリラ 岩、緑をありのままの姿でデザインに用 自然美への愛着や畏れをもとに水や巨 読みごたえが十分な重さもあるが、思 五〇〇〇円 わず時を忘れて見入ってしまう作品集だ。 彰国社 − 19 − ら、スタッフとの協同作業の様子、営業・ コンペの話まで仕事の一連のプロセスを スリランカの﹁アニミズム・モダン﹂ 解 読 ジ ェ フ リ ー・ バ ワ の 建 築 岩がどんと鎮座する。 リエならではの職場環境作りも参考に 知 る こ と が で き る う え、 建 築 家 の ア ト なる。 とめたものはこれまであまり無かったよ ンカで生まれた彼にしかできない建築で 理想郷といわれるルヌガンガも収録され うに思う。豊富なビジュアルを交えて易 るにふさわしい。彼の手がけたホテル建 バ ワ の 作 品 は、﹁ 熱 帯 建 築 家 ﹂ と 称 さ れ 建築家を一人毎に扱った書籍は数多く しく読めるつくりでありながら、三者三 ている。 様の仕事観を丁寧に取材しており読みご バワに関する書籍のなかでも、これだ ら誕生したといわれる。 ゾートホテルチェーンのアマンはそこか あったように思う。 一八〇〇円 築はアジアンリゾートの原型とされ、リ エクスナレッジ たえのある一冊である。 自然科学 医 学 書 今回は構成が見直され、新しい章が五 れは第四版でも変わらない。 つ追加された、全部で五十五章となって いる。七年の間に集中治療に関して著者 は い い こ と か も し れ な い。〝 最 初 に 手 に 三六〇〇円 する一冊〟として関連分野の専門家によ りわかりやすく書かれた本。 中外医学社 申 東源著 隣国でありながら、おそ らくその医学史となると、今まで知る機 コレラ、朝鮮を襲う の 経験に基づくエビデンスなどが盛り込 会 は 得 難 か っ た で あ ろ う。 か つ て 身体と医学の朝鮮史 に二四六点の図と一九九点の表の追加や、 まれている。各章には、冒頭に名言が書か カラー印刷されていることが理解を深め たコレラに朝鮮の人々がどう対したの ﹁ 虎 列 刺 ﹂ と 名 づ け ら れ、 猛 威 を 振 る っ れており、熟読することによってその意 深澤昭彦著 日本は今や四人に一人が 高 齢 者。 要 看 護 者 の 数 は 急 増 し て い る。 る助けとなるだろう。集中治療を学ぶ者に 体と病気、朝鮮の医療と医学にどのよう 味がわかるようになっている。また、新規 家族に介護が必要になれば、身体的・精 とって指針となる書籍となっており、必 な広くかつ深い大変革があったのか。多 か、そして﹁虎列刺﹂前後で朝鮮人の身 インターナショナル ・ 神的負担が重くのしかかってくる。そし ・ サイエンス て介護者のうつ病・自殺・要看護者への メディカル ず手にとって読んでほしい本である。 が多くあるようで、会社側、従業員側と 法政大学出版局 五八〇〇円 から朝鮮医学史を考察する。 細菌学、薬学などさまざまなエピソード 数 の 興 味 深 い 図 版 と と も に、 感 染 症 学、 一一〇〇〇円 産業医・労働安全衛生担当者のための ストレスチェック制度対策 まるわかり 武神健之、新井孝典、宮崎貴幸、 昨年十二月より従業員数五十人以上の 中山寛之、白井ひろ子著 もにもっと理解が必要に思う。ただ、こ 八〇〇円 事業場に義務化されたこの制度だが、実 稲田英一監訳 二 十 三 年 間 ベ ス ト セ ラーであり続ける名著が七年ぶりに改訂 ころの健康について考える機会があるの 施するにあたってはまだ手探り状態の事 された。初版時から著者が単独で執筆し ICUブック 第4版 一冊。 幻冬舎 護に直面している方々の大きな力になる で介護ストレスの軽減が期待できる。介 自身のメンタルをコントロールすること らうための介護﹂と考えるなど、介護者 る 思 考 法 を 紹 介 す る。﹁ 親 の 人 生 を ね ぎ んできた著者が、介護ストレスに対応す 書では、医療と看護の現場の第一線を歩 虐待など、深刻なケースも出てくる。本 介護ストレスをゼロにする の思考法 10 ているもユニークな点の一つであり、そ − 20 − 医学書 人間的なものを超えた人類学 森は考える 福井県の教育力の秘密 県外から来た教師だからわかった 物が織りなす多様な記号過程である。例 著者が注目するのは森の中の人間と動 お互いに高まろうとする姿。その﹁あた な い。 先 生 方 が 協 力 し 合 い、 支 え 合 い、 たちがやがて知るのは、特別なことでは を維持する福井県。他県からの派遣教員 児童生徒の学力・体力でトップクラス 福井らしさを探る会編著 はどれも生き生きとしており興味深い 人類学の最先端の書。 エドゥアルド・コーン著 共 和 国 か 宗 教 か、 そ れ と も ︵動物図鑑つき︶。これらの記号過程を追 人 文 科 学 十九世紀フランスの光と闇 二〇一五年一月の﹁シャルリ・エブド﹂ という事態である。つまり著者の狙いは、 う こ と で 見 え て く る の は﹁ 森 が 考 え る ﹂ 共有して﹁協働﹂する。本書は福井県が 法や指導のあり方など、意見を出し合い りまえなこと﹂に秘密があると。授業方 宇野重規ほか編著 襲撃事件を受け、フランス世論は一斉に 実現する協働の現場をリポートする。 一五〇〇円 人間だけが思考するという想定を覆すこ 学研教育みらい とである。 二七〇〇円 した。しかしなぜ﹁表現の自由﹂は無限 亜紀書房 ポップスで精神医学 観 か ら 様 々 な 心 模 様 を 読 み 解 い て い く。 イジーケンバンドまで、その歌詞や世界 − 21 − ﹁表現の自由﹂を掲げてテロ行為を非難 に認められ、イスラム教の神を冒涜する ことは許されるのだろうか。本書はフラ 山登敬之他著 パリ職業づくし ︵改定新版︶ ポール・ロレンツ監修 ンス共和制と宗教との複雑な関係を解明 することで、先の疑問に対し重要な示唆 中世から近代のパリに実在した職業であ 著者たちの精神科医という仕事と、それ 大 = 衆音楽をモチーフに精神 疾患を語る本書。天才バカボンからクレ 音楽を愛する人気精神科医たち六人が を与えてくれる。 ポップス 二三〇〇円 る。聞いただけでワクワクするではない ぞれの音楽への愛が伝わってくるような 一八〇〇円 か。図版も交えてパリの市井の人々を活 日本評論社 一冊。 三〇〇〇円 写し、我々の文化の礎となった中世の試 論創社 行錯誤の過程を愉しく描き出す。 ロ師﹂﹁洗濯船の女親分﹂これらすべて、 F.クライン ル = ブール著 ﹁ 左 官 修 道 士 ﹂﹁ 透 視 画 師 ﹂﹁ ツ ケ ボ ク 白水社 人文科学 文学・文芸 てもディストピア小説だ。 会を描いたこの物語は、どこからどう見 づけられた社会、つまり嘘をつけない社 れてしまう首輪を身に着けることが義務 だ。けれども嘘をついたことが他人にば いけない﹂と教えられて育ってきたはず く要素なんか何もないようにさえ思え 手による虐待。Zがまっすぐに生きてい さらに学校でのいじめや、母親の再婚相 る 激 し い 憎 悪 を ぶ つ け て く る 者 も あ る。 崇める者もあれば、イスラム教徒に対す る。暗殺事件をもって父親をヒーローと 人公に、近未来の管理社会を生きる人々 る大人にはならなかった。いま彼は、多 緑と赤 の姿を、細かい設定や連作風の凝った構 る、悲惨な少年時代が本人の言葉によっ 深澤 潮著 在日社会や韓国と関わることなく育っ 成とともにつづり切実なラストへと導 非合法な首輪除去技術を持つ少年を主 て き た 在 日 韓 国 人 の 知 英、 そ の 友 人 で なる、ということはなかった﹂ といって僕が自分の道を見つけられなく ﹁ 父 は 道 を 見 失 っ て し ま っ た。 だ か ら でも、Zは人を殺したり傷つけたりす て語られる。 K︱POP好きの梓、新大久保のカフェ くの人々に語りかける。 一七〇〇円 く、なかなかに読ませる作品だった。 テロリストの息子 早川書房 で働く韓国人留学生ジュンミン、ヘイト スピーチに対するカウンターを続ける良 美、日本に帰化しているが今は韓国で学 ぶ龍平。章ごとに視点を変えながら、ヘ い。そんな絶望感がわき上がることがあ テロの連鎖はこのまま止まらないかも る。 け れ ど、 テ ロ 事 件 が 起 こ る た び に、 しれない。次は日本だってありえなくな 著者ザック︵以下Z︶はアメリカのイ 被害者と加害者、そしてたくさんのZの ザック・エブラヒム+ スラム教徒の家庭に生まれた。Zがまだ 家族が増えていくのだと思うと、絶対に イトスピーチなど日本人と韓国人と在日 子どもの時、実の父親がテロ事件を起こ ジェフ・ジャイルズ著 声高に正義を語るようなことはない してしまう。一度目はユダヤ系活動家の Zの言葉や生き様は決して奇跡なんか これはどこかで止めないといけないのだ。 韓国人の間に存在する問題に関わり、悩 が、自分は何をできるのか何をすべきで 暗殺。そして二度目は一九九三年の﹁ワー み揺れる姿が描かれる。 ないのかというようなことを考えさせら ル ド ト レ ー ド セ ン タ ー 爆 破 事 件 ﹂。 父 親 一七〇〇円 一二〇〇円 じゃなく、差別や憎悪、報復の連鎖を断 んだと思った。 ち切るために必要なことを体現している Zとその一家は、父親の非道な行いに 朝日出版社 はこの裁判により終身刑プラス十五年と よってもみくちゃの人生を歩むこととな いう判決を受けて収監されている。 れる物語だ。 実業之日本社 うそつき、うそつき 清水杜氏彦著 みんな子どもの頃には﹁嘘をつくのは − 22 − 文学 ・ 文芸 文庫・新書 一九九八年に日本一になるものの、そ のシリーズを知ったという方も、ぜひ読 作からのファンの方も、今回はじめてこ ず、前作以上の面白さになっている。前 んでみていただきたい。 の後なぜあんなに弱くなったのか。当事 そして二〇一二年、親会社がDe NA 八四〇円 者たちの声は生々しい。 祥伝社ノン・ノベル し て い る。 も う﹁ 弱 い チ ー ム の フ ァ ン ﹂ 森と山と川でたどる ドイツ史 になり、このチームは確実に変わろうと 4522敗の記憶 なんて自虐を言わなくてもよくなるだ 何だろうか。﹁ビール﹂﹁ソーセージ﹂﹁サッ ドイツと聞いて、思い浮かべることは 池上俊一著 カー﹂﹁音楽﹂﹁環境大国﹂など、そのイ 村田修一選手へのインタビューと、その 単 行 本 刊 行 時 に は 収 め ら れ な か っ た、 ろう。 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史 村瀬秀信著 弱いスポーツチームを応援するという のは、どういうことか。 七五九円 と考えた著者であるが、食べ物ではドイ 著作があり、当初は食べ物で統一しよう ア 史 ﹄﹃ お 菓 子 で た ど る フ ラ ン ス 史 ﹄ の 同シリーズで﹃パスタでたどるイタリ メージは様々である。 後の二三四敗についても追記されている。 双葉文庫 陽気なギャングは 三つ数えろ ツ史の一部しか語れない、ドイツを語る 伊坂幸太郎著 嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達 とき重要なのは、森や山や川といった﹁自 自 然 は 生 き る 糧 や 富 の 源 を も た ら し、 人、精確な体内時計を持つ女。そんな四 ギャングの一味の天才スリ・久遠が雑 ドイツの人々が歴史的にどのように自 伝説や思想をドイツにもたらしてきた。 然﹂であるということにたどりついた。 誌記者の火尻と関わったことから四人は 然 と 関 わ り、 影 響 を 受 け て き た の か を、 人の強盗たちが活躍する﹁陽気なギャン いつか強くなると信じて応援する気持 ど ん ど ん ト ラ ブ ル に 巻 き 込 ま れ て い く。 グ﹂シリーズの九年ぶりの三作目。 ち。それを突き詰めるとこの本になる。 九年ぶりの新作で、強盗たちも前作から − 23 − そりゃ応援するんだから、勝つほうが いい。でも観戦しに行っても、勝ち試合 を見たことがほぼない。 もしかして私が応援しているから勝て まさか、そんな。 ないんじゃないのか? では、なぜ、自分の愛するチームは勝 てないのか。 応援しながらも、もやもやするこの気 スポーツライターでもあり、小学生の 持 ち。 弱 い 贔 屓 チ ー ム を 見 捨 て ら れ ず、 ころからホエールズ、ベイスターズを応 八八〇円 古代から近現代まで丁寧にたどる。 岩波ジュニア新書 九年経っているが、キャラクターたちの テンポのいい会話や物語の展開は変わら 援 し 続 け て い る 著 者 は、 関 係 者 を 訪 ね、 証言を集める。 文庫・新書 芸 術 ミュージカル俳優という仕事 井上芳雄著 数々のミュージカルで主役を演じてき た井上芳雄。その名前は演劇ファン以外 にもよく知られている。 小学生の時に劇団四季のキャッツを観 ヘンタイ美術館 山田五郎・こやま淳子著 誰もが知る有名な画家、作品をその﹁ヘ 血を吐くような思いをしても決してそ 役者人生だが、そこには挫折もあった。 れ、順風満帆に歩んできたように見える ﹁ミュージカル界のプリンス﹂と呼ば 主役の座を射止めた。 は異例ともいえる大学在学中の二十歳で を夢見てきた少年は、ミュージカル界で ら、 その﹁ヘンタイ﹂な部分を比較しつつ、 ぞれの時代の同時代の画家を紹介しなが ン派、写実主義、印象派で活躍した、それ ルネサンス、バロック、新古典派、ロマ 会話形式をとりながら話が進んでいく。 のこやま淳子さんが務め、このお二人の 郎さん、学芸員見習いをコピーライター 架空の美術館の館長を評論家の山田五 ンタイ﹂性と共に紹介する本書。 の試練に背を向けることがない。舞台に あ の 有 名 な 絵 画 は そ ん な﹁ ヘ ン タ イ ﹂ 時代背景も説明しながら読み解いていく。 て以来、ミュージカルの舞台に立つこと 立ち続けるということがいかに大変なこ 一五〇〇円 迫りながら美術史を楽しく学べる一冊で な部分からできていたのか、と人物像に とか、また情熱を持ち続けることの大切 一六○○円 さを、本書を読んで彼から学んだ。 日経BP社 ある。 ダイヤモンド社 台湾書籍設計最前線 T5 装丁に惹かれて本を買ってしまった経 東京藝術大学美術学部編 本書は、台湾で活躍する五名のデザイ 験はないだろうか。 ナーに焦点をあて、台湾のブックデザイ 独特の感性と強いこだわりによってデ ンの最前線に迫った書籍である。 ザインされた書籍。日本で発行された書 籍が、台湾版として装丁されたものも紹 介されており、日本版とはまた違った趣 があってこちらも素敵な仕上がりとなっ ている。 一冊の本にみせる強いこだわり。是非 二五〇〇円 実物も見てみたいものである。 東京藝術大学出版会 − 24 − 芸術 実 用 書 地図・旅行書 片づけが楽しくなる 子どもの成長に合わせ、年齢別の整理法 写真を楽しむもよし、文章を愉しむも 一八〇〇円 またよし。一冊で二倍楽しめる。 KADOKAWA 美しき日本の花のおもてなし こ こ 一 年 ほ ど、﹁ 子 ど も が い て も 家 を 世界遺産ならぬ、奇妙奇天烈なモニュメ そ れ は﹃ 奇 界 遺 産 ﹄︵ エ ク ス ナ レ ッ ジ ︶。 えない本ってありませんか。私にとって ほしいほしいと思いつつ、なかなか買 でないことに気づかず、いけばなとフラ た。掲載写真のあまりの美しさに、生花 イストのアレンジ本が発売の運びとなっ な洋風が定番。その中で、ついに和風テ ザーブドフラワーといえば、ゴージャス ア ー テ ィ フ ィ シ ャ ル フ ラ ワ ー、 プ リ 今野政代著 きれいに保つ方法﹂について書かれた本 ントばかりを集めた面白い写真集なのだ ワーアレンジメント、どちらの棚に配架 一四〇〇円 が載っているのもうれしい。児童書出版 社の面目躍如たる一冊。 金の星社 奇界紀行 が次々に刊行されている。どの本もそれ しようか迷ったと言えば、美しさの一端 佐藤健寿著 ぞ れ 説 得 力 が あ り、﹁ 本 当 に こ ん な ふ う が、ちょっとお高い。税込みで四一〇四 無印良品でつくる子ども空間 に 片 づ い た 部 屋 で 暮 ら せ た ら ﹂﹁ こ の 方 円、しかも①と②があるのだ。 本 書。 本 業 が フ ォ ト グ ラ フ ァ ー だ か ら、 その著者が新たに刊行した紀行文集が 識を改めさせられた。 よりは断然生花と思っていたが、その認 をお伝えできるだろうか。これまで造花 と具体的に伝える。また、子どもの視野 語り口の美しさ。こういう奇妙なものに 縦横無尽。そして何より驚かされたのが、 ドから、チェルノブイリ、イタリアへと − 25 − 吉川圭子監修 法なら私にもできるかも ! ﹂と思わせ もちろん写真多数。モノクロ写真なのだ る内容だが、本書はこれまでの本とは一 そ れ は、﹁ 子 ど も に は ど う 見 え て い る が、カラーだったらよかったのに、と全 味違う点がある。 か﹂という視点が盛り込まれていること も、台湾、アフリカ、日原鍾乳洞、イン く思わせないのはさすがである。行き先 は大人の六割ほどで、すぐ横におもちゃ 惹かれるようになったのは、そもそも渋 一八〇〇円 だ。例えば、ただ﹁片づけなさい﹂と叱 が出ていても見えていないことが多いの 六耀社 る の で は な く、﹁ こ の 箱 に し ま お う ね ﹂ で、部屋の隅に立たせて全体を見渡すよ に深く頷かされる。 澤龍彦との出会いからかも、という回想 イ ラ し な い で 済 む 知 恵 が 盛 り だ く さ ん。 うにする、などなど、親も子どももイラ 実用書/地図・旅行書 語学・辞典 できる。 にある文化や社会、ものの考え方を理解 一八〇〇〇円 る方や、英語学習が単調な暗記になって 柊風舎 シルクロードを旅するウイグル語 現在ウイグル語は、新疆ウイグル自治 三八〇〇円 しまい学習のモチベーションが下がって しまった方にもお勧めだ。 丸善出版 区を中心に二千万人近いウイグル人が使 アディラ・スマイ、片岡露満著 英単語由来大辞典 用しているとも言われている。文字はア オックスフォード 亀田尚己、青柳由紀江、 グリニス・チャントレル編 日英ことばの文化事典 J. M.クリスチャンセン著 澤田治美監訳 本 書 は 何 千 も の 英 語 の 基 礎 語︵ 語 源 ︶ を用いて、右から左へ綴る。語順は日本 ラビア文字を改良した現代ウイグル文字 英語の勉強で得られることは、言葉を 語とほぼ一致し、日本人には比較的解り 操れるようになるだけではない。ある言 の由来と、その意味発達について紹介し れており、よく知られた成句もそれがい 相互関係が明瞭なものは成句として示さ ﹁ 中 英 語 ﹂ 等 ︶ が 示 し て あ る。 語 と 語 の 判明している初期の時期︵十七世紀半ば・ は tongue ﹁舌﹂だったことなど。 また、それぞれの単語について、現在 間見ることもできる。旅行時に注意すべ 写真や料理などで、ウイグルの魅力を垣 物としても楽しめる。色鮮やかな織物の 地、伝統文化にも多く触れており、読み ウイグルの人たちの生活の様子や観光 に 使 え る。 ま た、 旅 行 会 話 だ け で な く、 そうな場面での表現が多く、現地ですぐ る漢語で示されている。滞在時に遭遇し 回しを紹介することで、英語と日本語に つ、どのようにして使われはじめたのか きことなども多数あり、ウイグル語圏に 表現が、ウイグル語と中国の公用語であ 本書では、旅行で役に立つウイグル語 やすい言語だろう。 た辞典である。 例えば、古代ローマの兵士の心の中で 葉 に は そ の 話 者 の 文 化 が 含 ま れ て お り、 もその文化に触れることができる。また 言葉を勉強することで現地に行かなくと 無意識に使っている母語の文化を意識で は ﹁給料﹂は ﹁塩﹂とつながっ salary salt て い た こ と、 language ﹁言語﹂の原義 含まれている文化を分かりやすく説明し が示されているので、著者曰く﹁生き生 きるようになる。本書は、ことばの意味 ている。 きとした姿﹂がわかる。このように私た や諺を日英で比較したり英語独特の言い る。 ﹁青葉﹂は英語では﹁ green leaves ﹂だ。 こういうことを知ることで無意識に含ま 旅行の際には役立つ一冊。 例えば﹁青﹂ということばには﹁ blue ﹂ ﹂の意味も含んでい だ け で な く﹁ green れていることばの文化を知ることにな ちの言葉の背後には歴史があり、単語の 二四〇〇円 る。手軽に英語学習の面白さに触れられ 由来を知ることによってその言語の背後 露満堂 るので、英語学習のきっかけを探してい − 26 − 語学・辞典 あーそーぼ 児 童 書 町の人々のさかさまへのこだわりと理屈 ら冒険の旅に出ます。世界一周の旅から ダーウィン。ある日届いた一通の手紙か われたものの、そこから外れてしまった 究を重ね、新たな進化論をうちたてます。 戻ったダーウィンは、長年じっくりと研 に思わず感心してしまうような、風変わ 一四〇〇円 りでゆかいな物語です。 岩波書店 ダーウィンの人となりがよく描かれてい ﹁世界の伝記 科学のパイオニアシリー ズ﹂の一冊で、ダーウィンの研究の苦悩や ケイティ・ビービ文 ユーゴ修道士と 本を愛しすぎたクマ ﹁ あ ー そ ー ぼ ﹂ と﹁ あ ー と ー で ﹂ の 掛 やぎゅうまちこ作 ます。 玉川大学出版局 と 言 わ れ て も、﹁ い い な いいな いっ しょにまぜて﹂と一緒に用事をすませて で本を借りに出かけます。本の味を覚え め、グランド・シャルトル︱ズ修道院ま たユーゴ修道士は新たな写本を作るた もこどもたちに愛され続けている﹃エル ルース・S・ガネット、前沢明枝著 ﹁エルマーのぼうけん﹂を かいた女性 一九〇〇円 S・D・シンドラー絵 千葉茂樹訳 大切な写本をクマに食べられてしまっ しまうのですが、その様子がとっても楽 たクマの影に怯えながら一心不乱に書き マーのぼうけん﹄ 。生みの親であるルース・ − 27 − け合いが繰り返されます。﹁あーとーで﹂ しそう。まるでもう遊んでいるみたいで 写すユーゴ修道士にひしひしと迫るクマ きな少女で、両親の影響からいつも社会 へ関心を持ち、自分で考え行動をしなが S・ガネットは、幼い頃からお話が大好 ら道を切り拓いてきました。九十代になっ じさせる装丁など細部にいたるまでとて 世の写本の作り方も分かりやすく知るこ ても元気でユーモアがあり、山あり谷あ ネット。インタビューのやりとりからは、 りの人生の全てを大切にして生きるガ やさしさと正義感で溢れる主人公エル 一五〇〇円 ダーウィンと進化論 光村教育図書 とができます。 も凝ったつくりになっており、同時に中 一九四八年アメリカで刊行され、今で す。わらべうたをもとにして生まれた言 の気配。表紙からおはなしの始まりを感 九〇〇円 葉の掛け合いが心地よい一冊。 福音館書店 さかさ町 F・エマーソン・アンドリュース作 ルイス・スロボドキン絵 小宮 由訳 おじいちゃんの元へ向かうリッキーと 途中の駅で臨時停車することになりまし バーナード・ストーンハウス著 アンの兄妹を乗せた汽車は故障のために た。後ろ向きで駅に入る汽車、さかさに 二〇〇〇円 マーの姿と重なる部分が見え隠れします。 福音館書店 菊池由美訳 父親に﹁牧師になる準備をしろ﹂と言 つるされた看板。ここはあらゆる事がさ かさまの、さかさまが大好きな町でした。 児童書 ﹃文学の空気のあるところ﹄ 関 博之 と め た も の で、 読 み ご た え が あ っ た。 文 学 作 品 と ゆ か 書名どおりにこの本は文学的空気が濃くあふれてい 文学をめぐる話を読んで、こんなに面白いと思った本 る。著者はあとがきで﹁講演では﹁会場へ来た方たちが、 り の あ る 日 本 全 国 の 土 地 を 散 歩 す る の で、 読 ん で い る の 本 棚、 文 学 散 歩、 詩 と 印 刷 と 青 春 な ど 七 編 で あ る。 少しでもみちたりた気分になるようにとの思いで話し と作品を読みたくなったり旅に出たくなったりした。 な じ み の う す い 文 学 者 の 名 前 を 見 た だ け で、 こ れ は つ ている。﹂と書かれているが、その気持はこの本を読ん は 初 め て だ。 著 者 の 講 演 集 で、 テ ー マ は、 高 見 順、 山 ま ら な そ う だ、 む ず か し そ う だ と 思 う か も 知 れ な い。 之 口 獏、 結 城 信 一、 石 上 玄 一 郎 な ど の 作 家 詩 人 と 昭 和 話 は 逆 で、 著 者 は 徹 底 的 に 調 べ、 深 く 思 索 し、 そ の 上 でいても十分に伝ってくる。 治著・二〇〇〇円︶ * ﹃ 文 学 の 空 気 の あ る と こ ろ ﹄︵ 中 央 公 論 新 社・ 荒 川 洋 ︵八十歳・無職︶ で ユ ー モ ラ ス な 話 術 で 話 す の で、 聴 衆︵ 読 者 ︶ は 身 を 乗り出して耳を傾けること請け合いだ。 文学散歩の話で、田山花袋著﹃田舎教師﹄に出てくる 三十八の地名︵字︶は、二、三をのぞいて現存するという。 郵 便 番 号 簿 な ど で 調 べ た ら し い が、 今 ど き そ ん な こ と を 調 べ る 暇 人 は い ま せ ん よ ね。 高 見 順 著﹃ 昭 和 文 学 盛 文学散歩の話は休憩を入れて二時間二十分の講演をま 衰史﹄には、九五四人の作家が登場するという。 − 28 − の 状 況 な ど、 著 者 が 取 材 さ れ た だ け の こ と が あ り、 臨 土 砂 崩 れ の 前 触 れ と な っ た 大 雨 か ら、 土 砂 崩 れ の あ と に 題 材 を と っ た ス ト ー リ ー が、 後 半 展 開 さ れ る。 そ の さ て、 今 回 の 著 作 で は、 先 に 広 島 県 で 起 き た 土 砂 崩 れ ら の ス ト ー リ ー で あ る、﹁ 中 年 三 人 組 ﹂ も 読 ん で き た。 の シ リ ー ズ の フ ァ ン で、 主 人 公 達 が 四 十 歳 を 越 え て か 那須正幹氏の﹁ズッコケ﹂シリーズの最終巻。私はこ ﹁続編﹂と言ってもよい物語が展開されたこともあった。 に は、 過 去 五 十 巻 で 完 結 し た 子 供 向 け の ス ト ー リ ー の 力が不可欠であると思われる。この他、 ﹁中年シリーズ﹂ に は、 著 者 の 粘 り 強 い 取 材 姿 勢 と、 取 材 さ れ る 側 の 協 戦 う ス ト ー リ ー が、 こ の 巻 で は 展 開 さ れ て い た。 こ れ る と い う 人 は 稀 で あ る。 こ の、 立 候 補 し て、 選 挙 戦 を り 行 か な か っ た り す る も の の、 さ て、 自 ら が 立 候 補 す に と り、 選 挙 ほ ど 縁 遠 い も の は な い。 選 挙 に は 行 っ た 野瀬 貴久 場感がある。さて、私たちは、どのような事件であれ、 こ の と き に は、 当 時 中 学 生 だ っ た 長 男 も、 そ の 内 容 に ﹃ズッコケ熟年三人組﹄ 事 件 で も、 災 害 で も、 自 ら が 当 事 者 で な け れ ば、 そ の 興味を持ち、自らその本を手に取っていた。 て お し ま い と い う。 せ っ か く ハ チ ベ エ を は じ め と す る さて那須氏による﹁ズッコケ﹂シリーズもこれをもっ よ う な 事 柄 が あ っ た こ と は 知 っ て い て も、 そ の ま ま 忘 砂崩れの前後の状況を見せられたお陰で、﹁これは、覚 友 人 が で き た と こ ろ な の に、 お 別 れ と い う の は 何 と も れ て し ま う。 し か し、 こ の 本 の 中 で、 い く ら か で も 土 えておかなければ﹂と、再び自分自身の﹁防災﹂のスイッ 一二〇〇円︶ *﹃ ズ ッ コ ケ 熟 年 三 人 組 ﹄︵ ポ プ ラ 社・ 那 須 正 幹 著・ ︵五十一歳・会社員︶ 忍び難い。再び那須氏の新作が読みたいと思う。 さて、これまでの﹁ズッコケ中年﹂シリ︱ズでは、主 チが入った。 人公のハチベエが請われて市会議員に立候補する巻が あ っ た が、 こ れ も よ く で き て い た。 一 体、 著 者 は ど の ように取材されるのであろうか? ところで、大方の人 − 29 − A A TT II O ON N 丸善 名古屋セントラルパーク店 丸善 関西国際空港店 ジュンク堂書店 MARUZEN 高 槻 店 広 島 店 ☎(052)971 1231 ☎(072)456 6486 ☎(072)686 5300 ☎(082)504 6210 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ロフト名古屋店 〔営業時間〕7時∼ 21時半 〔営業時間〕10時∼ 22時 丸善 ジュンク堂書店 八尾アリオ店 〔営業時間〕10時∼ 22時 ジュンク堂書店 三 宮 店 広島駅前店 ☎(052)249 5592 ☎(072)990 0291 ☎(078)392 1001 ☎(082)568 3000 〔営業時間〕10時半∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 名古屋店 丸善 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 高島屋大阪店 西 宮 店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 高 松 店 ☎(052)589 6321 ☎(06)6630 6465 ☎(0798)68 6300 ☎(087)832 0170 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 MARUZEN ジュンク堂書店 岐 阜 店 大阪本店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 神戸住吉店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 松 山 店 ☎(058)297 7008 ☎(06)4799 1090 ☎(078)854 5551 ☎(089)915 0075 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 MARUZEN 四日市店 難 波 店 芦 屋 店 博 多 店 ☎(059)359 2340 ☎(06)4396 4771 ☎(0797)31 7440 ☎(092)413 5401 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 滋賀草津店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 千日前店 三宮駅前店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 福 岡 店 ☎(077)569 5553 ☎(06)6635 5330 ☎(078)252 0777 ☎(092)738 3322 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN ジュンク堂書店 京都本店 天満橋店 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 姫 路 店 大 分 店 ☎(075)253 1599 ☎(06)6920 3730 ☎(079)221 8280 ☎(097)536 8181 〔営業時間〕11時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 京 都 店 上本町店 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 MARUZEN 舞 子 店 天文館店 ☎(075)252 0101 ☎(06)6771 1005 ☎(078)787 1250 ☎(099)239 1221 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 奈 良 店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 梅田ヒルトンプラザ店 神戸さんちか店 〔営業時間〕10時∼ 20時半 ジュンク堂書店 鹿児島店 ☎(0742)30 1021 ☎(06)6343 8444 ☎(078)335 2877 ☎(099)216 8838 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN &ジュンク堂書店 梅 田 店 〔営業時間〕11時∼ 22時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 20時 丸善 近鉄あべのハルカス店 岡山シンフォニービル店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 那 覇 店 ☎(06)6292 7383 ☎(06)6626 2151 ☎(086)233 4640 ☎(098)860 7175 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 20時 − 30 − 〔営業時間〕10時∼ 22時 II N N FF O O RR M M MARUZEN &ジュンク堂書店 札 幌 店 丸善 丸善 水戸京成店 ジュンク堂書店 日本橋店 大泉学園店 ☎(011)223 1911 ☎(029)302 5071 ☎(03)6214 2001 ☎(03)5947 3955 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕9時半∼ 20時半 〔営業時間〕10時∼ 22時 札幌北一条店 丸善 丸善 MARUZEN ラゾーナ川崎店 お茶の水店 丸広百貨店飯能店 ☎(011)232 0222 ☎(042)973 1111 ☎(03)3295 5581 ☎(044)520 1869 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 19時 ジュンク堂書店 月∼金10時∼ 20時半 土10時∼ 20時 日・祝10時∼ 19時 ジュンク堂書店 旭 川 店 大宮髙島屋店 MARUZEN ☎(0166)26 1120 ☎(048)640 3111 多摩センター店 〔営業時間〕10時∼ 19時半 〔営業時間〕10時∼ 21時 ☎(042)355 3220 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時半∼ 21時 丸善 弘前中三店 桶 川 店 丸善 ☎(0172)34 3131 ☎(048)789 0011 〔営業時間〕午前10時∼ 午後7時 ジュンク堂書店 ☎(03)5530 5701 〔営業時間〕10時∼ 19時半 丸善 津田沼店 盛 岡 店 ☎(019)601 6161 〔営業時間〕10時∼ 21時 メトロ・エム後楽園店 ☎(03)5684 5130 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 丸善 丸善 仙台アエル店 舞浜イクスピアリ店 〔営業時間〕10時∼ 21時 日・祝10時∼ 20時 土・日・祝10時∼ 21時 新宿京王店 〔営業時間〕10時 ∼ 20時 池袋本店 松戸伊勢丹店 仙台 TR 店 ☎(03)5956 6111 ☎(022)265 5656 ☎(047)308 5111 〔営業時間〕 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 新 潟 店 ☎(025)374 4411 ジュンク堂書店 岡島甲府店 ☎(055)231 0606 MARUZEN 松 本 店 ☎(0263)31 8171 MARUZEN &ジュンク堂書店 新静岡店 ☎(054)275 2777 丸善 ジュンク堂書店 渋 谷 店 秋 田 店 ジュンク堂書店 月∼土10時∼ 23時 〔営業時間〕10時∼ 21時 日・祝10時∼ 22時 MARUZEN &ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 藤 沢 店 ☎(0466)52 1211 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 19時 丸善 ☎(022)264 0151 ☎(047)305 5808 ☎(03)5321 4685 〔営業時間〕11時∼ 21時、 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 21時 丸善 ☎(047)470 8311 横浜ポルタ店 ☎(045)453 6811 〔営業時間〕10時∼ 21時 有明ワンザ店 〔営業時間〕10時∼ 21時 丸善 プレスセンター店 名古屋本店 ☎(018)884 1370 ☎(03)5456 2111 ☎(03)3502 2600 ☎(052)238 0320 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 丸善 ジュンク堂書店 郡 山 店 丸の内本店 吉祥寺店 1月22日 OPEN ! ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 名古屋栄店 ☎(024)927 0440 ☎(03)5288 8881 ☎(0422)28 5333 ☎(052)212 5360 〔営業時間〕10時∼ 19時 〔営業時間〕9時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 営業時間は変更する場合がございます。ご了承ください。 定休日については、お手数をおかけしますが弊社 HP または直接各店までお問い合わせ下さい。 − 31 − 〔営業時間〕10時∼ 20時 五九五六 六一〇〇 丸善ジュンク堂書店特急便係 東京都豊島区南池袋二 一五 五 〇三 http://www.junkudo.co.jp/ い つ も﹁ 書 標 ﹂ を ご 愛 読 い た だ き ま し て 以下の通りです。 ありがとうございます。本誌定期購読料は 本にまつわるエッセイ、など本に関するもの。最近読んでおも ☆読者の皆様の投稿を募集しています。最近読まれた本の感想文、 定期購読料 年間一二三〇円︵送料込︶ 現金書留もしくは八十二円切手十五枚で │ お申し込み先 しろかった本、感動した本、考えさせられた本を教えて下さい。 四〇〇字∼六〇〇字程度で、おすすめの本のタイトル、出版社、 │ 五九五六 六一二〇 〇三 │ 掲載分には二千円の図書カードを差し上げます。なお、原稿はお 〒 1710022 住所、氏名、年齢、職業を明記の上、お送り下さい。 六一一一 │ 返しいたしませんのでご了承下さい。 東京都豊島区南池袋二 一五 五 五九五六 FAX TEL ☆尚、本誌掲載と同時に、ホームページにも掲載させていただきます。 〒 〇三 丸善ジュンク堂書店﹁書標﹂編集室係 │ TEL │ │ 編集後記 QR コード 中は小春日和のような日差し が続いていたが、急に大寒波 到来で、わが家にはお約束の インフルエンザもやってき た。今年の恵方巻は細巻きに なりそうだ。 ︵緒︶ − 32 − │ │ │ 今年は暖冬だといわれ、日 PC ・スマートフォンから ᛩ Ⓜ 㓸 1710022 と勉強を繰り返しています。 工書の深淵は見えません。ひたすら失敗 幅広く奥深いこのジャンル、まだまだ理 規模店ゆえに限られた仕事しかやってこ 足取りレジ業務を教えてもらいつつ、大 だったりします。学生の皆さんに手取り 気や仕事の進め方も、三宮店と姫路店で ジュンク堂だけ。競合に勝つ必要がある がある神戸と違い、姫路の大規模書店は 期待度でしょう。あちこちに大きな書店 姫路店にて は 随 分 と 違 い ま す。 こ の 半 年 間 は 担 当 しかし何より違うのは、お客様からの 入社以来五年間にわたって勤めた神戸 ジャンルの変更とともに、そうした違い なかった自分の未熟を痛感しています。 の三宮店を離れ、昨年の七月から姫路店 さて、同じジュンク堂書店とはいえど に 異 動 と な り ま し た。 そ れ に 合 わ せ て、 三宮ももちろん厳しい環境ですが、姫路 も、ところ変われば何とやら、店の雰囲 担当するジャンルも芸術書から、理工書・ にも四苦八苦していました。 に悪戦苦闘しつつ、気づけばあっという まるで新人時代に戻ったかのような状況 き た 商 品 知 識 が ま る で 役 に 立 ち ま せ ん。 社も多く、これまで芸術書担当で培って に工学書や医学書などはそれ専門の出版 の羅列はまるで異界の言語のごとし。特 にとって、自然科学の棚に並ぶ専門用語 学生時代から文系一筋で生きてきた身 務を分担していた三宮店時代には未経験 レジの基礎仕事ですら、各階のレジで業 いる図書カード販売や検定受付といった ころか、アルバイトさんが普通に行って は分担していかねばなりません。それど 類管理などの様々な事務仕事を、姫路で タッフがこなしてくれていた、経理や書 る仕事量は増えます。三宮では専門のス 人員が少ない分、一人一人の店員にかか ど。だけど仕事量は半分ではありません。 姫路店の規模は大体三宮店の半分ほ ます。いい町です、姫路。 風景を見て、何とか明日もやれると思え すぐ目に入る純白の姫路城。その雄大な い ま す が、 仕 事 が 終 わ っ て 店 を 出 る と、 路のお客様に鍛えられる日々です。 がら、必ずご期待に添えられるよう、姫 らない、というプレッシャーに晒されな その分絶対に満足してもらわなければな で は お 客 様 に 他 の 選 択 肢 が あ り ま せ ん。 医学書・PC書へと変更に。 間に半年が経過しておりました。だいぶ 653- 1600013 0008 ︵小︶ そんなこんなで毎日へとへとに疲れて 商品も頭に入ってきましたが、とにかく 二〇一六年二月五日発行 ﹁書 標 第 号 ほんのしるべ﹂ 頒価五十円︵本体四十六円︶ 編集・発行人 工 藤 恭 孝 発 行 所 ㈱丸善ジュンク堂書店 〒 東京都新宿区三栄町二十九 ニューフィールドビルディング 印 刷 所 ㈱七 旺 社 〒 神戸市長田区一番町二丁目一 447
© Copyright 2026 Paperzz