文書1 - 日本建築検査研究所

直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
1
工事写真
表層地盤改良
本件建物の設計地耐力は4.0t/㎡。建物基礎工事に当り、地盤の表層改良工事が施
工されているが、表層地盤改良工事を選択した根拠となる地盤調査の内容が不明であ
る。また、表層地盤改良工事の計画厚さはG.L-1750mm(捨てコンクリート-
1.0m)であるが、工事中の記録映像からは改良厚さ不足が推察される状態である。
固化材の撹拌状況
NO
場所
部位
平成21年2月27日
2
建物南側
外壁面
建物内部の床水平精度、並びに壁の垂直精度の測定では、いずれも南側に向う傾斜が確
認出来る。また、外壁面の垂直精度も南側に≒7/4000の傾きがあり、建物不同沈
下である事が推察される。
下げ振りによる外壁面の垂直精度を測定
同上、≒7/4000
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
3
2階東側洋室
北東角外壁面
2階東側洋室、北東角外壁面の垂直精度の測定。南側へ≒4/1000mmの傾斜が確
認出来る。
外壁面室内側の垂直精度を測定
同上、南側へ≒4/1000mmの傾斜が
確認出来る
NO
場所
部位
平成21年2月27日
4
2階西側洋室
南西角外壁面
直
2階西側洋室、南西角外壁面の垂直精度も同様に、南側へ≒4/1000mmの傾斜が
確認出来る。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
5
工事中写真
ベースパック
鉄骨柱の柱脚固定に使用されたベースパックのアンカーボルトは、基礎梁天端からグラ
ウト厚さ30mm+ベースプレート厚さ36mm+注入座金+二重ナット52mm+ね
じ山の余長を見込んだ165mmで設計されている。
165mm
基礎梁天端
NO
場所
部位
平成21年2月27日
6
工事中写真
ベースパック
直
工事中の記録映像では、コンクリート柱型を基礎梁よりも高く打設している事が確認出
来る。ベースパックのアンカーボルトは、上記の通り、詳細な設計に基づき製作されて
いる為、基礎梁よりも高くコンクリートを打設すれば、当然アンカーボルト長さが不足
する。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
7
工事中写真
柱脚部
工事中の映像記録より、ベースパックのアンカーボルト長さは不足し、グラウト材(t
30)が注入されていない事が確認出来る。また、二重ナットのボルトの余長も不足で
ある。ベースパックは、ベースプレートと基礎コンクリートとをベースパックグラウト
(高強度無収縮モルタル)により密着・固定する工法である。グラウト材の欠落は、大
臣認定された柱脚部保有耐力接合の強度欠損であり、抜本的な改善が必要である。
ボルトの余長(ねじ山3山以
上)が不足している
未使用のまま現場に積上げられたベース
パック専用グラウト材
グラウト厚さ(t30)が確保出来るス
ペースが無く、グラウト材が注入されてい
ない
NO
場所
部位
平成21年2月27日
8
床下
柱脚部
床下の柱脚部根巻きコンクリートは平成19年1月12日の土間コンクリートと同時に
打設されており、ベースパックグラウトが使用されていない事が明らかである。
1,A通りの柱脚部根巻きコンクリートは
側基礎の立上りと同時に打設されている
(側基礎立上り打設日:平成18年12月
25~27日)
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
9
床下
柱脚部(2,B通り)
本件建物は防火地域内に建設された3階建て住宅であり、建築基準法第61条の規定に
より耐火建築物としなければならないが、床下の柱脚部は耐火被覆の施工が無く、鉄骨
柱が露出しており耐火構造違反に該当する。
2,B通り柱脚部
1,B通り柱脚部
NO
場所
部位
平成21年2月27日
10
1階浴室天井内
梁耐火被覆
空調配管敷設部も耐火被覆が欠損している
直
柱や梁等の主要構造部の耐火被覆は、1階床組みや軽天野縁組みの後に施工されている
事が確認出来る。現状、梁フランジの下端面は、野縁受材により耐火被覆が欠損してお
り、改善が必要である。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
11
1階天井内
階段
1階天井内の確認により、屋内の階段は下地から木製である事が確認出来る。本件建物
は耐火建築物であり、階段は建築基準法施行令第107条、並びに平成12年建設省告
示第1399号の規定により鉄造としなければならず、木製階段は耐火構造違反であ
る。
屋内の木製階段
段板厚さ36mm
NO
場所
部位
平成21年2月27日
12
1階玄関
玄関扉
1階玄関扉に設置されたガラスは網入りではなく、当該扉は建築基準法第64条で定め
る防火戸に適合せず、法不適格であると考えられる。
玄関扉に設置されたガラス
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
13
キッチン
レンジフードダクト
建築確認申請されたレンジフード用のダクトはステンレススパイラルダクト+ロック
ウール厚さ50mm被覆であるが、現状はスチール製ジャバラダクトであり、耐火並び
に耐久性が劣る。よって、確認申請通りの改善が必要である。
1階LDK、その他各室の天井面には建築
確認申請された火災報知器の設置が無い
NO
場所
部位
平成21年2月27日
14
浴室天井内
換気扇ダクト
直
浴室天井換気扇のダクトはアルミ製のジャバラダクトを使用している事が確認出来る。
建築確認申請のダクトはステンレススパイラルダクトであり、排気性能並びに耐火、耐
久性が劣る。よって、確認申請通りの改善が必要である。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
15
屋内階段
屋内の階段有効幅は約733mmであり、建築確認申請並びに建築基準法施行令第23
条で規定する750mm以上に適合せず、政令違反である。
屋内階段の状況
同上、階段幅を測定
NO
場所
部位
平成21年2月27日
16
屋上
防水
本件建物の図面並びに確認申請で提出された屋上防水は、RAシート+防水モルタル押
え厚さ30mmであるが、実際にはウレタンまたはFRPの塗膜防水であり仕様が異な
る。また、工事中の記録映像では、防水下地にコンクリートまたはモルタルを打設して
いる事が推察出来るが、コンクリートやモルタルは、収縮ひび割れにより防水層の損傷
が懸念される為、鉄骨組みで排水勾配を確保し、ALCに直接防水する事が一般的であ
る。本件は、防水下地のひび割れにより、雨漏れが発生した経緯があり、図面の通り、
日射熱による鉄骨の熱伸縮、パネルの膨張収縮にも追従出来るシート防水に改善する事
が必要であると考えられる。
工事中の映像により、屋上防水の勾配を
モルタル又はコンクリートで施工している 2通り位置に発生した防水亀裂
事が推察出来る
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
17
2・3階バルコニー
防水
2・3階バルコニー床面の防水も図面のシート防水+防水モルタルとは異なり塗膜防水
である。また、現状防水床面には凹凸があり、雨水が滞留する状態である。特に2階は
ルーフバルコニーであり、防水の耐久性が重要である為、図面の通りの改善が必要であ
る。
防水床面に凹凸がある事が分かる
バルコニー床面には水が滞留している
NO
場所
部位
平成21年2月27日
18
床下
断熱材
1階床に設置された断熱材(厚さ30mm)は床根太(H45mm)の下端まで下が
り、床合板に密着していない事が確認出来る。床合板と断熱材の間に出来る中空層は、
床下空気の流入により断熱欠損となる為、改善が必要である。
床根太成45mm、断熱材厚さ30mm
床合板に断熱材が密着した場合、床根太
が約15mm見える
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
19
床下
床断熱材
1階床に設置された断熱材は、大引きへの掛りが少なく一部で脱落が確認出来る。よっ
て、大引き上部の断熱材突き合せ部は隙間や空隙がある事が推察出来る状態であり、改
善が求められる。
NO
場所
部位
平成21年2月27日
20
床下
床断熱材
1階床に設置された断熱材は、洗濯機用排水管や床下収納庫廻りで欠損しており、床断
熱材が隙間なく連続する様改善が求められる。
洗面所床下収納庫廻りの断熱欠損
直
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
21
床下
浴室床面
1階浴室の床面には断熱材が施工されていない。断熱層は隙間なく連続しなければ、隙
間風や部分結露、室温較差等を助長させる要因となる。特に浴室に隣接するLDKや洗
面所の間仕切壁には床下空気が流入する状態であり、改善が必要である。
隣室の間仕切壁には床下空気が流入する
NO
場所
部位
平成21年2月27日
22
床下
浴室北外壁面
浴室北外壁面には断熱材が設置されてい
ない
直
浴室天井内並びに床下の確認により、浴室北外壁面には断熱材が設置されておらず、断
熱欠損に対する改善が必要である。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
23
工事中写真
外壁断熱
NO
場所
部位
平成21年2月27日
24
2階西側洋室
北外壁面
2階西側洋室北外壁面のコンセント内部を
確認
直
本件建設会社が公告する建物の断熱材はグラスウールであるが、外壁面の断熱材はスタ
イロフォーム厚さ25mmがスタッド間に設置されている状態である。押出法ポリスチ
レンフォーム保温板1種厚さ25mmはグラスウール10K厚さ50mmにも満たない
断熱材であり、広告とは異なり断熱性能が劣る。また、鋼製のスタッドは熱僑となる
為、熱損失に対する改善が必要であると考えられる。
外壁に設置された断熱材は屋内側の壁石膏ボードとの間に約25mmの空隙があり、対
流による断熱欠損が懸念される状態である。また、室内の扉開閉時の空気圧力の影響に
より、これらの空隙から壁内部にある吹付け断熱や石膏ボードの粉末が噴出してくる状
態であり、改善が求められる。
直
現況検査により認められる状況の記録
NO
場所
部位
平成21年2月27日
25
床下
設備配管
図面に指定された設備配管材料は、給水管=塩ビライニング鋼管、排水管=VP管であ
るが、実際には給水管=HIVP(硬質塩化ビニール管)、排水管=VU管であり、仕
様が異なる。
NO
場所
部位
平成21年2月27日
26
2階東側洋室
床面
2階東側洋室の床面は床鳴りしている状態である。
直