ポンプアップ排水管からの漏水

ポンプアップ排水管からの漏水
整理番号:01‐01
登録年月:2001 年 9 月
分類
コード
時期:竣工後 2 年
①現象
101
④設備部位
453
②建物用途
210
⑤発生時期
502
③建築部位
311
⑥原因
603
● 不具合の内容
地下排水槽からのポンプアップ排水配管が、地下2階で水平配管から上階に方向を変える部分で脱
管し、倉庫内に漏水した。
MDグリップ
グリップ用
ボルト
バネ座金
MDグリップ
排水管(継手:MD+MDグリップ)
B1F
MD継手
MD継手
脱管部
B2F
配管
配管
配管
B3F
MD継手とMDグリップ
排水槽
● 原因
ポンプアップ排水管には排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(D−VA)を用い、継手は排水鋼管用
可とう継手(MDJ002によるMDジョイント)に圧送配管用部品(同規格によるMDグリップ)を装
着したものを使用していた。原因は、ポンプの起動・停止に伴なう繰返しの圧力変動や水撃、配管の支
持固定の不足が複合し、長い横走り配管が垂直に方向をかえる部分で継手から脱管し、漏水に至った。
(注)MDJ:排水鋼管継手工業会規格
● 対策
MD継手(MDグリップ付き)の接続口ごとに形鋼振止め支持(排水鋼管継手工業会からの推奨施工法
で、エルボやソケットは継手の両側に設置することになる)を設けた。
● 再発防止策
鋼管によるポンプアップ排水にはMD継手の使用を避けることが望ましい。(管軸芯のずれなどの施工
精度や短期の水撃圧などがMDグリップ装着時の抜出し阻止力に与える影響が明らかにされてない。ま
た、工業会が推奨する圧送用配管の支持固定は、継手の接続口毎に形鋼振止めとしており、納まり上の
困難とコスト高を招く。)
尚、ポンプアップ排水系統に樹脂ライニング等の防食措置した鋼管を用いる場合は、継手は下表の組合
せから採用を検討すると良い。
管
種
継
排水用タールエポキシ塗装鋼管
手
接合方法
コーティングドレネジ継手(150Aまで)
(WSP 032)
(JIS B2302)の内面を樹脂コーティング
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管
ね じ
したもの
(JWWA K116)
フランジ付硬質塩化ビニルライニング
フランジ付硬質塩化ビニルライニング
鋼管
鋼管継手(メーカ規格品)
(WSP 011)
フランジ
メーカ規格品:JIS規格品ではなく、製造メーカの規格により製造されたもの
備考
国土交通省機械設備工事共通仕様書(平成13年版)では、排水及び通気管の継手として
MDJ-002 による MD ジョイントを採用できるが、「鋼管類のポンプアップ排水用の継手は、ねじ接合、
フランジ接合又はハウジング形管継手とする。」と規定している。
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