2011年 11 月号 第19 号 東 北 大 学 病 院 がん診 療 相 談 室 だより がんサロン『ゆい』ミニ講話 「アロマセラピーを生活に取り入れるために」を開催しました 講義の内容 ・精油(エッセンシャルオイル)とは:自然の植物(花、葉、果実など)から得た全ての芳香製品や抽出物全般のこと。あくまで天然の物 注意;精油を選ぶときは、成分分析表が入っているものを選びましょう。 ・使い方:芳香浴(直接吸入・蒸気吸入・拡散)、トリートメント(マッサージ)、沐浴(全身浴・半身浴・手浴・足浴)、クリーム、ローション等 ・実際:芳香浴;精油2〜3滴。デューフューザーを使うときは説明通り トリートメント;濃度を守ることが大切です。初めは1%くらいから始めましょう。 精油1滴は 0.05ml です。キャリアオイル 10ml に2滴の量から使いましょう。 沐浴;全身浴なら、バスタブにお湯を張って精油3〜5滴程度。手浴・足浴なら、洗面器にお湯を張って1〜2滴程度でします。 ※注意すること(成分表を確認して使いましょう) ・シトラス系オイル(柑橘系オイル)にはフロクマリンが含まれ、光感作作用があるので、使用後6時間くらいは日光を避けましょう。 シミができる可能性があります。 ・ケトン類のカンファーを含む精油は、てんかんの既往のある方は使わないでください。 ・クローブ(日本では丁子または丁香と呼ばれる)は、堕胎作用があり、妊婦は使わないでください。 ・ホルモンバランスを整える作用のあるもの(クラリセージなど)もあります。ホルモン療法中の方は使わないでください。 がんサロン『ゆい』 ミニ講話 「外来放射線療法について」 放射線治療に関するQ&A Q:放射線の副作用はどのようなものですか? A:照射する部位によって違いますが、全般的にいえることは体がだるくなる。皮膚がただれるなどです。しかし、化学療法のようにひ どい副作用はあまり出ません。できれば休まずに計画通りに治療することが1番良いことです。 患者様の話;先生や看護師さんに副作用を聞かれますが、私は全然ありません。その人によっても違うのではないでしょうか。 Q:放射線治療中に注意しなければならないことはなんですか? A:放射線治療は酸素をたくさん使うと言われています。タバコは吸わないようにしてください。 患者様の話;私は 40 回かけます。約 2 か月入院していますが、その間に体力を消耗しては困るので、毎日運動をしています。 ←自分自身の体調を考えて運動してください。 Q:放射線治療は1回して再発したら、2回はできない。また、手術も難しいと言われ、手術を選択しました。 A:その通りです。標準治療として3つ(手術、放射線照射、化学療法)あります。どれを選択しても再発の可能性は否定できません。 ですから、手術を選択したことは間違いではないと思います。治療を選択するときにはその時点で最良の方法を選択することが大切 です。 チョッと思うこと 9 月中旬に島根県の「がんサロン支援塾」に参加し、がんサロンの運営方法を学んできた。この塾 の主催者納賀良一さんは、二度の手術を受けたがん疾患患者です。納賀さんは希望した治療が島根 県で受けられず、島根県が医療後進県であるのことを思い知らされたという。平成 18 年にがん治 療の均てん化の促進を図るため、がん対策基本法が制定された。しかし、がん治療において地域格 差が埋まることはなかった。そこで納賀さんは“患者が何かをしなければ医療は動かない”と考え、 2006 年から活動を始め、25 か所のがんサロンを、誰でもどこにでも参加できるようにした。自分 が最良の治療を受けられなかったことをきっかけに立ち上がり、自分と同じ疾患を持つ患者のため に、島根に、いや全国に広げようと頑張っている姿があった。多くの患者は、自分のことを考える のに精一杯であろうし、当たり前の姿だ。しかし、納賀さんは「今日は調子が悪い」と言いながら も、人のために行動することで一生懸命自分の人生を生きている。 先日、妻が病死し自分の生き方を見失った夫を扱った TBS テレビドラマがあった。彼は散々苦し んだ末に「人間は自分のためには生きられない。誰かのためになら生きられる」と語り前を向き始め た。納賀さんも人のために生き、そのことで自分の人生を生きているのではないだろうか。 Tonko がんサロン『ゆい』 ミニ講話 がん疾患患者の リハビリテーションについ(仮) 講師:肢体不自由リハビリ科 教授 出江 紳一 先生 日時:11 月 22 日(火)14:00~ 場所:がんサロン『ゆい』
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