WEEE RoHS ANALYSIS CENTER WEEE/RoHSの動向 と試験所認定取得の意義 株式会社 分析センター 黒澤 勝 本城 久司 1 本日のご説明内容 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 1. WEEE&RoHS概要 2. 試験所認定 ∼ISO/IEC 17025∼ 理事会 議会 2 1 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER WEEEとRoHSの背景(目的) 20Kg/年・1人急増 子供へ の異常 環境ホルモン シーアコルボーン WEEE 健康被害 不適切処分 適正処分 食物連鎖・ 濃縮 生態系異常 日本の化審法改正 2003.05.28公布 不 法 投 棄 90%は 前処理なし 経時変化 有害物蓄積 土壌・水・大気汚染 土壌汚染対策法公布 2002.5.29 水銀 36トン/年 カドミウム 16トン/年 埋立地の鉛の40%、焼却施設の鉛の50%はWEEEに起因 3 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 1.WEEE&RoHS概要 Waste electrical and electronic equipment 廃電気電子機器指令 2002/96/EC Restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment 電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用 制限に関する指令 2002/95/EC 4 2 EU法体系 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER ■Regulation:規則 ●全ての加盟国に直接適用され国内法と同じ拘束力を有する ■Directive:指令 ●新しい国内法の制定、現行の国内法の改正、廃止の手続き後に拘束 力が発揮される。(Member States shall・・・) ・達成されるべき結果が加盟国を拘束、形式方法は国内法 ■Decision:決定 ●対象範囲を特定(加盟国、企業、個人等)して、具体的な行為の実施 あるいは廃止等を直接的に拘束する ■Recommendation:勧告 ●加盟国、企業、個人等に一定の行為の実施を期待することを欧州委 員会が表明するもので拘束力はない ■Opinion:意見 ●特定のテーマについて欧州委員会の意思を表明したもので拘束力は ない 5 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER WEEE&RoHS指令の詳細はTACで審議 ■Official Journal (官報)公布 2003年2月13日 ■WEEE 第9条改正公布 2003年12月31日 ■RoHS除外申請 2004年7月5日 ■TAC Work Shop 2004年7月16日 ■TAC 2004年7月20日 ■UK Consultation(10月29日) 2004年7月30日 ■EU各国国内法公布 2004年8月13日まで 各加盟国とも遅れている 施行は間に合わせる ■TAC 予定 2004年10月 ■UK 製造者登録 2005年1月 ■カテゴリ8&9製品の適用検討 2005年2月13日まで ■WEEE リサイクル義務発生 2005年8月13日 ■RoHS 有害物質規制発効 2006年7月1日 6 3 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 国内法制定状況 イタリア 6月に法案公表 公布は2004年秋 ドイツ 7月に法案公表 公布は2004年末 フランス 7月に法案(改定)を公表 公布は2004年末 イギリス(UK) 7月に法案(改定)を公表 公布は2004年末 公布は遅れるが施行はスケジュール通り 7 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER WEEE 第1条 目的 ①廃電気電子機器の予防が最優先 ②廃棄物の処分を減らすために再使用、リサイクル、お よび他の方法による再生をする ③電気電子機器のライフサイクルにかかわる生産者、 流通業者および消費者の環境パフォーマンスの改善 8 4 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER WEEE 第2条 範囲 1:大型家庭用電気製品:冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・エアコン等 2:小型家庭用電気製品:電気掃除機・アイロン・ヘアドライヤー等 3:IT及び遠隔通信機器:メインフレーム・ミニコン・パソコン等 4:民生用機器:ラジオ・テレビ・ビデオ・オーディオアンプ・楽器等 5:照明装置:蛍光灯・放電灯・高圧ナトリュームランプ等 6:電動工具:ドリル・旋盤・フライス盤・研磨盤・芝刈機等 (据付型大型産業用工具を除く) 7:玩具:電車/カーレーッシングセット・ゲーム機等 8:医療用機器:放射線療法機器・心電図測定器・人工呼吸器等 (移植用医療機器製品及び病原菌に感染した製品を除く) 9:監視及び制御機器:はかり、工場設置の監視測定機器等 10:自動販売機:ホットドリンク販売機、瓶/缶用自動販売機等 8:分別回収はするが、リサイクル率目標はなし 9 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER RoHS 第4条 予防 ■2006年7月1日以降上市する電気電子機器に対して次項 の物質を非含有とする ●鉛 ●水銀 ●カドミウム ●六価クロム ● PBB (ポリ臭素化ビフェニル) ● PBDE (ポリ臭素化ジフェニルエーテル) 上市:単一市場に最初に入った日 10 5 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER ELV 第4条 予防 2003年7月1日以降に市場に出た車の材料及び部品が、 ANNEXⅡに挙げられ、そこに特定された条件に基づく場合を除 いて、 鉛、水銀、カドミウム、六価クロム を含まないことを、加盟国は保証するものである。 End-of Life Vehicles 廃自動車指令 11 PBDE 規制 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER カリフォニア州法 2003年9月8日 州知事がサイン Ban on Harmful Chemicals Affecting Californians Assembly Bill 302 AB302 Chan法 Wilma Chan チェン女性下院議員 全米に拡大を要望 PentaおよびOctaが規制 Decaは対象外 規制理由:高蓄積性・乳幼児保護 背景はEUのRoHS指令 2008年1月1日 発効 メイン州法 2004年州法審議開始 法案名 Reduce Contamination of Breast Milk and the Environment from the Release of Brominated Chemicals in Consumer Products (L D1790) PBDEすべて禁止? Decaが論議の対象 規制理由:高蓄積性・乳幼児保護 12 6 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 包装材の重金属規制 ■鉛 EUとUSAは同じ ■カドミウム ■水銀 ■6価クロム 包装材に含有する重金属はトータルで100ppm(重量比) 以下とする Connecticut州、Maine州、Massachusetts州など北東部の 8州共通の州法であるが、流通ネットワークが発達している ので、事実上全米適用 包装材の定義は、パッキング材、インク、染料、絵の具、粘 着材、スタビライザーなど幅広い 13 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER EU指令 WEEE&RoHS対応 *部分の開発が課題 RoHS第4条 予防 2006年7月1日以降上市する電 気電子機器に対して次項の物質 を非含有とする 鉛 閾値 見込み 水銀 Cd カドミウム 六価クロム 100ppm PBB 他1000ppm PBDE ELV 鉛 水銀 カドミウム 六価クロム WEEE 第9条 ユーザーへの情報 電気電子機器に含まれる環境と人の健康に 影響を与える危険有害物質の情報 第11条 処理施設への情報 電気電子機器に含まれる危険物質 電気電子機器に含まれる危険調剤の場所 電気電子機器の構成部品と材料 Put on the Market 上市 廃棄 *情報公開 *公定法 :裁判 サプライチェーン リスクマネジメント メーカー 自己宣言 税関検査 非破壊・客観的・簡便・迅速 *Test Method メーカー *自己宣言 メーカー *自己宣言認証制度 14 7 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 検証中のTest Method Stream Visible Spectrophotometer Test Method Model Cr FT-IR Test Method Model Screening Model EPA 6200 有意 GC-MS Model 提訴 Br Raman ICP Model EDXRF Test Method Model Pb Hg Cd 税関検査官 公的分析機関 税関検査技術者 Screening Inspection Analysis 15 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 測定法:樹脂中のカドミウム 迅速法 前処理 破壊後プレスまたは非破壊 参照規格 なし 分析方法 EICTA(欧州情報通信工業協会)2004.3提案 蛍光X線分析 標準物質が必要 参照規格 なし 精密法 前処理 酸による湿式分解(硫酸・硝酸・過酸化水素他) 参照規格 EN1122-2001 分析方法 原子吸光分析 ICP発光分光分析 参照規格 ISO3856-4(1984) 16 8 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 測定データの信頼性(サプライチェーンに流すデータ) 自己宣言法式では測定値をサプライチェーン内で次々 と渡していく データの信頼性確保 重要部品:ISO17025認定の信頼のできる分析機関を利用する 一般部品、受入検査:自社測定する ISO17025の技術基準やGLP基準 マネジメントシステムの構築 データの不確かさの表示 -構成部品の有害物質含有量の集計 -前処理の的確性 -標準試料の選択 17 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 2.試験所認定 ∼ISO/IEC 17025∼ 18 9 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 試験所認定制度 日 本 認 定 試験報告書 試験所 認定機関 企業 登 録 相互承認(ILAC,APLAC) 「 one stop testing 」 世 界 認 定 試験報告書 企業 試験所 認定機関 登 録 19 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER ISO/IEC 17025とISO 9001との関係 品質システム 管理要求事項 ( ISO 9001 (認証) ) 技術管理 技術要求事項 ( ) ISO/IEC 17025 (認定) 1.品質管理方針・文書・記録管理 2.契約内容の確認 3.下請負契約 4.購買 5.サービス 6.苦情処理 7.不適合業務の管理(是正処置・予防処理) 8.内部監査・品質システムの見直し 1.試験要員の技量 2.施設・環境・設備の管理 3.試料のサンプリングと取り扱い 4.試験手順 5.試験方法の妥当性確認とデータ管理 6.測定のトレーサビリティ 7.結果の検証 20 10 WEEE RoHS 認定登録証(ISO/IEC 17025) ANALYSIS CENTER 21 WEEE RoHS Cd(カドミウム) 前処理 ANALYSIS CENTER BS EN 1122:2001 MethodB 試料に硫酸を加え、硫酸白煙を発生させるまで加熱分解し、過酸化水素を加え加熱分解後、淡黄色ないし 無色透明になるまで加熱分解をする。測定溶液をICP発光分光法、フレームレス原子吸光法にて測定する。 使用器具:ケルダールフラスコ、ダイジェスダール 22 11 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER Pb(鉛) 前処理 酸分解法(認定法) 試料に酸を加え、加熱分解する。 測定溶液をICP発光分光法、フレームレス原子吸光法にて測定する。 使用器具:ケルダールフラスコ、ダイジェスダール等 硫酸灰化法(認定法) 試料に硫酸を加え、加熱分解し、更に400∼500℃で灰化処理後、 灰分を酸に溶解する。 測定溶液をICP発光分光法、フレームレス原子吸光法にて測定する。 使用器具:石英るつぼ等 23 ICP発光分光装置 ICP発光分光法 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 原理:測定溶液を高温アルゴンプラズマ中に噴霧すると、液体中の元素はプラズマの熱エネルギーにより 励起されるが、もとの安定な基底状態に戻る。 この時、元素特有の光を発生する。この光を分光 器で分光し、その発光強度から、標準溶液との比例計算にて元素の濃度を測定する。 24 12 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER フレームレス原子吸光分析装置 フレームレス原子吸光法 原理:測定溶液を黒鉛炉等に入れ、段階的に温度を上げ、乾燥・灰化・原子化を行う。この時、外部より 光を当てると、金属特有の波長の光を吸収し励起状態になる。この吸収量を測定する。 25 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER Hg(水銀) 前処理 酸分解法(認定法) 試料に酸を加え、加熱分解する。測定溶液を還元気化原子吸光法にて測定する。 使用器具:分解フラスコ等(還流冷却付) 26 13 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 還元気化原子吸光分析装置 RA-2 還元気化原子吸光法 原理:測定溶液に還元剤を加え、金属水銀とし気化させる。この時、水銀蒸気に紫外線を当て共鳴吸収を 利用して測定する。 27 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 加熱気化原子吸光分析装置 MA-2000 燃焼分解法 管状電気炉中で試料を燃焼させ 発生するガスを吸収する。 測定溶液を還元気化原子吸光法 にて測定する。 全自動測定装置(認定法) 加熱気化原子吸光法 原理:試料をそのまま加熱分解をし、水銀蒸気を水銀捕集剤に捕集させる。この水銀捕集剤を加熱した時、 水銀蒸気に紫外線を当て共鳴吸収を利用して測定する。 28 14 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 前処理方法(六価クロム) 溶出法 試料を水溶液に抽出し、測定溶液を吸光光度法にて測定する。 使用器具:フラスコ等 抽出条件 ①不活性ガス中抽出:不活性ガスで置換したりん酸緩衝液で振とう(認定法) ②温水抽出 :水で煮沸 ③水抽出 :水で振とう 29 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 吸光光度装置 30 15 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 前処理方法(PBB、PBDE) 溶解法 試料を有機溶媒に抽出し、シリカゲルカラム処理を行う。 測定溶液をGC/MS法にて測定する。 使用器具:フラスコ等 抽出条件 ①溶解 :有機溶媒で溶解 ②ソックスレー抽出:有機溶媒で抽出 31 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER ガスクロマトグラフ質量分析装置 32 16 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(測定のトレーサビリティ) 測定機器の校正 ①導入時校正:機器の検収時のメーカー校正(外部校正) ②定期校正 :社内校正(半年に1回実施) ③臨時校正 :機器の日常点検結果、測定時の異常等により 校正が必要と判断した時の校正 対象機器:ICP、フレームレス原子吸光、天秤 標準試料 カドミウム標準液:関東化学 カドミウム標準液(Cd1000) ポリエチレン標準物質:ヨーロッパ標準物質 BCR 33 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(測定装置) ICP 測定試料時に標準液を用いて検量線作成を行い、その濃度は 最小検量値より20倍以内とする。 判定基準:検量線の相関係数(f)は、0.999以上 標準液による変動係数が10%以内(測定終了時) 各測定値の変動係数(CV)が5%以内 (測定検出限界値以下は含まない) フレームレス原子吸光 測定試料時に標準液を用いて検量線作成を行い、その濃度は 最小検量値より10倍以内とする。 判定基準:検量線の相関係数(f)は、0.999以上 標準液による変動係数が10%以内(測定終了時) 各測定値の変動係数(CV)が10%以内 (測定検出限界値以下は含まない) 34 17 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(妥当性確認) ①併行精度 (r*) 同一の分析者が、本方法で同一の試験器具を用いて、同一の 験試料で行った分析結果間の相対的標準偏差(r1) 試 ②再現精度 (R*) 異なる試験所で二人の分析者が、本方法で同一の試験器具を用いて、同 一の試験試料で行った分析結果間の相対的標準偏差(R1) 頻度:年1回実施 35 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(併行精度、再現精度) カドミウムの濃度範囲 r* R* 1∼50mg/㎏ 20% 25% 50∼3000mg/㎏ 10% 25% r*=r/m×100 R*=R/m×100 ここでmは各レベルの全ての平均値 rは同一の分析者が規格の方法で同一の試験材料で行った分析結果間の 相対的標準偏差 Rは異なる試験所で二人の分析者が、規格の方法で同一の試験材料で行った 分析結果間の相対的標準偏差 36 18 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(妥当性確認) ③標準試料における回収率 標準試料(BCR)を用いて、その回収率を求める。 BCR680 ・・・ 140.8±2.5 mg Cd/kg BCR681 ・・・ 21.7±0.7 mg Cd/kg ④繰り返し試験(二重測定) (D) 同一の試験試料で行った分析結果を求める。(n=2) 頻度:試験ごと実施 37 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(繰り返し試験) 分析手法 ICP−AES フレームレス原子吸光 濃度範囲(mg/kg) D(%) 1∼50 20以下 50∼3000 10以下 計算式 D=(D1−D2)/m×100 D1、D2:n=2の測定結果(D1>D2) m : 各濃度の平均値 38 19 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(測定の精度管理フロー) サンプル:客先より受入れた試料全体 サンプリング(裁断) 試料:サンプルの一部(測定対象試料) 前処理の選定 (分解フラスコ) 方法A (ケルダール) (ダイジェスダール) 方法B 測 定 検量線相関係数:0.999以上 標準液:変動率10%以内 測定値:変動係数(CV)5%以内 ICP フレームレス原子吸光 YES 検量線相関係数:0.999以上 標準液:変動率10%以内 測定値:変動係数(CV)10%以内 NO 標準試料:回収率の誤差10%以内 YES NO D:20%以下(1∼50mg/kg) D:10%以下(50∼3000mg/kg) 二重測定(D)結果 YES NO 39 報告値 WEEE RoHS ANALYSIS CENTER 精度管理(測定の不確かさ) 試料 ①試料の偏析 秤量 ①天秤の不確かさ ②繰り返し測定の誤差 分解A法 分解B法 フラスコ定容 ①不完全な分解 ②対象物質の逸散 ①フラスコ容量校正の不確かさ ②繰り返し定容の誤差 ③温度による誤差 検量線の作成 測定ICP法 ステップー1 ①標準液の不確かさ ②希釈操作の不確かさ ステップー2 ステップー5 (妥当性確認) ステップー3 測定FL−AA ①マトリックス及び酸濃度の影響 ②測定の再現性 ステップー4 40 20
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