カトリック調布教会 発行人:藤川長喜 編集:広報 〒182-0033 調布市富士見町 3-21-12 Tel.0424-82-3937/Fax.0424-81-6339 http://chofu-church.ciao.jp/ 2005.12.4 WEB版 No.134 待降節号 ふたたび「キリストの手となり足となり」 主任司祭 藤川神父 まずは還暦を過ぎた方で、割合、都会に住んでおられた方に通じるであろう話 から。かつて、東映と呼ばれた映画全盛期に、片岡千恵蔵主演の「七つの顔をも った男」というシリーズものがありました。その頃の私は映画少年で、毎週のよ うに映画館に通っておりました。子供料金が 55 円でした。主人公が刑事だか私 立探偵だかは忘れましたが、様々な姿に変装して、それこそ七つの顔をもって悪 い奴を追いつめていくというストーリィで、クライマックスの「ある時は片目の 運転手、またある時には街角の怪し気な手相見、またある時には南蛮渡来品の貿 易商、またある時には……」という台詞の時には、もうワクワクして子供ながら にカタルシスを全身に感じながら、スクリーンを注視しておりました。 その「七つの顔の男」ではありませんが、私も若い神学生の頃なんかは「七つ の声の男」として、老若男女の声色を使い分けて、例えば「ドン・ボスコ伝」と か「クリスマス・キャロル」とかのスライドで声の吹き込みをひとりでやるのが 得意でした。 さて、随分と前置きが長くなりましたが、今、主任司祭として奉仕させてもら っていて、とりわけ主日などは「七つの人格をもつ男」というか、7人分の自分 が欲しくてたまらないというのが切実な実感です。 1人目 2人目 3人目 4人目 5人目 6人目 7人目 ひたすらミサに没頭し、すばらしい説教をする自分 毎週、主日にやってくる信徒たちと軽口をたたく自分 たまに、或いは久し振りに顔を見せた信徒たちと懐かしく話を 交わす自分 はじめて教会にやってきた人に声をかける自分 様々な奉仕や役割をもった人たちにねぎらいの言葉をかける自分 相談事やご用のある人と親身になってかかわる自分 ミサの前後にある委員会や集会に出席する自分 七つの自分では足りません。せめてあとひとつ 1 8人目 ミサが終わったあと、ゆっくりとうどんを食べる自分 せめて8つの自分が欲しいのですが、私はやはりたったひとりの人間でしかあ りません。ですから残念ながら、あれもこれもやりたいと願って、顔を真っ赤に し、血圧もどんどん上昇させ、結局のところ、どれもこれも中途半端か、全くで きずに主日を終えるというのが実情です。信徒の皆さんや求道者の方々に、本当 に済まないと思っています。 主日に限らず、ふだんの日でも、ゆき届かないことがいっぱいあります。病床 にある人や高齢者をもっとひんぱんに訪問したいし、大して役に立てないでしょ うが、いろいな相談にのりたいし、入門講座や勉強会も増やしたいし……。だか らといって、平日も超多忙というわけではありません。のんびりとしている時も あります。ですから、ゆっくりとお話したい方や、一緒に遊んだり、飲食したい 方は、気楽に遠慮せずおいで下さい。平日の夕方以降が狙い目です。 そんなわけで、あらためて信徒の皆さん、ひとりひとりにお願いしたいと思い ます。キリストの手となり、足となっていただきたい。また、私の不足を補う意 味で主任司祭の手となり、足となっていただきたい。 新しい教会建設プロジェクトがすすんでおります。思うほど事は簡単ではあり ません。でもI建設委員長が大変な犠牲と苦労をしながらリーダーシップを発揮 してくれていますし、建設委員の方々も、献身的にかかわってくれています。 こういう状況のなかで、教会建設という具体的な動きを視野に入れ、かつ、そ れと平行して、調布教会の霊的目標を明確に掲げたいと思います。 1. 「教会建設のための祈り」の精神を生きる。 ミサの終わりに唱えている、この祈りは、実にすばらしく、良くできた祈 りです。教会建設の祈りというよりも、ミサと聖体について私たちの信仰 を啓蒙してくれ、霊的に深く黙想させてくれる祈りです。この祈りを通し て、聖体への信心を深め、ミサを日常の中で生きるように心がけるように しましょう。 2.教会にひとりでも多くの人を呼び戻しましょう。 教会にひとりでも多くの人を導きましょう。そのためにも、ミサにあずか って、聖体に養われ、私たち自身が、「もうひとりのキリスト」になるこ と。こうして初めて、私たちはキリストの手となり、足となることができ ます。 教会建設は以上の霊的目標を実現するために、とてもいい機会です。毎日、私 は調布教会の信徒の皆さん、信徒の家族の方々、求道者や地域社会の方々を神に 委ね、そして豊かな祝福があるように、ささやかな祈りをささげています。 2 私と調布教会 中田 正一郎 助祭 調布教会の皆さん、私の司祭叙階に当たって、皆さんに言えることは感謝 のことばでしかありません。志願者、修練者、神学生として8年間にわたり、 調布で生活をいたしましたが、調布教会は私にとってゆりかごであり、安ら ぎの場所であり、友情を温める場であり、そして何よりも、養成の場であり ました。 調布で最も心に残っているのは、やはり何と言っても子どもたちとの関わり でしょう。私は侍者会に関わりましたが、子ども会や中高生会を担当したこ とはありませんでした。しかし、ユースセンターや要理の授業で、多くの子 どもと出会い、時に楽しく遊び、また時には激しく葛藤しながら、多くのこ とを学ばせてもらったと思っています。 今、そのころの子どもたちが、子ども会や中高生会のリーダーをしたり、 青年会で活躍している姿を見て、非常にうれしく思います。 他にもバザーの時に、ギターを片手に、フルート吹きのM神学生を引き連 れて、会場を練り歩くという、今思えば、顔から火が出るほど恥ずかしいこ ともしましたが、それも自由に伸び伸びとやらせてくださった調布教会での いい思い出です。 これから私は「キリストの永遠の司祭」として生きていくわけですが、正 直申しまして、どうも実感が湧きません。しかも「中ちゃん」とか「ウマ」 とか呼ばれていた私が「神父様」といきなり呼ばれ始めれば、こっ恥ずかし くて、背中がムズムズしそうです。でも、神様がそれを望み、私も神様にす べてをゆだねていくのであれば、なんとか背負っていけそうです。ある神父 様が「叙階式のときに神父にはなるが、同時に人生をかけて神父になってい くんだ」と言っていました。私も、皆さんと共にミサを捧げ、命のパンであ るキリスト様を手にしながら、また、皆さんと苦楽をともにしながら、一司 祭として成長し、神父になっていくのだろうと思います。これからも、皆さ んの祈りと励まし、ご指導をよろしくお願いします。 サレジオ会のヨセフ中田正一郎、マキシミリアノ・マリア・コルベ榎本飛里 の両助祭は 12 月 17 日(土)碑文谷教会にて岡田大司教様より司祭に叙階さ れます。 両新司祭の当教会での初ミサは12月25日(日)10:30∼です。 3 待降節を迎えて 聖 夜 シスター 菊地 多嘉子 なつかしく美しい夜、永遠の未来が私たちの時間の中に入って来た神聖な 夜。神のみことばが、小さく、貧しく、傷つきやすく、無力で、泣くこと以 外に何もできないみどりごになって、人間存在の深奥に音もなく入りこまれ た夜・・・。静けさと沈黙に包まれたこの神秘を祝うために、私は心の深み に退き、息をひそめ、あらゆる雑念の明かりをひとつ、またひとつ消して行 きます。「光よりの光」である神のみ子が、そこに、飼い葉桶に眠っておられ るのですから。「み子を賜うほど世を愛された」父である神の、愚かなまでの 愛の神秘を前に、私は言葉を失い、愛されるままに自分をさしだすほか、応 えるすべを知りません。 やがて、私は飼い葉桶に眠るみどりごをそっと抱いて、お連れします。夜 の路上にたむろする若者たちのもとに。ひとり病床にあって、死の恐怖にお ののく老人のもとに。衰弱した幼子を抱きしめ、飢餓と寒さと不安に涙する パキスタンの若い母親のもとに。 国境を越え、地の果てまで、苦しむ人、神様を捜し求めている人々のもと に行きたいのです。そして、一人ひとりの心に寄り添い、愛らしいみどりご を抱かせながらささやきます。「今日、あなたのために救い主がお生まれにな りました」と。 「このみどりごこそ、あなたに父である神様の限りない慈愛と、ゆるしと 和解の喜びをもたらす方。あなたが、神様のかけがえない大切な子どもとし て、永遠からみ心に抱かれていることを証しする方。あなたの孤独と哀しみ と苦悩を共にするために、弟子たちからも裏切られ、十字架で孤独と信仰の 闇に沈み、『なぜ、私をお見捨てになるのですか』と、御父に悲痛な叫びをあ げて死んで行かれた方。こうして、ひたすらに愛しぬくように、との御父の み旨を全うされたこのイエス・キリスト様をお受けください。あなたが閉ざ している心に。ただ、神様だけが入ることのおできになる、あなたの心の奥 深くに。 イエス様は、絶望が希望と喜びに変えられる『愛の奇跡』を、あなたのう ちに実現してくださいます。信じるならば、きっと。イエス様は死んで復活 し、今、私たちと共にいて、愛の霊を注いでくださっているのですから。」 菊地多嘉子(きくち たかこ) コングレガシオン・ド・ノートルダム修道女 要理編纂委員として、 「カトリック入門」の起草にあたる 著書は『リジュのテレーズ』 『果てしなき希望』 (テレーズ)『親が子どもにする宗教教育』 『カテケジス概論』 『イエズスさまといつもいっしょに』 『ガリラヤの丘で』 『神の恵の福音と は』 、訳書『ミサきのうきょう』、共訳『死の神秘』 『カトリック教会のカテキズム』など多数 4 静けきうまや、静寂な世界 マリア・モニカ K.H 聖夜を迎える頃になり、瞼に様々な調布教会の風景が浮かび上がる。古き 良き時代から現代まで、歴代の主任神父様は独特のクリスマス飾りをご用意 され、私達をクリスマスの心へといざなってくださった。 幼い頃から、貧しかったせいで豪華 なクリスマスは唯の一度も経験した 事がなかった。その分、胸ふくらむ温 かなクリスマスであったし、信者生活 を積むほどに質素なクリスマスでは あったが、教会の飾りに心を充たして クリスマスを過ごすことができた。 ある年チマッチホールの外側北壁 一面に巨大なプレゼピオが飾られ、そ れは古材や藁、枯草を一面に敷き詰め られた馬小屋であった。きっと天国の スーハン神父様は“モーット、オオキ イモノ、ツクリタカッタヨ”とニコニ コ顔であろう。馬小屋にせっせと枯草 を拾ってきては足していた静かで穏 やかなお姿が今はとてもなつかしい。 尻枝神父様が、ローマから大事そう にお持ち帰られた小型の美しくも慎 ましやかなプレゼピオが聖堂内に飾 られるようになったがそれは精巧に造られたみどり児や天使で、全ての飾り 物は手にするとグンとした重みを感じた。天使を天上から吊すのに釣り用の テグスを使った時は慎重に天井の位置決めやライトの方角を決めて志立様が 釣り下げてくださり、ライトはボーイスカウトの青木リーダーが脚立に上っ て角度を当てた。飾られたその前で家族写真を撮る方が増え、クリスマスカ ードや年賀状にその写真が用いられたのを信者さんから何枚も頂く時、飾り 付けにと神学院の庭で枯草集めを手伝った時の思いが蘇り、教会でのクリス マスは私の身に溢れる喜びでいっぱいになってくる。 その昔、覗きからくりの大仕掛けプレゼピオを造ってびっくり仰天したロ ッシ神父様の思い出など、教会は私達に聖夜、静寂な夜を様々な思い出と共 に今年も静かに迎えようとしている。 5 チマッティ神父と調布教会 チマッティ資料館館長 コンプリ神父 戦後、調布にはカトリック施設がなく、1950 年移転してきたサレジオ神学 院が最初であった。その後、サレジアン・シスターズ、コングレガシオン・ ド・ノートルダム、カルメル会、汚れなきマリア会、シャルトル聖パウロ会 がやってきて、次々と教育事業を展開するようになり、サレジオ会の司祭た ちが各修道院を世話するようになった。初め十数名だった信徒は喜多見教会 に属していたが、ミサのためにサレジオ修道院のチャペルに通うようになっ た。1951 年ユース・センターが始まり、1952 年チマッティ神父が神学院の院 長となった。次第に信徒が増え、ユース・センターも盛んになり、専用の聖 堂の必要性が感じられていた。 1955 年、信徒のための新しい聖堂を建てる計画があった。その年、チマッ ティ神父の教え子だったサレジオ会の総長ジジョッティ神父が恩師の叙階 50 周年記念のために調布を訪れた。チマッティ神父が 1959 年 3 月4日の総長へ の手紙にこう書いてある。「ご存知のとおり、私の叙階 50 周年記念に際し、 信徒やユース・センターの子供たちのちょっとしたチャペル・ホールを建設す るため、教え子、友人、恩人たちに募金する許可を得ました。その時に集っ た資金で実現もできたでしょうが、困窮の状態であったため、私は主に向か って『主よ、まず私たちに子らのパンが必要です』と申し上げて、見送るこ とにしました。・・・しかし、今は、調布が町として発展し、信者も十数名から 100 名を超え、ユース・センターの子供たちも 300 人が登録しています。ドン・ ボスコの祝いに 6 名が受洗し、復活祭まではさらに4名が準備しています。 それで一つのアイディアが浮かび、その実現のために必要な許可をお願いい たします。主の栄光のためや、委ねられた魂の救いのために私が成し遂げら れる最後の事業であると思います。目立たないように宣伝し、主のお望みで あれば、実現したいと思います。そ れほど大きなことではありませんか ら、7 千、8 千ドルで足りるでしょう。 土地もあるのですから...」 その時チマッティ神父の頭に浮か んできたアイディアは、当時、倉庫 として使われ、以前も敷地内にあっ たヤマハ楽器の倉庫であった現在の チマッティホールをチャペルにする こと。倉庫は、戦前の建築だったし、 初代調布教会と、ヤマハ楽器倉庫 当時のユース・センターが使ってい た建物も、現在の運動場にあった元 6 工場の建物であった。当時私がユース・センターの会長だったので、春一番が 吹く時に溜まっていたほこりをよく覚えている。 1959 年はチマッティ神父が 80 歳を祝う年だった。その機会に恩人たちの協 力を願った。3 月 20 日、神学院の元院長だったロマーニ神父にこう書いた。 「新しいチャペル・ホールは、屋根、壁、床以外、何もありません。司教様 が小教区を任せてくださる夢が消えてしまったので、そのチャペルだけで満 足しましょう。」 この文書 からも分かるように、調布に 小教区が欲しかったが、当時、 東京教区は各修道会に一つ 以上の小教区を任せないと いう方針であった。もし小教 区が認められたのであれば、 チマッティ神父はより大き な計画を立てたであろう。 倉庫をチャペルに造りか えるための設計と内装は、 ヘ 祭壇と跪き台は神学院地下聖堂で使われている ンドリックス神父が準備し た。当時の祭壇の上に同神父が描いた最後の晩餐のフレスコ画は、現在の「チ マッティホール」図書室の奥に残っている。10 月末にチャペルがほぼ完成さ れていたが、落成式は 1959 年 12 月 20 日、ダルクマン管区長の祝福により行 われ、若者の模範にするため、聖ドミニコ・サヴィオに捧げられた。現在、 修道院の聖堂の入り口にある木彫の聖ドミニコ・サヴィオのご像は、当時、 このチャペルに飾られていた。チマッティ神父は、「感じの良いチャペルがで きた」とロマーニ神父に報告した。 このチャペルは、1967 年の終わり まで使われた。その年に修道院の現 在の聖堂が建てられ、信者は新聖堂 を使うようになり、チャペルは現在 の「チマッティホール」に変えられ た。そこにあった祭壇は、修道院の 地下聖堂に移され、現在もそこにあ る。この祭壇の上にチマッティ神父 も何回もミサを捧げたことがあり、 チマッティ神父直筆のカード 師が建てたチャペルの最後の思い出 「調布で信徒やユースセンターのため、 聖ドミニコ・サビオに捧げられた である。 新しいチャペル」と書かれている。 チマッティ神父が神に召されたの は 1965 年 10 月 6 日だった。当時、 7 調布教会はまだ喜多見教会の分教会であった。一応、書類はここに置いてあ ったが、維持費は喜多見教会に納めていた。調布教会が正式に小教区として 認められたのは 1967 年 10 月 6 日、チマッティ神父が天に召された 2 年後、 ちょうどそのご遺体が新しくできた地下聖堂に移された時である。 教会が小教区になる前に、修道院が信者を世話し、担当司祭を任命してい た。当時の洗礼台帳を見れば、ダルクマン神父、フィグラ神父、恵美神父、 タッサン神父、コンプリ神父、シモンチェリ神父が司牧を担当したことがわ かる。私は、1961 年に一年間担当し、まだ信徒名簿がなかったので、信者を 確認したり、名簿を作るために大変苦労したことを覚えている。1962 年、九 州へ転勤になったので、シモンチェリ神父が受け継いでくれた。その後、初 代主任司祭となった池田神父が担当した。 今後、新しい聖堂ができてチマッティホールが解体され、最初から敷地内 にあった最後の建物が消えるが、チマッティ神父や先輩たちの苦労を忘れて はならない。師は天国から自分が大事にした調布教会の信徒のために取り次 いでくださる、また地上にいる私たちはその模範を倣うようにしたい。 1月31日は、調布教会の保護聖人 聖ヨハネ・ボスコ司祭祝日で す。 調布教会では1月29日(日)に聖ヨハネ・ボスコを祝うミサを カステッロ教皇大使司式で行います。 またミサ後には、教皇大使様もご一緒に新年会を兼ねたパーティを開きます。 皆様のご参加をお待ちしています。 教皇大使様のプロフィール 教皇大使 アルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教 1942 年 7 月 5 日 モンテベッルーナ(イタリア)に生まれる 1966 年 9 月 11 日 司祭叙階 教会法博士 1973 年 聖座の外交活動を開始し、エクアドル、シリア、 コンゴ民主共和国、アメリカ合衆国で活動 2000 年 1 月 6 日 大司教に叙階される 2000 年∼2005 年 ギニア、リベリア、シエラレオネ、ガンビアの 教皇大使を務める イタリア語、英語、スペイン語、フランス語を話す 8 聖堂建設について 聖堂建設委員会 チマッチホールの厨房問題から始まった新聖堂建設計画(改修不能となっ たチマッチホールに代わり新たに聖堂を建設し、中間聖堂として使われてき た現聖堂を、厨房を備えたホールに改修)が、ようやく目に見える形となっ てきました。皆様からは数多くのご協力やご意見をいただき感謝しておりま す。 ここで5月の信徒総会以降の経緯と今後の方針・予定をご説明いたします。 1. コンセプトと基本構造(1 月∼7 月) 5 月の信徒総会にて昨年から検討してきました「祈りの場と交わりの場の再 構築」−地域の人々と交わり共に生きる教会−というコンセプトをご承認い ただきました。そして 5 月に國井健宏神父様をお招きして聖堂に対する考え 方の勉強会を開催しました。その後、建設委員会では、聖堂の基本的な構造 は「ローマ・ミサ典礼書の総則」を基本として、祈りの場としての聖堂はど うあるべきなのか、信徒の皆様のみならず地域の方々にとって「教会」はど うあるべきなのかなど、基本的なコンセプトについて話し合いを重ねてきま した。 2. 設計コンペ(7 月∼10 月) 私たちの聖堂、信徒ホールを設計するにあたり、ベストなプランを得るた めに設計コンペを開始しました。聖堂設計の実績がある事を前提に、皆様か ら寄せられた情報とインターネットで調べた 30 社の設計事務所の中から最終 的に9社へ参加の打診をしました。 コンセプト、聖堂基本構造、予算、規模を説明し、その結果7社から設計 案が提出されました。 10 月 9 日から 30 日まで、各社の考え方や模型を展示し、司祭、シスター、 信徒の皆様をはじめ、多くの近隣の方々にも投票していただき、ご意見を伺 いました。 その投票の結果は次の通りです。 A:21票、B:5件、C:49票、D:15票、E:31票、F:84票、 G:104票、(総数309票) この結果から聖堂建設委員会では C、F、G 案の3社を最終候補として選びました。3案 の外観と設計のポイントは次の通りです。 9 <C 案> 聖堂の主軸は周辺住宅街の環境と整合する角度をとっています。(前面道路 に直交する。)正十二角形の形状がシンボル性を高めます。道路に正対して鐘 楼を掲げ、そのことを強調します。前面道路から見る建物は、閉鎖的な壁の 表現ではなく、「できるだけ大きく世の中や地域に窓口を開いている」という 表情を大切にし、大屋根が人々をやさしく迎え入れ、包み込む表情を醸し出 しています。また正面は透明感があり、開放的で入りやすい雰囲気を大切に します。 <F 案> ・ 通りがかりの人がちょっと立ち寄ってお参りする例えば、巣鴨のとげぬ き地蔵さんのような、手で触ることのできる慈愛に満ちた小さなマリア 像を制作し広場に設置、 ・ 誰が見てもこれは教会だなと分かる形態 ・ 親しみと時間を経るごとに深みのでる空間 <G 案> 聖堂の造形は幕屋をイメージしている。 アプローチ側と神学院の方向それぞれに正面性のある教会らしい表情をつ くる。門の正面に塔を配置することで小教区教会独自の存在も示す。 3. 最終選考(11 月より開始) 今後、皆様からいただいたご意見をふまえ、コンセプトを現実の聖堂へど のように反映できるか、その可能性を 3 社と確認し、1 社を選定して行きます。 その際、「祈りの場としての聖堂」を確保できること(音、厨房からの匂いが 入らないなど、静けさを保てる場所であること)、信徒会館、ホール、聖堂前 広場などのスペースが信徒の皆様と地域の方々にとって活動しやすい場であ ること、建設後のメンテナンスが容易で、なるべく修理営繕費がかからない ことなどを特に考慮して、予算内で実現できるように検討していきます。そ して最も実現可能な1社を建設委員会で選んでいく予定です。 10 4. 皆様のご意見をお聞かせ下さい! 今回残った 3 案についての皆様の率直なご意見(この案はここが良いと思 う、この案のここが気になる、この案にこういうものを入れて欲しいなど) をお聞かせ下さい。また日々教会に奉仕しておられる皆様が、実際に活動す る上で現在不便に感じておられる事や必要と思われることなど、ご意見・ご 要望がありましたら、ぜひ建設委員会までお知らせください。(教会事務室脇 の建設ポストに入れていただくか、建設委員に直接伝えていただいても結構 です) また、建設委員会は、今後の経過をその都度ご報告していく予定です。 5. 現在までの醵金申し込み状況(平成 17 年 11 月 13 日現在) 醵金申し込み総額 申し込み件数 ¥79,594,000円 277件 皆様のたくさんのお申し込みに感謝しております。また、バザーやチャリ ティーコンサート、さらにご寄付など多くの皆様のご協力によりこの建設計 画が進行しています。 しかし、予算の 1 億 5 千 5 百万円にはまだまだ不足しています。信徒皆様 の一人ひとりのご協力により新聖堂建設が実現に向かって一歩一歩進んで行 きます。今後ともご協力をよろしくお願いいたします。 6. 資金計画 単位:千円 項 目 信徒醵金 バザー売上 ボランティア活動 お墓販売 一般会計より振替 合 計 不足額 金 額 79,000 10,000 10,000 6,000 10,000 115,000 40,000 期 間 1,000 千円/年x10 年 1,000 千円/年x10 年 600 千円/年x10 年 1,000 千円/年x10 年 11 7. 今後のスケジュール(参考) 5月の信徒総会にて以下のように提案しましたが、その後の検討により見 直しを行っています。 時 期 平成 18 年1月末日 2 月 19 日 ∼3 月末日 4 月 17 日 11 月 平成 19 年 2 月 項 目 詳細設計完了 施工会社候補選出 信徒総会 詳細設計承認 施工費合い見積もり 費用低減化検討 復活祭以降に着工 ホール取り壊し 献堂式(聖堂引越し) ホール改修竣工(信徒総会) 12 備 考 見直し中 あしあと(6月∼11月) サレジオ6教会連合の集いに参加して I.H 7月 17 日(日)13 時半より碑文谷教会で開催。本年で 36 回目の開催。前 半は聖体賛美式、歓迎挨拶等があり、後半は懇親パーティーが行われました。 調布教会より横山教会委員長以下 20 数名が参加。 親睦パーティーでは、他教会の方々とも交流を深め、楽しい一時でした。時 には他教会の聖堂見学、会合参加、信徒の交わりも新しい感覚や発送を植え 付けてくれる良い機会と思います。来年は三河島教会で開催予定。 多摩東宣教協力体合同ミサ 7月 18 日(月)に多摩東宣教協力体合同ミサが府中教会にて行われました。 その日は海の日にふさわしく、とても暑い日でしたが、調布教会からは浦田 神父様をはじめ約 40 名が参加し、多摩教会の加藤神父様の司式、府中教会の フォークバンドによる、まさに協力体にふさわしい熱気あふれるごミサでし た。ミサ後は、府中教会の名物「流しそうめん」のもてなしを受けながら、 ビールやジュースを頂き、親交をあたためました。 「調布教会野尻湖サマーキャンプ 2005」に参加して T.R 7月 29 日から、8月1日まで調布教会子供サマーキャンプにリーダーとし て参加しました。毎年参加していますが、私自身のことに関して言えば、今 年のキャンプは去年までとは明らかに違っていました。 それは、初めて「野尻の自然は素晴らしい!」と心から感じることが出来 たからです。勿論、野尻湖は毎年きれいでしたが、それよりも次にやること で頭が一杯だったり、何となく疲れて、緊張していて野尻の自然を楽しむ余 裕などありませんでした。 しかし、今年はひとりでやるつもりだった仕事を青年リーダー達が率先し て引き受けてくれたり、私自身、こころのゆとりが出てきたためか、4日間 が本当に楽しく過ぎていきました。学生のリーダーにその事を話すと、「自分 が楽しいと思わなければ、子供も楽しませられないよ」と言われ、その通り 13 だと思いました。夜遅くまで一緒にスタンツの台本を作ったりしながら、若 い学生リーダー達を本当に頼もしく、また、身近に感じられた4日間でした。 皆で仕事を分かち合うことや、心から楽しむゆとりを持つことの大切さは、 一所懸命で肩に力が入っていた頃には見えていないことでした。 先日、中高生会の子供たちと話しているときにキャンプの話題になりまし た。すると、ある子が、「サマーキャンプは本当に楽しかったね。リーダー達 はいつも私たちのために遅くまで色々準備をしてくれていたね。あのゲーム は本当に楽しかった!」と言ってくれました。それを聞いて私は、リーダー 達が一生懸命準備したゲームのことを子供たちがいつまでも忘れずにいてく れることを嬉しく思いました。それは「蒔いた種が育っている」ということ でもあると思います。 漫然とではあっても、子供たちは楽しかった思い出の中に、神様の呼びか けを感じているはずだからです。青年リーダー達が成長したように、今度は この中高生たちが与える側になっていくことでしょう。そして、日曜学校の 子供たちの中にも、いつか私たちと一緒に働いてくれる子供が出てくること と思います。 サマーキャンプのような行事を通して教会の中での縦の繋がりがより深ま り、教会に貢献できる青年が育っていくように、皆様これからもお祈りをお 願いいたします。 中高生会キャンプ報告 岡本大二郎 8 月 23 日から 26 日までの 4 日間、中高生会は、野尻湖でキャンプを行いま した。同じ多摩東宣教協力体に属する多摩教会の中高生会との、初めての合 同キャンプでした。多摩教会からは、主任司祭代行浦野雄二神父様(加藤神父 様はケルンでの WYD 引率中でした)はじめリーダー4 名、中高生 6 名、調布教 会からは、リーダー5 名、中高生 5 名、あわせて 20 名が参加しました。野尻 の自然を満喫し、よく食べ、よく泳ぎ、よく遊び、よく笑い、よく眠りまし た。もちろん、毎朝のミサと、祈りを忘れることなく、毎晩、寝る前には聖 書学習がありました。 すでに秋の気配が濃厚で、台風も接近中でしたが、肌寒さも台風も中高生 の若さで吹き飛ばし、予定した企画は、すべて行うことができました。打ち 解けた、心地よい雰囲気の中で、参加した中高生も、リーダーたちも、普段 と違った環境の中、新しい仲間との出会いの時を経験し、キャンプのテーマ 通り、「自分を知り、友を知り、キリストを知る」4 日間となりました。 皆様からは、経済的に多大のご援助をいただきました。心より感謝申し上 14 げます。来年度は、府中教会の中高生会にも参加を呼びかけ、協力体の三教 会合同でのキャンプを行う計画です。引き続き、お祈りとご協力をお願いい たします。 参加した高校生の感想 私たちは、8 月 23 日の朝、調布を出発しました。調布から野尻湖までとて も長かったです。私たちは、車の中で、ダウトをやりました。私はいつも負 けたけど、楽しかったです。野尻についたあとのオリエンテーションの日本 語が、ぜんぜんわからず、ちょっとつまらなかったです。夕食の後、湖にき もだめしに行きました。こわかったです。テーブルの下に人がいて、私の足 をつかみました。びっくりしました。その後で、聖書を勉強しました。その ときに私はたくさんのことを学びました。24 日に、私たちは 7 時に起きまし た。7 時 30 分からミサがありました。朝食後、体育館に行き、スポーツをし ました。午後は、湖で泳ぎました。夜は花火をしました。いろんなことをし て、とても疲れましたが、とても楽しかったです。その晩も聖書を勉強しま した。25 日も朝、ミサがあり、午前中、寒かったけど泳ぎました。お昼は、 ピザ・レストランに行きました。おいしかったです。6 時からバーベキューを しました。焼肉を食べました。その後、ゲーム大会がありました。たくさん のゲームをやりました。リーダーのチームが、私のチームに負けて、次の日、 お風呂場の掃除をしました。面白かったです。最後の日は、朝ごはんを食べ、 掃除をして、ミサをして、管理人さんにあいさつをしました。キャンプはと てもたのしかったです。たくさんのことを学びました。来年もキャンプに行 きたいです。Brodie(ブロディー) 青年会キャンプ U.R 去る8月 26∼28 日の二泊三日、青年会は恒例の野尻湖キャンプを行いまし た。 参加者は浦田神父様と須藤神学生を含む男性8名と女性4名の計 12 名。少 し肌寒い風の吹く野尻湖で、泳いだり語り合ったり、楽しい三日間を過ごし ました。 青年キャンプの主な目的は、リーダーとして参加する日曜学校のキャンプ とは違い、何の予定もなくただそこにある時間を自由に過ごし、羽をのばす ことです。またこのキャンプは、普段は週に一度しか会わない仲間と共に遊 び、食事し、語ることでさらに仲を深めることができる貴重な場でもありま す。 15 今回私たちは浦田神父様に参加して頂き、聖書の一節を読みそれについて 感じたことを一人一人が語り合うという分かち合いの時間を設けました。と ころが私が面白いと感じたのは、その分かち合いの時間以外にも、一つのテ ーブルを囲んで食事をしている時に、ふと誰かが言い出した「聖書について の疑問」について、思い思いに語ることができたことです。 その疑問とは、例えばマリアとマルタの話で「何故マリアが褒められ、マ ルタが叱られたのか」ということだったり、「主人から1タラントンをもらっ てそれを埋めた召使は何故いけないのか」ということだったり…わかってい たつもりでもなんとなく理解できていなかったことを素直に質問したり、意 見を言ったりすることができました。(ちなみに私が感じていた疑問は、浦田 神父様の解説により 99%解けました。) 普段の活動中ではなかなか話題になりにくい聖書や神様についての話も、 キャンプ中は気軽に語ることができるしすぐに神父様に話を聞いて頂けるの で、そういう意味でもこの二泊三日はとても意味のある期間だと思いました。 と、固い話をあえて交ぜましたが、実は青年会のキャンプは基本的には遊び です。というより、徹底的な息抜きです。メンバーの日常の「学生」や「社 会人」といった枠を外し、思い切り自然の空気を吸い、子どものようにはし ゃぐ場です。ドン・ボスコは常に言っていました。 『喜びなさい!』 敬老のお祝い 9月 18 日(日)、75 歳以上の方を対象に 敬老のお祝いをいたしました。 ミサの中では病者の塗油も行われ、教会 の諸先輩方の健康をお祈りし、ミサ後はチ マッチホールに場所を移してお食事やM 様の手品、合唱と楽しい一時を過ごしまし た。 バザーを終えて バザー実行委員長 K.T 10 月 30 日に「カトリック調布教会・サレジオユースセンター合同大バザー」 が開催されました。神父様・信徒の皆様方をはじめ各修道会のご協力を賜り、 16 天候にも恵まれて大成功に終わりました.今年は「地域に開かれた教会建設 をめざして」をテーマに、教会建設委員会が準備して頂きました新聖堂建設 コンペのモデル展示ならびにアンケート投票も行われ、テーマに相応しい企 画となりました。バザー出店 も例年を上回る出店者数の 応募があり、各店舗とも新し い企画や商品を取り揃えて いただいたり、毎年のことで すが信徒の皆様方からは寄 贈品や古着をご提供いただ き、教会全体で一致してバザ ーを盛り上げて頂きまして 誠にありがとうございまし た。来場された近隣の皆様か らも「毎年楽しみに来ていま す」とのお声を頂き、まさに 「地域に開かれた教会活動」として継続していく意義があるイベントとなり ました。この結果現在最終集計中ですが、バザー売上・剰余金とも例年並み の実績を上げることができました。これもひとえに主任神父様をはじめ、そ れぞれの立場でバザーにご協力頂きました数多くの信徒の皆様方のご支援の 賜物と感謝しております。バザー実行委員会も今年はメンバーの多くが入れ 替わり、不慣れな面から種々ご迷惑をお掛けしたと思いますが、今後のため に「バザー実行マニュアル」の作成を行い、来年以降もバザーが意義あるイ ベントとして継続できるようにいたします。皆様方からもバザーに関するご 意見等がございましたら承りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。 末尾ではございますが、ご協力誠にありがとうございました。 バザー手芸 I.Y 今年のバザーの手芸は新しい試みで、5 地区と手芸の会が担当しました。手 芸の会とは、単に手作りが得意という人たちの集まりではなく、聖堂内の座 布団や、献金箱、祭壇布など、教会で必要なものを作る、教会の主婦の役目 をするために作った集まりです。 新聖堂建設計画が本格的に始まった頃、新聖堂建設のために“私に出来る こと”というアンケートがありましたよね。そのときに考えました。「小さな 私たちに何ができるかしら?」って。手芸の会のメンバーは同じ事を考えま した。「皆でこつこつ作ったものを買ってもらい、僅かでも資金面で協力した 17 い。」と、言う訳で、春から毎週火曜日、マリア会室は小さな工房になりまし た。手芸が得意な人、得意でない人、それなりの人、参加することに意義が あるという感じのスタートでした。そのうち、能ある鷹が爪を出し始め、講 習会も企画。“ハンギングバスケット”“手作り帽子”等の講習会には沢山の 方が参加して下さいました。バザーが近づいた頃、若いお母さんたちの手芸 が別のグループで始まり、都合のよい時間に集まり、楽しそうに作業をして いました。まさに、老いも若きもと言ったところです。そんな訳で、バザー の日の手芸コーナーには沢山の作品が並びました。嬉しかった事は、火曜日 には都合が悪く、手芸の会には参加できないけど、家で作ったエプロンとか、 バッグをバザーに出して下さった方達もいらした事。 毎週火曜日にこの小さな工房に集まってくる人たちはとにかく楽しいユニ ークな人たちばかり。笑いの中から突拍子もないアイデアが次々と生まれて くるのです。バザーは終わっても、手芸の会は“to be continued”。火曜日、 お近くにお越しの節は、是非マリア会室にお立ち寄りください。手芸が得意 な方も、猫の手志願の方も、お茶を飲みながらアイデアだけを出してくださ る方も、大歓迎です。頂いたタレントを精一杯使いましょう。もしかしたら、 自分でも気がつかなかった才能が…。 クリスマスは教会へ・・・ クリスマス 12 月 18 日(日) ∼ 年始のミサ 8:00∼ 待降節第4主日 〃 (共同回心式があります) 17:00∼ 子供向けのミサ 19:30∼ 主の降誕前夜祭(洗礼式があります) 24:00∼ 深夜ミサ 8:00∼ 早朝ミサ 10:30∼ 主の降誕 (新司祭による初ミサがあります) 24:00∼ 大晦日のミサ 10:00∼ 12 月 24 日(土) 12 月 25 日(日) 12 月 31 日(土) 2006 年 1 月 1 日(日) 8:00∼ 神の母聖マリア(元旦ミサ) 10:30∼ 〃 18
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