工業熱力学演習問題

工業熱力学演習問題
平成 27 年 12 月 17 日 (木)
各問題は 10 点。
【問題 1】
次の文章の空欄を埋めよ。
熱は静止した物体内を伝わる。これを a)
といい、熱流束は、 b)
に比例する。一方、熱は運動する物質とともに移動する。これを c)
いい、熱流束は、 d)
と
に比例する。もう一つは、熱が物質の介在なし
に伝わる。これを e)
といい、熱流束は、物体の f)
熱の放出と吸収とい熱交換で決まる。
に比例した
【問題 2】
金 属 の 四 角 い 板 が あ り、そ の 一 部 は 、
板 の 端 と 平 行 に 温 度 分 布 。他 の 一 部 で
は 、板 に 端 に 直 角 に 温 度 分 布 が あ る 。
この板の端と平行な温度分布をしている端
は、どのような条件で平行な温度分布を作
り出しているか?板に直角な温度分布はどの
ような条件で起こっているのか説明せよ。
【問題 3】
面積が 2.50m2 で厚さ 150mm の耐火物の板がある。この板の裏面温度を測っ
◦
たところ 453K であり、板の表面温度は 35.0 C であった。このとき,耐火物の
熱伝導率が 8.52mW/mK として耐火物の表面から逃げてゆく熱量を求めよ。
工業熱力学演習問題解説
平成 27 年 12 月 17 日 (木)
【解説 1】
完成した文章にする。
熱 は 静 止 し た 物 体 内 を 伝 わ る 。こ れ を a) 熱伝導 と い い 、熱 流 束 は 、
b) 温度勾配 に比例する。一方、熱は運動する物質とともに移動する。これを
c) 熱伝達 といい、熱流束は、 d) 温度差 に比例する。もう一つは、熱が物質の
介在なしに伝わる。これを e) 熱放射 といい、熱流束は、物体の f) 温度の 4 乗
に比例した熱の放出と吸収とい熱交換で決まる。
a) 熱伝導, b) 温度勾配, c) 熱伝達, d) 温度差, e) 熱放射, f) 温度の 4 乗
【解説 2】
板の端と平行な温度分布をしている端は簡単にわかるように等しい温度の端
になっている。つまり、等温度境界である。一方、端に垂直な温度分布があ
るときは、等温度線に垂直に熱が流れるのでこの端から外に出て行ったり中
に入り込む熱の流れはないという事になり、断熱条件となる。
平行な温度分布では等温度境界。垂直な温度分布では断熱境界。
【解説 3】
熱移動量 q は,フーリエの法則から求められる。熱伝導率 λ、熱移動量 q を
用いて、面積が A で厚みが ℓ の耐火物では
耐火物 : Q = Aλ
t1 − t2
ℓ
となる。これから Q を求める問題となる。である。
熱移動量 20.6W