化学物質過敏症 私の方法 マルガリータ 第3章 過敏性を下げる 目次 ······································································· 1 〔1〕食事について(2005.3.22)·············································· 2 〔2〕栄養補助食品(サプリメント) (2005.3.29) ······························ 5 〔3〕運動(2005.4.7) ······················································ 8 http://www14.plala.or.jp/margarita/ 2006年10月12日 発行 著者 マルガリータ 発行 mmmECLIPSE C 2004-2006 ○ 3-1 Margarita 第3章 過敏性を下げる 〔1〕食事について ○ 原則 食物は体に栄養を与え、体が正常に機能するのを 助けます。栄養が不足すると、体の機能は低下しま す。CSになると、体に合わない食品・食べられな い食品が増えてきますが、うまく工夫して栄養をと るようにしましょう。CSは治療法が確立していな い病気なので、「この食事法がCSに効く」というも のはまだありません。ただ1つCS患者に共通して いるのは、「有害なものを取り入れないようにする」 ということだけです。CS患者が食事をする上で大 切なのは次の2点です。 ・栄養をとる ・自分にとって有害な食品をさける この両者のバランスを取ることが大切です。どちら か片方にバランスが傾くと、体調を悪化させます。 私は2003年3月頃から、それまで行ってきた 食事法をやめ、一転して別の食事法を試してみまし た。すると、この食事法が実に私の体には合ってい たらしく、CSがめきめきと回復しました。びっく りするほどの回復ぶりでした。この体験を書くこと で、CS患者がそれぞれ自分にあった食事法を見つ けるための手助けになるのではないかと思います。 ○ 以前の食事法 私は14歳の時にCSを発症し、その後14年間 病名がわかりませんでした。常に体調が悪かったの ですが、これといった治療法も見つからずに来てし まいました。もともとアレルギー体質があったので、 1990年頃からアレルギー医の勧める食事法を取 っていました。その内容は次のようなものです。 ・アレルギー反応を起こす食品を避ける。 ・炭水化物(米)・野菜を中心に食べる。 ・動物性タンパク質は少量にする。 ・卵・牛乳は基本的に摂らない。 ・脂肪はごく少量にする(1日10g以内) ・添加物・有害物質(抗生物質など)を避ける。 私はこのような食事を12年間くらい忠実に行って いました。本でよく調べて、添加物・抗生物質など をきちんと避けるようにしていました。抗生物質や 有害物質を取らないようにするために、自然と動物 性食品は取らなくなりました。食物連鎖で、有害物 質が体内濃縮しているのが心配だったし、肉類はそ の育てられ方が問題になります。米・野菜は有機栽 培のものにしました。当時はアレルギー食というと このスタイルが典型的なものだったと思います。ま 3-2 た、「粗食・少食が健康によい」という内容の本を読 んで、量をあまり食べないようにしていました。こ の食事法によって、アレルギーはほんの少しはよく なったような気がします。CS症状の方は(当時はC Sとは気づいていなかったので、当時を振り返って みて)、ほとんどよくなりませんでした。 ○ 新しい食事法との出会い 2003年2月頃、図書館でかりた2冊の本が、 私の人生の大きな転換点になりました。1冊は、 「注 意欠如障害(ADD)」の患者のための本です。 『わか っているのにできない脳1・2』(ダニエル・エイメ ン/著,花風社/刊)。私はADDではありませんが、 この本に出てくるADDの症状は、当時の私の症状 によく似ていました。「注意力が足りない」「集中で きない」「考えようと思っても頭が働かない」「物忘 れがひどい 」 。当時、私は常に頭がぼんやりして うまく考えられず、頭に霧がかかったような感じが していました。化学物質に対する過敏性が下がらな いまでも、せめてこの頭の霧だけは晴れてくれない だろうか、もっと自由に物事を考えられるようにな らないだろうか、と思いました。この本にはADD 患者の脳の血流量の画像(SPECT)がいくつも載 っていました。患者は皆、集中しようとすればする ほど、脳血流量が低下してしまうのです。私もまさ にその症状であり、脳血流量の低下が思考力の低下 を招いているのだと思いました。脳血流量が低下す るのがなぜなのかわからないにしても、私にも同様 の症状が起きていることは明らかでした。 この本には、様々な角度からADDを治すための 治療法が書いてありましたが、その中でとりわけ私 の目を引いたのは食事法です。その内容は次のよう なものです。 ・毎食必ず動物性食品を摂る。 ・砂糖・甘いものを摂らない。 ・脂肪を摂る(脳が活動するのに必要)。 ・未精白の穀物を摂る。 ・野菜を摂る。 ・間食を摂り、栄養を補給する。 そして、その本にはおすすめメニューが書いてあっ たのですが、それは、今まで私が決して摂らないよ うにしていたものばかりでした(例:卵・牛肉・チー ズなど)。また、あまり摂らないようにした方がよい もののリストは、それまで私がよく食べていたもの ばかりです(例:ジャガイモ・トウモロコシ・白米・ 食パンなど)。つまり、これまでの私の食事と180 度違うものだということです。 ○ 私を導いてくれたもう 1 冊の本 同時期にもう1冊の重要な本、 『脂肪を燃やすトレ ーニング』(藤原裕司/著,宝島社/刊)を読みまし た。この本には役立つ内容が書かれていそうでした。 この本はトライアスロンの選手が書いたトレーニン グのための本です。偶然、同時期にまったく違う分 野の2冊の本を読んだのですが、書かれている食事 法はほとんど同じでした。 『脂肪を燃やすトレーニン グ』に書かれている食事法の内容をまとめると次の ようになります。 ・炭水化物:タンパク質:脂肪の摂取量をカロリー 比で4:3:3にする。(平均的な日本人は75: 15:10。) つまり、タンパク質・脂肪の摂取 量をこれまでの2倍に増やす。 ・未精白の穀物を摂る。 ・砂糖・甘いものを摂らない。 ・野菜をたくさん摂る。 ・間食をする。 これが脂肪を効率的に燃やすための食事法です。こ の本には、不適切な食事によって起きる症状が書い てありましたが、当時の私の症状によく似ていまし た。私は、いつも胃の調子が悪く、食前には気が遠 くなりそうなぐあい悪さを感じ、食後はぐったりし ていました。食事の量も一度に少ししか食べられず、 一日中空腹感がとれませんでした。これらの症状が、 この本にそのまま書かれていました。このような症 状が取れるのなら、この新しい食事法を試してみた いと思いました。 それまでとはまったく正反対のことをするわけで すから、最初は少し戸惑いました。しかし、それま での食事法は12年間やってきて特に効果がなかっ たので、 「ここいらで新しいことをやってみるのも悪 くない。もしやってみて効果がなければ、もとに戻 せばいいんだし…」と考え、やってみることにしま した。 ○ 調理の工夫 それまでとは違う食材を試すので、CS的に工夫 が必要でした。動物性食品は体に合わないものが多 くて、それまでほとんど食べなかったからです。ま ず、食材そのもののにおいがダメなものが多かった ので、大丈夫なものを見つけるのに手間と時間をか けました。包装を開けたとたん刺激を感じるもの、 火にかけると刺激を感じるものがあり、それをうま く避けなければなりません。私は第1章〔2〕-a にも書いたとおり、ここ2年くらいは「(反応が起き なかったとしても)体に悪そうなものは原則として 禁止」という方法はとっていません。CS反応が起 きるものだけを避け、それ以外は、食べられるもの は何でも食べています。調理中や食事中に刺激を感 じたりぐあい悪くなったりしない限り、何でも食べ ているということです。 3-3 刺激のある食品は、よく、庭にポータブル・コン ロ(ハロゲン・コンロ)を出して、下ゆでしてから調 理しました。家の中で下ゆですると、湯気が上がっ て部屋中に刺激臭が充満してしまうからです。とに かく工夫して食べられるものを増やし、食べられる だけ食べました。新しい食事法を試し始めてから3 ヶ月くらいは、一日が食事の支度だけで終わってし まった感がありました。しかし、食事の準備をする のは「生きることそのもの」という感じがして楽し かったです。 ○新しい食事法の効果 その食事法をはじめて、たったの1週間で劇的な 変化がありました。以下のようなものです。 ・視野が明るく広くなった。 ・物事をよく考えられるようになった。 ・物忘れしなくなった。 ・反射神経がアップした。 ・体が軽くなり、動きやすくなった。 ・精神が集中できるようになった。 ・車酔いしなくなった。助手席で地図を見ても平気 になった。 ・不眠症は完治。朝までぐっすり眠れるようになっ た。 ・食前・食後の体の不調が治った。気が遠くなった り眠くなったりしない。 ・気分がよくなり、何もかも楽しくて仕方がない。 不眠症が治ったのは本当にうれしかったです。そ れまでは朝までゴロゴロ寝返りを打っていて眠れな かったのですが、まったく変わり、寝床についたと たん寝つき、朝までぐっすり寝られるようになりま した。よく寝られる幸福というのは何物にもかえが たいものです。健康の源です。反射神経・運動機能 の回復もめざましかったです。それまでははっきり 言って「どんくさい」。ものをぽろぽろ落としたり、 うまく運べなかったりしていたのですが、それが回 復しました。夫が物を放っても、パッと受け取れる ようになりました。物がテーブルから落ちそうにな っても、さっと手を伸ばしてとれるようになりまし た。 「どんくさい」のは生まれつきではなかったよう です。車酔いしなくなったのも驚きました。それま ではただ助手席に乗っているだけで、すでにぐあい 悪かったのですが、風景を楽しめるようになったし、 細かい字を読んでも平気です。CSの人は車酔いし やすい人が多いみたいですが、車酔いしなくなった というのは、回復の1つの指標といってもよいので はないでしょうか。 ○ 気分が明るくなった 気分の変化は最もうれしかったことです。それま では、どんより暗いというか、物憂げというか、何 も考えていないというか、無感動な感じでしたが、 食事を変えてからは、何もかもが楽しくて仕方ない のです。口の端が自然に上に上がっていました。脳 内麻薬が次々出てくるという感じです。この時は「こ んなに幸せなら、病気なんて治らなくてもいいので はないか」と思うほどでした。このような変化は、 新しい食事法を始めてからたった1週間のうちに起 きてきました。びっくりするほどの効果です。その 後も同じように続けたら、CS症状はどんどん回復 していきました。日用品に対する過敏性が一気に下 がり、使える物が増えていきました。この食事法が 私には合っていたのでしょう。最初の3ヶ月は、そ れまで不足していた栄養素がどんどん体に吸収され ていく感じがありました。乾いた土に水がしみこむ ような感じです。食事量もそれまでの2倍は軽く食 べていました。夫の1.5倍くらいの量です。何を 食べてもおいしいし、いくらでも食べられました。 幸せでした。 ○ 原理 なぜこんなにも、新しい食事法が功を奏したので しょうか。今振り返ってみると、つまり、10年以 上自己流のアレルギー食をしてきて、本来体に必要 な栄養が枯渇してしまっていたのでしょう。そのた め神経伝達や運動機能に必要な栄養が補給されず、 症状を起こしていたのだと思われます。その不足し ていた栄養が一気に体に入ったので、劇的な回復が 起こったのです。要するに、アレルギー食は私の体 質には合っていなかったのに、それを長期間漫然と 続けてしまったことに問題があったのです。自分か ら考えずに無批判に、何となく1つの食事法を続け てしまったこと、それを徹底してやったこと、極端 な食事法であったことが栄養バランスの不調和を招 き、体力の低下を起こしてしまっていたのです。ま た、2001年にCSが重症化してからは、反応を 起こす食品が一気に増えてしまい、これが栄養不足 に拍車をかけました。 ○ 人によって合う食事法は違う ここで1つ断っておきたいのですが、私はアレル ギー食そのものを批判しているわけではありません。 この食事法のおかげでひどいアレルギー症状から回 復した人もいます。ただ、その食事法が私の体質に は合っていなかったということです。また、私が行 った食事法が万人に合っているとは思いません。私 にはよい食事法でしたが…。 年齢によっても適した食事法は違ってくるでしょう。 やはりその人その人の体質にあった食事法がそれぞ れあるということです。 私が自分の体験から導き出したことは、次のよう なことです。 3-4 1.人によって合う食事法は違う。いろいろなもの を試して合うものを見つけた方がよい。 2.効果がない食事法を漫然と続けない方がよい。 3.極端な食事法(ある食品を一切取らないなど)に はリスクがある。 4.1つの食事法を続ける時は、長期的な影響にも 留意した方がよい。 ○ 病から回復した女性の例 私の知り合いの例を一例引きたいと思います。こ の人は年齢が60歳くらい。女性。3年くらい前か ら寒気やのぼせがひどくなり、気分もふさぎがちで、 ぐあいが悪くて仕方がなかったそうです。(この方は CSではありません。) 病院では診断がつかなかっ たので、代替療法をいろいろ試してみましたが、は かばかしくありませんでした。そんなとき、人から 勧められて玄米正食を試してみたら、はじめの1週 間で急速に回復し、その後もぐんぐん回復して体調 がよくなっていきました。その頃は人に会うたびに、 「私はよくなったの。体の調子がよくてうれしくて 仕方がないの。」と言っていたそうです。3ヶ月たっ てすっかりよくなったのですが、玄米正食はそのま ま続けていました。その人は、玄米正食を紹介して くれた人から「体がよくなったら元の食事に戻した 方がよい」と言われていたのですが、こんなに体に よい食事なら続けた方がよいと思って、自己判断で 続けていました。そうしたら、まただんだんぐあい が悪くなってきてしまいました。紹介してくれた人 の二度目の忠告で、今度は本当に玄米正食をやめ、 元の食事に戻しました。その後、その人は何の問題 もなく、健康なままで現在まで暮らしています。 ○ 1 つの方法に固執しない 私の知り合いの医師が次のようなことを言ってい ました。「治療食はいつまでも続けるものではない。 治ったらやめた方がよい。1つのものに執着しない で、その時々に体が欲するものを食べるとよい。 」私 もこの意見に賛成です。食事法を書いた本には、 「こ の方法は万能だ。一生続けていきなさい。」というよ うなものが多いように思います。食事法が1つの信 仰のようなものになっている感じです。 「食事法」と いうのは本来、人間を強く引きつけてしまうものな のでしょう。特に、病気になってしまった人の思い 入れは、強いものがあります。しかし、私の体験か ら、1つの食事法に固執しない方がいいと思います。 ○ 人生観の変化 私は新しい食事法を始めてから3ヶ月ほど経過し たら、それまでの大量食いは一段落して、普通の人 と同じ食事量に戻りました。不足していた栄養が充 足したようでした。その後も同じ路線で、ときどき 変化を加えながら食べています。新しい食事法は、 私の人生観にも変化をもたらしました。それまでは、 食事に執着せず、あっさりと生きていくのが理想で したが(そのため「粗食」や「少食」の考え方に同調 していました)、新しい食事法を試してからは、人生 の楽しみが増えたという感じがしています。食べ物 がこれほど私の生活を豊かにしてくれるとは思いま せんでした。以前の”うすい”暮らしよりも、生活 のあらゆる面に積極性が出てきました。いろいろな ことを以前よりも楽しめるようになりました。食べ ることそのものが人生の喜びです。私はこの暮らし をとても気に入っています。 ○ 様々な食事法 世の中には様々な健康法・食事法があふれていま す。書店や図書館の書棚をみると、実に数多くの食 事法が目にとまります。それらは1つ1つが独特で、 正反対な内容の物もあります。例えば、一方では「砂 糖は体によくないから 摂らない方がよい」と書いて あり、もう一方では「砂糖は脳に栄養を与えるから 摂った方がよい」と書いてあったりします。健康に なるための食事法は、私が調べた限りでは次のよう に分類できます。 ・ある病気の治療のために考え出された食事法で、 研究によってある程度効果が確認されているもの (例:糖尿病食) ・上記のものを特定疾患以外の人々にも勧めるもの ・ある研究から派生したもの (例:動物実験の結果を人間に当てはめたもの) (例:細胞レベルでの実験結果を人間に当てはめ たものなど) ・医師が臨床上経験的につくり上げたもの ・個人が実体験によりつくり上げたもの ・個人の思想からつくり上げたもの ・宗教の教義などから派生したもの ・民間伝承などから派生したもの ・上記の様々な食事法が分裂したり融合したりして できあがったもの いろいろあるので、どれが正しいのか適切なのか迷 ってしまいます。食事法についてのいくつかの本に は、 「この方法が一番すばらしい。誰もがこの方法を 採用すれば健康になれる」という書き方をしていま す。しかし、人によって体質・持って生まれたもの は違うので、すべての人に適した食事法というのは ないのではないかと私は思っています。人それぞれ、 その人に合う食事法は違うのではないでしょうか。 よい食事法の見つけ方 以下が、私が提案する、自分に合う食事法を見つ ける方法です。 1 いろいろな食事法の考え方に触れ、数多く試して みる。(様々な食事法を調べるための方法は第5 章{資料を活用する}を参考にして下さい。) 2 ある食事法を試してみて効果があるなら続ける。 効果がなさそうならやめて次のものを試す。 3 その時々の体の状態に合う食事法を採用する。 4 極端な方法(ある食品を一切取らないなど)に注 意する。 食べ物は「薬」です。体に合う食べ物・不足して いる栄養をとると、体中にエネルギーがしみ込んで いく感覚があり、活力が湧いてきます。自分にあっ た食事法を見つけていって下さい。 〔2〕栄養補助食品(サプリメント) ○ ビタミンの効果を実感した出来事 2002年10月に、CS患者を診ている開業医 のところに診察を受けにいきました。まずひととお り問診を受けた後、 「ビタミン剤の点滴」をすること になりました。その医師はこれまでもCS患者にビ タミン剤の点滴を行ってきており、それなりに効果 を上げているようでした。 3日間通って2時間ずつビタミン剤の点滴を受け ました。総合ビタミン剤だったと記憶しています。 まず、1日目の点滴が終わった時に、自分でもびっ くりするくらい体に活力が湧いてきて、気分がよく なりました。その頃、私はまだ体調がとても悪く、 家から病院に行くだけでフラフラになってしまって いたのですが、帰りは足取りも軽く楽に帰ることが できました。夫が付き添ってくれましたが、夫も私 の変わりぶりに驚いていました。翌日までにビタミ ン剤は体から排泄されてしまったらしく、また、だ るくて元気のない私に戻ってしまいました。 2日目、3日目は夫の付き添いなしで、私一人で 車を運転していきました。行きはつらいのですが、 帰りは楽ちんです。3日間点滴をして、ずいぶん元 気になりました。しかし、やはり、ビタミン剤が排 出されるに従って、その効果は消えていってしまい ました。 ○ サプリメントを飲む 私がビタミン剤で著しく効果が出るタイプだとい うことを見て、医師は経口でビタミン剤を取るよう に勧めてくれました。この時の処方は次のようなも のでした。 ・総合ビタミン・ミネラル剤を摂る。 ・ビタミンCを1日4000mg摂る。 ○ 3-5 総合ビタミン・ミネラル剤は、1992年頃から1 0年以上飲み続けていたので、それをそのまま続け ていくことにしました。新たにビタミンCを400 た効果は次のようなものです。 0mgずつ飲むことにしました。それまでもビタミ ンCを単体で飲もうとしたことは何度かあったので ・だるさが軽くなり、体を動かしやすくなった。 すが、胃の痛みが強く出るので飲めずにいました。 ・胃弱だったのが、前より胃が丈夫になった。 しかし、点滴でこれだけ効果があるということが解 ・肌が丈夫になった。(それまではカサカサしてかぶ ったので、胃が痛くなったとしても我慢して何とか れやすかった。) 飲んでいけないかと考えました。市販のいくつかの ・気分がよくなった。 ビタミンC剤を試した結果、1種類だけCS反応が 起こらず胃にも刺激が少なそうなものが見つかりま このビタミンC療法と合わせて、前項で書いたよう した。 に、2003年3月から新しい食事療法を始めまし 飲み始めて最初の1週間は猛烈な胃の痛みでした。 た。その療法が功を奏して、体調はぐんぐん回復し 途中で何度かやめようと思いましたが、昼間も寝た ました。日用品に対する過敏性が下がっていったの きりで(胃が痛くて起きられない)、1週間飲み続け も前述の通りです。 ました。1週間を過ぎたあたりから、胃の痛みが少 し軽くなってきて起きられるようになりました。多 ○ 毛髪検査 分それまでは、体に栄養が不足していて、胃も弱っ ビタミン療法を勧めてくれた開業医の元で「毛髪 ていたのでしょう。最初は胃に対するビタミンC剤 検査」を行いました。これは患者の髪の毛のミネラ の害が、効果よりも勝っていましたが、1週間のう ル成分を分析する検査です。医師の説明によると、 ちにそれが逆転したようです。最初の1週間を過ぎ この検査は「体にどれだけ有害なミネラルが蓄積し ると、ビタミンC剤を飲んでもあまり胃は痛まなく ているのか」また、 「体内の必須ミネラルは不足して なったし、他の食物に対しても胃が丈夫になりまし いないか」を見るためのものだということでした。 た。 2002年10月に毛髪検査をした時は、次のよう な結果が出ました。 ○ ビタミンC療法の経過 ビタミンC剤を飲むと、飲んだ直後に、体に活力 ・有害ミネラルは、ほとんどの種類が低値。ヒ素だ がみなぎってくるような感じがありました。手足の け少し高め。 先まで体の隅々にエネルギーが行き届くような感覚 ・必須ミネラルは、ほとんどのものが極端に不足し でした。4000mgを1日8回に分けて飲んでい ている。特に銅・マンガン・クロムが不足。 たのですが、半日くらい飲み忘れると、クターッと 元気がなくなってしまうのです。飲んだものはすぐ 日本人は魚介類を多く摂取するので、健康な人でも に尿中に排泄されていくようでした。それで体の中 水銀の数値は欧米人より高く出るそうです。私はそ のビタミンCが切れないように、こまめに補充して れまで10年以上ほとんど魚介類を摂らなかったの いました。 で、そのため水銀の値は低く出たようです。必須ミ それを、2003年10月くらいまで、約1年間 ネラルは一般の人に比べてかなり不足しており、栄 続けていました。1年くらいたつと、不思議なこと 養失調になっていることがうかがわれました。この に、少しずつビタミンC剤を飲む量が減ってきまし 結果を受けて、前述のビタミン剤の他に単体で、銅・ た。これは意図してそうなったというより、自然と マンガンのサプリメントを摂ることにしました。ク 体が欲しなくなったという感じです。体が必要だと ロムも摂りたかったのですが、これは体に合うもの 感じる時だけ飲むようにしていました。2003年 が見つかりませんでした。銅・マンガンを単体で摂 10月から少しずつ量を減らしていき、2004年 る療法も、初めのうちは効果を実感できました。頭 2月にはまったく必要なくなりました。飲んだあと の霧が晴れてすっきりするような感覚がありました。 の体にエネルギーが満ちる感覚もなくなっていまし これも続けていくうちに、ビタミンCのようにだん た。多分ビタミンC療法の効果は十分発揮され、体 だん量が減ってきて、2004年10月にはまった の機能が回復したので、これ以上必要なくなったの く飲まなくても済むようになりました。サプリメン だと思います。現在は、総合ビタミン・ミネラル剤 トに加えて、前述のように、2003年3月から新 だけを続けています。このサプリメントは1日2回 しい食事法を導入したので、体調がどんどんよくな 飲んでいるのですが、現在でも1日飲み忘れただけ っていきました。これまでの栄養不足が改善されて で、体調が悪くなります。体がまだ必要としている いったのだろうと思います。 みたいです。 ○ 2回目の毛髪検査 ○ ビタミンCの効果 2004年6月に2回目の毛髪検査をしました。 ビタミンCを1年以上飲み続けてみて、現れてき 前回から1年以上たっています。その間にどれだけ 3-6 栄養状態が改善されたか、有害ミネラルは蓄積して いないかをみるのが目的でした。検査結果は次のよ うに出ました。 ・有害ミネラルは全体的に前回よりも高値。水銀は 基準値よりも高値になった。 ・必須ミネラルは前回と比べてほとんど変化なし。 有害ミネラルが増えたのは合点がいきます。前回の 検査の前はほとんど動物性食品を摂りませんでした。 また、有害だと思われるものは徹底的に避ける食事 法をしていました。2003年3月から、新しい食 事法を試していき、いろんな食品から栄養を摂るよ うにしました。肉類や魚介類の摂取も増えました。 その結果、体内に有害ミネラルが蓄積してしまった と考えられます。この検査の結果を受けて、もっと 有害物質を減らす食事法に改めるべきなのでしょう か? 私はそうは思いませんでした。検査結果はこ のようになりましたが、体調の方は、前回の検査の 時よりずっとよくなっていたからです。それは比べ ようがないくらいの回復です。私は体をよくするこ とを目的に治療しているのであって、検査結果をよ くするためにしているわけではありません。このま まの食事を続けていこうと思いました。 ○ 毛髪検査の信頼性 体調が回復したにもかかわらず、必須ミネラルの 数値はほとんど変わらなかったのはなぜでしょうか。 特に、銅・マンガンは、サプリメントを単体で1年 以上毎日摂取しているにもかかわらず、数値はほと んど変わりありませんでした。これはどう見ても矛 盾する結果です。しかし、私はこの時すでに、 「毛髪 検査は体内のミネラルの状態をはかれないのではな いか」という疑問を持っていました。これは、図書 館で読んだ本で偶然知ったことです。アメリカの医 師会の見解では「毛髪検査の結果は体内の栄養状態 を反映していない」ということです。*1 つまり、 毛髪検査の結果によって、体内でのミネラルの過不 足を測ることはできないということです。2回目の 検査結果を受けて、このような疑問に答えが出たと 思いました。 その後、さらに別の本で、毛髪検査の信頼性につ いて読み、私が疑問に思っていたことにはっきりと した答えが得られました。毛髪に含まれている微量 元素(ミネラル)の量と、全身のミネラル量との間に は、相関がないそうです。毛髪は、身体から移行し たミネラル分の他に、さまざまな要素によってミネ ラルを蓄えます。例えば、大気汚染によって、空気 中から微量元素が移行してきます。また、整髪料や、 シャンプーによってもミネラルの量は大きな影響を 受けます。私が読んだ本には、シャンプーが微量の ヒ素によって汚染されていたために、毛髪から大量 のヒ素が検出された例が載っています。このシャン プーを使っていた人たちの毛髪から、共通してヒ素 3-7 が検出されたために、原因がわかりました。このよ うに、体内からの移行の他に、外来の到来物がある ために、毛髪検査は、全身状態を反映することはで きないのです。*2 ○ ビタミンの大量摂取は安全か 〔1〕でも書いたとおり、ある治療法が、効果が あるかどうかは、自分の体にきいてみるのが一番で す。体感で効果がわかるものは続けていけばよいし、 よくわからないものはやめてしまってかまわないで しょう。また、その時々で体が欲するものは違うの で、効果がある時は使用し、効果が感じられなくな ったらやめてもいいと思います。 ビタミン療法については、私はもともと乗り気で はありませんでした。次のような疑問を持っていた からです。 ・ビタミンを食事以外のものから人工的に摂取する 必要があるのか。 ・大量摂取してからだに害はないのか。 しかし、たまたまビタミンの点滴をやってみたら、 著効だったので、この方法は私の体に合っていると 思い、やってみることにしました。しかし、ビタミ ン療法をやってめざましい効果を感じている最中で さえ、上記のような疑問は頭から離れませんでした。 ビタミン剤に関していろいろ調べてみましたが、水 溶性ビタミンは大量摂取しても尿中に排泄されるの で問題ないということです。しかし、現在知られて いないような害が後に発見されるかもしれません。 *3 また、同時に、大量にビタミン剤を摂取する治 療法の根拠について調べてみましたが、はっきりと した根拠は見つかりませんでした。 「やってみて効果 があれば、それはよい治療法」という考え方があり ます。確かにその通りかもしれませんが、副作用な どもあり得ますし、私は慎重に行うようにしていま す。 日本人のビタミンCの1日の所要量は100mg です。*3 私は一時期この40倍を摂っていました から、常識から考えてもいくら何でも多すぎです。 しかし、当時はその量を摂らないと効果が出ません でした。もし、飲んだ直後にあれだけの効果を感じ られなかったら、こんなに大量摂取できなかったと 思います。だから、ビタミンC剤を大量に飲んでみ ても、すぐに目に見えるような効果が現れない人は、 ほどほどの量を摂り続けた方がいいのではないかと 思います。例えば、1日100~300mgであれ ば効果もリスクも無難なところではないでしょうか。 これまで何度も繰り返してきたように、人それぞれ 自分にあった方法があるということです。 ○ サプリメントの入手方法 サプリメントを入手するための具体的な方法を紹 介します。私は体に合わないものが多いので、サプ リメントを選ぶ時も慎重に行いました。まずビタミ ンCですが、これは国産のものを何種類か試してみ ました。5種類試してなんとか飲んで行けそうなの は1種類だけでした。試したものの中には、飲む前 から目やのどに刺激を感じるもの、飲むとぐあい悪 くなるものがありましたが、それを避けて選びまし た。 総合ビタミン・ミネラル剤、銅・マンガン剤は、 インターネット通販でアメリカの会社から取り寄せ ました。日本製のものは原材料がよくわからないも のがほとんどです。アメリカ製のものは原材料を細 かく明記してあるものが多く、品数も豊富です。 私はビール酵母にアレルギーがあるので、そのた めに飲めないサプリメントが多いのです。国産のサ プリメントでビタミンB剤を含むもの・クロム製剤 は、ほとんどがビール酵母を含んでいました。その ため国産のものはあきらめ、アメリカ製で探すこと にしました。アメリカはサプリメントの流通の歴史 が日本より長いので、様々な商品が開発されていま す。アレルギー患者に配慮したアレルゲンフリーの 商品も数多く出ているので、私はその中から選びま した。私が現在飲んでいるアレルゲンフリーの商品 は、原料に卵・酵母・牛乳・小麦を使用していませ ん。また、人工の香料・着色料を使っていないもの を選びました。当然、成分表示や注意書きは英語な ので、こまめに辞書を引いて、内容を確認しました。 アレルゲンフリーの商品であっても、なおCSのた めに服用できないものが多かったので、選別するの に、第1章〔4〕-c(ものを購入する 際の注意)の 方法を行いました。 *1 『代替療法の医学的証拠』米国医師会編 泉書房刊 *2 『証人席の微量元素』ジョン・レニハン/著 地人書館/ 刊 *3 ビタミン療法の有害性を警告する本も出版されています。 『ビタミン・ショック』ハンス・ウルリッヒ・グリム/著 家の光協会/刊 *4 1999年厚生省(現・厚生労働省)による。 〔3〕運動 体力をつけるために運動は効果がある方法です。 また、体の新陳代謝を高めるため、自律神経の調子 を整えるためにも、運動は効果があります。CSに ついての本を読むと、運動をすることを勧められて います。 私の場合は、引越前(~2002年)は自宅で筋肉 トレーニングをしていました。1日10分程度、腹 筋・背筋・スクワットをしていました。体に必要な 最低限の筋肉がつくと、姿勢を維持しやすくなり、 だるさが減りました。 3-8 2002年に引越をしてからは、家事の量が増え たので、取り立てて運動はしていません。しかし、 日常生活でよく体を動かすようになりました。特に 洗濯(足踏み洗い)は、定期的に一定時間有酸素運動 をする機会になっています。 体力向上を図って、少しずつ運動量を上げていこ うと思ったのですが、その試みは失敗に終わってい ます。私の場合、1日の運動の許容量が決まってい て、それ以上運動すると決まって体調を崩します。 2003年頃、体力をつけるためにステッパーで1 日20分足踏み運動をしてみました。やっている最 中は特に体がきついという感じはなく、血行もよく なって爽快感があるのですが、その後2,3日は筋 肉痛と疲労感とだるさで何も手につかなくなってし まいます。ときには運動したあと、熱が出ることも あります。 2004年8月から自家用車に乗れなくなり、バ スで移動することになったのですが、これによって 運動量はかなり増えました。車に乗ってばかりいる と、運動不足になりやすいというのが実感できまし た。バスに乗ると、歩いたり、走ったり、重い荷物 を運んだりする機会が増えました。これによって体 力がついて体調がよくなったかというとそうではな く、1日に運動したその分しっかり疲れがたまって、 体調が悪くなってしまうのです。その疲れがその後 何日も続きます。最低限の家事をこなすことも難し くなるので、自然と運動量をセーブするようになり ました。 一般の人は、運動をすればそれだけ筋力がつき、 心肺機能が上がって、体力が向上するのでしょう。 運動による疲労も、少し休めば解消します。私の場 合は、この一般的なメカニズムのどこかに障害があ って、運動が体力向上に結びつかないようなのです。 現在は家事をしているだけで手一杯なので、それ以 上運動をしないようにしています。これは、CSが 今より回復していけばもっといい状態に変わってい くのではないかと思っています。
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