マキシム > 設計サポート > アプリケーションノート > ディスプレイドライバ > APP 4708 マキシム > 設計サポート > アプリケーションノート > 電源回路 > APP 4708 キーワード: MR16, LED, ドライバ, 調光可能, 電気トランス, 12VAC, 寿命, ライフタイム, 電解, LM3404, Zetex リファレンスデザイン4708に含まれる内容: 試験済み回路 回路図 説明 テストデータ Nov 29, 2010 MR16および類似の据付ランプのためのLEDドライバソリューション 筆者:Piero Bianco 要約:このアプリケーションノートでは、MR16および類似の据付ランプのためのLEDドライバソリューションを紹介しています。この 回路は12VACの入力からLEDを駆動します。このソリューションは、磁気および電子トランスの両方で動作し、調光可能です。このソ リューションは電解コンデンサを必要としないため、LEDランプの寿命を延ばします。テストのセットアップと結果が示されています。 はじめに このアプリケーションノートでは、MR16および類似の据付ランプのための、12VAC入力からLEDを駆動する独自のソリューションにつ いて説明します。このデザインは、磁気および電子トランスの両方で使用することができます。このデザインでは、磁気トランスの場合 は立上りエッジの調光器によって、および電子トランスの場合は立下りエッジの調光器によって調光可能です。最も短命なシステムの標 準的な構成要素である電解コンデンサを必要としないため、LEDランプの寿命が大幅に延びます。 ソリューションの仕様 入力電圧:12VAC 出力LED電力:5W 出力直列LEDの数:3~4 基板端子(図1) 入力:VIN1 、VIN2 (入力AC電源) 出力:LED+、LED- (出力LED陽極および陰極接続) 1 / 6 ページ 図1. リファレンスデザインの回路図 電子トランス/調光器の互換性の問題 電子トランスは、120VAC/230VACライン電圧を12VACに変換してMR16ランプに給電するための、従来の磁気トランスに代わる低コス トで小型化、軽量化した代替品です。電子トランスは、35kHz~40kHzの周波数で入力AC電圧を変調し、この信号 を、120VAC/230VACから12VACに変換する高周波数トランスに供給します。この高周波数変調のおかげで、電子トランスは安価、小型 化、軽量化が可能です。35kHz~40kHz変調は、ハーフブリッジのスイッチとして機能するバイポーラトランジスタに比例ベースドライ ブを使用する自励発振回路によって行われます。 電子トランスは、LEDランプではなく、ハロゲンランプを負荷として使用するように設計されています。トランスが正しく動作するため には、トランスはライン電圧のサイクルの間、必要最小限の負荷電流を必要とします。負荷電流がこの最小値より低下するか、大きな負 荷電流過渡によって負荷電流が最小値以下になると、トランスはライン電圧のサイクル中にオフになります。これが発生した場合、ラン プの光がちらつく可能性があります。ハロゲンランプを使用した場合、ハロゲンランプは純粋に抵抗性負荷であって電力は20Wを超えて いるため、十分な負荷電流を持つという問題は発生しません。さらに、電子トランスはハロゲンランプのような抵抗性負荷で動作するよ うに設計されています。 電子トランスはLEDランプとともに使用されているため、次の2つの問題を解決する必要があります。 LEDランプは一般的に純粋な抵抗性負荷ではない。特に、ドライバが単純な電圧整流器とそれに続くDC-DCコンバータである場 合、入力電流は入力電圧のハーフサイクルごとの短い高スパイクで構成されます。これはトランスにとって不都合です。 LEDランプのほうがハロゲンランプより高効率である。これは確かに望ましいことですが、当然ながら、LEDランプの負荷電流の ほうが小さいため、電子トランスとの互換性の問題が生じる可能性があります。 電子トランスに加えて、カットアングル調光器をシステム内のトランスの前に配置することができます。電子トランスでは、立上りエッ ジ(トライアック)調光器は正しく動作しないため、通常、立下りエッジ調光器が使用されます。 立下りエッジ調光器は、ハーフサイクルごとにライン電圧の最終部分をカットオフすることによって、ランプの光量を低減します。 インフラにはまだ磁気トランスが電子トランスの代りに組み込まれている場合もあります。磁気トランスは、電子トランスの場合と同じ 負荷の抵抗動作や最小負荷電流の要件を持っています。ただし、調光器が存在する(磁気トランスでは立上りエッジ調光器を標準的に使 用)場合、この調光器は抵抗性負荷と最小限の負荷電流を必要とします。要約すると、LEDドライバも、上述の電子トランスの場合と同 様の制約を持っています。 2 / 6 ページ 回路の説明 この回路は、バックブーストコンバータで、インダクタL1、スイッチングMOSFET Q1、およびパワーダイオードD6で構成されていま す。この回路は、固定周波数、連続導通モードで動作します。 ここで紹介するソリューションでは、電子トランス/調光器と互換性を持たせるために、入力電流の制御と形成にアクティブ力率補 正(PFC)方式を使用しています。アクティブPFCは、入力電流に対する最良の制御を提供します。すなわち、アクティブPFCによって、 入力電圧サイクルの最大部分である調光器/トランスで必要な最小値以上の電流が維持されるため、その電流の過渡スパイクが回避され ます。したがって、アクティブPFCは、ちらつきのない調光可能ランプを設計するための最良の方法となります。 アクティブPFCは大きな値(電解)の入力コンデンサが不要です。これがこのデザインの利点となります。このソリューションでは、入力 コンデンサ(C2)は小さい値でセラミックです。このソリューションは電解コンデンサなしで動作するため、ランプの寿命が大幅に延びま す。 LEDは、導通によって供給された電力の大部分を消費します。一方、MR16 LEDランプは、その小型サイズのため、ヒートシンク用のス ペースがほとんどありません。このため、MR16 LEDランプは多くの場合、+80℃~+100℃範囲の高温で動作します。こうした温度で は、高級な電解コンデンサの寿命でもせいぜい10,000時間が限界ですが、LEDランプにとって10,000時間は微々たる時間にすぎませ ん。 このソリューションにおけるアクティブPFCは、図2のように、入力電流を方形波として形成します。 図2. LEDドライバの入力電流 入力電流を方形波として形成する方法は、制御のための最良のソリューションです。すなわち、この方法は、その値(トランス/調光器の 負荷電流)をライン電圧の1サイクルに必要な最小値以上の値に維持します。 この制御は、部品R8 (検出抵抗)、R7、およびC9を使用して得られます。R7およびC9は、平均入力電流と同じ平均MOSFET電流を供給 します。MAX16834は入力電圧の各サイクルにわたってこの値を一定に維持します。 このソリューションは電解コンデンサを含まず、AC電圧および後続(図3)の1サイクルの間にエネルギーが蓄積されないため、LED電流 は整流正弦波(調光器なしの場合)、または角度の一部に対する整流正弦波カット(調光器付きの場合)となります。 3 / 6 ページ 図3. LED電流は整流正弦波で、周波数はライン電圧周波数の2倍に等しい MAX16834は、出力過電圧保護(OVP)を備えています。OVPによって、LEDが切断されたかオープンの場合、ドライバはオフになって損 傷されません。 テスト結果 このリファレンスデザイン基板は、以下の条件下で試験されました。 電子トランス:Lightech LET-60 電子トランスの入力電圧:120VAC、60Hz ドライバ回路の入力電圧:12VAC、60Hz (40kHz時変調) 出力:4直列LED 以下の測定結果(調光器なし)が得られました。 LED電力:4.2W 効率:77% 入力力率:0.943 このデザインは以下の電子トランスと互換性があります。 Input Voltage Maker Model 120VAC B+L Technologies FX95100 120VAC Eaglerise Electric & Electronic (Foshan) Co Ltd. B04558F1 120VAC Q Tran®, Inc. QT10-120/12-NTP-RC 120VAC Hatch RS1260M-LED 120VAC Hatch VS12-60WD 120VAC Hatch VS12-75WD 120VAC Hatch RS12-60PILB-LED 120VAC Hatch RS12-80m 120VAC Hatch RS12-15m 120VAC Hatch RS12-30m 120VAC Lightech LET-60 120VAC Lightech LVT-60 110VAC Nobile AFM-70KC 120VAC Progress Lighting® P8560-31 120VAC Wang House Technology WH-801E6A 120VAC Wang House Technology WH-601E2CA-2M 220VAC Hatch RS12-60-230m 220VAC Leadman Electronics® KY-05036S-12 220VAC Ly SHLY 021-66770066 220VAC Nobile EN-35M 4 / 6 ページ 230VAC Nobile EN-35ST 230VAC Nobile EN-60D2 80-270VAC NVC® Lighting Technology Corporation NLD-15W/12V 220VAC OSRAM® ECO-ET 60/220 また、このソリューションは以下の調光器/電子トランスの組合せにおける正常動作を試験済みです。 Input Voltage Dimmer Maker Dimmer Model Electronic Transformer Hatch R12-60M-LED 120V Lutron® Electronics Nova NELV-450 120V Lutron Electronics Skylark SELV-300P B + L FX95100 120V Lutron Electronics Diva DVELV-300P B + L FX95100 Hatch R12-80M B + L FX95100 このソリューションは、以下の調光器/磁気トランスの組合せにおける正常動作を試験済みです。 Input Voltage Dimmer Maker Dimmer Model Magnetic Transformer Q Tran Qt10-120-12-NTP-PC10VA 120V Lutron Electronics Nova NLV-600 Eaglerise B04558F1 40VA Schneider Electric® 150VA150SV43A (Square D) Q Tran Qt10-120-12-NTP-PC10VA 120V Lutron Electronics Diva DLV-600P 120V Lutron Electronics Skylark SLV-600P Q Tran Qt10-120-12-NTP-PC10VA 120V Lutron Electronics Maestro MALV-600 Eaglerise B04558F1 40VA Q Tran Qt10-120-12-NTP-PC10VA Schneider Electric 150VA150SV43A (Square D) テスト手順 120VAC/230VAC電源をオフにします。 立下りエッジ調光器(存在する場合)の入力を電源に接続します。 調光器の出力を電子トランスの入力に接続します。または、調光器が存在しない場合、トランスの入力を電源に接続します。 調光器の出力を基板入力VIN1 およびVIN2 に接続します。 LEDをLED+ (陽極)とLED- (陰極)間に接続します。 電源をオンにします。 Leadman ElectronicsはLeadman Electronics International Inc.の商標です。 LutronはLutron Electronics Co., Inc.の登録商標です。 OSRAMはOsram GmbHの登録商標です。 Schneider ElectricはSchneider SA Corporationの登録商標および登録サービスマークです。 関連製品 MAX16834 ハイサイドLED電流検出およびPWM調光MOSFETドライバ内蔵、ハイパワーLEDドライバ -- 無料 サンプル 自動アップデート お客様が関心のある分野でアプリケーションノートが新規に掲載された際に自動通知Eメールの受信を希望する場合は、EE-Mail™にご 登録ください。 アプリケーションノート4708: http://japan.maxim-ic.com/an4708 その他の情報 テクニカルサポート:http://japan.maxim-ic.com/support サンプル請求:http://japan.maxim-ic.com/samples その他の質問およびコメント:http://japan.maxim-ic.com/contact AN4708, AN 4708, APP4708, Appnote4708, Appnote 4708 Copyright © by Maxim Integrated Products 5 / 6 ページ 法的お知らせ:http://japan.maxim-ic.com/legal 6 / 6 ページ
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