国連持続可能な開発会議(リオ+20)成果文書

日本語概要:地球サミット2012Japan (最終更新:2012年1月22日5:00) 国連持続可能な開発会議(リオ+20)成果文書 ゼロドラフト概要 The Future We Want 私たちが望む未来
政治的コミットメントの更新  持続可能な発展は依然として遠い目標のままである 。 •  1992年の地球サミットからの20年間、貧困解消や情報技術によるつなが
りなど、様々な進展と変化があった。
•  しかしその間、金融、経済、エネルギー・食糧価格など、複数の相関する
危機による後退があったほか、14億人が極度の貧困状態、世界人口の6
分の1が栄養不足、限りある資源と生態系の収容力への負担が増加。  我々は、貧困と飢餓の解消のため、そして、人間活動が地球の生態系と生命
維持システムを尊重したものとなるよう、努力を倍加することを決意する。 •  生活のあらゆる面で持続可能な発展を主流化する必要。持続可能な発
展と持続可能な消費と生産のパターンの形成に責任。 •  世界の多様性を認識。全ての文化と文明が人類の豊かさと地球の生命
維持システムの保護に貢献。持続可能な発展に向けた文化やホリス
ティックなアプローチの必要性。
 意思決定に広範な人々が参加することは、持続可能な発展の基本的条件。 •  市民社会の参加拡大のため、情報と通信技術へ普遍的なアクセスに向
けて取り組むことが不可欠 。
 行動の枠組み •  国際・地域・国・地方の全レベルにおいて、ガバナンスと能力を向上。
•  持続可能な発展のための国際的なパートナーシップを再活性化。
•  全ての上場企業と大企業が持続可能性課題を考慮し、報告サイクルの
中に持続可能性情報を統合する国際的な政策枠組みを要請。 持続可能な開発と貧困解消の文脈におけるグリーンエコノミー  グリーンエコノミーは持続可能な発展を達成する手段である。 •  グリーンエコノミーは、自然資源ベースの向上、資源効率性の向上、持続
可能な消費と生産のパターンの促進、低炭素な発展の前進に貢献。
•  グリーンエコノミーは、硬直的なルールではなく、公共・民間の全領域で、
持続可能な発展の3本柱(環境・経済・社会)の統合的考慮を促進する意
思決定の枠組み。
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 しかしながら、グリーンエコノミーへの移行は途上国の経済に追加的コストをも
たらす構造調整を必要とするため、国際社会の支援は不可欠。  各国を支援する国際的な取り組みは、以下であってはならない。
a) 新たな貿易障壁を作り出すもの
b) 援助と資金協力に新たな条件を課すもの
c) 技術ギャップを拡大し、先進国に対する技術依存を助長するもの
d) 持続可能な発展に向けた各国の独自の政策を制限するもの
 国際的なナレッジ・シェアリング・プラットフォームの創設 •  プラットフォームは、政策メニュー、グッドプラクティスのツールボックス、進
捗評価の指標群等を提供。
 各国レベルにおけるグリーンエコノミー戦略の策定 •  各国政府は、マルチステークホルダー・プロセスを経て、それぞれのグ
リーンエコノミー戦略を策定。  その他 • 産業部門毎のロードマップの策定の奨励
• 革新的資金手段を促進する国際的なプロセスの創設
• 環境に重大な悪影響を与える補助金の段階的撤廃
• グリーンテクノロジーについての国際共同研究
• グリーンテクノロジーR&Dの結節点としてセンター・オブ・エクセレンス設置
• グリーン・ローカルテクノロジーの開発と伝統知識の活用
• 開発途上国の能力開発の枠組の確立
 ロードマップ 2012年~2015年: 評価指標・技術移転・能力向上のメカニズムの確立 2015年~2030年: 実施と定期的な進捗評価
2030年: 進捗の包括的評価 持続可能な開発のための制度枠組み  持続可能な発展の推進には、地方・国・地域・国際レベルのガバナンス強化が
不可欠。特に以下の視点が重要。 •  持続可能な発展の三本柱(環境・経済・社会)を統合。
•  一貫した政府主導の政策ガイダンスを提供し、全てのレベルでの統合的
な意思決定の促進。
•  アジェンダ21と関連成果・合意の実施の進捗をモニター。
•  国連機関・基金・プログラムの間の一貫性を強化。
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 国連経済社会理事会(ECOSOC) •  持続可能な発展の三本柱を統合する上でのECOSOCの役割を推進。  国連持続可能な開発委員会(CSD) •  CSDの機能強化 または、 持続可能な開発理事会(SDC)の創設
 国連環境計画(UNEP) •  UNEPの機能強化 または、 環境に関する新たな専門機関の創設
 その他 •  地球の状態と収容力の定期的な評価
•  将来世代のためのオンブズマンまたは高等弁務官の創設
•  国レベルの持続可能な開発戦略と協議会の創設・強化 行動とフォローアップの枠組み <分野別の取り組み>  食料安全保障: ローカルな食糧生産への投資の増加、農産物市場へのアクセスの改善、サプライ
チェーンにおける廃棄物の削減
 水: 安全で清浄な水と衛生に対する権利、廃水マネジメント目標の設定  エネルギー: 「全ての人のための持続可能なエネルギー」:2030年までに、近代エネルギーサービス
へのユニバーサル・アクセスを確保、エネルギー効率性倍増、世界のエネルギーミック
スにおける再生可能エネルギーのシェア倍増
 都市: 持続可能な都市の計画・構築に向けた統合的・包括的なアプローチ  グリーン雇用、社会的包摂 : グリーン雇用創出のための知識向上、関連統計整備、スキルマッピング、雇用訓練プ
ログラム、投資環境整備
 海洋と小島嶼開発途上国: 世界海洋評価のための定期的プロセスの推進、海洋酸性化を観察する国際ネットワー
クの確立、2015年までの漁業資源の回復へのコミットメントと管理計画、小島嶼途上国
への支援
 自然災害: ポスト兵庫行動計画の採用
 気候変動: 水、エネルギー、食糧、気候の相互関係にかかる国際イニシアティブの推奨  森林、生物多様性、土地劣化、砂漠化: 「全てのタイプの森林に関する法的拘束力を持たない文書(NLBI)」の緊急の実施、生
物多様性と生態系の持続可能で公平な利用を支える適切なインセンティブ付けと政策
を通じた自然資本への投資、土壌資源の保護に向けた国際パートナーシップの支援
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 山岳: 山岳コミュニティが生態系保全を通じ提供するサービスへの補償メカニズムの模索  化学物質と廃棄物: 「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」の強化
 持続可能な消費と生産: 「持続可能な消費と生産に関する計画10年枠組み」の確立
 教育: 持続可能な発展の追求における教育システムの貢献を強化  ジェンダー平等: ジェンダー平等を促進する手段の優先的実施 <進捗の加速と測定>  持続可能な開発目標(SDGs) •  2015年までに持続可能な開発目標(SDGs)と進捗表等・報告のメカニズムを策定する
ため、包括的なプロセスを立ち上げる。
•  進捗は適切な指標によって測られ、2030年を達成目標として評価。  GDPを補完する指標の開発と強化 •  幸せのものさしとしてのGDPの限界を認識。GDPを補完する指標の開発と強化のプロ
セスを立ち上げ。 <実施手段> •  資金
•  イスタンブール行動計画に沿って、国民総所得の0.15 0.20%を後発国へのODAに、
0.7%を途上国へのODAに当てる目標達成への努力を強化
•  援助効果の向上、南南強力・参画強力の強化・支援 •  ビジネスと産業による中長期投資及び社会的・環境的に責任ある行動を促す、安定
した投資環境と規制枠組みを構築
•  地球環境ファシリティ(Global Environment Facility)の強化
 科学技術 •  投資と技術移転、開発及び普及につながる国際協調を強化
 能力開発 •  能力開発にかかる協働・情報交換のため、途上国における地域・準地域の機構等の
構築又は支援
•  「技術支援と能力開発に向けたバリ戦略プラン」の迅速な実施
 貿易 •  持続可能な開発への移行を妨げる補助金の段階的な撤廃  コミットメントの登録簿/抄録 •  リオ+20における自主的なコミットメントに関する、説明責任の枠組みとして機能する
登録簿/抄録に蓄積 4