被災地復興に係る児童生徒の活動事例 「復興支援Tシャツ」の企画・販売 1.活動の概要 NPO法人「淡路自立サポートクラブ」の活 動を兵庫県立洲本実業高等学校の生徒が課題 研究という授業の中で支援しています。 淡路自立サポートクラブは、自らが失語症と いう障がいのある戸田達男さんが、失語症に対 兵庫県立洲本実業高等学校② が、なかなか思うように進まず、苦労しながら の作業となりました。 生徒5人は「one for all all for one」とい う言葉を題材にしようと考えました。「1人は みんなのために、みんなは1人のために」とい う意味になります。 する理解を広めるとともに、同じ悩みを持つ方 生徒達は、記憶にはほとんど残ってないとは 達が前を向いて歩くきっかけ作りのために、奥 いえ、1歳の頃に阪神淡路大震災を経験してい さんとともに設立されました。7年前、本校に ます。また、両親や家族から震災の話をたくさ そのNPO法人のホームページ作りの依頼を ん聞いていました。だからこそ伝えたい想いが されたことをきっかけに、本校からの協力が始 ありました。その想いを、このTシャツに込め まりました。 ました。 この7年間、生徒達が中心として行ってきた 生徒の一人は、「どんなTシャツが一番被災 主な支援活動には、以下のようなものがありま 地の人たちに元気を与え、力になるのか未だに す。 私は答えが分かりません。他に何か私にできる ① 法人のホームページの作成と更新 ことがあれば、積極的に取り組んでいきたいと ② 失語症の理解と正しい情報の発信 強く思いました。自分の力の無さに腹立たしく ③ 障がい者が使用できるトイレマップ作り なりました。 」と話していました。 ④ 失語症患者を対象とした「おしゃべり教 平成23年7月9日、生活介護事業所「フロ 室」の企画・運営 ーラすもと」で夏祭りがあり、自分たちでデザ ⑤ イベントの手伝い インした復興支援Tシャツを販売してきまし ⑥ パンフレットや報告書の作成 た。 たくさんの方々に購入や予約もいただき、 などです。 平成23年度はこれらの活動とともに、東日 本大震災で被災した障がい者を支援する目的 で、Tシャツを企画し販売して、収益金を寄付 する活動をすることにしました。収益金の一部 生徒達も感激していました。自分たちの活動が、 少しでも被災者や障がいのある人達の支援に なることに、感じることも多いようでした。 生徒の一人が、チャリティーTシャツの販売 活動で、次のような感想を残しています。 は義援金として、NPO法人「淡路自立サポー トクラブ」から宮城県内の福祉団体に寄付して いただきます。現在は、Tシャツ販売枚数24 2.活動の成果 「フローラすもと」に着く前は「売れるか 2枚、復興義援金 121,000 円となっています。 な?誰か買ってくれるかな?」と不安で一杯で このTシャツは、本校生徒の5名が図案を考 したが、設置された販売場所に行くと、すぐに え、販売しました。胸にある5枚のハートの葉 たくさんの人が集まってくれ、チャリティーT は、被災地を思う5名の気持ちを、背中の羽は シャツを見てくれました。 その想いを届けたいとデザインしました。東日 「後ろには羽があるんやね」「可愛いね」な 本大震災で、被災された方々の復興に少しでも どと声をかけていただき嬉しかったです。真剣 役に立てるように、生徒達も必死で考えました に選んでくれている方を見ていると、不安だっ た気持ちは少しずつ無くなっていきました。ま た、予約してくださる方もたくさんいて本当に 感謝の気持ちでいっぱいになりました。 少しでも多くの被災された方たちの役に立 てれば幸いです。Tシャツの売上を義援金とし て被災された方に届けるということは、たくさ んの人が買ってくれたからできたことです。で すので、購入していただいた多くの方々の気持 ちも一緒に被災地に届けたい、届くといいなと 思います。 今回の取組を通して、すごくいい経験をさせ ていただき、本当に良かったです。これからも 何らかの形で、震災復興支援のお手伝いができ ればと考えています。 Tシャツの前面 Tシャツの背面 Tシャツの右袖 「フローラすもと」での販売の様子
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