電気を使 する作業

電気を使⽤する作業
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電気を使⽤する作業
⽬次
1
はじめに ................................................................................................ 4
2
定義 ....................................................................................................... 4
3
⼀般要件 ................................................................................................ 7
4
電気⼯事 ................................................................................................ 8
4.1
電気設備の設計と仕様 ........................................................................... 8
4.2
事前通知/引継ぎ許可 ............................................................................. 8
4.3
絶縁した電気システムにおける作業 ...................................................... 9
4.4
通電システムにおける作業 .................................................................. 11
4.5
通電時機能テスト ................................................................................ 16
4.6
最終設置/コミッショニングの要件 ...................................................... 16
4.7
電気システムの保守(該当する場合) ................................................ 17
4.8
設置作業における携帯⽤⼯具の使⽤ .................................................... 18
5
資格の 区分.......................................................................................... 19
5.1
電気通信機器 ....................................................................................... 19
5.2
軽微な電気⼯事.................................................................................... 20
5.3
⼤容量DC............................................................................................. 20
5.4
⾼電圧DC............................................................................................. 20
5.5
電気設備 .............................................................................................. 21
5.6
⾼電圧の設備と装備............................................................................. 21
6
訓練 ..................................................................................................... 21
7
個⼈防護具(PPE)............................................................................. 22
8
リスク評価........................................................................................... 23
9
監視とレビュー.................................................................................... 24
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2 (2)
電気を使⽤する作業
10
変更情報 .............................................................................................. 24
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報は予告なく変更されることがあり、エリクソンは、事実に関する誤りま
たは誤字について、何ら責任を負うものではありません。
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3 (3)
電気を使⽤する作業
はじめに
1
この基準では、エリクソンの業務で電気を使⽤した作業を⾏うにあた
り、安全⾯および衛⽣⾯を適切に管理できるようにする最⼩要件を説明
します。
定義
2
この基準では、以下の⽤語は常に本セクションに⽰す意味で使⽤しま
す。
「作業権限」とは、すべての⽅法の記述、リスク評価、および許可が整
っていることを条件に、指定された電気⼯事を実⾏できることを⽰す有
資格者への正式な通知を意味します。
「荷電」とは、ある部分が危険な電圧またはエネルギーレベルにある
か、誘導によりまたは静的に電荷が⽣じている、または切断後の静電容
量効果により電荷を保持または回復したことを意味します。
「回路導体」とは、通常の条件で、電流を運んだり、電圧を加えられる
システムの導体を意味します。中性導体と接地導体を含みますが、接地
またはその他の基準点への接続によリ、単に保護機能を提供する導体は
含みません。
「有資格者」とは、以下の属性を持つ⼈物を意味します。

作業対象のシステムを⼗分理解し、当該システムに関する
実地経験がある
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4 (4)
電気を使⽤する作業

作業中に⽣じる恐れのある危険、および取るべき予防措置
を理解している

作業を安全に続⾏できるかどうかを常に認識する能⼒があ
る

電気についての⼗分な技術的知識がある

電気⼯事の⼗分な経験がある
「導体」とは、電気エネルギーの導体を意味します。
「危険」とは、怪我、または機器やシステムの機能を損なうリスクを意
味します。
「電気機器」とは、電気エネルギーの⽣成、提供、伝送、直流/交流の変
換、整流、変換、導通、配電、管理、保存、測定、または使⽤を⽬的
に、使⽤するもの、使⽤する⽬的のもの、または使⽤する⽬的で設置さ
れているものを意味します。
「特別低電圧(ELV)」とは、導体間または接地に対する通常50V AC
または120V DCを超えない電圧を意味します。
「引継ぎ許可」とは、電気⼯事を実⾏する⽬的で、通常はその安全に責
任を負わない有資格者に対して正式に引き継ぐ、電気システムまたは電
気システムや電気機器の⼀部に関する⽂書を意味します。
「⾼電圧(HV)」とは、低電圧を超えるすべての電圧を意味します。
「絶縁」とは、エネルギー源の通電導体および中性線と、機器の対応す
る導体との間の安全間隙により、すべての電気エネルギー源から機器を
安全に切断することを意味します。また、切断機構のロック装置が動作
して、偶発的な、または危険に気付かずに⾏う故意の⾏動による再接続
から確実に保護することを意味します。
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5 (5)
電気を使⽤する作業
「通電」とは、当該機器が電⼒源に接続され、その部分に電圧がかかる
ことを意味します。また、特に指定のない限り、通電部分に直接または
導電物により間接的に接触することができ、その電圧またはエネルギー
レベルが危険であることを⽰します。
「活線作業」とは、不注意により、通電中または帯電している導体に接
触する危険がある作業を意味します。
「低電圧(LV)」とは、通常、特別低電圧より⾼く、導体間電圧が
1000V
ACまたは1500V DC以下、または導体と接地間が600V ACま
たは900V DC以下である電圧を意味します。
「作業許可」とは、「安全な作業システム」を確実に実⾏するための⼿
続きを記した⽂書を意味します。主に、関与する有資格者、作業計画の
詳細、系統遮断の保証、安全な作業⽅法、認定規格に関する安全テス
ト、および作業の開始時と終了時の安全責任の正式な移譲などが含まれ
ます。
「供給ポイント」とは、電気エネルギー源への導体の接続点を意味しま
す。
「PPE」とは、個⼈防護具を意味します。
「作業の安全システム」とは、作業プロセスのリスク管理の結果⽣じる
⼿続きを意味します。この⼿続きにより、危険を除去または管理する
か、もしくは関連リスクを最⼩限に抑える作業⽅法を指定し、危険を特
定します。
「システム」とは、すべての電気機器が、共通の電気エネルギー源に電
気的に接続されている(またはその可能性がある)、当該のエネルギー
源および機器を含む電気システムを意味します。
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電気を使⽤する作業
⼀般要件
3
以下の要件を適⽤します。

⾼電圧システムでの活線作業は絶対に⾏わない

活線作業は、絶対に単独作業では⾏わない(ELVを除く)

担当管理者は、電気を扱う作業の計画と現地のリスク管理
を確実に実⾏する

⼿袋、ブーツ、防護壁、マットなどのPPEを⽀給し、作業
や特定されたリスクに従って使⽤する

絶縁⼯具(ドライバー、サイドカッター、ワイヤーストリ
ッパー)などの作業機器を⽀給し、作業や特定されたリス
クをもとに使⽤する

電気機器の作業を⾏う者は、実⾏する作業に適したレベル
の資格を持ち、それを維持する必要がある現地の法令の定
義に従って再教育訓練または再試験を⾏う。定義されてい
ない場合は、最低でも2年ごとに再教育訓練または再試験を
⾏う

電気⼯事は、現⾏の現地法令および現地の電気安全基準に
準拠した電気機器のみを対象とする

携帯⽤電動⼯具は、ここで定義するところの安全電圧で使
⽤する
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7 (7)
電気を使⽤する作業
4
電気⼯事
4.1
電気設備の設計と仕様
新規の電気システムや既存電気システムの増設に関する設計と仕様作成
は、適切な技術知識と経験を備え、該当する現地の法的規制、基準、⾏
動基準を理解している者が⾏います。
以下の事項を考慮します。

すべての電気機器は、設置または使⽤する環境に適したも
のを選択する

すべての電気機器は、設置して安全に保守できるように設
計する

回路図と回路計画の作成と管理を⾏い、すべての電気シス
テムについて、すべての変更(設置時の変更など)を含む
包括的な最新の記録を提供する
事前通知/引継ぎ許可
4.2
事前に計画される電気⼯事はすべて、リスク管理(本書のセクション8
を参照)の対象であり、現地の法令に従います。 リスク管理には、すべ
ての適切な許可、計画、およびお客様の提供する情報(使⽤する場合は
引継ぎ許可など)が含まれます。
事前に計画される電気⼯事は、システムの担当者、および可能な場合は
応急⼯事の担当者にも必ず事前に書⾯で通知します。
ここでは、次の2種類の許可について説明します。
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8 (8)
電気を使⽤する作業
1.
電気的絶縁許可
2.
(通電システムでの)作業権限
このシステムでは、必ず安全に関する責任の所在を明確に定義し、すべ
ての関係者の理解を得ることが必要です。
絶縁した電気システムにおける作業
4.3
作業員が導体に接触する恐れのある電気システムまたは機器は、絶縁し
て作業を⾏います(何らかの正当な理由でこれを達成できない場合を除
く)。ただし、通電状態での機能試験の実⾏が必要な場合、または機器
の構造基準により絶縁免除が規定されている場合、その必要はありませ
ん。
電気的絶縁許可
4.3.1
絶縁した電気システムで安全に作業できるようにするため、電気的絶縁
許可を使⽤して、すべての担当者が確実に実⾏中の作業を認識し、その
作業の完了が報告されるまで電気供給を無許可で再開できないようにし
ます。
4.3.1.1
作業許可
作業許可は、指定された期間、絶縁されることが証明されている特定電
気システムまたは機器について発⾏します。この許可は、責任者から有
資格者にのみ発⾏できます。
作業許可は、⾼電圧システムでの作業、または⾼電圧施設を収容する空
間または場所では必ず使⽤します。
⾼電圧の活線作業は、絶対に⾏わないでください。
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9 (9)
電気を使⽤する作業
作業許可は、⼀意の番号を付け、最低1年間は写しを保存しなければな
りません。作業許可が事故や危険な出来事の調査に関連する場合は、さ
らに⻑期間の保管が必要になります。
4.3.1.2
電気的絶縁許可
作業許可の発⾏を受ける前に、作業対象の機器や施設を絶縁する必要が
あります。絶縁許可は、作業を安全に⾏うための電気的絶縁と機械的絶
縁の両⽅を⽂書化する⼿段です。
絶縁許可は、指定された有資格者が署名します。
これらは作業許可とは別ですが、それぞれの⽂書上で参照されます。
追加の証明書には、2つの種類があります。
1.絶縁(ロックアウトと標識付け)
2.限定空間
4.3.2
絶縁システムでの作業前に⾏う処置
システムが通電状態になく、残留蓄積エネルギーが放出されていること
を確認するため、必ず作業開始前に認定測定機器を使⽤してシステムを
テストします。測定機器⾃体も、使⽤の前後にテストします。電圧計の
電圧印可および適切な検針を⾏います。ヒューズが切れていると危険な
電圧が表⽰されないため、これは、ヒューズ付きの試験導線を使⽤する
場合に特に重要です。
また、電圧計の範囲を誤ると(例:DCの測定時にACで設定する、また
はその逆)、危険な電圧が検出されないことに注意することも重要で
す。
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10 (10)
電気を使⽤する作業
4.3.3
⾼電圧(HV)システム
HVシステムでの作業は、認定された専⾨の⾼電圧作業請負業者または電
気事業者を使⽤する場合にのみ許可されます。
通電システムにおける作業
4.4
すべての活動は、通電時作業に適⽤される関連する現地の規定に従いま
す。
より厳格な法定要件がない場合、通電時作業には以下を適⽤します。
以下の場合を除き、危険が⽣じる恐れのある(危険防⽌の絶縁物で適切
に保護されていない)通電導体、またはその付近で作業することはでき
ません。

いかなる状況においても、導体の通電を切ることが妥当で
ない

あらゆる状況において、通電中に作業に当たるか、または
その付近で作業することに、合理的な理由がある

怪我を防ぐため、適切な予防措置(必要に応じて、適切な
防護具を⽤意するなど)が取られている
上記の事項をもとに通電時作業を決定する場合、リスク管理およびその
⽅法を記述した⽂書を作成し、指定されたシステムの有資格責任者の承
認を受け、怪我を防⽌する作業のシステムについて説明します。
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11 (11)
電気を使⽤する作業
作業の安全システムには、以下を含めます。

リスク評価

リスクを最⼩化するために必要な⼿段の説明

取るべき⾏動の記述

作業の実⾏者と責任者、および安全カバーの提供者に必要
な資格の記述

⼿袋、絶縁ブーツ、絶縁スクリーン、⼯具、柵、マットな
ど、使⽤する個⼈防護具の詳細

障害、オーバーラン、状況の変化などが⽣じた場合に採⽤
する緊急時計画
4.4.1
作業権限
作業権限は、ELVおよびLVシステムでのすべての通電時作業に対して、
作業許可とともに与えられます。すなわち、操作上の理由から通電を切
断できない機器、またはその付近での作業の結果危険が⽣じる場合に、
必ず必要です。作業権限は、適切な責任者からの要請を受け、記述され
た⽅法、および作業のリスク管理(必ず取るべき予防措置の詳細を含
む)を承認するものです。
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12 (12)
電気を使⽤する作業
4.4.2
低電圧(LV)システム
LVシステムでの通電時作業が必要な場合は、リスクを最⼩化するため、
以下の作業を⾏います。

通電中の分電盤(適切な貫通部と空きスペースがあり、開
閉器を使⽤できる)に分岐回路ケーブルを取り付ける

絶縁された「スライドロック」式装置の接続を使⽤して、
新しい回路遮断器またはヒューズの取付け、または余分な
回路遮断器またはヒューズの取外しを⾏う(ねじ、⽌め
具、ボルトがないため、通電中のシステム、バスバー、ま
たは接続との直接接触が不要)

分岐回路のヒューズを取り外すか、または回路遮断器を開
放して、通電中の配電盤および筐体内で、新規または既存
の回路遮断器またはヒューズへの分岐回路ケーブルの終端
処理を⾏う

通電中の配電盤または筐体から、適切に絶縁した未接続の
余分なケーブルを取り外し、不慮の再通電を防ぐ

無停電電源装置(UPS)のテスト
通電中のバスバーシステムがむきだしになっている、または被覆してい
ないケーブル終端に簡単に接触できる配電盤または筐体で、上記の作業
を⾏うことはできません。この作業リストは完全ではなく、変更する場
合は、現地のリスク管理および有資格者との話し合いが必要です。
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13 (13)
電気を使⽤する作業
上記の作業を実⾏する有資格者は、設置、および電源切断、絶縁、安全
の維持を⾏う⼿配の詳細を熟知している第2の有資格者が同⾏する場合
のみ、作業を⾏うことができます。不明な点がある場合は、関連する専
⾨家にご相談ください。
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14 (14)
電気を使⽤する作業
特別低電圧(ELV)システム
4.4.3
電気通信機器にELV 50V DCシステムから電⼒供給されている場合、こ
のシステムでは、通電時作業で新しい機器やケーブルの設置と取外しを
⾏うことができます。ただし、あらゆる状況における合理性が認められ
ること、および怪我を防ぐために適切な予防措置(防護具、絶縁⼯具、
および必要に応じて防護服を使⽤)が取られていることが条件となりま
す。
ELVシステムの電気作業にはさまざまな性質があるため、可能性のある
シナリオすべてを紹介することはできません。以下は、単独の有資格者
が実⾏できる通電時作業の例です。これらは、他の通電時作業や必要な
要員配置レベルを評価する場合にガイドとして利⽤できます。ここに⽰
す条件を満たさない場合は、作業を補助する第2の有資格者を割り当て
ます。

電池やその端⼦の使⽤が制限されているか、またはそれら
を登攀が必要な⾼所で使⽤する場合、およびテスト対象の
バッテリーがシステムの他の部分から安全に切り離せる場
合のバッテリー放電テスト

むきだしのバスバーまたは接続間に短絡の直接的リスクが
ない場合(例:絶縁⼯具の使⽤や、⼀時的な絶縁⼿段の挿
⼊)の、通電している配電盤および筐体内の回路遮断器お
よびヒューズキャリヤの取外し、挿⼊、または交換

通電中のELV配電盤および筐体への新しいケーブルの設置
(導体の終端が適切に絶縁され、内部のケーブル経路およ
び作業アクセスが、いずれもむきだしのバスバーまたは接
続により制限されていない場合)
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15 (15)
電気を使⽤する作業

機器シェルフにおけるプリント基板の取外しおよび交換
(囲い板により不慮の短絡から電⼒接続が保護されている
場合)

通電時のケーブルまたはその他の導体の接続または終端処
理は、絶対に⾏わない。回路は必ず放電し、絶縁して、接
点の電流フローを防⽌する(すなわち、接続前にヒューズ
を外し、回路遮断器を開く)
通電時機能テスト
4.5
通電時機能テストは、導体を電気的に絶縁して試験することが現実的で
ない場合に実施することができます。通電時機能テスト時には、以下を
実⾏します。

通電時機能テストでは、必ず関係者以外の⽴ち⼊りを制限
する安全領域を設ける(ただし、機器の物理的配置によ
り、作業に無関係な⼈にリスクを与えることなく試験を実
施できる場合を除く)

認定された絶縁⼯具と試験機器、絶縁スクリーン、柵、マ
ット、⼿袋、ブーツを使⽤する
単独作業で通電時機能テストを⾏うことはできません。
4.6
最終設置/コミッショニングの要件

変更箇所を⽰した回路図と計画を設計者に提供して、設置
した電気システムの正確な記録を後続作業で使⽤できるよ
うにする
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16 (16)
電気を使⽤する作業

すべての新しい電気設備作業は、引渡しまたは実際の稼働
の前に、有資格者が点検と試験を⾏う
電気システムの保守(該当する場合)
4.7
設置してコミッショニングを⾏ったら、以下を適⽤します。

電気システムは定期的に点検とテストを⾏い、適切な記録
を取る

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電気システムは、業界基準に従って保守し、危険を防ぐ
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17 (17)
電気を使⽤する作業
設置作業における携帯⽤⼯具の使⽤
4.8
携帯⽤動⼒⼯具は、以下のいずれかに当てはまります。
-
バッテリー駆動型
-
110V AC以下の電圧で動作し、主電源システムへの
接続ポイントで残留電流装置の保護する変圧器(セ
ンタータップを接地)経由で電⼒を供給する(残留
電流装置の定格については、セクション11.3を参
照)
-
主電源から電⼒供給し、⼆重絶縁構造により、残留
電流装置の接続ポイントで保護する(残留電流装置
の定格については、セクション11.3を参照)

携帯⽤動⼒⼯具および機器は、現地の関連法令に従って保
守、点検、テストを⾏う

⽋陥がある機器は使⽤せずに安全な場所に保管するか、ま
たは動かないようにして修理か交換を待つ。機器には故障
を⽰すラベルを貼る

延⻑コードを使⽤する場合には必ず、有資格者が点検し、
点検の有効期間内であることをはっきりと確認する。すべ
ての延⻑コードは必ず、使⽤する環境に対して適切な機械
的保護を⾏う。延⻑コードは、「デイジーチェーン」(数
珠つなぎ型)で接続したり、床下やすき間で使⽤しない
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18 (18)
電気を使⽤する作業
5
資格の 区分
電気⼯事の資格にはさまざまな区分があり、それらはリスクのレベルを
もとに特定されています。作業員には、現地の作業指⽰による安全な作
業⽅法を使⽤して、各区分または下位区分に関する電気⼯事を実⾏する
権限が与えられます。区分については、以下で定義します。
指定された機器およびシステムで作業するための技術的な訓練および知
識を⽰す⽂書を保持することにより、有資格者は、各区分の範囲内で、
電気的危険の存在する場所の特定、およびその危険を回避するために取
る処置の両⽅を⾏うことができます。
5.1
電気通信機器
すでにDCまたはAC電源に接続されている機器について、設置、コミッ
ショニング、保守を⾏う作業員は、以下の作業を⾏うことができます。

回路遮断器および回線切替器の切替

DCシステムのシェルフ、ラック、および末端のヒューズ
(60V以下)、ならびに主電源ACシステムの機器ユニッ
トに不可⽋なヒューズの交換

軽微な修理(接続されていない機器のランプ、回路遮断
器、またはヒューズなどの差込み型コンポーネントの交換
など)

ユニットまたはコンポーネントの分解を含むその他の修理
(指名時に特に特定された場合のみ)

60V DC以下で容量が50AH以下のDCシステムでの作業
(DCシステムのモジュール式整流器の交換など)
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19 (19)
電気を使⽤する作業
この区分の作業員は、以下を⾏うことができません。
5.2

通電時作業

配電ラック内での作業
軽微な電気⼯事
この区分の作業員は、以下を⾏うことができます。

主電源AC回路のヒューズ付きスイッチボックスへの機
器ラックまたは個々のユニットの接続

ケーブル敷設、標準プラグの取付け、切れたヒューズの
交換

軽微な電気設備作業に関するテストの実施
この区分の作業員は、完了時に当該証明書に署名できます。
この区分の作業員は、配電盤に新しい回路を配置することはできませ
ん。
5.3
⼤容量DC
この区分の作業員は、50AHの容量または50Vを超えるDCシステムの設
置、保守、テストを⾏うことができます。
5.4
⾼電圧DC
この区分の作業員は、⾼電圧DC作業を⾏うことができます(ただし、製
造者による機器訓練コースまたはその他の同様の訓練に参加することが
必要)。
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20 (20)
電気を使⽤する作業
電気設備
5.5
この区分の作業員は、電気設備作業の実⾏とテスト、および電気設備の
安全性の証明ができます。
⾼電圧の設備と装備
5.6
この区分の作業員は、⾼電圧の設備および機器を取り扱うことができま
す(⾼圧システム限定の安全および技術訓練に参加することが必要)。
訓練
6
電気機器の管理、監督、または作業を直接⾏うすべての従業員は、担当
する職務に関し、⼗分かつ適切な訓練を受けることが必須です。正式な
訓練には、以下が含まれます。
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
安全な作業⼿順

関連する安全規定

現場の安全規則

緊急時の救急処置

本基準
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21 (21)
電気を使⽤する作業
また、電気機器を直接扱う作業員は、以下の訓練を⾏います。

基本的な電気⼯学訓練(現地規定で要求される場合)

作業対象機器の設置、操作、保守、テストに関する具体的
な現地訓練
すべての従業員は、電気⼯事作業の技能評価を受け、請負い可能な作業
区分および適⽤される制約事項を⽰す証明書の発⾏を受けます。この証
明書は、評価を⾏う資格を持つ⼈物が署名します。
すべての従業員は、⼗分な訓練、作業するシステムに関する適切な経験
と知識、および関連する現地の指⽰の理解を⽰す証明書の発⾏を受けま
す。
個⼈防護具(PPE)
7
PPEは、国際規格の認定を受け、個⼈単位で登録および⽀給され、作業
に適したものを使⽤します。従業員は、必要が⽣じる可能性のあるすべ
てのPPEの⼿⼊れ、検査、および保管について訓練を受けます。
以下の基本PPE品⽬は、電気⼯事を⾏う者全員に⽀給されます。

絶縁⼯具(ドライバー、サイドカッター、ワイヤーストリ
ッパーなど)

電圧テスター

必要になる可能性があるその他の個⼈防護具(⼿袋、ブー
ツ、絶縁スクリーン、柵、マットなど)
PPEは、以下の頻度で点検します。
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22 (22)
電気を使⽤する作業

初回の使⽤前 - 製造者が提供する公式点検マニュアルに
従う

毎回の使⽤前 - 使⽤者による点検

6か⽉ごと - 有資格者による詳細な検査
★
リスク評価
8
リスク評価は、電気⼯事作業を対象に⾏います。電気⼯事を開始する前
に、リスク評価で特定した現地の危険に対処します。
必要な対処は、本基準、および電気⼯事を実施する国で適⽤される安全
衛⽣法令で定義されます。
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23 (23)
電気を使⽤する作業
監視とレビュー
9
以下の事項のレビューと記録を⾏うことにより、この基準への適合度を
監視します。
10

訓練と認定

リスク評価と⽅法の記述

携帯⽤電気機器の問題報告および点検⽤紙

作業許可

単独作業許可

作業権限

事故の統計
変更情報
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2013-08-26
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