Monaco - エレクタ株式会社

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Monaco
ビームデータ登録項目の手引き
【Version 5 以降
Monaco5_beamdata_04】
目 次
はじめに........................................................................................................................................ 3
第 1 章 ビームデータ納入までの流れと注意点 ............................................................................. 4
第 2 章 ビームデータ測定項目一覧 ........................................................................................... 10
第 3 章 モデリングと測定項目の関係.......................................................................................... 29
第 4 章 データ記入シートの項目と測定項目の説明 .................................................................... 35
第 5 章 追加資料....................................................................................................................... 84
追加資料 1 TSCF の測定のポイント ....................................................................................... 84
追加資料 2 直線性の確認...................................................................................................... 85
追加資料 3 XiO/Monaco Guard Leaf Customization and Agility LCS Behavior ........... 86
追加資料 4 Elekta 電子線アプリケータ装着時の Jaw 開度の確認方法 ............................ 89
追加資料 5 Elekta 電子線アプリケータを使用せず矩形照射野を照射する方法 ............... 91
追加資料 6 小照射野アプリケータの計算例 ............................................................................ 95
《改訂履歴》
第 1 版 2014 年 1 月 24 日
第 2 版 2014 年 3 月 12 日
第 3 版 2014 年 3 月 27 日
第 4 版 2014 年 6 月 4 日
エレクタ株式会社
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は じめ に
「Monaco5 ビームデータ登録項目の手引き(Version 5 以降)」は「Monaco 5 以降」に対応した内容に
なっています。
Monaco に登録するデータに関する重要な事項が記載してあります。測定を始める前に必ずお読みに
なり、内容をご確認ください。3.3 以前のバージョンをお使いの場合は「Monaco ビームデータ登録項目
の手引き」をご覧ください。
ご提出データに不備がないようご確認ください
ご提出データの記載もれ・実測データの測定もれ・不適切な方法での測定などによるデータの不備が
ありますと、状況によってはデータの再測定が必要となり、最終的な臨床使用開始が当初の予定より 1
ヶ月以上遅れてしまう場合があります。ご確認の上、ご提出ください。
ご不明な点がある場合はお問い合わせください
測定の立会いと機器貸し出しでご不明な点やご質問がありましたら、エレクタ株式会社・ヘルプデスク
へお問い合わせください。ビームデータに関したご質問は弊社ヘルプデスクまでお問い合わせいただ
き、物理部をご用命下さい。
お問い合わせ番号: 0120-009-198 (9:30~18:00)
データ記入シートとスキャンデータをご提出ください
最終的にエレクタに提出していただくのは別冊のデータ記入シートとスキャンデータです。データ記入
シートの全項目をご記入いただき、エレクタまで CD-ROM などで郵送、またはメール添付のいずれかの
方法で期日までにご提出ください。

郵送の場合
〒108-0023 東京都港区芝浦3-9-1 芝浦ルネサイトタワー7 階
エレクタ株式会社 カスタマーサービス部 フィジックスサポート 宛
※「データ記入シート在中」とお書き添えください

メールの場合
メールアドレス=[email protected]
※件名を「データ記入シート」とし、本文には貴施設名を必ずご記入ください。
作業の遅延防止のため、上記の通りご協力いただけますようお願い申し上げます。
電子版の「手引き」はウェブサイトよりダウンロードできます
電子版(PDF ドキュメント)はエレクタ・物理部サービスのウェブサイトよりダウンロードできます。ご活用
下さい。
エレクタ物理サービス:http://www.elekta.co.jp/software/download/monaco.html
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第1章
ビームデータ納入までの流れと注意点
弊社より本「手引き」と「記入シート」をご施設様にご案内した後、これらの資料の内容をご確認いただ
いてから Monaco ビーム納入までの大まかな流れを以下に示します。なお、Monaco のモデリングはエ
レクタ(Global)の物理グループが担当いたします。
ご施設様にて

データ送付

データ測定
手引き記入
ご施設様にて

MLC Characterization デ
エレクタ(Japan)
✍
Global Team へ送付

データの確認・登録
ータ測定*
エレクタ(Global)

モデリング
MLC パラメータ調整
エレクタ(Japan)
✍

資料確認
Global Team よりモデル送付
ご施設様へ

納入
モデル・資料送付

※Monaco のコミッショニング作業は納入後、ご施設様で行っていただきます。
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貴施設での確認
治療機の確認、測定項目・治療機ジオメトリの確認、測定機材の確認などが必要です。

治療機の確認
精度が確認されていない治療機のモデリングは無意味です。例えば、Open 照射野での平坦
度・対称度が保たれていない治療機のモデリング化は正確に行えません。また、MU 校正が不
確かであれば、計画装置が計算した値も不確かなものになってしまいます。
AAPM(The American Association of Physicists in Medicine)の QA ガイドライン『Task Group 142
report: Quality assurance of medical accelerators1』を治療機の精度管理の参考文献として推奨
します。当ガイドラインの日本語訳が日本医学物理士会から発刊されており、以下のウェブサイ
トからも PDF 版をダウンロードできます。
http://www.jsmp.org/wp-content/uploads/AAPM-TG142.pdf
また、『外部放射線治療における Quality Assurance(QA)システムガイドライン2』の第 2 章「物理・
技術的 QA」と『外部放射線治療装置の保守管理プログラム3』の第 2 章「管理項目の要約」を参
考文献として推奨します。
そのほか、国立がん研究センターがん治療品質管理推進室では、第三者評価プログラムとして
「放射線治療機器の出力測定(物理技術に関する品質管理・品質保証の推進)」を実施してい
ます。ご興味がおありでしたら、以下のウェブサイトで詳細をご確認ください。
http://ganjoho.ncc.go.jp/hospital/practice_support/consultation03.html
データ測定の前には必ず治療機のモニター校正を完了し、線質が変わるような調整は、
Monaco に登録するデータの測定前に必ず完了してください。

測定項目・治療機ジオメトリの確認
この「手引き」に提示されている測定項目は、あくまでも治療計画装置 Monaco に登録するため
のデータであり、一般的な方法とは異なる測定項目もあります。第 2 章にはビームデータ測定項
目一覧表が、第 4 章には各項目の詳細が記載されていますので、必ず内容をご確認ください。
ご不明な点がありましたら、エレクタ・ヘルプデスクまでお問い合わせください。内容によっては、
治療機メーカーへのお問い合わせや確認が必要になる場合もあります。
Monaco 購入時のオプションによって、測定項目が変わります。オプション内容として 3D
Conventional と IMRT(VMAT)、およびエレクタ社製の外付け MLC (mMLC, DMLC)および定位用
Cone があります。オプション内容によって対応するアルゴリズムが異なり測定項目が変わります。
該当する組み合わせで測定を実施してください。
Klein, et. al. Medical Physics, Vol 36, No. 9, September 2009
JASTRO Vol.11 Supplement 2 March 2000
3 日本放射線腫瘍学会研究調査委員会:外部放射線治療装置の保守管理プログラム(通商産業研究社/東京/
2001)
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表 1.1 Monaco ライセンスオプションとアルゴリズムの関係
ライセンスオプション
アルゴリズム
測定一覧表
3D Conventional
Collapsed Cone(光子線)
タイプ A
Monte Carlo(電子線)
タイプ E
Monte Carlo(光子線)
タイプ B
IMRT / VMAT
タイプ F
mMLC / DMLC
Monte Carlo(光子線)
タイプ C
Stereotactic Cone
Monte Carlo(光子線)
タイプ D
3D Conventional オプションがある場合は、Collapsed Cone アルゴリズムのモデリングを行います。
測定項目の一覧表のタイプ A とタイプ E をご覧ください。
Dynamic Conformal (原体)のプランニングをされる予定の場合は、Monte Carlo(光子線)アルゴ
リズムのモデリングを行いますから、タイプ A の測定項目と同内容です。原体は予め治療機が対
応しているかどうかご確認ください。
IMRT オプションがある場合は、Monte Carlo(光子線)アルゴリズムのモデリングを行います。測
定項目のタイプ B とタイプ F をご覧ください。ただし、3D Conventional オプションがある場合はタ
イプ A の測定項目のなかにタイプ B はすべて含まれますので、タイプ A とタイプ F を取得いただ
ければモデリングが実施できます。
VMAT オプションがある場合は、治療機によって調整が必要かどうかご確認ください。弊社 Elekta
Synergy においても MLC タイプが MLCi/MLCi2/Beam Modulator の場合は VMAT 専用の調整が
必要になりますので、当スケジュールも含めて確認させていただきます。
定位放射線治療オプション(mMLC, DMLC, Cone)がある場合は、Monte Carlo(光子線)アルゴリ
ズムのモデリングを行います。また、治療機によって調整が必要かどうかご確認ください。弊社
治療機をご使用の場合も治療機オプションによって調整が必要な場合があり、当スケジュール
を含めて相談する必要がございます。
なお、治療機のコミッショニングの際に測定されたデータ、または他の治療計画装置に登録する
ために取得されたデータと重複する場合があります。取得された時点と現在のビームの線質が
変わっていないことをご確認ください。問題なければ既にお持ちのデータを提出していただいて
構いません。ただし、後述する注意点をご覧いただき問題ないかご確認ください。
Elekta Agility の場合は、測定条件に注意事項があります。治療計画装置によって照射野外 1cm
分の Leaf が開いた状態(Guard Leaf On)で測定するか、もしくは閉じた状態(Guard Leaf Off)で
測定するか異なります。Monaco は開いた状態(Guard Leaf On)で測定する必要があります。治
療機の新規購入時に複数ベンダーの治療計画装置用の測定を取得する際や、後から Monaco
を導入し過去のデータを流用する際、特に Absolute Dose Rate の測定と Factor 測定(Point 測定)
では差異をもつことが分かっていますので、ご使用いただけるか十分にご検討いただく必要が
あります。詳しくは第 2 章にある「Agility に関するご注意点」をご覧下さい。
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
スキャンデータの測定
第 2 章にスキャンデータの測定の必要項目一覧表がありますのでご参照ください。測定方法な
どの詳細につきましては、第 4 章で各項目をご説明しておりますのでご確認ください。一般的な
測定の注意点については AAPM(The American Association of Physicists in Medicine)のガイドラ
イン『Accelerator beam data commissioning equipment and procedures: Report of the TG-106 of
the Therapy Physics Committee of the AAPM4』を参考文献として推奨します。当ガイドラインの日
本語訳が日本医学物理学会から発刊5されております。
なお、スキャンデータ取得の際に IBA 社もしくは PTW 社のシステムをお使いでしたらエレクタ株
式会社でのデータ登録が可能です。以下のファイル拡張子にて保存して送付くださいますよう
お願い致します。
・IBA 社 OmniPro-Accept
.rfb 形式
・PTW 社 Mephysto
.mmc 形式
(IBA 社システムの.opab 形式は対応しておりませんのでご注意ください)
スキャンデータはエネルギーでフォルダ分けし、以下の測定項目ごとにひとつのファイルにまと
めてください。
Photon
Electron
Open PDD
PDDs
Open Inplane Profiles
Inplane Profiles (water)
Open Crossplane Profiles
Crossplane Profiles (water)
Wedge PDDs
Inplane Profiles (Air)
Wedged Inplane Profiles (各角度ごと)
Crossplane Profiles (Air)
Wedged Crossplane Profiles(各角度ごと)
Wedged Star Scans(各角度ごと)

ノンスキャンデータの測定
第 2 章にノンスキャンデータの測定の必要項目一覧表がありますのでご参照ください。測定方
法などの詳細につきましては第 4 章で各項目をご説明しておりますのでご確認ください。また、
測定結果は必ずデータ記入シートにご記入ください。
空中測定においてブラスキャップの使用を推奨しております。ブラスキャップをお持ちではない
場合は弊社よりお貸出し致します。ただし、1 セットしかないため、お貸出しのスケジュールをご
相談させていただきます。基本的には 2 泊 3 日のお貸出しになります。

MLC Charactization 用の測定
MLC で動的に照射を行う VMAT や IMRT を使用される場合は、MLC Characterization の調整を推
奨します。MLC Characterization 用の測定は Leaf Offset や Leaf Tip Leakage を決定するためのも
Das, et. al. Medical Physics, Vol 35, No. 9, September 20085 脇田明尚,他 日本医学物理学会 医学物理
Vol33, No.1, 2013
5 脇田明尚,他 日本医学物理学会 医学物理 Vol33, No.1, 2013
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のです。第 2 章にタイプ F として MLC Characterization 用の測定一覧をご紹介していますのでご
参照ください。詳細につきましては第 5 章で各項目をご説明しておりますのでご確認ください。

貴施設にての内容確認
スキャンデータとデータ記入シートを提出される前に、貴施設にてインディペンデントチェック
(データの取得や記入を担当された方とは別の方による確認)を行ってください。インディペンデ
ントチェックが不可能な場合には担当者ご本人による再確認を行ってください。ご本人による再
確認を行う場合、お時間が許すのであれば 1 日置いてからの実施をお薦めします。
書き忘れ、書き写し間違い、単純な計算間違い、あるいは整理されていないスキャンデータのご
提出は、データの再確認や再測定など予測していなかった作業に時間をとられて、ビーム納入
が遅れてしまう要因となります。ご注意下さい。
スキャンデータ・記入済みデータ記入シートの提出
最終的にエレクタにご提出いただくのは別冊のデータ記入シートとスキャンデータです。データ記入
シートの全ての項目にご記入いただき、エレクタまで郵送又はメールのいずれかの方法で期日までに
ご提出ください。原本は必ず貴施設にて保管なさってください。スキャンデータを CD にてご提出され
る場合は必ず施設名と提出日をご記入下さい。
なお、ご提出方法とそれぞれの宛先につきましては本資料の「はじめに」をご覧ください。
モデリング期間
モデリングは Global Physics Team(海外の物理グループ)が担当いたします。モデリング日数はモデリ
ングの本数とエネルギーに依存しております。10MV 以下のエネルギーの場合は 2 週間、10MV を超
える高エネルギーの場合は 4 週間のモデリング期間を頂いております。例えば、4,6,10MV の 3 本です
と合計 6 週間になります。また、日本でのデータチェックとデータ登録および資料作成のための作業
日として本数に限らず 3 日間いただいております。Global Physics Team にてモデリングのオーダーが
詰まっている場合はデータ提出から上記の日数以上お待ちいただく事もございます。
注意
モデリングは Global Physics Team への発注となっている為、モデリング後の修正・変更も同じく Global
Physics Team へ依頼することになります。Global Physics Team は世界中のモデリングを担当しているた
め、些細な変更でも時間がかかる場合があります。貴施設からの提出いただく内容に間違いがないこ
とを必ずご確認下さい。
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コミッショニング
コミッショニングとは治療計画装置の限界を理解・判断し、臨床実施の上で使用可能な領域と QA 判
定におけるアクションレベルの設定を行うことが含まれます。臨床の運用をどう行うかの基準と内容を
決める為の作業がコミッショニングの本来の姿です。
日本医学物理学会タスクグループ 01 が、『X 線治療計画システムに関する QA ガイドライン6』を 2008
年に発行しております。そちらを参考に貴施設の QA プログラムを作成されることをお薦めします
(http://www.jsmp.org/news/080313.html を参照)。また、日本医学物理学会より『強度変調放射線
治療の線量検証法7』が発行されており、合わせてお薦め致します。
その他の参考文献として、The American Association of Physicists in Medicine (AAPM)の『American
Association of Physicists in Medicine Radiation Therapy Committee Task Group 53: Quality assurance
for clinical radiotherapy treatment planning 8 』、および『IMRT commissioning: Multiple institution
planning and dosimetry comparisons, a report from AAPM Task Group 1199』を挙げさせていただきま
す。
Monaco では線量計算のアルゴリズムとして Monte Carlo 法が使われています。『Report of the AAPM
Task Group No. 105: Issues associated with clinical implementation of Monte Carlo-based photon and
electron external beam treatment planning10』を 2007 年に発行しております。このレポートは Monte
Carlo コードが実装されている治療計画装置をコミッショニングする際の注意点等を示しています。ご参
照されることをお勧めします。AAPM のレポートはウェブサイト(http://www.aapm.org/pubs/reports/)
より誰もがダウンロードできます。
Elekta Synergy のコミッショニングにおいて Picket Fence Test などを行いたい場合は、いくつかの
テスト用の照射野をご用意しておりますので、弊社ウェブサイト(http://www.elekta.co.jp/software/
download/fence.html)からダウンロードいただきまして照射野を登録し、お試しください。もしくは、
MLC Charactization 用の測定項目の中からご利用ください。
6
西尾禎治,他/X 線治療計画システムに関する QA ガイドライン: 日本医学物理学会 医学物理 Vol27,
Supplement No.6, 2008
7 河内徹,他/強度変調放射線治療の線量検証法:日本医学物理学会 医学物理 Vol30 supplement No.6,
December 2010
8 Fraass, et. al. Medical Physics, Vol 25, No. 10, October 1998
9 Ezzell, et. al. Medical Physics, Vol 36, No. 11, November 2009
10 I.J.Chetty, et. al. Medical Physics, Vol 34, No. 12, December 2007
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第2章
ビームデータ測定項目一覧
本章では Monaco の測定項目の一覧表を案内しております。治療機や MLC のタイプ、Monaco ライセ
ンスオプションにより測定条件が異なりますので、ご注意ください。
下の一覧表は治療使用時の最大照射野を 40×40-cm と想定して作成しました。もし、最大照射野を
40×40-cm より小さく設定したい場合は、そのご希望の最大照射野において PDD、OCR、OCD、TSCF を
測定する必要があります。例えば、最大照射野を 35×35-cm とされた場合は 40×40-cm の代りに
35×35-cm のデータを取得します。
タイプ
測定項目は以下の治療機タイプ(MLC タイプ)ごとに分かれます。
▼Elekta(MLCi/MLCi2, Agility)
Varian(Millennium120, HD120)
Siemens(MLC160)
▼Elekta(Beam Modulator)
▼Elekta(mMLC, DMLC, Cone)
ライセンスオプション
また、Monaco ライセンスにより測定項目が変わります。どのタイプの一覧表が必要かご確認ください。
・3D Conventional オプションがある場合はその他オプションの有無に関わらず、タイプ A とタイプ E の
測定項目を用います。(タイプ A の測定項目はタイプ B の測定項目を含んでいます)
・3D Conventional オプションがなく、IMRT・VMAT オプションがある場合は、タイプ B の測定項目を用い
ます。
・IMRT/VMAT オプションがある場合は、タイプ F の測定項目もあります。
・mMLC, DMLC オプションがある場合は、タイプ C の測定項目を用います。
・Stereotactic Cone オプションがある場合は、タイプ D の測定項目を用います。
・すべてのライセンスオプションを購入いただいている場合は、タイプ A・C・D・E・F の測定項目になりま
す。
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Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ A)
≪Elekta、Varian、Siemens の治療機≫
3D Conventional オプションがある場合は IMRT, VMAT オプションの有無に関わらず、この測定一
覧を用います。IMRT, VMAT オプションがあるときは MLC Characterization 用測定(タイプ F)も実
施します。Elekta Agility および VarianHD120 を搭載している治療機(Novalis Tx など)を含みます。
照射野サイズ[cm2]
測定項目
深さ[cm]
測定間隔[cm] / 測
説明
定セットアップ
[頁]
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
PDD (Open)
正方形:1×1, 2×2, 3×3, 4×4, 5×5,
-0.5~35 以上
7×7,10×10, 15×15, 20×20,
35 から dmax+2 まで
0.2
30×30, 40×40
dmax+2 から-0.5 まで
長方形: 40×22★
0.1
SSD = 90cm
OCR (Open)
Inplane & Crossplane
正方形:2×2, 3×3, 5×5, 10×10, 15×15, 20
×20, 30×30, 40×40
dmax, 5.0, 10.0,
20.0
長方形: 40×22★
0.2
(ペナンブラ領域は
0.1)
小照射野は 0.1
SSD = 90cm
OCD (Open)
40×40 (45 ,135 degree),
5.0, 10.0
40×22★ (28.8 ,151.2 degree)
T field (Open)
0.3
SSD = 90cm
20×20 (MLC T 字形状)†
10.0
0.1
SSD = 90cm
PDD (Wedged)
正方形:5×5, 10×10, 15×15, 20×20,
Max×Max
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 まで
0.2
※
長方形: 40×22★
dmax+2 から-0.5 まで
0.1
SSD = 90cm
OCR (Wedged)
Inplane & Crossplane
正方形:5×5, 10×10, 15×15, 20×20,
Max×Max※
dmax, 5.0, 10.0,
20.0
長方形: 40×22
0.2
(ペナンブラ領域は
0.1)
★
小照射野は 0.1
SSD = 90cm
Star Scans and OCD
Max×Max※
(Wedged)
(0, 10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 110, 120,
10.0
0.3
SSD = 90cm
130, 140, 150, 160, 170, 180 degree and
diagonal (対角線測定))
40×22★
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Non-Scanning Data
水中測定
正方形:1×1, 2×2, 3×3, 4×4, 5×5,
TSCF(Scp)
dref = 10
SCD = 100 cm
7×7,10×10, 15×15, 20×20,
(Open)
(SSD = 90cm)
30×30, 40×40
長方形: 40×22★
TSCF(Scp)
正方形: 5×5, 10×10, 15×15, 20×20,
(Wedged)
長方形: Max×Max , 40×22
Calibration Dose Rate
10×10
※
dref = 10
SCD = 100 cm
(SSD = 90cm)
★
dref = 10
SCD = 110 cm
(Open)
(SSD = 100 cm)
10×10
Absolute Dose at
dref = 10
SCD = 100 cm
isocenter point (Open)
(SSD = 90 cm)
10×10
Absolute Dose at
dref = 10
SCD = 100 cm
isocenter point (Wedged)
(SSD = 90 cm)
空中測定
正方形:5×5, 10×10, 15×15, 20×20,
Head Scatter Factors
ブラスキャップ使用
SCD = 100 cm
ブラスキャップ使用
SCD = 100 cm
40×40
(Open)
長方形: 3×Max, 5×Max, 8×Max,
10×Max, 15×Max, 20×Max,
30×Max, Max×3, Max×5,
Max × 8, Max × 10, Max × 15,
Max ×20, Max×30
40×22★
Head Scatter Factors
正方形: 5×5, 10×10, 15×15, 20×20,
(Wedged)
長方形: Max×Max※, 40×22★
※
ウェッジ装着時の最大照射野サイズです。
★
Varian HD120 の MLC を搭載している治療機のみ(NTX を含む)。
† マイクロチェンバー相当の小さいチェンバーもしくはダイオード検出器で取得してください。詳細は第 4 章項目 64 をご覧ください。
備考:Varian HD120 の MLC を搭載している治療機では、MLC が入った状態で、すべての照射野を形成して下さい。
Millennium120 については、Jaw のみ、または Jaw+MLC のいずれかをお知らせください。
備考:ソフトウェッジ(VW, EDW)用の測定項目はありません。使用するかしないかを記入シートにご記載ください。
測定時の注意事項
特記事項
・5×5-cm 以下の照射野では、マイクロチェンバーを推奨いたします。ただし、4
×4-cm と 5×5-cm の照射野は 0.125cc 相当のチェンバーとマイクロチェンバー
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の両方で測定し、リーズナブルな結果を得られるか確認してください。チェンバー
セットアップは実効中心です。
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれていないかチェックしてください(ソフトウェアがその機能を持ってい
ることもあります)
・Head Scatter 測定では空中測定となり、ブラスキャップが必要になります。お持
ちではない場合は弊社からお貸出しします。
・下から上に向かって測定。35cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。有感体積効果を可能な限り避け
るためにチェンバーの選択をご検討ください。少なくとも 0.125cc 以下であること
を守り、チェンバーの長軸側でスキャンすることを避けてください。ただしダイオー
OCR
ド検出器を使う場合は、チェンバーと振る舞いが高線量領域および低線量領域
において一致するか比較してください。
・測定幅は以下の場合を除き、アイソセンター(10cm 深)において照射野外から
6cm 以上確保してください。
 3×3-cm、(Open 照射野の)5×5-cm では照射野外から 10cm 以上。
・最大照射野が正方形であれば、45 度と 135 度の両方でスキャンしてください。
40×22-cm のように、最大照射野が長方形の場合は、45 度ではなく対角線上に
OCD
スキャンして下さい。
・ウェッジの場合は最大照射野が長方形となりますので、それにあわせた対角線
上の OCD を取得してください。また、10 度おきにプロファイルを取得する Star
Scans があります。
TSCF
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・10×10-cm で正規化してください。
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Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ B)
≪Elekta、Varian、Siemens の治療機≫
IMRT, VMAT オプションのみの場合は、この測定一覧を用います。また MLC Characterization 用
測定(タイプ F)も実施します。Elekta Agility および VarianHD120 を搭載している治療機(Novalis
Tx など)を含みます。
照射野サイズ[cm2]
測定項目
測定間隔[cm] /
深さ[cm]
説明[頁]
測定セットアップ
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
PDD (Open)
正方形:1×1, 2×2, 3×3, 4×4, 5×5,
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 まで
7×7,10×10, 15×15, 20×20,
0.2
30×30, 40×40
dmax+2 から-0.5 まで
長方形: 40×22★
0.1
SSD = 90cm
OCR (Open)
正方形:2×2, 3×3, 5×5, 10×10, 15×15,
dmax, 5.0, 10.0, 20.0
20×20, 30×30, 40×40
Inplane & Crossplane
0.2
(ペナンブラ領域は
長方形: 40×22★
0.1)
小照射野は 0.1
SSD = 90cm
OCD (Open)
40×40 (45 ,135 degree),
5.0, 10.0
40×22★ (28.8 ,151.2 degree)
0.3
SSD = 90cm
Non-Scanning Data
TSCF(Scp)
正方形:1×1, 2×2, 3×3, 4×4, 5×5,
dref = 10
7×7,10×10, 15×15, 20×20,
(Open)
SCD = 100 cm
(SSD = 90cm)
30×30, 40×40
長方形: 40×22★
Calibration Dose Rate
10×10
dref = 10
(Open)
Absolute Dose at
(SSD = 100 cm)
10×10
dref = 10
isocenter point (Open)
★
SCD = 110 cm
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
Varian HD120 の MLC を搭載している治療機のみ(NTX を含む)。
✓ Varian HD120 の MLC を搭載している治療機では、MLC が入った状態で照射野を形成して下さい。
測定時の注意事項
(タイプ A の注意事項を参照してください)
エレクタ株式会社
-14-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ C)
≪Elekta-外装式 mMLC 2.5mm 用≫
照射野サイズ[cm2]
測定項目
測定間隔[cm] /
深さ[cm]
説明[頁]
測定セットアップ
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
PDD
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 まで
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
0.2
リーフ 12 枚幅、リーフ 20 枚幅、
dmax+2 から-0.5 まで
リーフ 28 枚幅、リーフ 40 枚幅、
0.1
リーフ 46 枚幅※
SSD = 90cm
長方形:最大照射野
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
OCR
(Inplane & Crossplane)
dmax, 5.0, 10.0, 20.0,
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
30.0
(ペナンブラ領域を
リーフ 12 枚幅、リーフ 20 枚幅、
0.1)
リーフ 28 枚幅、リーフ 40 枚幅、
小照射野は 0.05 が
リーフ 46 枚幅※
好ましい
SSD = 90cm
長方形:最大照射野
最大照射野(40.2 , 139.8 degree)
OCD (Open Field)
0.2
5.0
0.2
Non-Scanning Data
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
照射野係数(Scp)
dref = 10
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
リーフ 12 枚幅、リーフ 20 枚幅、
リーフ 28 枚幅、リーフ 40 枚幅、
リーフ 46 枚幅※
長方形:最大照射野
Calibration Dose Rate
リーフ 40 枚幅
dref = 10
SCD = 110 cm
(SSD = 100 cm)
リーフ 40 枚幅
Absolute Dose at
dref = 10
isocenter point
※
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
mMLC 2.5 mm の測定照射野はアイソセンターにおけるリーフ幅で定義されます。リーフ幅は若干の個体差がありますので、ご
施設のリーフ幅に合わせて照射野を形成して下さい。
測定時の注意事項
・リーフ 20 枚幅※1 以下の照射野では、stereotactic diode を推奨いたします。
特記事項
ただし、リーフ 12 枚幅※2 とリーフ 20 枚幅※1 の照射野は 0.125cc 相当のチェン
バーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブルな結果を得られるか確
認してください。チェンバーセットアップは実効中心です。
エレクタ株式会社
-15-
Monaco5_beamdata_04
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれていないか チェックしてください。
・mMLC 2.5mm の動作保証範囲は 6MV~18MV の X 線です。4MV ならび
に 20MV 以上には対応しておりませんのでご注意ください。
・下から上に向かって測定。35cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。有感体積効果
を可 能な限 り避けるためにチェンバーの選択をご検討ください 。少なくと も
0.125cc 以下であることを守り、チェンバーの長軸側でスキャンすることを避けてく
OCR
ださい。ただし、ダイオード検出器を使う場合はチェンバーと振る舞いが一致する
か比較してください。
・測定幅は以下の場合を除き、アイソセンター(10cm 深)において照射野外から
6cm 以上確保してください。
 リーフ 12 枚幅※2 、リーフ 20 枚幅※1 では照射野外から 10cm 以上。
OCD
TSCF
・対角線上にスキャンして下さい。スキャン角度はおおよそ 40.2 度です。
(厳密な角度はリーフ幅によって若干異なりますのでご確認ください)
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・リーフ 40 枚幅※3 で正規化してください。
※1 リーフ 20 枚幅(≒4.9×4.9-cm)
※2 リーフ 12 枚幅(≒2.94×2.94-cm)
※3 リーフ 40 枚幅(≒9.8×9.8-cm)
エレクタ株式会社
-16-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ C)
≪Elekta-外装式 DMLC 3mm 用≫
照射野サイズ[cm2]
測定項目
測定間隔[cm] /
深さ[cm]
説明[頁]
測定セットアップ
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
PDD
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 ま
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
で
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
0.2
リーフ 18 枚幅、リーフ 20 枚幅、
dmax+2 から-0.5
リーフ 22 枚幅※
まで
0.1
長方形:最大照射野
SSD = 90cm
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
OCR
(Inplane & Crossplane)
dmax, 5.0, 10.0, 20.0,
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
30.0
(ペナンブラ領域
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
を 0.1)
リーフ 18 枚幅、リーフ 20 枚幅、
小照射野は 0.05
リーフ 22 枚幅
※
が好ましい
SSD = 90cm
長方形:最大照射野
最大照射野(45.7,134.3 degree)
OCD (Open Field)
0.2
5.0
0.3
Non-Scanning Data
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
照射野係数(Scp)
dref = 10
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
リーフ 18 枚幅、リーフ 20 枚幅、
リーフ 22 枚幅※
長方形:最大照射野
Calibration Dose Rate
リーフ 22 枚幅
dref = 10
SCD = 110 cm
(SSD = 100 cm)
リーフ 22 枚幅
Absolute Dose at
dref = 10
isocenter point
※
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
DMLC3mm の測定照射野はアイソセンターにおけるリーフ幅で定義されます。リーフ幅は若干の個体差がありますので、ご施設
のリーフ幅に合わせて照射野を形成して下さい。
✓ DMLC3mm では、PDD、OCR、OCD に対し同一の検出器を使用して測定して下さい。
測定時の注意事項
特記事項
・リーフ 18 枚幅※1 以下の照射野では、stereotactic diode を推奨いたします。
ただし、リーフ 10 枚幅※2 とリーフ 18 枚幅※1 の照射野は 0.125cc 相当のチェン
エレクタ株式会社
-17-
Monaco5_beamdata_04
バーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブルな結果を得られるか確
認してください。チェンバーセットアップは実効中心です。
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれないか チェックしてください。
・下から上に向かって測定。35cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。有感体積効果
を可 能な限 り避けるためにチェンバーの選択をご検討ください 。少なくと も
0.125cc 以下であることを守り、チェンバーの長軸側でスキャンすることを避けてく
OCR
ださい。ただしダイオード検出器を使う場合はチェンバーと振る舞いが一致する
か比較してください。
・測定幅は以下の場合を除き、アイソセンター(10cm 深)において照射野外から
6cm 以上確保してください。
 リーフ 10 枚幅※2 、リーフ 18 枚幅※1 では照射野外から 10cm 以上。
OCD
TSCF
・対角線上にスキャンして下さい。スキャン角度はおおよそ 44.3 度です。
(厳密な角度はリーフ幅によって若干異なりますのでご確認ください)
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・リーフ 22 枚幅※3 で正規化してください。
※1 リーフ 18 枚幅(≒5.22×5.22-cm)
※2 リーフ 10 枚幅(≒2.9×2.9-cm)
※3 リーフ 22 枚幅(≒6.38×6.38-cm)
エレクタ株式会社
-18-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ C)
≪Elekta-外装式 DMLC 5mm 用≫
照射野サイズ[cm2]
測定項目
測定間隔[cm] /
深さ[cm]
説明[頁]
測定セットアップ
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
PDD
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 ま
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
で
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
0.2
リーフ 18 枚幅、リーフ 20 枚幅、
dmax+2 から-0.5
リーフ 22 枚幅※
まで
0.1
長方形:最大照射野
SSD = 90cm
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
OCR
(Inplane & Crossplane)
dmax, 5.0, 10.0, 20.0,
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
30.0
(ペナンブラ領域
リーフ 10 枚幅、リーフ 12 枚幅、
を 0.1)
リーフ 16 枚幅、リーフ 20 枚幅、
小照射野は 0.05
リーフ 22 枚幅
※
が好ましい
SSD = 90cm
長方形:最大照射野
最大照射野(41.8,138.2 degree)
OCD (Open Field)
0.2
5.0
0.3
Non-Scanning Data
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
照射野係数(Scp)
dref = 10
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
リーフ 10 枚幅、リーフ 12 枚幅、
リーフ 16 枚幅、リーフ 20 枚幅、
リーフ 22 枚幅※
長方形:最大照射野
Calibration Dose Rate
リーフ 20 枚幅
dref = 10
SCD = 110 cm
(SSD = 100 cm)
リーフ 20 枚幅
Absolute Dose at
dref = 10
isocenter point
※
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
DMLC5mm の測定照射野はアイソセンターにおけるリーフ幅で定義されます。リーフ幅は若干の個体差がありますので、ご施設
のリーフ幅に合わせて照射野を形成して下さい。
✓ DMLC5mm では、PDD、OCR、OCD に対し同一の検出器を使用して測定して下さい。
測定時の注意事項
特記事項
・リーフ 10 枚幅※1 以下の照射野では、stereotactic diode を推奨いたします。
ただし、リーフ 6 枚幅※2 とリーフ 10 枚幅※1 以下の照射野は 0.125cc 相当のチェ
エレクタ株式会社
-19-
Monaco5_beamdata_04
ンバーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブルな結果を得られるか
確認してください。チェンバーセットアップは実効中心です。
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれないか チェックしてください。
・下から上に向かって測定。35cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。有感体積効果
を可 能な限 り避けるためにチェンバーの選択をご検討ください 。少なくと も
0.125cc 以下であることを守り、チェンバーの長軸側でスキャンすることを避けてく
OCR
ださい。ただし、ダイオード検出器を使う場合はチェンバーと振る舞いが一致する
か比較してください。
・測定幅は以下の場合を除き、アイソセンター (10cm 深)において照射野外から
6cm 以上確保してください。
 リーフ 6 枚幅※2、リーフ 10 枚幅※1 では照射野外から 10cm 以上。
OCD
TSCF
・対角線上にスキャンして下さい。スキャン角度はおおよそ 41.8 度です。
(厳密な角度はリーフ幅によって若干異なりますのでご確認ください)
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・リーフ 20 枚幅※3 で正規化してください。
※1 リーフ 10 枚幅(≒4.75×4.75-cm)
※2 リーフ 6 枚幅(≒2.85×2.85-cm)
※3 リーフ 20 枚幅(≒9.5×9.5-cm)
エレクタ株式会社
-20-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ C)
≪Elekta-外装式 DMLC 7mm 用≫
照射野サイズ[cm2]
測定項目
深さ[cm]
測定間隔[cm] / 測
説明
定セットアップ
[頁]
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
PDD
-0.5~35 以上
35 から dmax+2 まで
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
0.2
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
dmax+2 から-0.5 まで
リーフ 16 枚幅、リーフ 20 枚幅、
0.1
リーフ 22 枚幅※
SSD = 90cm
長方形:最大照射野
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
OCR
(Inplane & Crossplane)
dmax, 5.0, 10.0, 20.0,
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
30.0
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
0.2
(ペナンブラ領域を
0.1)
リーフ 16 枚幅、リーフ 20 枚幅
小照射野は 0.05 が
※
長方形:最大照射野
好ましい
SSD = 90cm
最大照射野(41.8,138.2 degree)
OCD (Open Field)
5.0
0.3
Non-Scanning Data
正方形:リーフ 2 枚幅, リーフ 4 枚幅、
照射野係数(Scp)
dref = 10
リーフ 6 枚幅、リーフ 8 枚幅、
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
リーフ 10 枚幅、リーフ 14 枚幅、
リーフ 16 枚幅、リーフ 20 枚幅※
長方形:最大照射野
Calibration Dose Rate
リーフ 14 枚幅
dref = 10
SCD = 110 cm
(SSD = 100 cm)
リーフ 14 枚幅
Absolute Dose at
dref = 10
isocenter point
※
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
DMLC7mm の測定照射野はアイソセンターにおけるリーフ幅で定義されます。リーフ幅は若干の個体差がありますので、ご施設
のリーフ幅に合わせて照射野を形成して下さい。
✓ DMLC7mm では、PDD、OCR、OCD に対し同一の検出器を使用して測定して下さい。
測定時の注意事項
・リーフ 8 枚幅※1 以下の照射野では、stereotactic diode を推奨いたします。 た
特記事項
だし、リーフ 4 枚幅※2 とリーフ 8 枚幅※1 の照射野は 0.125cc 相当のチェンバーと
stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブルな結果を得られるか確認して
ください。チェンバーセットアップは実効中心です。
エレクタ株式会社
-21-
Monaco5_beamdata_04
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれないか チェックしてください。
・下から上に向かって測定。35cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。有感体積効果
を可 能な限 り避けるためにチェンバーの選択をご検討ください 。少なくと も
0.125cc 以下であることを守り、チェンバーの長軸側でスキャンすることを避けてく
OCR
ださい。ただし、ダイオード検出器を使う場合はチェンバーと振る舞いが一致する
か比較してください。
・測定幅は以下の場合を除き、アイソセンター (10cm 深)において照射野外から
6cm 以上確保してください。
 リーフ 4 枚幅※2、リーフ 8 枚幅※1 では照射野外から 10cm 以上。
OCD
TSCF
・対角線上にスキャンして下さい。スキャン角度はおおよそ 31.2 度です。
(厳密な角度はリーフ幅によって若干異なりますのでご確認ください)
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・リーフ 14 枚幅※3 で正規化してください。
※1 リーフ 8 枚幅(≒5.4×5.4-cm)
※2 リーフ 4 枚幅(≒2.7×2.7-cm)
※3 リーフ 14 枚幅(≒9.45×9.45-cm)
エレクタ株式会社
-22-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ D)
≪Elekta-Stereotactics Cone 用≫
照射野サイズ[cm2]
測定項目
測定間隔[cm] /
深さ[cm]
説明[頁]
測定セットアップ
Scanning Data <Scanning Data はすべて SSD = 90 cm で測定>
全ての Cone サイズ
PDD
-0.5~20
0.1
SSD = 90cm
全ての Cone サイズ
OCR
dmax, 5.0, 10.0, 20.0
(Inplane & Crossplane)
0.1
(ペナンブラ領域
は 0.05)
SSD = 90cm
Non-Scanning Data
全ての Cone サイズ、照射野 10×10
照射野係数(Scp)
dref = 10
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
Calibration Dose Rate
照射野 10×10
dref = 10
SCD = 110 cm
(SSD = 100 cm)
照射野 10×10
Absolute Dose at
dref = 10
isocenter point
SCD = 100 cm
(SSD = 90 cm)
測定時の注意事項
・PDD、OCR 照射野では、stereotactic diode を推奨いたします。 チェンバー
特記事項
セットアップは実効中心です。
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれないか チェックしてください。
・下から上に向かって測定。20cm 分の測定が行えるようにファントムセットアップ
PDD
にご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得られ
るようにしてください。
・全ての深さに対して測定幅を固定して下さい。
OCR
・測定幅は、アイソセンター (10cm 深)において照射野外から 6cm 以上確保し
てください。
TSCF
・10×10-cm で正規化してください。
エレクタ株式会社
-23-
Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ E)
≪Elekta、Varian、Siemens の治療機≫
3D Conventional オプションがあり、電子線をご使用になる場合はこの測定一覧を用います。
照射野サイズ [cm]
測定項目
深さ [cm]
測定間隔[cm]
測定セットアップ[cm]
スキャンデータ
水中測定<SSD = 100 cm で測定>
PDD
測定間隔 0.1 cm (12MeV 以下)
各コーン、照射野 40×40
-0.5~dinit
※1
測定間隔 0.1~0.2 cm (12MeV 以上)
長方形:40×22★
SSD = 100
OCR
dnorm
各コーン
Inplane & Crossplane
測定間隔 0.2 cm 以下、
※2
、dbrem ※3
SSD = 100
空中測定<SCD = 80、100 cm で測定>
長方形:8×8, 8×20,
OCR
測定間隔 0.2 cm 以下、
8×Max, Max×Max
Inplane & Crossplane
SCD = 80、100
SCD = 80、100
40×22★
ノンスキャンデータ
水中測定<SSD = 100 cm で測定>
Absolute Dose at d
dc
各コーン
もしくは dmax
SSD = 100
1MU あたりの絶対線量[cGy]
空中測定<SCD = 80、100 cm で測定>
長方形:8×8, 8×20,
Output Factor
8×Max, Max×Max
空中測定による電離量比
SCD = 80、100
40×22★
※1 PDD の測定深の目安です。公称エネルギーN MeV に対して、
N≦10MeV、
dinit =(1/2)×N + 5 cm、
N≧10MeV、
dinit =N cm、
と定義しております(詳細は第 4 章項目 105.PDD をご覧ください)
※2 OCR Inplane & Crossplane の測定深です。
公称エネルギー、E[MeV]
dnorm [cm]
4MeV ≦ E ≦ 6MeV
1.0
6MeV < E ≦ 15MeV
2.0
15MeV < E ≦ 50MeV
3.0
※3 Bremsstrahlung profiles Inplane & Crossplane の測定深です。
公称エネルギー、E[MeV]
dbrem [cm]
4MeV ≦ E ≦ 6MeV
5.0
6MeV < E ≦ 15MeV
10.0
エレクタ株式会社
-24-
Monaco5_beamdata_04
15MeV < E ≦ 25MeV
15.0
25MeV < E ≦ 35MeV
20.0
35MeV < E ≦ 50MeV
30.0
測定時の注意事項
・チェンバーセットアップは実効中心です。
特記事項
・ファントムのセットアップが良いか、異なる 2 つの深さでプロファイルを取得し、セ
ンターがずれないか チェックしてください。
・下から上に向かって測定。dinit※1[cm]分の測定が行えるようにファントムセットア
PDD
ップにご注意ください。水面付近では 0.5cm 分オーバーさせ、ゼロ深が確実に得
られるようにしてください。
・有感体積効果を可能な限り避けるためにチェンバーの選択をご検討ください。
少なくとも 0.125cc 以下であることを守り、チェンバーの長軸側でスキャンすること
OCR
を避けてください。ただし、ダイオード検出器を使う場合はチェンバーと振る舞い
が一致するか比較してください。
・測定幅は、dnorm※2、dbrem※3[cm]の照射野サイズにおいて照射野外から 6cm 以
上確保してください。
・平行平板形の検出器は使用しないでください。0.125cc 以下の検出器をご使用
Point Dose
ください。
・上記の「特記事項」の通り、二種類の検出器で測定してください。
・10×10-cm で正規化してください。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
Monaco ビームデータ測定一覧表 (タイプ F)
3D Conventional オプションがあり、さらに IMRT, VMAT オプションもある場合に実施。
測定項目
説明
説明[頁]
Array Detector セットアップ時の Isocenter がわかる状態の写真
写真
Elekta、Varian Millennium120、Siemens の場合
測定項目 (Field ID)
delivery
説明
説明[頁]
Three 6x24cm abutted fields
68
検出器:EPID
3ABUT
Static
検出器:Array Detector + Phnatom (2 次元・3 次元検出器)
10x10
Static
MLC+Jaw 10x10cm field
69
20x20
Static
MLC+Jaw 20x20cm field
69
DMLC
Dynamic
MLC2x20, Jaw20cm, MLC sweep-10>+10 (Siemens 無し)
69
7SegA
Static
MLC2x20, Jaw20cm, 7segments
69
HDMLC
Dynamic
Test Plan Head&Neck 1beam for dMLC (Siemens 無し)
70
HIMRT
Static
Test Plan Head&Neck 1beam for Step&Shoot
70
FOURL
Static
L Shape 4segments
70
検出器:Farmer Chamber + Water Phantom
10x10
Static
MLC+Jaw 10x10cm field
71
20x20
Static
MLC+Jaw 20x20cm field
71
DMLC
Dynamic
MLC2x20, Jaw20cm, MLC sweep-10>+10 (Siemens 無し)
71
7SegA
Static
MLC2x20, Jaw20cm, 7segments
71
説明
説明[頁]
Three 6x24cm abutted fields
68
Varian HD120 の場合
測定項目 (Field ID)
delivery
検出器:EPID
3ABUT
Static
検出器:Array Detector + Phnatom (2 次元・3 次元検出器)
10x10
Static
MLC+Jaw 10x10cm field
69
20x20
Static
MLC+Jaw 20x20cm field
69
DMLC
Dynamic
MLC2x20, Jaw20cm, MLC sweep-10>+10
69
7SegA
Static
MLC2x20, Jaw20cm, 7segments
69
Static
Test Plan Head&Neck 2beam for Step&Shoot
70
Static
L Shape 4segments
70
SSBS1
SSBS2
FOURL
エレクタ株式会社
-26-
Monaco5_beamdata_04
SLWD1
SLWD2
RB1S1
RB1S2
Dynamic
Test Plan Head&Neck 2beam for dMLC
70
VMAT
Test Plan Head&Neck 2beam for VMAT
70
検出器:Farmer Chamber + Water Phantom
10x10
Static
MLC+Jaw 10x10cm field
71
20x20
Static
MLC+Jaw 20x20cm field
71
DMLC
Dynamic
MLC2x20, Jaw20cm, MLC sweep-10>+10
71
7SegA
Static
MLC2x20, Jaw20cm, 7segments
71
エレクタ株式会社
-27-
Monaco5_beamdata_04
※Agility に関するご注意点
Monaco のための測定は、Guard Leaf が 2 枚開いた状態で行ってください。Guard Leaf は、Length
Jaw 側で照射野が作成される場合において、MLC 側の影響が入らないよう、リーフを余分に開くた
めの機能です(下図【Guard Leaf】参照)。つまり、Guard Leaf 機能 On は MLC がジョーよりも余分に 2
枚開いた状態、Guard Leaf OFF は照射野の外側ではジョーと同じように閉じる状態ということになり
ます。
Length Jaw
Guard Leaf
【Guard Leaf】
詳細については追加資料 3: XiO/Monaco Guard Leaf Customization and Agility LCS Behavior を
参照ください。
なお、Guard Leaf よりも外側の MLC については自動処理されます。固定照射(Static Beam)の場合
は 4cm 開きます。Dynamic に MLC を動かす照射(Dynamic Beam)の場合は、三角錐のような形で開
きます。これは照射野の動きにあわせて①の領域も変化させるためです。Agility の Jaw は扇のよ
うな形をしており、この外に MLC が出ないようにするためです。よって基本的な測定時では、
Guard Leaf が On であり、およびそれよりも外側の MLC は 4cm 開いた状態での測定ということに
なります。
Static Beam
エレクタ株式会社
Dynamic Beam
-28-
Monaco5_beamdata_04
モデリングと測定項目の関係
第3章
Monte Carlo(光子線)の説明
1. MonacoのMonte Carloアルゴリズム
MonacoのIMRTではMonte Carloで線量計算を行います。このMonte Carloは従来の一般的な線量
計算アルゴリズムと異なる考え方で測定データをモデリングに使用します。これまでの一般的なア
ルゴリズムではTSCF、深部線量分布(=PDD or TMR)、軸外線量比(=プロファイル)は相互に独立し
ており、適切な正規化を行うことができ、線量計算を行うときには、これらを積算の形で組み合わせ
るのが普通です。 しかし、Monacoに実装されているMonte Carloアルゴリズムでは、様相が異なり
ます。Monte Carloアルゴリズムでのビームモデルは2つの部分に分けられます。
・線源のモデル
ターゲットや平坦化フィルタなど、フィールドごとに変化しない部分
・ビーム整形装置のモデル
コリメータやMLCなど、フィールドごとに変化する部分
Monacoの線源モデルはVirtual Source Model (以下VSM)と呼ばれる仕組みを採用しています。細
かいパラメータはありますが、端的にはエネルギースペクトルとフルエンス分布の2つのみから成り
立っています。
つまり Monte Carlo のビームモデルでは、その内部に照射野係数や深部線量分布のテーブルを持
っているわけではなく、線源とビーム整形装置のモデルから、自発的に、測定とつじつまが合うよう
に生成されなければいけない、ということです。
2. VSMの概要
Monaco では、フラットニングフィルタやコリメータを実体としてシミュレーションしているわけではなく、
Virtual Source Model11(VSM)という抽象化されたモデルで表現されています。VSM のパラメータは、
ターゲットのサイズ、フラットニングフィルタの形状、エネルギースペクトル、散乱線と電子混入の割
合、軸外線量比など、全部でおよそ 30 通りありますが、まず3つの成分を考えることから始まりま
す。
・ターゲットから生成する主成分の光子線(Primary Photon)
・一次コリメータ下端から生成する散乱光子線(Secondary Photon)
・平坦化フィルタ下端から生成する混入電子線(Electron Contamination)
それぞれの成分ごとに以下の特質が設定されます。
・エネルギースペクトル
11
Sikora, Marcin Paweł Virtual Source Modeling of Photon Beams for Monte Carlo Based Radiation
Therapy Treatment Planning. PhD thesis, University of Bergen, 2010
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
・フルエンス分布
・基本となるガウシアンの幅
・変形をもたらすHorn ParameterやCentral Depressionの効果
平坦化フィルタや一次コリメータがもたらす独特の「M」の字形のプロファイル形状をモデ
ル化するためのパラメータです。
・Off-Axis Softening の影響
3. VSMモデリングについて
Monaco で使われているのと同じ X-ray Voxel Monte Carlo(XVMC)という線量計算エンジンによって、
VSM に従って発生した放射線を仮想ファントムに入射させた場合の線量分布計算を行い、矩形照
射野の照射野係数(TSCF)、PDD、プロファイルを求め、その結果を解析し、VSM の特質を調整し、3
成分の相互のウェイトがモデリング作業時に決定されます。
さて、VSM の特質を調整すると説明したように、照射野係数やピーク深といった測定値そのものが
パラメータになることはありません。これらは、VSM のパラメータを用いて水中の線量分布計算を行
って、はじめて求められるものです。例えば、7×7-cm の照射野係数だけをほんのわずか変更すると
いうことは不可能です。ターゲットのサイズを変えたり、スペクトルを調整したり、フラットニングフィル
タの厚みを変えたり、散乱線に関係するパラメータを調整して 7×7-cm の照射野係数を変えることは
できますが、同時に他のすべての照射野係数にも影響を及ぼしてしまいます。
つまりご提出いただくデータは、モデルのパラメータではなく、モデルの計算結果と比較するため
の「お手本」となるものです。この比較データには、矩形照射野の TSCF、PDD、OCR、OCD があります。
TSCF やビルドアップ領域の PDD はジョーや MLC からの散乱線や電子混入を左右するパラメータ調
整時に活躍します。OCR はコリメータもしくは MLC の透過率と辺縁、OCD では horn parameter の調
整時に重要な役割を果たします。
ここで、Monaco のビームデータを取得される皆様に、ご注意いただきたい点を3つ述べます。
(1) PDD の測定においてはスペクトルの調整や電子混入の割合を決めるにあたり、それぞれの照射
野のビルドアップ領域がどのように変化していくかを見ています。ですから照射野によってこのビル
ドアップ領域の傾向が変わってしまうと調整が非常に難しくなります。このため、小さい照射野のた
めに検出器を変更した際に、ビルドアップ領域が大きく変化してしまうと不都合です。異なる検出器
を使用する場合は同じ照射野を測定し、深いところでの一致だけでなく、ビルドアップ領域でもリー
ズナブルであるかどうかチェックしてくださいますようお願い致します。場合によっては実効中心を
変更する必要があるかもしれません。
(2) VSM は治療機から出てくるビームは中心軸において対称であると仮定されているモデルです。
よって、非対称なビームをモデリングすることはできません。しかし、ご提出頂くプロファイル(OCR,
エレクタ株式会社
-30-
Monaco5_beamdata_04
OCD)はフルスキャンでなければいけません。この理由は、もしビームの対称性が良くなかった場合
でも、平均的に合うように調整する必要があると考えるからです。また、大きい照射野の深部のプロ
ファイルスキャンでも照射野外のデータが取得できるよう考慮し、SSD=90cm での測定セットアップを
原則としています。
(3) PDD は同じ照射野の TSCF がないとモデリングに使用できません。また、OCR は同じ照射野の
TSCF と PDD がないとモデリングに使用できません。これは、モデリングツールにおける解析におい
て、計算 PDD と測定 PDD の比較が絶対線量で行われるためです。例えば、PDD の測定データが
(定義通り)ピークで規格化されたものだとすると、モデリングツールはまず(TCSF の測定深である)
10cm 深で再規格化を行い、これに Calibration Dose Rate と TCSF を乗じて、深部線量分布を絶対線
量に戻すことになります。そのため、ある照射野で PDD は測っているけれども TSCF は測定していな
い場合、その PDD をモデリングに使用することができません。OCR の場合、各測定深において絶対
線量に変換しなくてはならないため、TSCF と PDD が必要になります。PDD を測定した照射野では
TSCF を、OCR を測定した照射野では TSCF と PDD を必ず測定するようになっています。
4. MLCモデル
Monacoのビームモデルには2つの部分があることを説明しましたが、これまでの話はVSM,つまり線
源のモデルでした。もうひとつのビーム整形装置のモデルであるMLCモデルについて見ていきまし
ょう。MLCモデルには2つのパートに分けられます。
・MLC Dynamic Parameters…速度や回転速度など
・MLC Geometry Parameters…透過率やオフセットやリーフ間漏洩など
Dynamic Parametersは治療機のスペックに依存します。Monacoが治療機で実現できないようなプ
ランを作成させないようにするためのものです。基本的には治療機のスペックを反映させるだけで
問題ありませんが、照射できないようなプランが多発する場合には、変更して対応することが可能
です。 また、このカテゴリーには便宜上、MLCとは関係ない最小線量率などのパラメータも含みま
す。
Geometry Parameters は、Leaf Offset や Leaf Tip Leakage などの MLC に関するパラメータです。初
期値として各治療機の理想的パラメータが登録されています。このため、MLC が Dynamic に動作す
るような照射について、施設ごとの個性は反映されていません。これがどの程度であるか確認し、
必要であるならば、Monaco の MLC パラメータを変更して調整することが求められます。(この調整
作業は MLC Characterization と呼ばれます。弊社が行うモデリングに含まれますが、ご施設でさらな
る調整を行うことも可能です)
a)のAbsolute Dose(SAD)とCalibration Dose Rate(SSD)については、SSDで測定したCalibration Dose
Rateがモデリングに使用されます。モデリングを完了した後、SADで本当にAbsolute Doseと同じ値
が出るかどうかを確認します。冗長度を持たせることで、ただしくモデリングが行われているかチェッ
クします。
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Monaco5_beamdata_04
Collapsed Cone Convolution(光子線)のビームモデル
1. MonacoのCollapsed Cone Convolutionアルゴリズム
MonacoのCollapsed Cone Convolutionアルゴリズム(以下CCC)は、原理的にはすでに一般的にな
っているTERMAとカーネルの重畳積分で線量分布を求めるやり方です。しかし個別の部分には新
しいアイデアが導入されており、古くからある同様のアルゴリズムよりもスマートにできています。
Monaco CCCは、通常の固定多門の3D-CRTのみに対して使用可能です。動的な照射法には使わ
れませんから各パーツの速度は考慮しなくても良いですし、IMRTやVMATほどMLCのモデリングに
注意を払う必要はありません。注意を払うべきは直射線のスペクトル、散乱線源、後方散乱、照射
野係数、と言った古典的な概念です。
本項では患者体内の計算の仕組みは省略して、こういったビームモデルと測定の関係について
のみ述べることにします。
2. Monaco Collapsed Cone Convolutionアルゴリズムのビームモデル構成
MonacoのCCCでは、線源モデルは大きく分けて2つ、直射線と散乱線に分かれます。
・直射線
・主光子線
・混入電子
・散乱線
・フラットニングフィルタ起源
・コリメータ・MLC起源
・モジュレータ(ブロック・ウェッジ)起源
・モニタチェンバへの後方散乱
主光子線のフルエンス分布
主光子線、フラットニングフィルタ起源の
散乱線、モニタチェンバへの後方散乱、
コリメータ起源の散乱線
主光子線と混入電子は線源位置から出射します。線源は左右(AB)方向と長手(GT)方向とに軸を
持つ楕円形をしており、強度は2次元ガウス分布をしています。
散乱線は上記の通りヘッド内部のさまざまなパーツから出射しますが、主な要素はフラットニング
フィルタ底面から発生するものです。この散乱線も楕円の分布をしています。
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Monaco5_beamdata_04
3. Monaco Collapsed Cone Convolutionのビームモデルについて特別な点
(a) スキャン測定はSSD=90cmで行います。
Monaco CCCの測定ではPDD測定、プロファイル測定、照射野係数(Scp)、空中線量(Sc)などすべて
を同じセットアップで測りきらなければいけません。このセットアップは標準的にはSCD=100cm、
d=10cm、つまりSSD=90cmです。したがって照射野係数や空中線量などは標準的にSCD=100cmで
測る一方、PDDやプロファイルは非標準的なSSD=90cmで測らなければいけません。
(b) オープン照射野と(物理)ウェッジ照射野とでは、ほとんどビームデータを共有しま
せん。
つまり15、30、45、60度の物理ウェッジを使用可能な6MVのX線をモデリングすると、事実上まった
く別個の「5本のX線ビームデータ」としてデータ化、それらを1つのグループにまとめることによって、
ある6MV X線のビームデータを構成します。
(c) ソフトウェッジ照射野には一切モデリングパラメータがありません。
VarianのEnhanced Dynamic Wedge、SiemensのVirtual Wedgeとも、測定項目もモデリングパラメー
タもありません。ただしVirtual WedgeのC-Factorはビームデータのインストール時に必要です。
4. Monaco Collapsed Cone Convolutionの測定データとモデリング手順
Monaco CCCの測定項目をオープンに限ると、おおよそ下記の通りです。
PDD
OCR (Inline & Crossline、10x10)
OCR (Inline & Crossline、10x10以外)
OCR (Inline、T-shape)
OCD(Diagonal、最大照射野)
Scp(水中での照射野係数)
Sc(空中での照射野係数)
Absolute Dose(絶対線量 = キャリブレーションに用います)
これらの測定項目をMonaco CCCのビームモデルに反映するモデリング作業はおおよそ下記のよう
な順序で行われます。たいてい自動的に値が定められます。
(a) まず10x10のプロファイルのPenumbra
と、比較的小さな照射野でのScpを見て、
主光子線のスポット形状を決定します。
測定と実測の
PDD と、その
際の X 線スペ
クトル
他のサイズのプロファイルも補完的に
使われます。X軸とY軸はそれぞれ別個の
取り扱いとなります。
(b) PDDを一通り見て、主光子線のスペクト
ルと混入電子の量を決定します。
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Monaco5_beamdata_04
(c) 2本の対角プロファイルを見て、フルエンス分布を決定します。
(d) 空中線量を見て、フラットニングフィルタ起源の散乱線のスポット形状を決定します
この散乱線のスポットは一次コリメータの円錐形の底面に描かれた楕円形です。
(e) コリメータ(ジョー、MLC)での遮蔽計算はモデリング対象ではありません。Monaco CCC
はジョーとリーフについて(線源から測った)距離・形状・材質の完全なデータを持
っています。各回計算時に線源からアイソセンタ面に向かってレイトレーシングを実
行し、それぞれのレイが遮蔽体を通過する長さを計算し、減衰を見積もります。ペナ
ンブラの幅や、Tongue-and-Groove効果などはこれにより自発的に算出されます。です
からモデリングパラメータ(Transmission、Penumbra Width、Groove Widthなど)は必
要ありません。
この部分については10x10以外のプロファイルやT-Fieldなどの測定で、検証を行います。
(f) 後方散乱の量は、コリメータ(ジョー、MLC)の上流面や側面でX線が当たっている面
積を計算し、モニター線量計からそれを望む立体角を計算することで求めます。後方
散乱はもともと大きな要因ではないので、強度分布や線質については考慮していませ
ん。
(g) コリメータ起源の散乱線もモデリング対象ではありません。完全に遮蔽されている部
分からは発生しないとし、フィールドの縁の部分のみを散乱線源とみなして、あらか
じめ用意されている散乱カーネルを各回計算時にそこに重畳していきます。
ウェッジ照射野についてはおおむね上記の繰り返しですが、
異なる点があります。
(h) 対角プロファイル 2 本の測定だけではなく、10 度ご
とに 18 本、いわゆるスタースキャンという測定を
する必要があります。
ウェッジ照射野のスタースキャン
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Monaco5_beamdata_04
第4章
データ記入シートの項目と測定項目の説明
この章では、Monaco に登録する際に必要な項目について、その意味や測定方法などをご説明します。
各項目のナンバーは、ご提出いただくデータ記入シートの項目ナンバーと対応しています。以下の説
明を参考に、データ記入シートをご記入ください。データ記入シートは Microsoft Excel®を利用していま
す。そのシートごとに解説しています。
1. シート「Introduction」
1. Site Information
項目名
記録内容
Date
Worksheet の記入日をご入力ください12。
Hospital/Institute Name
施設名を英語表記にてご入力ください。
Hospital Number
施設番号です。弊社が記入しますので入力不要です。
Data collected by
Scanning software
データ収集された方、または治療計画装置を管理されている方のお
名前を入力してください。
スキャンデータを収集するために使用した測定ソフトウェアの名称を
ご入力ください。
測定ソフトウェアのバージョンをご入力ください。尚、弊社で取り扱え
Software Version
るデータのファイル形式がございます。P.6 のスキャンデータの測定
の項をご参照ください。
Linac Make
今回モデリングを行う治療機のメーカー名を選択してください。
Linac Model
治療機のモデル名を入力してください。
MLC Model
MLC のモデル名を入力してください。
(MLC) Number of Leaf Pairs
MLC のリーフ対数を入力してください。(例:80 対)
【Site Information】
2. シート「Measurement」
2.
Detector Information
測定項目ごとに使用した検出器(Detector)の名称とファントムをご記入ください。
12
修正があった場合には最終更新日に変更してください。
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Monaco5_beamdata_04

Type
検出器タイプです。
チェンバー(電離箱)、ダイオード(ダイオード)、Other(その他)の中から選択して下さい。

Model
検出器のメーカー名とモデル名をご入力ください。
モデル名がわからない場合は、ご購入先へお問い合わせください。

Phantom
測定に使われたファントム名をご入力ください。
(例:Blue Phantom , MP3 Water Tank, Solid Phantom)

Measurement Range
その検出器で測定した照射野サイズの範囲です。
ただし、重複している照射野サイズがある場合は、どちらを採用して登録するかご検討し、ご
記入ください。例えば、指頭型では 4×4~40×40 まで、ダイオードでは 1×1~5×5 まで取得した
が、登録するのはダイオードの 1×1~3×3 とする。登録に使用する範囲を記載します。
3.
Scanner Coordinate System
ファントム設置による座標系の関係を確認します。XYZ 軸
のそれぞれの+方向はどの番号になるか記入してくださ
い。
4.
【Scanner Coordinate System】
Field Edges Are Formed By
照射野を作成した際にジョーのみで作成したか、ジョーと MLC で作成したかを確認する項目です。
各メーカーの MLC タイプにより以下の作成方法が推奨されています。

Elekta (MLCi/MLCi2 )
Jaw+MLC (Guard Leaf On)

Elekta (Agility)
Jaw+MLC (Guard Leaf On)

Elekta (Beam Modulator)
MLC Only

Siemens
Jaw+MLC

Varian (Millennium120)
Jaw Only

Varian (HD120)
Jaw+MLC
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Monaco5_beamdata_04
3. シート「Treatment Head Labels」
5.
Treatment Head Labels
Monaco ではジョーや MLC の表示名を治療機の表示にあわせて変更することができます。このた
め治療機コンソール表示に準じて登録します。
Treatment Head Labels
Monaco の初期値
項目
Collimator Jaws
Symmetric
Width
Length
Asymmetric
LW
RW
UL
LL
Multileaf Collimator
X1
X2
【Treatment Head Labels の初期値とコリメータの配置】
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
4. シート「General Parameters」
【General Parameters】
6.
Machine serial number
治療機のシリアルナンバーを記入してください。エレクタ治療機の場合は Desktop モニターの左上
コーナーに表示してある数字になります。
7.
Reference Depth [cm]
Monaco における基準深(dref)は水等価 10 cm 深にてお願いしております。
【備考】
Monaco の線量計算において、絶対値[cGy]を与える項目は Calibration Dose Rate という項目
です。この値をもつ深さのことを基準深と呼んでいます。
8.
Opening angle of primary collimator
プライマリーコリメータの円錐角度。(エレクタ治療機の場合は記入不要)
9.
Source to Flattering Filter bottom distance
線源からフラットニングフィルタ下端までの距離。(エレクタ治療機の場合は記入不要)
10. Monitor Chamber distance
線源からモニタチェンバー下端までの距離。(エレクタ治療機の場合は記入不要)
【線源とビーム整形装置の距離関係】
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
11. Machine Reference Distance [cm] 線源-アイソセンター間距離
一般的に 100 cm です。小数第 1 位まで登録できます。
12. Max Width [cm] × Max Length [cm] 治療計画上の最大照射野
Machine Reference Distance(100 cm)での最大照射野サイズです。施設の治療機のコリメータが最
大に開く照射野となります。以下の MLC タイプを除き、一般的には 40×40-cm です。
➢ VarianHD120 の MLC を搭載している治療機(NTX など)の場合、40×22-cm
➢ mMLC 2.5 mm の場合、116 mm×リーフ 56 枚幅となります。
おおよそ 11.6×13.7-cm となります。
13. Min Width [cm] × Min Length[cm] 治療計画上の最小照射野
Machine Reference Distance(100 cm)での治療計画可能な最小照射野サイズです。基本的には測
定した TSCF(Scp)までの登録を推奨します。ただし、3D Conventional オプション以外がある場合に
は 0.1×0.1-cm を登録します。
14. Available Setups 可能な治療セットアップ
ここでは、次の治療セットアップが施設において可能・不可能を Yes / No でお答えください。
SSD
Source to Surface Distance セットアップの有無
SAD
Source to Axis (アイソセンター) Distance セットアップの有無
Rotational
回転照射
Dynamic Conformal
原体照射
【備考】

SSD および SAD セットアップは原則的に Yes で作成します。このため、SSD Limit の値を決定
する必要があります。項目 15「SSD Limits 線源-体表面距離の設定」をご覧ください。

Rotational と Dynamic Conformal の計画について、Monaco 5.0 では Monte Carlo アルゴリズ
ムのみサポートしており、Collapsed Cone アルゴリズムでは作成できません。
15. SSD Limits 線源-体表面距離の設定
治療計画において線源と患者の体表面との距離が実現不可能な値にならないように設定するリミ
ットです。
Max [cm]
100 cm 以上の数値の登録が可能です。
Min [cm]
患者を線源へ近づけた際の線源から患者の体表面まで許容される最小距離を記入します。
治療機と患者(もしくは固定具)の接触がないよう余裕を持たせた距離が望ましいです。
【Gantry Parameters】
16. Angle at Vertical Down [deg] 鉛直下向き時の表示角度
ガントリが鉛直下向き時の表示角度です。
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Monaco5_beamdata_04
17. Increasing Angle Direction ガントリ角度の増加方向
カウチの足側からガントリを見たときに、ガントリ角度が増加する回転の方向です。
CCW
CW
【ガントリ角度の増加方向】
18. Arc from Angle at Vertical Down 鉛直下向きからのガントリ回転可能角度
オーバーラップ分を含めた回転量(何度分回転するか)です。
To min limit [deg]
角度減少方向への最大回転量
To max limit [deg]
角度増加方向への最大回転量
※通常は、両回転方向とも同じ回転量です。また、回転量なので正の値のみとなります。
【例】
どちらの回転方向にも、オーバーラップが 10 度ある場合
To min limit [deg]:
190
To max limit [deg]:
190
19. Arc Direction ガントリの回転方向
回転照射の際に可能な回転方向です。Positive / Negative / Both のいずれかを選択してください。
この項目で登録される回転方向は、回転照射の際にのみ使用されます。
Positive
回転増加方向(+方向)
Negative
回転減少方向(-方向)
Both
両方向に回転可能
【General Collimator Parameters】
20. Nominal Collimator Angle [deg] 通常のコリメータ角度
コリメータが基準の位置にあるときの表示角度です。
21. (Increasing angle) Direction 角度増加方向
BEV(Beam’s Eye View)で見たとき、コリメータ角度が増加する回転の方向です。
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Monaco5_beamdata_04
CCW
CW
【コリメータ角度の増加方向】
22. Asymmetric Jaws 非対称に動くコリメータの組み合わせ
ここには、コリメータが非対称な開度を設定できるかどうかを記入してください。最近の
治療機では、AB(Cross)と GT(Inline)方向ともに非対称な開度を設定できます。
コリメータが 0 度のときに

Width only
図の 1-3 方向のコリメータのみ非対称に動く

Length only
図の 2-4 方向のコリメータのみ非対称に動く

Both
両方のコリメータが非対称に動く
Min Width Position [cm]
Min Length Position [cm]照射野中心を越えて反対側までコリメータが移動可能な場合、中心
軸を越えてからの移動量を負の値として記入してください。
【Collimator Configuration Parameters】
Upper Jaw / Lower Jaw の機械的情報について、それぞれご入力ください。
23. Collimator Pair Label
Treatment Head Labels のいずれに該当するかを記入します。
24. Source to Collimator Distance [cm]
線源からジョー下端までの距離をご入力ください。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
25. Thickness of Collimator [cm]
ジョーの厚さをご入力ください。
26. Material
ジョーの材質をご入力ください。
【MLC Parameters】
27. Number of Leaf Pairs・MLC Model
使用される MLC のモデルとリーフの対数です。
【Couch Parameters】
28. Nominal Couch Angle [deg] 通常のカウチの角度
カウチが基準の位置にあるときの表示角度です。
29. Increasing Angle Direction 角度増加方向
BEV(Beam’s Eye View)で見たときに、カウチ角度が増加する回転の方向です
(寝台をビーム中心軸に対して回転させた場合)。
CCW
CW
【カウチ角度の増加方向】
【Block Information】
30. Block Material Name
以下 6 つの物質の
組成
Z
Density(g/cm3)
82.0
11.35
うち、使用されるブ
ロック物質に一番
近いものを選択し
て下さい。指定以
外のブロックは計
算に使用できませ
ん。選択可能物質
Lead
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Monaco5_beamdata_04
Rose’s metal
Sn 22 %, Pb 28 %, Bi 50 %
77.9
9.80
Newton’s metal
Sn 18.8 %, Pb 31.2 %, Bi 50 %
78.9
9.80
MCP96
Sn 15.5 %, Pb 32 %, Bi 52.5 %
80.0
9.85
Commercial lead
Pb 96 %, Sb 4 %
80.1
11.00
Cerrobend
Bi 50 %, Pb 26.7 %, Sn 13.3 % Cd 10 %
7.66
9.85
31. Block Material Density [g/cc]
30. Block Material Name で物質を選択すると同時に、対応した密度が入力されます。
32. Source to Blocking tray Distance [cm]
線源からブロックの下端(トレイは含みません)までの距離です。小数第 1 位まで登録で
きます。
線源
線源-ブロック下端距離
線源-ブロック下端距離
線源-ブロック下端距離
ブロック
トレイ
【線源-ブロック下端距離】
エレクタ
エレクタ治療機は通常、線源からブロック下端までの距離が 67.2 cm です。例えばブロッ
クが上乗せや挟み込みの場合、本項目の数値はこの距離 67.2 cm となります。又は、ブロ
ックがぶら下がりの場合、本項目の数値はこの距離 67.2 cm にトレイの厚さと、さらにブ
ロックの厚さを足したものとなります。
33. Block Thickness [cm]
治療に使用するブロックの厚さです。厚さはビームが通過する方向で見ます。ブロックを
使用する場合、厚さが同一になるような置き方を決定しておく必要があります。
エレクタ(Agility)
エレクタ用のブロック(オプション製品)は 2 種類ございます。Low Energy 用は 6cm 厚、
High Energy 用は 8cm 厚です。
34. Block Material Composition [%]
30. Block Material Name で物質を選択すると同時に、対応した組成が入力されます。
エレクタ株式会社
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エレクタ株式会社
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5. シート「Photon Machine Parameters」
35. Machine ID
Monaco に登録するモデルの名前です。登録できる文字数は 1~14 字で、アルファベット(大文字、
小文字の区別あり)と数字が使用できます。記号(+、-、_やカンマ、コロン等)やスペースは使用で
きません。この Machine ID そのものが治療計画時に選択するモデル名ではありませんが、後述す
る Treatment Unit Mapping にて選ぶ場面がございますので、わかりやすい ID 名にしてください。
【備考】

治療機更新の場合、以前と同じ Machine ID を使用することはできません。モデリングした年
を Machine ID に盛り込む等、モデルを区別しやすい名前にされることをお薦めします。

Monaco では治療計画時に Machine ID を直接選択しません。まず、Treatment Unit
Mapping というグルーピング機能を使って、同じ MLC タイプのいくつかの Machine ID をひと
つの名称にまとめます。Treatment Unit でグルーピングする際に区別がつくようにしておい
てください。最低限の情報として、エネルギー、高線量率モードやフラットニングフィルター
フリーモード、治療機が複数台あるときはその識別、などを含むとよいです。場合によっては
年号などもあった方がよいでしょう。
【例】 X 線 4MV→『04X2009』 電子線 12MeV→『E12y2009』
【不適切な例】
『ELEKTA 04』
スペースは使えません。
『room2:X04』
記号は使えません。
『room2_X04』
記号は使えません。
『PRECISERoom2photon04X』 14 文字以上は作成できません。
Machine ID は、最初の1文字が数字(0~9)、英語大文字(A~Z)、英語小文字(a~z)の順で表示され
ます。
36. Treatment Unit Mapping
Monaco はアルゴリズムごとに Machine ID を持つのですが、治療計画を行う上では不便であるた
め、グルーピング機能により、同じ MLC タイプのモデル ID ならば、エネルギー、アルゴリズム、モダ
リティをひとくくりに名前付けすることができます。Machine ID からエネルギー部分を除いて
Treatment Unit 名にするのが一番簡単な命名法です。今回作成する Machine ID をグルーピング
する際の名称を入力してください。
【備考】
治療機が1台しかない場合にはなんでも構わないのですが、複数台ある場合にはどの治療機かを
明確にできる必要があります。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
【例】以下の Machine ID を Treatment Unit にまとめる。
04X2013
10X2013
Synergy Room1
E12y2014
【グルーピングできない例】
・同じ治療機で同じエネルギーはグルーピングできません。たとえばモデリングの年代違い
04X2009
04X2014
・異なる治療機はグルーピングできません。
04X2014room1
04X2014room2
・特殊なモデルはグルーピングできません。mMLC と X 線コーンのモデルデータはその他のモデル
データと一緒にできません。
mMLC06MV
mMLC10MV
06X2014IMRT
37. Description (optional)
ここにはコメントを記入してください。入力できる文字数は 0~24 字で、記号やスペースも使用で
きます。未記入でもかまいません。
38. Energy [MV]
治療機が出力できるすべてのエネルギーを記入してください。
【例】治療機が 4MV, 6MV, 10MV と 3 つのエネルギーで使用できる場合は、6MV のみのモデリン
グであったとしても、本項目には 4MV, 6MV, 10MV と記入してください。
39. Calibration Dose Rate [cGy/MU]
基準深 10 cm および基準照射野における 1MU あたりのファントム中の線量(単位:cGy)です。
【基準照射野サイズ(Reference Field Size at アイソセンター)】
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
10×10-cm
➢Elekta-Beam Modulator の場合、10.4×10.4-cm
➢mMLC 2.5 mm の場合、リーフ 40 枚幅の正方形。おおよそ 10×10-cm になります。
【Calibration Dose Rate 測定方法】

セットアップ:Source to Chamber Distance (SCD) = 110cm

測定深さ:基準深 dref=10 cm (SSD=100cm)

検出器:校正された電離箱
エレクタ株式会社
-46-
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
チェンバーの水面に対する配置:幾何学中心

任意の MU を照射した際の絶対線量[cGy]を測定し、照射した MU で割って 1MU あたりの
線量を算出します。

治療機のモニター校正が完了した状態であることが必要です。

X 線エネルギー(モデリングを依頼されているエネルギー)ごとに必ず測定してください。
【記入にあたって】

単位は cGy で、小数第 3 位までご記入ください。

お使いのファントムの種別をご記入ください(30×30-cm 水ファントムなど)。基本的には固体
ファントムはご使用にならないようご留意ください。
【備考】

測定時には再現性のチェック、および直線性のチェックをされることをお薦めします。
再現性: 同じ照射野、同じ MU を照射し、測定値のばらつき
直線性: 同じ照射野で MU を変化させて、グラフ上にて直線からのばらつき
(追加資料 2:直線性の確認を参照してください)

10×10 の測定時に、Guard Leaf は On の状態(2 対開いた状態)であることをご確認くださ
い。
40. Absolute Dose at IC [cGy]
基準深 10 cm および基準照射野における 100MU あたりのファントム中の線量(単位:cGy)で
す。
【基準照射野サイズ(Reference Field Size at アイソセンター)】
➢ Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
10×10-cm
➢ Elekta-Beam Modulator の場合、10.4×10.4-cm
➢ mMLC 2.5 mm の場合、リーフ 40 枚幅の正方形
おおよそ 10×10-cm になります。
【測定方法】

セットアップ:Source to Chamber Distance (SCD) = 100cm

測定深さ:基準深 dref=10 cm (SSD=90cm)

検出器:校正された電離箱

チェンバーの水面に対する配置:幾何学中心

100MU を照射した際の絶対線量[cGy]を測定し、その値を記入してください。

治療機のモニター校正が完了した状態であることが必要です。
エレクタ株式会社
-47-
Monaco5_beamdata_04

X 線エネルギー(モデリングを依頼されているエネルギー)ごとに必ず測定してください。
【記入にあたって】

単位は cGy で、小数第 3 位までご記入ください。

お使いのファントムの種別をご記入ください(30×30-cm 水ファントム、30×30-cm 固体ファント
ムなど)。
【備考】

測定時には再現性のチェック、および直線性のチェックをされることをお薦めします。
再現性: 同じ照射野、同じ MU を照射し、測定値のばらつき
直線性: 同じ照射野で MU を変化させて、グラフ上にて直線からのばらつき
(追加資料 2:直線性の確認を参照してください)
41. TSCF (Large Field Detector, Small Field Detector)
Total Scatter Correction Factors (TSCF)を測定により求めます。SCD = 100 cm に検出器を配置し、フ
ァントム中(水中、基準深 dref =10 cm)において、基準照射野に対する任意の照射野の線量比で
す。第 2 章の『測定時の注意事項』でも述べておりますが、5×5-cm 以下の照射野では、専用の検
出器を推奨します。
【照射野サイズ】第 2 章 ビームデータ測定項目一覧表をご参照ください。

Small Field と Large Field で検出器を使い分けて線量比を得てください。最低限 4×4-cm、
5×5-cm 付近の照射野においては両者で測定してください。詳しくは【TSCF 測定方法】の検
出器の事項をお読みください。

mMLC 2.5 mm は記入シートに Leaf width at アイソセンター[mm]にアイソセンターにおける
リーフ幅[mm]を入力すると測定する照射野が表示されます。
【TSCF 測定方法】

セットアップ:SCD=100 cm

測定深さ:基準深 dref=10 cm

基準照射野:以下のタイプに応じて設定して下さい。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
10×10-cm
➢Elekta-Beam Modulator の場合、10.4×10.4-cm
➢mMLC 2.5 mm の場合、リーフ 40 枚幅の正方形
おおよそ 10×10-cm になります。

検出器:以下のタイプに応じて選択して下さい。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
エレクタ株式会社
-48-
Monaco5_beamdata_04
5×5-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いたしま
す。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 5×5-cm は両者で測定し、
比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。
➢Elekta-Beam Modulator の場合
4.8×5.2-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いた
します。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 4.8×5.2-cm は両者で
測定し、比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録す
るか決定し提出してください。
➢mMLC 2.5 mm の場合
・リーフ 20 枚幅*1 以下(4.9×4.9-cm 相当)の照射野では、stereotactic diode を推奨
いたします。 ただし、リーフ 12 枚幅(2.94×2.94-cm 相当)とリーフ 20 枚幅の照射
野は 0.125cc 相当のチェンバーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブ
ルな結果を得られるか確認してください。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。

項目 12「Max Width[cm]×Max Length[cm] 治療計画上の最大照射野」に合わせて測定を
省略して下さい。

チェンバーの水面に対する配置:実効中心

測定値:測定条件が変化しない場合は電離量比でも構いません。日をまたいで確認する場
合は線量比にしておくと確実です。
測定後の計算:図【TSCF 測定セットアップ】の通り、SCD=100 cm における任意の各フィールド
サイズに対して測定を行い、最後に基準照射野の測定値で各フィールドサイズの測定値を
割り算します。
【例】5×5-cm の TSCF を求める場合
左のセットアップ(照射野 5×5-cm)で測定した数値を、右のセットアップ(照射野 10×10-cm)で
測定した数値で割ったものが、照射野 5×5-cm の TSCF となります。
【記入にあたって】

基準照射野で規格化した値を小数第 3 位まで記入してください。検出器ごとに TSCF (Large
Field Detector)と TSCF (Small Field Detector)に分けてご記入してください。

使用した検出器の型番もしくは有感体積をシート 2.Measurement の 2.Measurement
Instrument に記入してください(IBA CC13、0.125cc、0.010cc など)。

使用したファントムの種別を記入してください(30×30-cm 水ファントム、30×30-cm 固体ファン
トムなど)。
【備考】

小照射野の場合は小照射野用の検出器をお使いください。
エレクタ株式会社
-49-
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
照射野によって検出器を変更する場合は、どの範囲なら置き換え可能かご検討の上、測定
手法を貴施設内で決定しておいてください。普段の検証(QA / QC)と同じ測定手法であるこ
とが望まれます。

校正用ファントムで測定される場合は、30×30 以上の照射野で、ファントムの大きさが足りず
ファントム散乱の影響が小さくなり過小評価になります。スキャン用ファントムを設置している
うちに測定するなどご留意くださいますようお願い致します。
【TSCF 測定セットアップ】
42. TSCF (Small Field & Large Field Cross Calibration)
項目 41.TSCF において Large Field 用と Small Field 用の線量比を記入します。両者の相互校正を
行う照射野サイズです。
【記入にあたって】

相互校正を行う照射野サイズを Cross Calibration Field Size にご入力ください。

参考としまして、『外部放射線治療における水吸収線量の標準計測法 12』の P.244 小照射
野の水吸収線量計測をご覧ください。「5×5 など比較的小さい照射野で相互校正を行うこと
を推奨する。」とあります。
【備考】

今後、QA などの検証をされる場合に、今回の相互校正を行った照射野サイズで検出器を切
り替えることが望ましいと考えられます。今後の方針も含めてお決めください。
エレクタ株式会社
-50-
Monaco5_beamdata_04
43. TSCF (final)
項目 42. TSCF Cross Calibration Field Size の相互校正により、項目 41. TSCF (Small Field Detector)
の値を規格化しなおした値と TSCF (Large Field Detector)の値を接続した表になります。
【備考】

グラフが滑らかであるかご確認ください。
44. Head Scatter
SCD = 100 cm の空気中(空中、ブラスキャップ使用)において、基準照射野に対する任意の照射
野の線量比です。
【照射野サイズ】

治療機コリメータ部の上段側の Jaw/MLC を Inner Jaw、下段側の Jaw/MLC を Outer
Jaw と呼称します。
記入シートの記載に従い、Inner Jaw と Outer Jaw の入れ違いにご注意ください。
Elekta 治療機の場合
3 合機の ta ご注意ください。表をご参照くだ 10×Max, 15×Max, 20×Max, 30 機の ta ご注意くだ
さい。表をご参照くだ Max の ta ご注意ください。表をご参照くだ 10×Max, 15×Max,30
測定時の Stored Beam では Crossline size × Inline size の表記になっています。つまり、Inner Jaw
×Outer Jaw です。記入シートに入力する際は Outer Jaw×Inner Jaw の照射野サイズを併記し
ていますのでご確認ください。
Varian・Siemens 治療機の場合
3×Max, 5×Max, 8×Max, 10×Max, 15×Max, 20×Max, 30×Max, Max×3, Max×5, Max×8, Max×10,
Max×15, Max ×20, Max×30, 40×22★
照射野サイズは Crossline size × Inline size の順番での記載です。 Outer Jaw×Inner Jaw にお
けるサイズ表記と一致します。
★40×22 は Varian 治療機 HD120 で必要です。
【Head Scatter 測定方法】

セットアップ:SCD=100 cm

基準照射野:以下のタイプに応じて設定して下さい。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
10×10-cm
➢Elekta-Beam Modulator の場合、10.4×10.4-cm
➢mMLC 2.5 mm の場合、リーフ 40 枚幅の正方形
おおよそ 10×10-cm になります。

検出器:0.125cc 相当のチェンバーを選択して下さい。
エレクタ株式会社
-51-
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
ビルドアップキャップ:真鍮製のビルドアップキャップを使用してください。エネルギーによっ
て厚さを変えることが望ましいです。以下の表に応じて厚さを選択して下さい。
Photon Energy
Wall Thickness(mm)
4
1.6
6
2.4
10
4.0
15
6.0
18
7.1
【推奨されるブラスキャップの厚さ】

【ブラスキャップ】
ちょうど良い厚さのキャップが無い場合は表の厚さよりも厚く、なるべく近いものを採用してく
ださい。表よりも薄いキャップは混入電子の影響を受けます。

ブラスキャップをお持ちではない場合は弊社よりお貸出し致します。お貸出しのスケジュー
ルをご相談させていただきます。基本的には 2 泊 3 日でのお貸出しになります。

ミニファントムは推奨しておりません。
45. Tray ID
Monaco に登録するブロックシャドウトレイの名称です。Tray ID ごとに Tray Factor を登録する
必要があります。
例:Tray 1
46. Tray Factor
SCD = 100 cm の水中において、トレイが無い状態に対するトレイを入れた状態の線量比
です。

セットアップ:SCD = 100cm 深さ 10 cm, 照射野 10×10

トレイあり・なしの線量比
Tray Factor = (Tray 有り) / (Tray 無し)
6.シート「Wedge 1」「Wedge 2」「Wedge 3」「Wedge 4」「Wedge 5」
【Wedge Filed Parameters】
47. Wedge Type
外付け Wedge は Fixed (Physical Wedge-物理ウェッジ)を選択し、エレクタ社の内装 Wedge
は Motorized と選択します。ソフトウェッジは Siemens の Virtual Wedge、Varian の Enhanced
Dynamic Wedge に対応しています。

外付け Wedge :
Fixed

エレクタ内装
Motorized
エレクタ株式会社
:
-52-
Monaco5_beamdata_04

Virtual Wedge :

Enhanced Dynamic Wedge :EDW
VW
48. Source to Wedge Distance [cm]
線源からウェッジの平らな面までの距離です。小数第 1 位まで登録できます。図【ウェッ
ジ位置と距離】をご参照ください。
【ウェッジ位置と距離】
49. Material
エレクタ社の場合は記入不要です。エレクタ社製治療機以外の場合は材質のわかる資料を添付
してください。
50. Nominal Wedge Angle [deg]
Wedge 角度の公称値を入力してください。
51. Maximum Field Size
Wedge Direction
図に表示されている方向の許容される最大の照射野サイズです。小数第 1
位まで登録できます。
Non Wedge Direction
図に表示されている方向の許容される最大の照射野サイズです。小
数第 1 位まで登録できます。
BeamModulator にて Elekta 用外付けウェッジを使用する場合
AKTINA 60 度 Wedge の仕様書において、Wedge 方向の最大許容照射野幅は 20cm までとなってお
ります。しかし、Beam Modulator はコリメータが固定であるため、Width 方向は常に 21cm という認識に
なります。Wedge60 度において常に制限オーバーであることになり、Monaco 上で計算できなくなりま
す。これは制限の判定条件が MLC ではなくコリメータにあるためです。Elekta 用外付け Wedge をご使
エレクタ株式会社
-53-
Monaco5_beamdata_04
用になるためには、Wedge 方向の最大許容照射野幅を 21cm とするか、60 度は使用しないと決定する
必要があります。
最大許容照射野幅を 21cm にする場合は、この条件における OCR の測定を必ず行いプロファイルに
問題がでていないかご確認くださいますようお願い致します。
52. Wedge Labels
コリメータ角度 0 度の場合に施設の治療機における a~d のウェッジ向きを何と呼ぶか、その呼び
方(Label)を決定します(図【Wedge Labels】参照/a、c は Couch の足側から見た図)。Wedge の方
向ごとに Label を決める必要があります。Wedge が対応しない方向については N/A(Not Applicable)
を選択してください。
a
c
b
d
【Wedge Labels】
Elekta
Monaco では原則として、ウェッジ方向の呼び方を治療機で決められているウェッジ方向の ID と同
じ名前にしております。ただし、エレクタの治療機の場合は以下のように推奨しております。
Motorized Wedge の場合
Motorized Wedge は b)の方向にて固定です。このため、b)の呼び方を決定する必要があります。
Motorized Wedge の場合は b)の向きしかありませんので、「Motorized」とします。a),c),d)について
は使用できませんので、ご記入頂く必要はありません。(ご記入の無い方向は「N/A」と登録します)
a) N/A b) Motorized
エレクタ株式会社
c) N/A d) N/A
-54-
Monaco5_beamdata_04
Elekta 用外付けウェッジの場合
Elekta 用外付け Wedge は一方向のみの運用になります。使用する方向を図【Wedge Label】の a)
か c)にお決め下さい(b 方向は Motorized Wedge と同じ方向です)。決めた方向に対し Wedge の
名称を入力して下さい。販売している Wedge は原則的に a)と c)方向の両方でお使いいただけま
せん。
15 度 : W15C122
30 度 : W30C123
45 度 : W45C124
60 度 : W60C125
a
c
Siemens
Monaco では原則として、ウェッジ方向の呼び方を治療機で決められているウェッジ方向の ID と同
じ名前にしております。通常の Siemens の治療機の場合、アプリケータ名である「4RW」「3RW」
「2RW」「1RW」(もしくは「2VW」「1VW」)をお使いになることをお薦めします。
15 度 : a) 3RW15 b) 1RW15 c) 4RW15
d) 2RW15
30 度 : a) 3RW30 b) 1RW30 c) 4RW30
d) 2RW30
45 度 : a) 3RW45 b) 1RW45 c) 4RW45
d) 2RW45
60 度 : a) 3RW60 b) 1RW60 c) 4RW60
d) 2RW60
Varian
通常の Varian の治療機の場合、Wedge 名称は「Right」「In」「Left」「Out」が使われるようです。
「Right」と「Left」は Width 方向での差し込みとなります。一方、「In」と「Out」は Length 方向での差し
込みとなります。角度も合わせて登録する必要がありますので設定例を以下に示します。
15 度 : a) W15L b) W15IN
c) W15R
d) W15OUT
30 度 : a) W30L b) W30IN
c) W30R
d) W30OUT
45 度 : a) W45L b) W45IN
c) W45R
d) W45OUT
60 度 : a) W60L b) W60IN
c) W60R
d) W60OUT
【Point Dose Meausrement (Wedge)】
53. Source to Chamber Distance [cm]
線源とチェンバー間距離です。基本的には 100cm です。測定深は 10cm 固定ですので、SSD とし
エレクタ株式会社
-55-
Monaco5_beamdata_04
ては 90cm になります。
54. Reference Field Size at IC [-cm]
アイソセンター面における照射野のサイズです。項目 44.Absolute Dose at IC と同じサイズ
にします。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
10×10-cm
➢Elekta-Beam Modulator の場合、10.4×10.4-cm
➢mMLC 2.5 mm の場合、リーフ 40 枚幅の正方形
おおよそ 10×10-cm になります。
55. Absolute Dose at IC [cGy]
基準深 10 cm における 100MU あたりのファントム中の線量(単位:cGy)です。
【照射野サイズ】項目 43.における Reference Field Size at IC [-cm]に従います。
【Calibration Dose Rate 測定方法】

セットアップ:Source to Chamber Distance (SCD) = 100cm

測定深さ:基準深 dref=10 cm (SSD=90cm)

検出器:校正された電離箱

チェンバーの水面に対する配置:幾何学中心

100MU を照射した際の絶対線量[cGy]を測定し線量を算出します。

治療機のモニター校正が完了した状態であることが必要です。

X 線エネルギー(モデリングを依頼されているエネルギー)ごとに必ず測定してください。
【記入にあたって】

単位は cGy で、小数第 1 位までご記入ください。

お使いのファントムの種別をご記入ください(30×30-cm 水ファントムなど)。
【備考】

測定は1方向だけでなく、Collimator を回転させる、もしくは Wedge 挿入方向を逆にするな
どして、反対方向の測定も実施し、どの程度差異があるかご確認ください。平均値を取得さ
れることもご検討ください。

Farmer タイプのチェンバーをお使いになるときは、Wedge の向きに対して、直角になるよう
チェンバーを配置してください。チェンバー長軸側で線量が変化しているのは好ましくあり
ません。
エレクタ株式会社
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【Wedge 傾斜方向に対して水平配置】
【Wedge 傾斜方向に対して直角配置】
【Wedge Factor at Reference Size】
56. Wedge Factor (Wedged/Open)
項目 44. Absolute Dose at IC [cGy]と項目 57. Absolute Dose at IC [cGy]の値から算出されます。基
本的には 1.00 よりも小さい値になるはずです。Elekta Motorized Wedge の場合はエネルギーにも
因りますが、0.230~0.290 の範囲になりますのでご確認ください。
57. TSCF (Wedge Field)
Wedge を入れた状態で、基準照射野に対する任意の照射野のファントム中の線量比です。
【照射野サイズ】第 2 章 ビームデータ測定項目一覧表をご参照ください。
【TSCF(Wedge Field)測定方法】

セットアップ:SCD=100 cm

測定深さ:基準深 dref=10 cm (SSD=90cm)

検出器のセットアップにご注意ください。特に長軸が長いタイプのチェンバーをお使いにな
るときは Wedge の向きに対して直角になるよう配置されることを推奨します。

10×10 のサイズで規格化してください。
58. Head Scatter (Wedge Field)
Wedge を入れた状態で、SCD = 100 cm の空気中(ブラスキャップ使用)において、基準照
射野に対する任意の照射野の線量比です。
【備考】

測定は1方向だけでなく、Collimator を回転させる、もしくは Wedge 挿入方向を逆にするな
どして、反対方向の測定も実施し、どの程度差異があるかご確認ください。平均値を取得さ
れることもご検討ください。
エレクタ株式会社
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59. Scan Data: PDD (Percent Depth Dose)
ファントム(水)中での深さに対する相対的な吸収線量を示した曲線です。ピークの吸収線量を
100%として正規化したときの相対的な吸収線量(%)をプロットしています。線量がピークになる
深さは最大深 dmax と呼ばれます。(図【PDD vs Depth(深さ)】の赤矢印)。Open Field と Wedge Field
の両方で測定します。
横軸が depth(深さ)、
↑
縦軸が PDD[%]です。
PDD[%]
dmax
depth →
【PDD vs Depth(深さ)】
測定時には SSD=90 cm セットアップで測定してください(図【SSD 測定セットアップ】参照)。
SSD=90
【照射野サイズ、深さ、測定間隔】 第 2 章 ビームデータ測定項目一覧表をご参照ください。
【測定方法】

セットアップ:SSD= 90 cm

項目 12「Max Width[cm]×Max Length[cm] 治療計画上の最大照射野」に合わせて測定を
省略して下さい。

検出器:以下のタイプに応じて選択して下さい。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
5×5-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いたしま
す。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 5×5-cm は両者で測定し、
エレクタ株式会社
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比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。
➢Elekta-Beam Modulator の場合
4.8×5.2-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いた
します。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 4.8×5.2-cm は両者で
測定し、比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録す
るか決定し提出してください。
➢mMLC 2.5 mm の場合
・リーフ 20 枚幅*1 以下(4.9×4.9-cm 相当)の照射野では、stereotactic diode を推奨
いたします。 ただし、リーフ 12 枚幅(2.94×2.94-cm 相当)とリーフ 20 枚幅の照射
野は 0.125cc 相当のチェンバーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブ
ルな結果を得られるか確認してください。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。
60. Scan Data: OCR
OCR(Off Center Ratio:軸外線量比)
照射野の幅方向へ水平にスキャンして線量の分布を測定したものです。オープン照射野とウェッ
ジ照射野 ともに AB(Cross)と GT(Inplane)の両方向の OCR が必要になります。
SSD=90cm
Inplane
Crossplane
【OCR のスキャン方向】
測定は SSD=90 cm セットアップで行ってください。
【照射野サイズ、深さ、測定間隔】第 2 章 ビームデータ測定項目一覧表をご参照ください。
【測定方法】

セットアップ:SSD= 90 cm

AB(Crossplane)と GT(Inplane)の両方向の OCR を測定して下さい。

検出器:以下のタイプに応じて選択して下さい。
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)、
5×5-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いたしま
エレクタ株式会社
-59-
Monaco5_beamdata_04
す。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 5×5-cm は両者で測定し、
比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。
➢Elekta-Beam Modulator の場合
4.8×5.2-cm 以下の照射野では、有感体積の小さいマイクロチェンバーを推奨いた
します。照射野に応じて二つの検出器を使用し、4×4-cm と 4.8×5.2-cm は両者で
測定し、比較検討されることを推奨いたします。データ提出時にはどちらを登録す
るか決定し提出してください。
➢mMLC 2.5 mm の場合
・リーフ 20 枚幅*1 以下(4.9×4.9-cm 相当)の照射野では、stereotactic diode を推奨
いたします。 ただし、リーフ 12 枚幅(2.94×2.94-cm 相当)とリーフ 20 枚幅の照射
野は 0.125cc 相当のチェンバーと stereotactic diode の両方で測定し、リーズナブ
ルな結果を得られるか確認してください。データ提出時にはどちらを登録するか決
定し提出してください。

測定範囲:以下のタイプに応じて照射野ごとに測定幅を設定して下さい。深さによって測定
幅を変更しないでください。
Open Field の場合
➢Elekta、Varian、Siemens の通常の治療機の場合(Varian HD120 を含む)
測定範囲は以下の場合を除き、アイソセンター面(10cm 深)において照射野外から 6cm 以
上確保してください。
※3×3-cm、5×5-cm では照射野外から 10 cm 以上スキャンして下さい。
※2×2-cm では照射野外から 3cm 以上あれば構いません。
➢Elekta-Beam Modulator の場合
以下の場合を除き、アイソセンター面(10cm 深)において照射野外から 6 cm 以上確保して
ください。
※4.8×4.8-cm、10.4×10.4-cm では照射野外から 10 cm 以上スキャンして下さい。
➢mMLC 2.5 mm の場合
アイソセンター面(10cm 深)において照射野外から 6 cm 以上確保してください。
Wedge Field の場合
アイソセンター面(10cm 深)において照射野外から 6 cm 以上確保してください。

同じ照射野でも、深くなればなるほど実際の照射範囲は大きくなります。例えば照射野を
40×40-cm とした場合、20 cm 深では 40 cm×【(90+20)÷100】= 44 cm の幅があります。両側 4
cm を足すので、測定範囲としては幅 52 cm が必要ということになります。お使いの水ファント
ムのサイズによりますが、照射野 30×30-cm くらいからは全幅の測定が不可能になりますが、
エレクタ株式会社
-60-
Monaco5_beamdata_04
このような場合でもハーフスキャンは行なわないでください。大きい照射野に関しましては照
射野外の平坦部分が測定しきれなくても構いません。

項目 12「Max Width[cm]×Max Length[cm] 治療計画上の最大照射野」に合わせて測定を
省略して下さい。

AB(Cross)と GT(Inplane)の両方向の OCR を測定して下さい。
61. OCD(Open Fields)
OCD(Off Center Diagonal)
照射野の対角方向(ファントム斜め方向)へ水平にスキャンして(図【OCD のスキャン方向】参照)、
線量の分布を測定したものです。図【OCD の形状(参考)】のようなプロファイルが得られます。図
【OCD の形状(参考)】のように、照射野外の平坦部分を含むスキャンフィールドでプロファイルの測
定をしてください。
45 度
【OCD のスキャン方向】
135 度
6cm
【OCD の形状(参考)】
Open Field の場合
【照射野サイズ、深さ、測定間隔】 第 2 章 ビームデータ測定項目一覧表をご参照ください。
【測定方法】

セットアップ:SSD= 90 cm

測定深:5cm、10cm

両対角方向の測定を実施してください。(40x40 の場合は 45 度、135 度)

本来の対角方向のプロファイルを測定して下さい。コリメータを 45 度に回しての測定は行な
わないようご注意下さい。

スキャン角度:照射野の対角線上をスキャンして下さい。
➢ Varian HD120 の 40×22 の場合、スキャン角度は 28.8 度になります。
➢ Elekta-Beam Modulator の場合、スキャン角度は 37.3 度になります。
➢ mMLC 2.5 mm の場合、スキャン角度はおおよそ 50.4 度になります(最大照射野の大
きさに寄るため、厳密には異なる場合があります)。

フルスキャンのデータをご提出下さい。Monaco ではプロファイルの平坦部分と角部分を
エレクタ株式会社
-61-
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OCD のデータをもとにモデリングします。照射野外の平坦部分は 6 cm にこだわらず、裾部
分は測定できる分だけ測定して下さい。
Wedge Field の場合
58.Star Scans and OCD(Wedge Field)をご覧ください。
62. T Field
Leaf 間の漏れ線量のスキャンデータを取得します。
【照射野サイズ】 ジョーサイズ 20×20 にして、MLC のみの 4cm 幅の T 字照射野を作成します。
【測定方法】

セットアップ:SSD= 90 cm

測定深:10cm

測定方向:Inplane

検出器:リーフの幅よりも小さい検出器を用いてください。有感体積が小さいほど有効です。
ダイオード検出器をお持ちの場合はダイオードで取得してください。

測定間隔は可能であれば 0.5mm 以下で取得してください。できない場合は 1mm。
Elekta MLCi/MLCi2 の場合
8cm
4cm
20cm
4cm
10cm
10cm
20cm
スキャン方向
エレクタ株式会社
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Elekta Agility の場合
8cm
4cm
20cm
4cm
10cm
10cm
20cm
スキャン方向
Siemens MLC 160 の場合
8cm
4cm
20cm
4cm
10cm
10cm
20cm
スキャン方向
エレクタ株式会社
-63-
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Siemens Optifocus 82 の場合
7.5cm
4cm
20cm
3cm
10cm
10cm
20cm
スキャン方向
Varian Millenium 120 の場合
8cm
4cm
20cm
4cm
9cm
10cm
19cm
スキャン方向
エレクタ株式会社
-64-
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Varian HD120 の場合
8cm
4cm
20cm
4cm
9cm
10cm
19cm
スキャン方向
63. Star Scans and OCD (Wedge Field)
ウェッジを入れた状態のフルエンスを得るため、ウェッジ装着時の最大照射野サイズでアイソセン
ターから放射状に測定します。10 度ごとに測定しますが、対角にあたる角度も測定します。表:
Star Scans の測定範囲に従い、測定してください。
【測定方法】

セットアップ:SSD= 90 cm

測定深:10cm
【Star Scan】
Scan Angle
Start
Stop
(degree)
X1
Y1
X2
Y2
0
22.00
0.00
-22.00
0.00
10
10
22.00
3.88
-22.00
-3.88
10
20
22.00
8.01
-22.00
-8.01
10
30
22.00
12.70
-22.00
-12.70
10
40
22.00
18.46
-22.00
-18.46
10
50
18.46
22.00
-18.46
-22.00
10
エレクタ株式会社
-65-
depth(cm)
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60
12.70
22.00
-12.70
-22.00
10
70
8.01
22.00
-8.01
-22.00
10
80
3.88
22.00
-3.88
-22.00
10
90
0.00
22.00
0.00
-22.00
10
100
-3.88
22.00
3.88
-22.00
10
110
-8.01
22.00
8.01
-22.00
10
120
-12.70
22.00
12.70
-22.00
10
130
-18.46
22.00
18.46
-22.00
10
140
-22.00
18.46
22.00
-18.46
10
150
-22.00
12.70
22.00
-12.70
10
160
-22.00
8.01
22.00
-8.01
10
170
-22.00
3.88
22.00
-3.88
10
180
-22.00
0.00
22.00
0.00
10
【表:Star Scans の測定範囲 (通常の治療機の場合】
【OCD】
ウェッジの最大照射野サイズにおける対角線の測定を行います。
Motorized Wedge(X:40cm×Y:30cm)の対角: 37 度、143 度
(X:20cm×Y:40cm)の対角: 63 度、117 度
(X:15cm×Y:40cm)の対角: 69 度、111 度
(X:25cm×Y:30cm)の対角: 50 度、130 度
(X:20cm×Y:30cm)の対角: 56 度、124 度
【図:Star Scans】
エレクタ株式会社
45 度、135 度は正方形の場合、長方形は以下
の図を参照してください
-66-
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【図: OCD(Wedge Field)】
7. シート「Leaf Adjustment」
IMRT のための Monte Carlo アルゴリズムは、第 3 章で説明しましたように、線源のモデルと整形装置の
モデルに分かれています。これまでのスキャンデータは線源モデルのために使われますが、当項目の
データは整形装置(MLC)のパラメータ調整に使われます。このパラメータ調整はエンドユーザーでも
行うことができます。また、装置の状態を確認するために項目 66.3ABUT については早めに取得してく
ださい。治療機の調整が必要になる場合がございます。詳しくは同項目をご覧ください。
多次元検出器を使い慣れていない場合は注意事項もよくご覧いただきますようお願いいたします。
【準備】

多次元検出器
この測定では、複数セグメントを持つような動的照射が含まれます。このため、積算
線量測定が可能、かつ、平面もしくは立体的に線量比を得られる検出器を必要として
います。一般的に二次元検出器あるいは三次元検出器と呼ばれるような、ダイオード
や電離箱線量計を多数配置した検出器をご利用ください。フィルムでもデータを得る
ことは原理的にはできますが、弊社ではお引き受けいたしかねますのでご了承くださ
い。弊社でパラメータ調整を行うにあたりお引き受け可能な検出器は以下の通りです。
 PTW 社製 2D-Array seven29
 PTW 社製 OCTAVIUS® Detector 729
 ScandiDos 社製 Delta4®
エレクタ株式会社
-67-
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 IBA Dosimetry 社製 MatriXX
 SUN NUCLEAR 社製 MapCHECK2®
 SUN NUCLEAR 社製 ArcCHECK®

Phantom(多次元検出器に使用する Phantom)
上記多次元検出器のうち二次元検出器で測定する際は、ファントム情報が必要になり
ます。多次元検出器のための専用ファントムをお持ちの場合はご利用ください。
 PTW 社製 OCTAVIUS® Phantom (OCTAVIUS® Detector 729 専用)
 IBA Dosimetry 社製 MULTICube®ファントム (MatriXX®専用)
 SUN NUCLEAR 社製 MapPHAN® (MapCheck2®専用)
専用ファントムをお持ちでない場合は、ご
施設の固体ファントムを利用します。後述するファントム情報についてあらかじめお
調べください。また、弊社でデータがない場合は CT 画像を取得いただき送付いただく
場合がございます。

測定に使用する Plan データについて
Elekta(MLCi/MLCi2)
Elekta(Agility)
Siemens
呼称
MU
呼称
MU
3ABUT
150
3ABUT
150
10x10
100
10x10
100
20x20
100
20x20
100
DMLC
200
DMLC
360
700
7SegA
700
HDMLC
200
HDMLC
200
HIMRT
150
HIMRT
150
FOURL
400
FOURL
400
(3DSetup)
100
(3DSetup)
100
7SegA
エレクタ株式会社
-68-
呼称
MU
3ABUT
150
10x10
100
20x20
100
7SegA
700
HIMRT
200
FOURL
400
(3DSetup)
100
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Varian(Millennium120),
Varian(HD120)
呼称
MU
呼称
MU
呼称
MU
3ABUT
150
3ABUT
150
FOURL
400
10x10
100
10x10
100
RB1S1
300
20x20
100
20x20
100
RB1S2
500
DMLC
200
DMLC
200
(3DSetup)
100
7SegA
700
7SegA
700
HDMLC
200
SSBS1
300
HIMRT
200
SSBS2
500
FOURL
400
SLWD1
300
(3DSetup)
100
SLWD2
500
Elekta 治療機を新規にご購入されている場合は、Plan データを予めサービスモードに登
録しています。既存 Elekta 治療機もしくは他社製治療機の場合は DICOM 形式にて Plan
データを配布いたします。基本的には 6MV エネルギーのデータになります。
【備考】

Varian ARIA®では、MU 情報を上手く取り込めません。表のように MU を書き換え
てお使いください。

ArcCHECK®および Delta4 をご使用される場合はファントムの位置決め用に追加の
測定が必要になります。ArcCHECK®は 21x21, Delta4 は DLTS1、DLTS2、DLTS3 の Field
ID です。お知らせください。

多次元検出器は検出部分の素子の出力を揃える校正(以後、Array Calibration)と
絶対線量との関連付けを行う校正(以後、Dose Calibration)を必要とします。必
ず、2つの校正を実施して測定に入ってください。Array Calibration を既に実施済
みの場合はそのままで構いませんが、Dose Calibration は測定前に実施してくださ
いますようお願い致します。
校正や操作方法がご不明の場合はご購入いただいたベンダーにご連絡ください。
【EPID Measurement】
EPID で測定する 3ABUT について説明します。EPID がないご施設の場合は Film も可です。
64. 3ABUT
3 セグメントを持つプランです(図:3ABUT)。セグメントのつなぎ目の線量を確認します。EPID に照
射し、画像として記録し、BMP 形式で保存してください。スクリーンキャプチャでも可。(図:3ABUT
EPID による撮影画像)。まず、MLC の位置キャリブレーションが妥当であるかチェックしてください。
妥当である場合、弊社に送付してください。弊社でもモデルの MLC Parameter 調整で反映可能
かどうかのチェックをします。このときのチェック内容によりましては実機の MLC 調整(位置校正)を
エレクタ株式会社
-69-
Monaco5_beamdata_04
ご依頼する場合があります。EPID をご利用可能な状況であれば、この測定をなるべく早目に行っ
ていただきますと、調整が必要になった際にスムーズです。
【図:3ABUT のセグメント】
【3ABUT EPID による撮影画像】
ImageJ
【EPID 画像から MLC の位置チェック】
また、おおよそのリーフオフセット量を確認しています。オフセット量は治療機ごとに異なり、正オ
フセット、負オフセット、もしくは、治療機側の機能でオフセット処理されており、つなぎ目がほぼ
見えない場合もあります。つなぎめの線量が右と左で同じ程度であれば基本的に問題ありません。
非対称となる場合は実機の調整が必要になります。
SNC Patient®
【図:正オフセットと負オフセット】
65. Array Detector Name
ご使用になる Array 検出器の名称をご選択ください。
エレクタ株式会社
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ArcCHECK®については円筒中心部の空洞を埋めるための MultiPlug もしくは CavityPlug というオプ
ションがあります。これを使用して測定する場合は、ArcCHECK with MultiPlug(3D)を選択してくださ
い。また、検出器を入れられる穴(Pit)がある場合は埋めてご使用ください。
2D の Array 検出器(2 次元検出器)をご選択いただいた場合は、項目 64.~項目 68.の記入事項
があります。一覧に無い場合は、こちらで対応可能か確認しますのでお知らせください。
データ形式については、最終結果のわかるデータ形式で結構です。Movie ファイルは不要で
す。
【例】
 IBA Dosimetry 社製 MatriXX
- .opd 形式
 SUN NUCLEAR 社製 MapCHECK2®
- .txt 形式
 SUN NUCLEAR 社製 ArcCHECK®
- .txt 形式
66. Detector Build-up Distance (Physical) [cm]
図の検出器のビルドアップの厚さです。図の矢印で示す検出面(メーカーが指定する検出部)と
機器表面までの物理的厚さをご入力ください。(ご不明な場合は未記入でも構いません)
検出器本体
検出面
【2 次元検出器】
67. Detector Build-up Distance (Radiological) [cm]
項目 64.のビルドアップ厚を水等価長にして、ご入力ください。
(ご不明な場合は未記入で
も構いません)
68. Phantom Name
専用ファントムをお持ちの場合は一覧からご入力ください。それ以外については、直接入力してく
ださい。
69. Phantom Relative Electron Density
ファントムの相対電子密度値をご入力ください。
一般的な固体ファントムの相対電子密度は『水吸収線量の標準計測法 12』の付録 11「ファントム」
(P197)にあります。ただし、表から数値を得るときは相対電子濃度
をご参照ください。
専用ファントムの場合は、付属のマニュアルをご確認ください。
エレクタ株式会社
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70. Phantom Thickness (Physical)
検出器表面からファントム表面までのファントムの厚さをご入力ください。(図の矢印部分の厚さ)
【2 次元検出器+固体ファントム】
【2 次元検出器+専用ファントム】
71. Setup
3 次元の場合は、検出器の中心がアイソセンターと同一になるよう設置してください。
2 次元の場合は、検出面がアイソセンター面と同一になるよう設置してください。
どうしても別のセットアップを行いたいときは条件をお知らせください。
【備考】

2 次元検出器で通常の固体ファントムをお使いになる場合は、検出器の下に 5cm 以上
の厚さを確保してください。
72. Setup Picture
セットアップ時の写真を撮影してください。
写真1:検出器(ファントム)に対してアイソセンター面がわかるもの
写真2:検出器(ファントム)に対して AB(LR)方向の中心が取れているかわかるもの
写真3:検出器(ファントム)に対して AB(LR)方向の中心が取れているかわかるもの
【Array Detector Measurement】
Array 検出器を用いて積算線量を得ます。ArcCHECK™、Delta4®をご使用の場合は、項目 75. 3D Array
Setup Measurement を行ってください。2 次元検出器の場合は、項目 75 は必要ありません。項目 76.
10x10 から行ってください。
【備考】

Array Calibration と Dose Calibration の関連付けが測定しているエネルギーと一致してい
るか確認しながら測定してください。
73. 3D Array Setup Measurement
ArcCHECK®、Delta4®は下記の測定を別途行ってください。検出器が立体的であるためセット
アップの違いが大きく影響します。
エレクタ株式会社
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ArcCHECK®の場合
ArcCHECK®の設置については 21x21 の測定を行い、セットアップが確実であるかどうか、SNC
Patient®上でチェックします。

21x21 のデータを取得したら、GT
方向の+8cm、および-8cm のプ
ロファイルを表示させます。

プロファイルのグラフの矢印付近
SNC Patient®
の線量を確認します。ArcCHECK®
は直径約 21cm ですので、照射野の
幅とほぼ同じです。

この両端の線量が、+8cm において
も-8cm においても対称になって
SNC Patient®
いることを確認してください。

対称性が悪い場合は再度セットア
ップを行い ArcCHECK®の水平や
捻れ、Gantry、Collimator が 0 度
かどうか見直して、ご確認くださ
SNC Patient®
い。
Delta4®の場合
Delta4®の設置については 2x20 の測定を Gantry 0 度、90 度、270 度について行い、セットアップ
が確実であるかどうかチェックします。

Gantry 0 度、90 度、270 度のデータから Delta4 中心軸上(GT 軸)の線量が一致し
ているかどうか確認してください。

一致しない場合は再度セットアップを行い Delta4®の水平や捻れを見直して、ご確
認ください。
74. 10x10
照射野 10×10 の測定です。(Static)
測定に用いた Array 検出器の線量が Monaco の計算と一致するか比較します。
エレクタ株式会社
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75. 20x20
照射野 20×20 の測定です。(Static)
測定に用いた Array 検出器の線量が Monaco の計算と一致するか比較します。
76. DMLC
照射野 20×20 で、ギャップ 1cm 幅で MLC を移動しながら照射する測定です。(Dynamic)
Leaf Tip Leakage および、Leaf Transmission、Leaf Offset の決定に使用します。
77. 7Seg
ギャップ 2cm 幅のセグメントを7つ繋ぎ合わせる照射です。一般的に Picket Fence Test と呼ばれる
ものです。(Step&Shoot)
Leaf Tip Leakage および、Leaf Transmission、Leaf Offset の決定に使用します。
78. HIMRT
テスト用に作成した Head & Neck の 1 門です。(Step&Shoot)
パラメータ調整後の結果が妥当かどうかのチェックに使用します。
Varian HD120 の場合は SSBS1,SSBS2 のセットです。
エレクタ株式会社
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79. HDMLC
テスト用に作成した Head & Neck の 1 門です。(Dynamic)
パラメータ調整後の結果が妥当かどうかのチェックに使用します。
Varian HD120 の場合は SLWD1,SLWD2 のセットです。
80. FOURL
L 字のセグメントを 4 つ繋ぎ合わせて照射します。(Step&Shoot)
Leaf Offset および Leaf Transmission、 Leaf Groove Width の決定に使用します。
Varian HD120 の場合はこれらの Field 以外に回転照射となる RB1S1, RB1S2 のセットがあります。
【Water Measurement】
検出器のデータにより MLC Parameter 調整を行いますが、線量比として考える場合には特に問題なく
ても、検出部分の構造や高密度材質による影響で正確な絶対線量を得ることが難しい場合があります。
よって、調整がリーズナブルな結果であったかどうかチェックするために、水ファントムとチェンバーの
組み合わせによる測定もお願いしております。
81. Detector Type
指頭型のチェンバーをお使いください。
エレクタ株式会社
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82. Detector Model
検出器のモデルをご入力ください。
【備考】
基本的に Farmer 型をご利用ください。小型のチェンバーをご利用になる場合はクロスキャリブレ
ーションにより絶対値を求めてください。
83. Dose – 10x10、20x20、DMLC、7Seg [cGy]
10x10, 20x20, DMLC, 7Seg の線量をご入力ください。
【測定方法】

セットアップ:Source to Chamber Distance (SCD) = 100cm

測定深さ:基準深は水等価で dref=10 cm (SSD≒90cm、ファントムの密度により変化)

検出器:校正された電離箱

チェンバーの水面に対する配置:Farmer 型は幾何学中心

治療機のモニター校正が完了した状態であることが必要です。
8. シート「Electron Machine Parameters」
Monaco電子線は電子線専用のMonte Carloアルゴリズムを用います。このモデリングを実施するには、
大きく分けて3つのデータが必要になります。
治療機のジオメトリ: 治療機アプリケータの形状情報であるApplicator Details。
スキャンデータ: モデルのパラメータの妥当性を確認するための比較データ。
アウトプットファクター: ある特定の深さ(基準深)における線量、および空中線量比。
ヘッドモデルは線源(ターゲット下部)からアプリケータまでを含みます。上段ジョーまでの電子線のフ
ルエンスを知るためのジョー全開による測定、フルエンスの空間的広がりを知るための空中測定、アプ
リケータを通した後のフルエンスを知るための水中測定があります。これらのご施設の測定結果を元に
ヘッドモデルのパラメータを調整し、最適化を行います。
【Applicator Details】
84. Applicator
当項目は登録するアプリケータの情報をご記入いただきます。登録する情報は以下の 5
つです。基本的には、対応する治療機の記入シートをお使いいただければ記入済みで
す。ご使用になるアプリケータかどうかご入力ください。サードパーティ製アプリケ
ータをご使用になる場合はご記載ください。弊社で情報が無いアプリケータについて
は対応可能かどうか確認いたします。
Label
エレクタ株式会社
-76-
Monaco5_beamdata_04
アプリケータ名となりますが、通常各社の DICOM 規則に従って入力します。Elekta 治療機
の場合は、Square(矩形アプリケータ)と Tube(円形アプリケータ)となります。
Nominal Applicator Size [cm]
アプリケータの X (AB 方向)と Y (GT 方向)のサイズを入力します。各社により照射野サイズ
定義が異なりますが、各社の公称値で構いません。
Applicator Shape
矩形(Rectangular)か、円形(Round)のいずれか入力します。Tube 状アプリケータは
Round になります。
Source to Cone Dist.
線源とアプリケータ下端までの距離を入力します。一般的に 95cm か 100cm になります。
Use
ご使用になる場合は【Yes】、ご使用にならない場合は【No】を選択します。Monaco 上でご
使用になるためには決められた測定全てが必須となります。ご施設でお持ちの検出器で測
定可能かどうか、また治療の方針としてアプリケータをご使用になるか予めご検討くださいま
すようお願い致します。
【Block Information】
電子線に使用するブロックに関する登録項目です。原則的に、低融点鉛で整形したブロックをア
プリケータのヘッドに取り付けてお使いなることを想定しており、板鉛などの取り付けられないもの
については対応していません。
85. Block Material Name
Monaco に登録するブロック材質の名前です。登録できる文字数は 1~14 字で、アル
ファベット(大文字、小文字の区別あり)と数字が使用できます。記号(+、-、_やカ
ンマ、コロン等)やスペースは使用できません。また、先頭文字は小文字のみです。
組成が単一の場合は元素記号を登録できます。この場合は先頭文字のみ大文字となり
ます。
86. Block Material Density
ブロックの密度 [g/cc] を入力します。小数第 3 位まで登録できます。
87. Block Thickness [cm]
ブロックの厚さ[cm]を入力します。小数第 2 位まで登録できます。
88. Material Composition
ブロックの組成と組成比[%]を入力します。%表記にて小数第 2 位まで登録できます。
ブロックの仕様にて組成比に幅がある場合は中央値を算出してください。
全ての組成を足し合わせて 100%になることをご確認下さい。
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Monaco5_beamdata_04
89. Machine ID
Monaco に登録するビームデータの名前です。登録できる文字数は 1~14 字で、アルファベット
(大文字、小文字の区別あり)と数字が使用できます。記号(+、-、_やカンマ、コロン等)やスペー
スは使用できません。治療計画時に選択するビーム名になりますので、簡潔な名前にされることを
お薦めします。
【備考】

治療計画で使用するときは Machine ID ではなく Treatment Unit にて選択します。
Treatment Unit とは、同じ治療機のモデルデータをグルーピングする機能です。グルー
ピングにより、Machine ID ではなく、エネルギーやアルゴリズムによって切り替えることがで
きるようになります。この ID が必要な理由は、納入時やデータ切り替え時に識別するのに用
いるためです。

治療機更新の場合、以前と同じ Machine ID を使用する事は推奨致しません。モデリング
した年を Machine ID に盛り込む等、区別できる名前に命名することをお奨めします。

【例】
他のビームデータと明確に区別できるように名称をつける必要があります。
電子線 12MeV→『E12y2009』
【不適切な例】
『Varian 04』
スペースは使えません。
『room2:X04』
記号は使えません。
『room2_X04』
記号は使えません。
『VarianRoom2photon04X』
14 文字以上は作成できません。
90. Description
ここにはコメントを入力してください。登録できる文字数は 0~24 字で、記号や
スペースも使用できます。未入力でもかまいません。
91. Energy
エネルギーを記入してください。整数でご入力ください。
92. Treatment Unit Mapping
X 線にて決定した Treatment Unit 名をそのまま使います。
93. SSD Limits 線源-体表面距離の設定
治療計画において線源と患者の体表面との距離が実現不可能な値にならないように設定す
るリミットです。
Max [cm]
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
100 cm 以上の数値の登録が可能です。
Min [cm]
患者を線源へ近づけた際の線源から患者の体表面まで許容される最小距離を記入します。
治療機と患者(もしくは固定具)の接触がないよう余裕を持たせた距離が望ましいです。
9. シート「Electron Point Dose Water」
【Water Measurement】
水中における絶対線量測定を行います。各エネルギー、各アプリケータそれぞれで取得します。
【照射野サイズ】

各アプリケータ
【測定方法】

セットアップ:SSD= 100 cm

検出器:基準となるアプリケータでは平行平板で絶対線量を得ますが、アプリケー
タごとの線量比を得る場合はダイオード検出器、少なくとも 0.13cc 以下の指頭型電
離箱を推奨します。小照射野における平行平板型の測定は適さないと弊社では考え
ています。

検出器:実効中心
94. Jaw Settings
治療機にアプリケータをつけるとジョーが指定の位置に移動します。ジョーの位置は治療機
ごと、およびエネルギーごとで異なります。大変お手数ですが、以下の確認方法により値を取
得し、位置情報をご記入ください。
Elekta 製リニアックのジョーポジションの確認方法
追加資料 4 『Elekta 電子線アプリケータ装着時の Jaw 開度の確認方法』をご覧ください。
95. Jaw Settings – X/Y (SUM) [cm]
項目 96. Jaw Settings にて入力いただいた数値を X・Y ごとに合計した数値を算出します。
(自動算出されるのでご記入いただく必要はありません)
96. Reference Depth [cm]
エネルギーごとに校正深 dc[cm]をご記入ください。
97. Depth [cm]
アプリケータごとの線量を求める深さです。基本的には dmax が望ましいです。すべてのア
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
プリケータにおいて同じ深さにしても構いません。管理しやすい方をお選びください。
98. Delivered MU
照射 MU です。基本的には 100MU にて測定してください。100MU 以外の照射 MU で
測定した場合は、得られた線量を 100MU 換算してご記入ください。
99. Absolute Dose [cGy]
項目 99. Depth における深さの絶対線量[cGy]を算出してご入力ください。
D(d c , A0 ) / MU
PDD(d c , A0 ) / PDD(d max , A0 )

dmax の場合は D (d max , A0 ) 

小照射野コーンの測定を行う場合は、小さな照射野に対応した検出器をお使いください。
測定深を変更する場合は、計算にご注意ください。計算の一例として、追加資料 5 小照射
野アプリケータの計算例をご覧ください。
10. シート「Electron Point Dose Air」
【Air Measurement】
空中線量比測定です。検出器は 0.13cc 以下の指頭型電離箱、もしくはダイオード検出器をお使
いください。平行平板型電離箱は使用しないでください。X 線とは異なりビルドアップキャップは必
要ありません。
【照射野サイズ】
アプリケータを外した状態で測定します。整形装置(ジョーや MLC)が上段
×下段の順番で以下の 4 照射野を測定します。 Max は電子線を照射野できる
最大開度です。電子線の照射方法について、Elekta の場合は追加資料 4 を参照
してください。その他のメーカーは販売元にお問い合わせください。

8(上段)×8(下段)

8(上段)×20(下段)

8(上段)×Max(下段)

Max×Max
【測定方法】

検出器位置:SDD(Source to Detector Distance)= 80cm, 100 cm

検出器: ダイオード検出器、0.13cc 以下の指頭型電離箱

セットアップについて
エレクタ株式会社
-80-
Monaco5_beamdata_04
スキャンデータも必要になりますので、水槽のねじれや水平をご確認ください。特
に水を抜いた場合に、水の重さによるたわみなどが回復することにより、セットアッ
プ状況が変化する場合がありますのでご注意ください。
100.
Source to Detector Distance
検出器を配置する位置です。ビーム中心軸上で、線源から 100cm の位置に配置し、電
離量(要温度気圧補正)を測定します。さらに 80cm での電離量(要温度気圧補正)を測
定します。(最低 20cm の間隔をあければ、モデリングに反映できます。)
101.
Delivered MU
照射 MU です。基本的には 100MU にて測定してください。100MU 以外の照射
MU で測定した場合は、得られた線量を 100MU 換算してご記入ください。
102.
Output Factor at SCD 80cm / Output Factor at SCD 100cm
80cm および 100cm の位置にて空中線量比を得てください。アプリケータごとに
SDD=80cm の 8×20 の値を 1.000 として規格化し、それぞれの照射野の線量比をご記
入ください。
スキャンデータ
103.
PDD (Water)
【照射野】
(a) アプリケータ無しの最大開度 Max×Max
(b) アプリケータごと
【セットアップ】 SSD=100 cm
【媒質】
水
【深さ】
エネルギーによって次の表に従ってください。
【測定間隔】
エレクタ株式会社
エネルギー
測定範囲
4MeV
-0.5cm~7cm
6MeV
-0.5cm~8cm
8~9MeV
-0.5cm~10cm
10~12MeV
-0.5cm~12cm
15MeV
-0.5cm~15cm
18MeV
-0.5cm~18cm
N MeV(18MeV 超)
-0.5cm~Ncm
1.0mm
-81-
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0.13cc 以下の指頭型電離箱、ダイオード検出器が推奨です。
【検出器】
小照射野においては平行平板型を用いないでください。
104.
OCR (Water)
【照射野】
アプリケータごと
【セットアップ】 SSD=100 cm
【媒質】
水
【深さ】
測定深は以下の 2 種です。
(a)dnorm
測定深はエネルギーによって次の表に従ってください。(推奨値)
公称エネルギー、Enorm[MeV]
dnorm [cm]
4MeV ≦ Enorm ≦ 6MeV
1.0
6MeV < Enorm ≦ 15MeV
2.0
15MeV < Enorm ≦ 50MeV
3.0
(b)dbrems (光子線領域、Bremsstrahlung profiles)
測定深はエネルギーによって次の表に従ってください。(推奨値)
公称エネルギー、Enorm[MeV]
dbrems [cm]
4MeV ≦ Enorm ≦ 6MeV
5.0
【測定間隔】
6MeV < Enorm ≦ 15MeV
10.0
【測定範囲】
15MeV < Enorm ≦ 25MeV
15.0
SSD=100cm において
25MeV < Enorm ≦ 35MeV
20.0
の照射野の外 6 cm 以上
35MeV < Enorm ≦ 50MeV
30.0
【測定方向】
Inline の両方向
【検出器】
2.0mm
Crossline,
0.13cc 以下の指頭型電離箱、ダイオード検出器をお使いください。照射野サイズ
(アプリケータ)に合わせて使用する検出器をご選択ください。
105.
OCR (Air)
【照射野】
アプリケータ無し 8×8, 8×20, 8×Max, Max×Max
【検出器位置】 80cm, 100cm
【測定間隔】
2.0mm
【測定範囲】
照射野の外 6 cm 以上
【測定方向】
Crossline, Inline の両方向
【検出器】
0.13cc 以下の指頭型電離箱、ダイオード検出器をお使いください。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
106.
スキャンデータの提出方法
スキャンデータはエネルギーごとにまとめて下さい。例えば、6 MeV, 9 MeV, 12 MeV, 15 MeV のモ
デリングを依頼される場合、4 つのファイルをご提出頂く事になります。1 つのファイルには各コーンと
各セットアップにおいて測定した PDD と OCR、OCR(Air)が含まれます。
● 下記のように、エネルギー毎に 全コーンの PDD、OCR、OCR(Air)のデータをまとめて下さ
い。
● コーンごとにデータをまとめるのはご遠慮下さい。
図【Mephysto mc2 シリーズの例】
図【OmniPro シリーズの例】
エレクタ株式会社
-83-
Monaco5_beamdata_04
第5章
追加資料
追加資料 1 TSCF の測定のポイント
 小照射野の計測について
水吸収線量の標準計測法 12 の付録 19「小照射野の水吸収線量計測」 (P244)をご覧ください。
 ファントムによる違いについて
ファントムの大きさによって測定結果に影響があります。下記のグラフは同じ Farmer を用い、ファ
ントムを変更して測定した結果です。
TSCF vs Field Size
1.3
1.2
1.1
1
TSCF
0.9
30x30固体ファントム
30x30水ファントム
40x40水ファントム
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0
5
10
15
20
25
30
35
40
Field Size
【ファントムの比較】
30×30-cm 以上の大照射野において違いが見られることがわかります。固体ファントムはぴったり
30×30-cm の大きさですが、30×30-cm 水ファントムは実際の実寸が大きめだったため、40×
40-cm 水ファントムとの違いはあまり出ませんでした。小照射における違いは、微小な電離箱設置
誤差もしくは電離箱支持台などの違いによると考えられます。
この例では 30×30-cm 水ファントム以上を用いることが理想的だと考えられますが、お持ちではな
い場合には何らかの対応が必要になります。
(a)
水ファントム購入
(b)
計画時の照射野制限(最大照射野にあわせて OCD の測定が必要です)
(c)
2%以内の誤差の許容(この例では2%程度)
(d)
借用
貴施設において測定できない照射領域の取り扱いにつきましては、施設内で十分にご検討くださ
い。
エレクタ株式会社
-84-
Monaco5_beamdata_04
追加資料 2 直線性の確認
Dose Rate vs MU
1.2
Dose Rate [cGy/MU]
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0
10
20
30
40
50
60
Monitor Unit [MU]
70
80
90
100
【直線性の確認】

照射 MU を変化させながら線量を測定し、直線性が取れているか確認してください。

IMRT のステップ&シュート方式では、セグメントが多数できると1照射あたりの MU が小さくなり
ます。しかし、あまり MU のカウント数が小さい場合は線量が正しく出力されません。線量率が一
定になるような最小 MU を予め確認しておいてください。
エレクタ株式会社
-85-
Monaco5_beamdata_04
追加資料 3
XiO/Monaco Guard Leaf Customization and Agility LCS Behavior
Elekta SynergyのAgilityの動作と弊社治療計画装置での取扱についてご説明します。
Elekta SynergyのMLCはLength Jawよりも上流の上段に配置されています。Length JawにとってMLCは、
散乱線源、つまり擾乱の要因です。もしLength Jaw先端部直上にリーフがあれば、そこで生じた多量
の散乱線がLength Jawの先端部に降り注ぎます。
大抵の場合は問題なくLength Jaw所定の性能を発揮すると考えられますが、リーフの相互配置によっ
ては、照射野の半影が歪んでしまい、結果としてGT方向の照射野の差し渡しがずれてしまう、といった
可能性も否定しきれません。
そのような影響は治療計画装置では正しく取り扱えませんから、計算不可能性を取り除くためには、
Length Jaw先端が常に安定した半影形状を形作れるようにしなければならず、擾乱要因であるリーフ
をLength Jaw先端部の直上から遠ざける必要があるわけです。
上記の点からエレクタ社では、治療計画装置を使って線量計算をしなければならない場合には、
Guard Leafを使うことを推奨しています。 しかし治療計画装置で線量計算をしないでよいのなら、
Guard Leafを使わないで照射することには利点も欠点も特にありませんから、ユーザーの選択に任さ
れます。
Guard Leafを適用するMLCの枚数についてですが、基本的に下記に示す通り、エレクタの(XiO以外の)
多くのソフトウェアで、Guard Leafの枚数は「10mm分」と決められています。各ソフトウェアでの振る舞
いについて解説します。
・ Monaco : Step and Shoot IMRTとConformal RTの場合には、Guard Leafは2対開きます。変更
はできません。 Agilityのビームデータを編集してGuard Leafをオフにする機能はユーザーに
開放されていますが、推奨ではありません。
・ MOSAIQ : MOSAIQからPlanファイルを出力する際には、2対のGuard Leafが上書きされます。し
たがって、もともとのPlanファイルがGuard Leafを使っていなくても、あるいは1対だけ開けてい
ても、出力されるときには必ず2対が開いたPlanファイルとして出力されます。
・ Guard Leafを上書きせず、そのままスルーアウトするような動作モードも用意されていますが、
推奨ではありません。 例えばMOSAIQで作成したMLC照射野ではGuard Leafは使っていませ
んから、これをリニアックに送りますと、動作モードによって異なる位置にMLCが開いてしまいま
す。
・ LCS ( Integrity 3.0などのLinac Control System) : 開いている照射野と、その上下10mm(=リーフ
2枚)の範囲内では、受け取ったPlanファイルのまま照射します。その範囲の外は閉状態と考え
ます。閉状態のリーフは中央で4cmを開けます。
・ XiO:Guard Leafの設定は自由度が高く設計されていますが、
Distance at which a Guard leaf is opened 5mm
Number of Guard Leaves to open 2
エレクタ株式会社
-86-
Monaco5_beamdata_04
と設定することをお勧めいたします。これには2つのメリットがあります。
 XiO、Monaco、MOSAIQ、LCS、とすべてのGuard Leaf設定が揃います。
 LCSにプリセットされているビームデータは「2対開ける」設定となっており、ビームデー
タ測定に使用した照射野も「2対開いている」ものです。ビームデータ測定時の設定と、
臨床使用時の設定は同一にしないと、(例えMLCの擾乱による大きな線量分布の乱
れがなかったとしても)、線量校正値(Dose Calibration)、照射野係数(TSCF)、プロフ
ァイルなどを介して、誤差の要因となります。
Monacoのモデリングについては、測定データがGuard Leafの設定が「2対開ける」=「10mm分」である
想定のもと利用されます。Guard LeafがOFFの状態は反映できませんでの、Guard Leafを「2対開ける」
設定を適用した照射野で測定するようお願い致します。Elekta社以外の治療計画装置については、そ
れぞれでお調べいただく必要があります。
治療機のMU校正についてはLCSにプリセットされているQuick Beamを使用する場合、「2対開いている」
設定となっているため、これを利用するのが望ましいと考えられます。その場合、他社製治療計画装
置の基準照射野の定義が「2対開いている」の設定ではなく、「ジョーと同じようにMLCも閉じる」場合は、
MU校正とは別に測定しなくてはなりません。繰り返しますが、Monacoは「2対開いている」状態の10×
10が基準照射野となっています。
英文のProduct Noteも発行されており、次ページに示す通りとなっております。
エレクタ株式会社
-87-
Monaco5_beamdata_04
エレクタ株式会社
-88-
Monaco5_beamdata_04
追加資料 4
Elekta 電子線アプリケータ装着時の Jaw 開度の確認方法
【MLCi の場合】
サービスモードに入ります。アプリケータを取りつけます。
Display Service Pages に入ります。
ロードボタンから【ASU】を選択し表示する。
Jaw Position X1, X2, Y1, Y2 をメモします。
ただし、サービスモードでは座標系がクリニカルモードと異なります。以下のように読み替え
てください。
サービスモード表示値
エレクタ株式会社
記入シート
【80 X1】
Y2
【85 X2】
Y1
【90 Y1】
X2
【95 Y2】
X1
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【Agility の場合】
サービスモードに入ります。アプリケータを取り付けます。
MLC アイコンを押します。
Auto Tracking アイコンを押します。
MLC アイコン
Auto Tracking アイコン
Auto Tracking の表示から X1、X2、Y1、Y2 の数値を読みます。ただし、サービスモードで
は座標系がクリニカルモードと異なります。以下のように読み替えてください。
サービスモード表示値
記入シート
Diaphragm Positions 【X1】
Y2
Diaphragm Positions 【X2】
Y1
Leaves 【Y1】
X2
Leaves 【Y2】
X1
Y2
X1
X2
Y1
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
追加資料 5
Elekta 電子線アプリケータを使用せず矩形照射野を照射する方法
Mosaiq で 照 射 野 の 作 成 と 、 登 録 し た 照 射 野 を リ ニ ア ッ ク コ ン ト ロ ー ラ ー シ ス テ ム LCS
(DesktopR7.0、Integrity)上での操作方法にわけて説明します。
【Mosaiq での矩形照射野作成方法】
1. 【患者 ID】を作成した後、
【診断と治療】を開きます。【治療照射野(F)】ボタン
を押します。
2. ロケーションディレクトリにて【Synergy】を選択します。
3. X 線として各項目を埋めます。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
4. 右クリックメニューから【Simple MLC】を選択します。
5. 照射野サイズを入力し、OK を押します。
6. Field が登録できたら、OK を押して治療照射野の登録を完了してください。
7. Field が登録できたら、
【RO 治療】ボタンを押して、作成した Field を選択した後、
【QA モード】ボタンを押してください。LCS 側で照射野をロードできたら、
【Copy
to Service】ボタンを押します。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
8. 照射野の保存名称を入力します。後で、Stored Beam から選択するときにわかり
やすいよう、作成した矩形にあわせて 8x20 などと入力してください。
【LCS 上での操作方法】
X 線のビームとして 8×8、8×20、8×Max、Max×Max の矩形照射野を Stored Beam に登録
した後、実際に照射するまでの説明です。
通常、電子線は電子線アプリケータを装着した状態でしか照射できません。この制限を回避する
ため以下のような手順を用います。以下の作業はサービスモードに移行して行います。
1. Override Machine Item
Interlocks Group を【1- All Interlocks On】から【7 – Interlock Val7】に変更します。
【7 – Interlock Val7】
に変更する。
2. Deliver Stored Beam により対象ビームを選択します。
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3. Deliver Quick Beam
Stored Beam により MLC とジョーの形状が読み込まれたら、Quick Beam アイコ
ンを押します。Radiation Type と Energy を変更してください。読み込んだ照射野
形状を維持したまま照射しますので、MLC タブは触らずに Confirm します。
Radiation Type を【Electron】に
変更する
Energy を測定するエネルギーに
変更する
MLC タブは触らず Confirm する
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追加資料 6
小照射野アプリケータの計算例
【計算例】 エネルギー15 MeV、4φコーン(tube4)を例に、小照射野コーンに対するアウトプットファ
クターの算出方法を説明します。
いま、15 MeV の電子線が、リファレンスセットアップ、
SSD = 100 cm セットアップ
基準コーン 10×10-cm、深さ dc
で絶対線量 Dc (cGy/MU)を出力するよう校正されているとします。一方、4φコーン(tube4)に対す
る最大線量深が dmax,tube4 であり、この深さにおけるアウトプットファクターを算出する場合を考えます
(下図参照)。
dmax,tube4:4φ コーンのピーク深
dc:10×10 コーンのピーク深
① 先ず、SSD=100 cm、基準コーンの PDD から、二つの深さ dc、dmax,tube4 における線量比を算出
します。その際、検出器は基準コーンの PDD 測定に使用したもの、たとえば平行平板型電離箱
となります:
線量比 
PDD(1010, SSD  100cm, d max, tube4)
PDD(1010, SSD  100cm, dc )
② この線量比に Dc を掛けて、基準コーンに対する dmax,tube4 での線量 cGy/MU に変換します。
d max, tube4 における線量 
PDD(1010, SSD  100cm, dmax, tube4)
PDD(1010, SSD  100cm, dc )
 Dc
③ 次に、相対線量測定用の検出器を用いて、基準コーンと 4φコーンに対する電離量の指示値 M
の比を求めます。
エレクタ株式会社
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Monaco5_beamdata_04
電離量指示値の比 
M ( tube4,SSD, d max, tube4 )
M (10  10, SSD  100cm, d max,tube4 )
測定深は両方のコーンともに dmax,tube4 です。但し電離量の指示値は各種補正が施されたものとし
ます。この分母に相当する基準コーンの電離量は、全てのコーンに対して、最大線量深を異なる
深さとして設定する場合には、個々のコーン(例えば 2φ,3φ,…)の最大線量深について測定す
る必要があります。
④ ②×③を掛算した量が、4φコーンの「測定深 dmax,tube4 におけるアウトプットファクター」R となりま
す:
R( tube4,SSD, d max, tube4 ) 
M ( tube4,SSD, d max, tube4 )
M (1010, SSD  100cm, d max, tube4 )

PDD(1010, SSD  100cm, d max, tube4 )
PDD(1010, SSD  100cm, d c )
 Dc
【備考】
● 4φコーンの相対線量を測定する深さ dmax,tube4 が dc に一致している場合には、右辺の線量
比は 1 となるので、
R( tube4,SSD, d c ) 
M (tube4,SSD, d c )
 Dc
M (10  10, SSD  100cm, d c )
となります。これは測定深をコーン毎に変えず、dc で統一場合のアウトプットファクター算出方
法に相当します。
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エレクタ株式会社
カスタマーサービス部 アプリケーションサポート
フィジックスサポート
〒108-0023 東京都港区芝浦 3-9-1 芝浦ルネサイトタワー7F
ヘルプデスク TEL: 0120-009-198 (9:30~18:00)
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FAX: 03-6436-4233
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