P-39 居住区設計指針 研究委員会 最終報告書

P-39
居住区設計指針 研究委員会
最終報告書
2014 年 9 月
公益社団法人
日本船舶海洋工学会
日本造船学会造船設計部会
部会長
委員名
荒井 誠
顧問
顧問
顧問
委員
井上
細田
福地
大和
委員
委員
委員
幹事
田中 進
長谷川 和彦
田中 太氏
垰 克幸
幹事
植村
卓司
委員
委員
委員
金湖
越智
稲垣
富士夫
宏
秀彦
委員
中村
千春
委員
委員
高木
松本
圭一郎
起宜
委員
新
委員
加藤
恒司
委員
委員
委員
出川
鈴木
阿部
雄一郎
幹久
三十六
委員
委員
津上
大黒
由紀夫
克伸
委員
舟橋
宏樹
*
委員
委員
松尾
大橋
和昭
徹也
◎
○
*
P107「居住区設計指針」研究委員会
同 委員会リーダー
討議参加 及び 執筆担当
*
*
*
三好
落
村上
香里、合田
隆行、藪田
富男、西周
*
河上
伸一
◎
○
*
*
義行
龍介
信義
裕幸
雅善
知昭
英二
直紀
委員名簿(平成 26 年 9 月現在)
所属
横浜国立大学 大学院 工学研究院
海洋空間のシステムデザイン教室 教授
横浜国立大学 名誉教授
大阪府立大学 名誉教授
九州大学 名誉教授
東京大学 理事・副学長
(兼 大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 教授)
広島大学 大学院 工学研究科 輸送・環境システム専攻 准教授
大阪大学 工学部船舶海洋工学教室 教授
九州大学 大学院工学研究院 海洋システム工学部門 准教授
三菱重工業(株) 交通・輸送ドメイン 船舶・海洋事業部
長崎技術部 次長
ジャパン マリンユナイテッド(株) 舞鶴事業所
設計部 艤装設計グループ グループ長
海上技術安全研究所 海洋リスク評価系 系付上席
(財)日本海事協会 船体部 主管
住友重機械マリンエンジニアリング(株) 製造本部
船装設計G 主任技師
ジャパン マリンユナイテッド(株) 呉事業所
設計部 船装設計グループ グループ長
佐世保重工業(株) 海洋設計部 船装設計課 課長
ジャパン マリンユナイテッド(株) 商船事業本部
基本設計部 船装グループ グループ長
三菱重工業(株) 交通・輸送ドメイン 船舶・海洋事業部
長崎技術部 船装設計課 主席
川崎重工業(株) 船舶海洋カンパニー 技術本部
造船設計部 船装設計第二課 課長
サノヤス造船(株) 技術本部 船舶設計部 船装設計課 課長
三井造船(株) 船舶艦艇事業本部 艦船設計部 船装設計課 課長
三井造船(株) 千葉事業所 船舶・艦艇事業本部 船舶設計部
船装設計課 課長
(株)名村造船所 伊万里事業所 基本設計部 部長
ジャパン マリンユナイテッド(株) 有明事業所
設計部 船装設計グループ グループ長
三菱重工業(株) 交通・輸送ドメイン 船舶・海洋事業部
下関技術部 船装設計課 課長
(株)大島造船所 設計部 船装設計課 主務
川崎重工業(株) 船舶海洋カンパニー 技術本部
基本設計部 基本計画第一課 主事
委員長
サノヤス造船(株) 技術本部 船舶設計部 船装設計課
三井造船(株) 船舶艦艇事業本部 艦船設計部 船装設計課
ジャパン マリンユナイテッド(株) 有明事業所
設計部 船装設計グループ
(株)大島造船所 設計部 船装設計課
目
次
まえがき
1
1.
居住区関連規則
2
2.
居住区配置
4
3.
室内装備品の配置
5
4.
内装材
7
5.
防火/防熱
8
6.
空気調和及び通風装置
10
7.
諸管装置
12
8.
騒音
14
9.
脱出
15
10.
居住区消火
16
11.
糧食冷蔵庫
17
12.
見通し
19
まえがき
居住区設計を考える際には、船籍国/船級の規則を満足させることだけでなく、乗組員が生活する
上での快適性や人間工学的要素を考慮して設計しなければならない。これには多くの知識と経験が
必要とされる。また、近年は乗組員の労働環境を考慮した設計も求められる。これまで船舶の居住
区設計に携わる初心者が実務を行う場合、ベテランの設計者に教わりながら、あるいは居住区の各
装置・技術について経験的、学問的なアプローチのもとに纏められた設計指針等を参考にしながら
作業を進めてきた。しかしながら、現在ある設計指針は各種(単一分野)に関して専門的な内容/詳細
に掘り下げられて纏められており、初心者が実務をこなす上で参考とするには適切でないのが実情
である。そこで本プロジェクトで取り組む設計指針では、
・居住区全般を対象
・初心者が読んでわかりやすく、実務に使いやすい資料
この 2 点を考慮して居住区設計初心者が作業を行う上で知っておくと良いと思われる規則、事柄に
ついて広く浅く取り扱い、これらの内容を易しく解説した総合的な入門書を作成することを目的と
する。
尚、本設計指針では 2014 年 5 月以降に関する規則は含まれておらず、取り扱う対象船種は
バルクキャリア及びタンカーとしている。
- 1 -
1.
居住区関連規則
主な居住区関連の国際規則には以下がある。
1.1
ILO MLC 2006 第 3 章 第 3.1 規則
1.2
ICLL 附属書Ⅰ 第Ⅱ章
1.3
SOLAS 第Ⅱ-1 章 第 3-12 規則
居住設備及び娯楽設備
フリーボードの指定の条件
騒音に対する保護
IMO 決議 MSC.337(91)
船内騒音コード
1.4
SOLAS 第Ⅱ-2 章
1.5
SOLAS 第Ⅴ章
1.6
MARPOL 附属書Ⅳ
船舶からの汚水による汚染の防止のための規則
1.7
MARPOL 附属書Ⅴ
船舶からの廃物による汚染の防止のための規則
構造(防火並びに火災探知及び消火)
第 22 規則
航海船橋の視界
MLC は ILO が、ICLL、SOLAS、MARPOL は IMO が制定している国際条約である。
尚、上記の国際条約の他に、国際条約附属コード、船級規則、各船籍国要件も確認する
必要があるが、多岐にわたるため、本指針では記述していない。
また、規則は年々改定されるものであるため、常に最新の規則に注意する必要がある。
1.1
ILO MLC 2006 第 3 章 第 3.1 規則
居住設備及び娯楽設備
船員の船内における健康及び福祉の促進を目的として相応な居住設備及び娯楽設備を提供し、
維持することを規定している。
規則中、「規範A」は強制要件、「規範B」はガイドラインの位置付けとなっている。
1.2
ICLL 附属書Ⅰ 第Ⅱ章
フリーボードの指定の条件
船舶の十分な復原性を確保するために、船体の風雨密性を保持することを目的とした要件
及び船員の転落防止設備、等について規定している。
1.3
SOLAS 第Ⅱ-1 章 第 3-12 規則
騒音に対する保護
IMO 決議 MSC.337(91)
船内騒音コード
船員の健康の保持及び操船時における指示伝達等の作業環境の向上を図るため,船内の騒音
について規定している。また、居住区域内の隔壁及び甲板の空気音遮断性能を満足する材料
を使用することも規定されている。(2014 年 7 月 1 日以降の建造契約船から適用)
- 2 -
1.4
SOLAS 第Ⅱ-2 章
構造(防火並びに火災探知及び消火)
防火及び火災時の安全のために、火災及び爆発の発生の防止、火災による生命の危険の軽減、
火災により生じる船舶・その貨物及び環境に対する損傷の危険の軽減、火災及び爆発をその
発生区域内において抑止・制御及び鎮圧、旅客及び船員のために適切かつ迅速に利用可能な
脱出設備の設置を目的としている。
目的達成のために、防熱及び構造囲壁による主垂直または水平区域への船舶の区画化、防熱
及び構造囲壁による船舶の他区域からの居住区域の隔離、可燃性材料の使用制限、全ての
火災について発生場所における探知、全ての火災について発生区域内における抑止及び消火、
脱出設備または消防のための通路の保護、消防設備の迅速な利用性、引火性貨物蒸気の発火
の可能性の最小化の機能要件を規定している。
1.5
SOLAS 第Ⅴ章
第 22 規則
航海船橋の視界
航行の安全を目的として、航海船橋の操舵を指揮する場所からの視界の確保を規定している。
1.6
MARPOL 附属書Ⅳ
船舶からの汚水による汚染の防止のための規則
船舶からの汚水による汚染の防止を目的として、汚水処理プラント、国際標準排出連結具、
船外への汚水排出基準、等を規定している。
1.7
MARPOL 附属書Ⅴ
船舶からの廃物による汚染の防止のための規則
船舶に起因する海洋汚染防止、さらなる海洋環境保全を目的として、船舶から発生する廃棄
物の海洋投棄を原則禁止としている。
また、廃棄物管理計画書や排出記録簿の所持等を
規定している。
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2.
2.1
居住区配置
バルクキャリアとタンカーの比較
バルクキャリアとタンカーでは、居住区構造、防火・防熱構造、窓仕様、開口制限および特有の
制御室などの違いがある。
2.2
定員
定員は船種及び船主のニーズにより決定されるため一定では無いが、居住区配置を検討する際に
大きな制約条件のひとつとなる。一般的な乗組員構成の例を挙げるとバルクキャリアは 25 人、
タンカーは 28 人とタンカーの方が定員が多い。
2.3
船内組織及び業務内容
船内組織は、バルクキャリアを例にあげると甲板部、機関部、事務部の 3 つの部門で構成される。
甲板部は航海全般と荷役に関する業務、機関部は主機や各種機器の操作、整備、修理の業務、
事務部は出入港の手続き、通信、厨房などの業務を行う。
2.4
居住区構成
居住区内の部屋はその用途から、居室、公室、事務室及び制御室、調理及び衛生室、機械室及び
倉庫の大きく 5 つに分類される。
2.5
居住区配置計画
居住区の位置については、ILO 条約により Load Line 上で Collision Bulkhead より後方に配置
を要求されている。
居住区の役割は、乗組員が快適な船上生活を送るための「食」「住」「作業場所」の提供である。
居住区配置計画を行う際には、床面積、天井高さ、一室当たりの収容人数及び設備など乗組員の
船上生活のために規定している船員設備基準及び要件を満足することは最低の条件である。
JG 船籍の場合には全日本海員組合労働協約を適用する船主の要望もある。
更に、2.3 で記述した船内組織及び業務内容、2.4 で記述した居住区構成、及び建造コストを考慮
して、船主要求に対応する配置計画を行う必要がある。
- 4 -
3.
3.1
室内装備品の配置
基本要件
室内装備品を配置する上で、基本的な条件として船内船員設備に関する国際条約を理解する
必要がある。
船内船員設備については、下記の条約が発効されている。
・ILO92:船内船員設備に関する条約 (1949 改正)
・ILO133:船内船員設備に関する条約(補足規定)
・MLC2006:2006 年の海事労働条約
3.2
船員居室に関する要件
船員居室に関する設備要件として居室面積、天井高さが定められている。
船員居室の計画に当たっては、居室面積及び天井高さの確保が最も重要であり、この基準寸
法、及び基準面積を基に各居室/公室の割り当てが必要となる。
尚、上記居室の最低面積には衛生設備(Toilet/Unit lavatory)は含まない。
室内装備品に関する設備要件として、寝台サイズ、衣服棚サイズが定められており、各寝室
には、テーブルまたは机、必要に応じて着座設備、窓にはカーテン、鏡/化粧品用の棚、書架
及び充分な数の衣類掛けを備え付けなければならない。
3.3
船舶に於ける設備環境
船舶に於ける居室設計に当たっては 、 船体動揺、航行姿勢による影響 を充分 に考慮しなけれ
ばならず、また、各設備に関する船体動揺への配慮が必要となる。
3.4
衛生設備
ILO92 条約では、個室へ専用のトイレ設備を設ける事は規定されていない。
しかし、ILO133 条約では、二名に一つのトイレ設備を設ける様に規定されている。
ILO92 条約に沿って計画する場合、基本的に船員は共用トイレ設備を使用する形での計画と
なるが、ILO133 条約に沿って計画する場合には、二名に一つのトイレ設備が必要となり、
使用者を特定した上で共用トイレの設置は困難で、仮に同一区画内に共用トイレを設ける場
合には、相当の艤装面積が必要となる為、現実的では無い。
結果的に二名でシェアする形のトイレ設備の設置、または個々の居室に対して専用のトイレ
設備を設けるという計画が一般的となっている。
また、MLC2006 においては、個人の衛生設備に対する特段の要件は無く、各船籍国の判断
に一任される形となっている。
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3.5
居室内装備品の配置
居室内装備品の配置については、異なる形状/様々な仕様の居室が有り、設計者が望んだ通り
の最適な装備品配置とならない場合も多々ある。
その場合、船員が船上で生活する上で最も重要である、就寝設備(寝台)を優先して配置する
必要がある。就寝設備(寝台)は、居室内装備品に於いてもっとも大きな装備品であり、先に
寝台の設置位置を決める事で、他装備品の設置可能場所を検討する事が容易になる。
この他にも、快適な睡眠を得る為の船内騒音を意識した装備品の配置、通行性の確保等々
総合的な快適性を考慮した設備計画が必要となる。居室内装備品は製作形状の自由度が高い
ので、居室形態に合わせた個別の設計が必要となる場合もある。
船主要求により装備するものとして、冷蔵庫、ライフジャケット及びイマージョンスーツ用
格納箱、電話、掛け時計などがある。
3.6
公室内装備品の配置
家具、その他の装備品の配置については、食堂、病室、事務室、操舵室のそれぞれに原則が
あり、それを考慮する必要がある。
3.7
厨房機器、厨房家具、風雨密扉及び窓について
厨房機器、厨房家具には別途設計指針があり、それを参照する。
風雨密扉、窓については ICLL や各船級協会等に規則要件があるため、注意が必要である。
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4.
内装材
内装材とは、床、壁、天井に使う仕上げ材や下地材など室内を装飾する材の総称である。居住区
仕上げは居心地を良くするために室内の装飾やそれに付随する照明、家具、壁面の仕上げ、床、
天井などを家具類と調和させる必要がある。
4.1
内装材の選定手順
船舶の居住区造作工事は陸上の応用であり、船舶居住区の造作材料も同様の材料が使われている。
しかし、陸上建築物と船舶で使用される場合では使用条件が異なるため、陸上で使用されている
材料をそのまま船舶に使用するには多くの問題がある。したがって、船舶の居住区材料の使用に
当たっては居住区の甲板や外壁が鋼製であること、ほとんどの場合に居住区がエンジンルームに
近いため、騒音、振動が多いこと、海水にさらされ、腐食しやすい、絶えず気候の異なる海域へ
移動すること、船体の歪およびねじれがあることなどを考慮する必要がある。材料の選定を行う
際、SOLAS に記載されている防火構造の規則を満たした上で性能面・経済面・施工面から考え
る必要がある。性能面においては、使用場所あるいは部位(壁、天井、床)などから要求される性
能に対して適合する材料を選定する。経済面・施工面においては、材料自体の価格はもちろんの
こと、使用場所および部位によって異なる下地条件、工作法など構造上の要素も含めた価格を考
える必要がある。これらは常に切り離して考えるわけにはいかない。また、限られた空間にて長
時間洋上で生活を強いられる乗組員の日常生活をより快適なものにするために色彩調整も考慮す
ることが求められる。
4.2
考慮すべき選定条件
内装材は SOLAS に基づく防火構造の規則だけでなく、側壁・天井・仕切壁・床上でそれぞれ求
められる性能など考慮すべき選定条件は、吸水・吸湿および熱による伸縮、耐衝撃性、断熱性、
耐磨耗性、等、多岐にわたる。
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5.
5.1
防火 / 防熱
防火構造に関する規則
船舶という閉ざされた空間の中で火災が発生・拡大すると、乗客並びに乗組員の人命にかか
わる大きな事故となってしまう。そのような事態を防ぐため、居住区の防火構造は国際規則
によって規定されており、これを順守しなければならない。
基本的には海上人命安全条約(SOLAS)に従えば良いが、船籍国の規則(例:JG:防火構
造規則)、船級規則(例:NK:鋼船規則 R 編)なども確認する必要がある。その他、積み荷
によっては国際海上危険物規定(IMDG コード)、国際バルクケミカルコード(IBC コード)、
国際ガスキャリアコード(IGC コード)などにも注意が必要である。
5.2
防火構造に関する定義
SOLAS では、火災安全目的を達成するため、いくつかの機能要件を示し規則内で具体化し
ている。防火構造は、それら機能要件のうち以下を具体化したものである。
・防熱及び構造囲壁による主垂直または水平区域への船舶の区画化
・防熱及び構造囲壁による船舶の他区域からの居住区域の隔離
ここで記述されている防熱並びに構造囲壁による仕切りとして、「A」級仕切、「B」級仕切、
「C」級仕切の 3 種類が定義されている。
5.3
防火構造の種類
どのような区画間をどの仕切りで区切るかについては、船種毎に別の規定がある。SOLAS
では、旅客数 36 人超の旅客船、旅客数 36 人以下の旅客船、貨物船、タンカーの 4 項目に分
類して規定している。
また、貨物船については、ⅠC 方式、ⅡC 方式、ⅢC 方式の 3 種類の保護方式がある。
タンカーにおいては、ⅠC 方式のみが認められている。
5.4
防火カテゴリ(貨物船)
防火構造では、各区画を火災の危険性に従い分類する。貨物船では、制御場所、通路、居住
区域、階段、業務区域(危険性が低い区域)、A 類機関区域、その他の機関区域、貨物区域、
業務区域(危険性が高い区域)、開放された甲板上の場所、ロールオン・ロールオフ区域及び
車両積載区域の 11 のカテゴリが用意されている。
5.5
隔壁・甲板の保全防熱性(貨物船)
隔壁・甲板の保全防熱性は、貨物船の隔壁及び甲板の保全防熱性に関する特別の規定に従う
ほか、カテゴリ分けを実施した後、規則に基づいて機械的に決定することができる。
- 8 -
5.6
防火カテゴリ(タンカー)
タンカーの防火カテゴリは貨物船との共通項が多い。貨物船と異なるカテゴリとして、貨物
船における貨物区域がタンカーではポンプ室となっており、また、貨物船にあるロールオン・
ロールオフ区域及び車両積載区域に相当するものは、タンカーには存在しない。
5.7
隔壁・甲板の保全防熱性(タンカー)
隔壁・甲板の最低の保全防熱性は、タンカーの隔壁及び甲板の保全防熱性に関する特別規定
に従うほか、カテゴリ分けを実施した後、規則に基づいて機械的に決定することができる。
5.8
防火材料
防火材料として、A 級材料、B 級材料に分かれ、防熱材、扉、窓、モジュラーパネル、等、
がある。
5.9
ダクト及び諸管の防熱及び貫通
ダクト及び諸管について、耐火仕切りの貫通部は壁(またはデッキ)と同等の防火能力を要
求される。各船級にて詳細が異なるため、各船の適用規則を遵守し、適切な要領を選択しな
ければならない。
また、ダクトに関しては断面積、貫通箇所に応じて自動閉鎖装置等が要求される場合がある
ため注意が必要である。
5.10
その他
その他の防火構造規則として、ドラフトストップ、調理室からの排気ダクト、自己閉鎖型を
求められる戸(貨物船)、等がある。
- 9 -
6.
6.1
空気調和及び通風装置
空気調和及び通風の目的
居住区の空気調和(以降空調と示す)及び通風は主に船員の健康を保ち、また倉庫等にて保管す
る物資の品質の維持を十分にするためである。また、機器室には各機器からの発熱により、機器
の機能に悪影響が出ない様に機械通風を設ける場合がある。こういった事柄を踏まえ、区画の使
用目的に見合った空調・通風仕様とする必要がある。特に国際航海を行うバルクキャリア及びタ
ンカーでは船内にて長期の生活となる場合が多く、居住環境の良否により船員の健康状態に大き
く関わってくる。近年では国際労働基準等で空気調和及び通風について定められ、より繊細な計
画が求められてきている。
6.2
システムの構成と概略
通風システムについて、どの方法を選定するかはその船の仕様、通風を行う区画の性質によって
異なる。通風システムの分類は大まかに自然通風と機械通風の 2 種である。
空調システムについては、空気調和の方式には空調機から各区画へ給気するセントラルユニット
方式、各部屋へ熱交換ユニットを設ける個別空調方式等がある。
これらのシステムを複合的に使用し、対象区画の室温及び湿度、また新鮮空気の供給を行う。
空気調和及び通風システムを構成するに当たり、上記のシステムにより居住区全体の空気の流れ
を想定し、計画する必要がある。
6.3
設計条件
通風量は本質的には人間の活動に十分な新鮮空気量、または外気条件、海水温度等により決めら
れるが、人間が居住し、作業を行うためには自ずから必要な区画の大きさが決まってくるので、
区画の換気回数で示される場合が多い。
換気回数は以上のように大まかな基準があるが、他の基準と比較した場合多少ずれることがある。
・船籍国の規則及び船級規則、また国際基準等により換気回数が規定されている場合。
・船主の仕様による、船舶の格付けによる場合。
・特殊な機器(例えば、発熱量の大きな機器)がある区画の場合。
また、空気調和装置のある場合、通風量の中に含まれる新鮮空気量の割合を規定している規則も
あるので注意が必要である。
6.4
ゾーニング
居住区のゾーニングは、防火または防水区画による場合、各甲板毎、乗組員の等級による場合、
あるいは各舷毎に分ける場合がある。また、防火構造規定を考慮の上、決定する必要がある。
- 10 -
ゾーニングの分け方は配置、温度条件、熱負荷のバランス、使用目的、水密及び防火区画、規則
を考慮しなければならない。水密及び防火区画、規則に関しては規則及び安全上の分け方である
ため第1に考慮する必要がある。そのうえで機能上の分け方であるその他を考慮し設計を行う。
日々、SOLAS や船級規則等の規則改正は行われており注意が必要である。
6.5
機器及びダクトの設置上の留意事項
空調機室の配置、ダクト及び通風金物、新鮮空気、空調機容量と船体防熱についても規則、騒音、
振動、等に関する制約や原則があるので、留意する必要がある。
- 11 -
7.
諸管装置
船舶には多種多様の機器が設置される。これらの機器を相互に結びつけて、ひとつの機能的
なシステムを形成するために、各機器の間は配管が敷設される。これらの機器と配管を総称
して諸管装置と呼ばれる。
各機器の間を行き来する流体の種類や温度によって配管の素材が決められ、その流体の持つ
圧力によって配管の肉厚が決められる。また、配管の敷設される場所が発錆しやすい環境か
否かも配管の肉厚に影響を与える。
7.1
配管材
配管内を流れる流体の種類、温度、圧力または配管場所などによって、使用される配管材料
が決められる。さらに配管材の選定にあたっては、船舶に適用される船級協会の規則要求や
その他の規格や標準の制限を受ける。
わが国では工業規格として JIS が用いられているが、この規格のなかで材料(化学成分)、
外径および肉厚等が詳細に決められている。また、配管材の外径は呼び径であらわされる。
配管材は材質の観点から、鋼管、銅管、およびその他の管材に大別される。
その他の管材には、ステンレス鋼管、銅合金管、プラスチック管などがある。
また、耐食性を向上させるために、配管内面の被覆処理として塗装、メッキ、ライニング、
等が施されることが多い。
7.2
配管継手および弁類等の諸管要素
配管を接続するために配管継手が用いられる。配管継手には、フランジ管継手、突合せ溶接
管継手、さし込み溶接管継手、ねじ込み管継手、くい込み管継手、等がある。
また、配管の曲げ部、分岐部、および貫通部などに用いられる様々な種類の形状をもつ短管
が配管接続に用いられる。その配管ピースには、曲げ部分に用いられるベンドピース、エル
ボ、分岐部に用いられる T ピース、配管口径を変更するためにレデューサ、船体部の構壁や
部材を貫通する際に用いられる貫通ピースなどがあり、これらの端部は、前述した配管継手
と同様に加工されており、設計する上でも、現場で施工する上でも大変に便利なものである。
弁類は、配管の途中に設けられ、流体の流れや流量を制御するもので、主なものに仕切弁、
玉形弁、アングル弁、逆止弁、バタフライ弁などがある。また、材質で分類すると、鋳鉄弁、
鋳鋼弁、鍛鋼弁、青銅弁、ステンレス弁などがある。機能的に大別すると、流体の流れを遮
断するもの、流体の流れる量を調整するもの、流体の流れに方向性を与えるものに分類され
る。弁の種類に応じて、これらの機能を持つか持たないかが異なる。よって、弁を選定する
際には、目的に応じて適切なものを選ぶ必要がる。
- 12 -
居住区の主な配管装置には、雑用清水管、温清水管、飲料水管、雑用海水管、暴露部排水管、
居住区排水および汚水管、消火および甲板洗浄管装置、蒸排気管、圧縮空気管、がある。
雑用清水管
居住区の洗面台、調理室の各種機器、洗濯水など、飲料水を除く居住区域で使用する生活
清水のことを雑用清水と呼び、これに用いられる配管を雑用清水管という。居住区の配管
としてはその敷設される範囲が広い。
温清水管
温水管は主管と技管より構成され、主管内は常に加熱器で加熱された温水を温水循環ポン
プで循環させている。この主管から枝管を取り、供給場所に必要な量の温水を供給する。
温水循環水ポンプと加熱器により常時温水を循環させ、温度を保つように加熱している。
飲料水管
飲料水を調理室や居室の水栓に導くために設けられる。飲料水は専用の飲料水タンクから
給水するのが一般的である。飲料水配管の途中には塩素式殺菌装置あるいは紫外線式殺菌
装置などの殺菌装置が設けられる。
雑用海水管
調理室の床掃除や便所のサニタリー用に海水を利用する場合があり、その配管を雑用海水
管という。
暴露部排水管
暴露甲板面や上部構造物の暴露部に注いだ雨水や、洗浄水などの水はけ用の配管をいう。
居住区排水および汚水管
居住区内の調理室,浴室,便所などで生ずる排水や汚水を排出するための配管をいう。
消火および甲板洗浄管装置
火災時の海水消火と甲板洗浄用その他デッキ回りの各装置への海水供給のために導設され
た海水管をいう。機関室に設けられた雑用兼消防ポンプによって、居住区に導かれる。
船内では規定長さの2条の消火ホースにより同時に消火できることが義務づけられており、
そのために必要な数の消火栓が居住区にも設けられる。
蒸排気管
調理室機器に蒸気式の機器が設置されることがあり、この場合に蒸気を送るために機関室
のボイラから蒸排気管が設けられる。その他居住区用熱源として用いられることもある。
圧縮空気管
船舶では航海中や停泊中に圧縮空気を利用して錆落しすることが多い。また、圧縮空気は
補機類の分解や組立に不可欠であるし、舷梯や燃料供給ホースのハンドリング用ダビット
の動力源として利用されることがある。
- 13 -
8.
8.1
騒音
船舶騒音の概要
船舶には、騒音の発生源となる機器が多数搭載されている。船舶における主要な騒音源を大きさ
の順にあげると、主機とプロペラ、発電機、空気圧縮機、空調機、ボイラーと強圧送風機、機関
室通風機、各種ポンプ類となる。一般にディーゼル機関のような往復動機関は、燃焼音や動弁機
構及び過給機などからの発生音に加えて、据付部へ伝わる振動も大きいため回転機械に比べて大
きな騒音源となる。
騒音源から発生した騒音は、空気中及び固体中の二つの伝搬経路を通って船内各部へ到達する。
このうち空気中を伝搬するものを空気音(空気伝搬音)、振動として船体構造から壁や床及び天井
パネルを伝搬し、それが空気を振動させて音となるものを固体音(固体伝搬音)と呼んでいる。
また、空気音の圧力波が壁、床及び天井のパネルを振動させて固体音に変わって伝搬するものも
あり、これを二次固体音と呼んでいる。このように、騒音と振動は互いに空気音と固体音に姿を
変えながら船内を伝搬する。
船舶に要求される騒音レベルの規制値を満足させるためには設計段階で騒音予測を行い、必要な
対策を決定、施工することが望ましい。しかし、音の伝搬は複雑なプロセスを伴っているため、
正確に予測することは困難である。代表的な予測法として、Janssen 法、Wave Guide 法、
SEA(Statistical Energy Analysis)法がある。実用的な精度が得られるのは SEA 法である。正確
な騒音予測のためには精密なモデル作成が不可欠であるが、多大な労力を要するため実用的でな
いのが実情である。したがって、大きな騒音源の付近など、経験的に騒音値が規制値を超えそう
な所には予め十分な騒音対策を講じるのが望ましい。
8.2
船舶騒音規制コード
船舶の騒音は IMO 決議 MSC.337(91)により規制されている。この規則は船員の安全な作業空間
の確保、聴力損失からの保護、及び高騒音の疲労から回復するための静寂性の確保を目的として
おり、船内の区域ごとに騒音値が規制されている。居住区域の主な規制値として居室及び病室は
55dB(A)、公室、娯楽室、事務室は 60dB(A)となっている。
居住区域内の隔壁及び甲板の遮音性能は、ISO 717-1 に従い、重みつき音響透過損失(Rw)を満
足する必要がある。遮音性能は ISO 10140-2 に従い、認可された研究機関における試験によって
定められる。主な規制値は居室と居室の間 Rw=35、食堂、娯楽室、公室及び娯楽区域と居室及び
病室の間 Rw=45 となっている。
8.3
騒音レベル低減対策
騒音を低減させるには騒音が伝搬するときの自然な減衰メカニズムを活用することが考えられる。
これには、構造的に不連続にするなどの構造上の対策、音源と居室との位置関係を変更する配置
上の対策、防音囲いや消音器による空気音の遮断による対策、防振ゴムによる機器の振動の減衰、
遮断による対策、グラスウールやロックウールなどの吸音材による対策などがある。
- 14 -
9.
脱出
船舶では、浸水時や火災時の消火などに外部からの援助が期待できないため、自船の設備、人員
のみで避難・消火活動を行う必要があるが、浸水阻止や消火が不可能と判断された場合は救命艇
や救命筏により船舶から脱出するしかない。
9.1
脱出計画
船舶では救命設備への乗艇場所に集合し、救命艇や救命筏に乗船し船から脱出して初めて脱出完
了となる。脱出計画の目的は船内の人員が混乱無く、迅速に安全な場所へ避難できるようにする
ことである。
9.2
脱出設備
居住区域のすべての層から救命艇及び救命筏乗艇甲板まで互いに大きく隔たった脱出設備とし、
常設した階段を設ける。一般的には居住区内に 1 つの上下階段を、暴露部の左右両舷に上下階段
を設けることが多い。
9.3
居住区内の設備計画
国際規則及び船級協会要求があり、行き止まりの通路の長さ、通路幅、脱出経路、扉の開く向き
やその施錠装置、標識、等が定められている。
- 15 -
10.
居住区消火
船舶における消火装置については、居住区だけに拘わらず“海上における人命の安全の為の
国際条約”(SOLAS)により、国際的に定められている。
10.1
消防ホースによる直接射水消火
最も一般的な消火方法であり、居住区に拘わらず、規則上船舶のいかなる場所についても、
同時に2条以上の射水で放水できることを要求される。この2条の射水の内、一条は単一の
ホースで届かなくてはならない。放水に必要な消火ポンプは機関室内に装備されている。
消火ホースの長さは、居住区内においては、単一のホース長さは 10m 以上 20m 以下でなけ
ればならない、また、居住区内でのホース径は 40mm、その他の場所では 65mm とするのが
一般的である。
消火栓のカップリングには、各国で色々とあるが、日本の造船所の場合は中島式か町野式と
するのが一般的である。町野式はどちらかと言えば陸上で使われていることが多く、オス、
メスがある。中島式は主として船舶に使われており、オス、メスはない。
10.2
持運び式消火装置
持運び式消火器は初期消火の目的で設けられる。船舶用としては、泡消火器(foam
extinguisher)、炭酸ガス消火器(CO2
fire
fire
extinguisher)、粉末消火器(dry
fire
chemical
extinguisher)が一般的に用いられる。
性能要件は、火災安全設備コード(FSS コード)に定められている。
配置要件は、IMO
10.3
MSC.1/Circ.1275 に定められている。
深油調理器具(Deep Fat Fryer)の消火要件
調理室(Galley)等に深油調理器具を備える場合、消火装置の設置を要求する SOLAS 要件
を満足させる必要がある。
10.4
調理室(Galley)レンジからの排気ダクトの消火要件
調理室(Galley)レンジからの排気ダクトが、居住区域または可燃性物質のある場所を通る
場合には、ダクト内に消火装置が要求される。
(炭酸ガス消火装置が一般的であり、ダクトの
容積の 100%以上の容量が要求される。)
- 16 -
11.
糧食冷蔵庫
船舶における糧食冷蔵庫は、船内に造作した本船用冷蔵庫を指し、厨房や配膳室の食品小出し用
として使用する市販の冷蔵庫は含まない。庫の容積や冷凍機の能力が不足したり故障を起こすと
人間の生命に関わるため、設計上慎重を期して必要以上に余裕のあるものとなっている。
11.1
糧食冷蔵庫配置
糧食冷蔵庫は、厨房に近い、食料が積込みやすい、他の配管類が防熱壁内を通らない、極力熱源
から離すことを考慮して配置することが必要となる。また、暴露甲板の直下や暴露壁面、機関室
囲壁に直接接して設けることはできるだけ避けることが望ましい。
各庫の設計基準に関して、容積と温度の算出方法があり、その計算式で求めることができる。
しかしながら、実際は大半の造船所が独自の基準を持っており、船主からの要望を加味して算出
しているのが現状である。一般商船の基準として、船種(特に船速による)・乗組員の定員により、
冷蔵庫区画の基準総容積に各庫の容積分配比率を掛けて各庫の容積を決定している。
総容積は、40m3・30m3・50m3・60m3・70m3・80m3 級等に船種・船主により等級化され、容積
比は、肉庫・魚庫・野菜庫・ロビーの場合、その比率は下記の構成が多い。
国内船主:肉庫(約 20%)・魚庫(約 15%)・野菜庫(約 40%)・ロビー(約 25%)
海外船主:肉庫(約 30%)・魚庫(約 10%)・野菜庫(約 40%)・ロビー(約 20%)
一般的には肉庫・魚庫・野菜庫・ロビーの 4 区画であるが、仕様によっては肉庫・魚庫を一体に
した 3 区画の場合もある。
温度条件について、冷蔵庫内の設計基準温度は、肉庫・魚庫は-15~-25℃、野菜庫は 2~4℃
となっており、ロビーは成行き(5~8℃)である。実際には、肉庫・魚庫は-20℃または-18℃が
設定温度として広く採用されている。
冷凍サイクルにおいて、熱を温度の低い所から高い場所へ移動させるために冷媒が使用される。
一般的に使用される冷媒の種類は、R404A、R407C、等であるが、エネルギー消費効率 COP
(Coefficient Of Performance)、オゾン破壊係数 ODP (Ozone Depletion Potential)、地球温暖化
係数 GWP (Global Warming Potential)を考慮して決定する必要がある。船級の環境符号を取得
する場合には各船級の要求値に注意が必要である。
11.2
糧食冷蔵庫造作および艤装
近年の糧食冷蔵庫は築造式に代わってプレハブ式が採用されている。組み立て工法の簡易さ、品
質及び断熱性能の均一性、仕上がり制度の良さ、施工工数の短縮化などの多くの利点を持ってい
る。プレハブ式冷蔵庫のパネルは管理の行き届いた専用工場で生産されるため、品質は安定して
おり、特殊工具を使用せずに誰でも組み立てができる。また、設置する時の基礎となる据え付け
架台、床パネル、壁パネル、天井パネルからなり、防熱パネルは、内外面の塩ビ鋼板とその間に
- 17 -
防熱材としてポリタウレンを注入し発泡された難熱性硬質ポリウレタンフォーム (平均 30~
40kg/m3)が用いられる。一般的に庫内の床面全面に Grating を敷設し、ロビー入口付近に清掃用
の水栓を設置する。
11.3
冷却装置
冷凍装置は使用冷媒、冷却方法、冷却器形式により各種の方法に分類される。船舶の糧食冷蔵庫
冷却装置としては、フロン冷媒を用いた全自動式運転による直接膨張冷却方式が使われている。
ここでいう全自動式運転とは、通常運転時における機器の発停および温度制御を自動で行うもの
で、異常時には自動停止するが再起動は手動によるものである。冷却器としてはグリッドコイル
やフィンコイルによる自然対流式とユニットクーラを使用する強制通風式がある。過去には野菜
庫にユニットクーラ、その他の冷蔵庫にグリッドコイルが多く用いられたが、最近ではロビーを
除く全ての冷蔵庫(肉庫・魚庫など)にユニットクーラが使用されている。
ユニットクーラはグリッドコイルと比べると、重量が軽い、庫内温度分布の状態が良い、冷媒充
填量が少ない、デフロストが簡単である、などの利点があるので、小容積の冷蔵庫にはグリッド
コイルを用い、大容積のものにはユニットクーラを使用するのが一般的である。
冷蔵庫用冷却機は同容量のものを 2 台装備し、食品積込後の急冷時は 2 台並列運転し、保冷時に
は 1 台運転、1 台を予備として計画する。
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12.
12.1
見通し
一般
全長が 55m 以上の船舶は、船橋視界について定められており、船級の承認対象となっている。
12.2
船橋視界
船橋視界では、航海中の監視場所からの海面の見通し、監視場所からの海面の視界を遮る操
舵室の正横より前方にある貨物、荷役装置及び操舵室の外側にあるその他の障害物によって
生じる死角、監視場所からの水平方向の視野、船橋ウイングからの船側の視認、船橋の前面
窓の要件が規定されている
12.3
窓
窓については、窓間の枠組み、反射防止のための取付傾斜角度、偏光及び着色ガラスの使用
禁止、明瞭な視界を確保するためのワイパー等の設備、前面窓の間隔、遮光板、等の要件が
規定されている。
12.4
その他
見通しに関しては、SOLAS 規則だけでなく Panama canal authority 規則も満足させる必要
がある。しかし、本規則は通知無く変更されることから、常の最新の情報を持っておく必要
がある。
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