(社)東洋音楽学会 東日本支部第 64 回定例研究会 要旨 無料動画配信サービスにおける世界音楽受容と発信 ―南アジア音楽の事例― 小日向英俊(東京音楽大学) YouTube や Ustream などの無料動画配信サービスが、すでに音楽や映像の配信・聴取形 態として一般的になったことは周知のことである。こうした状況の下、音楽聴取の形態や 音楽プロモーションの形も変化している。検索さえ行えば、世界中の音楽をたちどころに 楽しめる。しかも基本的に無料で楽しめるのである。表現者の側にこれらを積極的に利用 する動きが存在することも、自然なことである。 ではこのようなサービスで、世界音楽はどのように受容・発信されているのだろうか。 国境線やタイムゾーンなど時空間の制約を超えて異文化の音楽を楽しめ発信もできるのだ から、何らかの影響が観察できそうである。確かにこれらのサービスの歴史は浅く、社会 全体に支持されているわけでもないが、少なくとも音楽に関心がある者、音楽表現活動を 行う者、音楽の受容形態を観察する者にとり、これらのサービスの影響は看過することは できない。 本発表では、これらのサービス上における南アジア音楽の状況に焦点を当てつつ、比較 対象として西欧芸術音楽や他地域の音楽、台頭する Facebook などの SNS サービスも視野に いれて概観するつもりである。 発表では、以下の諸点に言及する。 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 音楽受容モデルにおける位置付け 動画配信の歴史、技術概要 YouTube サービス Ustream サービス ユーザ像 南アジア音楽における活用例 資料採取の方法論 コンテンツ紹介 音楽受容史への位置付け 以上。
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