2008,1,9 第56号 創 立 フルトンNEWS http://homepage3.nifty.com/m-kojima/furuton.htm 4 0 12月2日(日)宮崎県立芸術劇 場アイザックスターンホールにおい て、フルトン男声合唱団創立40周 年記念演奏会を開催、ほぼ満員のお 客様と40年をお祝いしました。 最初に7年前の委嘱作品で南邦和 作詞・多田武彦作曲の「フルトン男 声合唱団・団歌 この空と海に生き る」を演奏しました。 第1部では「フルトン愛唱歌より “ありがとう 40年に乾杯!”」と 題して、40年を振り返りました。 幕開けには創立当時に来日したビ ートルズのナンバーから「Yest er day」を加藤さんのピアノ だけで演奏後、当時流行したグルー プサウンドの中から、ザ・ワイルド ワンズの「想い出の渚」 、ザ・タイガ ーズの「花の首飾り」、ブルーコメッ ツの「ブルーシャトー」を続けて演 奏しました。 1曲目は岩代浩一先生に編曲をお 願いした「目井津子守船歌」、2曲目 に宇田川安明先生の編曲で「旅人よ」 、 3曲目はJAMCA東京の時に歌っ た「川の流れのように」 、4曲目は今 年最高の売り上げとなった「千の風 になって」を披露しました。この曲 はフルトン岩手支部長の近藤大介さ んの編曲によるもので、3番の演奏 周 年 記 念 団 長 立山 浩道 編 集 小島 誠 mail [email protected] TEL 0985-53-3083 演 奏 会 e Famille」(家族の肖像 画)で、この日のために1年以上前 に多田武彦先生にお願いして作曲さ れたものです。 1番の「海」は父親が自分の娘の 幼い頃から今までを走馬灯のように 回想し、その結婚式のシーンでは「海 があふれる」という表現で終わって います。 2番の「笛」は孫のコウスケがお じいちゃんの前で懸命に得意げに笛 を吹く様子が描かれています。 3番の「花」はおじいちゃんの書 斎でコウスケが、クレヨンで赤い花 や青い花を画用紙からはみ出して机 や床に咲かせる場面になっています。 最後には描きつかれて眠くなったか では彼自身によるソロもありました。 のように、デミュニエンドして終わ 第1部の最後は創立以来ずっと ります。 歌い続けてきた「Sing Alo 4番の「馬」は酉年のおじいちゃ ng」で、それぞれの団員がパフォ んと戌年のコウスケが馬の絵や唐三 ーマンスを演じながら表情豊かに演 彩を前にして、語り合う風景になっ 奏、最後のポーズもバッチリ決まっ ています。この章の最後の「奇妙に ていました。 ウマの合う祖父と孫の体内で、モン 司会はMRT宮崎放送の上岡信夫 ゴロイドの血が騒ぐ」の場面は、感 アナウンサーが、流石にプロの腕前 動的な場面です。 (声?)を披露してくれました。 5番の「花冷え」は3月桜の花が 第2部は40周年記念委嘱作品で、 舞い散る朝に出会った少女に妻の面 男声合唱組曲「Portraitd 影を抱いたり、Gパンの若者の姿に 第1部のステージ最後は「Sing Along」で決まり!! 1 自分の40年前の姿に思いを馳せる 場面です。私はこの多田先生が私た ちの記念演奏会にこの40年前とい うフレーズを入れてくださった事に、 この詩に出会った偶然を感じてしま いました。この章の後半はふと見か けた老婆の姿に自分たち夫婦の老後 を思わせる風景で、夫婦愛が細やか な言葉で綴られています。 多田先生は演奏会に寄せるメッセ ージの中で、「特に私の心に残った のは、家族に対する詩人の飾り気の ない深い愛情を持って綴られた詩群 でした。同時に、その詩の背後に見 え隠れする「東洋的無常観」が、一 層の感慨を与えてくれました」とコ メントしてくださっています。 6番は「ロカ岬」で、南先生の岬 を巡る旅の終わりに、ユーラシア大 陸最西端に位置するロカ岬での体験 を語っておられます。バリトンソロ がロカ岬の歴史や印象を歌いあげる 間、 「ここに地尽き、海始まる」とい うフレーズを合唱が奏でるものです。 最後に「もう二度と立つことのない ロカ岬は、ぼくと妻が足跡を印した、 もっとも遠い、異郷の名」で終わり ます。 私が最初に甲斐指揮者から預かっ た多田先生の手書きの楽譜を手にし たのは、2007年の1月でした。 最初は手書きの楽譜を楽譜ソフトに 音符を書き込みながら、多田先生の ハーモニーに酔っていました。しか しそれは歌詞とは全く縁のないハー モニーだけのものでしたが、約10 ヶ月の練習の間には歌詞と旋律とが ピッタリとマッチして、歌詞の意味 が深く理解できるようになっていま した。 クリスマスが会場にやってきたよう でした。演奏そのものも県合唱コン クールでは常に上位にランクされる だけに、その演奏はとてもきれいで 会場を魅了しました。 第4部の多田武彦作曲・男声合唱 組曲「雨」では、全国から馳せ参じ ていただいた合唱仲間との合同演奏 で104名からなる演奏が出来まし た。 賛助出演で演奏された団体はいず れも有志の方々で、稲門グリークラ ブ、九州フレッシュメンコア、南蛮 コール、Chorus Tourist Unit、九州 大学コールアカデミーOB、男声ア ンサンブル・ウィザード、宮崎メン ネルコールとフルトン男声合唱団の OB有志でした。 2曲目の「武蔵野の雨」の最後は、 浜田久光さんの美声にしっとりとし た武蔵野の雨が降っていました。 5曲目の「雨」はソロを甲斐指揮 者が自ら指揮をしながら歌いました 第3部は賛助出演の宮崎市立住吉小 学校合唱部の皆さん、指揮は近藤美 恵子先生、ピアノ伴奏はフルトンの 加藤敦子さん(先生)の演奏で、可 愛らしい仕草やハーモニーに会場は 愛情一杯に包まれているようでした。 1曲目は「今日から明日へ」とい う曲で、沖縄出身でシンガーソング ライターとして活躍されている、仲 里幸広さんの曲に富澤裕さんが編曲 した合唱です。2曲目は井上陽水作 詞作曲の「少年時代」でした。3つ 目のクリスマスソングメドレーでは、 ハンドベルや鈴、サンタさんの帽子 などの小道具も登場して、一足早い 2 が、ピアニシモの中で客席からはあ る種の感動がステージまで伝わって くるような雰囲気でした。 なかなか鳴り止まないアンコール の拍手の中で、黒尽くめの男声10 4名による「荒城の月」を演奏しま した。その後、住吉小学校合唱部の 子供たちもステージに上がり、一緒 に「遙かな友に」を演奏しました。 この子どもたちとの合同ステージが 「3世代同居だ」との意外な感動を 呼び、私たちもそのハーモニーの良 さに心地よい思いが伝わりました。 このアンコール演奏終了後にはフ ルトン男声合唱団のメンバーはロビ ーへ一目散に集合、ロビーストーム で「いざ起て戦人」「目井津子守船 歌」「Sing Along」などを 披露して、ロビーでお帰りの途中の お客様に楽しんでいただきました。 これまで40年間支えてくださっ た全ての皆様に感謝申し上げます。 から御礼を申し上げるとともに、今 後ますますのご隆昌をお祈りいたし ます。 南邦和先生のご挨拶文 「家族の肖像画」に寄せて (演奏会プログラムより) あれから40年―――まさに、め くるめく歳月の流れです。<フルト ン男声合唱団>創立のあの時代、合 唱団の主宰者であった大古殿宗三さ んは、私の親しい友人の一人でした。 早稲田のグリークラブ出身のフルト ンさんの帰郷によって、この地方の 合唱界は活気づきました。その頃、 わたしは彼の作曲のためのエチュー アンコールの最後に、住吉小学校合唱部の子供たちも一緒に「遙かな友に」を披露 ドとして何編かの小品を書きました。 (多分、NHK番組「みんなもメロ 動を覚え、短時日に、これに相応し 多田武彦先生のご挨拶文 ディ」への応募曲であったようで い楽曲を作り上げることが出来まし す。) 男声合唱組曲「家族の肖像画」が た。 創立40周年記念演奏会、おめで 出来るまで(演奏会プログラムより) 平成17年になって、今度は、前 とうございます。<フルトン>の名 フルトン男声合唱団創立40周年 述の新作の委嘱がありました。詩に 記念演奏会、おめでとうございます。 ついては特段の指示がなかったので、 を冠したユニークな男声合唱団は、 いまや、私たち市民・県民の誇りで この栄えある演奏会に当たり、小生 私は迷わず、南先生の詩に作曲した す。指揮者甲斐勝利氏との因縁も深 に新曲の委嘱を賜り、厚く御礼申し いと申し上げた処、代表的な詩集の く、筝曲家秋月伊津子さんの作曲に 上げます。 幾つかが送られてきました。このう よる創作曲「暖流」(南邦和作詩)の 九州合唱界の雄・フルトン男声合 ち、特に私の心に残ったのは、家族 ソリストとして颯爽とステージに登 唱団のことは、かねてより存じ上げ に対する詩人の飾り気のない深い愛 場した白面の歌い手が、そのまま順 ていたものの、交流の機会がなかっ 情を持って綴られた詩群でした。同 調に成長されたのが、今日の指揮者 た処、平成12年に、たまたま「昭 時に、その詩の背後に見え隠れする 甲斐勝利さんの姿です。 和41年の全日本合唱コンクール大 「東洋的無常観」が、一層の感慨を この度の記念演奏会のために、記 学の部で全国優勝を飾った立命館大 与えてくれました。 念曲の作詩者としてお名指しを頂い 学メンネルコール」について調べた 合唱組曲としての構成上、当初は、 たことを、大変光栄に思っています。 いことがあり、永年、立命館大学メ 「海」から「花冷え」までの5曲編 しかも、その作曲者が日本の合唱界 ンネルコールと交歓演奏会を行って 成にしようとしたものの、どうして きた明治大学グリークラブOB会の も終曲に安らぎの詩情が欲しくなり、 におけるカリスマ作曲家といわれる 多田武彦先生であられることに、大 元会長細田有二さんに相談した処、 南先生ご夫妻がポルトガルを旅行さ 感激しています。多田先生とのご縁 「前述の全国優勝の学生指揮者で現 れた折の紀行詩集「グラナダの犬」 も、また偶然が導いた一つのドラマ 在郷里宮崎の名門建設会社の役員を の中から「ロカ岬」を配置しました。 であったと思います。数年前に作詞 務める傍ら、フルトン男声合唱団の ご高承のとおり、「ロカ岬」は首都 を依頼された<フルトン男声合唱団 指揮者をしている甲斐さんに尋ねら リスボン西方の大西洋を一望できる >の団歌がご縁となって、望むべく れたら・・・」と教えて頂き、ここ 巨岩の集まる岬で、世界的にも著名 もなかったこの偉大な作曲家とのコ からフルトン男声合唱団との交流が な景勝地とされていますが、永い歳 ンビが実現した僥倖に感謝していま 始まりました。 月の間には、さまざまな戦いや悲劇 す。 数ヵ月後、甲斐さんから「宮崎在 が繰り返されてきた場所。しかし現 これまで多田先生のお仕事につい 住の南邦和氏という高名な詩人に、 在では、数多くの歴史的事象から昇 ては、まさにオンチ(無知)そのも フルトン男声合唱団のクラブソング 華されて生まれ出てきた「無常観」 のでありましたが、この数年の間に、 の作詞をして頂くことが出来たとす や「世界観」が漂っていて、 「眼前に 私の周囲にいる音楽の専門家たちの れば、多田さんにその作曲をお願い 広がる大西洋」と「来訪者たちに与 できるでしょうか」との打診があり えられる花文字の証明書」とともに、 レクチャーによって、その“大河” の如きスケールのある合唱組曲ひと ました。程なく「この空と海に生き この地を訪れる多くの旅行者や、南 筋の、多田先生の業績に触れること る」と題した南先生の詩が送られて 先生ご夫妻を大らかに包み込んでい が出来ました。特に、最近になって きました。 「蒼穹のかなた」 「潮騒の て、感慨深い作品を成就することが ようやく聞くことが出来た多田先生 かなた」等々の芳潤な語彙によって 出来ました。 の出世作とも言える「柳河風俗詩」 綴られた、宮崎ならではのスケール このような機会を与えていただい (北原白秋作詞)に深い感銘を覚え の大きい、風格のある詩情に深い感 たフルトン男声合唱団の各位に、心 3 ました。この作品の舞台となってい る“筑後地方”は、私の母方のふる さとでもあります。 <フルトン男声合唱団>の40年 はこの地方で詩を書き続けている私 自身の40年にも重なっています。 記念曲「家族の肖像画」は、私の“家 族史”につながる忘れがたいモチー フでもあります。そして、それはま た私と同時代を生きて来た合唱団員 の皆様、お一人お一人の“家族史” に重なってゆく切実なテーマ、愛情、 哀切の家族のドラマを包み込んでい ると思います。 私は、この日の記念演奏会を心待 ちにしておりました。妻や娘、孫た ちと共に、心して<フルトン男声合 唱団>のその“いぶし銀”の歌声に 耳を傾けたいと思います。私にとっ ては、この上もない至福のひととき です。 「家族の肖像画」を素晴らしい 楽曲に仕上げて下さった多田武彦先 生に、改めて、心からの御礼を申し 上げます。 けていただく幸運に大変感謝し、詩 の中に出てくる家族と一緒に楽しく 聞かせて頂きました」とのご挨拶を 頂きました。 男声アンサンブル・ウィザードの代 表と一緒にハイポーズ 大分から賛助出演されたCTUのメ ンバーはお帰りの列車時刻が迫って いるとのことで、最初に挨拶を頂き ました。 遠来の稲門グリークラブの皆さん この方々とは20年以上のお付き合 いで、故大古殿さんの人柄が偲ばれ ます。有難うございました。 打上げパーティスナップ集 午後6時前から行われた打上げパ ーティーは山口昇さんの司会で始ま り、田原宮崎市教育長のご挨拶を頂 き、渡辺綱纜宮崎市芸術文化連盟会 長のご挨拶の後、例によって「乾杯 の歌」で開催されました。 談笑される渡邉さんと南先生、南先 生の奥様もご一緒です。 住吉小学校の近藤先生からは「こ のような機会を作っていただいて、 本当に有難うございました」とのメ ッセージを頂きました。 上岡信夫アナウンサーからも故大 古殿さんのお話なども交えて祝辞を 頂きました。 少し遅れて参加された南邦和先生 は「多田武彦先生という日本の合唱 界におけるカリスマ作曲家に曲をつ 4 九州フレッシュメンコアを代表して、 竹田津さんのご挨拶 「2008年2月10日はアクロス 福岡での九州フレッシュメンコア、 創立10周年記念演奏会でお待ちし ておりまーす」 合唱団別にお得意の演奏が始まりま した。 ウィザードとフレッシュメンコア の混合演奏 指揮をしているのは「宮崎メンネル コール」の中馬さん フルトンOBが登場 遠い所から有難うございました 会場を彩る女性群 演奏会を裏から支えてくださった 「宮崎はまゆうコーラス」の面々で す。お世話になりました。 フルトンのメンバーも盛り上がって います 大分南蛮コールのご挨拶、中山大分 支部長が代表でお祝い。JAMCA 大分演奏会ではお世話になりました。 稲門グリークラブの加藤さんが指揮 最後に全員で「川の流れのように」 を歌いました 九大アカデミーOBの皆さん 立山団長・岩切さん・大野さん・ 四本さん・竹田津さんのグループ 「宮崎はまゆうコーラス」も手話を 交えて披露してくれました 5 宮崎日日新聞 宮崎日日新聞2007年11月19日 フルトンメーリングリストより 12月6日 [No2866] 梅田 40周年記念演奏会、大成功、おめでとう ございます。皆さんの感想とまったく違った視 点から今回の感想を述べさせて頂きます。 ハミングをバックにしての立山団長の挨拶 が時間内に終わった瞬間、今回のステージ 構成は、優・良・可の優、それもかなり高得点 の優だと確信しました。 広畑さんは「オトコ 芸者の出し物」がなかったからと言っていまし たが、それだけではないと思います。私なり に考えた今回の大成功のカギ(ステージ構成 で)を二点考えました。 まずは、司会の上岡さんです。司会者への 信頼感がこれほどステージ全体への安心感 につながるものかと驚きました。30周年の時 の大宮高校演劇部コンビの司会を除いて 2007年12月5日 2007年12月16日 は、今まで司会者に恵まれませ んでした。ゴルフでキャディーが おかしいと、その日一日、ラウンドの気分が 悪いのと同じです。広畑君は「上岡さんがもう 少し何か足してくれるかなと思ったのに」と言 っていました。しかし、本当のプロは「何も足 さない、何も引かない」のだと思います。何も 足さないで広畑君の台本のまま進めてくれる のが本当のプロです。臨機応変にというのは プロの顔をしたアマチュアです。台本にわず か冗長な部分はありましたが、上岡さんの技 量の前に、気の短い私にも全く気になりませ んでした。ほんとうのプロは違います。 二つ目は、賛助出演に住吉小学校、という 選択です。 フルトンには若い女の子が似合 います。パウラのバレリーナ、そして住吉小 学校の子供たち(何人か男の子もいました が)。趣味の合唱のステージを見ていて感じ るのですが、おじいちゃんと孫娘は絵になる のです。おばあちゃんと男の子はそれほど絵 6 宮崎日日新聞「窓」覧への投稿文 にならないのですが、、、。「遙かな友に」の 合同演奏、小学生の子供たちだから成立し たのです。ブラスの子供たちでは不可能です。 ブラスとの合同演奏がありましたが、思い返 してみると、もう一つかなと思います。女声合 唱の方々ですと一緒に歌えば(私の)好きで ない or 嫌いな混声合唱になってしまいます。 この2回、賛助なしのステージが続きました。 こちらとしては男声だけで構成する方がいい のですが、地元のお客さんには少しきついよ うです。その時に、この住吉小学校の子供た ちという選択はベストのものだったのではな いでしょうか。 空港で城下さんと会い、伊丹まで一緒でし た、伊丹空港に着いたのが19時40分。出 口へ向かいながら、「今頃ヤツらは飲んだく れて歌いまくってるだろうなあ、俺たちは寂し く家路につこう」と恨めしい会話を交わしてい ました。 次回は福岡ですね。当日の朝、福 岡に入ります。会場でお会いしましょう。
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