2016 STR - データ報告のガイドライン STRデータ報告のガイドラインは、米国ホテル統一会計報告様式 (USALI) 第11改訂版に従って作成されていま す。本ガイドラインは最適なベンチマーク手法を用い、業績データの一貫性を保つべく、可能な限りUSALIに準拠し ています、。2015年版のデータ報告のガイドラインから重要な変更はございません。 2016年版では、以下の5つの点 についてさらに明確化しました。ご不明な点等ございましたら、 [email protected] または [email protected] までご連絡 ください。 STRデータ報告のガイドライン 明確にした点の概要: 販売可能客室の報告: 完全販売可能、改装による休館、休館延長、および複合オーナーシップの客 室報告について明確化しました。 団体客のコミッション(手数料)とフィー: 団体客コミッション(手数料)とフィー (マイナス売上) の取扱方法 の説明を明確化しました。USALI FMC 説明へのリンク パッケージ売上: 料理や飲物が料金に含まれており、宿泊客が料理および/または飲物分を料金から 差し引くことができない場合に関して新たに説明を加えました。 マーケティング販売促進: 「2泊したら、もう1泊分を無料進呈」およびこれに類似する販売方法から発生 する客室売上高の取扱いに関する説明を追加しました。 ペット可能ルームおよび喫煙ルーム: 客室売上高および/または平均客室単価 (「客室タイプ」)に対し て清掃費用や罰金などのその他収入を報告する際の説明を追加しました。 詳細は、STRデータ報告のガイドラインの各セクション内で記載しています: 客室売上高の報告: 客室利用により発生した売上金額のみがSTRに報告する客室売上高に含まれます。料飲やその他販売による売 上高や、パッケージ料金に含まれる「客室以外の売上高」などは、STRに報告する客室売上高には入れないでくだ さい。STRに報告する客室売上高は、リベート、払戻金、引当金、過剰請求金、税金を引いた正味金額とします。 STRに報告する客室売上高に含む、または除く具体的な項目を下記に示します。 STRではSTRセグメンテーションプログラム (セグメンテーションの定義をご参照ください) に参加しているホテルの料 飲売上高やその他売上高を確認しています。 STRに報告する客室売上高に含む項目: 「ノーショー(No-shows)」。 宿泊予約に際して支払を個別に確約したにもかかわらず、宿泊しなかったり、 指定期間内に予約をキャンセルしなかった短期宿泊客または団体宿泊客からの売上です。指定期間経過 後の団体客の客数減 (予約取り消し) および短期宿泊客のキャンセルによる売上は、雑収入内の団体顧 客数料金およびキャンセル料金 (付属資料4を参照) に含めることとし、客室売上やその他の客室売上に は入れないでください。 追加料金およびサービス料金。 通常支払い義務があり、宿泊客に「除外」する選択肢がないか、「除外」 できないサービスやアメニティの使用について宿泊客のアカウントに自動的に課金される必須および通例の項 目、非任意項目、その他の料金が一般的に含まれます (中東地域およびアジア太平洋地域で特に一般 的に見られます)。これらの料金には、通常必須のサービス料金や客室清掃料金が含まれます。報告とベン チマークの一貫性を保つため、各通貨でのサービス料金全額を、STRに報告する客室売上高に含めてくだ さい。 時間利用および「デイユース」の売上。 以下の利用から発生する客室売上高: 接待用特別室・更衣室の利用、社員面接用、映画オーディ ション用、また卸売業者 (例:衣料、玩具などの商材) による利用。料飲サービスは含めないでください。 アーリーチェックイン/レイトチェックアウト料金。 エキストラ式ベッド/幼児用ベッドの貸出料金。 ペット可能ルームまたは喫煙ルームは、各「客室タイプ」と同様に提供されます (例:ビーチ・眺望のある客室、 スイート、高層階、コンシェルジュフロア等)。ペット/喫煙に課される料金で除外すべき項目は以下をご参 照ください (雑収入として報告)。 STRに報告する客室売上金額から除外する項目: リゾート料金。 リゾート料金は客室売上サービス料金の一部ではないため、STRに報告する客室売上高 /その他客室売上高の数値には入れないでください。リゾート料金は雑収入(付属資料4) に含めてくださ い。 コミッション(手数料)およびフィー - 団体。 契約締結当事者がホテルと契約を交わすことによってリベート やコミッション(手数料)を直接受け取る場合で、正味(NET)の報告額を示しているときはホテルはリベートや コミッション(手数料)をマイナス売上 (収入の減少) として記録してください。総額と正味額に関しては、US ALI 5章、340ページをご参照ください。 契約内容に従って、ホテル (債務者) が関連先ではない第三者に支払を行わなくてはならない場合で、正 味報告額に対する総額の分析が総額の報告額を示しているときは、支払額を手数料および料金の団体 費用の一部として記録してください。総額と正味額に関しては、USALI 5章、340ページをご参照ください。 商品およびサービス関連の払戻金。 商品やサービスに関連した問題で払戻しが発生する場合は客室売 上高の減額として取り扱います。 団体客数の減少およびキャンセル料金。 キャンセルに伴って受け取った料金 (一般的に会議やコンベンシ ョン、団体、宿泊部屋ブロックのための前払金等) はSTRに報告する客室売上高から除外してください。この 種類の売上は、当該施設が作成する財務諸表の雑収入に計上されるものとします (付属資料4参照)。 料飲利用および付随料金。 パッケージ料金またはオールインクルーシブホテルに含まれている駐車場料金、 交通、インターネット、ゴルフ/スパ等。 罰金、清掃費用、損害賠償費用として課されるペットおよび喫煙料金 は、雑収入で報告してください (付 属資料4参照)。 その他客室売上高の計上/報告の注意事項: ホールセラー、eチャネル、オンライン旅行代理店 (OTA) および/またはインターネット料金: ホールセール、および、「予約時に支払い完了」のインターネット販売料金はNET額 (総額ではない正味 額)をSTRに報告してください。 従来の旅行代理店同様「後支払い」のインターネット料金については、総額 (正味ではない) の客室売 上高をSTRに報告してください。これら総額売上高に対する手数料は、宿泊部門の費用として計上しま す。 パッケージ料金: パッケージ料金の客室売上高部分のみをSTRに報告してください。パッケージ料金内の客 室売上部分を特定するには、各パッケージ項目の「公正市場価格 (Fair Market Value - FMV) 」を裁定 する必要があります。その後、パッケージ料金にFMV客室売上高割合を適用して、STRに報告すべき客室 売上高の数値を算定します。例:1泊の客室宿泊、食事4回、ホテルのスパ利用で240ドルのスパ・パッケー ジ(税金、チップ、サービス料金を含まない)では、このパッケージのFMV価格は320ドルであるにもかかわらず、 宿泊客の請求書には総額240ドルおよび各売上項目に適用される売上税、消費税、宿泊税しか記載さ れません。このホテルは、240ドルの販売料金を以下のような部門別内訳で計算します。 部門 市場価値 割合 宿泊 料飲 スパ 合計 160ドル 112ドル 48ドル 320ドル 50% 35% 15% 100% パッケー ジ料金 配分 120ドル 84ドル 36ドル 240ドル ホテルが宿泊客に対して付随的な (無料の) 食事や飲み物を提供するか、宿泊客が食事をキャンセルでき ないか、フランチャイズ会社やブランドの標準サービスとして食事が提供される場合、食事および/または飲 み物にかかる費用は宿泊部門に計上し、料飲部門の売上への計上は行いません。 ロイヤリティプログラムの特典およびリワード: ホテル内の同等クラスの客室に従来適用されてきた一般料金を控え目に見積もった平均額、または、ブ ランドやホテルチェーンが設定した料金基準を適用します。 ロイヤリティの特典やリワードの計上には、2つのベストプラクティスの選択肢があります。 1) 月末の合計額にだけ、特典やリワードの売上額を計上します(例: 1月末の合計額)。 2) 特典やリワードを週に1度、または毎日報告する場合には注意が必要です。売上高は、1週分を1日 にまとめて計上するのではなく、その週の各日に振り分けて計上しなければなりません (例:1日~7日 など)。 マーケティング販売促進: 「2泊したら、もう1泊分を無料進呈」およびこれに類似する販売方法から発生する客室売上高は、当該 期間に均一に分散して宿泊したものとして取り扱います。 販売済客室数の報告: 客室売上高が発生した分のみを販売済客室としてSTRに報告します。無料客室は販売済客室の数字に含めな いでください。STRに報告する販売済客室数に含む、または除外する具体的な項目を下記に示します。 STRに報告する販売済客室数に含む項目: 客室売上高が発生した販売済客室数。 デイユースおよび時間利用による販売済客室数。 以下の利用から発生する販売済客室数: 接待用特別室・更衣室の利用、社員面接用、映画オーデ ィション用、また卸売業者 (例:衣料、玩具などの商材) による利用。料飲サービスは含めないでください。 特に、リゾート、空港、高速道路等に立地する施設では客室稼働率が100%を超えることがあります。 販売促進プロモーションや契約により無料宿泊の対象となった客室 (例: 2泊の宿泊でもう1泊無料、50 室の団体利用で1室無料)。 STRに報告する販売済客室数から除外する項目: 販売促進プロモーションや契約に関係なく無料で提供される客室 (例: 従業員、オーナー、招待視察旅行 用に無料で提供された客室)。 「ノーショー(No shows)」。ノーショーに関しては販売済客室数として計上しないでください。 オーナーが宿泊するコンドミニアム。オーナーによる宿泊は無料客室利用として取り扱います。 販売可能客室数の報告: 各ホテルの完全な販売可能総客室数 (施設の部屋数に当該期間の日数を掛けた値)を報告してください。 改築のため一時的に客室が利用できない場合、STRに報告する販売可能客室数を調整する必要はありません。 客室が永久的に施設の在庫から除かれる場合は、登録客室数を修正するためご担当者様からSTRへご連絡くだ さい。 改装のため全ての客室を1ヶ月以上に渡って在庫から削除したい場合 (完全に休館)、STRに必ずご連絡くださ い。当該施設を「改装のため休館」として記録します。「改装のため休館」として記録されたホテルは、休業中として 改築期間中には宿泊可能な在庫は存在しないため、コンペティティブセットまたはマーケットセグメントに影響しませ ん。 また、自然災害や事故 (台風、地震、火災、油流出など)により客室が長期にわたって閉鎖する「長期休業客 室」が発生した場合は (通常6ヶ月以上)、STRに客室在庫の減少の適切な取り扱い方法をご連絡ください。 季節休業客室: :季節的な需要の変動により、ホテルの運営全体を連続30日以上休業する場合、当該期間の 客室を年間販売可能在庫数から差し引いてください。この場合、ホテルは毎年同じ時期に継続して季節休業して いることが条件となります。該当する期間にホテルが「季節休業中」と認識されるように、STRまでご連絡ください。 複合オーナーシップの施設 (例:タイムシェアやコンドミニアムの在庫を含むホテルなど): 住居用の部屋を整備した り客室を住居用に変更しているあらゆるタイプの施設は、「複合オーナーシップ」の施設となります。これら施設には、 タイムシェア、空間所有、部分使用、または完全所有などが含まれます。こうした複合オーナーシップの施設の一部 または全部を宿泊施設として単に運営しているだけでは、宿泊部門に計上する収入とはみなされません。各事業 の性質や状況を考慮した上で処理することが必要です。 複合オーナーシップの施設の売上の取り扱いを決める最初のステップは、報告を総額で行うか正味額で行うか判断 することです (USALI、パート5を参照)。総額か正味額かの基準を判断する際、賃借人が支払いをしなかった場 合に主な経済的損失を被る当事者にウェイトを付与しなければなりません。売上高の取扱いが決定したら、損益 計算書に記載する3つのシナリオがUSALIにあります。以下のシナリオは、データをいつ、どのようにSTRに報告するか 説明しています。 施設が長期にわたる重要な経済的リスクをとる場合 (シナリオ 1): 当該施設は第三者である部屋所有者 と1年以上の契約を締結し、この部屋は通年でホテル客室在庫に含まれています。契約条件により、当該 施設は契約関係に基づいて第三者が所有する部屋の運営に関する経済的リスクを負います。これに伴う 収益源は、個人、団体、契約、その他売上のカテゴリーで宿泊部門に計上され、これらの部屋は施設の客 室在庫内の販売可能客室とみなされます。契約により、部屋のオーナーが限定された宿泊日数で当該部 屋を利用できる場合、部屋は販売可能客室として利用可能な状態を維持しながらも、オーナーの宿泊時 には無料客室として計上されます。 セグメンテーション・プログラムの定義 — 顧客 短期宿泊(Transient)客室売上高は一般に、個人客または団体客が1日当り10部屋未満の客室やスイートルー ムを利用する場合の売上を含みます。さらに、契約の有無にかかわらず、長期滞在の宿泊客に対してリースされる 客室も含まれます。短期宿泊には通常以下のカテゴリーが含まれます。 小売 割引 契約料金/特別料金 条件付き ホールセール 団体(Groupt)客室売上高は、団体に対して客室またはスイートルームのブロックレンタルから発生する売上が含ま れます。通常、団体とは契約に従って1日当り10室以上の利用がある場合を指します。団体客室売上は、大量の 客室ブロック販売に対する業者への割引を差し引いた金額を計上します。団体に対して直接支払われるリベート や補助金は、マイナス売上として計上してください。効果的な販売やマーケティング活動を実施するため、団体客室 売上は一般にはマーケット・セグメント毎に分かれています。マーケット・セグメントには通常以下のものが含まれます。 コーポレート 協会および会議 政府機関 団体ツアーおよびホールセラー SMERF (社会的団体、軍事産業、教育産業、宗教団体、共済団体の略) 長期契約(Contract)客室売上高は、30日以上の他者との長期契約によるブロックから発生する売上を含みます。 契約客室売上高は、割引額を差し引いた金額を計上します。例として、契約エアラインクルー、企業研修での長 期利用、インセンティブによる福利厚生プログラムなどがあります。 追加的な売上セグメンテーション・プログラム: 報告の定義 料飲売上 コーヒー、牛乳、お茶、ソフトドリンクを含む料理の販売による売上。 宴会の飲料売上やビール、ワイン、その他の酒類等を含む飲料売上。 会議室レンタル、AV機器レンタル、カバーチャージやサービスチャージまたはその他の売上 (宴会サービスチャ ージを含む) など、料飲部門でのその他の売上項目から発生する売上高。 その他の売上高 上記の客室売上高および料飲売上高の定義に該当しない、施設が徴収するあらゆる売上をその他の売上としま す。(例: 駐車場、スパ、通信費など) 合計売上高 客室売上、料飲売上、その他売上(例: 駐車場、スパ、通信費など)として上記に記載した、ホテル運営により発 生するすべての売上高とします。 その他のデータ報告注意点: 1ヶ月未満のデータ: 新規ポートフォリオ(新規開業、買収、コンバージョンなど)による月次データ (新設ホ テル、企業統合や吸収) は、当該施設の運営開始月の営業日が15日以上ある場合にだけSTRに報告す るものとします。 ホテルの「ソフトオープン」: 新規開業ホテルの場合、開業時の実際の客室在庫と、その時点での客室数 に基く完全な販売可能宿泊客室数をSTRに報告してください。ホテルのソフトオープン後、客室を順次オー プンして客室数が追加された場合は、客室を追加した日付と追加客室数を含めて、ホテルが保有する全 客室供給数に達するまで、STRに客室在庫数の最新情報を報告してください。 このデータ報告のガイドラインに関するご質問は、弊社担当までお問合せください。 STR (北米) [email protected] www.STR.com STR (国際部門) [email protected] www.STRGlobal.com 「宿泊産業のための統一会計報告様式 (USALI) 改訂11版」 に関する詳細な情報は、AHLEIのウェブサイトをご 参照ください。https://www.ahlei.org. ウェブサイトには以下の内容が含まれます: USALI 改訂11版のご購入について よくある質問とその回答 (FAQ) AH&LA 財務管理委員会への事後質問 過去のウェビナーおよびプレゼンテーション資料 FMC詳細説明と最新の課題について 検索可能な収益と費用に関するガイド ダウンロード可能な全ての帳票と書式のエクセルファイル USALI 情報ポータル: https://www.ahlei.org/USALIResources/
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