コラーゲンの分子動力学モデリングと機械的特性評価

構
コラーゲンの分子動力学モデリングと機械的特性評価
(およびナノコンポジット化材料の検討)
端
科
学
載
技
・加
術
推
工
進
等
機
は
⑩ナノテクノロジー・材料研究
○白花拓也(院生)、齋藤賢一(システム理工学部 機械工学科 教授)、宅間正則(教授)、高橋可昌(准教授)
研究概要・成果
研究背景
ポリペプチド鎖
※ ポリペプチド鎖 : 多数のアミノ酸がペプチド結合
(-CO-NH-)を形成して重合したものの総称
ポリペプチド鎖が3本が絡み合った3重らせん
(へリックス)構造、長さ約300nm 、直径1.5nm棒形
状分子(トロポコラーゲン)が基本構造が架橋を形成,
規則的に集合することで、繊維状で存在
トロポコラーゲン
(3重らせん構造)
※ コラーゲンの場合
コラーゲン(collagen)は生体組織で、骨、軟骨、靭帯等硬組織の
機械的特性を決める重要な役割を担う。
医学分野,再生医療などで注目。
しかし,原子レベルでのコラーゲンの構造と機械的特性の関係
は未解明である
目的
・左巻きらせん構造
・1巻3つのアミノ酸の繰り返し構造
MD(分子動力学法)による原子レベルのシミュレーションを
用い,コラーゲンを力学的に原子・分子レベルで構造解析し,
機械的特性の評価を行う。
また,その応用としてナノレベルで他の高分子材料と混合す
ることでコンポジット化する可能性を予測する
ポテンシャル
  LJ  bend  str   XL
6






西
関
z
D
TC
※
r0
複
x
z
lz
x
: 分子2
: 分子3
y
z
x
lx
calculation condithion (TC×1)
Total atoms
celsize lx ×ly ×lz [nm]
Temperature T [K]
Boundary condition
777
1.50×1.50×299
free
In x , y directions
周期境界条件(z軸方向のみ)
を適用すると…
温度の時間変化
※
ま
周期境界条件
セルを単位として,
その内に存在する原子
の周りにそのレプリカ
を仮想的に配置して
計算すること
す
calculation condithion (TC×5)
3885
5.5×5.5×1200
66.7
20.0
18.0
: 分子1
温度,エネルギーの
増加がみられ,構造が不安定
。
無
ポテンシャルエネルギーの時間変化
※
y
各々のTCの両端で構成
断







TC単体モデルから
コラーゲン原繊維モデル(TC5本)へ….
※架橋
Total atoms
celsize lx ×ly ×lz [nm]
D [nm]
r0 [nm]
Int[nm]
シミュレーションモデル(TC×1,緩和計算)
→トロポコラーゲン単体
6 
1
2
1
2
 kbend  ijk   0  str  k str r r 0 
2
2
コラーゲン分子
のイメージ図
ly
コラーゲン原繊維
(TC×5,緩和計算)
bend
12
 
 
 4ε     
r
r
int
12
 
 
LJ  4ε     
r
r
y
架橋
伸縮
 XL









写
・転







曲げ
大
学
先
分子間相互作用
※ β 架橋係数
※ プロリン,ヒドロキシプロリン
がコラーゲン特有
の硬さを生み出す
[グリシン‐X‐Y]
:Xはプロリン、Yはヒドロキシプロリン
結果
ポテンシャルエネルギーの時間変化
緩和計算後において
温度,エネルギーが
時間変化に伴い安定
作成したモデル
安定な初期構造を
持つモデルである
温度の時間変化
原子レベルの
機械的特性
評価へ
じ
応用分野、実用化可能分野
禁
生体材料として医療用生体高分子材料への応用.
ナノコンポジット化による (引張強さ、弾性率、熱変形温度等の様々な物性が飛躍的に向上する)スマートマテリアルの設計.
問合せ先: 関西大学 システム理工学部 齋藤賢一 Email:[email protected]
関人ORDIST
先
端
科
学
技
術
推
進
機
構
社会連携部 産学官連携センター、知財センター