ファッションが変わる、バイクが変える

vol.624
2012
since 1960
4
■ 発行:伊藤忠商事株式会社 繊維経営企画部
大阪市北区梅田3-1-3
■ TEL:06-7638-2027 ■ FAX:06-7638-2008
■ URL:http://www.itochu-tex.net
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毎月1回発行
Vol.624 CONTENTS
─ ITOCHU Mission ─
Committed to the global good
豊
か
さ を
担
う
責
任
Special Feature /
自転車ライフとファッションビジネス
Topics /
ニュース・クリッピング
Topics /
人事異動
Fashion Report /
2012年ファッション消費
1-3面
4面
4-5面
6面
自転車ライフとファッションビジネス
ファッションが変わる、
バイクが変える
S
pecial
Feature
2011年の自転車出荷台数
4年ぶりに11.6%増える
都内を中心に全国29店舗で自転車、同パー
ツ、アクセサリー、ウエアなどを販売するワイ・
インターナショナルによると、自転車に対する人
気はここ数年じわじわと広がり、昨年の東日本
大震災がそれをさらに後押ししたという。
ワイ・インターナショナルが展開するワイズ
ロード・新宿ウエア館、新宿クロスバイク館
の浦山忠之店長は「スポーツに加えレクリエー
ションとしてのツーリングが注目を集めている。
ハイキングやウオーキングに比べ移動距離が
長く、その分、いろんなところが見られるので
楽しめる」
。加えて「健康に対する意識の高
まり。走るのに比べ自転車は負担が少なく、
手軽で効率的な有酸素運動であることも人気
の一因」と分析する。
自転車関連企業・団体で作る自転車産業
振興協会のまとめによると、2011年の国内向
け出荷台数(国内生産+輸入)は1055万台
で、前年比11.6%増加した。国内向け台数
は2000年から2008年まで1000万台超で推移
した。直近のピークは2007年の1073万台で、
2008年1012万 台、2009年967万 台、2010
年946万台と3年連続して減少し、2011年は
4年ぶりに増加に転じた。
車種別では「ミニサイクル」だけが10.9%
(13,495台)減と前年を割り込んだが、「軽
快車」1.8%(72,772台)、「電動アシスト車」
20.1%
(67,352台)、
「MTB」27.6%
(62,378台)
各増となったほか、
スポーツ車を含む
「その他」
が31.2%(604,049台)増えて254万 台に達
したのが特筆される。
同協会では、この出荷台数の4年ぶり増加
を「震災特需ともいうべき現象」としながらも、
「環境や健康に対する意識高揚を背景に自
転車ブームがみられ、さらに大震災を契機に
通勤手段としての自転車利用も増加してい
る」と分析している。
相次ぐ自転車通勤用ウエア
伸縮性、通気性など機能装備
こうした自転車ブームを背景に、最近では
自転車が世界的なブームになっています。日本では東日本大震災を経て、
「エコ」や「健康」といった観点から、自転車を取り巻く環境に改めて注目
が集まっています。これまでのブームの裾野が広がり、一種文化的な側面を持ちながら社会に浸透してきました。もともと自転車スポーツは 欧米を中心
に隆盛し、文化として成熟しています。日本でもスポーツバイクへの人気の盛り上がりから、サイクリストウエアの売り上げの約8割 はレース用ですが、
街乗りのカジュアルウエアから、最近ではメンズ業界が通勤用ラインを発売するなど、使用シーンがさらに広がってきたといえます。スポーツアパレルや
大手メンズアパレル、
ジーンズアパレルもこの市場に参入、
供給側も実用的でファッショナブルな商品を提供しており、
自転車に快適に乗るための
「機能」
と、着る楽しみを喚起する「スタイル」の提案が進化しています。バイクが変えるライフスタイルとファッションビジネスを展開各社にうかがいました。
スポーツやメンズ、ジーンズアパレルが通勤用
やカジュアルラインでのバイクウエアを売り出し
た。自転車に快適に乗るための「機能」と、
着る楽しみを喚起する「スタイル」の提案が
その特徴だ。
ゴールドウインは2006年秋冬シーズンから、
スイスの「スコット」と自転車の日本での総輸
入代理店契約を結び、日本での展開を始め
たのと同時に「ゴールドウイン」ブランドでバ
イクウエア、アクセサリーの展開に乗り出し、
7年目のシーズンを迎えた。ゴールドウインブラ
ンドでは本格的なサイクリストウエアの“レース
ライド”
と街乗り感覚の“S.U.B”の2シリーズを
用意、シーズンの伸び率が前のシーズン比20
∼25%増で推移し、規模を拡大させてきた。
この2012春物の立ち上がりも順調という。
リーバイスが4月から発売するサイクリストの
ために開発されたジーンズ「リーバイス® コ
ミューター」も注目を浴びる。米国ではすでに
昨秋から発売され、非常に好調という。3月
初めにはセレクトショップ「ビームス」と組んで、
ローンチイベントとなる「バイクショップ リー
バイス×ビームス」を開催、メッセンジャーか
らストリートまで様々なジャンルのサイクリストが
来場した。ウエアには自転車に乗る際に不可
欠となる多様な機能を盛り込んだ。
レナウンも「スタジオ・バイ・ダーバン」か
らバイク通勤着「バイシクレックス」をこの春
夏物から投入した。自転車通勤と言ってもき
ちんとしたビジネスウエアでなければならないと
し、ジャケットとパンツのセットアップスーツとし
て企画した。素材はポリエステル100%と同
90%にスパンデックス10%混ぜたものの2種
類。いずれも伸縮性をもたせた。ジャケットに
は夜間走行時の安全対策として上襟裏に反
射材を張り、多機能ポケットや風を通すベン
チレーションを脇の部分に取り付けるなど機能
面に留意したという。
イル提案を増やした。シャツがそのメーンア
イテムとなるが、大手シャツメーカーとコラボ
し、首周りやカフスに接触冷感素材を用い
た商品も用意した。自転車通勤着バイシク
レックスと併せ、「夏のビジネスシーンをリード
したい」と意気込む。
ゴールドウインは、伸び悩むスポーツアパレ
ルのなかで2ケタ%成長を見せるラン、トレッキ
ングウエアなどアウトドア関連の引き続いての伸
長を予想し、バイクウエアへも期待を寄せる。
東日本大震災後、エコな移動手段として自
転車にさらに注目が集まった。
「自転車人気
は“ブーム”から
“定着”へと向かう」
(リーバ
イス)なかで、市場拡大への工夫が不可欠
だ。中高年男性の構成比が高いサイクリスト
に女性や若い男性を引き入れる――ウエアや
グッズがそうしたきっかけとなるよう各社の商品
開発にも期待したい。
関連各社の商品開発の動向と取り組みを
みていこう。
「エコ」「節電」で関心さらに
今夏も原子力発電所の停止問題から「節
電」がキーワードになりそうだ。節電によっ
てエアコンの温度が高めに設定されること
で、レナウンはこの12夏物で上着なしのスタ
2012春夏に向けた「バイシクレックス」のイメージ(レナウン提供)
2
2012年4月号
自転車ライフとファッションビジネス
「ゴールドウイン」
「スコット」ファッション性加えウエア開発
小野寺 潤一郎氏
株式会社ゴールドウイン アウトドアスタイル本部アクティブ事業部長 2006年秋冬シーズンから自転車(スポー
ツバイク)関連市場に参入したゴールドウイ
ン。スイス「スコット」バイクの輸入、そして
自社名「ゴールドウイン」ブランドと「スコット」
でバイクウエア、アクセサリーの展開に乗り
出し、販売先は北海道から沖縄まで約250
社、店舗数にすると500から600店舗にのぼ
る。立ち上げ当初から同事業を手掛ける小
野寺潤一郎アクティブ事業部長に市場の変
化をうかがった。
─ 自転車事業に取り組まれたきっかけ
からお話し下さい。
スキーポールや自転車などの有力メーカー
であるスイスの「スコット」と、自転車の日本
での総輸入代理店契約を結び、日本での展
開を始めたのが2006年秋冬シーズンからでし
た。同時に「ゴールドウイン」ブランドでバイ
クウエア、アクセサリーの展開に乗り出し、7
年目のシーズンを迎えました。販売先は北海
道から沖縄まで約250社。店舗数にすると
500から600店舗になると思います。
ゴールドウインブランドでは本格的なサイクリ
ストウエアの“レースライド”
と街 乗り感 覚の
“S.U.B”の2シリーズがあります。当初の半年
は苦戦しましたが、その後はおかげさまでシー
ズンの伸び率が前のシーズン比20∼25%増で
推移し、規模を拡大させてきました。ただ、
この2011年秋冬は寒さと週末ごとの雨が響い
たのか春夏物比微増に終わる結果となりまし
た。春物の立ち上がりはまずまず。3月中旬
から動き始めています。
─ 6年の間に自転車市場を取り巻く環
境はどのように変化してきたとご覧ですか。
イベントに協賛するなどして定点観測してい
ますが、盛り上がりを感じますね。まず参加
人口が増えています。矢野経済研究所の調
査によればサイクルスポーツ人口は1360万人
(2010年)とされています。ジョギング・マラ
ソン人口が3000万人ですから、その約半分
の規模です。しかし、マウンテンバイクがブー
ムになったころは1500万人と言われていました
から、その規模にまではまだ回復していない
ことになります。
また40∼60代の中高年男性を核にしながら
も年齢層が幅広くなってきました。ロングライド
系の大会などを見ていると男性9に対し女性
は1。まだまだ男性が多いですが、女性、ファ
ミリー、カップルの参加が増えていますね。タ
ウンユースのクロスバイクに合わせてファッショ
ナブルなウエアも増えてきました。
この人気はマラソンブームや“山ガール”
と
共通するものがあると思います。現在パーソ
ナルスポーツが脚光を浴びています。走るの
も山を歩くのも一人でできる。自転車もそうな
んですね。それと「健康」
「環境」
「経済性」
の新3K。それにも当てはまります。
─ とくに昨年の大震災後、ブームに火
がついたと言われます。
確かに非常時の移動手段として注目を浴び
ました。ロードバイクやクロスバイクなどは、い
わゆるママチャリとは違うスピード感があります。
中国、台湾、インドネシアなどからの輸入され
る安価品なら5万円、6万円でスポーツバイクを
手に入れられます。そして、原発問題。節電
などのエコへの関心の高まりは人力で動く自転
車に目を向かせたと言えるかもしれません。
─ 自転車関連市場の今後をどのように
ご覧でしょうか。
ある調査によれば2011年の自転車出荷台
数は1055万台とされ、そのうちスポーツバイク
(ロード、クロス、マウンテン)は60万∼70万
台と推定されます。伸びているのが電動アシ
ストで43万台。この電動アシストは欧州でも
成長が著しく、サイクリングなどのシーンでも
増えています。バッテリーの容量が大きく、日
本とは異なる使われ方をしていますね。
ウエア関連で見ると、スポーツアパレル市
場は年間4900億円(2011年)で前年比1%
ながら規模が縮小しています。そのうちの3
割シェアを占めるアウトドアは10%逆に増えて
います。ラン、トレッキングウエアなどの伸びと
ともにバイクウエアも貢献しています。
─ ランとバイクウエアの特性の違いはど
のようなものでしょうか。
ランの場合は衣服内の温度を上げないよう
ウエアは「肌にゆるやか」であり、また、故
障に備えて「コンプレッションタイツ」を着用
するのが主流です。バイクの場合は風圧を
防ぐために「肌に密着」するというのが大き
な特徴です。ウエア着用時のストレス軽減を
実現すべく、軽量かつ立体裁断による独自
の「エアロフォーム」を開発しました。また、
固いサドルなどに触れる部分にはパッドを入れ
て分厚くしています。その分、どうしても価格
がラン用に比べ高くなりますね。共通項目は
吸水速乾、UVカット、防風・防寒・防水な
どの機能繊維使いということです。
当社ではこれら基本機能を標準装備しな
がら、なおかつファッション性を高めていく方
向にあります。とくにタウンユースのS.U.Bでは
安全性、快適性、利便性を重視したモノ作
りを意識しています。女性がそのウエアでコン
ビニやファミレスに入っても恥ずかしくない汎用
性のあるウエアを企画していきたい。今後、
自転車通勤などが健康目的などから増えるで
しょうから、それに対応するウエアやサービス
も小売店さんとともに考えたいですね。
ゴールドウインはロードレース大会などの後援も行っている
「リーバイス® コミューター」を発売 すべてのサイクリストのためのジーンズ
中道 大輔氏
リーバイ・ストラウス ジャパン 東京クリエイティブハブ デザイン&マーチャンダイジングディレクター リーバイス®が4月から発売するサイクリスト
のために開発されたジーンズ「リーバイス® コ
ミューター」が注目を集めている。ジーンズの
オリジネーターがなぜ自転車用のジーンズを開
発したのだろうか? 開発した経緯、商品の
概要、日米の自転車文化の違いについて、
同社のクリエイティブをけん引する中道大輔
氏に話をお聞きした。
─ まず、
「リーバイス® コミューター」を
発売するまでの経緯を教えてください。
リーバイス® コミューターは、米国サンフラ
ンシスコのクリエイティブハブで立ち上がった
企画です。商品を形にする上で最初に行っ
たのは、アメリカのサイクリストのメッカである
デンバーに開発部門、
MD総出で足を運び、
サイクリストたちとコミュニケーションを取ること
でした。彼らからバイクに乗る上で必要な機
能をヒアリングし、その意見を可能な限りジー
ンズという商品に反映させました。
米国では昨秋からリーバイス® ストアとアー
バンアウトフィッターズで発売し、非常に好調
に推移しています。それで、次はキーとなる
マーケットで展開しようということになり、じゃあ
多様な自転車文化が根付いている日本でとい
うことになった次第です。
─ 日本では発売前から話題を集めてい
ました。
そうですね。昨年末くらいから米国のサイト
やSNSで情 報を仕 入れた人たちから、「コ
ミューターはいつ出るんですか?」という問い
合わせが頻繁に来るようになり、発売前から
手応えを感じていました。
─ 先日開催したローンチイベントも盛り
上がりました。
3月2日∼4日にかけて、日本のカルチャーを
けん引してきたセレクトショップ「ビームス」さ
んと組んで、ローンチイベントとなる「バイク
ショップ リーバイス×ビームス」を原宿のギャ
ラリーCOMMONで開催しました。初日のパー
ティーには500人超が来場し、メッセンジャー
からストリートまで様々なジャンルのサイクリスト
に来場していただきました。現在、4月末から
の販売に先立って、リーバイス® ストアとビー
ムスの限定店舗でプレオーダーツアーを実施
していますが、ビームス原宿店の初日には行
列ができたと聞いています。
─ コミューターのコレクションの概要、
商品の特徴を教えていただけますか。
12春夏はパンツ6型、ジャケット2型、シャツ
1型でスタートします。自転車での様々なパ
フォーマンスを想定したジーンズ「コミューター
511」
(1万500円)には、①激しい動きにも追
随するストレッチ素材 ②優れた撥水性を発揮
するナノスフィアテクノロジー ③汗をかいても
におわない抗菌性の衛生テクノロジー ④サイ
ドシームに採用したリフレクター ⑤サドルで擦
れないように股下を2重に補強 ⑥モバイルフォ
ンを収納しやすいポケットインポケット ⑦鍵のU
字ロックなどを収納できるウエストバンド─ と
様々な機能、工夫が盛り込まれています。
「M65タイプトラッカージャケット」
(1万6800
円)は、自転車に乗る際の前傾姿勢を考慮
したパターンを採用しており、袖丈と後ろ丈が
少し長くなっています。通気性を考え、バック
ヨークにベンチレーションシステムを採用した
り、脱いだときに肩掛けできるように、ジャケッ
トの裏側にベルトを装備したりするなど、本当
に見て着て楽しい凝った作りになっています。
これだけ工夫された商品ですが、価格も通
常ラインとほぼ同等に抑えているので、幅広
い年齢層のサイクリストに着ていただきたいで
すね。
─ 米国と日本の自転車文化の違いは。
─ 東日本大震災後、自転車にさらに注
目が集まっています。
震災前から、エコな移動手段として年々注
目が高まってきていましたが、それがより加速
した印象があります。エコや節電への意識が
高まり、世間の自転車への関心もより高まって
きたのではないでしょうか。
─ 今後、自転車ブームはどこへ向かっ
ていくと予測しますか。
今はブームから定着に向かっているのでは
ないかと思います。アンダーグランドのバイク
ブームは3年前をピークに落ち着いています
が、だからといってなくなったわけではない。
自転車シーン全体が多様化しているので、
様々なニーズに応えるために、シーズン毎に
コレクションを進化させていきたいですね。
まず、米国は完全なるクルマ社会というの
がベースにあります。個人的な印象ですが、
米国人は日常の移動に自転車を使うという発
想がなくて、いわゆるバイクカルチャーはメッ
センジャーに端を発するストリートに特化してい
る気がします。それに対して日本は、たぶん
世界で一番自転車文化の間口が広いのでは
ないでしょうか。通勤・通学の駅までのコミュー
ティング、メッセンジャー、ロードバイク、マウ
ンテンバイク、
ヴィンテージバイクと千差万別
で、それぞれが深く広くしっかり根付いている
印象がある。日米でかなり大きな違いがあると
思いますね。
注目を集めている「リーバイス® コミューター」
自転車ライフとファッションビジネス
2012年4月号
3
レナウン「バイシクレックス」 紳士服の伝統を細部に宿す
高野 信彰氏
株式会社レナウン 事業本部企画部GMS・小売店グループ スタジオ・バイ・ダーバン担当 チーフマーチャンダイザー 課長 レナウンは2月後半から「スタジオ・バイ・
ダーバン」で自転車通勤対応ウエア「バイ
シクレックス」を発売した。エコロジーや健康
志向により、自転車通勤は潜在的なニーズ
が高まっていたが、昨年の大震災での帰宅・
通勤困難を体験したことで、そのニーズが顕
在化したと判断、市場に参画した。その商
品は紳士服の伝統を細部に宿す。
─ 今回、自転車通勤対応のオフィスウ
エアを企画された背景は。
3.11東日本大震災後、アパレルを企画する
側に微妙な気持ちの変化が表れました。あ
の日、東京では帰宅難民があふれ、その後
も計画停電などで通勤が困難に陥ったり、ガ
ソリン不足で自動車が使えないといった状況
を我々は体験しました。それが何かしら心に
突き刺さったまんま時間だけが経過してきたと
いう感じなんですね。
震災以前からエコロジーや健康志向という
ことが盛んに言われてきました。自転車通勤も
その流れの中でじわじわと増えていたのです
が、それが震災を経験して一気にムーブメン
トになったと考えています。スタジオ・バイ・ダー
バンでも何か企画できないかと考え、今回の
企画が浮かび上がったものです。
社内で企画を上げると「そんな商品、本
当に売れるの?」という疑問の声が上がりま
した。自転車通勤そのものがあまり理解され
ていない面がありました。それで「現場を見
に行こう」となりまして、東京の代表的なオフィ
ス街である大手町でモニタリングしました。
4月下旬のウイークデー、朝の8時に交差
点の前で眺めると、いるわいるわ(笑)
。若
い人からかなり歳を召した方も、男性も女性も
本当に幅広い方たちが自転車で通勤されて
いる。自転車もいわゆるママチャリからマウン
テンバイク、本格的なロードサイクルまでさま
ざま……。目の前を時速50㎞くらいのスピー
ドで駆け抜ける人もいて驚きました。目からウ
ロコというのがぴったりでした。
この時期は来年、つまり2012年の夏物の
企画をどうするかという時期なんですが、こ
の“実体験”
を通じて「(この企画は)面白い
ね」ということになったわけです。
─ バイシクレックスの商品の特徴はどの
ようなものですか。
自転車通勤とは言ってもきちんとしたビジネ
スウエアでなければならないと考え、ジャケット
とパンツのセットアップスーツとして企画しまし
た。もちろん単品で着用してもビジネスにふさ
わしいスタイルを完成させています。
素材はポリエステル100%と同90%にスパン
デックス10%混ぜたものの2種類。いずれも
伸縮性をもたせています。ジャケット、パンツ
は2型、シャツは3タイプ・11型を用意しました。
ジャケットは夜間走行時の安全対策として
上襟裏に反射材を張り、多機能ポケットや風
を通すベンチレーションを脇の部分に取り付け
ています。もちろん家庭洗濯ができるイージー
ケア性も備えています。シャツも吸水速乾、
抗菌防臭、接触冷感など夏のウエアとしての
機能を備えたタイプを用意しました。
─ スポーツメーカーもバイクウエア市場
に参入し、競争が激しくなっています。レナウ
ンとしてのこだわりはどこにあるのでしょうか。
スタジオ・バイ・ダーバンのコンセプトは“コ
ンテンポラリー・アーバンスタイル”で終始一
貫しており、カッコよさであったり、スタイリング、
男の色気といったものを常に意識して企画し
ています。このバイクウエアにしても、このブ
ランドコンセプトから外れるものではありませ
ん。40年にわたりダーバン紳士服を作り続け
てきたメーカーのこだわりを商品に落とし込ん
でいます。
─ すでに12秋冬物の展示会も終えられ
らしたようです(笑)。
─ 大震災から一年が経過し、企画する
側に変化が表れたと冒頭指摘されました。ス
タジオ・バイ・ダーバンブランド全体でも変
化が?
この12夏物は大きく変化しています。節電
によってエアコンの温度が高めに設定されるこ
とで、上着なしのスタイル提案を増やしていま
す。スーツ1着の価格はシャツ10枚分。スー
ツが売れなければシャツを10枚売ろうとハッパ
をかけています。
大手シャツメーカーとコラボし、首周りやカ
フスに接触冷感素材を用いた商品も用意しま
した。バイシクレックスと併せ、夏のビジネスシー
ンをリードしていきたいですね。
たようですが。
冬ですからコートも必要ということで、バイ
シクレックスにはジャケット、パンツ、シャツに
加え、コートも追加しました。あくまで通勤着
ですからドレッシーにということで着丈が85㎝
のやや短めのコートを企画しました。
─ 売り場は。
スタジオ・バイ・ダーバンはGMSや地方百
貨店を中心に全国約60店舗で展開しています
が、そのうち上位30店舗で発売しています。
─ 春夏物の立ち上がりはいかがですか。
まだどうこういえる状況ではありませんが、
全国でいちばん最初に売れたのが寒い札幌
でした。北国で春を待ちきれないお客様がい
スタジオ・バイ・ダーバンから展開する「バイシクレックス」
おしゃれなウエアで女性市場開拓を
浦山 忠之氏
株式会社ワイ・インターナショナル ワイズロード・新宿ウエア館/新宿クロスバイク館店長 都内を中心に全国29店舗で自転車、同
パーツ、アクセサリー、ウエアなどを販売す
るワイ・インターナショナル。「自転車愛好
者は断然男性が多く、30∼40代。女性市
場の開拓は今後の自転車市場の成長にとっ
て不可欠」とする同社の浦山忠之氏に、自
転車市場の最近の動き、ウエア開発の問題
点などをうかがった。
─ 自転車の人気が高まっています。小
売店頭からご覧になっていて、その変化の実
感は。
震災で思わぬ形で利用が増えたのです
が、それ以前から少しずつじわじわと愛好者
が広がっていたように思います。スポーツに加
えレクリエーションとしてのツーリングが注目を
集めました。ハイキングやウオーキングに比べ
移動距離が長く、その分、いろんなところが
見られるので楽しめます。20 ∼ 30代の男性
であれば1日の移動距離が100㎞に達します。
初心者でも少しがんばれば50 ∼ 60㎞は可能
です。そうしたことも自転車ブームの背景にあ
るように思います。
それと健康に対する意識の高まりです。例
えばメタボの人が走ると腰や膝、足首に負担
がかかり、故障につながります。しかも、走
るのは疲れ、なかなか長続きしない。それに
比べると自転車は衝撃が少なく負担が少な
い。心拍計などのツールを利用するなど、手
軽で効率的な有酸素運動であることも人気の
一因です。
また昨年、ブレーキを装着していないピスト
や、マナーを心得ない人たちが起こす事故な
どが報道されました。逆にこうした報道が自
転車を注目させることになりました。マナーに
ついては引き続きの課題として、業界全体で
対応しなければなりません
─ 御社の事業内容を紹介ください。
都内を中心に全国29店舗で自転車、同
パーツ、アクセサリー、ウエアなどを販売して
います。自転車の売れ筋はロードバイクで10
万∼20万円(付属品込み)
、クロスバイクで
10万円以下(同)といったところでしょうか。
イベントも幅広く開催しています。以前は各
種レースの開催もしていましたが、最近は業
界全体でのレース開催が増え、私たち自身は、
店頭でのメンテナンス講習会や試乗会など身
近なものを開催しています。
─ 自転車人気を定着させ、さらに盛り
上げるにはどうしたことが必要でしょうか。
わたしも愛好者のひとりですが、もっと自転
車の楽しさを伝えたいですね。当社は埼玉県
に本社を置いていますが、実は埼玉県は自
転車の街で、保有率は日本一。荒川など河
川沿いのサイクルロードの総延長距離もまた日
本一なんです。県もこうしたサイクルロードの
整備に力を入れており、こうした行政の後押
しも必要でしょうね。
最近、増えている自転車通勤ですが、こ
れをもっと増やすには道路や駐輪場の整備な
どが必要です。それがないと増えない。以前、
赤坂店に勤務していたころ、自転車通勤の
方がよくお店に顔を出されました。近くのテレ
ビ局の関係者や、その周囲の制作会社の方
などメディア関連で働くお客様が多くいらっ
しゃいました。当時はまだ自転車通勤が珍しく、
ビジネススーツが常に必要ではないこうしたメ
ディア関連の、エコなどに対する意識が比較
的高い人たちが自転車通勤を広めたのでは
ないかと考えています。その生きざまというか
カッコよさが今のブームの火付け役になったよ
うに思います。
しかし、スーツの着用が義務付けられてい
るような職場ではなかなか難しい。しかも例え
ば片道20㎞の通勤時はどうしても汗をかいて
しまいます。現状では職場にシャワーもなく、
汗をかいたままの仕事というのは無理がありま
すね。オン・ライドのウエアはたくさんの種類
がありますが、ビジネスユースのバイクウエア
の本格的な開発はまだまだこれからです。
─ 小売店としてバイクウエアの商品開
発に対する注文がありましたら。
アクセサリーを含めいろんな商品が市場に
投入されてきました。ただ、ニッチな市場で
あるためか、価格が高いのが気になります。
機能を高めるため素材を重視し、結果として
価格が高くなるのは分かるのですが、ジョギ
ングウエアなどに比べると、やはり消費者も手
が出しにくい価格になります。
バイクの場合、自転車本体にかけるお金
が多く、ウエアはそのあとになります。しかし、
普段着でロードバイクは似合わないし、逆に
普段着感覚のおしゃれなウエアでクロスバイク
を楽しみたい愛好者は多い。肌に密着したピ
チピチのウエアで街を走るのは、とくに女性の
方は敬遠される。
ウエアに限って言えば、スポーツのグッズと
しての機能と、ファッションアパレルとしてのデ
ザイン性を、他のスポーツ同様、うまくマーケ
ティングに生かせればいいな、
と考えています。
お手軽な自転車から高級バイクまで豊富な品ぞろえ
(新宿クロスバイク館)
4
ニュース・クリッピング/人事異動
2012年4月号
N
ews
Clipping
寺岡製作所と資本・業務提携
伊藤忠商事はこのほど、粘着テープ分野
の業界大手、株式会社寺岡製作所と資本
業務提携契約を結び、同社が発行する第三
者割当増資の全株式を引き受けることに合意
しました。増資引受実施後、伊藤忠は寺岡
製作所発行済み株式の25%(議決権株式
保有比率25.35%)を保有し、同社は伊藤忠
の持分法適用関連会社となります。
寺岡製作所は、1921年(大正10年)創
業の歴史ある粘着テープメーカーで、祖業の
梱包・包装用テープをはじめ、電機・電子
用テープや産業用テープなどの多様な商品を
製造しています。粘着テープ業界では近年、
携帯電話・スマートフォン・モバイルPCの普
及に伴い、電機・電子用テープの国内外に
おける需要が拡大しています。電機・電子
分野における粘着テープ・フィルムの全世界
の市場規模は、とくにアジア圏の後押しにより
2010年の6700億円が2014年には8000億円
を超えると予想されるなど、成長市場として
注目されています。
そうした環境下、寺岡製作所は電機・電
子用テープをはじめとした高付加価値商品の
裾野を広げる戦略を進めてきました。現在で
は導電性粘着テープ、電子部品用マスキン
グテープで業界上位のポジションを維持して
います。また、2011年3月にはインドネシアに
一貫生産を担う現地法人を設立、2012年6
月の操業を目指し現在準備を進めています。
今後、こうした生産基盤を最大限に活用しグ
ローバルに事業を拡大していくためには、マー
ケティング・原材料調達・ロジスティックなどで、
伊
藤
忠
商
信頼の置けるパートナーとのグローバルな協
業体制の確立が重要であるという認識を深
め、粘着テープ用原材料の供給を中心に長
年にわたる取引関係にあり、相互に信頼関
係を築いてきた伊藤忠との戦略的提携を検
討するに至りました。
また伊藤忠も、寺岡製作所の技術力・生
産基盤を活用することで、グローバルに成長
している衛材・エレクトロニクス分野において、
大手客先へのトレード強化・商材多様化の
みならず、新たな用途における戦略商品の
開発など、伊藤忠グループ全体として多様な
展開が可能となるという認識の下、寺岡製作
所との資本提携を検討してきました。
こうして、両社の思いの合致を見たことに
より、このほど寺岡製作所への資本参画によ
事
人
事
異
り人材派遣を含む全面的な協力体制を構築
するという結論に至りました。
伊藤忠と寺岡製作所は、今回の資本・業
務提携を機に、さらなる関係強化を行うことによ
り、既存ビジネスをさらに進化・発展させていくと
ともに、伊藤忠の全社ネッ
トワークを活用した新
たな分野でのビジネス創出を推進します。
名称
株式会社寺岡製作所
本社
東京都品川区広町1-4-22
代表者
寺岡 敬之郎 (代表取締役社長)
創業
大正10年2月(1921年)
設立
昭和18年5月(1943年)
資本金
39億438万円
従業員数
599名(2011年3月31日現在)
事業内容
各種粘着テープ類の製造、加工及び販売
売上高
231億円(2011年3月期)
本件に関するお問い合わせ先
伊藤忠商事㈱ 繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル第二課
部長代行:辻 賢一 担当:吉内 直樹
電話:03-3497-2218
動
役 員 人 事
1 役員の退任
新
7名
(3月31日付)
前
顧問
取締役 専務執行役員
赤松 良夫
顧問
取締役 常務執行役員
岡田 賢二
4 執行役員の役割異動
顧問
取締役 常務執行役員
菊池 哲
理事
専務執行役員
桑山 信雄
顧問
執行役員
笠川 信之
理事
執行役員
須﨑 隆寛
顧問
執行役員
三宅 幸宏
※ 桑山信雄は4月1日付で社長補佐
(中国食料・建設事業担当)
に就任
2 執行役員の新任
新
常務執行役員
常務執行役員
執行役員
食料カンパニー
食料カンパニー
プレジデント補佐
プレジデント補佐
(兼)
食糧部門長
(兼)
食糧部門長
食糧中国事業推進部長
(兼)食糧中国事業推進部長 (兼)
7名
(4月1日付)
現
新
常務執行役員
金属カンパニー
プレジデント
常務執行役員
金属・エネルギーカンパニー
プレジデント
中村 一郎
常務執行役員
CIO
(兼)
住生活・情報
カンパニー エグゼクティブ
バイス プレジデント
常務執行役員
CIO
(兼)
特定業務担当役員
補佐
(金融・保険事業部/
物流統括部担当)
石丸慎太郎
中出 邦弘
執行役員
食品流通部門長
亀岡 正彦
執行役員
紙パルプ部長
拓植 一郎
執行役員
ブランドマーケティング
第二部門長
石井 和則
執行役員
化学品部門長代行
(兼)
無機化学品部長
齋藤 一也
常務執行役員
住生活・情報カンパニー
プレジデント
鉢村 剛
常務執行役員
機械カンパニー
プレジデント
新
専務執行役員
CSO
(兼)
業務部長
前
常務執行役員
CSO
(兼)
業務部長
髙柳 浩二
常務執行役員
プラント・船舶・
航空機部門長
執行役員
プラント・船舶部門長
今井 雅啓
常務執行役員
建設・金融部門長
執行役員
建設・不動産部門長
木造 信之
常務執行役員
常務執行役員
東アジア総代表
東アジア総代表
(兼)
伊藤忠
(中国)
(兼)
伊藤忠
(中国)
集団有限公司董事長
集団有限公司董事長
(兼)
上海伊藤忠商事
(兼)
上海伊藤忠商事
有限公司董事長
有限公司董事長
上海伊藤忠商事
(兼)
伊藤忠香港会社会長 (兼)
有限公司総経理
(兼)
BIC董事長
(兼)
伊藤忠香港会社会長
(兼)
BIC董事長
小関 秀一
株式会社
オリエントコーポレーション
代表取締役副社長
(兼)
副社長執行役員
執行役員
経理部長代行
繊維カンパニーCFO・CIO
中出 邦弘
執行役員
生活資材部門長
紙パルプ部長
拓植 一郎
執行役員
化学品部門長
化学品部門長代行
(兼)
無機化学品部長
(4月1日付)
2名
(4月1日付)
現役割
7 取締役の新任候補
取締役 常務執行役員
住生活・情報カンパニー
プレジデント
取締役 常務執行役員
機械カンパニー
プレジデント
塩見 崇夫
執行役員
金属部門長
鷲巣 寛
執行役員
自動車・建機・産機部門長
執行役員
自動車・建機部門長
吉田 多孝
執行役員
山口 潔
伊藤忠インターナショナル会社
エグゼクティブ バイス プレジデント
(兼)
伊藤忠インターナショナル会社
繊維部門長
(兼)
ITOCHU PROMINENT USA LLC
(CHAIRMAN & CEO)
占部 真純
東アジア総代表補佐
(華南担当)
(兼)
伊藤忠香港会社社長
新
吉田 朋史
齋藤 一也
現在の執行役員38名のうち、退任予定の12名
(参照「1.役員の退任」)
を
除く31名全員が執行役員を再任する。
取締役 常務執行役員
エネルギー・化学品
カンパニー プレジデント
執行役員
金属・鉱物資源部門長
執行役員
秘書部長
大喜多治年
CIO補佐
(兼)
IT企画部長
福田 祐士
常務執行役員
生活資材部門長
執行役員
新エネルギー・石炭部門長
6 審議役の新任
常務執行役員
化学品部門長代行
(兼)
有機化学品第一部長
常務執行役員
エネルギー・化学品
カンパニー プレジデント
執行役員
石炭・原子力・ソーラー
部門長
5 執行役員の再任
松島 泰
繊維カンパニーCFO・CIO
4名
(4月1日付)
小林 洋一
常務執行役員
機械・情報カンパニー
プレジデント
執行役員
3 執行役員の昇格
前
常務執行役員
CAO・CCO
塩見 崇夫
財務部長
15名
(4月1日付)
副社長執行役員
副社長執行役員
社長補佐
(金属・エネルギー
社長補佐
(関西担当
(兼)
営業管掌) カンパニー/機械・情報
カンパニー管掌)
株式会社
オリエントコーポレーション
代表取締役副社長
(兼)
副社長執行役員
執行役員
中山 勇
3名
(6月定時株主総会日付)
現
常務執行役員
化学品部門長代行
(兼)
有機化学品第一部長
常務執行役員
生活資材部門長
新
新
塩見 崇夫
1名
(6月定時株主総会日付)
現
常勤監査役
9 監査役の新任候補
常勤監査役
福田 祐士
吉田 朋史
株式会社
オリエントコーポレーション
代表取締役副社長
(兼)
副社長執行役員
8 監査役の退任
理事
池内 宏
米家 正三
1名
(6月定時株主総会日付)
現
取締役 専務執行役員
CAO・CCO
赤松 良夫
人事異動
2012年4月号
5
主 管 者 人 事
1 部店長以上の役職異動
(4月1日付)
テキスタイル・製品部長
ベトナム支配人代行
(兼)
ホーチミン事務所長
井口 英則
西脇 幹雄
ブランドマーケティング
第一部長
ブランドマーケティング
第三部長代行
(兼)
ブランドマーケティング第三部
ブランドマーケティング第十二課長
小谷 建夫
前
新
繊維カンパニーCFO
CFO付
(兼)
不動産・金融・
保険・物流経理室長
アセアン・南西アジア
東アジア総代表補佐
総支配人補佐 経営企画担当
(華南担当)
伊藤忠シンガポール会社
(兼)
伊藤忠香港会社社長 (兼)
副社長
砂山 豊宏
繊
1 部長代行
新
繊維経営企画部
(兼)
繊維内部統制室
金子 典生
ブランドマーケティング
ブランドマーケティング
第三部長代行
第三部長代行
ブランドマーケティング
(兼)
ブランドマーケティング (兼)
第八課長
第四課長
繊維資材・
ライフスタイル部長代行
(東京駐在)
繊維資材・ライフスタイル
部長代行
(東京駐在)
(兼)
繊維資材・ライフスタイル
第二課長
2 課・室長
新
(4月1日付)
前
繊維原料・テキスタイル部
ユニフォーム・アパレル課長
テキスタイル・製品部
大阪インナー課長
髙田 徹
青島藤華服装
正村 匡
(董事
(兼)
総経理)
(青島駐在)
ファッションアパレル
第一部
ジーンズ課長
繊維原料・テキスタイル部
ジーンズ課長
ブランドマーケティング
第一部
ブランドマーケティング
第一課長
ブランドマーケティング第一部
ブランドマーケティング
第十課長
浅沼 孝信
ブランドマーケティング
第一部
ブランドマーケティング
第十一課長
ブランドマーケティング第三部
ブランドマーケティング
第五課長
塩川 弘晃
ブランドマーケティング
第三部
ブランドマーケティング
第八課長
ブランドマーケティング第三部
ブランドマーケティング
第八課長代行
石田 俊哉
ブランドマーケティング
第三部
ブランドマーケティング
第十二課長
ブランドマーケティング第二部
ブランドマーケティング
第一課長
武井 克磨
繊維資材・
ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第二課長
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第四課長
和田 賢明
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第四課長
上海SS
I
(総経理)
(上海駐在)
石井 匡彦
大窪 功一
前
繊維原料・テキスタイル部
繊維原料課長代行
(東京駐在)
繊維原料・テキスタイル部
繊維原料課
(東京駐在)
渡辺 雅之
繊維原料・テキスタイル部
ユニフォーム・アパレル
課長代行
テキスタイル・製品部
ユニフォーム・アパレル課
文箭 達三
テキスタイル・製品部
大阪インナー課長代行
テキスタイル・製品部
大阪インナー課
岸本 隆
テキスタイル・製品部
東京インナー課長代行
㈱ロイネ
(東京駐在)
溝内 剛士
ITOCHU Textile Prominent
(Asia)Ltd.
(TTL)
(EXECUTIVE DIRECTOR)
(バンコック駐在)
北陸支店
テキスタイル課長代行
(大阪駐在)
吉越 景
ブランドマーケティング
第一部
ブランドマーケティング
第十一課長代行
ブランドマーケティング第一部
ブランドマーケティング
第十一課
河田 晃一
ブランドマーケティング
第二部
ブランドマーケティング
第六課長代行
ブランドマーケティング第二部
ブランドマーケティング第六課
清水 博明
ブランドマーケティング
第三部
ブランドマーケティング
第四課長代行
ブランドマーケティング第三部
ブランドマーケティング
第五課長代行
七宮 信幸
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第一課長代行
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第一課
持田 彰
繊維資材・ライフスタイル部 ITOCHU PROMINENT
USA LLC
繊維資材・ライフスタイル
(ニューヨーク駐在)
第三課長代行
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第四課長代行
繊維事業統括室長代行
(東京駐在)
繊維経営企画部
繊維情報化推進室長
代行
ファッションアパレル第一部
機能衣料課
丸山 直紀
ファッションアパレル
第二部
ファッションアパレル
第一課長代行
ファッションアパレル第二部
ファッションアパレル第一課
多木 雅啓
ブランドマーケティング
第一部
ブランドマーケティング
第一課長代行
ブランドマーケティング第二部
ブランドマーケティング
第一課長代行
岡村 俊明
ブランドマーケティング
第一部
ブランドマーケティング
第一課長代行
ブランドマーケティング第一部
ブランドマーケティング
第十課長代行
小西 啓司
テキスタイル・製品部
大阪インナー課長
木下 昌彦
中野 操
池内 宏
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第一課長代行
福田 昌玄
ホーチミン事務所長
(ホーチミン駐在)
ファッションアパレル
第二部長代行
渡邉 健
チェーン店衣料品売上高の推移(億円)
85.00
1,000
1,000
2011.2
マルコ㈱
(取締役副社長)
(大阪駐在)
上海SS
I
(副総経理)
(上海駐在)
2,000
2010.2
林田 安規
竹内 達児
2,000
0
繊維情報化推進室長代行
テキスタイル・製品部
大阪インナー課長代行
80.00
3/22
井上 学
青島藤華服装
(董事
(兼)
総経理)
(青島駐在)
3,000
3/1
繊維事業統括室
(東京駐在)
東アジア総代表補佐
シーアイ・ショッピング・
(華南担当)
(香港駐在)
サービス㈱
伊藤忠香港会社社長
(専務取締役)
(東京駐在) (兼)
3,000
2/2
齊藤耕一郎
前
㈱ロイネ
(執行役員)
(大阪駐在)
百貨店衣料品売上高の推移(億円)
2012.1/12
繊維資材・ライフスタイル部
繊維資材・ライフスタイル
第四課
(4月1日付)
㈱ロイネ
(顧問)
(大阪駐在)
75.00
90.00
12/22
吉田 昌弘
4 海外・出向
新
ファッションアパレル
第一部
機能衣料課長代行
為替(円/US$)
Data
(4月1日付)
新
テキスタイル・製品部
ユニフォーム・アパレル課長
小谷 信之
西沢 祐司
3 課・室長代行
恒枝 孝史
動
檜垣 和彦
繊維情報化推進室長
(東京駐在)
繊維経営企画部
繊維情報化推進室長
(東京駐在)
異
久保 勲
ブランドマーケティング
第一部長
北米繊維部門長
(兼)ITOCHU PROMINENT
USA LLC CHAIRMAN
& CEO
足立 勝司
川辺㈱
(取締役)
(東京駐在)
繊維経営企画部
繊維事業戦略室長
(東京駐在)
辻 賢一
事
繊維M&R室長
(兼)
繊維内部統制室長
繊維M&R室長
(兼)
繊維カンパニー
CFO付
武内 秀人
人
繊維事業統括室長
繊維事業統括室長
(兼)
繊維経営企画部
繊維事業戦略室
(4月1日付)
前
繊維経営企画部長代行
維 カ ン パ ニ ー
伊藤忠インターナショナル会社EVP 伊藤忠インターナショナル会社
CAO
(兼)
伊藤忠インター
(兼)
北米経営企画部長
ナショナル会社CAO
(兼)
伊藤忠カナダ会社社長
(兼)
北米経営企画部長
(兼)伊藤忠カナダ会社社長
2012.2
出所:日本百貨店協会
0
2010.2
2011.2
2012.2
出所:日本チェーンストア協会
ドル/円は、好調な米国経済指標や日銀による追加緩和姿勢の確認、本邦
全体として2カ月連続の前年同月比マイナスも減少幅は0.4%減とほぼ前
全国的に気温が低く、冬物商品が好調だったことや、
うるう年効果から総販売額
貿易統計の悪化観測などを受けて上昇。3月15日には約1年ぶりの円安水
年並みに。全国的に強い寒気の影響を受けて冬物衣料や帽子・手袋などの
は7カ月ぶりで前年を0.3%上回った。衣料品は909億円で前年同月比0.3%増。
準となる84円18銭まで上昇した。目先のドル/円は、上記要因等を背景として
防寒アイテムが好調に推移したが、衣料など春物商材には動きが見られな
紳士衣料はアウター、セーター、
ジャケット、
コートなど冬物商品は好調だが、スーツ、
引き続き底堅い展開が予想される。ただし、米経済指標が市場の期待を下
かった。天候不順やインフルエンザの流行も重なり、外出を控える傾向が強ま
スラックスや春物コート、
ジャケットが不調。婦人衣料はセーター、パンツ、スカートは
回った場合には量的緩和策第3弾(QE3)
への期待感が高まり結果的にドル
り、入店客数にも若干の影響を受けた。高級時計、宝飾品、輸入特選雑貨な
好調だが、
フォーマルは不調。その他衣料・洋品は機能性肌着、紳士・婦人リラクシ
安に波及するリスクや、
いったんは落ち着いているものの欧州債務問題が再
どの高額商材が引き続き好調。衣料品売り上げは1.0%減の1407億円。紳
ングは好調だが、男児・女児パジャマは不調だった。衣料品以外では寝装・寝装品
燃してリスク回避的な円買いを引き起こすリスクには注意が必要。
( 3/23)
士服・洋品が2.4%増と3カ月連続でプラスとなったが、他は前年を下回った。
は毛布、敷パッドが好調。インテリアは座布団、カーテン、カーペットは不調。
6
ファッションリポート
2012年4月号
2012年ファッション消費
F
ashion
Report
No.580
不安の中でもハッピーシェア
伊藤忠ファッションシステム株式会社 マーケティングクリエーションBU マネジャー 1年前の2011年4月…東日本大震災直後にこの欄で、新たなシーズン、新しい期へ向けての
ファッション消費の展望を書いた。その後、ヨーロッパの信用不安と経済危機、ウォール街に
おけるデモ、
タイでの洪水などいろいろなことが起こった。片や、
フェイスブックやツイッターなどソー
シャルメディアの興隆はますます目覚ましく、世界はつながっていることを思わずにいられない。
そんな現状を踏まえ、2012年はどうなるのか。ファッション消費についてアップデートして、変わ
らない傾向と変わる兆しをまとめてみたい。
2012年:
時代の気分は、
“ハッピーシェア”
東日本大震災とそれに続く原発事故で、
私達が普通に生活してきた日常が薄氷の上
に成り立っていることを思い知らされた。また
そんな中で、人と人とのつながり・絆の大切
さや、ソーシャルメディアを通じて流れてくる
個人発信の情報のリアルさ・確かさを実感し
た。幸せになりたいのは誰も同じだが、一方
で不幸な人がいると自分も幸せにはなれない
ことに気がついた。
今まではどちらかと言えば、人々は自分の
半径5m的・自己中心的なシアワセ感を求め
ていたが、今や人とつながりシェアすることで
幸福感を得たいのだ。時代の気分は、まさ
に
“ハッピーシェア”、他人にも社会にも貢献し
たい気分なのである。
2012春夏のファッションは、ホワイト、イエ
ロー、ピンク、オレンジ、グリーンなどハッピー
でチェアフルな気持ちになれる色であふれて
いる。不安や不安定さがデフォルト化する世
の中で、コレクショントレンドから実際の店頭ま
で、人々に少しでも明るい気分を提供できる
のがファッションなのだと、今さら(今こそ)
気づかされるのである。
二極分化傾向は、基本的に継続
昨年、トレンドや周囲の帰属集団への同調
消費と、自分らしくあるための自分確認消費
に二極分化していると書いた。前者は安くな
ければ売れず、後者は高くても売れ、どっち
つかずのものは売れない。その傾向は、基
本的に今も継続していると思う。昨秋パリと
NYに出張した際に、ファッション業界関係者
とディスカッションする機会があったが、中間
市場がなくなりつつあるというのは、米国でも
ヨーロッパでも同じらしい。トレンドを反映した
ファッションを安い価格で提供する、ファスト
ファッションの世界展開が、市場構造を変え
たのだ。実際に世界各国で消費者調査をし
ても、ワードローブ の 中 に、
「ZARA」や
「H&M」は必ず入っている。恐るべし! ファ
ストファッションだ。
基本的な市場構造は変わらないものの、
その中身が少しずつ変化している。
「自分確
認消費」は「自己充足消費」へ、それと「同
調消費」との間に、両方の要素を持った「つ
ながり消費」が生まれつつある。各々につい
て、少し詳しく述べたい。(図1参照)
「同調消費」を加速させる、
ハナコジュニア世代の市場参入
ハナコジュニア世代(現在20∼25歳)は、
今後のファッション市場を見る上で要注目世代
だが、彼らの同調傾向はとりわけ強い。ケー
タイ育ちの、いわば日本版デジタルネイティブ
世代である彼らは、仲間から浮かないこと、
友達とテンションや話題を共有することに、と
ても気を遣っている。
ファッションについても同様で、トレンドを
キャッチアップすること、友達が採用するトレン
ドは自分も取り入れることが、お約束だ。ゆえ
に上のプリクラ世代が、ifs流ファッション分類
の(女性で言えば)
「エレガンス系」
「ギャル系」
「マルチミックス系」に分かりやすくくくれるの
に対して、ハナコジュニア世代では、3派の
いいとこ取りをした「フェミニンカジュアル系」
がマスとして真ん中に大きく存在する。かわ
いく、女の子らしく、それほどセクシーではなく、
愛され系のファッションである。その範囲で、
今年らしさを取り入れるのである。
(図2参照)
個性や自分らしさを標榜していた上世代に
対して、考えようによってはつくり手発のトレン
ドでコントロールしやすい世代だが、非常にコ
ストコンシャスで手強い世代とも言える。価格
合理性を重視するし、ネットで価格をサーチ
して最安値で買う手間をいとわない。彼らが
図1 ファッション消費における二極分化
価格
2011年
2012年
自分確認消費
自己充足消費
高くても
売れる
どっちつかずは
売れない!
安くなければ
売れない
同調消費
つながり消費
同調消費
ソース:ifs作成
吉水 由美子
[email protected]
図2 ファッションタイプ分類 プリクラ世代 vs. ハナコジュニア世代
〈プリクラ世代〉
ファッション選びは
他人の目を意識横並び重視
女性らしさ、上品さ重視
セクシー志向
ファッション < 女性
アンチセクシー志向
ファッション > 女性
エレガンス系
ギャル系
マルチ
ミックス系
セクシーさ、華やかさ重視
人とは違う、個性重視
ファッション選びは
他人の目を意識せず個性重視
〈ハナコジュニア世代〉
ファッション選びは
他人の目を意識横並び重視
女の子ぽさ、かわいさ重視
セクシー志向
ファッション < 女性
エレガンス系
アンチセクシー志向
ファッション > 女性
ボリューム層 = フェミカジ系
ギャル系
マルチミックス系
ファッション選びは
他人の目を意識せず個性重視
ファッション市場に参入するに従って、同調志
向と価格志向はますます顕著になると想定さ
れる。
「自分確認消費」は、さらなる
「自己充足(コンサマトリー)
消費」へ向かう
低価格であることが重要な「同調消費」
に対して、高価格でも手を伸ばしてもらえるの
が「自分確認消費」だ。それは自分らしくあ
ることへの自己満足に近いもので、例えばエ
シカル(倫理的)やエコロジカルであることを
重視する、つくり手のクリエイティビティに共感
する、職人技をレスペクトする、など。そういっ
た自分の志向性の確認が、消費につながる
のだ。
そこから一歩前進して、これからは自分の
今の気持ちを確認する、買うこと自体を楽し
む、
「自己充足消費」へと向かいそうだ。
“コ
ンサマトリー(自己充足、現時充足)”が、
今どきキーワードのひとつである。買い物経
験自体が重視され、超ラグジュアリーな環境
と極上の接客で買い物したり、つくり手の顔
が見える状況でその思いを聞いた上で買った
りすることを意味する。
これらの背景には、フェイスブックやツイッ
ターの影響があるように思える。震災によって
存在感が高まったこれらソーシャルメディアだ
が、ブログがアーカイブ型なのに対して、即
時型であり、今このときに情報共有しなけれ
ば、「いいね!」ボタンを押さなければ、流れ
て行ってしまう。先行きの不安定感や不安感
と相まって、今このときを楽しもう、ハッピー感
を共有しよう、という思いが底流に流れている
ように感じる。
ソース:ifs作成
新たな「つながり消費」の誕生
「自己充足消費」と「同調消費」の間に、
「つながり消費」とも呼べるものが生まれつ
つある。これは人との場の共有によって生ま
れる消費、つまりその場にふさわしい自分を
演出し、その場に集う同じ志向性を持った
人々とのつながりを確認するための消費であ
る。ファッションで言えば、登山するときは“山
ガール”であり、東京ガールズコレクションに
は好きなブランドで思いっきりおしゃれして参
加する、などがあげられる。
もう少し大きな視点で言えば、これは「愛
国 消 費」
「地 域 応 援 消 費」にもつながる。
買い物によって、
日本のものづくりを応援しよう、
地域やつくり手とのつながりを確認しようという
スタンスだ。例えば、ここ数年ですっかりファッ
ションアイテム化し着替えるのが当たり前に
なった眼鏡だが、中国製・韓国製ではなく日
本の鯖江製(福井県)のものを少し高くても
買う行為だ。
そうやって他人や社会に貢献することで自
己充足を得るのと同時に、
“がんばれ、ニッ
ポン”
という時代のムードに同調する消費であ
る。自分を確認する一方で、他者とのつなが
りや社会への帰属を認識する消費が、今を
象徴しているように感じる。
東北大震災から1年が経ち、底流にある不
安感・不安定感は拭いきれないものの、他者・
社会とつながりつつ自分の今を充足し、足元
をかためて一歩前進したい機運が感じられる。
ファッションはそういった人々の気持ちをとらえ
チェアアップすることで、その価値をより高めて
ゆくことができると思う。ファッション消費がます
ます“ハッピーシェア”
につながることを、願う。
【訂正】3月号の当欄にて、①「経済産業省のクールジャパン室の仕事で∼」は、
「経済産業省のクリエイティブ産業課の仕事で∼」
②
「できれば単年度の補助金プロジェクトで終始することなく∼」は、
「できれば単年度のプロジェクトで終始することなく∼」との誤りでした。それぞれ訂正します。