(2011年6月発行)PDF 2.42MB

認定看護師教育課程2コースがスタート
認定看護師教育課程2コースがスタート
認定看護師教育課程の授業風景
目 次
■巻頭言 東日本大震災「心のケアチーム」活動報告 ――――――――――――――――― 那須典政 2
長野県看護大学認定看護師教育スタート−変化を恐れずに! ――――――――― 阿保順子 3
本学における認定看護師養成教育課程の設立に向けて ――――――――――― 白鳥さつき 4
■看護実践国際研究センター活動報告
Ⅰ 看護地域貢献研究部門 ――――――――――――――――――――――――――――― 4
Ⅱ 異文化看護国際研究部門 ―――――――――――――――――――――――――――― 8
Ⅲ 看護実践改革 ・ 学外機関交流推進研究部門 ―――――――――――――――――――― 8
■教育実践活動報告
Ⅰ 2010年度看護海外研修報告 ―――――――――――――――――――――― 山崎章恵 9
Ⅱ 入学して最初の行事 −新入生オリエンテーション合宿− ― 安田貴恵子、城田春菜、久保田恭平 11
■平成22年度長野県看護大学研究集会報告
FD 研修会 ・ 長野県看護大学研究集会報告 ―――――――――― 松井かや、松本じゅん子 13
県内看護職者との共同研究報告 ――――――――――― 上原恵実、赤羽根利美、財前陽子 13
■投稿エッセイ
学会参加報告「教職員の健康・学校組織の健康」(日本教育経営学会) ――――― 唐澤 敏 14
心に残った看護師さんの言葉 ――――――――――――――――――――――― 加藤恭央 15
■新任教職員自己紹介 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 16
■リレーエッセイ
看護師2年目を迎えて ―――――――――――――――――――――――――― 熊谷一樹 19
長野県看護大学の教員になって ――――――――――――――――――――― 有賀美恵子 19
■ OBだより
サンフランシスコからの風 連載第3回「看護師免許取得と看護師就職」 ――― 柿沼佑果 20
■事務局からのお知らせ ―――――――――――――――――――――――――――――――― 21
■学会等のお知らせ ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 24
■同窓会(鈴風会)からのお知らせ ――――――――――――――――――――――――――― 26
■付属図書館通信 №8 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 27
■2011年度オープンキャンパス・公開講座開催のお知らせ ―――――――――――――――― 28
〔1〕
巻 頭 言
東日本大震災「心のケアチーム」活動報告
那須典政
このたび、長野県立こころの医療センター駒ケ根(以下
供たちの話を聞いた。もっと打ち解けたい気持ちを抑え、
駒ケ根病院とさせていただきます)の「心のケアチーム」
次の避難所へ。相川地区の高台にある避難所では、「余震
に帯同させていただく機会をいただきました。震災発生か
のたびに不安で眠れない」などの訴えを傾聴した。昼間、
ら1か月後の4月11日∼15日までの間、甚大な被災地であ
男性たちは瓦礫の撤去などの作業に出かけており、昼間の
る石巻市周辺において支援活動を行いましたので、その一
避難所は女性、子供、高齢者が多かった。
端をこの場をお借りして報告させていただきます。
午後は雄勝地区。途中の悪路は想像以上であったが、そ
1日目 晴天 移動日
れでも一か月で車が通れるまで整備されたことに驚きを感
駒ケ根病院に朝8時集合。駒ケ根病院の医師1名、看護
じ、復旧作業にあたった方々に感謝した。たどり着いた雄
師2名、連絡員1名と私の5名で公用車にて宮城県へ向か
勝支所は鉄筋の3階建ての頑丈なつくりであったが、窓ガ
う。磐越自動車道経由で宿泊地の松島町に到着したのが午
ラスがほとんど割れて無くなっており廃墟状態。その目の
後3時過ぎ。途中、津波が押し寄せた名取・荒浜地区の様
前の駐車場に建てられたプレハブ事務所で保健師2名が活
子を目の当たりにし一同絶句。私たちが通過した高速道路
動していた。
「すぐそこに病院があったんですよ」と説明
を挟み右(海側)と左では天国と地獄ほどの差があった。
されるが、跡形もなく想像もつかなかった。保健師さんた
田畑にはいまだ車が突き刺さっていた。
ちは、憔悴しきっており、我々の応対するのもやっとのよ
宿舎のホテルは、奇跡的に津波の大きな影響を受けな
うに見えた。私たちは意図的に保健師のメンタルケアに時
かった松島町のホテル。
「震災復興プラン」
という宿泊プラ
間を費やした。自らも被災者でありながら、震災後帰宅す
ンが設定されており、おそらく格安で復興支援に関わる企
ることもできず、地域住民のために休みなく活動してきた
業を受け入れているようで、ほぼ満室状態。到着して間も
疲労は計り知れないものであり、「我々に何ができるのか」
なく洗礼とも言える大きな余震に見舞われた。夜、先発の
を深く考えさせられた。
信州大学チームから引継ぎを受ける。予想通り、現地での
この地域はリアス式海岸特有の鋭角な湾があり、かなり
情報が錯そうしていること、交通事情が悪いこと、心のケ
奥まで津波が押し寄せ、山間部の木々にも漁具や生活物資
アよりも内科的な医療ニーズがまだ高いことを知らされる。
がぶら下がっていた。その光景はおそらく一生忘れられな
2日目 晴天 午前:北上地区 午後:雄勝地区
いものになると感じた。またこの地域には、生徒のほとん
本日帰路につく信州大学チームに見送られ出発。宿舎か
どが津波によって命を落とした小学校があった。孫を亡く
ら2時間かけ北上地区災害対策本部に到着。自衛隊も宿営
した方々の家庭訪問を依頼され、医師が面談にあたった。
しており、あらためて被災地であることを認識する。担当
3日目 晴天 河南地区
の保健師より3か所の避難所を巡回するよう依頼され、1
この地域は内陸部であり、見る限りでは沿岸部ほどの被
か所目の避難所へ向かうが、直前に医療チームの訪問があ
害はなく飲食店なども再開しており、交通事情も良く、1
り、早々に次の避難所へ。2か所目の避難所は百段以上の
時間ほどで支所へ到着。この地域の避難所は、さまざまな
階段の上に建つ寺であり、そこからの眼下に見渡す集落は
地域の被災者の方々が寄り集まっていた。それぞれが顔見
壊滅状態。そこには数十名が身を寄せており、ちょうど自
知りではないこと、地元を離れている心細さの反面、ここ
衛隊が昼食(一人にコンビニのおにぎり1個づつ)を届け
なら津波は来ないという安心感で、複雑な心境を語られる
にきたところであった。希望者の血圧を測り、数人いた子
方が多くいらした。近くの診療所が再開しており、医療は
行き届いているかに思えたが、その診療所までの交通手段
が無く、結局歩く体力のあるものが通院できるという状況
であった。
4日目 晴天 牡鹿地区
2時間半かけ、牡鹿総合支所へ到着。高台にある立派な
建物だったが、前日に水道が復旧したばかりであった。担
当の保健師から2か所の避難所の訪問を依頼される。交通
事情は悪く、常に危険と隣り合わせの移動となる。道路は
至る所に亀裂が入り、土砂を盛っただけの道も各所にあり、
地元の保健師の先導なしではたどり着けない。約1時間か
け1か所目の避難所に到着。もともとここは集落単位での
結束が強く、なおかつ医療過疎地域であり、見知らぬチー
避難所となっているお寺から見る町の状況
ムが突然来て医療を提供するには、時間をかけて接する必
〔2〕
牡鹿半島の海と横たわる
タンクローリー
要があった。そのような地域性や
継ぎを行った。
被災者の健康状態を地元の看護師
5日目 晴天 移動日 17:40 駒ケ根病院到着 大勢の
などから聞き取りをし、医薬品な
病院職員の出迎えを受ける。感謝、感謝である。
どの物資を寄付するのみに止めた。
最後に、この原稿は震災から約2か月後に書いておりま
単発的で短時間での支援への難し
す。テレビに映し出される瓦礫が散乱した沿岸部の映像は、
さを痛感した体験であった。2か
私たちが一か月前に見てきた光景と変わりがないように感
所目の避難所は、ピーク時100名
じてしまいます。しかし、瓦礫の量が減ったかどうかだけ
ほどの避難者がいたが、現在10名
で判断はできません。現地では着実に復興に向けてたくさ
ほどに減っており、近々閉鎖予定
んの「人の手」が添えられており、その姿を私たちは見て
の避難所であった。ここのリーダー
きました。少しでもそのような人たちの様子を紹介できれ
的存在の御夫婦から、ここ一か月
ばと思い書き綴らせていただきました。このような機会を
ほどの苦難のお話を、余談を交えながら聞かせていただき、
与えていただき、こころから感謝いたします。
逆に訪問した我々の緊張を和らげていただいた。夜、石巻
2011.05.25
日赤病院で各県のこころのケアチームのミーティングに参
(本学健康センター、センター長)
加。そして同じ宿舎に到着した後発隊の小諸高原病院へ引
長野県看護大学認定看護師教育スタート −変化を恐れずに!
阿保順子
平成23年6月1日から、
いよいよ認定看護師教育がスター
しまいました。そして、医療の進歩の名のもとに、看護師
トします。本学が「なぜ、いま」認定看護師教育をするの
たちは新しい形での知識の獲得を目指さなくてはならなく
か、とお考えの方もいらっしゃると思います。それは、
「な
なったのです。
ぜ、いまごろ」という意味において当たっています。遅い
変化とは、このような、「量と質」「形と内容」の共時的
からです。1997年に認定看護師制度が作られてから14年
な運動なのかもしれません。そして、日本では最大の女性
が経過しているのです。長野県の看護を向上させるという
職能団体である日本看護協会は、このような変化の波に飲
役割を担っているのが県立の大学です。しかし、遅きに失
み込まれながら、この変化をより積極的な形に変換して
しているわけではありません。逆に、教育の質という点に
いったのです。高度化、専門分化が進む医療現場における
おいては、すばらしい課程を作ることができたと思ってい
看護ケアの広がりと看護の質向上を目的に、看護界の総意
ます。
で資格認定制度を発足させました。専門看護師、認定看護
認定看護師制度が設けられたのにはいくつかの理由があ
師、認定看護管理者の3つの資格認定です。そして、この
ります。一つは、近年の過剰なほどの医療の進歩に伴い、
変革は、いま看護師の裁量権の拡大に向かっています。時
看護に関するジェネラルな知識、技術だけでは追い付いて
代の流れをキャッチする看護師たちの力に脱帽します。こ
いけない現実が生まれてきたからです。つまり、これまで
ういったキャリア志向に伴う自己責任は、看護師たちの大
のような看護実践経験の積み重ねだけでは修得しがたい、
きな成長を促すでしょう。しかし、その陰ではメンタルヘ
特定の知識及び技術が必要になってしまったのです。理由
ルスが静かに蝕まれていくことを頭と胸に刻んでおかなく
のもう一つは、超高齢化社会の到来に伴う医療経済破綻の
ていけません。新自由主義社会の鉄則だからです。日本看
危機から生まれた厳しい医療経営にあります。診療報酬を
護協会が定めている6か月という教育期間は乱暴なのです。
上げていかないと経営は成り立ちません。また病院は慢性
研修生たちのメンタルヘルスを考えた時、今回の8か月
的なマンパワー不足に悩ませられています。量の問題は質
という本学の認定看護師教育課程の研修期間の意味は大き
を変容させます。看護の質をどう担保していくのかが大き
いのです。もう一つ、本学の認定看護師教育課程の特徴は、
な課題としてあったのです。三つ目は、
二つ目と連動して、
大学の研究組織である看護実践国際研究センターに位置づ
医療の場が病院から在宅へとシフトしてきたことに伴う看
けたことです。 認定看護師が臨床現場で働き始めると必ず
護師の役割の変化が挙げられます。
直面するのが、これまで獲得してきた知識では立ち行かな
これらのことに関して、私としてはかなりの異論はあり
い場面に遭遇した時の無力感です。新しい局面を切り開い
ます。つまり、いつの間にか看護実践の場が病院内に集約
ていく力は、その場面をどのように冷静に客観的に分析的
されてしまい、本来の看護実践のありようまで変質させら
かつ総合的に見ていけるかというところにあります。そう
れてきたという思いが私にはあるからです。そのもっとも
いう見方ができるようになるのは、研究的な視点を獲得し
大きな原因はもちろん医療政策です。これまで創造され、
た時です。他大学にはない、この二つの特徴を生かしなが
積み上げられてきた多くのすばらしい看護技術が、診療報
ら、いい教育に臨んでいきたいと思っています。
酬や看護料に関する医療政策に踏み潰され、忘れ去られて
〔3〕
(本学学長、看護実践国際研究センター長)
本学における認定看護師養成教育課程の設立に向けて
白鳥さつき
平成23年6月から、
長野県看護大学看護実践国際センター
ことへのニーズが高まっていました。認定看護師の養成は
において認定看護師の「感染管理」
「皮膚・排せつケア」
1995年に制度が発足し、翌年の1996年から教育がスター
の2つの養成教育課程がスタートすることになりました。
トしました。2010年現在、21分野が特定され、登録者数
この教育課程の開設は、平成21年の長野県内のニーズ調査
は5794人(2009年)になります。認定看護師養成が盛ん
を実施し、国の認可を得て長野県が県の事業として開始し
になった要因として2002年の診療報酬改定があります。
「が
たものです。この部門はセンターの下位組織として位置づ
ん化学療法」や「皮膚・排せつケア」
「感染管理」など、
けられています。専従として関わる教員は「感染管理」で
認定看護師を専従で配置することで加算点が取れることに
は、本学の中畑主任教員、千葉専任教員、「皮膚・排せつ
なり、多くの病院が認定看護師養成に力を入れるようにな
ケア」では近藤主任教員(長野赤十字病院より出向)
、中
り、積極的に補助をするようになりました。
澤専任教員(木曽病院より出向)の4人です。阿保学長、
さて、本学の養成教育課程開設は準備期間が1年という
清水学部長のもとに実務レベルでは山崎委員と、白鳥が部
短い期間でした。そのため、専従の教員を決定した後は、
門長として運営に関わることになります。学外からは信州
大急ぎで準備委員のメンバーで実習施設の開拓に県内外を
大学医学部付属病院の加藤副看護部長、長野県看護協会の
回り、募集要項作成や入試の検討と実施、シラバスや学生
塚田常務理事が加わります。事務局からは小林局長、日向
便覧の検討と作成など目まぐるしい毎日でした (まだ続いて
事務次長、大塚教務課長、斉藤課長補佐が加わり、運営委
います )。また、かなり専門性の高いカリキュラムに対応で
員会のメンバーは全部で14名です。
きる非常勤講師を探すことも一苦労でした。せっかく良い
講師が見つかっても、本学の立地条件による交通の便の悪
さから即答をいただけないということもありました。駒ケ
根 ( 本学 )と松本(看護総合センターながの)の2つの会場
を準備したのですが、ほとんどの非常勤講師が松本会場を
希望されており、看護総合センターながのの教室確保に困
難を極めております。未だすべての授業の教室確保ができ
ていないという課題が残っています。しかし、何とかス
タートまでこぎつけました。本学の先生方にも講義を担当
していただき、全体で運営していくという機運が高まりつ
つあります。
認定看護師養成が制度化された背景には、近年の社会情
私たちは、受講生の皆様がよりよい環境で学びを深め、
勢や医療環境の変化があります。高度化・複雑化した医療
一人でも多くの方が認定看護師資格を取得できるよう、支
に対応するために、社会は専門性・質ともに高い看護を求
援したいと考えています。認定看護師の活躍によって、長
めるようになりました。大学院教育を中心とした専門看護
野県の看護の質はさらに高まることが期待できると考えま
師養成(CNS)が制度化される一方で、臨床の現場では熟
す。
練した技術を持つ看護師が、専門性の高いケアを実践する
(本学教員、基礎看護学講座教授・認定看護師養成課程部門長)
看護実践国際研究センター活動報告
Ⅰ 看護地域貢献研究部門
2002年12月に本部門が創設されて9年目を迎えていま
度の概要や本年度の活動予定を紹介させていただきます。
す。本部門は、
地域に対応した健康問題を取り上げながら、
太田克矢(平成23年度部門長)
県民の健康増進に貢献することを使命としています。我々、
看護学領域の大学人として培ってきた知識をもとに、看護
1.在宅療養者と家族のための移行期看護プロジェクト
の活動の新しい貢献の場を模索する遠隔看護の開発や、高
リーダー:安田貴恵子
齢者の健康増進、終末期看護、在宅療養への移行に向けた
メンバー:北山秋雄、那須 裕、唐澤由美子、千葉真弓、
看護、看護職者や高校教諭への支援を目指したプロジェク
柄澤邦江、御子柴裕子、岩崎朗子、酒井久美子、
トを継続していく予定です。これらの活動を通して、地域
下村聡子
の方々のご協力をいただく中で交流も深まっていくものと
考えます。今後とも変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよ
<背景>
うお願い申し上げます。以下、6つのプロジェクトの昨年
病院を退院して自宅に戻る“生活の場が移行する時期”
〔4〕
は、療養者本人は心身の状態が不安定であるだけでなく、
ション等の機能の充実を図り、在宅療養者と家族への質の
環境が変化することによって自己管理の方法を模索する過
高いサービスの提供と医療費の効率化・低減化に貢献する
渡的な時期です。また、家族は介護役割が増え、日常生活
とともに里山地域の再生・活性化を目指しています。2002
の中に介護を織り交ぜた生活に組みなおすことが必要と
年4月から始まったこのプロジェクトには本学の教員や大
なってきます。また、“移行期看護”という表現は、看護
学院生だけでなく、地元の IT 企業、近隣自治体等も参加
サービスの受け手である療養者と家族を中心に据え、療養
し、特許 (出願番号特願 2003−302676) を出願して、
場所が移行する変化への適応過程の内容とその支援方法の
最先端の次世代携帯電話システムを用いた世界最高水準の
ことを示すものですが、最近は、在院日数の短縮化の影響
遠隔看護機器及びシステムの開発(システムの名称:遠隔
や、医療機関の機能分化の推進等のために、病院からの退
ケアシステム 「*サラス 」)に取り組んでいます。2005年1
2
院(転院も含む)を支援するためのチームアプローチとし
月から本学と駒ヶ根市内の1組の高齢者夫妻宅をフレッツ
て“退院支援・地域連携”という言葉で入院患者のスムー
ADSL 回線で接続して試験運用を開始し、ユーザーの満足
ズな退院を支援する方策が検討されてきています。退院支
度や機器の安定性等の情報収集と改善 ・ 改良を加えてきま
援や地域連携は、診療報酬の面でも点数化されてきている
した。2007年4月から長野県阿南町社会福祉協議会の協力
点も充実させる必要性が高い領域として注目されている。
を得てより規模の大きい臨床試験を開始し、2008年6月か
“移行期看護”は、対象別の退院支援の方法の充実に貢献
ら本学と駒ヶ根市内の妊産婦宅をフレッツ ADSL 回線で接
できると考えている。
続して
「遠隔妊産婦健診」
の試験運用を開始しました。2008
1)研究活動
年1
2月から本学をフレッツ ADSL 回線からひかり回線「B
<脳梗塞患者の退院後のライフスタイル改善に向けた支援
フレッツ」に更新して本システムの安定性を評価 ・ 検討し
の検討>
てきました。2010年2月には ASP 型 Web 会議システムで
今年度は、近年発症数が増加している脳梗塞に焦点をあ
国内シェア No.1の(株)
ブイキューブのシステムと本学が
てて取り組んでいます。脳梗塞の再発予防では、再発危険
開発してきた遠隔ケアシステム(サラス)を融合させた
因子の管理として薬物治療とライフスタイル介入が推奨さ
「Webcomcare Salus」が完成しました。2010年12月、本
れていますが、その方法は薬物治療が中心であり、ライフ
システム機器をもとに新たなビジネスモデルを創出 / 展開
スタイル介入方法に関する報告は多くはありません。とり
し地域社会全体を再生 ・ 活性化させる 「スーパーユビキタ
わけ、脳梗塞による後遺症が軽度だと、リハビリテーショ
ス・コミュニティサービスプロジェクト(略称:SUCOS
ンの関わりも少なくなるため、退院後の患者は医療者との
Project)」を高森町で立ち上げ、24時間コミュニティ ・サー
接点が非常に少なくなります。そこで、軽症脳梗塞患者に
ビスの提供(コミュニティ ・ルネサンス)を目指した運用
対する患者教育の方法を検討する資料を得るため、軽症脳
を行っています。「 遠隔看護学(telenursing)」または「遠
梗塞患者の退院後のライフスタイルとセルフケアの現状を
隔ケア学(telecare)」という学問の創生も視野に入れた
明らかにする調査に取り組んでいるところです(科学研究
「夢」のあるプロジェクトです。
費補助金を受けて実施)
。
「Webコムケア サラス 」を利活用した「SUCOSプロジェク
2)移行期看護の実践に関わる活動
ト」の概要
研究活動に加えて、地域の看護職者の方々とともに退院
○ CATV 網を活用して遠隔看護・介護において地域医療支
支援・地域連携に関する看護についても検討しています。
詳細は、学報(No.31)に紹介させていただきましたので
援を行う。
○地域コミュニティ・サービスを創出し地域再生 ・ 活性化
ご覧下さい。
を図る。
安田貴恵子(プロジェクトリーダー 広域看護学講座
○生活相談、独感・不安感の解消、緊急対応等を行い,地
地域・在宅看護分野)
域の安心・安全な生活を支える。
具体的には、①在宅独居高齢者に対する看護 / 介護・見
2.遠隔看護開発基盤研究プロジェクト
守り・生活支援と②周産期医療連携等に対するプロジェク
リーダー:北山秋雄
トを企画・実施する。
メンバー:安田貴恵子 、 清水嘉子 、 太田克矢 、 那須 裕 、
*「サラス(Salus)」・・・ギリシャ神話の健康と安全の女神
千葉真弓 、 小田和美 、 柄澤邦江 、 宮澤美知留
【助成金】
連携研究者:縄 秀志(高崎健康福祉大学)、
1.平成17−19年度日本学術振興会科学研究補助金基盤
北山三津子(岐阜県立看護大学)、
研究(B) (1270万円) 代表:北山秋雄
難波貴代(武蔵野大学)
2.平成20−23年度日本学術振興会科学研究補助金基盤
協力企業:タカノ、知識工学、ブイキューブ
研究(B) (1350万円) 代表:北山秋雄
本プロジェクトは最新の情報通信インフラを活用した遠
隔看護機器及びシステムの開発を通じて、訪問看護ステー
〔5〕
3.高齢者水中運動プロジェクト
2)
「介護保険施設の認知症高齢者の事前意思を尊重した
リーダー:太田克矢
終末期看護介入方法の開発」
(基礎基盤研究 C)
メンバー:飛彈浩一、宮越幸代、細田江美、松澤有夏、
全国25施設の看護管理者からの面接調査より、〈認知症
曽根千賀子、千葉真弓、渡辺みどり、
高齢者の意思確認の方法〉と〈把握した高齢者の意思を尊
酒井久美子、中畑千夏子、坂田憲昭、
重するためのケア〉ならびに〈提供したケアの評価視点〉
御子柴裕子、岩崎朗子、藤原聡子、秋山知也、
がそれぞれ明らかになりました。
今年度は、認知症高齢
本田智子、北山秋雄、那須 裕
者の意思を尊重するためのケア方法の現場での適用可能性
について検討し、実施と評価を行う予定です。
平成7年の開学時に、奥野茂代教授(老年看護学)のご
指導で「高齢者の健康と生活に関する研究」を開始いたし
3)グループホームにおける認知症高齢者への終末期ケア
ました。この4年後の室内プールの設置を機に、研究成果
方略に関する研究
(基礎基盤研究 C)
の地域高齢者への還元を実施すべく、ニーズにも応じたヘ
<面接調査の実施>
ルスプロモーション活動として、本研究プロジェクトが始
施設の体制の違いによる終末期ケア提供の取り組みにつ
まりました。以来1
2年が経過し、現在、多くの教員や学生
いて、看護師に求められる役割を確保するためにどのよう
アルバイトの参加により教室の開催が維持されています。
な体制を整えていったのか、その内容と過程の詳細につい
現在は月に3回インストラクターを招いて水中運動教室
て聞き取る面接調査を全国の施設に対し行う予定です。
が開かれており、年1回の骨密度・身体機能測定と年3回
の健脚度測定などで運動効果の検討を行なっています。こ
5.看護職者の教育・支援プロジェクト
れまでに長野県看護大学特別研究費を3年間、文科省科学
リーダー:白鳥さつき
研究費を2回(各3年ずつ)受けております。
メンバー:早出春美、中畑千夏子、山崎章恵、葛城彰之、
本プロジェクトへの教室参加者は大学の様々な行事や研
西村明子、那須淳子
究への協力、また地域と大学を結ぶ様々な役割を担って下
さっている同志のような存在で、12年間一緒に歩んで下
地域貢献部門における「看護職者向け教育・支援」のグ
さった方々も数名おられます。更に、12年間のそれぞれの
ループでは、長野県内の医療従事者(特に看護職者)が職
時代の学生たちの協力を得て継続してこられたのであり、
場で晒される労務上の危険について、どの程度の知識を有
地域の高齢者と学生との交流の場としての役割をも担って
し、どの程度の対策を講じているかを明らかにしたうえで、
おります。
必要な教育支援を実施することを目標としました。これは、
本年3月23日(水)に実施された骨密度測定会には、
これまでの調査結果から長野県では「病原微生物による職
158名の方々が集まって下さり、またこの4月からの水中
業性曝露」と「抗がん剤による職業性曝露」の防護策が十
運動には25名の方が新たに参加していただくことになりま
分ではないことが明らかになったためです。そのため、長
した。4月の第1回目の講座には、90名以上の方々がおい
野県内の中規模施設における看護職者の健康を守る対策を
でになり、更衣室もプールも、凄い賑わいでありました。
早急に講じる必要性があると考えました。以下に研修会の
7月には暑気払い、11月には忘年会と、お楽しみも計画さ
概要を記します。
れています。
(那須 裕)
第1回「病原微生物による職業性曝露防止対策」
4.終末期ケアプロジェクト
日 時:平成22年8月28日(土)10:00∼15:30
リーダー:渡辺みどり
参加者:長野県内の看護職者30名。
メンバー:鈴木英子、多賀谷 昭、小田和美、柄澤邦江、
第2回「病原微生物による職業性曝露防止対策」
千葉真弓、細田江美、曽根千賀子、松澤有夏
日 時:平成23年5月21日(土)10:00∼15:30
学外メンバー:荒井祐子、市村美香
参加者:長野県(北信、中信)の看護職者11名。
今年度は、以下の3つの研究を中心に活動を行います。
本研修会は、病原微生物による職業性曝露防止対策にお
いて必要となる知識と技術の習得を目的として実施しまし
1)「介護老人福祉施設における認知症高齢者と家族の終
た。研修会の前半は、基礎知識と個人および組織が実施す
るべき具体的予防策に関する講義とし、後半は衛生学的手
末期看護介入プログラムの開発」
(長野県看護大学特別研究費助成研究)
洗いおよび PPE :Personal Protective Equipmentの装着
<面接調査結果にもとづいた介入プログラム作成と実施>
についての演習を行いました。N−9
5マスクのフィットテ
今年度は昨年度行った研修プログラムの評価とともに終
ストは最低でも年1回の実施が望ましいとされますが、中
末期ケア介入プログラムを作成する予定です。
には同テストを今回はじめて受ける参加者も複数名みられ
ました。看護職者は、医療従事者の中において院内感染予
〔6〕
防策に対するコンプライアンスが比較的高いとされる一方
動機づけとなると考えています。今後もこのような研修会
で、自身の職業性感染予防はおろそかにしがちであること
の機会を設け、安全な労働環境の確保につなげていきたい
が問題とされています。しかしながら、看護職者自身に感
と考えています。
(早出春美)
染が成立すれば間違いなく感染源となり、その行動範囲を
考えると、患者が感染源となる以上に、感染拡大の危険性
が高まることは明白です。看護職者自身が病原微生物から
身を守ることは、結果として患者を院内感染から守ること
に繋がるという点を強調し、今後も地域の看護職者を病原
微生物による職業性曝露から守るための取り組みを続ける
予定です。
(中畑千夏子)
フル装備で防護具を着用しています
第2回「抗がん剤による職業性曝露対策」
日 時:2011年2月19日(土)10:00∼16:00
プライミングの練習風景
参加者:長野県内の看護職者32名と学内教員4名の参加
研修内容:抗がん剤の取り扱いに関する正しい知識と技術
を身につけ、曝露防護の行動化を目標に講義と
6.長野県の高校教諭支援プロジェクト
演習を企画しました。
この研修会は、
長野県内の病院で働く看護職者の方々が、
リーダー:鈴木英子
抗がん剤曝露に関する適切な知識と技術を身に付け、抗が
メンバー:有賀美恵子、森野貴輝、太田克矢、内田雅代、
ん剤曝露から自分自身を守るための予防行動ができること
那須 裕、多賀谷 昭
を目的としています。研修会の前半は、抗がん剤の曝露に
<プロジェクト設立の背景と目的>
よる人体への影響や取り扱いに関する基本知識について講
学校保健の現場では、保健室利用者が年々増加しており、
義を行い、後半は具体的な手技を身に付ける演習を行いま
保健室登校や別室登校をする生徒の増加がみられる。日本
した。まず、日常業務で抗がん剤を取り扱う際に、いつ、
学校保健会(2006)の保健室利用状況に関する調査報告書
どのような時に、どのように曝露されているのか、業務に
によれば、平成18年度の1年間に「心の問題」のために、
潜む危険を知っていただくために、蛍光塗料の入った模擬
養護教諭が継続支援した児童生徒がいる学校の割合は、小
抗がん薬を使用して薬剤の飛散状況を可視化しました。こ
学校76.8%、中学校93.1%、高等学校95.8%で、ほとんど
れにより、どのような手技、場面で曝露するのか確認する
の中学校、高等学校が該当する。
ことができ、普段の業務を振り返ることにつながります。
精神病理学的に思春期は、エリクソンのいう自我同一性
次に、曝露を防ぐ具体的な手技として、個人防護具の正し
の獲得の時期であり、思春期危機といわれるほど精神発達
い着用方法、閉鎖式器具(PhaSeal )を用いた調剤やプラ
上の問題が多く、統合失調症破瓜型の発症時期であり、う
イミングを体験していただきました(カルメルファルマ
つ病、境界性人格障害、摂食障害、対人恐怖症も好発する。
ジャパン様にご協力をしていただきました)
。また、その
(笠原ら、1972・1976)。
ような器具がない場合にも曝露防止に役立つ技術として、
本プロジェクトでは、高校生の対人恐怖、社会的スキル
陰圧調剤の方法やバックプライミングの方法などを練習し
の関連要因や影響要因を明らかにし、それを高校教諭及び
ました。約40名の看護職者の方がご参加くださり、熱心に
養護教諭と共有し、検討会での具体的予防策の構築を目的
演習に取り組んでいました。
としている。
抗がん剤による曝露は目に見えにくいため、どのような
<平成22年度の活動について>
手技で曝露のリスクが高まるのか認知しにくく、予防行動
21年度の行った長野県の普通科3校に在籍する高校生
を起こしにくいという問題があります。曝露を可視化する
1,756人に行った調査について長野県上伊那地区高等学校
ことにより、通常業務に潜む危険を認知し、予防行動への
養護教諭研究会で報告し、検討会をおこなった。
〔7〕
<平成23年度の活動について>
報告し、検討会を行う。その際、22年の高等学校養護教諭
21年度の行った長野県の普通科3校に在籍する高校生
研究会での、検討会の結果も踏まえ対策まで踏み込んだも
1,756人に行った調査について長野県 A 市の高校に出向き
のとしたい。
Ⅱ 異文化看護国際研究部門
看護は、その教育、研究、実践のいずれにおいても文化
2004年以来、ポルトガル語による母親教室を年2回開催
の違いに常に敏感でなければなりません。人間の生活を成
し、ブラジル人女性が文化の異なる日本で安心して出産で
り立たせているのは文化であり、どのような生活がよいと
きるよう援助しています。2008年の世界同時不況のため分
思うかはその人の文化によって異なるからです。文化は国
娩件数が大幅に減ったため、2009年、2010年とも1回だ
や民族だけでなく、地方や年代によっても異なります。現
けの開催でした。人数は減っても母親個人のニーズの切実
在の部門の活動には、国外の看護学研究者との交流と、日
さは増加しており、その対応が課題です。
本で暮らす外国人の援助とがあります。
(3)UCSF・USF 看護学部との交流
1.組織
(○白鳥さつき・山崎章江・田中真木)
部 門 長:多賀谷 昭 副部門長:宮越幸代
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)とサ
メンバー:阿部正子、北山秋雄、白鳥さつき、喬 炎、
ンフランシスコ大学(USF)との学術交流のため,毎年3
内田雅代、藤原聡子、山崎章江、御子柴裕子、
月に教員と大学院生が両大学の看護学部を訪問しています。
早出春美、田中真木、中畑千夏子
昨年度は3名の修士課程の大学院生と教員2人が訪問し、
学外顧問:Anne J. Davis、 小西恵美子、Anita L. Fisher
学部と大学院の教育現場、ナースプラクティショナー(NP)
が 運 営 す る ク リ ニ ッ ク と NP 実 習、Doctor of Nursing
2.活動
Practiceの大学院教育を見学するとともに、両国の看護職
現在活動中の主なプロジェクトを以下に紹介します。カッ
者の養成課程や活動について情報交換や討論を行いました。
コ内はメンバー、うち○印はプロジェクトリーダーです。
大学院生は、自身の研究テーマについて英語で発表して両
大学看護教員と討論しました。
(1)
サモア国立大学との学術交流
(○御子柴裕子・多賀谷 昭・内田雅代・中畑千夏子)
上にあげた3つのプロジェクト以外の活動としては、6
JICAの草の根技術協力事業として、交流協定を結んでい
月には長野市の姉妹都市である米国クリアウォーター市の
るサモア国立大学と、サモアにおける子どもの肥満と生活
セントピータースバーグ大学の看護教員 Rosemary Keller
習慣病の予防を目的とした事業を実施しています。2009年
教授の来訪を受け、看護教育に関する情報や意見の交換を
9月に発生した津波災害の影響などで中断していますが、
行いました。8月には、宮越と学生1名がサモアで国際看
比較資料の収集など日本国内で可能な調査研究を実施し、
護実習を行いました。宮越は部門の活動を通して得た知識
来年度の再開を目指しています。昨年度は駒ヶ根市内の小
や経験を生かして学部の多文化共生看護学、国際看護実習、
学生の内臓脂肪等の調査を行いました。
修士課程の国際看護論など、異文化看護に関係する科目を
(2)
外国籍市民への健康支援活動
担当しています。このうち、国際看護実習については、評
(○宮越幸代・西村明子・早出春美)
価のためのプロジェクトを実施する予定です。
Ⅲ 看護実践改革・学外機関交流推進研究部門
本部門は、2002年12月に設置され、病院、診療所、訪
また、2010年度からは、医療領域での新産業創生を目指
問看護ステーション、在宅ケア支援センター、保健所、保
して創設された「信州メディカル産業振興会」にも参画し
健センターなどの看護現場や、企業、研究機関、国・県・
ております。長野県全県あげた産学官連携の活動である
市町村などの産業界・自治体との共同研究や受託研究を通
「信州産学官連携機構」における活動とともに、地域にお
して、①看護実践改革や、②地域振興を推進するための大
ける産学官連携を積極的に推進していきたいと考えており
学の窓口として活動しています。本部門は、県内でも並び
ます。
ない看護学の研究・教育機関である本学の「知の蓄積」を
活用して、地域社会に貢献することを目指しています。
1.組織
2011年度も引き続き、学外機関からの共同研究・受託研
部 門 長:小田和美 副部門長:太田克矢
究やコンサルテーションの申込の窓口として、学内の各研
メンバー:北山秋雄、喬 炎、本田智子、熊谷理恵、
究領域とのマッチング、助言、情報収集等の活動を行って
細田江美、中畑千夏子、秋山知也、
いきます。
小林資典事務局長
〔8〕
2.共同研究・受託研究の窓口としての活動
しています。2011年度に入り、現在、看護形態機能学分野
【共同研究・受託研究とは】
の喬炎教授の研究室との受託研究の計画が進んでいるとこ
共同研究とは、「本学において、学外機関から研究者及
ろです。
び研究経費を受け入れて、本学の教員が学外機関の研究者
と共通の課題につき共同して行う研究」すなわち「共通の
3.共同研究・受託研究を通した産学官連携の研究会への
課題について分担して行う研究」と定義されています。こ
発展のきざし
のときの「学外機関」とは、
「医療法に基づく医療法人、
共同研究・受託研究、あるいは産学官連携のためのコー
社会福祉事業法に基づく社会福祉事業法人、商法等に基づ
ディネーター会議、講演会、技術活用のための問い合わせ
く会社、地方公共団体、特殊法人及び民法に基づく公益法
などから、産業界、自治体、大学・研究機関とのネット
人等をいう」と定められ、その取扱いは、2003年(平成
ワークが広がっております。これらの学外機関とのネット
15年)に 制 定、2005年(平 成17年)に 一 部 改 正 さ れ た
ワークから、本学の「知の蓄積」を活用して新たな知の創
「長野県看護大学共同研究取扱規程」に基づいています。
造を推進する研究会の創設について、地域の皆様と検討し
受託研究とは、「本学において、学外機関から委託を受
ております。
けて公務として行う研究」と定義されており、この際の
「学外機関」は共同研究の規程と同様です。この取扱いに
4.「信州産学官連携機構」・「信州メディカル産業振興会」
ついては、2005年(平成17年)に制定された「長野県看
護大学受託研究取扱規程」に基づいています。
への参画
2010年には、信州大学医学部が、医療関係の最新鋭研究
【2006−2010年度における共同研究・受託研究の活動実績】
機器を一般に開放し医療研究・開発を促進する拠点である
2006年度から2010年度の過去5年間に行われた共同研究・
信州メディカルシーズ育成拠点として整備されました。こ
受託研究は7件で、
その概要は以下の表に示す通りです。2009
れと連動して、医療領域での新産業創生に意欲を示す産業
年、2010年において新規の共同研究・受託研究は行われて
界、自治体、研究機関が結集して「信州メディカル産業振
いませんが、学外機関における研究への専門知識を活用し
興会」を結成する事になり、本学も参画しております。
たアドバイザーとしての本学教員の参加は継続的に行われ
2011年度も引き続き、「信州産学官連携機構」・「信州メ
ています。2010年度は、老年看護学分野の細田江美助教が
ディカル産業振興会」に参画することによって、さらに産
おむつセンサーを開発する研究にアドバイザーとして参加
学官連携を推進して行きたいと考えております。
表 2006−2010年度(平成18−22年度)共同研究・受託研究の実績
研 究 課 題
共同研究
①遠隔看護システム機器 特許出願済み
②次世代型移乗用介護機(車椅子)特許出願済み
受託研究
①マイクロバブルを用いた足浴に関する基礎的研究
②振動型マッサージベッドが及ぼす生理・心理学的効果
③女性の睡眠パターンに関する研究
④タマネギ茶皮高速乾燥粉末の機能性及び利用性の探索
⑤口腔洗浄器の有用性に関する研究 特許出願済み
企 業 名
本学の
研究代表者
時 期
(株)タカノ
北山秋雄
2006- 継続
夏目光学(株)
北山秋雄
2004-2008
(株)ダイキン環境研究所
楊箸隆哉
2006
(株)タカノ
楊箸隆哉
2006-2007
(株)ダイキン環境研究所
楊箸隆哉
2006-2007
(株)ヤマウラ
野坂俊弥
2005-2007
大島山(株)
北山秋雄
2007-2008
教育実践活動報告
Ⅰ 2010年度 看護海外研修報告
山崎章恵
1.研修の概要
院生が参加し、下記のスケジュールで研修を実施しました。
2003年から始まったサンフランシスコでの海外研修は、
(別紙表)看護海外研修の目標は、大学院生が自己の課題
今年で8年となり、大学院の科目となってから6回目の訪
について日本の特徴や文化をふまえ、USF、UCSFの教員
問となりました。昨年、
本学とUniversity of San Francisco
や学生にプレゼンテーションができること、米国の看護や
(サンフランシスコ大学,USF)
、University of California,
教育の実際を知り、日本の看護や教育について洞察を深め
San Francisco(カリフォルニア大学サンフランシスコ校、
ることなどです。そのために、USF、UCSF 両校で大学院
UCSF)との学術協定を更新し、新たな出発となりました。
生がプレゼンテーションをする機会を設けました。また、
本年度は、白鳥さつき教授と私の引率のもと3名の大学
米国の看護を知る目的で Nurse Practitionor(NP)が運営
〔9〕
す る ク リ ニ ッ ク を 2 施 設 見 学 し ま し た。The Young
,
Women s Programでは、NPの活動を知るだけでなく NP
を目指す UCSFの大学院生の実習の様子も見学することが
できました。USFと UCSFの講義・演習に参加することで
米国の看護教育と日本の看護教育の違いや学生の学習に取
り組む姿勢の違いを体験することができました。両大学と
もに、非常にあたたかくかつ熱心に私たちを受け入れてく
だり、有意義な研修をすることができました。また、この
海外研修の礎となってくださった Dr.Anne J.Davisを訪問
することは、毎年の恒例ですが、今年は昨年秋に叙勲され
た旭日中章を胸に私たちを迎えてくださいました。11月12
大学院生のプレゼンテーションを熱心に聞き入る USFの教員
日(土)には、逆に本学に Anne 先生をお迎えし、講演会
を開催することになっています。先生をお迎えすることを
ラムを受けるために全米から飛行機を使ってこの大学に
楽しみにしています。
通ってくるとのこと。その学費は800万円!私たちが驚愕
の声を上げることに、説明してくださった Dr. Susanは逆
に“Why ?”。NPとしての実践力を高めるための自己投資
としては、当然のこと。それだけの教育内容を提供してい
る、とういう自信に満ち溢れていました。また、ワシント
ン大学の DNPコースで学ぶ日本人留学生の話では、
“NPが
できないことは手術くらい。日本の開業医が患者に提供し
ている医療サービスをイメージしてもらうといい”
“患者
さんからはドクターじゃないの?とよく間違われる”との
ことのことでした。米国の NPの活動を知る程に日本との
違いを強く感じ、さらに看護師の役割はどこにあるのか、
旭日中章をつけ、私たちを迎えてくださった Anne 先生
ということを考えさせられる研修でした。
2.大学院生のプレゼンテーション
4.米国滞在中に発生した東日本大震災
3名の大学院生はそれぞれの専門分野で自分の研究テー
研修が終了し、翌日の帰国に備えホテルで荷物の整理を
マに関連したトピックスのプレゼンテーションを準備して
しながら日本の TVチャンネルを見ていた時に日本で大き
参加しました。岡村知香さんは、
「日本における小児のプ
な地震があったことを知りました。最初に見た画面は、大
レパレーション」について、那須淳子さんは、
「日本にお
津波警報を出された東北の海岸の様子を映し出したもので
ける血液暴露対策の現状と課題」について、矢澤裕子さん
した。それからはテレビに釘づけとなり、次々と映し出さ
は「長野県の保健補導員活動について」です。USF、UCSF
れる映像に言葉を失い、遠く離れたサンフランシスコにい
両校の教員とも忙しいスケジュールを調整し、プレゼン
ることにもどかしさを感じました。この震災の影響で、予
テーションに参加してくださいました。準備に時間をかけ、
定した日には帰国することができませんでした。サンフラ
工夫をこらしたプレゼンテーションはとても好評でした。
ンシスコ空港で、日本の状況をインターネットで検索して
プレゼンテーション後には教員から様々な質問があり、限
いたところ、長野県北部で震度6の地震があったことを知
られた時間のなかですが、ディスカッションをすることが
りました。幸い、参加者の家族には被害がなくほっとしま
できました。大学院生がプレゼンテーションをすることに
したが、日本の状況が分からず、不安に陥りました。その
よって、両大学の教員に日本の看護実践を知っていただく
一方で、USFや UCSFの教員、Anne 先生が次々と、私た
良い機会になったと実感しました。
ちや家族の安否を気遣うメールをくださり、その返信にお
われるといったうれしい一面もありました。この震災の発
3.2015年に NP 教育の博士課程化を目指す米国
生で、つい昨日までの研修は、遠い過去のように感じられ
米国は NPを大学院の修士課程で教育していましたが、
たものでした。帰国が延期になってから、無事日本の自宅
2015年をめどに博士課程での教育に移行させる方針が打ち
にもどるまで、たとえどんな困難があっても、被災した
出されました。日本では、その資格化そのものを論議して
方々を思えば、どんなことでも我慢ができる、というのが
いる段階ですが、米国ではワシントン大学などがすでに博
私たちの合言葉になりました。
士課程で教育を行っています。私たちが研修する USFには
最後に研修に参加した大学院生の感想を載せて、締めく
DNPコースがあり、その教育内容について説明を受ける機
くりたいと思います。
会を得ました。すでに実践している NPがこの教育プログ
〔10〕
(本学教員、発達看護学講座准教授)
研修スケジュール
5.参加した大学院生の感想
●岡村知香 小児看護学専攻
3月4日(金) USF
サンフランシスコ滞在中に、東日本大震災が発生しまし
1
0:00 USFの DNPコースについて説明
た。時差が17時間もある日本の情報がリアルタイムで入手
(Dr.Susan Prionより)
できるインターネットのすばらしさを感じ、携帯電話で日
3月7日(月)
USF
本とやりとりできることに安心を感じました。しかし、日
本に帰ってきてから、地震を直接感じていないことや、報
7:30 授業見学
道で流れる地震の悲惨さに、研修してきたことが現実では
・酸素療法、気管切開看護と吸引法
なく、夢の中であったような感覚にとらわれました。
・小児看護ケーススタディー
●那須淳子 看護管理学専攻
1
1:30 大学院生によるプレゼンテーション
学生の学ぶ姿勢はとても積極的で自分の考えを主張して
3月8日(火)
USF
いました。どんどん自分の意見や考えを述べ、議論し、考
8:00 産科・外科・小児科演習の見学
える力を養っているように感じました。シミュレーション
1
2:30 Dr.Anne J.Davisを表敬訪問
や事例などが、現場ですぐ動けるくらいの内容で、患者の
1
6:00 ワシントン大学 DNPコース在学中
日本人留学生からの説明
家族への説明の仕方や、手袋の着脱も正確さだけでなくス
ピードといったところまで求めていました。NPに関して
3月9日(水)
UCSF
は、ケアに対する患者からの満足度が高いことを知りまし
8:00 オリエンテーション, キャンパスツアー
た。ホームレスや薬物中毒患者が多く、日本とは異なる医
(Dr.Catherineより)
療体制や保険制度、文化を持つ米国の NP 制度をそのまま
9:00 授業参加
日本に導入するのではうまくいかないのではないかと思い
・精神科疾患の急性期看護
ました。
・NP実習のケース検討
●矢澤裕子 地域看護学専攻
・FNP学生による小児看護ケース検討
USFの学生は、看護技術の習得と維持に非常に関心が高
1
2:00 日本人留学生との交流会
いと感じました。UCSFでは、低所得者やホームレスのた
1
3:00 大学院生によるプレゼンテーション
めの治療やケアの提供を実施しており、その一端を UCSF
3月10日(木)
UCSF
の学生が実習という形で担っていることが印象的でした。
1
1:00 Glide Health Center 見学
,
1
4:00 The Young Women s Program 見学
日米の保健制度、社会状況の違いが大きく、それが地域看
護活動の違いに関係していると感じました。
充実したスタッフと機材がそろう USFのスキルズラボ
リアルなシナリオで学ぶ小児看護のシミュレーションルーム
Ⅱ 入学して最初の行事 −新入生オリエンテーション合宿−
安田貴恵子
新入生オリエンテーション合宿は、本学の開学当初から
をいただいて無事に終えることができました。参加者の中
行っている行事で、入学式の翌日からスタートする、1泊
には、晴れ男・女も雨男・女もいたでしょうが、今年は晴
2日の宿泊体験学習です。平成23年度もプログラムの準備
天に恵まれ、オリエンテーリングでは気持ちよい汗をかき
の段階から当日の運営に至るまで、多く教員の方々に協力
ました。
〔11〕
この行事についての私なりの理解は、“えー私ってこん
「なぜこの大学に入ろうと思ったのか。」「看護師・保健師・
なところをあったんだ”と気づいたり、“へーこの人はこ
助産師を目指そうと思ったきっかけ」など皆個々の思いを
んな面もあるんだ”と理解したり、自と他の発見があり、
話し合った。高校では私と同じ看護を目指す友達が周りに
そこが魅力です。もう少し加えると、新入生のみなさんと
少なかったため、自分のこれから目指す看護師への思いや
フラットに交流できる貴重な機会です。当方、気持ちはと
考えをなかなか話せなかった。しかし、この大学では皆が
ても若いのですが、ジェネレーションギャップは広がる一
ほぼ同じ目標を持っているため、初めて自分の気持ちや考
方で、「ちょっと昔の話なんだけど、10年前ね…」と言っ
えを話せてとても良かったと思うし、また、様々な人の看
てから、きょとんとしている学生の表情をみて“しまっ
護への考え方、思いを聞けて非常に勉強になったと思う。
た”と思うこともしばしばです。また、
“看護専門科目
今回の一泊二日のオリエンテーション合宿では講義では学
の単位認定者”という背後霊(?)も関係ないですからね。
べないことを学べた。そして、寝食をともにすることで、
生きてきた時間の長さは違うけれど、一緒に課題に取り組
友達とたくさんのことを話せた有意義な二日間となった。
んだり、体を動かしたりすると、心理的距離が変わるよう
このオリエンテーション合宿で深めた友達、先生方との交
に感じます。
流を基に、皆が充実した大学生活を送れるよう願う。
(本学学部1年生)
こんなふうに振り返ってみると、新入生のための行事と
なっていますが、“また新学期が始まるよー”と教員に気
新入生オリエンテーションに参加して
合を入れる行事なのかもしれません。
久保田恭平
(本学教員、広域看護学講座教授・学生委員会委員長)
入学式の翌日から新入生合同のオリエンテーション合宿
がありました。ほとんどの人が顔も分からず、初めて話す
状態で始まった合宿だったので初日は戸惑いながらのス
タートでした。合宿初日の内容は自己紹介から始まり、
ウォー
クラリーなどのグループワークでした。自己紹介は紙にク
レヨンを使って絵を描いて自分を伝えるというものでした。
ウォークラリーでは、負けず嫌いな私の性格がモロに出て
しまいチームを無理やり頑張らせてしまいました。ウォー
クラリーで優勝できたことが私の大学生活での最初の思い
出になりました。辰野の豊かな自然を直に感じることがで
第1セッションでは、テーマに沿ってオリジナルの名刺
を作り、自己紹介をしました。
き、とても気持ちがよかったです。ウォークラリーが終わ
るころにはみんなの緊張も解け始めていました。二日目の
新入生オリエンテーション合宿に参加して
メインの内容は「今の気持ちをグループごとに発表する」
城田春菜
というものでした。私たちのグループは劇をすることにし
私はこの一泊二日のオリエンテーション合宿に関してと
ました。みんなで考えて創作したのでいい作品を作ること
ても大きな不安を持っていた。私は地方出身者であり親元
ができました。他のグループも歌を歌ったり、模造紙を
を離れる上、人間関係も一から築き上げて行かなければな
使った発表だったりと、グループごとに個性があったり工
らないというプレッシャー、今回の東日本大震災、入学式
夫あったりしたので楽しむことができました。二日間の日
を終えて落ち着かないままの合宿だったからだ。しかし、
程を終え、大学に帰る頃にはみんな気が合う人と話すよう
実際に合宿ではみなすぐに打ち解けることができたように
になっていました。
思う。先生方が、人間関係づくりのエクササイズを取り入
本学に入学してからあっという間に三か月が過ぎようと
れながら、取り組んで下さったり、学生たち全員が打ち解
しています。オリエンテーションが終わってからは、現実
けられるよう、たえず目を配って下さり、幸いにも一人
の世界に引き戻らされて勉学に追い込まれている日々です
ぼっちになる学生がおらず、とても良かった。
いくつか
が、友達もできて毎日充実した生活を送っています。男性
のセッションの中でも最も過酷だったとも言える第二セッ
が少ないので、男友達との繋がりはとても大切なものに
ションのスタンプラリーではみな予想以上の距離の長さと
なってきます。助け合いながら切磋琢磨していきたいです。
坂道の多さに苦労していた。みな汗を共に流し、体を動か
これからはもっともっと勉学が難しくなってくると思いま
すことでより一層お互いの距離が縮まったのではないだろ
すが、初心を忘れずに私の夢である看護師になるために頑
うか。私達は決して上位に入るようなスピードが速いグ
張りたいです。素晴らしい環境である本学で学ぶことがで
ループではなかったが、その分たくさん話し、冗談を言い
きることや、サポートしてくださる先生方や友達、そして
合ったり、励まし合うなどしてとても楽しい時間が過ごせ
何より生活を支えてくれている家族に感謝して有意義な大
た。 今回のこのオリエンテーション合宿で私が最も印象
学生活を過ごしたいと思います。
に残ったのは第三セッションだった。このセッションでは
〔12〕
(本学学部1年生)
平成22年度 長野県看護大学研究集会 報告
FD 研修会・長野県看護大学研究集会報告
松井かや、松本じゅん子
FD 委員会では、昨年度4回の研修会を実施し、また、
snet.jp/textbook/k/)でご覧になれます。
3月には長野県看護大学研究集会を開催致しました。ここ
最後に、平成22年度研究集会について報告致します。こ
では第3回と第4回の研修会及び研究集会について、簡単
の研究集会は、本学の助成金を受けて行われている研究の
にご報告致します。
成果を発表する場となっています。今回は3月18日に開催
第3回研修会は、倫理委員会との共催で12月20日に行わ
され、特別研究10件の口頭発表に加え、県内看護職者との
れました。
「標本調査の原理と方法」と題し、本学教授で
共同研究として、3件の口頭発表がありました。そのうち
ある多賀谷先生に、量的研究を行うにあたってのサンプル
の2件、東御市健康福祉部の上原恵実さんによる「地域住
(標本)の大きさと検出力についての注意点などをお話し
民の行動変容に対する『ずくササイズ』の保健指導効果に
いただきました。本研修会は、昨年5月に開催された「研
関する検討」と、昭和伊南総合病院の赤羽利美さんによる
究計画に関する研修会」とともに、本学での研究計画の倫
「看護における倫理的感受性を高めるための効果的な研修
理審査を受ける際の必須となる教育研修に該当するもので
方法の探求」は前年度からの継続研究であり、今回が最終
す。
(なお、
「研究計画に関する研修会」の内容は DVDに録
報告となりました。まつもと医療センター松本病院の中畑
画しております。倫理委員会にて貸し出しを行っています
真奈美さんによる「1型糖尿病患者の QOL 向上を目指した
ので、必要な方はご視聴下さい。
)
カーボカウント法を用いた生活支援の検討」は、22年度よ
2月8日開催の第4回 FD 研修会では、
「看護と臨床コミュ
り開始した研究です。また、看護実践国際研究センターか
ニケーション」と題し、大阪大学コミュニケーションデザ
ら11プロジェクトの発表がポスター形式で行われました。
イン・センターから西川勝先生、西村ユミ先生、池田光穂
学内から58名、学外から16名の参加があり、盛況のうちに
先生をお迎えしました。大阪大学で行われている臨床コ
終了致しました。
ミュニケーションに関連する授業での様々な取り組みにつ
今年度も、FD 委員会では、教育や研究に関する研修会
いて、各先生方の経験を交えてお話いただきました。意見
及び研究集会を開催する予定です。皆様のご参加をお待ち
交換も活発に行われ、有意義な時間となりました。本研修
しております。
3
会は高等教育コンソーシアム信州 K 茶論としても配信され
(本学教員、人間基礎科学講座講師)
ました。ビデオは K3茶論のホームページ(http://www.c-
( 同 講師)
県内看護職者との共同研究報告
共同研究を行って
える手段として実際の業務にいかすことができました。
上原恵実
保健指導をする中で対象者の活動量の変化や意識の変化
日頃は、東御市保健行政にご理解ご協力くださり感謝申
の評価・分析は、苦手な分野でしたが、共同研究という形
し上げます。このたびは、共同研究という形で発表させて
でとり組めたことでうまくカバーしていただき、なんとか
いただき、一緒に研究してくださった元長野県看護大学 まとめから発表まで辿りつきました。また、保健師だけで
野坂先生、身体教育医学研究所の岡田部長、看護大学関係
は偏りがちな視点も教育・研究活動においての専門的な視
の先生ならびに研究発表の場をいただけたことに感謝申し
点でご意見をいただき考えることができました。
上げます。
そして、研究費の支援も大きな後押しとなりました。深
日々、保健業務に追われる毎日の中で、研究の話があ
めてみたい気になることがあったとしても、研究費用の面
がったときは、正直私に研究なんてできるのだろうか、研
であきらめざるを得な
究をする時間はあるのだろうかと思っていました。しかし、
い部分も多いような気
今の仕事に直結する保健指導の研究であり、自らのステッ
がします。研究費の援
プアップ、
市民の健康づくりの発展にも寄与できると考え、
助もしていただけたこ
挑戦してみようと考えました。日常業務の中での一場面で
とで、私たちではかな
ある市民の行動変容を促すための自分の引き出しが一つ増
わない研究も可能とな
えたような感覚で実施することができました。活動量計を
りました。
つけることは、
「特別な運動」というわけではなく、日常
日々の業務をただた
生活の中で「無理なくからだを動かすこと」の大切さを伝
だこなしているだけで
〔13〕
なく、そんな日々の保健活動の中でも研究という視点を
内容にするかが大切であり、難しいことでした。
もって保健活動することは、市民の健康づくりという点で
一方、この2年間、私たちは看護倫理に関して興味をも
は意味のある重要なことと考えます。今後も、東御市民の
ち続けることができ、教育委員として今後の研修をどのよ
健康づくりの発展のため保健活動していきたいと思います。
うに企画していけば良いか、常にテーマからそれることな
(東御市健康福祉部)
く進めて行くことができました。
看護大学で行われた研究集会での発表は、とても緊張し
共同研究を行って
ましたが、他の研究も興味深く聴くことができ、パワーポ
赤羽根利美、財前陽子
イントの作り方も参考になりました。平成22年8月には、
当病院では、数年前より看護部教育委員が企画して、看
佐世保市で行われた日本看護学会(日本看護協会主催)の
護倫理研修を行ってきました。長野県看護大学から共同研
看護教育領域で発表する機会を得ることができました。看
究の募集があった時、看護部長より、今までの研修の評価
護倫理に関しての発表は少なく、また地元の病院での看護
をして、今後、どのように研修を持っていくのか考える良
倫理の実態など聞けたら参考になるかと思いましたが、そ
い機会にしてみてはどうかと提案されました。不安もあり
のような時間をとることができず残念でした。しかし、研
ましたが、看護倫理研修を開始した当初より講師をして下
究の成果を全国的なレベルの学会で発表できたことは今後、
さった唐澤由美子先生が共同研究者であるということで、
看護研究を行うときの大きな力になると思います。
平成21−22年度に「看護における倫理的感受性を高めるた
最後に、この
めの効果的な研修方法の探究」をテーマにこの共同研究を
共同研究を進め
行う事が出来ました。
るにあたり、多
研究の進め方も詳しくなかった私たちでしたが、計画書
くの方々の協力
の作成時には、私たちの考えが行き詰まると、すぐ唐澤先
があったからこ
生の助言があり、完成することができました。
そ実施でき、ま
初めてインタビュー調査を行ってみましたが、最初はイ
とめることがで
ンタビューをしたもののどのようにデータを取り扱ったら
きました。この
よいかわからず苦労しました。逐語記録の作成から始まり、
場をお借りして
データを分析すること、そして、結果をまとめ考察すると
感謝を申し上げ
いうプロセスを1つ1つ行いました。また、アンケート調
ます。
査では、いかに多くの答えを引き出すことができるか、そ
(昭和伊南総合病院 5階東病棟)
して、私たちが聞きたいことをいかに答えてもらえる調査
( 同 中央手術室)
投稿エッセイ
学会参加報告「教職員の健康・学校組織の健康」( 日本教育経営学会 )
唐澤 敏
日本教育経営学会は、初等・中等教育の学校現場や大学
めの管理職を中心とした取り組みが紹介されました。ここ
の教育実践の推進に貢献することを目的に運営されている
で、学校組織の健康のために、教職員たちが組織目標に向
学会です。同学会第49回大会は、千葉大学で「学校の組織
かってやりがいを感じながら、チームとして一人ひとりが
力と教育経営」をテーマに開かれました。大会二日目の公
自主的に努力している状態をつくり出すことの大切さを再
開シンポジウム「教職員の健康・学校組織の健康」につい
認識しました。高校現場での自分自身の重視してきた実践
て報告いたします。
活動として、
「評価」の取り組みがこれに当たるのではな
学校を取り巻く大きな時代の変化のなかで、近年の教育
いかと考えています。長野県の制度化した評価の仕組みと
改革において、とくに学校は自立した組織として機能する
しては、
「学校自己評価」
・
「教員自己評価 ( 評価・支援シート )」
・
ことをより強く求められています。そのようななかで、教
「学校評議員」の三つが柱になっているのではないかと思
職員の心身の健康に、学校組織のあり方やマネジメントが
います。学校の教育目標を明確化するなかで、これらを有
どのような影響を及ぼしているかや、今後のあるべき姿な
機的に結びつけ学校組織の活性化を目指していくことが、
どをめぐって論議が展開されました。
学校の健康を促進する一助となるのではないでしょうか。
本シンポジウムでは、小中学校の教員からの現状や体験
研究者の立場からの問題提起として、
「協働意思と支持
の報告が行われました。学校が教育課題の多様化などによ
的風土の醸成」の重要性が取り上げられました。学校に新
る多くの困難さを抱えている一方で、学校を元気にするた
たに課せられた様々な課題と学校に付与されている資源と
〔14〕
の不均衡が、現代的な病理や不健康さを生み出しているの
拠していた規範の揺らぎなどの困難性のなかで、学校が組
ではないかとの指摘がなされたうえで、課題解決のための
織として課題に向き合うための豊かな学習の場が求められ
「健康」なコミュニケーションが成り立つような場の生成を
ていることは今もって実感として残っています。
求める必要があるというものです。学校には、学年会や教
今後も、
「児童・生徒の健康」を守るための学校経営と
科会、職員会議、各種の係会・委員会、さらにはPTAな
いった視点についても議論に加えつつ、学校全体の健康を
どの様々なコミュニケーションの場がありますが、それら
維持・発展していくことが教育活性化の基盤であるとの見
各々のコミュニケーションの場で、そこに関わるものが相
地から、学校関係者の広範な認識の深まりと幅広い実践を
互に学習の回路を作動させることのできる場の生成を強調
期待しています。
されました。また、
より
「健康」
なコミュニケーションの場を
ここで報告させていただいた大会は2009年6月に開催さ
生みだすための理論と技法も必要だと提起されました。
れました。やや時間が経過していますが、現職の教員を退
かつての在籍校で危機管理上での大きな課題への対応が
職後に2010年4月から本学にお世話になったことを契機
求められた時、職員間や外部の関係者も交えた「教育懇談
に、改めて当時の記録をもとに自分なりに整理をしてみた
会」を何回か開催したり、新たなコミュニケーションの場
ものです。
となるような委員会を学校組織に位置づけたりしたことが
( 本学就職支援員、前長野県立高等学校長 )
あります。変動する社会のなかで、今までの学校教育が依
心に残った看護師さんの言葉
加藤恭央
「おーい! 大丈夫かっ 今救急車来るからがんばれよ」
のこれからの人生を照らし出してくれた一筋の光明
私は19歳の秋、交通事故により頚髄を損傷しました。
でした。ザンネンながら、今現在においても「よ
ある日突然、突きつけられた『障害者』という現実。
かった」って思えるまでには至っておりませんが、
今生きていることへの価値を見失い、悲しみと絶望がす
自分に課せられた宿命を悲観することなく、「障害
べての暗闇の中、もがき苦しんできた日々………
者」というブランドもなかなか乙なものだと感じら
しかし!
れるようになりました。いつかきっと心から「よ
自分は今や「学内一笑いの取れる男」(自称)へと変貌
かった」と思える日が来ることでしょう。
を遂げております。
<第1位>
事故から今日に至るまで十数年の歳月が流れましたが、
場面:地元病院に転院後、いろいろと身の回りの世話をし
自分を変える転機となった出来事は何だったのでしょう
てくれる看護師さんに恐縮しまくりの自分。そんな
か?何が自分の背中を押してくれたのでしょうか?
自分に向かって。
それは紛れもなく、3年半の入院・リハビリ生活中にお
言葉:『いいのいいの、気にしなくて。誰だって、人が喜
世話になった看護師さんからの、温かい励ましの言葉によ
んでくれればうれしいんだよ。だからさ、私たちの
るものでした。
仕事ってほんとは自分のためにやっているようなも
そこで!
のなんだよね。』
「学内一患者の気持ちがわかる男」
(自称)である私が、
解説:事故後、何もできない自分が、何かをしてもらうと
自らの入院中にグッときたフレーズのランキングを作成し
きに常に感じていた「申し訳ない」っていう気持ち。
てみました。
そんなに恐縮しなくてもいいんだよって教えられ、
題して、
『心に残った看護師さんの言葉 TOP10』!
肩の力が抜け、リラックスできた瞬間でした。人間
それではさっそく参りましょう。
まずは第10位の発表
は誰しも「人の役に立ちたい」という願いを持って
です。
います。看護師さんのみならず、全ての人が自分の
………と言いたいところですがスペースの都合上、10位
心の中に介在しているその気持ちに素直になれば、
から3位までは省略いたします m(_ _)m
この世の中はもっともっと笑顔に満ちた社会になる
<第2位>
ことでしょう。
場面:退院前日、リハビリセンターの病室にて。
今日もあなたの一言が、だれかの人生を変えているかも
言葉:『かとちゃんさ、いつか絶対にケイソンになってよ
しれません。
かったって思える日が絶対に来るから。それまでが
相手のことを心から思いやる気持ちが伝わったとき、そ
んばりな。
』
の言葉は人格の深層部分に刻まれ、明日を生きるパワーの
解説:トラウマ、
プライド、
コンプレックス、
障害受容、etc...
源にもなるのですから。
抱えていた全てのモヤモヤが和らぎ、不安いっぱい
〔15〕
(本学事務局、教務・学生課)
新任教職員自己紹介
発達看護学講座 母性・助産看護学分野 准教授
基礎看護学講座 助手
阿 部 正 子
那 須 淳 子
はじめまして。今年4月1日付
4月から基礎看護講座の助手に
で着任しました阿部正子(あべま
なりました那須淳子と申します。出
さこ)です。
身は伊那市です。地元の高校を卒
こちらに赴任する前は茨城県つ
業して以来、看護学生時代を含め、
くば市に住んでおり、3月11日に
20年近く東京の新宿にある大学病
震度6弱の地震を経験しました。幸
院に勤務しておりました。これま
い怪我はなく、自宅や研究室も重
で長野へは、たまの休みに帰省す
大な被害はありませんでした。し
る程度でした。本学と私の出会い
かし停電と断水、そして余震が続
は、一昨年に父が脳梗塞で倒れ、
く中で引っ越しができるのか大変不安でした。そんな中、
自宅で父を看ようと地元に戻ることを決めた時、家から通
ご近所の方が井戸水を分けて下さったり、安否を気遣う友
える大学院にでも行ってみるか、という思いから、本学の
人たちからのメールにとても勇気づけられました。無事に
修士課程に入学したのがきっかけです。結局、父は私が戻
駒ケ根市へ移動できたこと、いま私が元気に教員を続けて
る前に亡くなってしまいましたが、ここへ来ることは、父
いられるのも大勢の方々の支えがあってのことだと感謝し
が背中を押したのかもしれないと思っています。昔は全く
ています。
山の景色に興味はなかったのですが、今はこのダイナミッ
赴任してひと月余りが経ち、澄み渡る信州の風とさわや
クで四季折々の景色に癒されているのを実感しています。
かな新緑、そして美しく雄大なアルプスに抱かれたこの地
歳を取ったのでしょうか・・。諸先生方の研究や教育方法
で過ごす毎日を楽しむ余裕も生まれてきました。最良の環
を身近で学ばせて頂きながら、学生の皆さんに負けないよ
境にエンパワーされながら、教育・研究・社会貢献活動を
う頑張ろうと思います。どうぞよろしくお願い致します。
自分らしく行っていければと思います。どうぞよろしくお
願い申し上げます。
広域看護学講座 精神看護学分野 助教
広域看護学講座 地域・在宅看護学分野 助手
相 澤 加 奈
中 林 明 子
6月から精神看護学分野に着任
4月から地域・在宅看護学分野
いたしました、相澤加奈と申しま
に着任しました、中林明子と申し
す。生まれも育ちも北海道で、こ
ます。
の度ご縁があり初めて北海道を離
生まれも育ちも就職も、
この駒ヶ
れて生活することになりました。
根からそう遠くないところで過ご
アルプスの山々に囲まれた風光明
して今に至ります。遠くへ出よう
媚な駒ヶ根市に来ることができて
かなという願望もあまり無いくら
大変嬉しく思います。私はこれま
いに、信州の空気と食が自分には
で臨床一筋で、整形・形成外科、
合っているような気がします。こ
小児科、消化器内科(緩和ケア)
、精神科と12年余り看護
の長野県看護大学を2期生として卒業後、病院と行政の勤
師として勤務して参りました。その経験を生かしながら、
務を経て再びこの大学へ戻って参りました。その間多くの
私自身がこれまで患者さんから学んできたことや、精神看
方にお世話になり、経験が浅いながらも幅広い範囲の方と
護の魅力を学生の皆さんお伝えしていきたいと思っていま
関われる機会に恵まれたことはありがたかったと思ってい
す。とはいえ教育の分野は全くの未経験です。皆様からの
ます。今まで自分自身が知識や技術を習得し、向上してい
ご指導ご鞭撻を賜りながら、教育者として学生とともに成
くことに一生懸命でしたので、学生さんとの関わりにはま
長していきたいと思っていますので、これからどうぞよろ
だまだ不慣れで緊張してしまいますが、笑顔で挨拶してく
しくお願いいたします。
ださる方々に癒されております。学生の皆さんに地域・在
宅の魅力を分かり易く伝えられたら良いと思います。頑張
りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔16〕
事務局 次長兼総務課長
事務局 総務課主幹
日 向 一 夫
嘉 仁 康 範
4月に事務局に着任しました日
今年の異動で事務局総務課担当
向です。
「ひなた」
と読みます。日
に配属されました、嘉仁康範と申
向という姓は、佐久市臼田(旧臼
します。
田町)にあり、私も子供の頃は佐
今までとは180度異なった仕事
久に住んでいましたが、現在は長
で、1からの出発。覚える事すら
野市に家族を残し、単身赴任で本
ままならないこの年令に、上司を
学の業務に就いています
始めすべての皆さんに御迷惑をか
社会人となった30年前から、電
ける自分自身に歯痒くも苛立ち、
話で「日向」と名乗っても「平田
日々格闘する毎日です。
さんですか」と言われてしまい、恥ずかしながら「日向
家庭では妻と娘二人、犬1匹の生活。去年から近所の方
ぼっこの『ひなた』です」と説明せざるを得ない状況が続
の進めで野菜作りに取り組んでいます。今年も少しばかり
いています。
の野菜を植え育てていますが野菜と比例して、私も負けな
この4月、うちの長女も進学し、一人暮らしを始めまし
い様に成長していきたいと思います。こんな毎日ですが自
た。学内で学生の皆さんと行き会うたびに、自分が一人暮
分なりに精一杯努力し、一日でも早く戦力の一つになれる
らしを始めた大昔のことも思い出しながら、うちの娘はど
様又少しでも回りの景色が見られる様、顔晴って(がん
うしているかなとか、御両親は心配しているかなとか、つ
ばって顔が晴れる様)いきたいと思います。宜しくお願い
いつい考えてしまう毎日です。
いたします。
学生の皆さんがしっかり学べる環境を整えるとともに、
皆さんの自立(親としてはちょっと寂しいですが)を応援
するため、事務局として精一杯努める覚悟ですので、どう
ぞよろしくお願いします。
事務局 教務・学生課課長補佐
事務局 総務課主事
斎 藤 秀 樹
小 西 裕 子
4月に事務局教務・学生課に参
この4月から事務局総務課でお
りました斎藤です。3月までは農
世話になっております。よろしく
政部農業技術課で予算関係の仕事
お願いいたします。
をしておりまして、2年ぶりの現
幸い今まで大きな病気を患うこ
地機関で学生の皆さんが充実した
となく過ごしてきましたが、二人
学生生活を送れるよう直接支援す
の子を出産したときには、看護師
る仕事ができて大変嬉しく思って
さん・助産師さん、また、育児中
います。
は諸検診で保健師さんに大変お世
その農業技術課に勤務する前に、
話になりました。
木曽の福祉事務所で生活保護世帯のケースワーカーをして
特に出産時には、未体験の苦しみに息も絶え絶えの私を、
おりました。町村役場の保健師さんや病院の看護師さんた
助産師さんと看護師さんがなだめたり励ましたりしてくだ
ちと一緒に仕事をする機会が多かったのですが、保護世帯
さり、無事出産することができ、つくづく看護師さんや助
の自立支援や医療支援に親身になって対応している姿に感
産師さんのありがたみが身に沁みました。
激したことを思い出します。本校で学ばれた皆さんは将来
どんな職業でもそうかもしれませんが、特に看護の道は、
そういった保健師さんや看護師さんになられることでしょ
やりがいがあることも多い反面、つらいこともたくさんあ
う、そのために私たち事務局職員は精一杯バックアップし
るように思います。
てまいりますので、いずれお世話になるときは優しく接し
皆さんがさまざまな苦難を乗り越えてそれぞれの夢を実
てください m( _ _ )m
現されますよう、陰ながら応援しています。
趣味らしい趣味がないもので、子どもたちがスノボを始め
た(高校までバスケをしていて骨折厳禁のためご法度でし
た)のを機会に、私もこの冬からトライしてみようかと考
えています。妻には「怪我をするのが関の山」と全く相手
にされておりませんが、
、
、
〔17〕
事務局 保健室保健師
事務局 総務課職員
坂 元 亜 紀
山 崎 明 美
今年度4月より保健室に参りま
事務局総務課の山崎明美です。
した坂元亜紀と申します。3月ま
昨年の6月よりお世話になってい
では保健福祉事務所に勤務してお
ます。主に科学研究費補助金関係
りました。大学勤務は初めてで、
の事務を担当させていただいてい
今までと全く違う環境に戸惑いな
ます。
がらのスタート。また、南信地方
4年前までずっと小学校の事務
も初めてなので右も左も分からず、
をしていました。とは言っても…
不安もいっぱいでした。そういう
小学校と大学、児童と学生、職員
意味では、新しい生活を始めた新
室と事務局内など、規模も環境も
入生の皆さんも同じような心境なのかなと想像しつつ、私
今の仕事の内容もまったく違っています。ですが、夏休み
も頑張ろうと奮起してまいりました。最近、仕事にも生活
や春休み・卒業式・入学式等の声を聞くたびに、学校に勤
にも少しずつ慣れてきたので、駒ヶ根に来たらぜひ行こ
務していることを実感しています。
う!と思っていた駒ケ岳へチャレンジしたいと思っていま
お世話になって1年近くになるのですが、まだまだ戸惑
す。
うことばかりの毎日です。もっと余裕を持って周りに気を
これから医療職を目指される皆さんが、健やかな学生生
配りながら仕事をしていけたらと思っています。どうぞよ
活を過ごせるように、そして自分自身の健康について考え
ろしくお願いします。
管理していくことができるように、お手伝いできればと
思っています。まだまだ勉強不足のところが沢山あり、皆
さんに助けていただきながらの毎日です。どうぞよろしく
お願いします。
事務局 学生支援員
葛 城 晴 佳
4月より学生支援員として勤務
させていただいております 、 葛城
晴佳と申します。
本学の学部卒業生で、卒業後は
県内の総合病院で助産師として勤
務していました。
昨年は思いがけず大学の保健室
保健師としてお世話になり、今年
度はまたまた思いがけず学生支援
員という立場でお世話になっております。学部生の頃には、
まさか自分が保健師として働く日が来るとは夢にも思いま
せんでした。そして学生支援員として働くことも…。人生
何があるかわかりませんが、資格は持っているといざとい
う時に役に立つのだな、と身をもって実感しているところ
です。
「思いがけず」が続いていますが、今現在は私の母校で
もある、大好きな本学でお仕事をさせていただけることを
ありがたく思っています。またここでの人との出会いも大
変貴重であり、自分自身が成長するための大きな糧となっ
ています。微力ではありますが、もと学生としての経験
(記憶はだいぶ薄れていますが…)を活かしながら、学生
の皆さまのお手伝いをしていけたらいいな、と思っており
ますのでよろしくお願いいたします。
〔18〕
*
** リ
リレーエッセイ
レーエッセイ
*
*
*
看護師2年目を迎えて
熊 谷 一 樹
平成22年3月に本学を卒業した熊谷です。今は看護師として信州大学医学部
附属病院のICUで働いています。本学を卒業して早一年つまり看護師として
2年目を迎えましたが、未だ仕事に追われ、忙しい日々を送っております。就
職時、ICUに配属された新人は私一人で、病院としてもICUの新人は久し
ぶりということもあり手探り状態のスタートでした。こんな私がICUという
環境を新人一人でがんばっていけるのだろうか、と不安がとても大きかったで
す。しかし、プリセプターさんを始め病棟の看護師みんなで新人を育てていこうという環境が出来ており、
時に厳しくもありましたが基本はやさしく指導の方をしていただき、何とか2年目を迎えることが出来まし
た。また、少し思い詰めていた時期に、誰にも相談出来ずもやもやしていたら、それを察したプリセプター
さんが声をかけてくれ、話を聞いてくれました。恥ずかしながらそれで泣いたりもしましたが、もやもやは
すっきりし気持ち新たにがんばることが出来ました。今年は新人3人がICUに配属されました。技術的な
面での指導は自信がないですが、新人ならではの悩みは私も経験済みなので精神的な面で支えになっていき
たいと思っています。また、未だ仕事に追われている状態ではありますがICUの環境には慣れ、気持ち的
な余裕は出てきています。だからこそ、これからは今まで十分に出来ていなかったアセスメント能力を高め
患者さんへ個別性をもった看護を提供できるようにがんばっていきたいと思っています。まだまだ半人前で
はありますが、看護師として1年が過ぎ2年目を迎えている事実は変わりません。一人前の看護師になるに
はまだ時間がかかりそうですが焦らず一つ一つのこと確実に行い成長していきたいなと思います。
(本学卒業生、信州大学医学部附属病院看護師)
●リレーエッセイを次に 藤
原 淑 世さん(平成22年3月卒業)につなぎます。
長野県看護大学の教員になって
有 賀 美恵子
看護大学の教員となり、
1年余りが過ぎました。今から3年前に本学の大学院に入学し、
学びながら高校の養護教諭をしてきましたが、昨年から精神看護学分野の教員としてお世
話になっております。振り返ると、今の私があるのは、保健室での多くの生徒とのかかわ
りがあったからだと改めて感じております。当時は、生徒の抱える悩みや相談への対応だ
けでなく、精神疾患や発達障害の生徒、それらの疑いのある生徒が増えてきていて、その
ような生徒へのかかわりに追われる毎日を送っていました。医療機関へつなげることの難
しさ、保護者の方や先生方との連携など、多くの課題を抱えていました。担任の先生と、
ある生徒の相談をするために病院へ行く途中、看護大学の前を通り、素敵な大学だなあと
思ったことを思い出します。精神疾患の生徒とのかかわりで燃えつきそうになっていた私でしたが、大学院
に入学することができ、多くの学びと出会いがあり、研究することの楽しさを知りました。
養護教諭として勤務してきた中で、常に感じていたのは、自分自身の能力の限界と保健室でできることの
限界の中での葛藤でした。学校に求められることが増え、養護教諭の守備範囲もどんどん広がり続けていま
す。今振り返ると、たくさんのことをしようと思いすぎていたのかもしれません。冷静に今までの自分を振
り返り、その経験をもとにして、子どもたちが笑顔になれるように、そして、たくさんお世話になった学校
や先生方に恩返しができるように、今の私ができることを精一杯やりたいと思っています。わからないこと
ばかりで、ご迷惑をおかけすることばかりの毎日ですが、ひとつひとつ学び、がんばってやっていきたいと
思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(本学教員、広域看護学講座精神看護学分野助教)
●リレーエッセイを次に 高
坂
梓さん(本学教員、発達看護学講座成人看護学分野助手)につなぎます。
〔19〕
OBだより
サンフランシスコからの風
第3回 「看護師免許取得と看護師就職」
柿 沼 佑 果
今回でSFからの便りも3回目を迎え皆さんに嬉しいお
NCLEXに必要とされる、知識の膨大さと英語の壁に何度
知らせができます。2011年1月カリフォルニア州看護師試
もぶち当たりながら、これは生粋の日本人の私には無理だ
験に合格しました。そして2011年3月、カリフォルニア大
と諦めかけたこともありましたが、働き始めてから必要と
学サンスランシスコ小児病院(UCSF 病院)の新人プログ
されるクリティカルシンキングの貴重な訓練になったと思
ラムに看護師として採用され、6月現在は10週間の新人研
います。そして、一度社会に出ると忘れがちな感覚、純粋
修を終え、独り立ちして働いています。UCSF 病院は成人
な自分の努力の積み重ねで目標を達成する喜びを再び味わ
総合病院“UCSF Medical Center”と小児専門病院“UCSF
,
Benioff Children s Hospital”の2機構からなり、小児病
うことができたのは今後のアメリカ生活に重要な意味をも
院には、産科、NIUC、ICN、心臓 ICU、PIUC、癌科、内
3月から始まった新人研修は講義2週間、臨床8週間計
科外科病棟に分かれており、私は小児病院では最も忙しい
10週間でした。講義は看護教育部が枠組みを作り、講義内
とされる内科外科病棟に就職しました。UCSF 病院は(成
容は各病棟看護師、ナースプラクティショナーが受け持つ
人、小児病院共に)過去2年間新人採用凍結をしており、
ものでした。UCSF 病院で多く扱われるは肝・腎臓移植の
今回は2年ぶりの新人プログラムでしたが当病棟で1名の
講義、小児の痙攣、母乳促進、褥瘡、病院のシステム、患
みの募集でしたので競争率の高さは計り知れず、内定の知
者様の権利に渡るまで細やかな講義と輸血・心マッサージ、
らせは大変喜ばしいものでした。
ドレッシングチェンジや血管確保などの実践形式がありま
今回はCA州看護師国家試験(NCLEX− RN)の概略と
した。講義は受講者からの多くの質問によって更に深みを
10週間の新人研修プログラムをお伝えしたいと思います。
増すものをなり、常に学ぶ姿勢の講義者は皆素晴らしいも
CA州看護師試験は計3000問以上の中から最低75問、
のでした。日本ではこれから活躍が期待されるナースプラ
最高265問出題され、時間制限は6時間です。問題の正否
クティショナーが医師とほぼ同等に看護の視点から専門性
によって次問題の難易度が決まり、難易度の高さと正答率
を発揮しており、また病院機構でチームとして良く機能し
の組み合わせでコンピューターが合格と判断した時点で試
ていることも印象的でした。
験が終わります。もう少し詳しく説明すると、1番目の問
臨床は8週間でしたが、私には日勤では2人のプリセプ
題は易しい問題で、
1番を正答すると2番目は中度のもの、
ターと夜勤では1人のプリセプターが主につきました。
また正答すると3番目の問題は合格ラインの問題、ここで
CA州法律で小児科看護師は勤務帯で4人以下の患者さ
間違えてしまうと中度に戻ります。合格ライン以上の難易
んを受け持つことが決められており、当病棟でも3;1も
度の問題を回答し続け、コンピューターが合格と判断する
しくは4;1看護が実施されています。各日プリセプター
まで正答であることが合格条件となるため、問題数も受験
と日々の目標を立てていき、マネージャーとは4週目、最
者により様々です。問題形式は4択、複数回答、優位性を
後週に中間 / 最終評価ミーティングがあり、私とプリセプ
問うもの、心音・肺音のヒアリングと部位を問う図式など
ターから今のレベルと今後の課題を述べ、マネージャーと
が含まれます。試験項目は大きく4つに分けられ、1、安
意見交換が行われました。
全 / 有効看護ケア(看護管理、安全性と感染予防)2、健
研修第1日目はプリセプターのシャドーとしてプリセプ
康推進と保持 3、精神 4、身体(基礎看護、薬理、リ
ターの動きを学び、2日目からは1人患者さんを受け持ち、
スクの軽減、病理)です。
2週目の終わりには勤務帯の受け持ち患者さん(3−4人)
日本の看護師国家試験とは問題の質がかなり異なりまし
をほぼ1人で見られるように、3週目からは病理の違う患
た。合格ラインの難易度に達する問題の殆どは複数回答も
者さん・タスク重視で、仕事の割り振り、医師他の医療職
しくは優位性を問うもの、つまり4択でも選択肢にあるも
者とのコミュニケーション、入退院、輸血のある患者さん、
のは全て正答になりえるので正答にたどり着くまでにかな
糖尿病の管理などその日ごとの目標に沿って行われました。
りのクリティカルシンキングが必要とされました。日本の
その8週間は実に短く感じられましたが、守られた環境
大学における看護教育でもクリティカルシンキングを重視
の中でじっくり学ぶことができました。あらゆる病気が集
たらすでしょう。
していますが、
試験にまでは及んでいないのが現実で、NCLEX
まる多い当病棟では8週間の研修期間では学びきれないこ
は看護師としての知識を身につけた上で、“なぜ?”を徹
とは明らかですが、新人に求められる、時間配分、優先順
底的に考えさせられるというのが印象でした。私は正直
位、自分の不足面の自覚とその対処の仕方が分かるという
〔20〕
大きな3点はプリセプターを始め、多くの病棟看護師とマ
ネージャーから合格点を頂きました。
日本で私が体験したプリセプター教育と大きく違うこと
は、
プリセプターが1対1で研修期間はついてくれること、
“見て学べ”ではなく“知らなくて当然だから何でも聞く
こと”と質問すること、自分の分からないことを伝えるこ
との重要性を教えられたことです。そして最初は病棟で1
人の新人というのは寂しい気持ちがしましたが、実際には
同じ勤務帯の看護師のほぼ全員が“教えたい”という姿勢
で接してくれて、また多くの看護師達は私が看護師として
働くのを楽しみにしてくれていたので、独り立ちした今で
も心強い支えとなってくれています。まだまだ始まったば
かりの UCSFでの看護師経験ですが、日々謙虚に学び続け
たいと思っています。皆様からのご意見、ご質問もお待ち
しております。
連絡先 [email protected]
(本学平成16年度卒業生)
事務局からのお知らせ
平成23年度は98名の新入生を迎える
入学試験の状況は、下記のとおりです。一般入
学試験の志願倍率は、前期2.6倍、後期は17.5倍で
した。
4月5日(火)には、学部生90名、大学院生8
名合わせて98名の新入生を迎えて入学式が挙行さ
れました。
平成23年度本学入学式
平成23年度 入学試験の結果概要
区 分
(単位:名)
募集人員A
志願者数B
前 期
42
110
105
43
39
2.6
後 期
8
140
57
10
9
17.5
50
250
162
53
48
5.0
推 薦 入 学 試 験
30
61
61
29
29
2.0
社 会 人 入 学 試 験
若干名
7
6
4
3
−
3年次編入学試験
10
21
19
11
10
2.1
大学院入学試験(前期課程)
16
9
9
8
7
0.6
大学院入学試験(後期課程)
4
5
5
1
1
1.3
学
部
一
入
試
般
学
験
計
〔21〕
受験者数
合格者数
入学者数
志願倍率B/A
平成22年度卒業・修了生の進路状況について
平成22年度の学部卒業生は85名、博士前期課程修了生は8名、同後期課程修了生は1名でした。
進路状況の全般については、以下の特徴がみられました。
①就職した80名の内訳は、看護師(63名)、保健師(12名)
、助産師(5名)で、卒業生の減少により、看護師・助産師
の就職者数は昨年度を下回った。
②県内の医療機関等への就職者数は55名(68.8%)であり、昨年度に引き続いて県内の比率が上昇傾向にある。
③県内外の都市部の大規模病院や大学病院等への就職を希望する者が比較的に多く見られる。
④具体的な就職先としては、信州大学医学部附属病院(11名)が最多であり、佐久総合病院(5名)と長野市民病院(5
名)がこれに次いだが、全体としては分散化している傾向にある。
⑤長野県や県内市町村の保健師が8名であり、昨年度に比べてやや増加した。
⑥県外大学の養護教諭特別別科への進学者が3名みられたほか、2名が家居となった。
⑦養護教諭については、まだ義務・高校とも募集枠が少ないこともあって、昨年度に引き続いて採用者がなかった。
1.学部卒業生(85名)
(1)進路状況
区
(単位:人)
分
就 職
進
職 種 等
地
助産師
教
員
小
学
計
家 居
その他
合
計
看護師
保健師
県内
40
12
3
0
55
0
1
56
県外
23
0
2
0
25
3
1
29
63
12
5
0
80
3
2
85
域
計
(2)就職先
① 長野県内
相澤病院 安曇野赤十字病院 飯田病院 飯田市立病院 伊那中央病院 上田市産院
国立病院機構まつもと医療センター 佐久総合病院 信濃医療福祉センター 昭和伊南総合病院
篠ノ井総合病院 信州大学医学部附属病院 諏訪赤十字病院 諏訪中央病院 長野県立こども病院
長野県立須坂病院 長野市民病院 長野赤十字病院 長野中央病院 松本協立病院 丸の内病院 長野県
飯田市 大町市 塩尻市 青木村 豊丘村 南箕輪村
② 長野県外
江戸川病院 河北総合病院 川崎市病院局 群馬大学医学部附属病院 国立国際医療研究センター国府台病院
国立成育医療センター 埼玉医科大学病院 静岡県立静岡がんセンター 済生会京都府病院 聖隷三方原病院
聖路加国際病院 東京医科大学八王子医療センター 東京共済病院 東京勤労者医療会
東京歯科大学市川総合病院 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 東京都健康長寿医療センター 名古屋記念病院
名古屋徳洲会総合病院 新潟南病院 平塚共済病院 福井県済生会病院 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院
(3)進学先
新潟大学養護教諭特別別科
2.大学院博士前期課程(修士課程)修了生(8名)
大学等教員2名(県内:長野県看護大学 長野赤十字看護専門学校)
看護師4名(県内3名:昭和伊南病院 長野県立こども病院、県外1名:神奈川県立こども医療センター)
助産師1名(県内:上田市産院)、家居1名
3.大学院博士後期課程修了生(1名)
大学教員1名(県外:岐阜大学)
〔22〕
平成23
(2011)年度 学 年 暦(7月∼3月)
年度 学 年 暦(7月∼3月)
前 期
後 期
5月9日∼7月8日
10月3日 後期授業開始
専門領域別実習(学部4年)
3日∼1
2月2日
6月2
8日∼7月5日
専門領域別実習(学部3年)
看護コミュニケーション実習(学部1年)
4日 前期博士論文発表会
7月1
1日∼2
5日
(博士後期課程)
地域看護実習(学部編入2年)
4日 後期博士論文計画書テーマ・
1
1日∼8月5日
研究方法概要提出(博士後期課程)
基礎看護実習(学部2年)
1
0日 【体育の日】
1
5日∼2
2日
1
3日 後期博士論文研究計画書提出
助産選択履修生看護管理実習(学部4年)
(博士後期課程)
1
5日 前期博士論文提出(博士後期課程)
1
6日 オープンキャンパス
1
8日 【海の日】
2
6日∼8月2
6日
夏季休業(前半)( 学部4年 )
7月下旬∼8月
国際看護実習(選択)
8月5日 前期授業終了(大学院)
8日 前期授業終了(学部1∼3年)
8日∼9月3
0日
2
1日 大学院博士後期課程入学試験
2
2日 大学院博士前期課程入学試験
11月3日 【文化の日】
1
5日 後期博士論文研究計画発表会
(博士後期課程)
1
9日 推薦・社会人特別選抜入学試験 2
3日 【勤労感謝の日】
2
8日 後期博士論文審査開始願
(博士後期課程)
夏季休業 ( 大学院 )
12月9日 後期博士論文提出
9日∼9月2
3日
(博士後期課程)
夏季休業 ( 学部3年 )
1
9日∼1月 6日
9日∼9月2
9日
冬季休業
夏季休業 ( 学部1∼2年 )
2
3日 【天皇誕生日】
2
9日∼9月1
6日
1月9日 【成人の日】
看護管理実習 ( 学部4年 )
1
0日 後期授業再開
9月3日 編入学試験
1
4日∼1
5日
上旬∼1
1月下旬
大学入試センター試験
助産前期・後期実習
2
0日 修士論文提出期限
1
2日∼9月2
9日
(博士前期課程)
夏季休業(後半)( 学部4年 )
2
8日 大学院博士前期・後期課程二次入学試験
1
8日∼1
9日
3
0日∼2月1
0日
鈴風祭
看護コミュニケーション実習Ⅱ(学部2年)
1
9日 【敬老の日】
2月1
1日 【建国記念日】
2
3日 【秋分の日】
1
3日 後期授業終了(学部)
1
4日∼3月3
1日
春季休業
2
1日 修士論文発表会(博士前期課程)
2
1日 後期授業終了(大学院)
2
2日∼3月3
1日
(参 考)
春季休業
2
0
10年度
2月1
7日 助産師国家試験
2月1
8日 保健師国家試験
2月2
0日 看護師国家試験
2
7日 一般選抜入学試験(前期)
3月6日 後期博士論文発表会
(博士後期課程)
1
0日 卒業式・修了式
1
3日 一般選抜入学試験(後期)
2
0日 【春分の日】
〔23〕
学会等のお知らせ
第24回日本看護福祉学会全国学術大会開催のお知らせ
大会長 渡辺みどり
人々の生活の営みは、その個人が他者を独自で固有の存
ことが重要です。
在であることを認め、関係を分かち合う中で創られます。
そもそも人の尊厳とは、生活の営みの中に潜むものであ
医療福祉に関わる者は、
「人が健やかに生きる」という命
り、それが奪われた時、あらためて意識化される性質を持
題の下、サービスの受け手がよりその人らしく生き生きと
つものではないでしょうか。一方、人の尊厳は、重要な局
暮らせることを願って、
様々な取り組みを重ねてきました。
面において、時として非常に深刻な問題をもたらします。
現在、我が国の高齢化率は21%を超え、超高齢社会に突
尊厳という観点から「日常のケア」を見つめ直すことは、
入しています。それとともに、認知症高齢者数もまた増加
ケアの質保障につながると考え、超高齢社会の時代にあえ
し、さらなる看護・福祉の協働が求められています。この
てこの大会テーマにさせていただきました。
ような社会では、障がいを持った子どもから認知症高齢者
看護・福祉に携わる方々と共に、尊厳を支えるための
に至るまでの多様な社会的ニーズへの対応と、それを実現
人々の繋がりの様相を模索し、尊厳を支えるには、
「人々
すべく専門職、サービス利用者、家族、地域の人々が立場
のどのような繋がりが必要か」、「その繋がりはどのような
を超えて協働する必要があります。そして、人々のその繋
機能を持ち得るのか」などについて、考える機会になるこ
がりは個々の生活の質向上を目指すものでなくてはなりま
とを願っております。
せん。支えられる対象は、個別的かつ独自の存在として認
(本学教員、広域看護学老年看護学分野教授)
められ、日常生活においてそのような関わりを保障される
プログラム
大会テーマ:「尊厳を支える人々の繋がり」
会場:長野県看護大学
第1日目 7月30日(土) 13:00 ∼ 20:00(受付12:00 ∼)
○会長講演 「認知症高齢者の尊厳と終末期ケア」 13:00 ∼ 14:00
渡辺みどり (長野県看護大学看護学部 教授) ○シンポジウム 「医療・保健・福祉を支える人々の繋がり」 14:10 ∼ 16:10
コーディネーター 百瀬由美子 (愛知県立大学看護学部 教授)
征矢野あや子(佐久大学看護学部 准教授)
シンポジスト 「小児科医の立場から」 市川 元基(信州大学医学部保健学科 教授)
「研究者の立場から」 岡田 真平(身体教育医学研究所 研究部長)
「看護職の立場から」 唐澤 富子(高齢者ケア看護研究会 会長)
「家族の立場から」 関 靖(認知症の人と家族の会 理事)
○交流集会 16:20 ∼ 17:30
交流集会1 「看護のリーダーシップと他職種協働」
白鳥さつき(長野県看護大学看護学部 教授)
何原 真弓(飯田市立病院 看護部長)
交流集会2 「実践を支えるエビデンス」
喬 炎(長野県看護大学看護学部 教授)
太田 克矢(長野県看護大学看護学部 教授)
交流集会3 「学生の社会参加と教育」
宮越 幸代(長野県看護大学看護学部 准教授)
交流集会4 「障がいを持つ子どもと家族の支援」
竹内 幸江(長野県看護大学看護学部 准教授)
坂上 純夫(信濃医療福祉センター 看護師)
寺島 憲治(信濃医療福祉センター 看護師)
交流集会5 「障がい者・高齢者の感染予防と口腔ケア」
横田 克彦(ユー歯科診療所 医院長)
第2日目 7月31日(日)
○研究発表 9:00∼
○教育講演 11:20 ∼ 12:10
「統合失調症を患う人々をどう理解するか‐地域社会の保護膜形成に向けて‐」
阿保 順子(長野県看護大学 学長)
○総 会 12:20 ∼ 12:50
〔24〕
第6回 信州公衆衛生学会学術総会のご案内
1. 日 程 平成23年8月20日(土)
2. 会 場 長野県看護大学(〒399-4117 長野県駒ヶ根市赤穂1694)
3. 大 会 長 石井 誠(NPO 法人日本健康運動指導士会 長野県支部長)
4. タイムスケジュール
9:00−9:30 総会
9:35−10:20 大会長講演
(石井誠:NPO 法人日本健康運動指導士会長野県支部長)
10:30−12:20 シンポジウム
12:20−13:20 昼食休憩
13:20−14:50 特別講演
(中村伸一:福井県おおい町国民健康保険名田庄診療所長)
15:00−17:00 学術総会 一般口演
5.演題募集締め切り日 平成23年6月17日(金)
6.本総会は、日本公衆衛生学会の認定専門家研修会に指定されています。
出席1回につき15ポイントが付与されます。
http://www.
shinshu-u.
ac.jp/faculty/medicine/chair/pmph/shinshu-kouei/index.
html
NPO 法人在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク
第17回 全国の集い inしんしゅう2011 開催のお知らせ
NPO 法人在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワークの第17回大会が、
「住みなれた地域で最期ま
で暮らしつづけるために」をテーマに、松本市で開催されます。本学会員や看護職者だけでなく、地域医療・
保健・福祉・介護に関心をもつ多くの皆様のご参加をお待ちしております。
開 催 日:2011年9月18日
(日)
・19日
(月・祝)
場 所:長野県松本文化会館・松本市総合体育館・信州大学医学部付属病院
名誉大会長:天野 直二(信州大学医学部附属病院病院長)
大 会 長:宮坂 圭一(医療法人清風会宮坂医院院長)
副 大 会 長:植原 秋児(信州大学医学部保健学科教授)
実行委員長:長 純一(佐久総合病院小海診療所所長、本学非常勤講師)
後 援:厚生労働省、長野県、松本市、社団法人日本医師会、社団法人長野県医師会、
社団法人松本医師会、社団法人日本歯科医師会他 ※長野県看護大学も後援しています。
内 容:市民公開講演:鎌田 實氏(諏訪中央病院 名誉院長)
「自ら望む所で生き、
死ねることの幸せ」
シンポジウム、実践交流会、パネルディスカッション、事例検討会、ランチョンセミナー、
医療機器・介護機器展示、介護教室、音楽療法による介護、障害者の自立を支える介助犬 他
<お問い合わせ:大会事務局> 〒392-0006 長野県諏訪市元町4-10 宮坂医院
Tel:0266-52-1711 Fax:0266-52-5099 担当:山本・武井
E-mail:[email protected]
※参加申込必要 ( 有料 ):学生は当日受付のみ1000円
※詳細は大会 HPをご覧ください。
http://shinshu2011.home-care.ne.jp/
〔25〕
このたびの東北・関東並びに新潟県・長野県の地震により被災されました皆様には心よりお見舞い申し
上げます。
鈴風会としても、皆様とともにできることを考え、活動していきたいと考えております。
鈴風会では卒業生および関係者の安否に関する情報収集を長野県看護大学と共同して行なっております。
被災地域の同窓生の安否に関する情報など、どのような情報でも構いませんので下記メールアドレスま
でお寄せください。
〔情報提供先〕 鈴風会安否情報専用メールアドレス:
anpi @s uz u ka zeka i.c om
会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。また、平素より鈴風会の活動
にご理解、ご協力を賜り、誠にありがとうございます。
鈴風会では「会員同士のネットワーク強化」を活動方針としております。
現在、鈴風会のホームページから、会員情報の変更や執行部への連絡等がオンラインで可能です。この
ホームページを利用して、大学との連携、同窓会ならではのコンテンツの充実や会員同士の相互関係作り
の場の提供等をすすめていく予定です。是非とも一度ご覧いただき、活用法やご意見等をお寄せ頂ければ
幸甚です。
今後とも鈴風会へのご協力をよろしくお願い致します。
鈴風会ホームページ
http://www.suzukazekai.com/
携帯からのアクセスは未対応です。
教員免許状をお持ちの方へ
教員免許状(養護教諭二種免許等)をお持ち の方で、以下の1及び2に該当する方は、平成 24年3月31日に修了確認期限(有効期限)が到 来しますので、今年度中に免許状更新講習の受 講が必要となります。
1 昭和51年4月2日∼昭和52年4月1日生 まれの方
2 現在学校に勤務している方又は勤務する 予定がある方
詳しい情報は、文部科学省のホームページに
てご確認ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ko
ushin/index.htm
長野県看護大学同窓会 鈴風会
長野県駒ヶ根市赤穂1694
mail : [email protected]
〔26〕
〔27〕
2011年度 オープンキャンパスのお知らせ 来る7月16日(土)に、下記要領にてオープンキャンパス(大学説明会)を開催いたします。高校生の方、保
護者の方、高校の先生方、編入希望の方、社会人の方、また、学部のみならず大学院への入学希望をもってい
らっしゃる方も、是非お越しくださいますようお待ち申し上げております。
日 時:平成23年7月16日(土)
12:30受付開始 開会13:00∼16:00
場 所:長野県看護大学講堂および学内施設(長野県駒ケ根市赤穂1694番地)
日 程:13:00 開会・ご挨拶
13:15 本学の教育の概要について
13:25 就職状況について
13:35 学生生活について
13:45 先輩からのメッセージ
13:55 休 憩
14:00 進学相談コーナー、学生相談コーナー、看護体験コーナー各種開設
その他、実験体験コーナーなど学生生活を体験いただけます。
16:00 終 了
2011年度 長野県看護大学 公開講座のご案内 第1回 2011年7月16日(土) 10:30∼12:00
オープンキャンパスと合わせて開催いたします。
講義テーマ: 災害看護のチャレンジ
−阪神・淡路大震災から東日本大震災までの活動の中で−
講師:日本赤十字広島看護大学 渡邊 智恵 准教授
オープンキャンパス・公開講座のお問い合わせ先
長野県看護大学事務局
〒399−4117 長野県駒ヶ根市赤穂1694
TEL:0265−81−5100 FAX:0265−81−1256
ホームページ:http://www.nagano-nurs.ac.jp/
編●
集●
後●
記
●
東日本及び長野県北部の大震災により多くの方が被災され、福島第一原発事故による被害や避難所生活を余儀な
くされている方も多く、未だ被害はとどまっておりません。本学の中にもご自身やご家族が被災された方がいらっ
しゃいます。心よりお見舞い申し上げます。巻頭でご報告したように本学教員も被災地に向かいました。多くの看
護職者がこの未曾有の状況でその役割を果たしておりますが、今後も看護職者として、個人として長期的な支援に
ついて考えていきたいと思っています。
白井 史 北村育子 斉藤秀樹
〔28〕