例題演習:人間の尊厳と自立 ■高齢者虐待 1 高齢者虐待防止法における高齢者虐待は、身体的虐待、著しく養護を怠ること(ネ グレクト)、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待である。 2 高齢者虐待防止法では、高齢者の虐待防止、虐待を受けた高齢者の保護及び養護者 に対する支援について、都道府県が第一義的に責任を有する主体と位置付けている。 3 地域包括支援センターは、地域における高齢者虐待対応の中核機関の1つである。 4 高齢者虐待防止法で対象となる養介護施設には、有料老人ホームは含まれない。 5 養介護施設等から虐待の通報を受けた市町村長又は都道府県知事は、原則として、 家庭裁判所の指示に従って権限を行使する。 6 都道府県は、養護者による虐待を受けた高齢者の保護のために、必要な居室を確保 するための措置を講じなければならない。 7 市町村長は、高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認め るときは、立ち入り調査を行うために所管の警察署長に対し援助を求めることができ る。 8 虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに警察に通報しなければな らない。 9 高齢者虐待とは、養護者、養介護施設従業者等によって加えられた行為で、長時間 の放置等、養護を著しく怠ることも含まれる。 10 市町村長は、養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況やそれに対する措置等 を、毎年度、公表しなければならない。 1 11 市町村は、相談、指導、助言や通報又は届出の受理及び養護者に対する支援等の 事務を地域包括支援センターに委託することができる。 12 通報等により高齢者を保護しなければ生命に危険が及ぶと推測される場合には、 市町村は、迅速に必要な保護のための措置等を講じなければならない。 13 「厚生労働省調査」における「養護者による 高齢者虐待」の相談・通報者で最も 多いのは、介護支援専門員である。 14 「厚生労働省調査」における「養護者による高齢者虐待」の虐待者の続柄で最も 多いのは、夫である。 15 高齢者虐待の通報では、個人情報保護のため、家族の了解を得た上で、通報しな ければならない。 16 高齢者への虐待件数としては、 養護者によるものより、養介護施設従事者等によ るものが多い。 17 高齢者虐待の担当窓口へ通報する者は、医師、看護師、介護支援 専門職の3職種 と法定されている。 <メモ> 2 ■成年後見制度 1 成年後見人は、成年被後見人の財産管理等の事務を行うに当たっては、成年被後 見人の意思を尊重し、心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 2 2014(平成26)年最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」によれば、 親族が成年後見人等に選任された割合は、全体の半数を超えている。 3 法定後見制度は、判断能力の程度に応じて、後見及び保佐の2類型に分かれてい る。 4 任意後見制度とは、判断能力が不十分になったときのために、後見人になってくれ る者と後見事務の内容をあらかじめ契約によって決めておく制度である。 5 市町村長は、高齢者の福祉を図るため特に必要があると認めるときは、後見開始の 審判を請求することができる。 6 法定後見制度とは、四親等内の親族等の申立てに基づいて、家庭裁判所が成年後見 人等を職権で選任する制度である。 7 成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害等により判断能力が不十分である ために、意思決定が困難な者の判断能力を成年後見人等が補う制度である。 8 成年後見制度について:「補助」類型の場合、補助人には、本人(被補助人)の同意の もと、四親等内の親族等の請求により、家庭裁判所の審判で代理権を与えることがで きる。 9 成年被後見人が行った法律行為は、原則として、取り消すことができる。 3 10 成年後見人は、被後見人の居住用の不動産を家庭裁判所の許可なく処分すること ができる。 11 任意後見契約の委任者(本人)と任意後見受任者は、公正証書で任意後見契約を交わ さなければならない。 12 任意後見制度では、家庭裁判所が、任意後見人の四親等内の親族の中から任意後 見監督人を選任する。 13 任意後見制度では、任意後見人に不正等があると、任意後見監督人の報告を受け た市町村が、家庭裁判所と協議のうえで任意後見人を解任することができる。 14 市町村は、後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び 活用を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 <メモ> 4 ■日常生活自立支援事業 1 実施主体は、市町村社会福祉協議会である。 2 日常生活自立支援事業は、判断能力の不十分な者が、市町村と契約を結び、福祉サ ービスの利用 に関する援助等を受けるものである。 3 初期相談から支援計画の策定、利用計画の締結までを担うのは、生活支援員であ る。 4 運営適正化委員会の役割として、日常生活自立支援事業の適切な運営の監視が位置 付けられている。 5 具体的な支援内容には、苦情解決制度の利用援助や日常的金銭管理が含まれる。 6 利用者は、居宅で生活している者に限られる。 7 成年後見制度を利用している者は、日常生活自立支援事業を利用することができな い。 <メモ> 5 ■社会保障 1 日本国憲法では生存権の保障については明確に規定されていない 2 生活保護制度や福祉サービスは、社会保障に含まれない 3 福祉三法とは、児童福祉法、老人福祉法および生活保護法の3本の法律の総称であ る。 4 福祉事務所は、すべての都道府県および市町村に設置されている 5 世界人権宣言は、高齢者や障害者の人権に限定した人権宣言である。 6 日本国憲法における個人の尊重は、個人の尊厳を意味している。 <メモ> 6 ■キーワード 1 ラポールとは、集団規範のことを言う。 2 アドボカシーとは、生活の質のことを言う。 3 アセスメントとは、事前評価のことである。 4 ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者などの支援を必要とする人々を訓練 して、できるだけ援助なしに生活できるようにすることである。 5 ソーシャル・インクルージョンとは、国家が国民に保障する最低限度の生活水準 を表す用語である。 6 セカンドオピニオンとは、患者が医師から治療方法などを十分に知らされたうえ で同意することである 7 利用者はエンパワメントアプローチをされることで、自己決定能力が高まる。 <メモ> 7
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