3−2「家庭用エアコンのCOP実測結果」 赤林伸一(新潟大学) 3.2.1 はじめに 我が国におけるエネルギー消費量のうち、住宅部門で消費されるエネルギーの割合は、全体の 14% を占め、室内の快適性の追求や IT 化などにより住宅部門のエネルギー消費量は今後更に増加すると予 想される。住宅で消費されるエネルギーの内で、冷暖房によるエネルギー消費が最も多く、冷暖房機 器の性能向上が重要であると考えられる。 本研究では、住宅に設置されているエアコンの実使用時における成績係数(COP=エアコンの熱出 力/消費電力)を明らかにするため、COP簡易測定手法を開発し、実使用時のエアコンのCOPと外 気温湿度、エアコンの運転状況などとの関係を明らかとすることを目的とする。 3.2.2 COP簡易測定法の概要とカロリーメータ測定装置との比較検証 (1)COP簡易測定法の概要 家庭用エアコンの成績係数(COP)は、日本工業規格(JIS B 8615−1:1999)に規定されている カロリーメータ型空気エンタルピー測定装置(以下カロリーメータ)によって定格運転時の測定が行 われており、カタログに表示されている。住宅に設置されたエアコンは居住者によって比較的頻繁に 運転状態(設定室温等)を調整されるため、エアコンの電力消費量や運転状況、COPの実態を明ら かとするためには、エアコンに取り付け可能な簡易測定手法の開発が必要である。本研究では家庭用 エアコンに設置可能な吹出・吸込部の温湿度、コンプレッサー周波数、循環ファンインバータ周波数、 消費電力量を計測するモジュールを開発する。更に開発した測定モジュールによる簡易測定実験結果 とカロリーメータによる測定結果の比較検証を行う。 実験はA社カロリーメータ試験室で行い、JIS B 8615 を参考に冷房、暖房それぞれ室内温湿度、外 気温湿度を設定し、カロリーメータによる吹出乾球温度、湿球温度、吹出風量、エアコン能力、消費 電力を記録する。又、エアコンに設置した測定モジュールから吹出・吸込温湿度、循環ファンインバ ータ周波数、コンプレッサーインバータ周波数、消費電力、室温湿度、外気温湿度を1分ごとにサン プリングする。エアコンの熱出力は、エアコン吹出、吸込空気のエンタルピーの差に吹出風量を掛け て算出する。 (2)吹出風量の測定 対象としたエアコンの運転モードは強運転、弱運転、微風運転があり、それぞれ運転時の吹出風量 が不明なため、カロリーメータで測定した吹出風量と循環ファンインバータ周波数の関係を明らかと する必要がある。図1、2に冷房運転時、暖房運転時の測定結果を示す。図1はそれぞれの風量で冷 房、暖房運転を行い、定常に達した時点からのカロリーメータの風量と循環ファン周波数の結果を示 す。図2はそれぞれの運転モードと吹出風速及び循環ファン周波数の関係を示す。吹出風量はそれぞ れの運転モード(強、弱、微風)で、ほぼ一定であるため、COPの計算ではインバータ出力に対し て1つの吹出風量を与えて算出する。 -1- 強運転 風量 微風運転 風量 弱運転 循環ファン周波数 弱運転 風量 強運転 循環ファン周波数 微風運転 循環ファン周波数 180 12.0 180 12.0 弱運転 風量 強運転 循環ファン周波数 微風運転 循環ファン周波数 165 165 150 10.0 150 10.0 135 90 6.0 75 4.0 60 平均値 強風運転:循環ファン 163[Hz]、風量 8.13[m 3 /min] 弱風運転:循環ファン 142[Hz]、風量 7.00[m 3 /min] 微風運転:循環ファン 123[Hz]、風量 5.47[m 3 /min] 2.0 105 75 4 運転時間[分] 6 8 平均値 強風運転:循環ファン 171[Hz]、風量 10.28[m3 /min] 弱風運転:循環ファン 145[Hz]、風量 7.60[m3/min] 微風運転:循環ファン 132[Hz]、風量 6.55[m3/min] 4.0 30 2.0 60 45 30 15 15 0 2 90 6.0 45 0.0 0 120 8.0 吹出風量[m3/min] 105 循環ファン周波数[Hz] 120 8.0 3 吹出風量[m /min] 135 0.0 10 循環ファン周波数[Hz] 強運転 風量 微風運転 風量 弱運転 循環ファン周波数 0 0 2 4 6 運転時間[分] 8 10 (1)冷房運転時 (2)暖房運転時 図1 吹出風量と循環ファン周波数測定結果 9 12 y = 0.0665x - 2.6139 R2 = 0.9802 8 10 吹出風量[m3/min] 吹出風量[m3/min] 7 6 5 4 3 y = 0.0963x - 6.2534 R2 = 0.995 8 6 4 2 2 1 0 0 0 50 100 150 循環ファン周波数[Hz] (1)冷房運転時 図2 200 0 50 100 150 循環ファン周波数[Hz] 200 (2)暖房運転時 運転モードと吹出風量の関係 (3)定常時の実験結果 定常時の冷房、暖房運転時の吸込、吹出の温湿度、空気エンタルピーの差、吹出風量を簡易測定装 置で測定し、カロリーメータで測定した値と比較する。表1∼6、図3∼6に結果を示す。 冷房時の吹出相対湿度は測定機器の精度から 100%を超える値を出力する場合があり、この場合の 相対湿度は最大値 100%とする。暖房時の吹出相対湿度は 20%以下になる場合があり、吸込の絶対湿 度を吹出の絶対湿度として計算する。 ①冷房時の測定結果 表1∼3に吹出、吸込口の温湿度を示 す。図3に定常時の強風、弱風、微弱の 表1 乾球温度 強風運転 弱風運転 微風運転 表2 場合のカロリーメータで測定したエアコ ンの出力と簡易測定法のエアコンの出力 の比較を示す。両者はほぼ一致し、高い 相対湿度 強風運転 弱風運転 微風運転 相関がある。図4はカロリーメータで測 表3 定したエアコン出力と簡易測定法のエア 絶対湿度 強風運転 弱風運転 微風運転 コン出力の時間変化を示す。両者は良く -2- 冷房時の吹出・吸込口乾球温度(℃) 吹出(簡易測定値) 12.4 15.3 15.9 吸込(簡易測定値) 27.4 28.3 28.3 吹出(カロリーメータ) 15.3 15.9 冷房時の吹出・吸込口相対湿度(%) 吹出(簡易測定値) 100.0 89.9 88.1 吸込(簡易測定値) 48.3 45.0 45.1 吹出(カロリーメータ) 84.2 85.6 冷房時の吹出・吸込口絶対湿度(kg/kgDA) 吹出(簡易測定値) 0.0090 0.0100 0.0106 吸込(簡易測定値) 0.0110 0.0108 0.0109 吹出(カロリーメータ) 0.0091 0.0096 一致しており、最終的に求めたいCOPも正確に測定することが可能であると考えられる。 4 4500 3 COP 5000 強運転 カロリメータ 弱運転 カロリーメータ 微風運転 カロリーメータ 平均値 強風運転:測定COP 3.28、カロリーメータ 3.28 弱風運転:測定COP 3.71、カロリーメータ 3.71 微風運転:測定COP 3.75、カロリーメータ 3.76 2 1 3500 0 3000 3500.0 2500 2000 3000.0 1500 2500.0 エアコン出力[W] カロリーメータ出力(W) 4000 強運転 簡易測定 弱運転 簡易測定 微風運転 簡易測定 1000 500 0 0 1000 2000 3000 測定値出力(W) 4000 2000.0 1500.0 1000.0 5000 平均値 強風運転:測定出力2950(W)、カロリーメータ2950(W) 弱風運転:測定出力2205(W)、カロリーメータ2205(W) 微風運転:測定出力1523(W)、カロリーメータ1523(W) 500.0 0.0 図3 冷房時のエアコン出力の測定結果 0 2 図4 4 6 測定時間[分] 8 10 冷房時のエアコン出力とCOP変化 ②暖房時の測定結果 表4∼6に暖房時の吹出、吸込口の温湿 表4 乾球温度 強風運転 弱風運転 微風運転 度を示す。図5に定常時の強風、弱風、微 弱の場合のカロリーメータで測定したエア コンの出力と簡易測定法のエアコンの出力 表5 の比較を示す。冷房時同様に両者はほぼ一 相対湿度 強風運転 弱風運転 微風運転 致し高い相関がある。図6はカロリーメー タで測定したエアコン出力と簡易測定法の 表6 エアコン出力の時間変化を示す。冷房測定 ており、暖房時においても最終的に求めた 吹出(簡易測定値) 0.0093 0.0093 0.0093 吹出(カロリーメータ) - 吸込(簡易測定値) 0.0093 0.0093 0.0093 吹出(カロリーメータ) - 強運転 カロリメータ 弱運転 カロリーメータ 微風運転 カロリーメータ 3 COP 4500 2 COP平均値 強風運転:簡易測定 2.73、カロリーメータ 2.70 弱風運転:簡易測定 2.45、カロリーメータ 2.41 微風運転:簡易測定 3.52、カロリーメータ 3.50 1 4000 0 3500 4500 3000 4000 2500 3500 2000 エアコン出力[W] カロリーメータ値[W] 吸込(簡易測定値) 63.4 63.6 63.6 強運転 簡易測定 弱運転 簡易測定 微風運転 簡易測定 4 5000 1500 1000 500 0 3000 2500 出力平均値 強風運転:簡易測定 4070[W]、カロリーメータ 4070[W] 弱風運転:簡易測定 3806[W]、カロリーメータ 3806[W] 微風運転:簡易測定 2992[W]、カロリーメータ 2992[W] 2000 1500 1000 0 図5 吹出(カロリーメータ) 41.0 47.1 44.6 暖房時の吹出・吸込口相対湿度(%) 吹出(簡易測定値) 19.1 14.0 15.9 いCOPを正確に測定することが可能であ ると考えられる。 吸込(簡易測定値) 20.1 20.1 20.1 暖房時の吹出・吸込口絶対湿度(kg/kgDA) 絶対湿度 強風運転 弱風運転 微風運転 と同様、当然の事ながら両者は良く一致し 暖房時の吹出・吸込口乾球温度(℃) 吹出(簡易測定値) 41.1 47.1 44.6 1000 2000 3000 簡易測定値[W] 4000 5000 500 0 0 暖房時のエアコン出力の測定結果 2 図6 -3- 4 6 測定時間[分] 8 暖房時のエアコン出力とCOP変化 10 (4)非定常時実験の測定結果 室内機の設置してある実験室の温度をエアコンの設定温度より冷房時には高く、暖房時には低く設 定し、エアコンの運転が定常に達した後、実験室の温湿度をコントロールしている空調機を停止する。 室温がエアコン設定室温となるまでエアコンを運転した時の非定常状態の測定を行う。エアコンの出 力は室温が設定室温に近づくにつれて徐々に小さくなり、エアコン設定室温となるとエアコンは停止 する。 エアコン停止後、実験室の空調機を再度運転し、エアコンが ON、OFF 運転をするように実験室内の 温度を調整した結果を図7∼9に示す。カロリーメータで測定したエアコン出力と、簡易測定による エアコン出力の結果(図8、9)は、冷房、暖房時とも相関は高く、両者は良く一致している。 吸込温度(測定値) 吹出湿度(測定値) 吹出湿度(カロリーメーター) 40 100 60 80 50 25 60 20 40 15 10 乾球温度[℃] 乾球温度[℃] 30 相対湿度[%] 35 20 10 20 30 40 運転時間[分] 50 60 吸込湿度(測定値) 100 80 40 60 30 40 20 20 0 0 70 10 (1)冷房運転時 20 30 40 運転時間[分] 40 50 50 60 70 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 カロリーメータ値[W] 簡易測定値[W] 0 10 20 30 運転時間[分] 40 50 (1)冷房運転時 (2)暖房運転時 図8 カロリーメータ値と簡易測定値の時間変化 5000 5000 4500 4500 4000 4000 3500 3000 カロリーメータ値[W] カロリーメータ値[W] 出力[W] 出力[W] 簡易測定値[W] 10 30 運転時間[分] 温湿度の時間変化 カロリーメータ値[W] 0 20 (2)暖房運転時 図7 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 吹出温度(カロリーメータ) 0 0 0 吸込温度(測定値) 吹出湿度(測定値) 10 5 0 吹出温度(測定値) y = 0.9766x R2 = 0.9378 2500 2000 1500 3500 3000 2500 2000 1500 1000 1000 500 500 0 y = 0.9974x R2 = 0.9605 0 0 1000 2000 3000 簡易測定値[W] 4000 5000 1000 2000 3000 簡易測定値[W] (2)暖房運転時 (1)冷房運転時 図9 0 カロリーメータ出力と測定値出力の関係 -4- 4000 5000 相対湿度[%] 吹出温度(測定値) 吹出温度(カロリーメータ) 吸込湿度(測定値) 3.2.3 戸建住宅におけるエアコンのCOP測定結果 調査対象住宅の概要を表7に示す。新潟県の一戸建て住宅5戸を調査対象とし、住宅A、B、C、 Dで夏季、住宅A、B、C、Eで冬季の家庭用エアコンCOP測定を行う。 表7 所在地 建築年 調査対象住宅の概要 床面積 構造・工法 家族人数 住宅A 新潟市 1996年 150㎡(居住部分) 木造(一部RC造) 3人 住宅B 新潟市 2002年 117.49㎡ 木造 4人 住宅C 新潟市 2002年 178.23㎡ 木造 5人 住宅D 新潟市 2002年 130.83㎡ 木造 4人 住宅E 新潟市 2001年 241.76㎡ 木造 2人 (1)測定方法 測定は本研究で開発したCOP簡易測定手法により行う。エアコンの機器効率を示すCOPを算出 するために、エアコンに吹出・吸込部の温湿度、室外機のインバータ周波数、消費電力量、循環ファ ン回転数(住宅A)または吹出風速(住宅B∼E)を計測するモジュールを設置する。また、室外機 の吹出・吸込部に温湿度計を設置し、1分間隔で記録する。住宅Aでは室内機循環ファン回転数より 吹出風量を算出する。住宅B∼Eでは設置時に吹出風速とエアコンの運転状態の関係を明らかとし、 吹出風速によりエアコンの運転状況を判定し、メーカー設計風量により測定中の循環風量を推定する。 COPの算出は以下の式で行う。 COP=(エアコン吹出・吸込空気のエンタルピーの差×吹出風量)÷消費電力量 (2)実測結果 ①カタログCOPと実使用時におけるCOPの関係 表8に各住宅の測定期間における実使用時の平均COPとメーカカタログに表示されているCOP を示す。実使用時COPとカタログCOPには相違が見られる。特に、住宅Bの冷房時においてはカ タログCOPに比べ実使用時COPが約2倍、住宅Cの暖房時においてはカタログCOPに比べ実使 用時COPが約 1/3 となり、大きな差がある。 また、住宅A、B、Cでは、カタログCOPは冷房時と暖房時で差が殆ど無いのに対し、実使用時 COPは冷房時の場合が暖房時に比較して相対的に高い数値を示している。 表8 住宅A 住宅B 住宅C 住宅D 住宅E 実使用時平均COPとカタログCOP 運転状態 測定日 実使用時平均COP 冷房 8/1∼9/30 6.61 暖房 10/1∼3/4 3.00 冷房 9/11∼9/15 10.90 暖房 12/20∼12/24 6.70 冷房 9/2∼9/5 5.53 暖房 12/5∼12/8 1.82 冷房 8/26∼8/31 2.89 暖房 11/14∼11/17 4.00 -5- カタログCOP 5.00 4.94 5.79 5.77 5.83 5.97 3.06 5.88 ②実使用時の冷房時COPと暖房時COPの関係 各住宅における冷房時の測定結果を 表9に、暖房時の測定結果を表 10 に示す。住宅Aは、夏季お よび冬季に連続して測定しているため、ここでは代表日のみの結果を示す。運転時間は、1回の運転 開始から終了までの連続運転時間であり、積算電力消費量、積算エアコン熱出力、平均COP、およ び各平均温湿度は、その連続運転時間内においての積算値、平均値である。 住宅Aにおける8月9日と 12 月 18 日を比較すると、積算エアコン熱出力がどちらも約 8100Wh であ るのに対し、積算電力消費量がそれぞれ 1581Wh、2758Wh と大きな相違が見られる。同様に、住宅Aに おける8月 16 日と 12 月 22 日、8月 24 日と 12 月 21 日を比較すると、同程度のエアコン熱出力に対 し、積算電力消費量が大きく異なっている。住宅B、Cにおいても同様であり、暖房時は冷房時に比 べCOPが低い。 図 10 に、各住宅におけるCOPおよび室内外機の吹出・吸込温度の時間変化を示す。住宅Aでは、 冷房時は運転開始後約4時間まではCOPが高く、変動も大きい。その後はほぼ一定の値を示す。暖 房時のCOPは終始ほぼ一定であり、冷房時より低い値を示す。住宅Bでは、冷房時にはCOPは 10 以上の高い数値を示している。また、室内機吹出温度が運転開始時より大きく下がっていることから、 冷房負荷が極めて大きいことが推察される。暖房時も同様に高いCOPを示しており、室内吹出温度 が非常に高く、暖房負荷が極めて大きいと考えられる。住宅Cでは、冷房時、暖房時ともに他の住宅 に比べCOPは低く、変動も小さい。住宅Dでは、運転開始直後はCOPが高く、室内機吹出温度か ら冷房負荷が大きいと考えられる。他の住宅に比べて全体的にCOPは低い。住宅Eでは、終始ほぼ 一定のCOPを示しており、その値は住宅Bに次いで高い。全住宅を通して、冷房時は暖房時に比べ て全体的にCOPが高く変動が大きい。 表9 冷房時のCOP測定結果 表 10 (1)住宅A 8/24 11時間22分 8/16 6時間49分 8/9 11時間00分 運転時間 1835 1110 1581 10596 7854 8133 5.77 7.08 5.14 (1)住宅A 26.1 22.8 24.6 84.6 70.4 90.8 25.1 25.6 25.1 65.4 61.7 69.1 運転時間 12/18 10時間54分 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 12/21 13時間24分 平均COP 積算電力消 積算エアコン 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 12/22 10時間48分 積算電力消 積算エアコン 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 平均COP 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 2758 3448 2515 (2)住宅B 運転時間 9/11 36分 9/13(1) 41分 9/13(2) 2時間22分 9/14 3時間31分 2660 2294 9343 13132 9.81 9.27 11.87 12.63 25.2 29.0 25.3 24.5 55.6 44.6 47.9 47.7 27.1 27.5 28.6 27.5 76.2 73.3 63.5 63.1 運転時間 運転時間 2166 3232 2658 13389 255 9.94 3.68 7.22 3.17 3.63 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12時間59分 24時間00分 24時間00分 24時間00分 9時間57分 7114 8281 5840 8290 1956 8/27(1) 8/27(2) 8/28 8/29(1) 8/29(2) 6時間30分 5時間49分 1時間58分 47分 1時間05分 24.6 26.2 23.6 23.7 20.9 54.6 53.0 49.1 49.2 52.5 26.5 26.5 27.8 25.7 27.2 78.9 73.4 74.3 61.5 67.7 8601 6162 3416 2612 3192 2.04 1.85 2.73 3.78 4.07 26.4 26.4 26.4 39.0 39.0 41.9 68754 70031 29609 64371 4992 9.67 8.46 5.07 7.77 2.55 0.9 2.8 5.8 7.8 7.0 98.3 91.3 90.5 99.1 92.6 23.6 22.8 22.2 24.1 22.4 40.5 42.3 44.2 45.3 48.4 運転時間 12/5 33時間16分 12/7(1) 2時間34分 12/7(2) 14時間04分 12/8 7時間05分 8347 1646 5810 1690 12773 1938 15107 3313 1.53 1.18 2.60 1.96 8.3 4.9 2.6 5.0 71.8 69.8 81.2 87.4 23.0 23.0 24.3 22.7 44.2 45.7 40.4 42.9 (4)住宅D 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 積算電力消 積算エアコン 平均COP 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 4209 3337 1250 691 784 93.8 92.0 86.0 積算電力消 積算エアコン 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 平均COP 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] (4)住宅D 運転時間 4.5 4.4 10.3 (3)住宅C 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 積算電力消 積算エアコン 平均COP 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 218 878 368 4230 70 2.96 3.10 3.12 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 積算電力消 積算エアコン 平均COP 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 費量 [Wh] 熱出力[Wh] (3)住宅C 9/2 58分 9/3(1) 2時間07分 9/3(2) 2時間32分 9/3(3) 8時間33分 9/4 44分 8157 10673 7839 (2)住宅B 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 積算電力消 積算エアコン 平均COP 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 271 247 787 1039 暖房時のCOP測定結果 30.7 26.8 26.1 26.6 24.9 40.6 46.2 52.4 50.1 48.0 28.0 26.9 26.9 27.9 27.6 -6- 60.2 63.1 68.7 69.1 68.4 運転時間 11/14 10時間26分 11/15 6時間30分 11/16 7時間04分 積算電力消 積算エアコン 平均外気 平均外気 平均室内 平均室内 平均COP 費量 [Wh] 熱出力[Wh] 温度[℃] 湿度[%] 温度[℃] 湿度[%] 4288 3616 4084 17929 14058 16002 4.18 3.89 3.92 6.9 7.4 7.7 69.6 72.3 79.0 23.4 21.9 22.8 50.8 50.1 51.2 20 40 COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 35 35 20 15 15 定格COP 4.94 10 5 10 5 20 10 5 5 0 18:00 20:00 22:00 (1) 住宅A 20 0:00 2:00 0 20:00 0 6:00 4:00 22:00 0:00 2:00 (2) 住宅A 8月9日(冷房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 20 40 4:00 6:00 0 8:00 12 月 18 日(暖房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 35 35 20 10 15 25 20 10 15 5 10 定格COP 5.79 5 温度 [℃ ] 実使 用 時 COP 実使 用 時 COP 25 30 15 30 15 10 定格COP 5.77 5 5 0 0 18:00 19:00 (3) 住宅B 20 20:00 0 10:00 22:00 21:00 12:00 14:00 (4) 住宅B 9月 14 日(冷房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 20 40 16:00 18:00 20:00 0 0:00 22:00 12 月 20 日(暖房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 30 20 10 15 定格COP 5.83 5 30 15 温度 [℃ ] 実使 用 時 COP 実使 用 時 COP 25 25 10 20 15 10 定格COP 5.97 5 10 5 5 0 0 22:00 0:00 2:00 (5) 住宅C 20 6:00 4:00 0 18:00 20:00 22:00 (6) 住宅C 9月3日(冷房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 40 20 0:00 2:00 4:00 0 8:00 6:00 12 月7日(暖房) COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 35 20 10 15 定格COP 3.06 5 10 30 15 温度 [℃ ] 実使 用 時 COP 実使 用 時 COP 25 25 20 10 15 定格COP 5.88 5 12:00 13:00 (7) 住宅D 14:00 15:00 16:00 17:00 0 18:00 図 10 0 10:00 0 12:00 14:00 (8) 住宅E 8月 27 日(冷房) 16:00 18:00 20:00 11 月 14 日(暖房) COPおよび室内外機の吹出・吸込温度の時間変化 -7- 10 5 5 0 11:00 40 35 30 15 40 35 35 15 40 温度 [℃ ] 定格COP 5.00 25 温度 [℃ ] 温度 [℃ ] 実使 用 時 COP 実使 用 時 COP 25 10 30 15 30 15 40 温度 [℃ ] COP ●室外機吸込温度 ◆室外機吹出温度 ○室内機吸込温度 ▲室内機吹出温度 22:00 温度 [℃ ] 20 ③室内外温度差と実使用時COPの関係 図 11∼図 14 に、室内外温度差と実使用時のCOPの関係を示す。室内外温度差は、室内機吸込温 度から室外機吸込温度を引いた値である。住宅AからDの4戸の住宅においては、室内外温度差が大 きくなるにつれてCOPが高くなる傾向が見られるが、相関係数は 0.0∼0.6 と低い。また、暖房時と 冷房時には明確なCOPの差が見られ、冷房時のCOPが暖房時に比較して高い。 14 10 9 y = 0.261x + 6.2714 R2 = 0.2517 8 冷房 暖房 全体 y = -0.1577x + 6.1714 R2 = 0.5826 5 4 3 2 y = 0.0261x + 2.4749 R2 = 0.0781 1 8 y = -0.093x + 9.2495 R2 = 0.0525 6 4 y = 0.6971x - 5.887 R2 = 0.5557 2 0 0 -5 0 図 11 5 10 15 室内外温度差[℃] 20 25 30 室内外温度差とCOPの関係(住宅A) 10 -5 0 5 10 15 室内外温度差[℃] 20 25 30 図 12 室内外温度差とCOPの関係(住宅B) 10 △, □, 9 y = 0.7127x + 2.4834 R2 = 0.4861 8 冷房 暖房 全体 6 y = -0.0896x + 3.5911 R2 = 0.2249 3 2 7 6 5 y = 0.3623x + 2.7829 R2 = 0.6779 4 3 2 y = 0.1345x - 0.5578 R2 = 0.6639 1 冷房 8 7 5 4 △, 9 実使用時COP 実使用時COP 冷房 暖房 全体 10 7 6 △, □, y = -0.6178x + 10.243 R2 = 0.9217 12 実使用時COP 実使用時COP △, □, 1 0 0 -5 0 図 13 3.2.4 5 10 15 室内外温度差[℃] 20 25 30 室内外温度差とCOPの関係(住宅C) -5 図 14 0 5 10 15 室内外温度差[℃] 20 25 30 室内外温度差とCOPの関係(住宅D) まとめ 本研究では、新たに家庭用エアコンに着脱可能なCOP簡易測定手法を開発し、家庭用エアコンに 取り付け、住宅5棟を対象に夏季冷房時および冬季暖房時の実使用時のCOPを測定した。結果を以 下にまとめを示す。 ①家庭用エアコンの吹出・吸込部の温湿度、コンプレッサー周波数、消費電力量等を計測する計測装 置を開発し、家庭用エアコン実使用時の性能を測定する簡易測定法を開発した。 ②カロリーメータによる詳細測定と本研究で開発した簡易測定法の比較実験を行い、両者の結果は良 く一致していることを確認した。 ③メーカカタログによるCOPと実使用時COPには大きな相違が見られる。対象住宅A、B、Cで は、カタログ COPは冷房時と暖房時で差が殆どないのに対し、実使用時COPは冷房時の場合 が暖房時に比較して極めて高くなっている。 ④冷房時のCOPは暖房時に比較して、変動が大きい。 -8-
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