尿検査でわかること

尿検査でわかること
そよかぜ通信
No.78
尿検査は、おしっこ(尿)から、身体のさまざまな状態を知る検査です。
専用の試験紙の変化によって、結果がわかります。
尿は、腎臓と言う臓器で作られます。腎臓はいわば血液から不要な物質をこし取る臓器です。
腎臓で作られた尿は、膀胱に集められ、ある程度の量が貯まると尿道を通じて排泄されます
が、様々な疾病によって、尿中に本来は含まれるはずのないもの、含まれてはならないもの
が混じってきます。尿検査では、これらをチェックします。
では、どんなことがわかるのでしょうか。
検査でわかる情報の中でも、特に尿たんぱくと糖、尿潜血反応は大切です。
尿にたんぱくが混じるということは、腎臓に疾患があることを示しています。
原因はいろいろありますが、尿たんぱくが続く病気として代表的なものは、慢性腎炎や糖尿
病による腎障害です。
次に糖ですが、腎臓の働きが正常でも、血液中に糖の成分が多ければ、腎臓は取りきれず、
尿にも糖が含まれることになります。尿に糖が混じる場合は、血液検査で糖尿病などがない
か調べることになります。
尿潜血反応は、尿に血液が混じっているかを調べる検査です。
代表的な原因として、慢性腎炎、膀胱炎、尿路結石、がんなどがあげられます。
尿は腎臓で作られ、尿管、膀胱、尿道を通って体外に排出されます。
これらのどこから出血しても、尿潜血反応は陽性になります。
尿検査は簡便な検査である反面、過労や過度の運動などでも異常が見られる項目もあります
ので、一度の検査で神経質になられることはありません。
自己判断はせずに、定期的に検査をしていきましょう。
夏場は特に脱水症になりやすいので、
体調の良さを調べるのに、尿は役に立ち
ます。色や回数が重要ですよ。
院長
知っておきましょう。おしっこのこと。
表1
一般的な尿の所見
排尿量
200~500ml/回(高齢者の場合はやや少なめ)約 1,000~2,500ml/日
排尿回数
日中 4~8 回/日
色
淡い黄色。尿の量が少ないと褐色に
におい
ややすっぱいにおいが正常
にごり
通常はにごらない
(しばらく放置しておくとにごる)
尿糖
40~85mg/日
尿タンパク
120mg 以下/日
表2
試験項目
就寝中 0~1 回/日
尿試験紙検査でこんなことがわかる!
検査結果から疑われること
尿 pH
酸性(~4.5)の場合、気管支肺炎、痛風。アルカリ性(7.5~)の場合、
腎不全など
尿タンパク
陽性の場合、心不全や、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、妊娠中毒症な
ど主に腎臓の病気
尿糖
陽性の場合、腎性糖尿、糖尿病、すい炎、肝硬変など
尿潜血反応
尿中に赤血球が含まれている場合、腎炎、腎結核など腎臓の病気、がん、
尿道の炎症や結石、膀胱の炎症やがんなど(女性の場合、年齢が高くな
るとともに、健康でも陽性反応が出る確率が高くなる傾向がある)
尿中ケトン体
脂肪が分解されてできるが、本来は尿中に出ない。脱水や糖尿病で糖の
コントロールが悪いと、尿中に出る
尿ビリルビン
胆汁色素からできる。ウイルス性肝炎、薬物性肝炎など
尿ウロビリノゲン
主として肝臓の障害を示す。正常値は弱陽性で、増加すると肝機能が低
下。減少すると胆石や腫瘍によって胆道が閉鎖されている疑いもある
尿中白血球
陽性の場合、腎盂腎炎、膀胱炎、腎・尿路系器官のがんなど