29P-pm105

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エバーラスティングフラワー (Helichrysum arenarium, 花部 ) の肝保護作用成分
松田 久司1,
森川 敏生2,
二宮 清文2,
◯中嶋 聡一1,
横山 英理2,
柿原 なみ子2,
1 1
2
中村 誠宏 1 ,
村岡 修 2 ,
吉川 雅之(
京都薬大,
近畿大薬総研)
【目的】キク科 (Asteraceae) 多年生植物 Helichrysum arenarium (L.) MOENCH の花
は,ヘリクリスム花 (Helichrysi flos),あるいはエバーラスティングフラワーなど
と称される.中部,東部及び南部ヨーロッパを原産とし,主な産地はロシア,ポ
ーランド及びトルコなどである.H. arenarium の花は,嗜好品としての茶に利用さ
れている一方,民間ではこの花の煎剤が利尿や慢性胆嚢炎の改善を目的に利用さ
れている.H. arenarium の含有成分については,これまでに花および根部に数例の
研究例があるのみで,詳細な成分探索及び伝承薬効の科学的な解明研究はなされ
ていなかった.今回我々は,西洋ハーブの生物活性成分の探索研究の一環として H.
arenarium 花 部 MeOH 抽 出 エ キ ス に マ ウ ス 初 代 培 養 肝 細 胞 を 用 い た
D-galactosamine (GalN) 誘 発 肝 細 胞 障 害 抑 制 活 性 を 見 い 出 し た . さ ら に , H.
arenarium 花から得られた成分について,同活性について検討したので得られた結
果について報告する.
【方法・結果】ddY 系雄性マウス (7–9 週齢) から,定法に従い collagenase 灌流
法により採取したマウス肝細胞を実験に用いた.得られた肝細胞を William's E 培
地に分散させ,40,000 cells/well で 96 穴培養プレートに播種した.4 時間の前培
養の後,被検物質および GalN (1 mM) を含む培地を添加し
て,さらに 44 時間培養して肝細胞障害を惹起した.細胞の
viability の判定は,MTT assay により行った.H. arenarium 花
部から得られた成分について検討した結果,新規化合物とし
て得られた arenariumoside IV などに比較的強い肝細胞障害
抑制活性を認めた.