中東版

Weekly TNS Business News 中東版
第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
中東版
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ヘッドライン
【アラブ首長国連邦】
[通信]NECとエティサラート、宅内通信機器の仮想化実証実験に成功
3
[通信]ドバイオーガ傘下セルシー、南アのテルコムが16億㌦以下で買収か
3
[ IT ]エティハド航空、英BTとコールセンター仮想化契約
3
[物流]ディナータ、伊グラウンドハンドリング会社を買収
3
[建設]DSE、ジュメイラの商業施設開発を受注
3
[防衛]印リライアンス・ディフェンス、エミレーツディフェンスと提携
4
[石油]ガルフペトロケム、フジャイラやアフリカ事業拡張に 8,000 万㌦投資
4
[船舶]ドバイのトパーズ、ノルウェーのバードに海底作業支援船2隻を発注
4
【サウジアラビア】
[証券]数百億㌦規模の投資を市場から引き上げか
4
【イラク】
[通信]米AT&Tがイラク進出、関連会社を設立
4
【クウェート】
[経済]8月インフレ率、3.84%へ加速
5
[公益]ガメサがクウェートやトルコ、キプロスで風力タービン受注
5
【オマーン】
[通信]政府機関を光ファイバーへ改修、通信速度強化へ
5
【カタール】
[公益]ブイグ、カタール下水道トンネル建設を受注
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Weekly TNS Business News 中東版
第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
【エジプト】
[食品]米ケロッグ、エジプトのシリアルメーカーを買収
6
[電気]エジプト通信省、環境省への電子機器調達に関する入札開始へ
6
[建設]オラスコム-ハッサン・アラム連合、軍用空港建設を受注
6
【トルコ】
[電力]独フェロスタール、トルコで風力発電事業へ進出
6
[車両]トファシュ、フィアットの新モデル生産をスタート
6
[鉄鋼]プライメタルズ、エルデミールから亜鉛めっきラインを受注
7
[食品]トルコで来年1月から未包装チーズ販売が規制
7
[観光]ホテルチェーンロタナ、トルコに進出
7
[海運]欧州復興開発銀行、トルコの港湾運営グローバル・ポーツの株式取得
7
【ヨルダン】
[証券]マサケン・キャピタル、エジプトの不動産会社を買収
7
【イエメン】
[資源]豪ペトセック、三井 E&P などからアル・バルカ第7石油鉱区権益の買収完了 8
【イラン】
[経済]インフレ率、モルダードは12.6%へ加速
8
[航空]衛星機材、航空機など総額210億㌦をロシアから調達
8
[公益]国営ガス会社、シスタン・バルチェスタン州でガス供給事業を始動へ
8
【イスラエル】
[電子]メラノックス、EZチップを8億㌦超で買収へ
8
[医薬]テバ・ファーマ、メキシコ同業RIMSAを買収
8
【巻末】
[図表]クウェート8月CPI上昇率(前年同月比 グループ別)
9
[図表]イラン都市部モルダードCPI上昇率(前年同月比 グループ別)
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
中東ヘッドライン
アラブ首長国連邦(UAE)
NECとエティサラート、宅内通信機器の
仮想化実証実験に成功
電機大手NECとその子会社米ネットクラッカーは1日、
中東の通信大手エティサラート(Etisalat:Emirates
Telecommunications Corporation)と共同でvCPE(顧客
宅内通信機器の仮想化)ソリューションの実証実験に成
功したと発表した。
実験ではNECとネットクラッカーのvCPE技術を用い
て、従来は宅内通信機器が行っていた通信経路選択や
IPアドレス割り当て、ネットワークアドレス変換などの機
能をエティサラートのデータセンターに移行させた。
これにより顧客宅内での複雑な機器設定が不要になる
ほか、エティサラート側がネットワーク経由で新機能を提
供できるため、コスト・工数削減につながる。また、ユー
ザー側も専用ポータルから各デバイスの接続設定など
を自身で行うことができるようになるメリットがあるという。
ドバイオーガ傘下セルシー、南アの
テルコムが 16 億㌦以下で買収か
ドバイの通信オーガ・テレコム(Oger Telecom)が 75%
の株式を保有する南アフリカのセルシー(Cell C Pty
Ltd)に対して、南ア通信大手のテルコム(Telkom)が買
収を検討している。関係者の話として現地紙ガルフニュ
ースが 28 日伝えた。
テルコムが検討している提示額は 220〜180 億ランド
(16 億㌦)以下とみられ、株主のオーガ・テレコムは価格
の引き上げを要求しているという。セルシーは 140 億ラン
ドの負債も抱えている。
テルコムは事業の多くを占める固定電話事業の売り上
げ減少に対し、国内第4位の携帯電話事業での巻き返
しを図っている。ボーダコム、MTN に次ぐ国内第3位の
携帯事業者であるセルシーの買収により、携帯事業で
の拡大を狙う見通しだ。
エティハド航空、英BTとコールセンター
仮想化契約
エティハド航空は 27 日、英通信大手ブリティッシュ・テ
レコム(British Telecom, BT)と数百万㌦に及ぶ5年間
のコールセンター仮想化契約に調印した。待ち時間の
削減や 15 言語対応など、顧客サービスの強化が狙い。
BTのクラウドサービスによりエティハド航空は、40 カ国
から UAE と英国にある3つの多言語対応コールセンタ
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ー(アブダビ、アル・アイン、マンチェスター)で直接電話
を受けることが可能となる。顧客からの電話は各センタ
ーに自動転送され、顧客は場所を問わず直接担当のオ
ペレーターと話をすることができる。また、オペレーター
につながるまでの待ち時間も 30%以上大幅に削減され
る。各コールセンターは全て 365 日 24 時間態勢で稼働
しており、世界各地から年間 300 万件を超える入電に対
応することになる。
エティハド航空の代表らは、世界トップレベルのBTの
優れたサービスを活用することでコールセンターのマネ
ジメント力を強化し、世界中に急速に広がる顧客からの
要望に迅速かつ丁寧に対応していきたいとコメント。
一方、BTの代表は、エティハド航空初となるコールセ
ンターの仮想化プロジェクトをサポートできることを非常
に光栄に思うとともに、プラットフォームプロバイダーとし
て尽力していきたいと意気込みを語った。
ディナータ、伊グラウンドハンドリング
会社を買収
グラウンドハンドリング(空港地上支援業務)などを手が
けるエミレーツグループのディナータ(dnata)は 29 日、伊
空港グラウンドハンドリング業のエアポート・ハンドリング
(Airport Handling SPA)の株式 30%について取得契約
を結んだと発表した。
契約金額は明らかにされていない。契約には更に
40%の株式取得を行えるオプションも含むという。
エアポート・ハンドリングは 2014 年に設立され、1,800
名の従業員を抱える。ミランのマルペンサ空港とリナー
テ空港で 60 以上の航空会社に旅客・貨物ハンドリング
サービスを提供。買収後も社名・従業員は継続する。
ディナータは今年6月にもアムステルダム、スキポール
空港のグラウンドハンドリング事業を取得しており、買収
により事業拡大を加速させている。
DSE、ジュメイラの商業施設開発を受注
ドバイの建設デベロッパー大手ドレイク&スカル・イン
ターナショナル(DSI)のエンジニアリング子会社ドレイク
&スカル・エンジニアリング(DSE)は、ドバイのジュメイラ
地区で予定されている総額1億 2,300 万ディルハム(AE
D)の複合開発事業を受注した。現地紙ガルフニュース
が 28 日伝えた。
契約によると、商業施設や駐車施設など7万 2,000 ㎡
におよぶ開発を行う。DSEは機械設備や配管の設置・
点検などを行う予定で 2016 年の完成を見込んでいる。
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印リライアンス・ディフェンス、
エミレーツディフェンスと提携
インドの複合企業リライアンス・グループ傘下のリライア
ンス・ディフェンスはアラブ首長国連邦(UAE)の防衛企
業エミレーツ・ディフェンス・インダストリーズと防衛・航空
事業での提携契約を結んだ。ファイナンシャル・タイムズ
紙などが 28 日伝えた。
両社は共同で商用・軍用の車両、航空機や船舶の建
造、関連機器の製造に加えて軍用機材・設備のメンテナ
ンス分野において可能性を探るという。
ガルフペトロケム、フジャイラやアフリカ
事業拡張に 8,000 万㌦投資
アラブ首長国連邦(UAE)シャルジャの石油大手ガル
フペトロケムは、今後1年間で約 8,000 万㌦をフジャイラ
と東アフリカでの事業拡張計画に投資する。
同社役員の話として現地紙ガルフニュースが 26 日伝
えた。成長に伴う取り扱いや精製容量の拡大と、政情の
安定している東アフリカでの成長機会を見込む。
同社のタンガパンディアン・スリニヴァサル
(Thangapandian Srinivasalu)執行役員によると、ケニア
のモンバサやタンザニアのダル・エス・サラームでの新タ
ーミナル買収に約 2,500 万〜3,000 万㌦を、フジャイラで
は約 26 万㎥のタンク容量追加に 5,000 万㌦を投じる計
画をしているという。
ドバイのトパーズ、ノルウェーのバードに
海底作業支援船2隻を発注
石油・ガス産業向けに海洋サービスを行うオマーンの
ルネッサンス・サービシズは 27 日、ドバイ子会社トパー
ズ・エナジー&マリーンがノルウェーのバード・ブラットバ
ーグ(Vard Brattvaag)に対し海洋作業支援船(subsea
vessel)2隻を約1億 1,500 万㌦で発注したと発表した。
発注は今後2年間で予定しているトパーズの大西洋海
盆部門の拡張に伴うものだという。2隻は 2017 年の第3、
第4四半期にかけて納入される予定で、契約には更に2
隻のオプション(発注権)も含まれている。に投入される
バード・ブラットバーグは伊造船大手フィンカンティエリ
(Fincantieri)が多数の株式を保有するシンガポールの
バード・ホールディングの傘下となる。
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
サウジアラビア
数百億㌦規模の投資を市場から引き上げ
OPEC(石油輸出機構)最大の産油国であるサウジア
ラビアは、財政赤字を補塡するため 700 億㌦に及ぶ資
産を世界の金融市場から引き揚げた。過去1年間で半
値まで急落した原油価格が財政を圧迫している。インサ
イト・ディスカバリー(Insight Discovery)による調査を元
に 28 日、ブルームバーグが伝えた。
IMF(国際通貨基金)の調べでは、サウジアラビアの
歳入の約 80%は石油で賄われており、赤字幅は今年の
GDP(国内総生産)比で 20%に及ぶと見込まれている。
また、多額の化石燃料補助金や公務員の多さに加え、
隣国イエメンでの紛争も財政に悪影響を及ぼしている。
サウジアラビア政府は再建計画策定にあたり、化石燃
料補助金の段階的削減や再生可能エネルギーへの投
資など構造改革を長期的視野に立って行うように指示
する一方、赤字補塡のため国が保有する債券の売却を
加速させている。中央銀行のデータによると、サウジアラ
ビア金融管理局(The Saudi Arabian Monetary
Authority)が保有する外国証券の総資産は、2014 年8
月のピーク時には 7,370 億㌦であったが、今年7月の時
点では 6,610 億㌦と約 10%も減少している。
エコノミストらはこのサウジアラビア政府の動きに対し、
外貨資産による赤字補塡は短期的には有効だが、将来
的には国の信用力を下げる危険性を指摘している
なお、サウジアラビアは約 350 億㌦分の投資額を今後
5年間で欧州市場から引き上げ、米国市場へと移行する
ことを計画している。その目玉の 1 つとして、中国最大の
コングロマリットであるシティック・グループ(Citic Group)
との 100 億㌦にも及ぶ共同投資が計画されている。
イラク
米 AT&T がイラク進出、関連会社を設立
米電話最大手の AT&T は 30 日、イラクに関連会社を
設立したことを明らかにした。イラク内のエネルギー関連
企業を中心にサービス提供を行う。
同社のリリースによると、今年初めイラク、バスラ
(Basra)のエナジー・シティにオフィスを開設したという。
イラクに進出している多国籍企業に対し、同社の広範な
ネットワークを活かしサービス提供していく。
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
クウェート
オマーン
8月インフレ率、3.84%へ加速
クウェート中央統計局(CSB)は 29 日、8月の消費者物
価指数(CPI)が前年同月比 3.84%上昇したと発表。
外食・ホテルが大きく 6.88%上昇。住宅サービスも
6.54%伸びた。食品・非アルコール飲料と教育はそれぞ
れ 5.62%と 4.41%値上がり。他に家具・家事用品・定期
整備(3.85%)、健康(1.74%)、雑貨・サービス
(1.72%)、たばこ・嗜好品(1.54%)、通信(0.60%)、運
輸(0.40%)なども上昇している。一方で衣類・履物は
1.77%、娯楽・文化は 0.93%それぞれ減少となった。
CPIは前月比では 0.29%上昇。最も大きく伸びたのは
食品・非アルコール飲料で 1.78%値上がり。通信は
10%、健康とたばこ・嗜好品は 0.08%、0,07%それぞれ
上昇。他方では衣類・履物と娯楽・文化が共に 0.39%減
少。家具・家事用品・定期整備は 0.21%減速した。雑
貨・サービスは 0.15%値下がりしている。住宅サービスと
運輸、教育、外食・ホテルは変わらず横ばいとなった。
(図表は巻末へ)
ガメサがクウェートやトルコ、キプロスで
風力タービン受注
スペインの風力タービン大手ガメサ(Gamesa)は 29 日、
クウェート、トルコ、キプロスで合計 72.5MW(メガワット)
分の風力発電事業に対する供給契約を結んだと発表し
た。クウェートでは初の受注となる。
クウェートではアル・シャガヤ(Al-Shagaya)で行う風力
発電実証実験へ風力タービン5基(計10MW)を供給、
トルコでは現地再生可能エネルギー事業者アド・エネル
ジ(Ado Enerji)の Akyurt、Konakpinari、Karaçayir
の3事業向けに風力タービン20基(計42MW)を納入。更
に現地デベロッパーのカザンチ・ホールディング(Kazanci
Holding)向けにはダトカ(Datca)事業へ5基(計2.1MW)
を供給する。
またキプロスでは現地複合企業アエオリキ・アクティ
(Aeoliki Akti)のサニダ・ケラキ事業へ5基を追加納入
するとしている。
目次へ
政府機関を光ファイバーへ改修、
通信速度強化へ
オマーン政府は通信速度の強化を図るため、現状の
1,000 倍の速さとなる高速光ファイバーへとネットワーク
網の改修を行うことでオマーン・ブロードバンド・カンパニ
ー(Oman Broadband Company, OBC)との契約に合意
した。現地メディアアラビアン・ビジネスが 27 日伝えた。
改修対象は政府機関内に限られ、国内 63 の政府機関
が新しいネットワークでつながり、さらに情報技術局
(Information Technology Authority, ITA)の国立デー
タ・センター(National Data Center)とバックアップセンタ
ーもネットワーク化される。
ITAの代表は今回の契約合意を受け、政府機関同士
のネットワークが改善され、全機関が「オマーン政府ネッ
トワーク(Oman Government Network)」に接続できるよう
になることへの期待感を示し、さらにITAが進めている
デジタル化計画にとっても重要な節目となるだろうとコメ
ントしている。
ITAによると、新しいネットワーク網により毎秒1ギガビ
ット(1Gbps)のデータを転送することが可能になるとのこ
と。なお、ネットワークの改修には1年を要することが見
込まれている。
カタール
ブイグ、カタール下水道トンネル建設を受注
仏建設大手ブイグ・コンストラクション(Bouygues
Construction)は 29日、子会社ブイグ・トラバークス・パブ
リックス(Bouygues Travaux Publics)とカタールの総合建
設業アーバコン・トレーディング&コントラクティング
(UrbaCon Trading & Contracting)と合同でドーハの下
水道トンネル建設事業を受注したことを発表した。
カタール公共事業庁(Qatar Public Works Authority)、
別名アシュガール(Ashghal)からの発注で契約金額は 22
億 5,000 万カタールリヤル(QAR)となる。下水道トン
ネル2本、合計 30kmを建設し、2019 年の引き渡しを予
定している。
近年ドーハは人口増加により、下水道インフラの再設
計・拡張の必要性が高まっており、アシュガールはドー
ハ南部で下水道改修事業「IDRIS(Inner Doha
Resewerage Implementation Strategy)」を進めている。
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エジプト
米ケロッグ、エジプトの
シリアルメーカーを買収
米食品大手ケロッグ(Kellogg)は 28 日、エジプト最大
手のシリアルメーカーであるマス・フード・グループ(Mass
Food Group)を現金約 5,000 万㌦で買収することで合意
したと発表した。
マス・フードは 1996 年設立、エジプトで初めてシリアル
を売り出したメーカーだ。シリアル「テミーズ
(Temmy’s)」、シリアルバー「ニュートリフィット
(NutriFit)」などのブランドを擁し、従業員 600 名、年間
1,800 万㌦の売り上げ規模を持つ。エジプトだけでなく欧
州、アフリカや東アジアにも商品を輸出している。
ケロッグは今年初めにもエジプトのビスケットメーカー、
ビスコ・ミスル(Bisco Misr)を買収、さらに最近ナイジェリ
アの食品大手トララム・アフリカ(Tolaram Africa)と合弁
設立を発表。西アフリカ向けのスナック菓子や朝食、ア
フリカ全土向けには朝食として食べられることの多い麺
類の商品開発を行うとしている。他にもナイジェリア・ガ
ーナの流通販売業マルチプロ(Multipro)の株式 50%も
取得している。近代化が進み食生活の変化を迎える新
興国市場で、さらなる事業拡大を狙っていく見通しだ。
エジプト通信省、環境省への
電子機器調達に関する入札開始へ
エジプトの通信・情報技術省(MCIT)は環境省への
コンピューター、監視カメラやその他電子機器供給契約
について入札を開始した。10 月7日が応札期限となる。
現地紙デイリーニュース・エジプトが 27 日伝えた。
MCITと環境省の間で結ばれた協力合意に基づくも
ので、デスクトップパソコン 76 台、USBメモリ 48 個、ノー
トパソコン 77 台、プリンター21 台、GPS(全地球測位シ
ステム)機器といくつかの電子機器の調達を行う。総額
は7億エジプトポンドにのぼると予想されている。
オラスコム-ハッサン・アラム連合、
軍用空港建設を受注
エジプトの建設大手オラスコム建設とハッサン・アラム
の連合グループは軍用空港の建設に関する入札につ
いて契約を獲得した。関係者の話として現地紙デイリ
ー・エジプトが 26 日伝えた。
空港はシナイ、カタメヤ、西カイロの3カ所で、将来的
には民間への転用を予定。空港の設計・再確認と実行
段階の監督については、エジプトの設計会社エンジニア
リング・コンサルタンツ・グループ(ECG)が落札した。
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4日(日)
ECGによると空港開発の設計を年末までに終える予
定で、各空港には 8,000 ㎡の敷地に 27 の施設やターミ
ナル、管制塔や照明等関連施設も建設される。気象観
測所、従業員用のホテルや駐車場、モスク、水貯蔵タン
クや塩素処理室なども設置されるようだ。
トルコ
独フェロスタール、トルコで
風力発電事業へ進出
独プラント建設大手のフェロスタール(Ferrostaal)は 28
日、風力発電のEPC(設計・調達・建設)契約を主に手
がける傘下のフェロスタール・インダストリアル・プロジェ
クト(FIP)社がトルコの風力発電事業許可について、入
札段階に入ったと発表した。合計 500MW(メガワット)以
上の風力発電事業を電力網に接続する。
入札の一部として、既に 10 基の風力発電所が予備開
発され風力測定などが行われている。プロジェクト開発
は伊投資会社リライト・キャピタル(Relight Capital)と合
同で行われる。資金はフェロスタールと MPC キャピタル
(MPC Capital AG)の合弁会社であるフェロスタール・キ
ャピタルが全額提供する。
FIP風力開発部門代表のホルガー・ボーイ(Holger
Boy)氏は「リライト・キャピタルとの提携は新興国トルコの
再生可能エネルギー市場へ参入する非常に良い機会
だ。経済成長、電力需要の増加、豊富な風力資源や政
治環境はトルコでの風力発電市場の形成に理想的だと
考えている」と述べた。
トファシュ、フィアットの
新モデル生産をスタート
トルコのコチ(Koç)と伊フィアット・クライスラー(FCA)
による合弁会社トファシュ(Tofaş)が、フィアットの新型セ
ダンをトルコ北西部の都市ブルサ(Bursa)にある工場で
生産を開始し、28 日コチとフィアットの代表者らとトファシ
ュの従業員らが出席して竣工式が行われた。
コチの代表によると、新車の生産開始にあたりコチとフ
ィアットは 15 億㌦を超える額を研究開発費に投じ、3年
間にわたり約 2,000 人のエンジニアが開発に携わったと
のこと。また代表は、高付加価値化と競争力強化を図る
ため、コチ、フィアット、トファシュの3社が一丸となって開
発プロジェクトを進めてきたと生産までの軌跡を語った。
新たにハッチバックとステーションワゴンタイプの生産も
間もなく開始される見込みで、今後 7 年間で 120 万台を
生産予定。トルコ国内だけではなく、欧州、中東、北アフ
リカなど 40 カ国以上で販売する。
トファシュは 1990 年代の初め頃から研究開発に力を入
れ、現在では欧州にあるFCAの研究施設の中で 2 番目
に大きな研究開発センターにまで成長している。
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プライメタルズ、エルデミールから
亜鉛めっきラインを受注
エンジニアリング大手の英プライメタルズテクノロジー
ズ社は 30 日、トルコの製鉄メーカー、エルデミール
(Erdemir)社の黒海沿岸エレーリ(Ereğli)工場向けに、
連続亜鉛めっきラインを一括受注したと発表した。エル
デミール社は自動車外板パーツの専用ラインを新設し、
新たな市場分野へ参入する。
ラインでは外板パーツを中心に自動車業界向けの IF
鋼、高強度冷間鋼板を年間 35 万㌧製造する。据え付
け・土建工事はトルコの現地企業が担当し、2018 年度の
完成を見込んでいる。
プライメタルズテクノロジーズは 2015 年1月に三菱日立
製鉄機械とシーメンス VAI メタルズテクノロジーズの製鉄
プラント事業を統合し発足した合弁企業で、三菱日立製
鉄機械が 51%、シーメンスが 49%の株式を保有する。
トルコで来年1月から
未包装チーズ販売が規制
食品・農業・畜産省の新しい規制により来年1月1日以
降、トルコでの未包装チーズ販売が終了となる。現地紙
ハリヤットが 28 日伝えた。
今回の規制によりチーズ販売は劇的な変化を迎え、衛
生管理された包装済みチーズのみが市場で販売可能と
なる。食品のなかでも特に乳製品は健康・衛生面で包装
されるべきだという判断となった。また、規制により同時
に白チーズの塩分濃度の引き下げとチーズへの香料使
用禁止が行われる。
ナショナル・ミルク・カウンシルのデータによると、2013
年トルコの1人当たりのチーズ消費量は 16.5kgと世界標
準より高く、最高水準の消費地である欧州 17.01kgに次
ぐ値となっている。
ホテルチェーンロタナ、トルコに進出
アラブ首長国連邦(UAE)のホテルチェーンロタナ
(Rotana)は 26 日、イスタンブールに2カ所にホテルをオ
ープンし、トルコへ進出したことを発表した。
新しくオープンしたブルグ・アルジャーン・バイ・ロタナ
(Burgu Arjaan by Rotana)とタンゴ・アルジャーン・バイ・
ロタナ(Tango Arjaan by Rotana)それぞれの客室を合わ
せると全部で 319 室となり、ロタナ全体では1万 3,679 室
の客室を保有することになる。
ロタナはまた、トルコの不動産会社ダプ・ヤピ(Dap
Yapi)とアンタルヤ地方の不動産2カ所について契約を
締結。チェビズリ(Cevizli)に位置するダルガ・レジデン
シーズ(Dalga Residences)ヴァーゾ・レジデンシーズ
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
(Vazo Residences)を取得し、さらに 330 室を追加した。
ダルガは年末、ヴァーゾは来年3月までのオープンを予
定している。
欧州復興開発銀行、トルコの港湾運営
グローバル・ポーツの株式取得
欧州復興開発銀行(EBRD)がトルコの大手港湾運営
会社グローバル・ポーツ・ホールディングス(Global Ports
Holding, GPH)の株式 10.84%を取得した。現地紙ハリ
ヤットが 28 日伝えた。
GPHは地中海やアジア太平洋地域の5カ国で8つの
港を保有している世界有数の港湾運営会社だ。
EBRDは株主としてGPHの役員候補を1人任命し、コ
ーポレートガバナンスの充実と競争力強化を支援してい
きたいとコメントを発表。また、GPHは 2018 年までに海
外証券市場への上場を計画しており、トルコにおける港
湾・インフラ部門へのさらなる資金流入につながることを
期待しているとのこと。
EBRDは 2009 年にトルコで投資活動を開始し、現在
はイスタンブール、アンカラ、ガズィアンテプにオフィスを
構えている。2014 年のEBRDのトルコ投資額は 14 億ユ
ーロに達し、投資先国としてトルコが第1位となった。
EBRDは現在までに約 160 件のインフラやエネルギー
などのプロジェクトを通じてトルコで 60 億ユーロ以上の投
資を行っている。これらのプロジェクトには他の金融機関
からも 120 億ユーロを超える投資が行われている。
ヨルダン
マサケン・キャピタル、エジプトの
不動産会社を買収
ヨルダンの投資会社マサケン・キャピタル(Masaken
Capital)は、エジプトの不動産会社を買収する計画を明
らかにした。プロジェクトの拡張が狙い。ハサン・イスマイ
ク(Hasan Ismaik)会長の話として 28 日、現地紙デイリー
ニュース・エジプトが伝えた。
イスマイク会長はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの建
設大手アラブテックの元CEOで、アラブテックは8月に
マサケンの株式 37%を取得している。会長によると、同
社はヨルダンでの存在感を高めることに加えて、UAE、
サウジアラビアやエジプトへの進出を計画しており、来期
はヨルダン、中東やアフリカの低所得者層に向けたプロ
ジェクトに注力していくという。
イスマイク氏はアラブテックCEO時代の昨年3月、エジ
プトのアブデルファタフ・アッ・シシ(Abdel Fattah Al-Sisi)
国防大臣(現エジプト大統領)と 100 万戸の若年層向け
住宅建設について契約を締結していた。イスマイク氏は
昨年6月にアラブテックCEOを退任しているが未だ
11.8%の株式を保有している。
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Weekly TNS Business News 中東版
イエメン
豪ペトセック、三井 E&P などから
アル・バルカ第7鉱区権益の買収完了
オーストラリアの石油大手ペトセック・エナジー(Petsec
Energy)は 30 日、三井E&Pなどからイエメンのアル・バ
ルカ(Al Barqa)第7石油探鉱区における権益、合計
29.75%の買収を完了したと発表した。
権益の内訳としては Mitsui E&P Middle East B.V.から
8.5%、オーストラリアの石油探査 AWE Limited から
21.25%をそれぞれ取得した。
第7鉱区は首都サナア(Sana’a)から約 340km に位置
する広さ 5,000 ㎡の陸上石油探査鉱区で、アル・ミーシ
ャー(Al Meashar)油田が発見されており、その他にも多
くの油田発見が期待されている。
現在の権益はペトセック(29.75%)、運営社のオイル・
サーチ(34.00%)、クフペック(21.25%)、イエメン石油・
ガス社(Yemen General Corporation for Oil and Gas)が
15%を保有している。
イラン
インフレ率、モルダードは 12.6%へ加速
イラン中央銀行(CBI)はイラン暦モルダード(7月 23 日
〜8月 22 日)の都市部インフレ率を発表し、前年同時期
に比べて 12.6%上昇したことを明らかにした。
健康が 24.3%、娯楽・文化が 18.8%、外食・ホテルが
17.9%伸びて押し上げ要因となった。住宅・水道・電気・
ガス・その他燃料は 12.4%、食品・非アルコール飲料は
12.0%上昇。運輸と教育は 11.5%と 11.0%それぞれ値
上がり。他に衣類・履物(10.7%)、雑貨・サービス
(10.6%)、家具・家電・設備修繕・維持(5.9%)、たばこ
(4.5%)、通信(4.4%)なども上昇。
CPIは前月比では 0.1%上昇。通信が 7.6%、食品・非
アルコール飲料が 2.7%と大きく伸び、健康と外食・ホテ
ルは共に 1.8%上昇。住宅・水道・電気・ガス・その他燃
料は 1.4%値上がり。衣類・履物は 0.5%、たばこは 0.4%
伸びている。娯楽・文化は 0.3%加速し、運輸、教育と雑
貨・サービスは共に 0.2%上昇。家具・家電・設備修繕・
維持は横ばいとなった。
(図表は巻末へ)
衛星機材、航空機など総額 210 億㌦を
ロシアから調達
イランはこのほどロシアと、衛星機材や航空機など総額
210 億㌦にのぼる調達契約を締結していたことが明らか
になった。イラン航空産業機構(IAIO)代表マヌチェフ
ル・マンタギ(Manouchehr Manteghi)氏の話としてロイタ
ー通信などが 26 日伝えた。
目次へ
第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
契約は先月ロシアで行われた航空ショー
「MAKS-2015」にて調印されており、衛星関連機材やス
ホーイ社の地域間輸送用旅客機(リージョナルジェット)
「スホーイ・スーパージェット 100」などに関するものだとい
う。具体的な契約数は明らかにされていない。
8月下旬にはイランのソレナ・ハッタリ(Sorena Sattari)
副大統領がロシアと2種類以上の戦闘機購入について
交渉していることを明かしている。また、衛星の打ち上げ
用としてロシア製ロケットを使用することも検討している。
国営ガス会社、シスタン・バルチェスタン州
でガス供給事業を始動へ
イランは近く南東部のシスタン・バルチェスタン
(Sistan-Baluchestan)州で 18 億㌦に及ぶガス供給事業
を開始する。イラン国営ガス会社(NIGC)の企画部長ハ
ッサン・モンタジール・トーバティ(Hassan Montazer
Torbati)氏の話として、シャナ通信などが 27 日伝えた。
プロジェクトにはパイプライン 260km の敷設、加圧基地
7カ所、電気通信システムの設置などが含まれる。これ
により都市・農村部の 30 万戸以上が天然ガスの供給を
受けることになるという。他に各都市の発電所や工場な
どにもガス供給を予定している。
昨年8月、トーバティ氏はシスタン・バルチェスタン州の
火力発電所へガス供給を行うことにより、イランは年間 15
億㌦の燃料費を節約することができると述べていた。
イスラエル
メラノックス、EZ チップを8億㌦超で買収へ
イスラエルの半導体設計メラノックス・テクノロジーズ
(Mellanox Technologies)は 30 日、イスラエルのネットワ
ーク通信半導体製造 EZ チップ・セミコンダクター
(EZchip Semiconductor)を8億 1,100 万㌦で買収するこ
とで合意したと発表した。
メラノックスは EZ チップの株式 100%を取得、買収によ
りイーサネット関連製品を加えて事業強化を行う。来年
の3月までの手続き完了を見込んでいる。
テバ・ファーマ、メキシコ同業RIMSAを買収
イスラエルの製薬大手テバ(Teva)・ファーマシューティ
カル・インダストリーズは1日、メキシコの同業レプレセン
タシオネス・エ・インベスティガシオネス・メディカス
(Representaciones e Investigaciones Médicas, S.A. de
C.V.:RIMSA)を 23 億㌦で買収すると発表した。
リリースによればRIMSAは幅広い製品群と有望な新
薬候補も持ち、市場での地位も確立しているという。テバ
のメキシコ・中南米事業を拡大に役立つとの判断だ。
RIMSAの 2014 年売上高は2億 2,700 万㌦で、今回の
買収によりテバはメキシコで製薬最大手規模となる見込
みだ。2016 年初めの取引完了を予定している。
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Weekly TNS Business News 中東版
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第 1 号 2015 年(平成 27 年) 10 月 4 日(日)
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