水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤の開発に関するシンポジウム

水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤の開発に関するシンポジウム
土木学会水工学委員会では、平成 19 年 9 月に水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤(CommonMP)
構築に関する小委員会を設置し、水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤の開発や運営体制などについ
て国土技術政策総合研究所とともに議論して参りました。
本シンポジウムは、これまでに議論・検討してきました内容を広くお知らせし、今後の水・物質循環
解析ソフトウェア共通基盤の開発・活用の方法を議論することを目的としたものです。
日時
平成 21 年 3 月 12 日(木)
会場
建設交流館 8階 グリーンホール
午後 1:30 ~ 4:30
主催:(社)土木学会水工学委員会水理・水文解析ソフトウェア共通基盤小委員会
共催:国土技術政策総合研究所、水文・水資源学会
参加費:無料
◇ プログラム ◇
1:30-1:40
開催にあたって
山田
正(水工学委員会委員長)
1:40-2:00
CommonMP 開発・運営体制
大平一典(国土技術政策総合研究所河川研究部長)
2:00-2:30
CommonMP の開発状況
菊森佳幹(国土技術政策総合研究所)
2:30-2:50
小委員会での議論の内容
2:50-3:00
休憩
3:00-3:40
CommonMP プロトタイプの紹介
立川康人(京都大学)
荒木千博(建設技術研究所)、
ラッピングによる既存プログラムの活用
河上展久(パシフィックコンサルタンツ)
3:40-4:20
国土交通省における CommonMP 活用の取り組み
五道仁実(河川局河川計画課情報対策室長)
4:20-4:30
CommonMP の今後の開発予定
菊森佳幹(国土技術政策総合研究所)
※各説明の後に 5~10 分程度の質疑を予定
「水・物質循環解析ソフトウエア共通基盤」
ホームページ
http://framework.nilim.go.jp/index.html
1
2
CommonMPの開発・運営体制について
z 河川部門の他に、下水道部門を加えて官学民からなるコンソー
シアムを結成
z 流域水・物質循環解析のためのより広範囲な連携を目指す
z それぞれの部門ごとに要素モデルやデータの仕様等を検討
コンソーシアムの構成組織
国土交通省河川局
国土交通省都市・地域整備局下水道部
国土交通省国土技術政策総合研究所
(社)土木学会
(社)建設コンサルタント協会
(社)全国上下水道コンサルタント協会
1
コンソーシアムの枠組み
¾
¾
官学民の参加によるコンソーシアムの結成
コンソーシアムの枠組みのもとで、運営委員会、幹事会の設置
水・物質循環解析のためのソ
フトウエア開発、運営協議会
(コンソーシアムの結成)
学:土木学会長
民:建コン協会長
水コン協会長
官:河川局長
下水道部長
国総研所長
CommonMPプロ
ジェクト運営委員会
土木学会関連委員長
幹事会
大学研究者
学識者、研究者
国交省 技術者
国交本省課長クラス
国総研 研究者
国総研部長クラス
コンサルタント協会
部会長クラス
国総研 事務局
国総研 事務局
地方自治体技術者
コンサルタント技術者
etc
国総研 事務局
2
3
ソフト共通基盤開発の動機
開発の動機
¾技術系職員の技術力の低下
¾データの重要性の軽視
¾既存のソフトウェアの不在
¾河道計画策定に対する説明責任
¾ソフトウェア及び解析に対する多重投資
仕様・開発目標
¾河道計画・河川管理の実務
での使用
¾開発状況を公開
¾要素モデルの開発の活性化
¾水文・河川データベースとの
接続
¾環境シミュレータへの発展
開発体制
¾国総研主体(本省・地整・土木
学会等と連携)
¾ユーザー支援用のWebサイト
を公開
¾専属スタッフと予算が必要 3
CommonMP導入による効果
【CommonMP導入後】
【現状】
河川事務所
発注
意思
決定
納品
(繰り返し)
意思
決定
発注
•日常の河川管理業務
•データ更新による再計算
河川事務所
利用
管理
意思
決定
発注
納品
納品
コンサルタント
解析プログラム
データ
CommonMP
開発
解析プログラム 加工
データ
コンサルタント
利用
開発
4
4
CommonMPの開発状況
1
日本の河川のデータ、ソフトの現状と課題(1)
データの一部は
河川局標準化
各社のエンジン、各社のソフト専
用の互換性のないデータがその
都度ばらばらの構造で作られ、
流
汎用化されていない
出
データの構造をソフトごと
に処理している
氾
計
濫
解
不
定
析
算
ソ
ソ
フ
I/F フト I/F ト
水文水質DB
水利権DB
流
河川環境DB
氾
出
計
濫
解
不
I/F
定
析
算
ソ
ソフ
フ
I/F ト I/F ト
河川現況DB
流
計
算
A社
ソフ
ト
流
計
算
I/F
B社
ソフ
ト
ダム諸量DB
△△△
流
氾
出
計
算
ソフ
I/F ト
○○○
河川基盤地図
濫
解
不
析
ソ
フ
I/F ト
定
流
計
算
I/F
C社
ソフ
ト
各社解析ソフトも独自に開発し、
データ構造も独自に決めているため、
同じ流域の計算をするときでもソフト
の違いによって複数のデータ構造
のデータを準備しなければならない 2
各社・各河川事務所・地整
等事業主体が独自に整備
5
日本の河川のデータ、ソフトの現状と課題(2)
<水理・水文ソフトウェアの研究・開発の現状>
水理・水文ソフトウェアの研究・開発の現状>
• 他の人の開発したソフトウェアを試す機会がな
い。
• 他のモデルと組み合わせることができない。
• データフォーマットが統一されていないので、
データの再利用ができない。
水理・水文モデ
ルの研究開発が
低迷している。
• 河川・流域データが利用しにくい。
<河川技術者の現状>
・河川技術者の
技術力の低下
• ユーザービリティのよい水理・水文ソフトウェ
アが存在しない
・河川データの
質の低下
→ 自ら水理・水文解析を行う機会の減少
3
共通プラットフォーム(CommonMP)構築の目的
物質循環モデルだけでなく、それをとりまく複雑系を統合的に同
期同調して解析できる共通プラットフォームの構築する。
これにより、水政策検討のツールとなることを目指す。また、水・
物質循環等のモデルの開発環境を提供することにより、水・物質
循環モデルの研究開発の活性化に寄与する。
“複雑系”の
分析・評価・予測
海洋モデル
物質・エネルギー循環
モデル
生物生態モデル
複雑系モデル
○○モデル
互いに
同期同調
社会経済モデル
地球物理環境
モデル
自己増殖が
可能
4
6
開発における留意事項(前提条件)
<必要事項>
• 開発過程などがオープンとなっていること
• 使用したい者が誰でも使用できること
• モデルの組み替えや追加・修正などが容易に行えること

「共通基盤の開発に関
する情報を共有できる
場=コンソーシアム」を
つくることにより、継続性
・発展性を確保


必要機能の明確化
使いやすさ(GUIあり/なし)
データベース、GIS等との親
和性 などにも留意
5
CommonMPの特徴
河道
計算
○○
計算
局所流
計算
降雨
予測
流出
計算
河道
計算
CommonMP
氾濫
計算
CCo
omm
mmo
onn
MMP
P
流出
計算
要素
モデル
CommonMPの特徴
 要素モデルを容易に交換・追加・削除できる
 新規の要素モデルを開発するとき
・開発者は計算部分のみをプログラミングすれば良い
・計算以外の部分のプログラムは用意されている
・他のモデルとdtをそろえる必要はない
 モデル間の接続関係を定義すれば、プログラミングの技術を持たない
者でも、水文解析を行える
6
7
CommonMPの検討対象範囲
•水循環の複雑系のうち、3年程度を目安として、雨水流出や河道
水理を中心とした水理・水文量の解析を対象として開発。
•平成20年度は、プロトタイプを開発。
<総合的な水物質循環モデル>
社会経済
生物生態
海洋
地球物理環境
<基本となる水物質循環モデル>
水文
物質・エネルギー循環
3年程度の対
象範囲
蒸発散
移流・拡散
<流出・水理解析モデル>
水質
雨水流出・河道水理などの水量解析
河床変動
地下水
7
CommonMP開発・運営の全体スケジュール案
H19年度
H20年度
H20年度末
プロトタイプ完成
H21年度
H21年度末
Ver.1完成
CommonMP
管理運営
要素モデル等開発
プラットフォーム開発
CUI版(GUI無し)
必
機
洗
出
要
能
い
し
要 求
事 項
の
定 義
シ
テ
要
定
ス
ム
件
義
標準
PF
要求
仕様
書
基 本
設 計
標準PF開発
(CUI)
詳 細
設 計
GUI版
プロトタイプ
運用・評価
標準PF
ver1(CUI)
標準PF開発
(GUI)
標準PF
ver1(GUI)
(組み込み)
標準PF開発
(GUI)
画面設計
標準PF開発
(CUI)
(組み込み)
プロトタイプ
運用・評価
GIS
GIS要求
仕様の検討
(組み込み)
GISエンジンの開発
GIS要求
仕様書
CommonMP用APIの開発
(実装)
要素モデル
仕様検討
運用・Verアップ
運用・Verアップ
運用・Verアップ
(実装)
要素モデル開発(第1次)
要素モデル標
準仕様(初版)
運用・Verアップ
要素モデル開(第2次)
要素モデル作成・利用マニュアル
既存Fortranのラッピングの検討
固有GUI開発
ラッピングマニュアル
(実装)
洪水予測システム対応ツール等
の開発
プロジェクトの管理運営基準等の検討
情報共有・交換,ソフト普及,TRACを活用した開発経過トレース,バグ報告、英語化等
HP立ち上げ
土木学会
研究討論会
OHyMoS
ライセンス シンポジウム
契約締結
要素モデルの評価(土木学会)
土木学会
研究討論会
8
シンポジウム
コンソーシア
ム設立
土木学会
研究討論会
講習会
8
現在のCommonMPの開発・検討状況
プロトタイプの開発

 プロトタイプの設計・実装

GIS要求仕様の検討

要素モデル等の開発
 分布型流出計算、不定流計算、平面二次元氾濫計算モデルの開発
 ラッピングによる既存プログラム活用方法の検討
CommonMPの管理運営

 管理・運営方針の検討
 ホームページの立ち上げ、更新
 土木学会研究討論会、小委員会等での議論
9
プロトタイプの開発(1) 3つのパッケージ
③表示部(ビューア部)
HySViewerCtl
ビューア
制御部
(Contloll)
HySSysCtl
②制御部
シ
ス
テ
ム
制
御
部
HySViewer
(Viewer)
HySScreen
ビューア部
(例)要素モデル固有GUI
画面
HySBusi
Procedure
業務
処理部
演算制御部
HySSimCtl
3つのパッケージ
①演算部
②制御部
③表示部(ビューア部)
HySLibrary
Mng
ラ イ ブ ラリ
管理
演算系構成単位
McFigureUnity
要素モデル
×N
CommonMP実装部分
要素モデル
ユーザが独自に開発する部分
①演算部(Model)
10
9
プロトタイプの開発(2) クラス構成とプロトタイプ開発範囲
伝送データクラス
1次元伝送データクラス
要素モデルクラス
要素モデルクラス
(ユーザが開発)
(ユーザが開発)
基本型要素モデルクラス
基本型要素モデルクラス
(PFで準備)
(PFで準備)
継承
2次元伝送データクラス
3次元伝送データクラス
地図データクラス
表データクラス
入出力
データクラス
ファイル
アクセスクラス
ネットワーク
アクセスクラス
Web
アクセスクラス
アダプタクラス
基本型要素モデル
クラス
DB連携クラス
境界接続モデルクラス
境界接続モデルクラス
(ユーザが開発)
(ユーザが開発)
継承
デモ用
要素モデルクラス
××モデル
××モデル
○○モデル
○○モデル
××モデル
××モデル
【パッケージとクラスの対応】
①演算部
伝送データクラス、入出力データクラス
モデルマネージャクラス、端子クラス
基本型要素モデルクラス
GUIクラス
ビューア
制御クラス
ビューアクラス
表示画面クラス
表画面クラス
グラフ画面クラス
地図画面クラス
ライブラリ
管理画面クラス
プロジェクト
管理画面クラス
ソフトウェア開発サービス
ソフトウェア開発サービス
(.NET
(.NET Framework)
Framework)
②制御部
制御クラス
モデルジェネレータ
モデルジェネレータ
端子クラス
端子クラス
受信端子
クラス
モデルマネージャクラス
モデルマネージャクラス
演算系
構成単位クラス
送信端子
クラス
要素間接続情報
データクラス
GIS API
赤字のクラスがプロ
トタイプ開発対象
データコンテナクラス
データコンテナクラス
制御クラス
制御クラス
業務処理クラス
ライブラリ管理クラス
DB制御クラス
GIS制御クラス
共通ミドルウェア
GIS
サービス
(WEB GISな
ど)
言語サービス
言語サービス
(日本語,英語)
(日本語,英語)
分散コンピューティングサービス
分散コンピューティングサービス
(NFSなど)
(NFSなど)
ネットワークサービス
ネットワークサービス
(TCP/IP)
(TCP/IP)
インストーラ
インストーラ
凡例
GIS
GIS
カーネル
カーネル
セキュリティサービス
セキュリティサービス
(必要に応じて)
(必要に応じて)
【プロトタイプで可能なこと】
•要素モデルの作成
標準PF
の範囲
•要素モデルの計算
開発Ver1
•要素モデルの結合
プロトタイプ
開発
基盤ソフトウェア
基盤ソフトウェア
オペレーティングシステム
オペレーティングシステム
(Windows,Linux)
(Windows,Linux)
③表示部(ビューア部)
GUIクラス
データコンテナクラス
モデル
編集画面クラス
KMLクラス
○○モデル
○○モデル
*1
COTS
COTS*1利用
利用
•2次元までのデータ伝送
•テキストファイルを対象とし
たデータ入出力
•基本的画面の利用
11
プロトタイプの開発(3) モデル構築・演算イメージ
12
10
GIS要求機能の検討(1) GISサービスの構成検討
O-1 GISサービス=GIS製品
業務機能の一部をGIS製品で実現
概要
業務機能
CommomMP等 アプリケーション※
GISサービスの範囲
GIS製品の境界
GIS製品API
GISサービスAPI
O-2 GISサービス=
GIS製品+CommonMP標準API
CommonMP標準APIを設け、河川業
務機能の共通化を実現
CommomMP 等アプリケーション※
河川管理業務標準API
CommonMP標準API
GIS製品
GIS製品
業務要求の実現容易性
(運用変化への追従)
△ 業務機能の一部がGIS製品に分
散されているため、アプリケーション
対応とGIS製品対応の同期を取
る必要がある。
○ GIS製品に依存ぜず、業機機能の
開発・変更が可能
GIS製品調達の透明性
△ 業務機能の一部をGIS製品に含
み調達するため、透明性が低い
○ 業務機能が含まれないため透明
性が高い
(GISのセカンドベンダー化が容易)
トータルライフサイクルコスト
△ 初期開発では、低コストである
が、APIの共通化が行われてい
ないため、トータルコストは高い
○ CommonMP標準APIの初期投資は
必要であるが、共通化が行われて
いるため、トータルコストは低い
総合評価
△
※CommomMPアプリケーション:GISを利用するモデルジェネレータ、地図データクラス、地図クラスのこと
○
13
GIS要求機能の検討(2) 要求機能の考え方の整理
機能配分の基本的な考え方
GIS製品
・空間情報の基本的な処理機能
・
・汎用のGISデータ形式を取扱うもの
CommonMP
標準API
・河川業務のうち、共通的な要素を有す
る機能(個別性の低い業務機能)
・事務所やコンサル等で用いられる頻度
が高いもの
・河川業務特有のGISデータ形式を取扱う
もの
河川管理業務 ・個別性の高い業務機能
標準API
・比較的使用頻度が低い機能
得られるメリット等
・調達の透明性が得られる
(複数のGIS製品を選定可能)
・最新の民間技術を導入可能
・機能を共通化することにより、重
複開発が防止でき、コスト低減
が可能
・河川業務の標準化の推進が可能
・個別業務要求に適したアプリ
ケーションの開発・維持が可能
・研究要素等が含まれる機能
14
11
GIS要求機能の検討(3) 要求仕様書の作成
CommonMPに付属させるGIS製品とAPIの要求機能と、今後に必要とされる機能の想定
要求内容分類
項
目
番
号
機能概要
GIS
製品
1.
GIS製品そのものの機能で対応
-
1.1
一般的な必要機能
-
Comm
omMP
API
必要性
河川
業務
API
理由等
a
本製品は、河川業務において共通的
(一般的)に用いられる共通基盤と
なるものであり、将来CommonMP
の共通基盤としても活用できるなど、
GISとしての拡張性を有すること。
○
CommomMPのモデルジェネレータクラ
スは、要素モデルクラスから利用される
GIS機能であり、将来CommomMPに実
装されるモデルに対応できるよう拡張性
を有する必要がある。
b
GISと連携するサブシステムとの親
和性を高めるためにオブジェクト指
向技術を用いて計画/製造されたGIS
エンジンであること。
○
CommonMPは、オブジェクト指向設計
技術を用いて開発するため、GIS機能が
オブジェクト指向設計技術を用いて開発
していることは必須。
c
要素モデル等のシステム構築に必要
なアプリケーションンインタフェー
スを開示できること。
○
CommonMPでは、仕様を公開すること
が必須
空間情報管理機能等の必要機能
1.2
-
a
測地系は、世界測地系(測地成果2
000)に準拠していること。
○
測量法改正のため必須。
b
座標管理は、緯度・経度・高さを管
理可能な3次元GISシステムである
こと
○
モデルの計算結果を3次元で表示するこ
15
とが必要
説明資料ー1
次元が異なるモデル間の接合方式(例)
CommonMP管理運営基準の検討
1 総則
2 組織構成
3 適用指針
1 CommonMP プ ロ
ジェクトの全体要綱
2 CommonMPプロジェ
クトの管理運営指針
1
2
3
4
5
総則
プロジェクトの運営
維持管理
適用基準
雑則
2-1 CommonMP 2-2 CommonMP 2-3 CommonMP 2-4 CommonMP 2-5 標準要
プ ロ ジ ェ ク ト 運 営 ソフトウェア維持 バ ー ジ ョ ン 管 理 の 開 発 ・ 維持 管 素モデル維
基準
管理基準
基準
理環境運営基準 持管理基準
1
2
3
4
5
6
総則
組織構成
コンソーシアム運営基準
運営委員会運営基準
幹事会運営基準
部会運営基準
1 総則
2 適用
3 ソフトウェアの維持管理
1 総則
2 バージョン管理方針
3 ベースラインの概念
4 ベースラインの管理
5 ベースライン管理の細部
要領
1 総則
2 CommonMPソフトウェア管
理システム運営基準
3 CommonMPソフトウェア動
作確認基準
4 COTS選定基準
1
2
3
4
総則
適用
維持管理
バージョン管理
2-6 要素モ
デル登録・
認定基準
1 総則
2 CommonMP適合
性確認基準
3 CommonMPソフトウェア
と要素モデルの技術指針
3-1 CommonMPソフ
トウェアと要素モデル
の開発基準・規約
1 総則
2 適用
3 CommonMPソフトウェア
の開発基準
4 要素モデルの開発基準
3-2 開発・研究者
向けドキュメント
CommonMP
基本設計書
3-3 利用者向け
ドキュメント
CommonMP
詳細設計書
CommonMPプロ
グラム設計書
CommonMP
操作説明書
要素モデル
詳細設計書
要素モデルプロ
グラム設計書
チュートリアル
要素モデル適
用手順書
新規要素モデ
ル作成手引き
ラッピング手引き
16
12
CommonMPホームページの随時追加・更新
17
H20年度土木学会全国大会研究討論会
「水理・水文解析ソフトウェア統合型共通基盤の発展に向けて」
水理・水文解析ソフトウェア統合型共通基盤の発展に向けて」
座 長
山田
正
話題提供者 大平 一典
中央大学理工学部土木工学科 教授
国土交通省国土技術政策総合研究所 河川研究部長
五道 仁実
国土交通省河川局 河川情報対策室長
椎葉 充晴
京都大学大学院工学研究科 教授
佐藤 宏明
(財)河川情報センター 情報基盤整備部長
高木 茂知
パシフィックコンサルタンツ(株)
取締役 国土保全技術本部長
(株)日立製作所 ディフェンスシステム事業部
情報システム本部国家安全保障総括部長
青木 純一
18
13
14
土木学会 水工学委員会
水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤に関する小委員会
小委員会での議論の内容について
立川 康人 (京都大学大学院 工学研究科)
水理・水文解析ソフトウェア共通基盤とは何か?
異なる水理・水文解析の要素
モデル、たとえば
流出計算モデル
河道追跡計算モデル、
氾濫計算モデル
流出モデル
を自在に結合して高度な水工
シミュレーションを実現する共
通ソフトウェア基盤を意味す
る。
流出モデル
15
河
道
モ
デ
ル
流出モデル
河道モデル
なぜ水理・水文解析ソフトウェア共通基盤を
開発する必要があるのか?
1)より高度な水工シミュレーションが求められるようになっている。
共通基盤の上で動作する要素モデルを組み合わせて使うことで、高度な水工シ
ミュレーションを容易に実現する。
2)解析ソフトウェアの透明性(解析ソフトウェアの品質保証)が求められている。
共通基盤の上で動作する要素モデルを開発者以外が使うことで、品質が保障
される。
3)外国(特にアジアのインフラ整備)で使われるような日本発の共通基盤が必
須である。
共通基盤を開発し、多くの要素モデルがその上で開発され利用されることで、
国外でも認知されるようになる。
水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤に関する
小委員会の役割
■ソフトウェア開発に対する助言
共通基盤はどのような機能を持つ必要があるか?
どのような仕様をもつソフトウェアを実現するか?
■普及・利用促進とそれを支える体制の構築
共通基盤を維持する体制をどのように形成するか?
誰もが参加し、普及・利用を促進するしくみをどのように構築するか?
■品質保証
水理・水文解析ソフトウェアの品質保証とは何か?誰が保障するか?
品質を確認するための信頼あるデータはどう整備するのか?
16
水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤の活動の流れ
2007年度 水理・水文解析ソフトウェアの仕様策定
2007年9月 全国大会(広島)での研究討論会
2008年3月 土木学会(東京)での講習会
2008年度 水理・水文解析ソフトウェアの開発
2008年9月 全国大会(仙台)での研究討論会
2009年3月 建設交流会館(大阪)での講習会
2009年3月 水理・水文解析ソフトウェアのプロトタイプ版の公開
水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤に関する小委員会
の2008年度の議論の内容
 ソフトウェア開発に対する助言
CommonMP のプロトタイプ版の公開 (2009年3月)
 普及・利用促進とそれを支える体制の構築
CommonMP のライセンスに関する議論。オープンソースとす
る方向でまとまりつつある。
要素モデルのライセンスに関する議論。要素モデルのライセ
ンスは開発者に帰属する。ソースコードの公開・非公開は開発
者が決めることである。
17
水理・水文解析ソフトウェアの共通基盤に関する小委員会
平成21年度の活動予定
ソフトウェア開発に対する助言
 version 1 の公開(2010年3月)に向けた技術的支援
普及・利用促進とそれを支える体制の構築
 土木学会全国大会(福岡大学)での研究討論会
 全国での講習会の開催
 CommonMP を用いた水理公式集例題プログラム集の企画立案
 学官民からなるコンソーシアムの立ち上げ
 技術小委員会、普及・促進小委員会、品質保証小委員会などの
立ち上げ。委員の公募も考える。
共通基盤検討・開発、管理運営の全体のスケジュール案
CommonMP
管理運営
要素モデル等開発
プラットフォーム開発
H19年度
必
機
洗
出
要
能
い
し
要 求
事 項
の
定 義
シ
テ
要
定
ス
ム
件
義
H20年度末
プロトタイプ完成
H20年度
CUI版(GUI無し)
標準
PF
要求
仕様
書
基 本
設 計
標準PF開発
(CUI)
詳 細
設 計
GUI版
標準PF開発
(CUI)
標準PF
ver1(CUI)
標準PF開発
(GUI)
標準PF
ver1(GUI)
(組み込み)
標準PF開発
(GUI)
画面設計
プロトタイプ
運用・評価
H21年度
(組み込み)
GISエンジンの開発
GIS要求
仕様書
要素モデル作成・利用マニュアル
既存Fortranのラッピングの検討
運用・Verアップ
(実装)
要素モデル開発(第1次、1.5次)
要素モデル標
準仕様(初版)
運用・Verアップ
運用・Verアップ
CommonMP用APIの開発
(実装)
要素モデル
仕様検討
運用・Verアップ
(組み込み)
プロトタイプ
運用・評価
GIS
GIS要求
仕様の検討
H21年度末
Ver.1完成
要素モデル開(第2次)
固有GUI開発
ラッピングマニュアル
(実装)
洪水予測システム対応ツール等の開発
プロジェクトの管理運営基準等の検討
情報共有・交換,ソフト普及,TRACを活用した開発経過トレース,バグ報告、英語化等
HP立ち上げ
土木学会
研究討論会
OHyMoS
ライセンス
契約締結
要素モデルの評価(土木学会)
講習会
土木学会
研究討論会
コンソーシアム設立
18
講習会
土木学会
研究討論会
講習会
8
CommonMPプロトタイプのデモ
水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤(CommonMP)の開発に関するシンポジウム
2009/03/12
1
CommonMPの特徴
河道
計算
○○
計算
局所流
計算
降雨
予測
流出
計算
河道
計算
CommonMP
氾濫
計算
CCo
omm
mmo
onn
MMP
P
流出
計算
要素
モデル
CommonMPの特徴
 要素モデルを容易に交換・追加・削除できる
 新規の要素モデルを開発するとき
・開発者は計算部分のみをプログラミングすれば良い
・計算以外の部分のプログラムは用意されている
・他のモデルとdtをそろえる必要はない
 モデル間の接続関係を定義すれば、プログラミングの技術を持たない
者でも、水文解析を行える
2
19
プロトタイプにおけるCommonMPの特徴の実現(1/2)
流域からの流出モデル
氾濫解析
モデル
河道における洪
水流解析モデル
利用可能なモデ
利用可能なモデルの登録 ルをドラッグ&ド
・自分で開発したモデル
・他から提供されたモデル
ロップで選択・変
更できる
境界条件
設定
3
プロトタイプにおけるCommonMPの特徴の実現(2/2)
解析モデルを設定した後、
それぞれのパラメータと初
期値を設定できる。
・GUIからの入力
・ファイルからの入力
双方に対応可能な仕組み
(モデル開発者が実装)
4
20
CommonMPを構成するクラスとプロトタイプ開発範囲
伝送データクラス
1次元伝送データクラス
要素モデルクラス
要素モデルクラス
(ユーザが開発)
(ユーザが開発)
基本型要素モデルクラス
基本型要素モデルクラス
(PFで準備)
(PFで準備)
継承
2次元伝送データクラス
3次元伝送データクラス
地図データクラス
表データクラス
入出力
データクラス
ファイル
アクセスクラス
ネットワーク
アクセスクラス
Web
アクセスクラス
アダプタクラス
KMLクラス
DB連携クラス
○○モデル
○○モデル
【プロトタイプで可能なこと】
××モデル
××モデル
•要素モデルの作成
基本型要素モデル
クラス
継承
デモ用
要素モデルクラス
•要素モデルの計算
境界接続モデルクラス
境界接続モデルクラス
(ユーザが開発)
(ユーザが開発)
○○モデル
○○モデル
•要素モデルの結合
××モデル
××モデル
GUIクラス
•2次元までのデータ伝送
ビューア
制御クラス
ビューアクラス
表示画面クラス
表画面クラス
グラフ画面クラス
地図画面クラス
モデルジェネレータ
モデルジェネレータ
端子クラス
端子クラス
演算系
構成単位クラス
受信端子
クラス
送信端子
クラス
要素間接続情報
データクラス
GIS API
•基本的画面の利用
データコンテナクラス
データコンテナクラス
データコンテナクラス
モデル
編集画面クラス
ライブラリ
管理画面クラス
•テキストファイルを対象とし
たデータ入出力
モデルマネージャクラス
モデルマネージャクラス
制御クラス
制御クラス
業務処理クラス
ライブラリ管理クラス
DB制御クラス
GIS制御クラス
プロジェクト
管理画面クラス
GIS
サービス
(WEB GISな
ど)
【ver1で可能となること】
インストーラ
インストーラ
凡例
標準PF
の範囲
ソフトウェア開発サービス
ソフトウェア開発サービス
(.NET
(.NET Framework)
Framework)
共通ミドルウェア
分散コンピューティングサービス
分散コンピューティングサービス
(NFSなど)
(NFSなど)
GIS
GIS
カーネル
カーネル
プロトタイプ
開発対象
基盤ソフトウェア
基盤ソフトウェア
オペレーティングシステム
オペレーティングシステム
(Windows,Linux)
(Windows,Linux)
言語サービス
言語サービス
(日本語,英語)
(日本語,英語)
開発Ver1
ネットワークサービス
ネットワークサービス
(TCP/IP)
(TCP/IP)
セキュリティサービス
セキュリティサービス
(必要に応じて)
(必要に応じて)
•3次元データの伝送
•データベース、ネット
ワークなどへのアクセス
•GISの利用
•GUIのバージョンアップ
など
*1
COTS
COTS*1利用
利用
5
3つから構成されるCommonMP のパッケージと
要素モデル開発者の作成部分
③表示部(ビューア部)
HySViewerCtl
ビューア
制御部
(Contloll)
HySSysCtl
②制御部
シ
ス
テ
ム
制
御
部
HySViewer
(Viewer)
HySScreen
ビューア部
画面
3つのパッケージ
①演算部
②制御部
③表示部(ビューア部)
HySBusi
Procedure
業務
処理部
演算制御部
HySSimCtl
HySLibrary
Mng
ラ イ ブ ラリ
管理
演算系構成単位
McFigureUnity
要素モデル固有GUI
実河川の適用モデルを作成するときに
便利な画面。
例)河道モデルの断面設定画面
氾濫モデルの格子設定画面 など
CommonMP実装部分
ユーザが独自に開発する部分
要素モデル
×N
※既に開発してある要素モデル
を利用して実河川に適用し、計算
するだけであれば、何も開発する
必要はない。
要素モデル
①演算部(Model)
6
21
要素モデルのプログラム作成
要素モデル開発者
がプログラミング
するメソッド①~④
CommonMPが
提供する動作環
境ライブラリ
①初期値の設定
②1ステップ分の演算処理
要素モデ
ル開発者
が作成す
る部分
③他の要素モデルに送るデータの設定
④モデルパラメータの設定
7
プロトタイプのGUIの画面構成
プロジェクト管理画面
モデル管理画面
画面
機能
プロジェクト
管理画面
プロジェクト作成・
保存
計算処理
ライブラリ管
理画面
利用可能な
要素モデル、
入出力、
伝送データ
の管理
モデル管理
画面
モデル構築(個別
データ設定、モデ
ル接続など)
ライブラリ管理画面
※GUIの無い
CommonMPも利用可能
8
22
プロトタイプのモデル構築・演算イメージ
デモ用要素モデル : 長方形河道のキネマティックウェーブモデル
(水理公式例題プログラム集2-2をCommonMP要素モデル仕様に書き換え Fortran→C#)
9
プロトタイプの結果表示イメージ
10
23
24
2009.3.12 水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤に関するシンポジウム
ラッピングによる既存プログラムの活用
平成21年3月12日
1
ラッピングの概要とその必要性

ここでいうラッピングとは
 CommonMPを実装している言語であるC#以外で書かれた解析プログラム
を、CommonMPの要素モデルとして活用するための手法
 異なる言語を包み込むようにシステムに組み込むことからラッピングと呼ん
でいる

ラッピングを検討する理由
 これまで開発してきた資産である解析プログラムを活用する手法を検討す
るため
 現在稼働中の解析システムにCommonMPを適用させていくための段階的
手段を検討するため
2
25
要素モデルに実装している内容
CommonMP上で演算処理を行う解析プログラム

 ユーザが開発することができ、CommonMP上で演算処理を行う
 CommonMPは要素モデル間の接続関係を定義する
要素モデルに実装される内容

要素モデル
 演算部分:数値解析の演算処理そのもの
 通信部分:データ送受信のための通信処理
演算処理
通信処理
要素モデル A
要素モデル B
要素モデル C
プラットフォーム
演算処理
演算処理
演算処理
接続定義・演算制御
通信処理
通信処理
通信処理
入力
入力
データ
データ
入力
出力
入力
出力
入力
出力
共通プラットフォーム
出力
出力
データ
データ
3
ラッピングの種類(想定)
書き換え
ラッピング
要素モデル(C#)にコンバート
Fortran実行ファイルと通信
FortranとC#を一つの実行形式
概要
メリット
既存モデル(Fortran)を要 既存モデル(Fortran)と要素
素モデル(C#)に書き換え モデル(C#)間のデータ通信
FortranオブジェクトとC#と
のオブジェクトをLinkerによ
り1つの実行形式を生成
•動作が確実
•複雑なモデルは作業に
•既存モデルと要素モデル
に通信部分を実装する
•コンパイラ等に依存しない
•手法を流用できる
デメリッ
ト
•大規模なモデルだと作業 •受け渡すデータが多いと処
が膨大になる
理が煩雑になる
イメージ
既存モデル
(Fortran)
演算処理
コンバート
(新規作成)
要素モデル(C#)
演算処理
通信処理
一つの実行
形式
既存モデル
(Fortran)
演算処理 通信処理
要素モデル(C#)
FortranとC#間
の通信
要素モデル(C#)
通常の
要素モデル
•コンパイラが限定される
通信処理
通信処理
Fortranの実行
ファイル
演算処理をもた
ない要素モデル
共通プラットフォーム(
C#)
共通プラットフォーム(C#)
26
既存モデル
(Fortran)
演算処理
通信処理
4
要素モデル(C#)と既存モデル(Fortran)の通信方法の比較
既存モデル(Fortran)
要素モデル(C#)
FortranとC#間の通信方法
演算処理 通信処理
通信処理
メリット
デメリット
名前付き
パイプ
ファイルアクセスと同様であり、言語に依
存しない。出力をファイルに置き換え、
データの評価などを行うことが可能。
通信速度が遅くなる可能性がある。
一度に書き込めるデータ量に制限があり、
デッドロックなどの対策が必要
共有メモリ
大容量のデータを共有する場合には有効 プロセス間でメモリを共有する場合、排他
的。
制御が必要となる。
ソケット
通信
ネットワーク通信機能を使用しており、コ
ンピュータ内部/外部の通信が可能。
通信データの可視化が可能。
通信量が多い場合には、他のソケット通
信に影響を及ぼす可能性がある。
入出力
ファイル交換
作業が簡便でFortranの書き換え不要。
P/F側の変更は、Fortranプログラムの実
行形式を基本型要素モデルから呼び出
すだけでよい。
複数の要素モデル間でタイムステップご
とにデータを通信するには、その都度
Fortranプログラム用のファイルを出力し
なければならない。
アプリケーション間であり、確実な通信が
可能。
双方向の通信においては、同期を取る仕
組みが必要。通信データは内部に蓄えら
れるため、通信データのデバッグは困難。
通信手法
メッセージ
キュー
5
要素モデルとFortran実行ファイルとの通信方式として
優位と考えた名前付きパイプで試行

名前付きパイプを用いたラッピングの特徴
実装作業の容易さ
名前付きパイプとの通信部分の実装に特別な処理はしない
通常利用するファイル入出力関数で名前付きパイプとの通
信が可能
流用が可能
どのようなプログラムでも実装方法に差が出にくい
一度開発したプログラムを利用して、他のFortranモデルの
ラッピングが可能(修正量がわずかで済む)
言語、PC環境に依存しない汎用性
基本的にどんな言語間の通信にも利用できる手法
C#⇔Fortran以外の言語でも利用可能な手法
6
27
名前付きパイプ生成プログラムによる作業効率アップ
名前付きパイプ生成プログラム

名前付きパイプを生成する機能を持ったプログラムを作成
 ユーザによる「名前付きパイプを生成する」という部分の実装が不要
 「ユーザは名前付きパイプのオープン」と「名前付きパイプにデータと
の入出力」の部分を実装
プログラムが提供する部分
要素モデル
入力処理
パイプをオープンする
処理
パイプに書き出す処理
演算処理
パイプから読み込む処理
出力処理
PIP
E
名前付き
パイプ
生成
プログラム
PIP
E
GUI付き
ツールとして開発
① 要素モデルから
書き出し
④ 要素モデルから
Fortran
プログラム
② Fortranか
ら読み込み
パイプをオープンする
処理
PIP
E
パイプから読み込む処理
PIP
E
パイプに書き出す処理
演算処理
③ Fortranか
読み込み
ら書き出し
7
Fortranに実装するコード
パイプをオープンするコードの例(時間ループ外)
Fortranプログラム
OPEN(50,FILE='¥¥.¥pipe¥IN2_F_O',STATUS='OLD', * ACTION='WRITE',ERR=902)
PRINT *,'USER PROGRAM : PIPE [¥¥.¥pipe¥IN2_F_O] open )'
READ(*,*)
OPEN(40,FILE='¥¥.¥pipe¥OUT1_O_F',STATUS='OLD', * ACTION='READ',ERR=901)
PRINT *,'USER PROGRAM : PIPE [¥¥.¥pipe¥OUT1_O_F] open )'
データ入力
パラメータ設定
初期値設定
901
パイプをオープンする処理
902
パイプに読み書きする処理
900
演算処理
時間
ループ
GOTO 900
CONTINUE
PRINT *,'USER PROGRAM : PIPE NOT (¥¥.¥pipe¥OUT1_O_F)'
GOTO 999
CONTINUE
PRINT *,'USER PROGRAM : PIPE NOT (¥¥.¥pipe¥IN2_F_O)'
GOTO 999
CONTINUE
パイプに読み書きするコードの例(時間ループ内)
PRINT *,'USER PROGRAM : OHyMoSJ=>FORTRAN TRIGER READ WAIT!'
READ(40,*) OH_IN
REWIND 40
PRINT *,'Read OHyMoSJ Data = ', OH_IN
PRINT *,'from Fortran Q(40) = ', Q(40)*WIDTH
PRINT *,'USER PROGRAM : OHyMoSJ=>FORTRAN TRIGER READ OK!'
データ出力
Fortranの基本的なファイル
オープンとRead・Writeを用い
ているため、Fortranユーザで
あれば十分実装可能
13行
110
WRITE(1,110) 'Read OHyMoSJ Data:', OH_IN
FORMAT(A,T20,F12.3)
Q1(0)=OH_IN/WIDTH ! OH_INを変数WIDTHで割る
PRINT *,'FORTRAN PROGRAM END => OHyMoSJ'
WRITE(50,920) '1' !パイプに書き込むフラグ「1」
920
FORMAT(a1)
REWIND 50
IF (OH_IN.LT.0) GOTO 998
14行
8
28
演算処理を持たない要素モデルの生成

接続先のプログラムがどんなものであれ、コー
ディングする内容は基本的に同様
 CommonMP要素モデルとしての共通部分のコード
要素モデル
 パイプをオープンするコード
 パイプに読み書きするコード
入力処理
パイプをオープンする
処理
パイプに書き出す処理

演算処理
パイプから読み込む処理
出力処理
一度開発すれば使い回しが可能なめ、ラッピ
ング用のツールとして提供することが可能
 名前付きパイプ生成プログラムとセットで利用するこ
とが前提
 ツールをアレンジするためには、CommonMP対応の
C#コンパイラ(Visual C#2005)が必要
 利用するだけであれば、コンパイラは不要で、
CommonMPが動く環境(.Net Framework 2.0以上)
があればよい
9
CommonMPを用いたラッピングの全体像
CommonMPの領域
CommonMPの領域
ラッピングの領域
CommonMP
CommonMP
河道一次元不定流解析
(水理公式集例題プログラ
ム集の河道一次元モデル)
ハイドロ生成
要素モデル
演算処理
通信処理
流量
CommonMP正規
の要素モデル
流量
ラッピング用
要素モデル
入力処理
パイプをオープンする
処理
Fortran
プログラム
汎用的なツール
として提供可能
名前付きパイプ
生成プログラム
IN1_O_
F
OUT1_O
_F
流量
流量
フラグ
OUT2_F_
O
フラグ
IN2_F_
O
GUIで
動く
パイプに書き出す処理
パイプをオープンする
処理
パイプから読み込む
処理
演算処理
パイプに書き出す
処理
演算処理
パイプから読み込む処理
Fortranが解析する内容
出力処理
パイプから受け取った値を
上流端流量として、一次元
不定流解析を実施
汎用的なツール
として提供可能
DYNAMIC.DAT
Fortranが書き出す
解析結果
10
29
演算結果
演算結果
水理公式集と同じ値が算出されたことを確認できた
2500
下流流量
上流端流量
2000
流量[m3/s]

1500
1000
500
0
0
12
24
36
48
時間[hr]
11
OHyMoSJを用いた演算速度の比較
Case1
降雨
OHyMoSJ
貯留関数法
要素モデル
演算処理
Case2
降雨
OHyMoSJ
Java
Java
空要素モデル
通信処理
通信処理
空要素モデル
一次元不定流
ラッピング
貯留関数法
ラッピング
通信処理
降雨
OHyMoSJ
Java
OHyMoSJ
のみ
貯留関数法
要素モデル
演算処理
通信処理
演算処理
Fortran
Fortran
通信処理
Fortran
空要素モデル
通信処理
通信処理
演算処理
一次元不定流
ラッピング
通信処理
一次元不定流
要素モデル
演算処理
通信処理
演算処理
流量
Fortran
流量
計算時間を50日間とした場合
(72000ステップ)
計算時間を2日間とした場合
(2880ステップ)
ケース
演算時間
流量
OHyMoSJのみに
対する比率
ケース
演算時間
OHyMoSJのみに
対する比率
Case1
0.8222[s]
1.41倍
Case1
-
-
Case2
1.1606[s]
1.99倍
Case2
216.98[s]
1.02倍
OHyMoSJのみ
0.5835[s]
1
OHyMoSJのみ
213.22[s]
1
12
30
名前付きパイプによるラッピングのまとめ

名前付きパイプによるラッピングで以下のことが確認できた
プラットフォーム(OHyMoSJ)本体の修正なしで、ラッピングを
実現できた
空要素モデルを通常の要素モデルと同様にプラットフォーム
から扱うことができた
汎用的な名前付きパイプ生成プログラムを開発することで、
Fortran自体への実装と空要素モデルへの実装の手間が省力
化された
名前付きパイプによるラッピングはプラットフォームの基本機能を
活かしつつ、Fortranプログラムによる演算処理が可能であること
が確認できた。
13
31
32
国土交通省におけるCommonMP 活用の取り組み
地球温暖化に伴う気候変化、集中豪雨や局地的な大雨への対策
河川局
河川計画課河川情報対策室
平成21年3月
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
日降水量、時間雨量の増加傾向
日降水量は100mm以上、200mm以上とも
有意な増加傾向
時間雨量は、50mm、80mm、100mmともに
増加傾向。
1.
日降水量100mm以上の日数
50 ㎜以上の年間発生回数(1000地点あたり)
1時間降水量
400
354
100
350
318
300
80
250
年
間 60
合
計
日 40
数
200
229
216
205
150
107
95
H
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2
約1.2倍
52.0日
2.40
(1978-2007年平均)
1940
1950
1960
1970
1980
1990
2000
3.5日
20
平均
15
15
11
11
H1~H10
27
11.6 回
17
13
5.1日
231 回
8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
33
S51~63
平均
日降水量200mm以上の日数
(1901-1930年平均)
6 7
80㎜以上の年間発生回数(1000地点あたり)
1時間降水量
30
約1.5倍
3 4 5
平均
2010
年
18
H11~20
184回
平均
0
42.8日
93
H1~H10
168 回
平均
206
193
177 171
128
104
S51~63
50
0 (1901-1930年平均)
1900 1910 1920 1930
年
間
合
計
日
数
205
130
100
250
245
232
178
158
152
149
S
14
244
191
181
179
159
154 144
20
16
275
275
245
10
6
5
11.1回
17.6 回
平均
23
23
20
18
15
14
11
10
8
H11~20
27
11
5
5
15
12
11
10
8
9
8
9
8
5
(1978-2007年平均)
0
12
S
H
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
10
2.
8
1時間降水量
10
6
100 ㎜以上の年間発生回数(1000地点あたり)
4
0
1900
8
S51~63
2
5
1910
1920
1930
1940
1950
1960
1970
1980
1990
2000
1.6回
平均
5
平均
5
3.7 回
5
4
4
3
年
2
気象庁資料より
5
4
4
2010
全国51地点の観測値から求めたの日降水量200ミリ以上の年間日数。年々の値
(細線)と11年移動平均値(太線)を示す。
H11~20
H1~10
7
2.2 回
平均
1
0
2
2
2
2
1
1
0
33
1
1
0
S
H
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1
資料)気象庁資料より作成
2
2
2
3
0
0
0
4
5
6
2
3
2
1
0
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
1
平成20年7月末及び8月末の局地的洪水被害
前線等の活発な活動に伴い、時間雨量100mmを超える局所的な集中豪雨により、洪水被害が
発生。愛知県岡崎市では1時間雨量146.5mm
146.5mmの猛烈な降雨を記録した。
い が
なんと
7月28日、石川県金沢市、富山県南砺市
における洪水被害
こいんぜみ
8月29日 矢作川水系伊賀川(愛知県岡崎市)等における
洪水被害
なんと
小院瀬見雨量観測所(南砺市)において、時
間雨量132mm、芝原橋雨量観測所(金沢市)
において時間雨量114mmを記録
JR名古屋駅
※小院瀬見雨量観測所(国交省)
※芝原橋雨量観測所(石川県)
浅野川
岡崎市伊賀町の浸水状況
小院瀬見
岡崎市
岡崎雨量
観測所
名古屋港
芝原橋
三河橋落橋 (竜泉寺川)
伊賀川
決壊箇所:矢作川水系赤川左岸
乙川
●雨量観測所
竜泉寺川
川
田
広
赤川
広田川
幸田町
破堤箇所
浅野川
土砂災害により人家2戸一部損壊(南砺市)
浅野川大橋の流木堆積状況(金沢市)
岡崎市では 床上浸水620戸、床下浸水705戸、幸田
町では、床上浸水24戸、床下浸水23戸の浸水被害が
発生。
浅野川の氾濫により、金沢市で床上浸水500
戸、床下浸水1,467戸の浸水被害が発生。石
川・富山の両県において、55箇所の土砂災害
が発生し、20戸の家屋被害が発生。
9/10 17時愛知県発表
8/30金沢市発表
2
平成20年7月28日 浅野川天神橋水位と降雨量
大野川水系浅野川 芝原橋雨量観測所
0
芝原橋
2
雨量観測所
1
2
時間雨量
累計雨量
9 8
13
1517 16
21 20
23
25
30 28
20
30
200
300
40
4.5
110分
H20.7.28
H10.9.22
H16.10.20
210分
4
パ ラ ペ ッ ト天 端 4.06m
500分
3.5
洪水痕跡水位 3.5m程度
観測上限水位 3.36m
H W L=3.02m
3
水位(m)
100
(累 計 雨 量 mm)
時 間 雨 量 (mm)
0
10
今回(平成20年7月28日)
2.5
水位上昇
約3m
平成10年9月22日
平成16年10月20日
2
1.5
1.5m(はん濫注意水位)
1
0.5
水位上昇開始点
0
0
2:00
100
4:00
200
6:00
300
8:00
400
発 生 日
最大観測水位
水位上昇時間
(水位上昇開始
からピークまで)
30分間での
最大水位上昇量
平成2 0 年7 月2 8 日
3.5m
110分
1.20m
平成10年9月22日
2.32m ※
210分
0.42m
平成16年10月20日
1.99m
500分
0.27m
10:00
500
60012:00 700 14:00800
時 間 (分 )
34
16:00
900
18:00
1000
20:00
1100
1200
※洪水痕跡による水位
3
平成20年7月28日 都賀川甲橋水位と降雨量
・都賀川流域周辺では14:30から15:00、特に永峰・鶴甲の14:40からの10分間に強い降雨
・甲橋水位局では降雨とほぼ同時の14:40から14:50の10分間で水位が1.34m急上昇
・児童を含む5名が死亡、11名が救助、41名が避難
10分間雨量
(mm)
25
鶴甲雨量
14:50
1.01m
H20.7.28
水位[m]
1.2
24
1.0
20
0.8
0.6
15
10分間で
1.34m
水位上昇
10
0.2
0.0
5
14:40
-0.33m
5
六甲川
中一里山
雨量観測所
自然の家
雨量観測所
0.4
10
2
1
2
-0.2
1
1
-0.4
0
杣谷川
鶴甲
雨量観測所
14:00
14:20
14:40
15:00
15:20
15:40
16:00
都賀川甲橋 水位上昇状況 (神戸市モニタリングカメラ画像)
14:40 水位:-0.33m
永峰
雨量観測所
14:50
水位:1.01m
都賀川
甲橋
第1回中小河川における水難事故防止検討WG 兵庫県説明資料より
4
都賀川の事故概要
○7月28日の気象概況
▽近畿地方は、日本の南海上に中心を持つ太平洋高気圧に覆われ、日本海南部にある前線
に向かって暖かく湿った空気が流れ込みやすい状態であった
▽また、上空に寒気が入りこみ、大気の状態が非常に不安定であった
▽兵庫県南部では雷を伴った大雨となり、都賀川流域周辺でも急激に雨域が発達した
(出典:神戸海洋気象台7月30日付気象速報に加筆)
14:20
14:30
都賀川流域及び周辺 都賀川周辺に雨域が
には雨は降っていな 発生・発達し、上流
い
域で雨が降り始める
14:40
14:50
都賀川全流域で雨が 強い雨が継続
降り、更に強くなる
兵庫県南部
■100mm/h~
■~100mm/h
■~50mm/h
■~20mm/h
■~10mm/h
■~5mm/h
■~1mm/h
□0mm/h
■欠測
都賀川流域
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
78 117
6 78 39
6
0 0
0 0 0
0 0
0 15
0
32
81 32
81 81
136
81
110
0
78
91
91
117
117 91
152
56
50 56
35 62
35 62
44
47
45
68
68
55
55 75
49
観測から情報提供までに
要する時間
約10分
出典:国土交通省レーダ雨量観測結果に追記 5
35
豪雨を発生させる様々な要因
台 風
積乱雲が同じ場所で
次々と発生、発達を
繰り返す
前線
・前線を刺激
・台風自らがもたらす大雨 等
積乱雲が発生・
発達し移動する
ごく狭い地域に
数百ミリの雨量
台風等による大雨
台風等による大雨
一過性の大雨
集中豪雨
集中豪雨
局地的な大雨
局地的な大雨
急な強い雨が数時間内で発生・消滅
数日間にわたって降る大雨
数時間先の大雨の予測がある程度可能
数時間先の大雨の予測がある程度可能
大雨の予測が困難
大雨の予測が困難
流域の小さい中小河川の洪水氾濫や流域の大きい
流域の小さい中小河川の洪水氾濫や流域の大きい
大河川の内水による被害が発生する恐れ
大河川の内水による被害が発生する恐れ
特徴
特徴
中小河川において、急激な水位上昇に対応できずに
中小河川において、急激な水位上昇に対応できずに
水難事故が発生する恐れ
水難事故が発生する恐れ
中小河川において、出水時に必要な河川管理を行う
中小河川において、出水時に必要な河川管理を行う
時間が取れずに浸水被害が発生する恐れ
時間が取れずに浸水被害が発生する恐れ
雨量指標
雨量指標
(河川局作成)
流域の小さい中小河川だけでなく流域の
流域の小さい中小河川だけでなく流域の
大きい大河川において洪水氾濫が発生し、
大きい大河川において洪水氾濫が発生し、
大規模な水害が発生する恐れ
大規模な水害が発生する恐れ
1時間雨量、3時間雨量
日雨量(24時間雨量、72時間雨量)、総雨量
6
積乱雲が集中豪雨・局地的大雨をもたらすメカニズム
平成20年度の集中豪雨・局地的短時間大雨は、以下の2種類に大別可能
・一ヶ所で積乱雲が連続して発生
⇒ 広域的な水害
・積乱雲の急発達
⇒ 局地的な水害
気圧配置や地形効果によって
個々の積乱雲の寿命は数十分
水平方向の広がりは
数~十数km程度
高さは十数㎞
激しい上昇流で
発達した積乱雲
ができます
いずれも積乱雲の
挙動が重要
積乱雲が同じ場所で
次々と発生、発達を繰り返す
激しい雨が数時間にわたって
降り続く
一つの積乱雲が発達し衰弱
一過性の大雨
ごく狭い地域に数百ミリの雨量
発達した積乱雲の下で激
しい雨・ひょう・突風が発生
「集中豪雨」
積乱雲連続発生タイプ
下層の暖かく非常に湿っ
た空気が上昇
・金沢浅野川洪水
・停滞前線がゆっくりと南下
・浅野川流域で積乱雲が連続して発生
⇒ 浅野川の氾濫による広域水害
・岡崎豪雨
・停滞前線がゆっくりと南東進
・岡崎付近で積乱雲が連続して発生
⇒ 岡崎で短時間強雨による広域水害
・東京でも平成17年9月に東京都杉並区での
事例などがある。
36
「局地的大雨」
積乱雲急発達タイプ
・都賀川増水
・停滞前線がゆっくりと南下
・先行する積乱雲が都賀川上流域で急発達
・急傾斜・合流・直線等の河川の特徴も影響し、
一気に都賀川が増水。
⇒ 河川敷にいた方が被災
・雑司ヶ谷増水
・停滞前線がゆっくりと南東進
・先行する積乱雲が東京都心で(急)発達
・降雨が集中するマンホール内で急に増水
⇒ マンホール内にいた方が被災
7
集中豪雨・局地的な大雨について(事例と技術課題)
集中豪雨の例 平成17年9月4日、東京都杉並区の大雨
21時の実況(解析雨量)
22時の実況(解析雨量)
23時の実況(解析雨量)
A
B
B
24時の実況(解析雨量)
A
・A―Bのような複数の積乱雲が同じ場所で次々と発生し、長い時間大雨が継続。
・組織的な雨雲の移動から、目先数時間の大雨はある程度予測可能。
いずれも、
・最大の課題は、積乱雲が「同じ場所で次々発生する」ことの予測。
・事後の事例解析等で、メカニズムについての研究事例はある。
積乱雲の発生メカニズム
・予測に生かすための、さらなる積乱雲の発生メカニズムの研究が必要。
に関する研究が重要
局地的な大雨の例
・XバンドMPレーダーの
新規展開などに期待
平成20年8月5日、東京都豊島区雑司ヶ谷の大雨
12時の実況(解析雨量)
11時の実況(解析雨量)
14時の実況(解析雨量)
13時の実況(解析雨量)
・雨雲が急に発生し、狭い場所に大雨を降らせ、移動し消滅。
・雨雲は、局地的に発生し、寿命が短く、予測は難しい。
・最大の課題は、積乱雲の「個々の発達・衰弱」を少しでも早く把握する技術。
・本来は個々の積乱雲の発生予測も望まれるが、科学的・技術的に困難。
・個々の積乱雲を対象とした新しい観測システムやデータ処理手法の開発を通じた、
積乱雲発生メカニズムの研究が必要。
8
水災害予報センター(仮称)の開設
◇気候変化に伴う洪水の増大や局地的豪雨の発生に対し犠牲者ゼロを実現するため、地方整備局に
水災害予報センター(仮称)を開設し、水災害監視や市町村・報道機関等への情報提供等の危機管
理対応を強化
◇気候変化のモニタリングや水災害リスクの評価、先進的な水災害予測システムの整備等を推進
水災害監視及び情報提供の強化
気候変化のモニタリングや水災害リスク評価
・高精度なレーダーや洪水予測システムを用いた水災害監視とともに、多様な伝達手段
による情報提供により、市町村や住民等の適切な判断や行動の支援を強化する
・気候変化のモニタリングや水災害リスク評価により、気候変化によ
る水災害の増大が国民生活や社会経済に与える影響を明らかに
する
(イメージ)
例)災害による犠牲者の予測
A
入 間 台 地
洪水予測
リアルタイム洪水危険度
イメージ
リスク増
レーダー観測
CCTVカメラ映像
)))
ICタグ
緊急警報装置
地上デジタル放送
緊急アラームメールの配信
ワンセグ放送
C
D
E
F
氾濫解析
氾濫解析を実施・類型区分
水災害予報センター(仮称)
B
潜在的犠牲者
発生指数
影響、脆弱度の評価
先進的な水災害予測システムの整備
・流域一帯となった適切な危機管理のため、分布型洪水予測や
内水も含めた洪水危険度、リアルタイムはん濫予測などの水災
害予測システムの整備を進める
直轄区間
指定区間
(左) 分布型流出モデルのイメージ
(中) 流域毎の洪水危険度表示のイメージ
(右) 高精度なはん濫シミュレーション結果のイメージ
9
37
CommonMPの導入例
水文データ
(レーダ雨量、水位等)
流域のデータ
(居住分布等)
地形データ
気象予測データ
CommonMPへ入力可能な形式で収集
降雨予測
流出解析
氾濫解析
被害の解析
CommonMPの利用
CommonMPより 理解、判断しやすい形式で出力し国民へ発表
洪水予報の発令
避難勧告等の判断
の基礎データ
被害の予測
10
洪水予測システム構築におけるCommonMP利用の方向性
●CommonMPの運用に合わせ、河川事務所が用いる洪水予測システムについて、CommonMPにおける可用性を
検証した上で、CommonMPに対応した統合的なシステムを構築していく。
洪水予測・氾濫予測システム
レーダー(国土交通省、気象庁)
地方整備局
河川事務所
都道府県など
レーダー
雨量情報
【データ受信部】
予測に必要な
データ取得
統一河川
情報システム
サーバ
テレメータデータ
雨量情報
水位・潮位情報
ダム情報
気象庁
共 同 発 表
【演算部】
・予測計算
・フィードバック
データ受信部
【共通化】
洪水予警報文
等作成システム
河川毎にはCommonMP上で
稼働する要素モデルの開発
に特化する
データ
授受
洪水予測
計算
【データ送信部】
予測結果の送信
データ送信部
【共通化】
氾濫予測
計算
データ授受
【共通化】
CommonMP利
用の想定範囲
【画面表示部】
予測結果の所内閲覧
一般周知
市町村
(水防管理団体 )
画面表示部
【共通化】
報道機関
避難勧告
避難場所
一般周知
水防活動指示
水防活動
避難
11
38
水文データ~集中豪雨や局地的な大雨に対する観測の高度化~
●気象庁Cバンドドップラーレーダの整備(5カ所、平成20年度補正)
●気象庁Cバンドレーダ情報の発表間隔の短縮(10分→5分)(平成21年度出水期から)
●気象庁Cバンドレーダにより短時間強雨、落雷、突風に関する短時間予測情報の発表(平成22年度から)
●局地的な大雨の頻発を踏まえ、既存のCバンドレーダ監視・観測の空間的・時間的ギャップを埋めるため、三大都市圏等に高
解像度のXバンドMPレーダを整備して集中豪雨や局地的な大雨の監視・観測の強化を図る
●250~500m程度の高解像度及び1分程度毎の間隔で観測・監視を行う
XバンドMPレーダによる降雨量観測 Cバンドレーダ
(雨粒の大きさ、雨域の発達・移動を (現状)による
詳細に観測)
降雨の発生 降雨量観測
雹 豪雨へ発達し
た段階
初期段階
Cバンドレーダ
Xバンドレーダ
雨粒
広い範囲を
監視
雨粒
Cバンドレーダ
発達
豪雨
降雨開始
時間T
対象地域を、高
頻度、高解像度
で監視
観測目的
Xバンドレーダ(目標値)
Cバンドレーダ
降雨の実況観測強化(狭域・詳細)
雨域の発達、移動過程の詳細な観測
1分
降雨の実況監視(広域)
雨域の発達、移動過程の観測
5分
1~2分
250~500m
5~10分
1km
二重偏波の有無(雨粒の形状把握)
ドップラー観測(風向の観測)
○
○
△*1
△*1
ボリュームスキャン(雨粒形成過程の把握)
○
△*1
観測間隔
情報発表までのタイムラグ
提供するデータの分解能
12
水文データ~集中豪雨や局地的な大雨に対する観測の高度化~
●XバンドMPレーダを関東、北陸、中部、近畿の4地域に設置し、平成25年度から河川管理における観測の本
運用を目指す。
XバンドMPレーダ配置予定
関東、北陸、中部、近畿の4地域
(各2~4基、計10基程度予定)
《スケジュール》
平成21年度
平成22~24年度
平成25年度以降
設置
試験運用
本運用
XバンドMPレーダ
配置予定エリア
13
39
地形データ~航空レーザ測量による詳細地形の把握
●航空レーザ測量等による高精度な3次元地形データを整備
航空機に搭載した航空レーザスキャナから地上に向けてレーザパルスを発射し、反射して戻ってきたレーザ
航空機に搭載した航空レーザスキャナから地上に向けてレーザパルスを発射し、反射して戻ってきたレーザ
パルスを解析することで三次元地形データを取得。
パルスを解析することで三次元地形データを取得。
三次元地形データから河道横断形状や氾濫原の地形形状などを得ることが可能。
三次元地形データから河道横断形状や氾濫原の地形形状などを得ることが可能。
航空レーザ測量による
河道横断形状把握イメージ
14
地形データ~航空レーザ測量による詳細地形の把握
●航空レーザ測量等による高精度な3次元地形データ(5mメッシュ地形データ)を整備することにより、
従来の地形図でできない中小河川や微地形を再現するはん濫解析を進める
従来の地形データ
:標高誤差1m程度
新たに作成する地形データ
:標高誤差30cm程度
出典:『図解 航空レーザ測量』(財)日本測量調査技術協会
詳細地形データ作成エリア図
15
40
洪水予測・氾濫予測
●高解像度のレーダ雨量データや地形データの活用による高精度な洪水予測、氾濫予測、避難誘導システム整
備を進める
地形データ
レーダ雨量データ
レーダ雨量データ等を入力し洪水予測
高精度地形データを用いた氾濫予測
16
予警報技術の高度化
●解像度の高いレーダ雨量や地形データを活用した洪水予測や分析を行い、適切な避難行動に必要なき
め細やかな情報提供を実現するための技術開発を推進する
<洪水時の避難誘導における主な課題>
•高齢者や保育園児などの災害時要援護者の増加
•避難勧告が発令されても避難しない人が多い
•地下街や低地では浸水が早く、早めの避難が必要
•避難時の事故(蓋が外れたマンホールに足を取られ水死等)
<対応>
•予測・情報の解像度・精度向上
•判断・行動につながる情報の充実
•異常性を理解できる情報の充実
•あらゆる伝達手段の活用
降雨予測や洪水危険度予測等
R(x、y、time、・・)
地形特性(窪地、地下街等)
E(x、y、・・)
河川やはん濫の特性(浸水深、流速等)
h(x、y、time、・・)
道路の状況等
水災害予報センター(仮称)
遊歩道
L(x、y、r、・・)
国道○号
避難所の位置
S(r、V、・・)
市民センター
学校
小学校
住民の属性(年齢、要援護者、外来者等、建物特性
等)
健常者・1階
屋内の2階に避難
健常者
老人ホーム
保育園
健常者・高層
外来者
f(R、E、h、L、S、P、・・・)
41
P(r、rank、・・)
○○避難所に避難
17
情報提供の高度化
●きめ細やかな情報提供を実現するための情報基盤整備を推進する
現在地と避難所への避難経路情報
例:地下鉄、地下街
安全区域の情報等
出口
(((
例:高架の駅、高台、マンション
避難指示が発令されま
した。
○番出口より○○ビル
へ避難してください。
例:地下鉄、地下街
(((
地上デジタル放送
)))
避難指示が発令さ
れました。
最寄りの避難所へ
避難してください。
避難指示が発令
されました。
最寄りの避難所
へ避難してくだ
さい。
凡例:洪水時に浸水しない安全な区域
高架の駅
高層住宅(3F以上)
高台(EL.○○m以上)
(((
(((
(((
)))
)))
)))
(((
)))
現在地と避難所への避
難経路情報
(((
▲
水災害予報センター(仮称)
(((
)))
(((
)))
河川や堤防の縦断的な実況の情報
例:「○○km地点のリアルタイム画像」
(((
G
リアルタイム氾濫
シミュレーション結果
)))
情報サーバ
(((
)))
18
42
CommonMPの今後の開発予定
1
3月末にCommonMPホームページで公開予定の内容
区分
公開内容
備考
CommonMP 基本設計書
の基本設計
プロトタイプ
ラッピング
プロトタイプ(実行可能形式) 業務、研究等で必要なユーザに個
別に配布し、利用いただき意見をも
らう(Ver1.0への反映)
プロトタイプ操作マニュアル
サンプルデータを用いたクイック
チュートリアル
要素モデル作成の手引き
プロトタイプで新規要素モデルを作
成する手順書(要素モデル開発要
求書)
既存のFortranプログラムをラッピン
グしてCommonMPで稼働する方法
Fortranラッピングの手引き
2
43
CommonMP開発・運営の全体スケジュール案
H19年度
H20年度
H20年度末
プロトタイプ完成
H21年度
H21年度末
Ver.1完成
CommonMP
管理運営
要素モデル等開発
プラットフォーム開発
CUI版(GUI無し)
必
機
洗
出
要
能
い
し
要 求
事 項
の
定 義
シ
テ
要
定
ス
ム
件
義
標準
PF
要求
仕様
書
基 本
設 計
標準PF開発
(CUI)
詳 細
設 計
GUI版
プロトタイプ
運用・評価
標準PF
ver1(CUI)
標準PF開発
(GUI)
標準PF
ver1(GUI)
(組み込み)
標準PF開発
(GUI)
画面設計
標準PF開発
(CUI)
(組み込み)
プロトタイプ
運用・評価
GIS
GIS要求
仕様の検討
(組み込み)
GISエンジンの開発
GIS要求
仕様書
CommonMP用APIの開発
(実装)
要素モデル
仕様検討
運用・Verアップ
運用・Verアップ
運用・Verアップ
(実装)
要素モデル開発(第1次)
要素モデル標
準仕様(初版)
運用・Verアップ
要素モデル開(第2次)
固有GUI開発
要素モデル作成・利用マニュアル
既存Fortranのラッピングの検討
ラッピングマニュアル
(実装)
洪水予測システム対応ツール等
の開発
プロジェクトの管理運営基準等の検討
情報共有・交換,ソフト普及,TRACを活用した開発経過トレース,バグ報告、英語化等
HP立ち上げ
土木学会
研究討論会
OHyMoS
ライセンス シンポジウム
契約締結
要素モデルの評価(土木学会)
土木学会
研究討論会
シンポジウム
コンソーシア
ム設立
土木学会
研究討論会
講習会
3
CommonMPの今後のイベント等
CommonMP利用講習会
要素モデル作成講習会
河川管理者向け講習会
4
44