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RALLY / GYMKHANA / DIRT TRIAL&more... “EXCITING” MOTOR SPORTS MAGAZINE
vol.15
FREE
無料
CLUB Bは国内 Bライセンス
モータースポーツを
応援します!
新城Special
特別編集/
2015全日本ラリー選手権最終戦新城ラリープレビュー
2015全日本ラリー&ジムカーナ&ダートトライアル選手権終盤戦ダイジェスト
JAF Bライセンス取得ガイド&全国Bライモータースポーツ競技場一覧
Bライセンスモータースポーツの
基礎知識&ココが知りたい!
〜アナタの素朴な疑問にお答えしちゃいます!〜
雨に祟られた一戦となったラリー北海道
はタイヤ選択が的中した奴田原文雄が
DAY1のマージンを守って逃げ切った。
雨を突いた奴田原エボXがラリー北海道制覇!
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2015全日本ラリー選手権終盤戦ダイジェスト
5
JRC
第7戦 9/18-20 RALLYHOKKAIDO(北海道)
第8戦 10/16-18第43回MCSC
ラリーハイランドマスターズ2015(岐阜県)
全9戦で行われる今年の全日本ラリー選
まるラリーは、3日間で740kmを走り、内、
手権は、9月にラリー北海道が行われてグ
勝敗を決するSSの距離は189kmと通常の
利だった奴田原文雄が勝利をさらった。雨
チョイス。この賭けが当たってDAY1に大
ラベルラウンドは終了。10月半ばには伝統
全日本戦の倍以上の距離を走る。
が降り続き、路面がひどく悪化すると読ん
きなリードを築いて逃げ切った。
のハイランドマスターズ」が行われ、最終
今年は本格的な戦いが始まる19日土曜
だ奴田原はヘビィウェット路で抜群のグ
A031は道が荒れれば荒れるほど性能を
戦新城を残すのみとなった。
が終日、雨。APRCの競技車が走った後に
FIAアジアパシフィックラリー選手権
走る全日本のクルー達は、雨でぬかるみ、
(APRC)と併催で行われるラリー北海道
所によっては岩も顔を出すハードな路面と
は、シリーズ中、最大のスケールを誇るラ
格闘を強いられ、今年もサバイバルラリー
リー。金曜夜のセレモニアルスタートで始
の様相を強めることになった。
1 2
全日本最速のJN6クラスは、今季未勝
第7戦ラリー北海道/ 1.今季初優勝を飾った奴田原とチームクルー達。今季初の1勝を獲得した。2.最終日DAY2の午後は
晴れやかな青空が広がり、セレモニアルフィニッシュが行われた帯広市近郊の北愛国交流広場は多くのギャラリーが詰めか
けた。3.4.JN5クラスは7月に行われたグラベルの一戦ラリー洞爺で久々の優勝を飾った関根正人がグラベルラリー 3連勝
を飾った。5.6.JN2クラスは完走一台というまさにサバイバルなラリーに。地元池田町在住の阿部敬珠が嬉しい全日本初優
勝をもぎ取った。7.JN3クラスも完走1台と厳しい戦いに。シリーズ中盤やや調子を落としていた岡田孝一が復調につなが
る勝利をマークした。
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3
6
4
リップを見せるADVANのA031タイヤを
7
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8 16
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12 13
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19
第8戦MCSCラリーハイランドマスターズ/ 8.9.JN6クラスは新井敏弘がセッティングの進んだ新型WRXで早く
も5勝めをマークした。10.JN2クラス高橋悟志は2位に入ってタイトルを確定した。11.JN5クラスでも天野智之が
2位に食い込んでV2を確定。12.13.JN2クラスは今年しばしばベストを奪うなど速さを垣間見せてきた関東の若手、
鈴木尚が待望の全日本初優勝を飾った。14.15.JN4クラスは、優勝請負人としてチームに呼ばれる格好となった横
尾芳則が第6戦に続いて優勝。過去3度の全日本チャンプに輝く実力者だ。16.17.JN5クラスは、今年から86にス
イッチした山口清司が、86を手なづけて今季初優勝。新城でも台風の眼になりそうだ。18.前戦でチャンピオンを
決めたJN3の岡田孝一は今回も快調なペースでラリーを進めて今季4勝めをマーク。19.新型WRXで舗装2戦めとな
るラリーを迎えた勝田範彦は最後まで新井にプレッシャーをかけ続け、2位というまずまずの順位でラリーを終えた。
発揮するタイヤではあるが、守備範囲が広
オンを確定させた。
戦、シーズン半ばから新型のVAB型WRX
での10秒のマージンを守り切って5勝めを
いわけではない。雨が中途半端な降りとな
ラリー北海道から約1ヵ月のインターバ
にスイッチした勝田のスピードだった。VAB
マークしたが、勝田はDAY2でトップタイム
れば、通常のラリータイヤの方が速さを発
ルを置いて開催された第8戦は岐阜高山周
での舗装は2戦め。しかし舗装デビュー戦
をマーク。一時は2秒を切るところまで新井
揮する可能性もあったが、奴田原の戦略が
辺をフィールドとする伝統の一戦、ハイラ
となった8月の第6戦は雨に祟られ、しかも
に迫り、最後までプレッシャーをかけ続け
吉と出たわけだ。
ンドマスターズ。 かつてはこのラリーもラ
特別ルールによりタイヤも通常のセミレー
た。最終戦新城ラリーでのVABバトルが楽
しみになってきた、と言えるだろう。
シリーズリーダーの新井敏弘はDAY1、
フなグラベルロードを舞台としたカーブレ
シングタイヤ(※公道の走行も許されるハ
同じADVANのA053をチョイス。最終日の
イクラリーとして知られたが、近年は舗装
イグリップタイヤ)が規
DAY2はトップタイムをマークした。総合の
ラリーを続けている。
制されたため、舗装を得
順位とは別に、DAY単位でも順位に応じて
新井のチャンピオンが確定したとは言え、
意とする勝田のVABの
ポイントが加算されるポイントシステムに
奴田原そして一昨年まで4連覇を果たした
ポテンシャルが計りがた
より、新井は貴重な3ポイントの上乗せに
勝田範彦は終盤戦で意地を見せたいところ
かったからだ。
成功。2戦を残して見事にシリーズチャンピ
だ。特に注目されたのは新井に遅れること4
結果は新井がDAY1
20.21.アジアパシフィックラリー選手権ではシュコダを駆るポ
ンタス・ティデマンドが圧倒的なスピードを見せて快勝した。
22.クスコワールドラリーチームからエントリーのマイケル・ヤ
ングはGRBインプレッサでの最上位となる2位を獲得した。
20
21
22
第7 戦 RALLY HOKKAIDO
JN6クラス
優勝
2位
3位
JN5クラス
優勝
2位
3位
JN3クラス
優勝
JN2クラス
優勝
完走7台
奴田原文雄/佐藤忠宜
新井敏弘/田中直哉
炭山裕矢/保井隆宏
完走4台
関根正人/竹下紀子
天野智之/井上裕紀子
中村修/木村悟士
完走1台
岡田孝一/鶴田邦彦
完走1台
阿部敬珠/阿部祥吾
三菱ランサーエボリューションX
スバル WRX STI
スバル WRX STI
三菱ミラージュ
トヨタGRMNヴィッツ
三菱ミラージュ
マツダ・デミオ
スズキ・スイフト
第8 戦 第 43回MCSCラリーハイランドマスターズ 2015
JN6クラス
優勝
2位
3位
JN5クラス
優勝
2位
3位
JN4クラス
優勝
2位
3位
JN3クラス
優勝
2位
3位
JN2クラス
優勝
2位
3位
最終戦を待たずにほぼチャンピオンが確定。
ひと足お先に今シーズンを振り返ってみた。
全日本最速のJN6クラスでは新井敏弘がタイトルを確定したが、その他のクラスも今年
は最終戦を待たずにチャンピオンが決まるケースが続いた。
1,500 〜 3,000ccの車両が対象のJN5クラス(※ターボ等の過給車は規定により、排
気量に1.7の計数がかかるため、2リッターターボのWRX、ランエボは上のJN6クラスに
属する)は、天野智之ヴィッツターボと、シリーズ中盤、得意のグラベルを連勝した北海道
の関根正人ミラージュとのバトルとなったが、第8戦で2 位に入った天野が2 年連続でタイ
トルを確保した。このクラスは今年、フィアット500、プジョー 208といった輸入車勢も勝
利を上げるなど群雄割拠の一年に。ただパーツ供給等の面でも難しさのあるこれら輸入車
勢はグラベルラリーでは欠場する等、フルにシリーズを追えなかったことが響いた形だ。
ただこれまで、これほど多くの輸入車が全日本選手権に参戦したことはかつてなかった。
例えば眞貝知志の駆るフィアット500は基本的にはFIAが定めるR3 規定に沿って作られた
クルマ。それを全日本の規定にマッチさせるべくいくつかの特別な規定を設けて受け入れた
形になっているが、
“本場”の匂いのするバリバリのラリーカーが全日本に登場したことは十
分にエポックメーキングな出来事だったことは間違いない。
1,400 〜 1,500ccの2WD車両が対象のJN3クラスはシリーズ中盤、グラベルで連勝し
た寺川和紘のデミオが、岡田孝一デミオに迫ったが、ポイントが大きく加算できるラリー北
海道は仕事と重なったために寺川は欠場。このラリーを制した大ベテランの岡田孝一がタイ
トルを確定させている。1,600cc以下の2WD車で、比較的、ノーマルに近いRPN車両で
競われるJN2クラスはやはりスイフトスポーツが強く、成立した6戦中4戦を制している
が、タイトルを決めたのはヴィッツの高橋悟志。まだ若手に入る実力派は、硬軟路面を選ば
ぬ速さが自身2 度めの王座をもたらしてくれた形だ。
JN1クラスは台数不足によりシリーズが不成立となったため、残るクラスはJN4クラス
のみ。石川昌平、番場彬という若手二人が最終戦で雌雄をかけて戦う形となっている。
完走8台
新井敏弘/田中直哉
勝田範彦/石田裕一
奴田原文雄/佐藤忠宜
完走10台
山口清司/山本磨美
天野智之/井上裕紀子
関根正人/竹下紀子
完走6台
横尾芳則/渡邉晴子
小濱勇希/馬場雄一
佐藤隆行/味村寛
完走7台
岡田孝一/鶴田邦彦
島田章/内藤雄樹
佐藤隆行/味村寛
完走4台
鈴木尚/山岸典将
高橋悟志/箕作裕子
中井育真/佐土原慶一
スバル WRX STI
スバル WRX STI
三菱ランサーエボリューションX
トヨタ86
トヨタGRMNヴィッツ
三菱ミラージュ
トヨタ86
スバルBRZ
スバルBRZ
マツダ・デミオ
マツダ・デミオ
スバルBRZ
スズキ・スイフト
トヨタ・ヴィッツ
マツダ・デミオ
23
24
25
26
23.24.JN3クラスのシリーズタイトルを確定の天野智之は昨年後半からヴィッツ
ターボを投入。第4戦では大転倒を喫するも第6戦でヴィッツターボ初の1勝をマー
クと復調を遂げた。25.26.天野と同じく中部地区の高橋悟志は全日本ラリー期待の
若手実力派の一人。2007年のレビン以来となるタイトルを確定した。
5
全8戦で行われる2015年の全日本ジム
カーナ選手権は10月11日、埼玉県の本庄
サーキットで開催された最終戦で約7カ月
に渡ったシリーズの幕を閉じた。
1
2
真夏の炎天下で行われた第6戦関越ス
ポーツランドの一戦で4名ものドライバー
4
6
が早々とチャンピオンを確定するなど、例
年にないワンサイドゲームの趣も強かった
5
7
8
今年のシリーズだが、第7戦九州恋の浦の
地では山野哲也、岡野博史といった全日本
ジムカーナを代表するトップドライバーも
タイトルを確定。迎えた最終戦本庄は5ク
ラスのタイトル決戦が持ち込まれることに
9
なった。
本庄はミニサーキットとはいえ、ストレー
トの長さが特長のひとつとあつて、ジム
10
3
カーナのコースとしても高速よりの設定が
毎年なされる。それゆえ、テクニックに加
え、度胸も求められる緊張感溢れるラスト
バトルが続いた。
初チャンピオンを狙う二人による真っ向
勝負となったのはPN1とSA1の2クラス。最
もノーマルに近い車両で競われるPNクラ
ともにスイフトスポーツを駆るドライ
スに対し、SAクラスはナンバー付車両の中
では最も改造が許されたクラスになる。
ドライに転じた2本めでトップを奪うという
一方、シビックvsCR-Xという旧車同士
バー同士の決戦となったPN1クラスは阪本
大逆転を見せて、見事に優勝。苦節20年
のバトルとなったSA1クラスは東北の工藤
芳司がウエットだった1本めの10番手から、
で念願の初タイトルを奪取した。
典史シビックが、全日本参戦1年めでタイト
2014王者達が貫禄の走りを見せてタイトル防衛
2
0
1
5
JGC
13 15
18
2015全日本ジムカーナ選手権終盤戦ダイジェスト
第7戦
最終戦
16
9/19-20
10/10-11
17
とびうめジムカーナフェスティバルin九州
スピードパーク恋の浦(福岡県)
RRC群馬スペシャリストジムカーナin本庄
本庄サーキット(埼玉県)
23
19
24
14
20 21
25
22
6
最終戦本庄サーキット/ 13.14.SA2はタイトル確定済みの川北忠
がRX-7で有終の美。来季はマシンチェンジを明言した。15.19.
最終戦までもつれたPN1クラスは阪本芳司がシリーズ3勝めをあ
げて初のタイトルを確定した。16.17.N2クラスはディフェンディ
ングチャンピオン小林辰朗がホームコースのひとつとも言える本
庄でV2を確定。18.N1は2014チャンプ箕輪雄介が貫禄の3勝め
をマークするがタイトル防衛は果たせず。20.21.N3クラスはク
スコジュニアチームから参戦の飯坂忠司が悲願の初優勝を達成し
た。22.N3チャンプを決めた菱井将文が前回に続く2連勝を狙っ
たPN4クラス。今回は名手、茅野成樹がしっかりと牙城を守って
優勝。23.24.激戦区SA3クラスを制した津川信次はタイトル防衛
に成功。25.FFのスペシャリストとして知られるSA1クラスの斉
藤邦夫は地元の一戦は譲らず、優勝。
2016 年全日本
ジムカーナ選手権カレンダー
11
12
第1戦
3/5-6
第2戦
4/23-24
第3戦
5/21-22 名阪スポーツランド(奈良県)
第4戦
6/18-19
第5戦
7/16-17
第6戦
8/6-7
第7戦
9/10-11
第8戦
10/8-9
JAF
カップ
岡山国際サーキット(岡山県)
エビスサーキット西コース
(福島県)
オートスポーツランドスナガワ
(北海道)
美川スポーツランド(愛媛県)
ツインリンクもてぎ南コース(栃
木県)
スピードパーク恋の浦
(福岡県)
イオックスアローザ(富山県)
スピードパーク恋の浦
11/12-13
(福岡県)
残るN2クラスはチャンピオン箕輪雄介
が勝利を飾ったものの、有効ポイントの合
計では最大のライバル朝山崇に敗れ、王
第7戦スピードパーク恋の浦/ 1.PN1クラスは中国地区のテ
クニシャン高屋隆一が待望の全日本初優勝。2.PN2クラス
は河本晃一が今季初優勝でZに1勝をプレゼント。3.N1クラ
スは朝山崇が開幕戦以来の2勝めをマーク。4.前戦でタイト
ル確定の菱井将文はPN4からスポット参戦。レンタルマシ
ンで見事優勝を飾った。5.同じくタイトル確定済みのDクラ
ス大橋渡もライバルを寄せ付けず快勝。6.SA3クラスの津
川信次もV2を手繰り寄せる1勝をマーク。7.N2クラスの小
俣洋平は恋の浦初優勝をマークした。8.スピードパーク恋の
浦は、昨年に続いて2回めの開催。玄界灘を望む全国でも珍
しいシーサイドコースだ。9.PN3クラスは山野哲也が優勝
を飾り、通算17度めとなるタイトルを確定。10.SA1クラス
でもCR-Xを駆る若林隼人が初走行の地で今季2勝めを獲得。
11.SA2クラスは長らくNSXで参戦してきた久保真吾が待望
の初優勝を飾った。12.N3クラスでは金本辰也が久々の勝利
の美酒に酔った。
ルを狙った関東の若武者、若林隼人の
CR-Xを下して初タイトルを手にした。
残る3クラスはいずれもデイフェンディ
座を明け渡した。朝山は2011年以来の全
日本タイトル。勝ち星の数は箕輪に譲った
が、ポイント有効分の6戦中5戦が優勝も
しくは2位という抜群の安定感が効いたが、
特に第7戦恋の浦での2勝めが大きかった
ようだ。大きく崩れないこともまたチャンピ
現行車がしのぎを削るPNクラスは
ニューカマーの参戦で活性化が加速か
全日本ジムカーナ選手権の中でも最も新しいク
ラスといえるのがPNクラス。4クラスに分かれ
たこのクラスは参加できる車両に年式制限がある
ため、現行車による戦いが繰り広げられている。
スイフトスポーツが主流のPN1クラスには今
年、ベテランの喜多治人が日産ノートを持ち込ん
で話題を集めたが、スイフトの牙城は崩せず未
勝利。第 7 戦では広島の片岡一司が新型ロードス
ターで参戦。こちらもスイフトに迫ることはでき
なかったが、ポテンシャルの高さが評判を呼んで
おり、来季はロードスター VSスイフトの戦いと
なるのでは、と見る向きも多い。
シビックタイプ Rで森田陽介がチャンプをさ
らったPN2クラスは、終盤 2 連勝で一矢報いた
河本晃一のフェアレディ Zの動向に注目が集まり
そう。PN3クラスは引き続き、86/BRZの事実
上のワンメイクが続きそうだ。
注目はエボ Xの岡野博史がタイトルを守った
PN4クラス。今年は名手、西原正樹が新型 WRX
を投入して話題を呼んだが、何と岡野もWRXに
スイッチという情報が飛び込んできた。
さらに某トップドライバーもこのクラスに移籍
という情報もあり、PN4は話題満載の2016 年に。 第7戦で全日本デビューを果たした新型ロードスター。来季は
PN1クラスの台風の眼となるか、注目される(上)
。PN4クラ
エボ XvsWRXという全日本ラリーでもすっかり スで西原正樹が孤軍奮闘した新型WRXだが、来季はユーザー
定着したバトルが本格化しそうな勢いだ。
が増えそうだ(下)
。
オンの条件であることを身をもって示した。
2015年
全日本
ジムカーナ
選手権
シリーズ
チャンピオン
ングチャンピオン達が、その威信を賭けた
戦いに臨むことに。
PN1 阪本芳司
PN2 森田陽介
N3 菱井将文
SA1 工藤典史
スズキ・スイフトスポーツ
ホンダ・シビックタイプ R
初優勝の年に初タイトル。全 関東のパイロンマイスターは
日本を長く追ったベテランは 7年ぶり2度めのタイトルを獲
最高の年に。
得。PNでは初。
PN3 山野哲也
PN4 岡野博史
三菱ランサーエボリューションX
名手茅野成樹の移籍で苦戦を
強いられたが1戦を残して3連
覇を確定。
ホンダ・インテグラタイプ R
四国在住のFFスペシャリスト
はインテでは2度めの王座を
最終戦で決めた。
SA2 川北忠
SA3 津川信次
SC 大橋渡
スバル BRZ
スーパー GTでもチャンプ獲
得の名ドライバーは通算16度
めの王座に戴冠。
N1 朝山崇
まず見事タイトルを守ったのはN2クラス
の小林辰朗とSA3クラスの津川信次の二
人。小林は小俣洋平、津川は野島孝宏と
いういずれも近い将来、全日本ジムカーナ
を背負って立つ才能を持った逸材を抑え
込んでV2を達成した。追う者と追われる
者がその力を十二分に出し尽くした戦いは
見応えも十分なものだった。
N2 小林辰朗
マツダ RX-7
シリーズ序盤はマシントラブ
ルに泣いたが、中盤から立て
直してV2を確定。
三菱ランサーエボリューションX
全日本を代表するテクニシャ
ンは今年も隙を全く見せずに
6連覇を達成。
ホンダ・シビックタイプ R
地元東北のイベントではアナ
ウンサーも務める技巧派も初
のタイトル獲得。
マツダ RX-7
リアドライブにこだわり続け
てきたテクニシャンは2010
年以来、2度めのV。
三菱ランサーエボリューションX
ランエボマイスターの称号が
すっかり定着のベテランもク
ラス2連覇を達成。
スバル・インプレッサWRX STI
インプレッサにこだわる岐阜
の名チューナーもしっかりと
タイトルを防衛した。
最終戦はミスタジムカーナ山野哲也がマ
シトラブルで沈む中、PN3クラスを制し
たユウ。来季再び、打倒山野に挑む。
7
RALLY / GYMKHANA / DIRT TRIAL&more... “EXCITING” MOTOR SPORTS MAGAZINE
vol.15
新城
Special
号
中部モータースポーツ情報ガイド
お手軽モータースポーツ
オートテスト、
中部で初開催!
中部発!ラリー楽しんでます!
2015年全日本ラリー選手権最終戦 新城ラリープレビュー
新城を、
攻め尽くす!」
「
今年の新城ラリーは、
この二人をマークせよ!
2015年全日本ラリー選手権
最終戦新城ラリープレビュー
新城を、
攻め尽くす
!
〜優勝候補のトップラリースト3名に新城ラリー攻略法を聞いてみた〜
新城ラリー一番の注目は、総合優勝をめぐる戦い。その優勝候補は最速のJN6クラスで今年、
三つ巴を演じてきた3人のトップドライバー達だ。新城ラリーに賭ける意気込みを聞いてみた
優勝した前戦で積み重ねられた実戦のデータを生かしたい
新井敏弘
ARAI
TOSHIHIRO
全日本ラリー最速のJN6クラスですでに今年のタ
イトルを確定させているのが“世界のARAI”こと、新
井敏弘だ。16年ぶりに国内ラリーに帰ってきた昨年
は、日本の道を走る勘が戻らなかったか、シリーズ3
位。しかし新型のVAB型WRX STIを投入した今年
は、すでに5勝をマーク。新城ラリーの2週間前に行
われた舗装の第8戦ハイランドマスターズも制してお
り、優勝候補の本命と言えるだろう。
「第8戦ではセッティングを詰めた成果が出て、タ
イトなコーナーでも回頭性が上がったので、今年の
前半に比べるとだいぶアクセルも踏めるようには
なってる。だから去年のGAB型に比べても特に下り
は速くなってるというのはタイム比較でも出ているん
だけど、まだどこでも速くなってるわけじゃないんだ
よね。
第8戦の前に新城も睨んだセッティングのテストを
やって、第8戦で実戦のデータも取れたので、新城に
向けたいいテストにはなったのはたしか。ただ、もう
少し新城に向けてセッティングを煮詰めたいよね」
ライバルに関してはどう見てるのだろう。
「勝田も同じVABなんでまだセッティングが決まって
ないみたいけど、タイヤが路面に合ったらタイム出し
てくると思うよ。ヌタ(奴田原文雄)も、意外とエボ
Xは狭いクネクネした道ではFF っぽい動きが合うか
ら、速いはず。タイトルは決まったけど、ともかく最
終戦も勝って、きれいにシリーズを締め括りたいね」
自分のいい所を出せれば。あと少しの“慣れ”が必要かな
勝田範彦
KATSUTA
NORIHIKO
昨年、全日本5連覇を奴田原に阻まれた
勝田範彦。今年はリベンジの年となった
が、今度は新井が立ちはだかった。開幕戦
からVABを投入した新井に対し、勝田は第
5戦から新型をドライブ。だがシェイクダウ
ン同然だったそのラリーでいきなりトップ
クラスのタイムをマーク。舗装2戦めとなっ
た第8戦でも新井を最後まで追い詰めた。
熟成不足は否めないが、VABの素性の良さ
は引き出せているようだ。
「たしかにクルマの動きもよくなりつつあ
るし、第8戦でも負けたけど、新井さんのタ
イムも見えてはいる。でもこの前のタイム
を見ると、やっぱりまだGABより速く走れ
てない。それは問題だよね。このままだと
今までGABがエボXに勝ててた所もなくな
るわけだから、ヌタさんにも詰められちゃう
ことになるかな(笑)
。道幅の広い速度が上
がるSSはVABはいいと思うけど、やっぱり
ポイントはタイトなステージでしょう。
ただ、セッティグだけじゃなくて、ドライ
バーの慣れも、もう少し必要だとは思ってるん
だ。今回に関して言えば、3台ともいい所と悪
い所がそれぞれあると思うから、僕は自分のい
い所を生かせれば勝機が見えてくるかな。だ
から今回は悪い所でも大きく負けずに、ともか
くリタイヤしないことが大事。頑張りますよ」
ある意味、新城はホームラリー。いい走りを見せたいね
奴田原文雄
昨年のチャンピオン、奴田原文雄は、シ
リーズ前半マシントラブルが続いたことも
あってタイトルレースには絡めず。今季初
優勝は第7戦ラリー北海道まで待たなけれ
ばならなかったが、新城ラリーは、2連勝
中。ゲンのいいラリーで3連覇を飾り、来季
に繋げたいところだ。
「VABはラリーの度に速くなってるよね。
えっ、新井はまだ速くないって言ってるの?
いやぁ GABよりは速くなってるよ。ドライ
バーが感じてないだけでクルマの方は確実
に速くなってるっていう、この世界では、よ
くある話でしょ
(笑)
。どっかに新型のメリッ
トがあるんだろうね。
だから正直、エボXは厳しいかな。でも
ね、第8戦でちょっといいセッティングが見
つかったんだ。今年も、クルマも少しずつ
だけど良くなってるし、まだ詰めれる余地
はあると思っている。
それに新城は横浜ゴムの工場があるか
新城ラリー2015戦いの行方をクラス別に占ってみた!
●JN5クラス
前戦ハイランドマスターズでトヨタヴィッツGRMN
ターボを駆る天野智之がチャンピオンを確定したこの
クラスは、フィアット500を駆る眞貝知志、プジョー
208の柳澤宏至をはじめとする輸入車勢の速さにも注
目。特にこの二人は今季、優勝をさらっているだけに打
倒天野ヴィッツターボの一番手と言っていいだろう。
●JN4クラス
最終戦に若手二人のチャンピオン争いが持ち込まれ
たこのクラスは、その石川昌平、番場彬の走りに要注
目。しかし優勝候補本命は今季後半戦、舗装ラリー 2
連勝を飾っている横尾芳則。若い二人が横尾のペース
に惑わされずにタイトルを見据えた走りができるかどう
かがポイントになる。
●JN3クラス
第7戦で早々とタイトルを確定した九州の岡田孝一
10
NUTAHARA
FUMIO
が大本命だが、悲願の初優勝を狙う鷹野健太郎、藤田
幸弘らの走りにも注目したい。武田雄一郎をはじめとす
るヴィッツ勢の活躍も楽しみだ。
●JN2クラス
こちらは前戦で高橋悟志がタイトルを確定済み。こ
のクラスはその高橋を前戦破って全日本初優勝を飾っ
た鈴木尚やチームメイトでもある須藤浩志、また昨年の
チャンピオン、田中伸幸ら、まさに群雄割拠状態。勝負
は2日めまでもつれるのは必至だろう。
●JN1クラス
参加台数不足により、今季これで3度めの成立とな
るこのクラスはRX-8の中村晃規が断トツの優勝候補。
上位のクラスを喰って総合順位でもジャンプアップを
狙う。全日本ラリー初参戦となる国沢光弘のミライの走
りも楽しみだ。
ら、ここはある意味、ホームラリー。ADVAN
ファンも多いので、負けられないよね。そし
て何といっても、沢山のギャラリーが詰めか
けてくれる。モータースポーツに初めて触れ
る人も多いと思うので、いい走りを見せられ
ればと思っているよ」
新城ラリーの詳しい情報は、
プログラムでチェックしよう!
今年の新城ラリーの詳細や、全日本ラリー選手権
について詳しく知りたいという人は、公式プログラム
をチェックしよう!また総合公園内では、今年も盛り
沢山の新城ラリー公式グッ
ズを販売する。こちらも見逃
せないゾ!
※公式プログラムは総合公園中央
の総合案内と公園内に2ヵ所ある
インフォメーション及びLUCKの
販売ブースで、新城ラリー公式
グッズは総合案内で購入できます。
今年の新城ラリーは
この二人を、
マークせよ!
今回の一戦はバラエティ溢れる車種が揃うJN5クラスも見応えのあるバ
トルが展開されそうだ。中でも注目は86とヴィッツターボを駆るまだ20
代の若手コンビ。WRCを狙う逸材のスピードが、この一戦を掻き回してく
れるはずだ。その走りをしっかりとチェックしておこう!
TAKA
Katsuta Takamoto
HIRO
Arai Hiroki
世界に羽ばたく若手ドライバーが新城を掻き回す!?サラブレット達の走りは必見!
今回の新城ラリー、注目はWRXやエボXだけじゃない
ポット参戦したハイランドマスターズでは全日本4戦めで
周知の通り、トヨタは2017年からWRCへ復帰すること
ゾ!同じ「Team TOYOTA GAZOO Racing」から参戦す
あっさり優勝を飾った。86はそれ以来のドライブとなる。
をすでにリリースしている。彼らはこのワークスドライバー
るゼッケン18番の勝田貴元と19番の新井大輝の若手二
一方、新井大輝も勝田と同じくジュニアドライバー。父
の候補ではあるが、ドライブが保証されているわけではな
人の走りは、ぜひ目に焼けつけてほしい。
親は察しがつくと思うが、新井敏弘だ。新井はラリーひと
い。前述のように、二人はすでにヨーロッパと同じ若者たち
二人は、トヨタが“世界で通用するラリードライバーの
筋。父親と同じスバルWRXで全日本ラリー選手権に昨年
と同じ土俵で戦い、日本にはないその超高速のラリーでも彼
育成”を目的に今 年から始めた「TOYOTA GAZOO
からスポットで参戦を開始。全日本最速のクラスで、ベス
らに劣らない成績を残して、その才能の片鱗を見せている。
Racingチャレンジプログラム」で選ばれた逸材。すでに8
トタイムも刻む速さを見せ、今年の第5戦洞爺では父親と
今回の一戦はまったく畑違いの性格を持つ一戦だが、
月から、フィンランド、ポーランドといったヨーロッパの国
1-2フィニッシュを飾った。その新井は、ラリー人生で初ド
ヨーロッパ修業で培ったスピードを、今回のラリーでどの
内ラリー選手権にスポット参戦し、腕を磨いている。
ライブというFF車で今回は参戦。第6戦で勝田がドライブ
ような形で彼らが見せてくれるのか、大いに注目したいと
今回、86をドライブする勝田貴元はレーシングカートか
したヴィッツGRMNターボを駆る。
ころだ。
らフォーミュラへステップアップ。昨年までは全日本F3選
手権にトヨタワークスのチームトムスから参戦していた。
その名からも知れるように父親はトップラリーストの勝田
範彦だ。レース出身だから舗装は馬鹿っ速い。昨年、ス
サーキット、公道(ラリー)と育った場所は違うが、いまはWRCという共通
の目的に向って進む。海外で培ったスピードの片鱗を今回のラリーで二人が
見せてくれることを期待したいところだ。
ホームラリーを戦う凄腕
メカ達の手腕にも要注目
今大会注目の若手二人が所属する「Team TOYOTA
GAZOO Racing」は、チームの方もなかなかユニーク
だ。全日本ラリーに参戦するチームと言えば、グラベル
ラリーやダートトライアル等、土系競技の経験も豊富に
持った熟練のメカニック達が携わるのが通例。しかし、
「Team TOYOTA GAZOO Racing」は、トヨタ自動車
に勤務する技術者達がメカニックを務めているのだ。
ラリーという実戦の現場でしか体験できない貴重な
経験を、本来の職場であるトヨタ自動車に持ち帰って
フィードバックすることが彼等の役割。今年の開幕戦
から約半年間、別名、
「凄腕技能養成部」と名付けられ
たチームで様々な経験を積んできた彼らTOYOTAマン
にとっても、今回の一戦は集大成の一戦になる。
「右も左も分からない状況から始めて、毎回毎回学ぶ
ことばっかりの半年間でした。特に今回は我々にとって
は初めてとなる2台体制なので、一人当たりの持ち場も
増えることになります。でも、その分、今まで以上に一
人一人の中に主体性が生まれるんじゃないかと期待もし
ているんです。もちろん若い二人が1-2フィニッシュをやっ
てくれたら、言うことなしですね」とチーフを務める豊岡悟
志さん。若い二人の熱い走りをしっかりとサポートする彼
等の活躍にも注目しよう。
中部発!
を
力
魅 い
の
ー りた !
リ
ラ と知 必見
、
もっ う人
とい
観戦も楽しいけど、自分で参加してみるともっと
楽しいのが、ラリーというモータースポーツ。先頃
行われた1DAYラリーイベントのTRDラリーチャ
レンジ高岡ラウンドに中部地区から参加された皆
さんに、ラリーの魅力を聞いてみました。
ATロードスターでの走りが認められて
女子コンビでラリーに本格参戦開始!
元々はAT免許しかなかったので、ロードスターのAT車でジ
ムカーナなどに参加していたという柾田瞳選手(写真左)
。その
「やる気」を名古屋市のモータースポーツショップ、RSタケダ
の武田代表に見込まれ、晴れてTRDラリーデビューを果たした。
「RSタケダのオーディションを受けたら合格したんです。まだ
ダートは走ったことはないんですが、ラリーは一度だけ出たこと
があります。とにかくラリーは安全第一でと言われていますが、
その時は、完走するだけでも何て難しい競技なんだと思いまし
た」
。一方、コドライバーの石垣晴恵選手(写真右)は、元々関
東のダートラに参戦していたが、
「愛知に引っ越したので、つい
でにコドラもやってみたいと思ってRSタケダさんのお店に飛び
込みました(笑)
」という異色のコンビ。今回の成績はクラス完
走最下位だったが、ぜひさらなるレベルアップを期待したい。
全日本チャンピオンの先輩のアド
全日本チャンピオンの先輩のアド
バイスで、
ドラテクも上達中!
バイスで、
ドラテクも上達中!
E-3クラスにAE111レビンで参戦している加藤英祐/塩田卓史
組。彼らの職場は豊田自動織機で、先輩にはご存知全日本ラリー
チャンピオンの天野智之選手がいる。
「もちろん天野さんの勧め
でラリーを始めました(笑)
。13年の新城ラリーでデビューしたん
ですが、ラリーは面白いですね。普段は公道を全開で走れるって
いうことがないですから、それも新鮮でした。将来ですか?まず
は天野さんのように全日本ラリーに出られるようなテクニックを身
につけたいですね」とは加藤選手(写真左)
。昨年はチャンピオン
を獲得したが、今年も高岡ラウンドで連覇を決めた。コドラの塩
田選手(写真右)は「以前は91ヴィッツでレースをやっていたん
ですが、コドラも面白くなってきました。特にペースノートを読んで
いて、ロストもせずにドライバーと息が合った時が気持いいです
ね。今後はもっとステップアップしたいです」
5万円で購入したヴィッツで
5万円で購入したヴィッツで
参戦。
夢は大きく全日本挑戦
参戦。
夢は大きく全日本挑戦!
「特価5万円」という車名に興味を引かれて取材したのが恩田
倫明/原田寛之組。
「これは別に売りたいわけじゃなくて、中古
で5万円で買ったという意味です(笑)
。中学の頃からWRCを見
てて、ずーっとラリーが好きでやってみたかったんです。元々
86に乗ってたんですけど、結構速くて怖いし、どうしようと思っ
てたら5万円でヴィッツが売りに出てたので即買いです。ラリー
はコドラとのコンビネーションも楽しいですけど、選手としてい
つまでもラリーを続けたいですし、いずれはもっと速いクルマにも
乗ってみたいです」と恩田選手(写真左)
。コドラの原田選手(写真
右)は「恩田さんとは走り仲間だったんですが、ちゃんと競技で認
められたいと思ってラリーを始めました。いつも恩田さんに勝てなく
て、だったらラリーで横に乗れば楽しいかなと思ってコドラを始め
たんです。いずれ全日本で名前が知られる選手になるのが夢です」
トップスラローマーがラリー
という新天地で頂点を狙う!
ドライバーの田原憲選手(写真右)は、ジムカーナ界ではトッ
プスラローマーとして知られた選手。1997〜 2007年までの間
に計5回も全日本ジムカーナ選手権のチャンピオンに輝いた。会
社の同僚である本城祐太郎選手(写真左)をコドラに参戦してい
る。
「勤務先であるアイシン精機が50周年ということで、それを
記念して会社でもラリー活動を行うということになったので参戦し
ています。以前の職場はラリーショップでしたし、会社にモーター
スポーツ経験者がいなかったので、その手助けをしたという意味
もあります。ラリーはジムカーナと違ってちょっとしたミスなら取り
返せますし、選手や主催者との駆け引きも面白いですね」と田原
選手。本城選手は「クルマが好きで会社から機会をいただいた
ので立候補しました。今回で4戦めですが、何となくコドラの楽し
さが分かってきました(笑)
。できれば長く続けたいですね」
会社の車なのでクラッシュ
は厳禁。でも無事、栄冠獲得
C3クラスに86で参戦している種治芳尚/坂井理紗組は、高
岡ラウンドで見事にクラス優勝を果たし、チャンピオンも決めた
強豪クルーだ。
「勤務先のデンソー社内に自動車部ができて、ド
ライバーを社内で募集したのでオーディションを受けました。こ
のシリーズには3年前の新城ラリーから出ています。ラリーは楽
しいですが、クルマは会社からの借り物なのでプレッシャーはあ
ります(笑)
。今回はトラブルもなく結構攻められましたし、最
後まで自分の走りができて、チャンピオンも獲れたのでホッと
しています」
(種治選手・写真左)
。コドラの坂井選手(写真右)
も会社の同僚だ。
「会社には去年入社したばかりなんですが、元々
クルマが好きなので応募しました。最初はペースノート読みも緊張
しましたが慣れてきたら楽しくなりました。え?種治さんは彼氏じゃ
ありませんよ。会社から言われてペアを組んだだけですから(笑)
」
AT車のエコカーでラリー
を楽しんでますが...何か?
富山県が地元で全日本ラリー選手権でもヴィッツや86で活
躍した増川智選手(写真右)がコドラを務めたのが、アクアで
参戦してきたAINA選手(写真左)
。地元の富山テレビの女子ア
ナウンサーだ。
「増川さんに誘われて参加しました。増川さんの
オートバックスラリーチームと富山テレビがコラボして、
“女性
でもAT車でラリーができる!”っていう企画を立ち上げたんで
す。自分は今回で4戦めですが、カラーリングも子供たちから
募集してデザインしたんですよ。たまたま父がNISMOでエンジ
ニアをしてたってこともあって、クルマは元々、好きだったんで
す。ラリーは最初は怖かったけど、タイムがいいと嬉しくなります
ね(笑)
」とAINA選手。コドラの増川選手が「なかなか頑張って走っ
ていましたよ(笑)
」と言えば、
「頼りになるお父さんみたいでした
(笑)
」とAINA選手。この二人、いいコンビになるかもしれない!?
RALLY
中部のBライ競技コースはどこにあるの?
中部地区を代表するモータースポーツ競技場と言えば
12
地等の情報は22ページを参照してほしい。
中部ではどんな競技会が開催されているの?
鈴鹿サーキットを思い浮かべる人は多いはず。鈴鹿サー
ラリー、ジムカーナ、ダートラの最高峰は本誌でも紹介
キットはレーシングカートが行われる国際南コースでジム
している全日本選手権。その下に位置するのが、
JAF地方
カーナが開催されている。ジムカーナはこのほか、東海地
選手権(地区戦)だ。ラリーの地区戦は近畿と合同のシ
区では愛知の美浜サーキット、幸田サーキットといったミ
リーズとなっており、ジムカーナ、ダートラはJAF中部選手
ニサーキットや、岡崎市のキョウセイドライバーランドなど
権が開催されている。この2カテゴリーについては、初中
でも開催されている。キョウセイは自動車教習用にも使わ
級者を対象としたJMRC中部の東海/北陸シリーズも設
れるユニークなコース。だがダイナミックなコース設定も
定されている。
可能で、中部のスラローマー達を全日本に送り出してきた
JMRCは、JAFに加盟する登録クラブが地域ごとにまと
名コースだ。
まった団体で、全国で入門シリーズを開催している。ラ
北陸地区でも石川、富山にそれぞれスキー場の駐車場
リーについても入門者向けのJMRC中部チャレンジシリー
を利用するコースがあり、特に富山のイオックスアローザ
ズが用意されている。JMRC中部のホームページはBライ
は全日本選手権も開催される全国屈指のパイロンコース
センス競技に関する様々な情報が載っているので、興味
だ。また中部圏からも近い滋賀県の奥伊吹スキー場もJAF
のある人はぜひ覗いてみてほしい。
公認のコースを持っている。
またこのページの上で紹介しているTRDラリーチャレン
ダートトライアルは、石川、福井に専用のコースがあり、
ジは全国転戦のシリーズだが、今年も全10戦中3戦が中
東海地区でも愛知県豊田市の池の平ワンダーランドが
部地区で開催された。トヨタ車のワンメイクラリーとして
ダートラのメッカになっている。3コースとも異なる性格を
人気を集めてきたシリーズだが、現在はトヨタ車以外の車
持つので、これらのコースを走り込めば、多彩なテクニッ
種が参加できるクラスもある。ラリー参戦を本格的に考え
クを身につけられるというわけだ。これらのコースの所在
たい人は、腕試しにぜひ参加してみよう!
中部地区のBライセンスモータースポーツ情報はここにアクセス!
JMRC中部モータースポーツホームページ
http://www.jmrc-chubu.jp/
中部地区のラリー
は、JAF中部・近畿ラ
リー選手権と同選手権
に 併 催 され るJMRC
中部ラリーチャンピオ
ンシリーズ(中級者対
象)
、JMRCチャレン
ジシリーズ(中級者対
象)がある。路面は
舗装主体。タイヤもス
ポーツラジアルタイヤに限定されるので参加しやすいシリーズだ。写真は上記の3シ
リーズがすべて開催された三重県で行われた「いなべ福王ラリー 2015」
。写真のよ
うにギャラリーステージも設定されているので、観戦の楽しさも味わえるラリーだ。
GYMKHANA
中部地区のジムカー
ナは 東 海 地区がミニ
サーキットでのコース
ジムカーナ、北陸地区
がスキー場の駐車場
を使ったパイロンジム
カーナが主流。コース
ジムカーナはミニサー
キットを道なりに走る
の で は なく、逆 走 や
コースにパイロンを置いてのスラロームなどジムカーナならではの工夫が凝らされ
ている。写真は今年4月に鈴鹿国際南コースで開催された全日本ジムカーナのヒトコ
マ。コース中央部の広いスペースでパイロンセクションが設定された。
DIRT TRIAL
中部 地区のダ ート
ラは、門前モータース
ポ ー ツ 公 園( 石 川 )
、
オートパーク今庄(福
井)といういずれも全
日本 戦が開催される
全国屈指のテクニカル
コースがメッカになっ
て い る。今 庄 は イン
ターからも近いので東
海地区からも日帰りで行ける。また愛知県豊田市の池の平ワンダーランドはブライン
ドコーナーが続く林道区間もあるのでラリー気分が味わえる。写真は10月上旬に門
前で開催された全日本戦のヒトコマ。毎年、多くの観客が詰めかける。
お 手 軽 モ ー タ ー ス ポ ー ツ
オートテスト、 中 部 で初開催
去る10月17日、注目の新競技「オートテスト」が、中部エリアで初めて開催された。
“クルマで遊ぶ”がコンセプトの、新しいタイムトライアル競技の魅力を探ってみよう。
オートテストって?
「オートテスト」と聞いてピンとくる方は、
クルマ好きの中でも、まだ少ないだろう。
オートテストは2015年から新たに導入さ
れたJAF公認の新種競技で、日本では生
まれたばかりのモータースポーツだ。舗装
された広場にパイロンを並べて1台ずつ走
行して、そのタイムを計測して順位を決め
るところはジムカーナによく似ているが、
ヘルメットやレーシンググローブは着用し
なくてもOK。
もちろんレーシングスーツも必要なく、
基本的にモータースポーツライセンスも不
要。特にバックギアで進むセクションがあ
るのが、ジムカーナとは大きく異なる部分
だ。オートテストはまさに“クルマで遊ぶ”
感覚で、気軽に参加することができる、お
手軽モータースポーツなんだ。
中部地区では初めての開催
10月17日(土)
、岐阜県郡上市にある、め
いほうスキー場の駐車場特設会場で、中
部エリアでは初めてとなるオートテストが
排気量とミッションによって、
4つのクラスに分けられた。
参加者の声
平野さんご夫妻(愛知県名古屋市)ノート
「今日は妻(実奈子さん)のクルマ1台で、二人
で参加しました。やっぱり、思いっきりクルマを
走らせることができるっていうところが魅力です
ね。それでいてヘルメットもいらないし、敷居が
とても低いと感じました」
(義明さん)
1
2
タイムに差が出るバックギアの区間。
開催された。
会場は約150メートル×90メートル
の、スキーシーズンには駐車場として利用
されている広場が使用された。コースは下
図の通りで、速いドライバーなら約40秒
程度で走りきることができる。50メートル
以上の直線は設定されず、最高時速も50
キロ以上は出す事ができないようなコース
設定になっているので、危険度は少ない。
だからエンジンパワーよりも、適切な加速
と減速や、正確なステアリングさばきが勝
負のポイントになってくる。
勝敗を決めるのは得点制だ。スタートか
らゴールまでに要した秒数(秒未満切り捨
て)が基本ポイントとなり、それにミスコー
ス(30点)やパイロンの接触、転倒(10
点)
、ゴール後の不停止(5点)などのペ
ナルティポイントがそれぞれ加算され、そ
のポイントが少ない順に順位が決定する。
つまりペナルティがなければ、一番速いタ
イムで走り切ったドライバーが、その栄冠
を手にすることができるというわけだ。
岸彰則さん(岐阜県羽島郡)フィット
「優勝を狙っていたので(結果は2位で)少し残
念です。クルマで遊んで順位を争えるって、とて
も新鮮ですね。クルマを走らせるのは大好きなの
ですが、バックする区間が難しくて、思った以上
に手こずりました。ちょっとクセになりそうです」
走行はそれぞれの楽しみ方で
競技会当日、会場に集まったのは、その
ほとんどがモータースポーツ競技会初参
加という23名のドライバーの皆さん。駐
車場に並んだ参加車両は、BRZ、RX-
7といったスポーツカーから、ファンカー
ゴ、トッポ、ワゴンRなどおよそモータース
ポーツとは縁の無さそうなクルマまで、バ
ラエティに富んでいる。つまりオートテスト
は、ナンバープレートさえついて公道を走
る事ができるクルマだったら、どんなクル
マでも勝負できるモータースポーツだって
いうことだ。
参加者は主催者から簡単な説明を受け
たあと、まずコースを歩いて下見して、パイ
ロンの間隔やバックで進む区間の様子を
チェックする。そのあと、待ちに待った走行
タイムに入っていく。
スタートとゴールを入れ替えた2種類の
コースを2回ずつ走る。パイロンセクション
を華麗に駆け抜けてもバックで戸惑ってタ
イムロスするものあれば、見るからに慎重
な運転で確実にタイムを刻んでくるドライ
バーもあり、誰もがそれぞれのスタイルで
モータースポーツの一日を楽しんだようだ。
表彰式ではシャンペンシャワーこそ無
かったものの、各クラス上位3位に入った
ドライバーはトロフィーや賞品を受け取り、
ほかの参加者やギャラリーからも大きな拍
手が送られた。
モータースポーツの敷居を低くしたオー
トテストは、これからも全国各地で開催さ
れていく予定だ。もしかしたら休日買い物
に行ったスーパーの駐車場でたまたま開催
されていて、ちょっと気軽にモータース
ポーツに参加する、そんな時代がやってく
るかもしれない。
※細かいルールは競技会によって異なります。
今後も全国各地で開催される予定です
オートテストは今後も全国各地で開催されていく予定だ。
JAFホームページ等でチェックして、機会があればぜひ参加してみよう
11月15日(日)奈良・大和郡山市特設会場
11月28日(土)宮城・スポーツランドSUGO
12月19~20日 大阪・舞洲スポーツランド
and more…
※予定は変更される場合があります。
ホームページ等で事前にご確認ください。
内原さんご夫妻(石川県小松市)ファンカーゴ
「コース図を見た時から、気持ちが高ぶってワクワ
クでしたね(笑)
。自分の普段使いのクルマで参
加できる気安さがいいですね。一緒に参加した妻
(薫さん)は緊張していましたが(笑)
、楽しかった
ので北陸地方でも開催してほしいです」
(徹さん)
日紫喜俊夫さん(愛知県安城市)ビート
「今日は(クラス優勝できて)嬉しかったです。
ジムカーナには無い、バックギアで進むエリアは
難しいけれど、そこがまた楽しくて、想像以上に
奥深い競技だなと思いました。また機会があれ
ば、参加したいと思います」
3
4
4
2
3
1
14
今回は同じパイロンの並びで、スタートとゴールを入れ替えた2種類のコースを2回ずつ走った。
緊張のスタート(写真1)からスラローム(写真2)
、大きく回る高速コーナー(写真3)など、ジムカー
ナによく似たコース設定だが、ジムカーナには無いバックギアを使うセクション(写真4)が新鮮で、
なおかつタイムにも大きく影響する重要なポイントとなった。
Bライセンスモータースポーツの
基礎知識
&
ココが知りたい!
タの
アナ 問にも
な疑
す!
素朴 ゃいま
ち
答え
パーツメーカー「キャ
ロッセ」のキャラクター
「生くす子ちゃんズ」の
七井しおりちゃん
Bライセンスで参加できるモータースポーツと言えば、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアルが
代表的なカテゴリーだが、他にもあるんです!例えばサーキットトライアルって知ってますか?
Bライで楽しめる色んなカテゴリーを紹介します。
Rally ラリー
Gymkhana ジムカーナ
コドライバーとのコンビネーションも重要です!
サイドブレーキを駆使して自在にクルマをコントロール!
一般の公道などを使ったSS(スペシャルステージ)でタイ
ムトライアルを行う競技がラリー。ドライバーは助手席のコ・
ドライバーが読み上げるペースノートに従って走る。ラリー
スタート前に行われるレッキと呼ばれるSSの下見でクルーは
コーナーのRや直線の長さ等を記入したペースノートを予め
作っておくわけだ。公道でのSSは占有許可を取った上で行わ
れるが、SS以外のリエゾンと呼ばれる移動区間では当然、安
全運転。そのルートも予め
渡されるルートブックに従
う。国内ラリーの最高峰は
全日本ラリー選手権で、通
常は2日間で計50 〜100kmのSSを走って勝敗を決める。SSのステー
ジも舗装からダートまで様々。JAF地方選手権や各地区の入門シリー
ロールケージはラリーでは装備したい。
ズは1DAYイベントとして行われることも多い。
ココが
知りたい!
ラリーは、どんなクルマでも走れるの?
一般の公道を使うラリーは、占有許可が下りたSS以外の公道は当然、交通法規に沿って走らなけ
ればならないので、ナンバーのないクルマはNGだ。ラリーの競技車にはある程度の改造は認めら
れているが、それもあくまで一般公道を走れる法律の範囲内で認められているんだ。
最も入門しやすいBライ競技がジムカーナだ。ジムカーナ
は、ミニサーキットや広い駐車場などにパイロンで作られた
その日限りのコースを基本的には2回走って、そのベストタイ
ムを競う。コースのレイアウトは競技当日の朝、発表され、選
手はまずこのレイアウト図を見ながらコースを歩いて辿る「慣
熟歩行」を行う。そこでコースを覚えながら速く走るイメー
ジを作って、本番では全開
でトライするわけだ。ジム
カーナは写真のようなパイ
ロンスラロームや1本のパ
イロンをサイドブレーキを
使って曲がる180度、270度、360度ターンなどが勝負所になる。一
慣熟歩行も勝利を目指す上では重 般走行では味わえない、アクロバティックなクルマのコントロール術
は狙い通り決められるとまさに快感。一般道での危険回避にも役立つ。
要だ。
ココが
知りたい!
ジムカーナは特別な装備が必要なの?
ジムカーナは舗装を走る競技なので土系競技の泥除けやアンダガードは必要なし。入門シリー
ズでは乗員を守るロールケージも義務付けではない。ただハードブレーキや限界域でのコーナ
リングが求められるので、ブレーキと足回りは競技用をチョイスした方がいいだろう。
Dirt Trial ダートトライアル
Circuit Trial サーキットトライアル
豪快なドリフトが砂の上で楽しめる!度胸も大切です
Bライだけどサーキットで勝負したい人にオススメです!
未舗装(グラベル)の専用のコースでタイムトライアルを
行うのがダートトライアル。競技の形式はジムカーナとほぼ
一緒で、慣熟歩行の後、2本決勝を走り、ベストタイムで競
う。なおジムカーナも同じだが、1ヒートと2ヒートの間にも
慣熟歩行が行われるのが通例だ。ダートラコースはジムカー
ナコースより一般的には広い。パイロンの設定も少なく、平
均速度も高くなり、豪快な走りが楽しめる。ただし勝利のた
めには、滑りやすい路面の上
でグリップとドリフトを使い分
けることが求められる繊細な
競技でもあるのだ。また一口に
グラベルと言っても、砂や岩が混じった路面や、雨が降れば泥と化す軟
質な路面までと様々。場合によっては1ヒートのタイムで決着がつくこと
もある。ここぞの一発の速さが求められるのだ。
アンダーガードは装備して走ろう。
ココが
知りたい!
ダートラって転倒しちゃうこともあるの?
ジムカーナに比べ、豪快なドリフト走行を味わえるのがダートラの魅力だが、その分、転倒の可能
性も高くなる。乗員を守ってくれるロールケージは付けよう。タイヤはグラベルでもグリップする
ラリータイヤを使いたい。公道も走れ、リーズナブルな値段で買えるタイヤだから安心だ。
レースに参戦したい人は、国内Aライセンスを取得しよう!
ことが、
知りたい
アナタの かるはずよ!
つ
きっと見
86 / BRZレースやヴィッツレースなど、人気のナンバー付レースをはじめとするJAF公認レースに参
加を希望する人は、Bライセンスだけでは参戦することができないので、国内Aライセンス講習会を受講し
てAライセンスをゲットしよう。従来、国内Aライセンス
講習会は、まずBライセンスを取得し、最低1回、JAF
公認競技に参加(受講前24 ヵ月以内に完走することが
条件)しなければ受講することはできなかったが、JAF
公認サーキットで50分以上のスポーツ走行の経験があ
れば、Bライを経なくとも受講できるようになった。Aラ
イセンスの詳細は下記のJAFモータースポーツホーム
ページを参照してほしい。
Bライモータースポーツをもっと知りたい人は、
JAFのモータースポーツホームページをご覧ください
JAFの モ ー タ ー ス ポ ー
「生くす子ちゃんズ」の
大島奈々ちゃん
ツホームページでは、この
ページで紹介しているBラ
イセンス競技はもろちん、
レースに関する情報や国内
モータースポーツの概要が
分かるページなど盛りだく
さんの内容を紹介していま
す。一度ぜひご覧ください。
サーキットトライアルはまだ歴史の浅いBライモータースポー
ツ競技だ。レースへの準備を兼ねて参戦するドライバーも多い。
競技は通常、2回設けられる15 〜 20分程度の走行枠の中でタイ
ムアタックを行い、そのベストタイ
ムで競う。レースの予選をイメー
ジしてもらえれば分かりやすいだ
ろう。ただ1台ずつコースインする
わけではないので、クリアラップ
が取れるかどうかは重要だ。筑波
空気圧の調整がタイムアップに サーキットや冨士スピードウェイ
等、東日本で人気の高い競技だ。
繋がる。
ココが
知りたい!
サーキットトライアルで速く走るためにはどうしたらいい?
レーシングコースを道なりに走るので当然、慣れた人は有利だが、2回の走行枠の間のインター
バルで選手達は空気圧を変える等の方法でセッティングを調整する。なかなか奥が深い競技だ。
Drift ドリフト
ドリフトもBライモータースポーツの仲間です!
日本発祥のモータースポーツ、ドリフトも
2013年からJAF公認競技となった。現在、B
ライセンス所持が参加資格となっているのは、
TDMCドリフトマッスルとD1グランプリシリー
ズのそれぞれの最高峰に位置するクラス。だが、
今後はさらなる公認ドリフト競技の拡大が期待
されている。
Autotest オートテスト
街乗りのクルマのままで十分楽しめますよ!
オートテストは今年から始まったBライモータースポーツ
だ。競技と言うよりは「クルマ遊び」に近いイベントだと思っ
てもらった方がいい。2名乗車もOKで、ヘルメット、グロー
ブも不要。コースはリバースギアを使うセクションを最低1回
は設定することなど、車庫入れが得意な人が一番速いなんて
こともアリの競技だ。ライセンスなしでも楽しめるこのお試
しモータースポーツを一度体験してみよう!(オートテストに
ついては14ページでも紹介しています)
最終戦2本めで見事な走りを
見せたSA2クラス荒井信介。
タイトル防衛に成功。
最終戦門前は6クラスでチャンピオン決戦が白熱!
2
0
1
5
JDTC
2015全日本ダートトライアル選手権終盤戦ダイジェスト
第7戦
最終戦
9/5-6 10/4
スーパートライアルin今庄 オートパーク今庄(福井県)
ダートスプリントin門前 輪島市門前モータースポーツ公園(石川県)
全8戦が組まれた今年の全日本ダートト
タイムが大きくものをいう一戦に。一方、
ベテランと若手の一騎打ちとなったPN1ク
4位という結果と、ともに門前初走行での
ライアル選手権は、福井、石川の北陸2連
最終戦門前は快晴の下、雌雄を決するバ
ラスは、この二人を尻目にCR-Zを駆った児
ボディウム獲得は果たせず。この結果シ
戦がラスト2戦を受け持った。
トルが最後まで演じられた。
島泰が優勝。第5戦で全日本ダートラ史上
リーズ後半に怒涛の追い上げを見せた荻
原が逃げ切ってタイトルを確定した。
第7戦今庄はあいにくの雨の中、スター
門前の地にチャンピオン決戦が持ち込
初のエコカーによる優勝をもぎ取った児島
ト。降り続く雨のために、路面は水たまりも
まれたのは6クラス。まずともに初タイトル
は2勝めを獲得だ。
一方、細木智矢、岡翔太というまだ20
できるというコンディションの中、1本めの
を狙った荻原吉雅vs宝田ケンシローという
注目の二人は荻原は8位、ケンシローが
代の若手がタイトルを狙ったN1クラスは、
1 2
3
5
4
第7戦オートパーク今庄/ 1.N2クラスは北條倫史がシーズン3勝めを獲得して
タイトルに望みをつないだ。2.N1クラスはインテグラを駆る細木智矢が難コン
ディションを制して3勝めをマーク。3.SC2クラスは磯貝雄一が復活を告げる今
季初勝利。4.PN2クラスはヴィッツターボの櫻井貴章が第2戦に続くウェット2
連勝。5.Dクラスは第一人者、谷田川敏幸が1戦を残してタイトル確定。6.青森
のシビックマイスター、SC1クラスの工藤清美も5連覇を確定した。7.いぶし銀、
PN1の荻原吉雅は前戦地元のモーターランド野沢に続いて2連勝。シリーズトッ
プに。8.9.激戦のSA2クラスは地元中部の田上正彦が待望の全日本初ウィンを
飾った。来年はエボXに乗り換え、さらなる飛躍を狙う。10.SA1クラスは今年、
随所で鋭い走りが光った若手、崎山晶が、ホームコースで初優勝。今後が楽し
みな一人だ。
8
6
7
18
10
9
12
11
13 14
16
17
18
19
15
20
最終戦輪島市門前モータースポーツ公園/ 11.三つ巴の大接戦と
なったN1クラスは坂井義浩が完勝して初のタイトルをもぎ取っ
た。12.V2を飾った荒井信介。大一番を最高の結果で締め括っ
た。13.前戦でタイトルを決めた谷田川敏幸も有終の美を飾った。
14.CR-Zでシーズン2勝めを飾ったPN1クラスの児島泰。来年は
怖い存在となるだろう。15.18.今季は勝てない時でも2位を連ね
た堅実な速さが光ったSC2クラスの田口勝彦。歴戦の勇士も全日
本初タイトルを決めた。16.前戦、2位でV2を決めたPN2クラス
の鎌田卓麻。BRZでは恐らくラストランとなる最終戦をしっかり
制して締め括った。17.最終戦で有終の美を飾った工藤清美も表彰
式でクラス移籍をほのめかした。来季はどのクラスで走る?19.20.
広島の高速サーキット、テクニックステージタカタがホームコー
スの太田智喜は門前の地で待望の初優勝。21.豪快な走りを見せ
た黒木陽介はランエボでは初となるタイトルを確定。
2015年
全日本
ダートトライアル
選手権
シリーズ
チャンピオン
PN1 荻原吉雅
21
スズキ・スイフトスポーツ
昨年から本格的に復帰した長野
のベテラン。第4戦からの4戦連
続表彰台が効いて初タイトル。
PN2 鎌田卓麻
スバル BRZ
昨年から全日本ダートラに本格参
戦。今年も満点チャンピオンを決
めて2年連続のタイトルを防衛。
N1 坂井義浩
ホンダ・インテグラタイプ R
三菱ランサーエボリューションⅨ
2011年から全日本を追う中堅ド 2011年のインテグラでの王座に
ライバー。昨年も王座にあと一歩 次ぐ2度めのタイトル。2リッター
まで迫った。初チャンピオン獲得。 4WDターボでは初タイトル。
N2 黒木陽介
SA2 荒井信介
SC1 工藤清美
SC2 田口勝彦
D 谷田川敏幸
この二人と三つ巴を演じてきた坂井義浩
が優勝。インテグラマイスターとしては先
輩格に当たる坂井が最後は意地を見せた。
細木は2位。全日本本格参戦1年めでタイ
トルを狙った岡は3位と、この二人も細木
が“先輩”の意地で岡を抑えてシリーズも
2位を確保。終わってみれば年功序列の
オーダーとなっている。
SA1 稲葉幸嗣
ホンダ・インテグラタイプ R
第4戦で大転倒を喫するが、見事
に復調して初タイトル。シリーズ
序盤のスタートダッシュが効いた。
三菱ランサーエボリューション X ホンダ・シビックタイプ R
三菱ランサーエボリューション X スバル・インプレッサ WRX
大魔神の愛称で知られる全日本 東北を代表するシビックマイス 元APRCチャンピオンの国際派ラ 全日本ダートラを代表する改造車
ダートラを代表するランエボマイス ター。ホンダ車ひと筋で5連覇達 リーストだが、競技生活の原点は のトップドライバー。通算12度め
2WDナンバー1ドライバーだ。 ダートラ。崩れない速さで初栄冠。 の全日本タイトルに輝いた。
ター。抜群の安定感がV2を呼んだ。 成。
エボⅨvsエボXという新旧ランエボ対決
に結果を結んだ形だ。
いう全日本ダートラを代表する二人が雌雄
ハイパワーの改造車がせめぎ合った
となったN2クラスは旧車の黒木陽介が優
SA1クラスはインテグラの最終形である
を決したSA2クラスは北村が1本めで転倒
SC2クラスはWRC参戦経験も持つ国際派
勝。3連覇を狙ったエボXの北條倫史の野
DC5型を駆る中島孝恭と稲葉幸嗣の戦い
という波乱の展開に。インターバルの間に
ラリードライバー田口勝彦が有終の美を飾
望を砕いた。エボXに対し、軽さの面でア
となったが、勝ったのは中国地区の若手、
マシンを修復した北村は2位まで挽回する
る勝利でタイトル獲得。ラリーで幾多の栄
ドバンテージのあるエボⅨを駆った黒木は
太田智喜。結果、稲葉が初タイトルをもぎ
も、2本め逆転優勝を飾った荒井のもとへ
冠を得てきたトップトライアラーも全日本
持ち前のアグレッシブなドライビングが遂
取っている。そして北村和浩、荒井信介と
勝利の女神は微笑んだ。
ダートラ初のタイトルに輝いた。
2016 年全日本
ダートトライアル選手権カレンダー
第1戦
3/19-20
丸和オートランド那須(栃木県)
第2戦
4/16-17
スピードパーク恋の浦(福岡県)
第3戦
5/21-22
オートスポーツランド
スナガワ(北海道)
第4戦
6/19
輪島市門前モータースポーツ
公園(石川県)
第5戦
7/10
第6戦
7/31
丸和オートランド那須(栃木県)
第7戦
9/3-4
オートパーク今庄(福井県)
第8戦
10/1/2
JAFカップ 11/5-6
サーキットパーク切谷内
(青森県)
テクニックステージタカタ
(広島県)
オートパーク今庄(福井県)
遂に世代交代が本格化するか !?
速さを見せる若手ドライバーに要注目
今年の全日本ダートトライアル選手権はいくつかのクラスで若手が台頭、世代交代を
巡ってのはバトルが大きな注目を集めた。
一口にグラベルといっても様々。コースによって土質も違うし、雨ともなれば泥に転じ
てグリップを失えば、マシンのコントロールも容易ではなくなる。踏みっぷりの良さだけ
ではなかなか勝てないのがダートラなのだが、今年は踏み切った走りに加え、クレバーな
ドライビングも随所に光った20 代の若手が続々と頭角を現したのだ。
PN1クラスでタイトルまであと一歩に迫った北海道の宝田ケンシローはその代表格。全
日本フル参戦は初年度ながら、第2 戦で初優勝を飾るとその後、3 連勝。若者らしく勢い
に乗った走りを見せてくれた。N1クラスでタイトルレースに最後まで踏みとどまった岡翔
太も驚異の新人として注目を集めた。社会人1年生で、初走行というコースが多かったに
も関わらず、出場したイベントはすべて表彰台をもぎ取った。今後が楽しみな一人だ。
SA1クラスではタイトルを争う二人を尻目にラスト2 戦でそれぞれ初優勝を飾った崎山
晶、太田智喜もともに20 代。シビック、インテグラとともに旧車を駆るが、要所は外さ
ないクレバーな走りもしっかり身に着けている。来季のこのクラスの主役に躍り出ること
は確実な勢いだ。
22
23
24
25
22.ランエボマイスターとして知られた宝田芳浩を父に持つサラブレット、
宝田ケンシロー。来季は初タイトルを狙う。23.今年、彗星のごとく現れ
た岡翔太。初走行の地でも臆せず踏み切る走りが魅力だ。24.崎山晶は
19
幾多のテクニシャンを生んだ中部地区の正統を継ぐ一人。来季が注目。
25.最終戦で初優勝を飾った太田智喜も大化けの可能性を持った一人だ。
’s Advantage
栄光への軌跡
∼KATSU & EDFC ACTIVE PRO、
2015全日本ダートトライアル選手権の
頂点に立つ!∼
モータースポーツ界で確固たる地位を築いている
テイン・サスペンションは、
今年もグラベルモータースポーツ競技の最高峰、
全日本ダートトライアル選手権で見事、栄冠を射止めた。
日本を代表するラリーストでもある“KATSU”こと、
田口勝彦のチャンピオンへの道のりを追ってみよう。
世界水準を知る男も思わず唸ったポテンシャルがタイトルを手繰り寄せた
2010 年にFIAアジア・パシフィックラリー選手
権のチャンピオンを獲得した田口勝彦は、2012
年より全日本ダート
トライアル選手権に、活動の軸
足を移すこととなった。ラリーストとして知られる田
口だが、10 代の頃、モータースポーツの門を叩
いたのは実はダートトライアル。その意味では田
口のダートラへの復帰は原点回帰と言ってもいい
試みだった。
復帰後、初めてフル参戦を果たした今季、田
口は一線級の改造車が揃うSC2クラスで見事に
チャンピオンを獲得した。そしてダート
トライアル復
帰に当たって田口が選んだサスペンションがテイン
最終戦門前を制した田口は今季6度めの表彰台
に上がり、見事にチャンピオンを獲得した。
ションシステムであるEDFC ACTIVE PRO(下
だった。
段参照)も使用しているが、
「自動でGを感知し
「海外のラリーを長く戦ってきたので、外国製
てその都度最適な減衰力に変えてくれるのが強
のサスペンションも凄くいいのは勿論、分かって
力な武器になっています」とのこと。
「例えば、も
たんですよ。だけど、国内を走るなら国内メー
うちょっと足を硬くしたいんだけど、それ以上や
カーの方が路面も知っているし、対応も早いん
るとタイトなコーナーなんかで初期応答性に影響
です。その他にも、色々とメリッ
トが多いと感じた
してくるので妥協点を探る、と言うのが今までの
のでテインを使い始めました。もちろん性能的に
セッティング。でもEDFC ACTIVE PROは横
も十分に満足できるものを最初から供給してもら
Gや加減速 Gに応じて瞬時に減衰力を変える
いましたよ」
セッティングが可能なので、極端な話、すべての
田口はナンバーなしの4WDターボの改造車
コーナーで自分のイメージ通りの挙動が可能にな
が参加するSC2クラスに、ランサー・エボリュー
る。今年のシリーズを振り返ると特に中低速のセ
ションXで参戦している。今季使用しているサ
クションで稼げたという気持が強いんだけど、そ
スペンションはテインのタイプ・グループN F.R.S.
れはEDFC ACTIVE PROが可能にしてくれた
SPECだが、特にFRSシステム(ファスト・リバウ
んです」田口のタイトル獲得にテインが大きく貢
ンド・システム)の効果が大きいと言う。
献したのは間違いない、と言っていいだろう。
「例えば下りながらギャップがあったり、インカッ
ト
したときでも、凄く安定した走りが可能に
田口勝彦 2015年全日本ダートトライアル選手権リザルト
なるんです。最初にこのシステムを使っ
No.
会場
路面
結果
た時はちょっとしたカルチャーショックでした
第1戦 丸和オートランド那須(栃木県)
ドライ
準優勝
よ(笑)
。それぐらい、いい。今はもうこ 第2戦 スピードパーク恋の浦(福岡県)
マッド
優勝
れなしでは走りたくないぐらいですね」
第3戦 オートスポーツランドスナガワ(北海道) ドライ
準優勝
田口はテインが誇る究極のサスペン 第4戦 テクニックステージタカタ(広島県)
ドライ
準優勝
2015
champion
No.
路面
結果
第5戦 サーキットパーク切谷内(青森県)
会場
ドライ
5位
第6戦 モーターランド野沢(長野県)
ドライ
準優勝
第7戦 オートパーク今庄(福井県)
ウェット 6位
最終戦 門前モータースポーツ公園(石川県)
ドライ
優勝
自分だけのセッティングをとことん突き詰められることが、EDFC ACTIVE PROの最大のメリットだ
テインが開発したEDFC(エレクトリック・ダンピ
ング・フォース・コントローラー)は、室内から4輪の
減衰力を調整できる画期的なシステムだ。そのEDFC
をさらに進化させたのが、加減速Gや車速によって
その時の最適な減衰力に自動で調整してくれるEDFC
ACTIVE。そして、さらに旋回Gという要素も加え
て自動調整してくれるのが田口も使用しているEDFC
ACTIVE PROだ。EDFC ACTIVE PROは自分 で 好
は64 段、32 段、16 段の3 種類から選べるので、より
みのセッティングを入力できることが大きな特長。ま
細かくシビアな調整が可能となる。
「自分の場合はジム
た車速感応モード、加減速G感応モード、旋回G感
カーナコースで1コーナーを3回攻めただけで全然違
応モードは独立して使用することもできる。減衰を調
うっていうのが分かりました。ラリータイヤのブロック
整するモーターとコントローラーは無線通信するので、 がヨレるぐらいのGがかかる時でも、ちゃんとハンド
余計な配線を引き回す必要もない。そしてテインのダ
ルの切り足しが効くんですよ」とは田口。この強靭な
ンパーは通常、減衰力が16 段調整式だが、調整段数 “足”こそが、田口にタイトルをもたらしたのである。
通常、コントローラー
は室内に設置するが、
モータースポーツ競
技では予めセッティ
ングデータを入力し
た上で防水ケースに
入れ、エンジンルー
ム内に設置する。
今 年 も 各 ク ラ ス で テ イ ン ユ ー ザ ー が 続 々 と 勝 利 を 獲 得
FRでも4WDのように走れる足を追求した
鎌田卓麻(PN2クラス・2年連続チャンピオン)
昨年、全日本ダートトライアル選手権PN2クラスにスバルBRZを駆って初参戦し、いきなりタイトルを奪ってみせ
たのが鎌田卓麻だ。鎌田は今季もPN2クラスにBRZで参戦。計 5 勝をあげて、2 連覇を達成した。
「PNクラスは手軽
に低コストで参戦できるという趣旨のクラスですから、テインとしても比較的リーズナブルな価格設定のダンパーを設
定しました。PNクラスは別タン式ダンパーが禁止されていますが、テインとしてはその中で最もダートラに合うと思わ
れる複筒式ダンパーでセッティングしてきたんです。それが現在のタイプ・グラベルです」
鎌田が言うようにコスト的にもプライベーターには大いにメリットがあるのがタイプ・グラベルの特長だが、もちろ
ん性能面でも大いに信頼できる技術を誇っている。
「86 / BRZ 用の市販スペックは自分がセッティングしたんですが、
基本的にはトラクションが抜けにくく、FRだけどアクセルを開けたまま曲がれる仕様を、言い換えると4WDみたいに
アクセル全開でドリフトできる足を目指しているんです。特にフロントよりもリアのトラクションを重視しました。複筒
式はピストンスピードが遅い領域での減衰力がしっかり出る特性があるので、ハイスピードよりもダートラにマッチし
たロースピードでの乗りやすさを追求しました」
。このタイプ・グラベルはコーナリング中の切り足しも効き、初中級者
でもコントロールしやすい特性を持っていると言う。まさにダートラにマッチしたサスペンションだと言えるだろう。
2015
champion
道が荒れれば荒れる
ほど有利になる
赤羽政幸(N2クラス)
基本性能の高い万能な
サスペンション
大西康弘(SA2クラス)
ダートで培ったノウハウ
が一番の武器
炭山義昭(Dクラス)
N2クラスに参戦する赤羽政幸は海外
ラリーの参戦経験もあるグラベルスペ
シャリストの一人。今年は第5 戦切谷内
を制した。赤羽はテインが海外ラリー
で培った技術を注ぎ込んだタイプ・グ
ループ Nを装着する。
「タイプ・グルー
プ Nは道が荒れれば荒れるほど真価を
発揮するサスペンションですね。路面
からの急 激な入力
も一 発で 収まると
いう感じです。もち
ろん 切 谷内のよう
な硬い路面でも十
分なトラクションを
もたらしてくれまし
た。そ れ が 勝 利に
繋がったんです」
ナンバー付きの改造車クラスである
SA2クラスに参戦する大西康弘は、マッ
ディな路面との格闘を強いられた第2戦
恋の浦を制した。田口と同じグループN・
FRSを装着する。
「FRSは特に路面の悪
い所での凹凸の吸収がソフトなので、接
地性の面で圧倒的なアドバンテージがあ
りますね。恋の浦はその良さが活かせた
一戦だったと思いま
す。テイン・サスペ
ンションはともかく
基本性能が高い足な
ので、硬い路面でも
勝利を重ねられるよ
う、来年はセッティ
ングを煮詰めたいと
思ってます」
スーパー改造車が揃うDクラスを戦
う炭山義昭は過去8度のチャンピオンに
輝く全日本ダートラを代表する一人。田
口同様、グループN・FRSをベースに
EDFC ACTIVE PROも活 用している。
「FRSに進化して、さらに路面にタイヤ
が追従するようになったという印象だね。
テイン自体が長い活動の中で蓄積してき
たデータやノウハウが
あるから、1本めがダ
メな時でも2本め、ど
う振るかというのが見
えやすいのでタイムを
上げることが可能にな
る。1日の中でそれが
できるということは凄
く大きいんだよ」
21
モータースポーツを本 格的に始めたい人に送る
Bライセンス取得のための
ライセンスを G
ETして、
モータースポー
ツに参戦!
STEP UPガイド
モータースポーツ情報を入手しよう!
EP
.2
ST
Bライセンス講習会に参加しよう!
ST
講習会は約2時間。座学講習のスタイルで、モータースポーツの競技規則、ルールやマナー、また競技会参
加時に知っておくべき旗(赤旗、イエローフラッグ...)の意味などが解説される。講義といっても試験があるわけ
ではないからご安心を。ただ講義の内容は競技生活を続けて行く上で後々、必ず役に立つばかりだからしっかりと聞い
ておこう。またJAFでは最近、モータースポーツ
見学会にこの講習会をパッケージングしたイベン 座学講習は写真の「JAFモータースポーツハンド
ブック」をテキストとして進められる。
トも行っている。競技コースでナマの競技の雰囲
気に触れた後で、その場で座学講習を受けてライ
センスをゲットという流れのイベントになる。な
おBライセンス取得に関する費用は、講習会受講
料が¥4,100以内、教材費が¥1,000以内、ライセ
ンス申請料が¥3,100と決められている。因みに
JAF個人会員は入会金¥2,000+年会費¥4,000
で入会できる形になっている。
EP
.4
EP
.3
講習会を探して申し込もう!
モータースポーツを始めてみたい、という人はぜひBライセンスを取得して
みよう。普通自動車運転免許証を所持し、JAF個人会員であれば、誰でもBライを
取得できる。Bライは講習会を受ければ取
得できるが、講習会当日にJAF会員となるこ
ともOKだから、安心してほしい。講習会の日
程はJAFのモータースポーツホームページや、
JAF会員に届けられる機関誌「JAFメイト」に
掲載されているので、そちらで最寄りの場所を
チェックしよう。講習会は土曜・日曜・祝日に
開催されることが多いが、平日夜に行われる
場合もあるので、会社帰りに受けることもでき
る。受講する日程が決まったら、主催者に連絡 講習会の日程はJAFのHPや「JAFメイト」等で
チェックしよう。
して申し込もう。
ST
ジムカーナ、ダートトライアルを始めたいと思ったら、まずは自宅の近くの
競技コースを探してみよう。コースの情報はこのページの下のコース一覧でも紹
介しているが、コースによっては独自にホームページを持っている所もあるので、そ
こへアクセスすれば、開催されている競技会の情報なども入手できる。機会があれば
ぜひ、実際に足を運んでみてコースや、
そこで行われる競技会の雰囲気に触れる
のもいい。ラリーの場合は、12ページで
も触れているJMRC(JAF登録クラブ地
域協議会)のHPを活用するのが便利だ。
北海道/東北/関東/中部/近畿/中国
/四国/九州の8ブロックごとにHPが開
設されているので、こちらでラリーの情 モータースポーツ全般について知りたいという人は
JAFのモータースポーツHPをチェックしよう。
報をチェックしてみよう。
ST
EP
.1
ラリーやジムカーナ、ダートトライアルを本格的に始めたいという人は、
ぜひJAFが発給しているJAF Bライセンスを取得して競技に参加しよう!Bライ講習会に参加すれば、
国内モータースポーツのルールなども簡単に知ることができる。まず情報集めから始めてみよう!
ライセンスをGETしたら、
競技に参加しよう!
講習会を受講するとライセンス交付申請書が渡
されるので、写真と申請料を添えて30日以内に最寄
りのJAF支部に申請しよう。講習会に
よっては主催者が代理で申請してくれ
る場合もある(別途、手数料が必要な
場合もあり)ので事前に確認しておこ
う。申請後、約2 〜 3週間後にはライ
センスが手元に届く。さぁモーター
スポーツにチャレンジ開始だ!
Bライを取得すると機関誌「JAFスポーツ」
が送られてくるのでチェックしてみよう!
全 国 J A F 公 認 B ラ イ セ ン ス 競 技 コ ー ス 一 覧
※2015 年10 月1日現在 JAF 公認コース
福田自動車教習所
(静岡・磐田市)
ジムカーナコース
オートスポーツランドスナガワジムカーナコース
(北海道・砂川市)
新千歳モーターランド・アクティブ・セーフティ・パーク
(北海道・千歳市)
十勝インターナショナルスピードウェイジュニアコース
(北海道・河西郡)
岩木山スキー場駐車場
(青森・弘前市)
スポーツランドSUGO西コース
(宮城・柴田郡)
新協和カートランド
(秋田・大仙市)
エビスサーキットジムカーナコース/スクールコース/西コース
(福島・一本松市)
茨城中央サーキット
(茨城・石岡市)
筑波サーキットコース1000 /ジムカーナ場
(茨城・下妻市)
ツインリンクもてぎ北ショートコース/マルチコース/南コース
(栃木・芳賀郡)
富士スピードウェイジムカーナコース/
ショートサーキット(静岡・駿東郡)
キョウセイドライバーランド
(愛知・岡崎市)
幸田サーキットYRP 桐山
(愛知・額田郡)
スパ西浦モーターパーク
(愛知・蒲郡市)
美浜サーキットクニモト(愛知・知多郡)
鈴鹿サーキット国際南コース
(三重・鈴鹿市)
奥伊吹モーターパーク(滋賀・米原市)
舞洲スポーツアイランド
(大阪・大阪市)
姫路セントラルパーク第 5 駐車場
(兵庫・姫路市)
名阪スポーツランドCコース/ Eコース
(奈良・山辺郡)
備北サーキット
(岡山・新見市)
なださきレークサイドパーク(岡山・岡山市)
岡山国際サーキットレーシングコース
(岡山・美作市)
日光サーキット(ドリフト競技に限定)
(栃木・宇都宮市)
スポーツランド TAMADA
(広島・広島市)
本庄サーキット
(埼玉・本庄市)
TSタカタサーキット
(広島・安芸高田市)
浅間台スポーツランド
(千葉・香取市)
徳島カートランド
(徳島・吉野川市)
R-Spec Kakizaki
(新潟・上越市)
瀬戸内海サーキット
(愛媛・西条市)
スピードパーク新潟
(新潟・胎内市)
美川スポーツランドジムカーナコース(愛媛・上浮穴郡)
日本海間瀬サーキット(ドリフト競技に限定)
(新潟・新潟市)
モーターランドたぢかわ
(高知・長岡郡)
イオックスアローザスポーツランド
(富山・南砺市)
スピードパーク恋の浦
(福岡・福津市)
大日スポーツランド
(石川・白山市)
オートポリスレイクサイドサーキットコース
(大分・日田市)
さるくらモータースポーツランド
(長野・飯田市)
HSR 九州ドリームコース(熊本・菊池郡)
JAFホームページ~公認コース一覧
ダートトライアルコース
オートスポーツランドスナガワ ダートトライアルコース
(北海道・砂川市)
新千歳モーターランド ダートコース
(北海道・千歳市)
糠平湖氷上コース(北海道・河東郡)
イーストジャパンオフロードスタジアム
(北海道・河東郡)
サーキットパーク切谷内
(青森・三戸郡)
エビスサーキット西コース
(福島・一本松市)
丸和オートランド那須
(栃木・那須塩原市)
オートランド千葉 ダートトライアルコース第1コース
(千葉・千葉市)
NATSダートコース
(千葉・成田市)
トライアルゾーン新潟
(新潟・三条市)
池の平ワンダーランド(愛知・豊田市)
輪島市門前モータースポーツ公園
(石川・輪島市)
オートパーク今庄
(福井・南条郡)
モーターランド野沢 (オートクロス可)
(長野・下高井郡)
コスモスパーク
(京都・京都市)
テクニックステージタカタ
(広島・安芸高田市)
楠ハイランドパーク
(山口・宇部市)
香川スポーツランド
(香川・さぬき市)
スピードパーク恋の浦(福岡・福津市)
http://www.jaf.or.jp/msports/course/circuit/index.htm
本誌“CLUBB vol.15”
本誌“CLUB
B vol.15”はWEBでもご覧になることができます。これまでのバックナ
は
ンバーも掲載していますので、興味のある方は下記のホームページへアクセス下さい。
WEBでも見れます! JAF出版社ホームページ http://www.jafpubco.co.jp/
CLUB B Vol.15 Bライセンスモータースポーツ応援マガジン
発 行 所 ㈱JAF出版社
〒105-0012東京都港区芝大門1-1-30
発 行 人 望月均
編 集 人 田代康
GO!
デザイン 鎌田僚、島村勝頼
編 集 ㈱JAF出版社 ☎03-5470-1712
本誌掲載記事、写真の無断複写・複製・転載を禁じます。