日本看護系学会協議会 日本学術会議健康生活科学委員会看護学分科会 共 催 シンポジウム 看護の役割拡大に向けてのイノベーション 日時: 平成 平成20 20年 年12月1 12月144日(日)、 日(日)、115:00~ :00~17:00 場所:福岡国際会議場 409 第4会場 場所: 【開催趣旨】 日本学術会議においては、長期的な視点で持続可能な医療を構築するために、 医療のイノベーション検討委員会を中心に検討し「信頼に支えられた医療の実現 ―医療を崩壊させないために」という政府への要望を出しました。また看護学分科 会では「看護職の役割拡大が安全と安心の医療を支える」という提言を発表しまし た。本題6月シンポジウムの第2弾である今回のシンポジウムでは、政策と学術の 最新の動きを踏まえ、国民の健やかな暮らしを保証する医療改革に向けて、看護 が担うべき役割・自律的判断の拡大について検討します。 <司 会> 太田 喜久子 (日本看護系学会協議会会長、慶應義塾大学看護医療学部教授) <シンポジスト> 野村 陽子 (厚生労働省 看護課課長) 南 裕子 (日本学術会議会員、看護学分科会委員長、近大姫路大学学長) 片田 範子 (日本小児看護学会、兵庫県立大学看護学部教授) 田中美恵子(日本精神保健看護学会、東京女子医科大学看護学部教授) <後援:日本看護科学学会第28 <後援:日本看護科学学会第 28回学術集会> 回学術集会> 看護の役割拡大に向けてのイノベーション 太田 喜久子 ウムのテーマ、看護の役割拡大に向けてのイ (慶応義塾大学教授 ノベーションということでは、6 月に第 1 回 司会 日本学術会議看護学分科会副委員長) 目のシンポジウムを東京で開催をしておりま す。そのときはまだ提言はできていなかった 学術集会の最後のほうになりまして、こんな んですけども、その際は南先生が司会、さま にたくさんお集まりいただきまして、本当に ざまな会員学会から、看護管理の立場、管理 ありがとうございます。それでは、ただいま 学会から井部さん、母性看護学会からは山本 から日本看護系学会協議会と、日本学術会議 さん、地域看護学会からは金川さん、がん看 健康生活科学委員会看護学分科会共催のシン 護学会から小松さん、で、分科会として太田 ポジウムを始めさせていただきたいと思いま が出るという風な形でシンポジウムを開催い す。私は日本看護系学会協議会の会長をして たしました。そのようないきさつがあって本 おります、太田です、どうぞよろしくお願い 日が第 2 回目ということになります。この第 いたします。日本看護系学会協議会という名 2 回目は、このテーマに関して、学術の立場 称につきましては、まだ名前をあまりみなさ だけではなく、政策の立場からのご発言も頂 んご存じない方が中にはいらっしゃるんじゃ いて、幅広く現在の状況について皆様に情報 ないかもしれませんけども、これは看護の学 提供したり、交換したりしてこのテーマに関 会、その中の一つとして本学術集会を開催し する検討を広め、また深めていきたいと思っ ていらっしゃる、日本看護科学学会も会員に ています。で、今回シンポジストとして、そ なっている、全部で 34 の学会が、協議会の中 ういうことでお招きいたしましたのが、厚生 に会員として所属していらっしゃるものです。 労働省から看護課長をしていらっしゃる野村 さまざまな看護系の学会を束ねているという 陽子さん、日本学術会議会員でもいらっしゃ ことです。それで、学術会議との関係ですと る看護学分科会の委員長でもあります、南先 か、さまざまな、いろんな外部機関と学会と 生、南先生は看護科学学会の理事長でもいら をつなぐ役割を果たしております。で、その っしゃいます。日本小児看護学会の立場から 看護系学会協議会と、日本学術会議の中には、 ご参加いただきます、片田範子さん。日本精 健康生活科学委員会というものがあって、そ 神保健看護学会からということで、田中美恵 の中の看護学分科会との共催で、今日このシ 子さんというそうそうたるメンバーにお集ま ンポジウムを開催することになりました。で、 りいただいたということです。で、そういう その経過の中には、看護学分科会が看護職の ことで、政策と学術の最新の動きを踏まえて、 役割拡大が安全と安心の医療を支えるという 看護の役割拡大に向けて幅広く国民の安全と 提言を、この 9 月に公表いたしまして、その 安心を、医療を支える看護の役割のあり方に 活動の中に、看護系学会協議会がずっと協力 ついて検討していきたいと思っております。 し合ってやってきたといういきさつがありま す。そういう連携の中で、実は、本シンポジ シンポジスト 野村 陽子 (厚生労働省 看護課課長) 保助看法と看護行政 1.資格の定義と業務 第2条~6条、第29条~42条 第28回 日本看護科学学会学術集会 2.資格者の知識・技能の水準の維持 第17条~28条 看護行政における看護の役割 と責務の拡大について 3. 免許の付与 第7条~16条 3 厚生労働省医政局看護課長 野 村 陽 子 資格の定義と業務 1 看護行政における看護の役割と責務の拡大に ついて、看護行政の立場からスライドを活用 しながらお話いたします。 保健師、助産師、看護師、准看護師の定義 業務独占、名称独占の規定 就業届出 医師等との業務の関係・範囲、医療行為の禁止 保健師に対する主治医等の指示 助産師業務に関する規定 本テーマとなっている業務の見直しについて 秘密の保持 4 の議論は、今回の医師不足のように、社会問 題化したときに度々起こってきました。不足 これまでの行政解釈 を解消すべき専門職の養成には非常に時間が かかるため、現有勢力でどう担っていくかと 昭和23.8.12 26.6.9 血圧、握力、肺活量の測定を業とする者の取締について 助産婦の血圧測定について いったところが要となっていると考えます。 32.12.10 病院勤務助産婦の助産録記載について 看護行政は、量の確保というのも大きなテー 35.6.13 助産師が乳房マッサージを業とすることについて 40.7.1 麻酔行為について マですが、本日の課題は質の向上に関するこ とと思います。 平成12.11.9 14.9.30 ベッドメイキングの業務委託について 静脈注射の実施について 14.11.14 助産師の業務について 16.9.13 看護行政の方向性 産婦に対する看護師業務について 看護行政は、法律に基づいて看護の業務範囲 国民が受ける看護の質の向上 を明確に位置づけており、そこを逸脱してい たり、整理が必要になった場合には、その解 量的確保 少子化 高齢化 在宅医療 釈を昭和 23 年からずっと示してきました。 資質の向上 高度化 専門分化 医療事故 2 協働・連携に関するこれまでの提言 ① 新たな看護のあり方に関する検討会 報告書 (平成15年3月24日 厚生労働省医政局) 1.患者の生活の質の向上のための専門性の高い看護判断と看護技術の提供に向けて (2)時代の要請に応じた看護のあり方、医師等との連携のあり方 ○患者のニーズに応じて、より良い医療・看護サービスを提供していくためには、 看護師等は、医師、薬剤師その他の医療関係職種とともに、それぞれの専門性を十分に 発揮しながら、相互の信頼関係の下に密接に連携することが重要である。 ○在宅で療養中の患者をはじめとして、患者の生活の質の向上を図るためのケアを迅速 かつ適切に提供するという観点からは、医師と看護師等の十分な連携と信頼関係の下で、 患者に起りうる病態の変化にも対応可能な医師の指示に基づき、看護師等が適切な観察 と看護判断を行い、患者に対して適切な看護を行うことが望ましいと考えられる。 この場合、看護師等は、その後の患者の状態についての観察結果や看護の立場からの 判断を医師等に適切に伝え、より良いケアを行っていくことが必要である。 ○いわゆる「包括的指示」を含めた医師と看護師等の連携のあり方、医師の指示の仕方、 看護師等からの報告のあり方については、それぞれの資格、経験、専門性、患者の病態、 医療行為の内容等に応じて異なるものであることに十分留意しなければならない。 この点も踏まえつつ、療養生活の支援については、看護師等が、知識・技能を高め、 医師等との適切な連携のもとに、その専門性、自律性を発揮し、患者の生活の質の向上 に資する的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが求められている。 協働・連携に関するこれまでの提言 ② 安心と希望の医療確保ビジョン (平成20年6月18日 厚生労働省) Ⅱ.具体的な政策 1 医療従事者等の数と役割 (4)職種間の協働・チーム医療の充実 エ.医師と看護職との協働の充実 医師・看護師がそれぞれの専門性を情報共有や会議等を通じて十分に発揮するとともに、効率的な 医療の提供に資するため、チーム医療による協働を進める。その際、これからの看護師には、医師や 他のコメディカル、他の職員等や患者・家族とのコミュニケーションを円滑にする役割等が求められ るほか、在宅や医療機関におけるチーム医療の中で、自ら適切に判断することのできる看護師の養成 が必要であることなどから、看護基礎教育の内容及び就労後の研修を充実するとともに、教育の方法 や内容、期間について、将来を見渡す観点からの望ましい教育の在り方に関する抜本的な検討を進め る。 また助産師については、医師との連携の下で正常産を自ら扱うよう、院内助産所・助産師外来の普 及等を図るとともに、専門性の発揮と効率的な医療の提供の観点から、チーム医療による協働を進め る。またその際、助産師業務に従事する助産師の数を増やすとともに、資質向上策の充実も図る。 安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会 中間取りまとめ (平成20年9月22日 厚生労働省) 3 コメディカル等の専門性の発揮とチーム医療 ○コメディカルが専門性を持ち、キャリアアップできる仕組みが必要であり、そうしたことへの インセンティブの付与や支援が必要である。同時に、コメディカルの数を増加させることに ついて具体的な検討が必要である。 ○チーム医療を実践することや各職種が専門性を発揮し、患者のためのよりよい医療が行われる 体制がとられることを前提に、その職種でなくても行いうる業務を他の職種に担わせるスキル ミックスを進めるべきである。 4 地域医療・救急医療体制支援 ○ がんなどの在宅医療や看取りまで行う在宅医療・在宅医の専門性を評価すべきである。 訪問看護について、医師の標準的指示書や個別的約束指示の下で看護師の裁量性を認めることや、 訪問看護のあり方を検討すべきである。 平成20年度予算 業務の規定に関する通知等 院内助産所・助産師外来 医行為に関する違法性阻却 *在宅ALS患者の痰の吸引(平成15年7月) *盲・聾・養護学校における痰の吸引、経管栄養、 導尿の補助(平成16年9月) 院内助産所、助産師外来の設置を促進 産科の病院、診療所の設備整備事業 開設のため、医療機関管理者及び 業務の範囲に関すること 「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での 役割分担の推進について」通知 (平成20年12月) 助産師に対する研修事業 8 医師と他の医療従事者等との役割分担の推 進 ○医師でなくても対応可能な業務を医師が行っていることが病院勤務医の厳しい勤務環境の一因。 ○このため、医師等でなくても対応可能な業務例を下記のとおり整理。 (平成19年12月28日付け医政局長通知「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での 役割分担の推進について」より) 助産師 事務職員・看護補助者 平成21年度予算要求 看護師 ① 書類等の記載の代行 ・診断書 ・診療録 ・処方せん ・主治医意見書等 ① 正常分娩における助産師の 活用 ① 訪問看護等における医師の 事前指示に基づく薬剤の 投与量の調節【看護師】 ② 妊産婦健診や相談における 助産師の活用 ② 静脈注射の実施【看護師】 ② オーダリングシステム への入力代行(診察や 検査の予約) ③ 病院内で医師・助産師が 連携する仕組みの導入 (院内助産所・助産師外来等) ③ 院内の物品の補充・患 者の検査室等への移送 等 10 ③ 救急医療における診療の 優先順位の決定【看護師】 ④ 採血の実施・検査の説明 【臨床検査技師】 協働推進研修事業(新規) 看護職員専門分野研修事業(増額) 院内助産所・助産師外来研修事業(増額) ⑤ 病棟等における薬剤管理 【薬剤師】 ⑥ 医療機器の管理 【臨床工学技士】 9 11 医行為に関するいろいろな議論については、 看護職の新たな役割の分担を普及するため、 平成 15 年の新たな看護のあり方に関する検 研修の費用を新規に要求し、また、認定看護 討会、これに引き続いて、ALS の在宅の患者 師の研修補助金や、院内助産所・助産師外来 さんの痰の吸引について議論が行われました。 への増額要求等 21 年度の予算要求は通常の それ以外では、平成 19 年 12 月に出された医 予算要求よりこの部分をかなり厚く要求をし 師と他の医療従事者との役割分担の推進、医 ています。実際に通知を出すだけではなく、 師でなくても対応可能な業務の例が示されま それを裏打ちするための研修も進めています。 した。これも視野に入れて、平成 20 年 6 月1 8 日に、「安心と希望の医療確保ビジョン」 が示されています。 厚生労働科学研究(平成20年度) 研究課題名 研究者名 ALSおよびALS以外の療養患者・障害等医療依存度の 高い療養者における在宅療養環境の安全性の確保と、 支援関係職種間の効果的な連携の推進に関する検討 川村佐和子 医師と看護師との役割分担と連携の推進に関する研究 太田 喜久子 「薬剤の投与量の調節」等における医師と看護師との 連携・協働業務指針の作成に関する研究 勝原 裕美子 病院勤務医等の勤務環境改善に関する緊急研究 武林 亨 12 協働・連携を推進するために 看護基礎教育・新人看護職員研修の充実 専門的な看護を行う人材(専門看護師、認 定看護師等)の育成 看護業務の見直し 専門的な看護の実践と効果の明確化 13 看護基礎教育の充実に関する検討会報告書(平成19年3月23日まとめ) ・看護基礎教育カリキュラムの見直しは、前回改正(平成8年度)から10年以上経過。 ・特に新人看護職員の臨床実践能力の低下→早急な対応が不可欠。 ・現行の教育期限の範囲内(看護師3年、保健師・助産師各半年)での改正で、現下の問題 に速やかに対応 ・統合分野・統合科目の創設 看護師教育 ・臨地実習の充実等 保健師教育 (基礎・専門科目で履修した内容を臨床で活用するため、 チーム医療、看護管理、医療安全等を学ぶとともに、複数 患者の受持ちや一勤務帯の実習も含めた実習とする。) (現場での実際の業務に即した形での教育内容(計画、 実施、連携調整、評価等)とする。) ・各分野での教育内容の充実 (社会の課題を政策形成過程に活かす能力に力点) (医学的な基礎科目を臨床での応用を志向したものとすると ともに、コミュニケーションやアセスメント能力、看護倫理、 終末期看護等を強化した内容とする。 ・保健師に必須の技術項目と卒業時到達度を明確化 (引き続き検討) ・看護師に必須の技術項目と卒業時到達度を明確化 (約140項目の技術につき、「単独で実施できる」~「知識と してわかる」まで4段階に必要な到達度を設定) ・教育現場の負担にも配慮し、これらを実施する上で最低限 必要な単位数の増(看93単位→97単位、保21単位→23単 位、助22単位→23単位)を実施 ・保健福祉行政教育の強化 ・臨地実習の充実等 助産師教育 (実習対象となる分娩の定義の明確化、産前産後に継 続した事例の実習、分娩以外の支援能力の重視) ・各分野での教育内容の充実 (チーム医療、他職種協働、医療安全等) ・助産師に必須の技術項目と卒業時到達度を明確化 看護基礎教育の方法や内容、期間については、我が国社会と保健医療福祉制度の長期的な変革 の方向性等、将来を見渡す観点からの望ましい教育のあり方に関する抜本的な検討を別途早急に 行う。 看護基礎教育のあり方に関する懇談会 論点整理 (H20.7.31) Ⅰ.医療・看護を取り巻く状況の変化 ●少子高齢化等の環境の変化 ・高齢化に伴う医療の進展 ・医療提供の場の多様化、在宅医療の推進 ・少子化等による看護学生の量と質の確保が困難 ●医療・看護における変化 ・医療の高度化、国民の医療への意識の高まり ・看護職員の役割、価値の増大 ・チーム医療、役割分担の推進 Ⅱ.看護職員に求められる資質・能力 ●看護の特徴 ・経験知として培われた技術を基に、臨機応変に対応すること ・患者と並座して医療を提供 ●一般的・普遍的な資質・能力(知的・倫理的側面) ・豊かな人間性や包容力、人としての成熟 ・倫理観、涵養された生命観、継続的な自己研鑽への意欲 Ⅲ.看護基礎教育の充実の方向性 ●専門職としての資質・能力(技術的側面) ○基本となる資質・能力 ・根拠に基づき判断し臨機応変に看護を提供できる能力 ・予防的な視点と全人的ケアの視点、経営管理能力 等 ○急性期医療等を担うために必要な資質・能力 ・最新の医療技術・手技を習得する姿勢・能力 ・高度なフィジカルアセスメント能力、緊急時の対処能力 等 ○生活を重視した看護提供に必要な資質・能力 ・在宅医療を受ける人に対して的確に対応する能力 ・他職種との連携、協働、家族調整力等 ○看護の発展に必要な資質・能力 ・実践知と理論知を結びつけ活用、普及していく能力 等 ●目指すべき教育(今後の方向性) 「いかなる状況に対しても、知識、思考、行動というステップを踏み最善な看護を提供できる 人材として成長していく基盤となるような教育」を提供していくことが必要不可欠。 ●具体的な方策等 イ.将来的には、看護基礎教育の期間の延長を図り、大学での基礎教育に移行する必要。 ロ.将来的には、大学教育を主体とした方向で看護基礎教育の充実を図る必要。その際には、 養成数、看護職員確保への影響、養成所運営側の観点も踏まえた対応とすべき。また、 カリキュラムを精査し、状況変化に対応できる能力を身につける教育への転換が相応しい。 ハ.大学教育における養成の必要性は認識しつつ、現行の多様な養成課程を評価し、 教育の充実に向けて必要な改善を図る必要。 ●改善に関する共通した課題 ・教員の資質と数の確保 ・教育環境の整備 ・教育方法の整備 ・卒後の新人看護職員研修の必要性 Ⅳ.留意事項 ●今後の看護基礎教育の充実を進めていく上での留意事項 ・看護職員需給への影響 ・養成に関わる費用 ・准看護師について ・継続的な学習を可能とする環境の整備について ・保健師、助産師教育について 新人看護師・新人助産師臨床実践能力向上推進事業(平成17年~) 平成20年度予算額:272百万円 看護基礎教育における学習内容と臨床現場で求められる能力にギャップがあり、新卒者の中にはリアリティショックを受ける者や 高度な医療を提供する現場についていけない新人看護職員の離職の原因となっている。 一方で医療安全の確保に向けた体制整備が喫緊の課題となっており、新人看護職員の資質の向上が急務となっている。効果的 かつ効率的な研修方法等を普及していくことがこうした課題への対応として必要であることから、卒業直後からの新人看護師及び新 人助産師に対する研修をモデル事業として実施している。 <研修施設基準を元に施設選定> 平成20年度 新人看護師研修 選定施設 39施設 新人助産師研修 選定施設 19施設 教育担当者研修 選定施設 22施設 選定施設 13施設 実地指導者研修 他の医療機関からの新人看護師・新人 助産師を含め、モデル実施病院におい て研修を行うことにより、医療安全及び 臨床能力の向上を目指す。 委 託 成果の報告 厚生労働省 モデル実施病院 新人看護師・新人助産師を 採用した病院及び診療所 < 事業の概要 > 本事業は、新人看護師・新人助産師に対し、十分な指導体制及び研修プログラムを有する医療機関において実施される新人看護 師・新人助産師に対する研修(以下、「新人看護師研修」「新人助産師研修」)に係る費用の一部を補助するものである。 また、効果的な研修の実施にあたっては、教育担当者の能力開発、育成が必須であることから、十分な研修プログラムを有する 医療機関において実施される教育担当者等に対する研修についてもこれに係る費用の一部を補助するものである。 看護職員の資質向上について 基本的技能・知識の習得 専門性の向上(臨床技能の向上) 臨床現場における基本的な看護 技術や知識の修得 専門領域の実務的な知識・技術の向上 (就業直後~) (指導的専門的立場の看護職員) (実務経験5年以上の中堅看護職員) 新人看護職員研修 中堅看護職員研修 看護職員専門分野研修 ○ 研修指導者を対象に、 ○ 専門領域の実務的な 知識・ 技術の向上を図る。 ① 新人看護職員研修の 指導指針等の研修 ② 臨床実務研修を実施。 ※5~15日程度 特定の分野において、水準 の高い看護を実践できる専 門性の高い看護師の育成。 ※6ヶ月程度 ○ がん及び糖尿病について、 臨床実践能力の高い専門 的な看護師の育成。 ※①は1日、 ②は20日程度 ※40日程度 ○ 新人助産師及び研修 指導者に対する実務研修 を実施 (研修内容) 救急看護、創傷・オストミー・ 失禁、感染管理、重症集中 ケア、ホスピスケア、糖尿病 看護、がん化学療法看護、 訪問看護 等 17 今年の 11 月 27 日には、現下の課題である、 看護職員の確保、チーム医療の推進、医師や 開催要綱 今後の医療の高度化や医療提供の場の多様化といった変化に 対応するために、チーム医療を担う一員として看護職員の質の向上 と確保が重要であり、将来を見据えた改革が必要である。 このため、本年11月27日から会議を開催し、現下の具体的課題を把握すると ともに、基本的な方向性について検討を進めていく。 趣 旨 検討課題 看護職員の確保 新人看護職員の質の向上 運 営 チーム医療の推進 看護教育のあり方 厚生労働大臣の検討会とする。 本会議の庶務は、厚生労働省医政局で行う。 議事は公開とする。 看護師の協働連携、等を議論する厚生労働大 臣が主催する検討会がスタートしています。 社会保障国民会議の改革イメージ 19 こういったことを進めていくために押えなければいけないことは、やはり、基礎教育を充実して いくことが一番重要かと思います。そして、新人看護職員の臨床実践能力に問題がありますので、 新人研修を普及していく必要があります。また継続教育として、専門的な看護を行う人材の育成、 もう一つの側面としては、ベースになる看護業務を看護の専門性や自律性の観点から見直してい くことも重要だろうと思います。 今後、チーム医療における協働連携を進める 協働・連携の留意点 上で、何が一番大事かということですが、医 看護の専門性、自律性を高める観点 療サービス全体をとらえた中で、看護の役割 チーム医療の中で推進 をどう考えるのか。そして、国民が求めてい 医療安全の確保 る医療安全、国民の QOL の向上にいかに貢献 国民のQOLの向上に貢献 することができるのか。また、専門職間のコ 関係者のコンセンサスを得る ンセンサスづくりが重要ではないかなと考え 20 ているところです シンポジスト 南 裕子 (日本学術会議会員 看護学分科会委員長 近大姫路大学学長) シンポジウム: 看護の役割拡大に向けてのイノベーション 日本学術会議看護学分科会提言 看護職の役割拡大が 安全と安心の医療を支える 日本学術会議会員 看護学分科会委員長 南 裕子 (近大姫路大学学長) 日本学術会議と学協会の関係 看護学分科会 日本 看護系学会 協議会 南です。基本的には学術会議の健康生活科学 委員会看護学分科会の立場からお話します。 学術会議の看護学分科会と日本看護系学会協 議会とは、密接な関係を持ち、34 の看護系学 会が協議会を通して、看護学分科会に提言を し、また学術会議から委嘱を受けていくとい う形を取っています。 日本学術会議における動向 • 要望:信頼に支えられた医療の実現 -医療を崩壊させないために 2008年6月26日 • 提言:看護職の役割拡大が安全と安心の医 療を支える(仮称) 2008年8月末発表予定 日本学術会議医療のイノベーション検討委員会 看護職の課題と役割拡大の背景 2008年6月26日 委員長 桐野 髙明 (第二部会員) 国立国際医療センター・総長 副委員長 田中 滋 (特任連携会員) 慶應義塾大学大学院 幹 事 中田 力 (連携会員) 新潟大学 幹 事 和田 仁孝 (連携会員) 早稲田大学大学院 神野 直彦 (連携会員) 東京大学大学院 二木 立 (連携会員) 日本福祉大学 平林 勝政 (特任連携会員) 國學院大學法科大学院 北島 政樹 (第二部会員) 国際医療福祉大学 北村 惣一郎(第二部会員) 国立循環器病センター 猿田 享男 (第二部会員) 慶應義塾大学 永井良三 東京大学大学院 本田 孔士 (第二部会員) 大阪赤十字病院 南 裕子 (第二部会員) 近大姫路大学 山本 修三 (連携会員) 社団法人日本病院会・会長 佐久間 一郎(連携会員) 東京大学大学院 山口 隆美 (連携会員) 東北大学大学院工学研究科・教授 要望:信頼に支えられた医療の実現 -医療を崩壊させないために 2008年6月26日 (3) チーム医療の促進 チーム医療の促進には、医師以外の職種との綿密な協力体 制が求められることに疑問の余地はない。(中略) このように、現在でも医療行為の分担についての考え方が ないわけではないが、問題はどの範囲の医療行為を委譲し 得るかにある。この点は、医師以外の職種の知識・技量の 発達や時代の変化に即して柔軟に対応する必要があり、そ うしなければ医療の実情にそぐわないものとなる。現在医師 のみが実施し得るとされている医療行為の一部について、 看護師など、適切な教育を受け、必要な知識と能力を有す る他の職種に委譲していくことについて、速やかに検討すべ きである。高度の専門性を有する他職種にこのような業務を 委譲していくことは、医療の質の向上とともに医療の効率化 にも寄与し得るであろう。 看護職の役割拡大のために検討が必要なこと • 医師法17条:医師でなければ医業をなしてはならない。「医 業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び 技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危 害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意 志をもって行うことである • 保助看法37条:保健師、助産師、看護師又は准看護師は、 主治の医師又は歯科医師の指示があった場合を除くほか、 診療器械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示し、 その他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を 生じるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応 急の手当てをし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施し、 その他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、 この限りでない。 看護職の役割を考えていく時に、現在看護界 が培ってきた制度とその役割拡大と、それか ら、新たに今以上の役割拡大をしていくとい う問題があると思います。 • • • • • • • • 少子高齢社会におけるヘルスニーズの変化 医療経済の厳しさ 医師の地域偏在、診療科偏在 若手医師のニーズの変化 病院医療と地域医療の在り方の変化 災害や予期せぬ事態の頻発 看護学・看護技術の発展 看護スペシャリストの育成と普及 看護職の役割拡大 一般看護職の役割拡大 • 認定看護師・専門看護師等の役割拡大 • 高度実践看護師の役割特定 国際的な看護の裁量の幅の動向 ーtask shifting ーcure/careの統合 ー看護企業家の台頭 我が国における専門看護領域 スペシャリスト養成の構造 専門看護師 3年以上臨床経験 2年間の大学院教育(修士号) 修了後1年以上の経験 (合計5年以上の臨床) 240 名 看護協会認定試験合格者 認定看護師 救急、皮膚排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法、がん性疼痛、 感染管理、糖尿病、不妊症、新生児集中ケア、透析、手術、訪問、乳がん 摂食嚥下障害、小児救急、認知症 5年以上の臨床経験、 6ヶ月以上の教育課程 3383 名 看護協会認定試験合格者 看護ジェネラリスト 4年制大学プログラムまたは3年制短大、専門学校 その他准看+2年制短大、専門学校 継続教育として 看護協会等が行う ジェネラリスト教育 専門看護師教育課程:分野別 分野 老人看護 小児看護 精神看護 がん看護 急性・重症患者看護 地域看護 慢性疾患看護 母性看護 感染症看護 家族看護 合計 数 17 16 14 14 11 9 8 8 3 2 高度看護実践家への動き • • • • • • • • • • 厚労省 文科省「高度専門職大学院制度」 日本看護系大学協議会JANPU 内閣府規制改革会議 厚労省「安心と希望の医療確保ビジョン 日本学術会議 日本看護系学会協議会・看護系学会 医師等からの要請 マスコミ 国民 (日本看護協会) 専門看護師登録者 (2008年7月1日現在) 分野 がん看護 精神看護 小児看護 慢性疾患看護 急性・重症患者看護 母性看護 老人看護 地域看護 感染症看護 家族看護 合計 登録者数 104 44 22 17 16 14 12 8 1 0 本日の焦点 専門看護師・高度実践看護師 の役割、特に裁量権の拡大について (日本看護協会) 私は今日はあえて、高度実践家での動きとい 専門看護師教育機関 教育機関 34大学院 教育課程 102課程 (日本看護協会) う形でお話しします。 役割拡大に向けての看護界の準備性 看護師等の基礎教育の向上 卒後教育の加速度的促進 専門看護師・認定看護師制度の確立 看護師等の個人的向上心のコミットメンとの 高さ • 組織の質保証に対するコミットメントの高さ • 医療・看護器具の開発と安定化 • • • • 日本版ANPコンピテーシー作成枠組 み 看護:ケアとキュアの統合 環 境 • ICN 2006 APNのコアコンピテンシー • U.S.A.(2002) The National Organization of Nurse Practitionor Faculties & The American Association of Colleges of Nursing 人と生活 健康状態 ケア キュア 看 護 2009/2/2 20 役割拡大においては、理念的なものの整理が 重要でして、医師がやっていることを、その まま看護師に移譲していくことに対しては、 看護界は抵抗があると思います。看護界が取 り組む以上、ケアとドッキングした形で、こ 日本語版ANPのコア・コンピテンシー 分野1:患者の健康/病気の状態の管理 { 健康増進・保護と疾病予防 5項目 { 患者の病気の管理 8項目 { 上記二つに充当 22項目 のシフトが起こってくるべきです。私たちが 裁量権の拡大をしていく時には、医師とは違 分野2:ANP-患者関係 13項目 う質のサービスを提供することができるよう になるという理念的な前提の上にたっている ということでご理解いただきたいと思います。 JANPUの最近の動き • 専門看護師教育課程の認可と更新 • 平成16年度「看護専門職大学院設置基準 案」---高度実践看護師 ANPの提案 • 日本版ANPコンピテンシー案(平成17年度) • CNSを対象に上記の妥当性の調査 • がん・小児・僻地の分野のANPの可能性の 検討 • 高度実践看護師制度の検討 日本語版ANPのコア・コンピテン シー 分野3:教育指導機能 1.タイミングをみること 2.引き出すこと 3.援助 分野4:専門職としての役割 1.役割の開発と実践 2.ケアの方向付け 3.リーダーシップ 3項目 4項目 4項目 4項目 8項目 5項目 日本語版ANPのコア・コンピテン シー 分野5:医療提供システムの管理と交渉 1.管理 9項目 2.交渉 7項目 分野6:実践するヘルスケアの質の確保と モニタリング 1.質の確保 11項目 2.質のモニタリング 3項目 日本語版ANPのコア・コンピテン シー 分野7:文化的コンピテンシー 1.文化的コンピテンシー(一般) 6項目 医行為(医師の医学的判断及び技術をもってするの でなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼ すおそれのある行為)に関する看護職との関係 • • 2.スピリチュアル・コンピテンシー 5項目 医師または歯科医師でなければ判断・処方・行為を してはならない。 医師または歯科医師の指示があれば、その枠内で 看護職が判断・行為を行うことができる *特定の人のすべての状況に個別指示 *特定の人の一定の条件下における共通指示 *一定の条件下における事前の指示 • 一定の条件下で、医師等と同等に判断・処方・行為 をすることができる看護職の可能性は? 日本看護系大学協議会の最近の動きでは、高 度実践家のコンピテンシー(能力水準)案を 出してきています。 日本学術会議健康・生活科学委員会 看護学分科会 平成20年8月28日 別表3 看護師等の役割・裁量拡大に関する考え方 • 医師が現在行っている医療処置 • 医師と看護師等が責任を共有することが可 能な行為 • 看護師が行っている医療行為と今後一定の 教育を受けて看護師等の裁量しうる医療行 為 看護職の役割拡大が 安全と安心の医療を支える 医行為に関する看護職との関係では、大きく は3つの考え方があると思います。一つは医 師だけしかできない領域、そして、医師また は歯科医師の指示があればその枠内で看護職 一方で、学術会議は、看護職の役割拡大が、 が判断して出来る領域、そして、患者さんの 安全と安心の医療を支えるという提言をして 条件と看護職の準備性の両方あわさった条件 います。私たちは私達のために拡大するので 下で、医師等と同等に、判断処方行為をする はなく、安全で安心な医療を国民が受けられ ことができる看護職の可能性を探る領域、こ るために、看護界は打って出ていった方がい こが裁量権の広がりです。このような考え方 いんじゃないかという提言です。 は各学会に投げかけて、フィードバックを頂 いたり、意見交換をしてこの段階でまとめら れたものであって、確定したものではありま せん。各学会、看護系学会協議会、学術会議、 文科省、厚労省など、全部を巻き込んで、ど こかでもっと広義に議論ができたらという言 う風に思います。 高度実践看護師等の 裁量幅の拡大に関する課題 安全と安心の保証が絶対的課題 ケアの質の向上の重点化 CNS/APNに関する看護界の制度の提言 CNS/APNのコンピテンシーの各学会の検 討と同意 • 医師等と関係職者との協議 • 学術会議と看護系学会協議会の連携 • • • • 裁量権の拡大をするようになると、安全と安 心の保証が絶対的課題です。もう一つは、ケ アの質の向上、もう一つは、CNS と APN の関 係です。今の現行の CNS と将来の裁量権を少 し拡大して、保助看法下ではできなかったこ とをするための審議の方向性、世界の動きを 見ながらどうしていくかということを見るの は、各看護界が、学会が提言していかないと ならない。学術会議と看護系学会協議会の連 携は密にして、だからこそ学会、看護の学会 が、重要な役割を果たしていくと私は思って います。 シンポジスト 片田 範子 小児医療では現実的に子どもの数が少ないと (日本小児看護学会 いうことがあるために、そこにかかる専門的 兵庫県立大学看護学部教授) な人の数のあり方や、質を十分に確保してい く機会の少なさという難しさが出てきていま す。そして、少子化の最たるものとして、社 日本看護系学会協議会&日本学術会議 健康生活科学委員会看護分科会共催プログラム 平成20年12月14日 至:福岡国際会議場 会一般の生活の中で、病気を持って療養する ために特化した療養方法の指導等が、一般の 小児看護における看護の役割と責務の拡大 お母さま方やご家族を対象としてなされてい かないと、早期退院のシステムは得られない 片田 範子 日本小児看護学会 兵庫県立大学看護学部教授 ということが出てきます。小児医療の格差と いうことに関しては、集約化、重点化といっ たところになればなるほど、少数が故に難し いという風に思っています。また、小児救急 小児看護学会関連で、各論のお話をさせてい の深刻化があり、さらに高次医療の在宅化、 ただきます。 在宅への支援ということに関しては、必ずし も小児のところは豊かにないという状況です。 先進国型あるいは成熟経済型の医療の特徴 ここでひとつの大きな課題として、高次医 充実した教育体制と厳格な専門医認定制度 ´ 病院機能の集中化・集約化 ´ 病院と診療所の密接な連携体制 ´ チーム医療の推進と業務範囲の職種による制限 の見直し ´ 医療安全と患者権利尊重のためのシステム 療・慢性疾患・障害等に伴う生活の変化を挙 ´ 医療の質、医療レベルの評価、患者の権利、 情報の開示など げます。今までは24時間365日お母さま 方や家族の方たちが担ってきたものが、これ からはやっていけない状況になってくる。こ のような生活の変化へかかわり、安全と安心 した医療体制、それから生活をうまく支えて いくところに、医療的な知識体系が必要にな ってくると思います。 小児医療・看護の動向 ´ 少子化--少数が故の皺寄 « 生活・療養方法についての指導やガイダンス ´ 小児医療の格差 その中で、現在どんなことが行われていて、 どうやってしっかりとした根拠を持って処方 « 地域における小児科医療機能の集約化や重点化 ができるようになり、あるいはこれができる 等と必要な知識・技術を持った医療職 « 医師/医療人材不足 ということが明らかになっていた方がいいか 小児救急の深刻化 ´ 高次医療の在宅化 ´ 小児医療の中でも現代の医療システムの影響 が、入り始めているという現状だと思います。 を、今後本当に明らかにしなければいけない という課題があります。 の対応に関して、また地域におけるプライマ C1 小児医療提供システムの変化に伴った拠点・ センターでの役割(外来など) ´ リーヘルスケア対応では、今の日本の看護の 高次医療/慢性疾患/障害等に伴う生活の変化 へのかかわり 状況の中で、やはり必要な地域があり、また 療養生活上の薬剤(解熱剤、鎮痛剤、下剤・浣腸、 吐き気など) 専門看護師の役割拡大 « 基本的症状緩和処方など (role sharing)含む « 処置の変更(導入・休止・中断) « 生活調整指導 « 入院・退院の判断・調整、移行調整(家庭訪) « 療養におけるステップアップ等 « 訪問看護等の依頼 « 独立した相談室の設置 (継続的療養指導) それはある地域に特化したことなのか、とい « う課題があります。さらに発達相談というこ とに関してもう少し看護が入っていけると思 っているというものがあります。 たとえば、療養生活上の薬剤、基本的症状緩 小児救急 和処方、処置の変更、生活調整指導、ステッ ´ プアップのこと、訪問看護などを依頼するな ´ どということを速やかに行う、独立した相談 室の設置。 救急時トリアージ 電話相談 認定看護師等一定 の教育必要 緊急時必要な検査の依頼 ´ 輸液等の開始(血管確保) ´ あらかじめ定められた薬剤の投与 ´ 小児医療提供システムの変化に伴った拠点・ センターでの役割 ´ 在宅においての役割 « 療養生活上の薬剤(解熱剤、鎮痛剤、下剤・浣 腸、吐き気など) « 基本的症状緩和処方など « 処置の変更(導入・休止・中断) « 生活調整指導 « 入院の判断・調整、移行調整(家庭訪) それから、小児救急の緊急トリアージ。緊急 時に必要な検査も依頼して、これに対する対 応もできるのか、それから、あらかじめ定め られた薬剤の投与の範疇などです。 « 療養におけるステップアップ等 « 死亡時の対応 2008年小児専門看護師分布(平成20年12月4日現在) 教育課程:16課程 全国27名 ´ 北海道東北:3名(各県1名) ´ 関東甲信越:16名(1都4県) ´ 東海北陸:1名 ´ 近畿:1名 ´ 中国四国:4名(3県) ´ 九州:2名(2県) ´ 48都道府県のうち14県のみ ´ 地域におけるプライマリーヘルスケア対応 僻地等の発達相談とフォロー 軽度症状への対応 ´ 生活処方 ´ 医療機関調整 ´ ´ ´ 全国専門看護師 教育課程34大学 304名 37県に分布 私たちは役割拡大をしていくにあたって、小 児専門看護師たちが要の役割をとっていくだ 特に在宅にいるような場合は、入院に関する ろうと思っております。一般の看護師たち、 調整にもう少し責任を持たせていただく必要 自分たちが役割拡大をしていく時に、認定の 性があるのかと思います。それから、死亡時 人たちとも一緒になりながら、医療をどう支 えるのかというところを、引っ張っていく方 たちだと思いますので、ますますその発展が 必要だと思っています。 シンポジスト 田中 美恵子 (日本精神保健看護学会 東京女子医科大学看護学部) 看護の役割拡大に向けてのイノベーション 精神看護における 看護の役割拡大と責務の拡大 日本精神保健看護学会 東京女子医科大学看護学部 田中 美恵子 精神保健医療福祉を巡る状況 一方で・・・ 国民の精神保健問題の多様化と顕在化 ・超高齢社会を背景とした認知症の増加 ・働き盛りの中高年を中心としたうつ病や自殺 の増加 ・思春期・青年期におけるパーソナリティ障害・摂 食障害・不安障害等の増加、薬物依存の問題 ・学童期における行動障害、いじめなどの精神保 健問題の増加 ・家庭における幼児虐待や育児不安の問題 ・犯罪被害者のPTSD 精神保健医療福祉サービスの課題 • 精神保健問題は、国民にとって無視すること のできない重要な課題 本日は、日本精神保健看護学会の立場から、 この度の提言を通して、本学会で精神看護に • 精神保健医療サービスを確保・充実させてい くことは、喫緊の課題 関する意見を取りまとめ、検討した結果をお 話します。 精神保健医療福祉をめぐる状況としては、社 精神保健医療福祉を巡る状況 • 7万2千人問題(2002 厚生労働省「今後の精 神保健福祉施策について」) • 障害者自立支援法の成立(2005) ֝ 社会的入院の解消と地域化の方向 病床削減と精神病床の機能分化 会的入院の解消と地域化の方向と、精神病床 の病床削減と機能分化ということが大きな形 で進められています。ですが、地域支援サー ビスは質・量ともに不足した状態で、社会的 入院者は減少していないことが報告されてい ます。また精神科医療の地域格差、医師不足、 特に精神科の病院勤務医の不足が叫ばれ、効 率的で質の高い医療の確保は困難な状況です。 精神保健医療福祉を巡る状況 一方で、国民の精神保健問題の多様化と顕在 しかしながら・・・ • 地域支援サービスは質・量ともに依然不足 • 社会的入院者は減少せず • 病床の機能分化はいまだ未成熟な段階 • 精神科医療の地域格差 • 精神科医師不足(特に病院勤務医不足) ֝ 効率的で質の高い医療の確保は困難な状況 化があり、精神保健医療サービスを確保、充 実が大きな課題と考えます。 精神保健医療福祉サービスと看護職 • 看護職は、現在においても精神保健医療福祉 サービスの中で、重要な役割を果たしている。 • 精神科臨床の豊かな経験や大学院教育などの 高等教育を受け、高い専門性を有した看護師が、 現在も精神科医療の中で活躍 ֝ これらの高い専門性を有した看護師を人材とし て有効活用しないことは、我が国の精神保健医 療福祉サービスにとって、多大の損失 そこで、高い専門性を有した看護師が、その 専門性をより有効に発揮できるように一定の 条件を付与した上で、現在の精神保健医療福 祉サービスの中で役割拡大を行っていくこと が、日本における精神保健医療福祉サービス の中で多大の貢献をする可能性があると考え ます。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <入院治療全般> • 行動制限 • 医療保護入院患者の行動範囲・外出 • 一定の薬剤の処方・服薬指導 • 通院(個人・集団)精神療法 • 入院(個人・集団)精神療法 • リスクマネジメント • 倫理調整 • 入院生活全般 • 家族相談支援 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <地域支援> • 訪問看護 • 地域生活支援 • 地域精神保健相談所の開業 <一般医療> ・リエゾン精神看護 <その他> ・専門看護師の配置 精神保健医療福祉サービスと看護職 まず、入院治療全般、地域支援、地域支援の • 高い専門性を有した看護師がその専門性を より有効に発揮できるよう、こうした看護師に 一定の条件を付与した上で、現在の精神保 健医療福祉サービスの中で、看護職の役割 拡大を行うこと 中では訪問看護、訪問看護以外の地域生活支 ⇒我が国の精神保健医療福祉サービスの向上 にとって、多大の貢献をする可能性 うことで大きなくくりを考えました。 ここから、精神保健医療福祉サービスにおい て看護師が役割拡大をしていく場合に、どん なことが考えられるかをお示しします。 援全般、相談所の開設開業、一般医療の中の 精神看護ということで、リエゾン精神看護の 部分、その他として、専門看護師の配置とい 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <行動制限> ・患者の病状により自傷他害の恐れが極めて高いなど緊急 性を要する場合には、精神保健指定医の診察を待たずに、 一定時間に限り、行動制限(隔離・身体拘束)の実施を指 示できること(ただし、精神保健指定医と同等程度の研修 を修了、もしくは、資格を有した看護師に限る)。 (根拠)特に高い緊急性を要する場合、また夜間・休日などで 指定医の数が不足しているなどの場合、精神保健指定医 の診察を待って行動制限を実施することが、患者の保護 のために極めて困難な場合があり、すでに看護師が実施 し、後追いで指定医が指示することが行われている現状 がある。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <行動制限の解除> 行動制限(身体拘束)の解除および隔離中の患者の 開放度のレベルについての指示を実施できること(た だし、精神保健指定医と同等程度の研修を修了、もし くは資格を有した看護師に限る)。 (根拠)身体拘束は、特に制限の度合いが高く、身体拘 束の必要性がなくなった場合には、可能な限り早期に 解除することが望ましい。同様に隔離中の患者の開 放度は、患者の病状に応じて、出来るだけ早期に開 放度を上げることが望ましい。一定の資格を持った看 護師が、患者の病状を判定し身体拘束の解除を指示 できること、ならびに隔離中の患者の開放度を指示で きることは、患者の行動制限をなるべく早期に最小限 にするために有用である。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <医療保護入院患者の行動範囲・外出> 医療保護入院患者の行動範囲・外出・外泊の 指示 (根拠)現状では、看護師が判断していることが 多いので、実態に合わせることが望ましい。 精神保健福祉サービスにおける看護師の 役割拡大の可能性 <通院(個人・集団)精神療法> 通院患者の相談業務として、看護師により、通院精神療法を 実施できること(一定の精神科経験と訓練を受けた者に限 定)。地域生活支援のための心理教育的なアプローチによる 精神療法、うつ病患者を対象とした認知行動療法や、パーソ ナリティ障害患者、児童思春期患者を対象としたものなど、さ まざまな対象に応用が可能である。 (根拠)外来患者は急増しており、外来医療の重要性は今後 さらに高まる。現状でも、看護師は通院患者に対して、生活・ 服薬等に関する相談業務や、うつ病患者への集団精神療法 などの専門的な療法を実施している例が見られる。このよう な精神療法を看護師が主体的に実施できるようにすることで、 外来医療の質が向上し、その結果、再発予防・地域生活の 維持に貢献する。 精神保健福祉サービスにおける看護師の 役割拡大の可能性 <外来電話相談> 通院患者、およびその家族に対する、看護師 による外来電話相談が、制度上評価されるこ と。 (根拠)外来看護の業務として、看護師による電 話相談はすでに多数の医療機関で実施され ている。これが正当に評価されることで、地域 精神保健に貢献できる。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <一定の薬剤の処方> <入院(集団)精神療法> 入院患者に対する退院支援のための精神療法を看 護師が指示・実施できること。この中に心理教育的な アプローチに基づく服薬指導・症状管理、地域資源と の連携・調整(ケアマネジメント)などを入れ込むこと が可能である。 (根拠)入院患者の退院支援のための個人精神療法的 アプローチおよび集団精神療法的アプローチは、すで に多数の精神科入院施設で看護師によって実施され ており、これらを看護師が主体的に実施できるように することで、急性期病棟においても長期入院病棟にお いても退院が促進されると見込まれる。 一定の薬剤(不眠・不穏・不安時薬、下剤・胃 薬・頭痛薬等)の処方・調整権(ただし、一定の 研修か、資格を持つ看護師に限る) (根拠)地域医療の偏在は著しく、病院閉鎖が多数 起こっている地域もある。一定の資格を持つ看 護師が一定の薬剤に限り処方権を獲得すること で、たとえば訪問看護師が下剤などの薬を処 方・調整できることで、患者の負担が軽減する。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <服薬指導、服薬自己管理の指示> (根拠) <リスクマネジメント> 病院組織の中で独立した部門として、「安全管理 部門」を位置づけ、医療安全管理者として組織 の中で横断的にリスクマネジメントのための活動 を行う権限を持つこと。 (根拠)暴力、転倒、誤薬など、医療事故に直接的 に関与する確率は看護師が最も多い。これらの リスクを減らし、また事故が起こった場合の看護 師のメンタル面へのサポートなどを行うことは、 精神科医療の向上に役立つ。 現状でも、生活に根ざした服薬指導、服薬自 己管理の指導は、看護師が生活援助の一部 として実施していることが多い。これに副作用 の査定を交えることで、薬物療法の質が向上 すると考えられる。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <倫理調整> 病院組織の中で独立した部門として、「倫理調整部 門」を位置づけ、一定の資格を有した看護師が、倫理 調整のための活動を行う権限を持つこと。 (根拠)精神科医療における人権確保は急務の課題で あり、一定の資格を有する看護師が、病院内の倫理 的な問題に関する調整・対処、教育的なアプローチを 実施する権限を持つことは、精神科医療の人権確保 に資する。オンブスマン制度など人権確保のためのシ ステムの構築に看護師が寄与できる可能性がある。 <地域生活支援> 地域生活活動支援センターの開設が、看護師 でもよいこと。 (根拠)地域活動支援センターでは、すでに看護 師を配置しているところも多く、疾病と障害を併 せ持つ精神障害では、医療面の知識と生活援 助の知識の双方を兼ね備えた看護師が役立つ ことが多い。看護師による地域活動支援セン ターの開設が可能になることで、精神科経験を 有する多くの看護師が地域でその力量を発揮で き、地域支援の充実に貢献する。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護師の役割 拡大の可能性 <入院生活> ・入院受け入れ病棟、転棟、ベッド管理 ・食事内容やその形態 (根拠)以上は、現状でも看護師長が決定・管 理していることが多いが、医師の指示が必要 になっている。実態に合わせて、看護師に裁 量権があることが望ましい。 <地域精神保健相談所の開業> ・地域精神保健相談所の開業権を有すること。それにより、 精神障害の早期発見・早期支援、退院者・外来通院者へ の相談支援、一般の訪問看護ステーションに対するコンサ ルテーションの実施などが可能となる。 ・産業部門や学校保健との連携を図り、養護教諭へのコン サルテーションや学校訪問(いじめ対策)を行い、学校に おける精神保健対策を図れる。 (根拠)地域におけるさまざまな精神保健問題に対するきめ 細やかで、敷居の低いサービスの開発が望まれる。一定 の経験と資格を有する看護師が、精神保健問題に関する 相談所の開業権を持つことで、地域の精神保健問題への 貢献が期待できる。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <家族相談支援> 家族への相談支援、家族教室(家族心理教育を含 む)が、看護師によって実施できること。現状では家族 への相談支援は、診療報酬上では、医師にしか認め られていない。 (根拠)長期入院者においても家族支援は重要である が、特に今後は入院の短期化に向かう中で、家族へ の支援や教育的アプローチが、患者の再発予防・地 域生活維持にとって重要となる。現在、すでに多数の 医療機関で看護師によって実施されている家族への 相談支援が、制度的にも評価されることで、精神科地 域医療の向上に貢献する。 <リエゾン精神看護> ・個人精神療法・集団精神療法の実施(適応障 害・うつ、がんサポートグループなど) ・うつやせん妄のアセスメント、予防、対策の指示 ・自殺未遂患者のフォロー、遺族支援 (根拠)身体科においても、うつ、身体表現性障害・ 疼痛性障害など、メンタルな問題が多数発生し ている。これらの事態に対して、リエゾン精神看 護師がすでに実施している精神療法に対して、 制度上の評価を受けることで、身体的疾患患者 の精神的ケアの質を飛躍的に向上させる。 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 精神保健福祉サービスにおける看護 師の役割拡大の可能性 <訪問看護> ・訪問看護経過中の患者が、急性憎悪を来たした場合の、 訪問頻度を増やす、または定期外の訪問の指示。 ・訪問経過中の患者に、著しい薬物療法の副作用が出た 場合、主治医の処方調整が行われる間、薬物の服用の中 断、あるいは減薬する指示。 ・訪問経過中の患者の急性憎悪時に、入院を指示できるこ と。 (根拠)訪問看護師により以上の指示が出せることで、タイム ラグがなくなり、患者の安寧に寄与する。現在、訪問頻度 についてはすでに看護師が患者と相談のうえ決定してい ることが多く、実態に合わせることが望ましい。 <その他:専門看護師の配置> • 一定以上の病床数の精神科病院には、専門看 護師を置くこと。 (根拠)精神科医療の現場は、疾病の多様化・複 雑化、治療の変化(統合失調症治療の変化、う つ、依存症、パーソナリティ障害、発達障害、虐 待、身体合併症の増加、鑑定入院、司法精神医 療の通院指定など)により、高度な専門性を有 する看護師を配置しないと対応が困難な事態が 起こっている。これを解決するために専門看護 師の配置が望まれる。 たとえば、入院生活全般の中では、さらに小 看護にとっての課題 項目として、一定の条件を付与した上での行 動制限、行動制限の解除、医療保護入院患者 の行動範囲の判断、一定の薬剤の処方、一定 ・高度な専門性の獲得 ・医療における全人性の尊重の保持 ・他の職種とのより良い協働関係の探究 の薬剤に関して何らかの処方、条件付きの調 整権を得ること、服薬指導・服薬自己管理の 指示などがあります。また、通院精神療法で は、一定の訓練などの条件のもとで、通院患 者の相談業務として看護師による通院精神療 これらの実現のためにはさらに高度な専門性 法を実施できること、外来電話相談、入院集 の獲得と、同時に看護がもともとその基盤を 団精神療法、また個人精神療法など、これら 持っておりますケアということで、医療にお がより看護師が主体的に実施できるものとし ける全人性の尊重と、他の職種とのよりよい て認められることで、急性期病棟においても、 協働関係の探求が課題になるかと思います。 長期入院病棟においても、退院が促進される と考えます。また、リスクマネジメント、事 故防止の観点で、看護診断の中の責任、権限 が賦与されることを望むものです。そして、 入院生活全般に関して、家族相談支援など家 族に対する看護支援が、制度的に評価される ことで、精神科地域医療の向上に貢献すると 考えます。そして、訪問看護、地域生活支援、 看護師による地域活動支援センターの開設、 地域精神保健相談所の開業が可能になること で、精神科経験を有する多くの看護師が地域 でその力量を発揮でき、地域支援の充実に貢 献すると思われます。地域においては様々な 精神保健問題が顕在化しておりますので、敷 居の低いサービスの開発が望まれるのではな いかと思います。最後に専門看護師の配置と いうことで、一定以上の病床数の精神科病院 には精神科専門看護師を置くことが挙げられ ます。 〔日本精神保健看護学会:看護の裁量権に関する特別委員会委員〕 阿保順子(北海道医療大学) 宇佐美しおり(熊本大学) 江波戸和子(薫風会山田病院) 岡田佳詠(淑徳大学) 萱間真美(聖路加看護大学) 佐久間えりか(北海道医療大学) 田中美恵子(東京女子医科大学) 田上美千佳(東京都精神医学総合研究所) 辻脇邦彦(成増厚生病院) 中山洋子(福島県立医科大学) 永井優子(自治医科大学) 野嶋佐由美(高知女子大学) 野末聖香(慶應義塾大学) 畠山卓也(財団法人井之頭病院) 濱田由紀(東京女子医科大学) 横山恵子(埼玉県立大学) 以上16名(五十音順)
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