SDR-4000SL

Accessory
創業以来 36 年間、スペクトラルオーディオの製品は常に理想のハイスピードオー
ディオコンポーネントの定義を塗り替えてきた。スペクトラルのエレクトロニク
ス技術が可能にする性能の限界に挑む中で、1980 年代初め、当社はミュージック・
インターフェイス・テクノロジー(MIT)社と共同で、スペクトラルのエレクト
ロニクス技術にふさわしい理想のスピーカーインターフェイスとインターコネク
トケーブルの開発に乗り出した。
この共同プロジェクトにより、アクティブコンポーネントとパッシブケーブル
ネットワークを完璧に統合させた初のウルトラリニアシステムが誕生した。広範
囲にわたる共同研究を経て、信号ケーブルを通じて伝わる微小なノイズやフェー
ズディストーションを測定できる新しい計測技術が生まれ、その結果として、時
間領域で正確な過渡応答を実現するエレクトロニクスと最適なケーブルの組み合
わせが可能になった。この種の最適化されたシステムは、無線やマイクロ波の世
界ではごくありふれたシステムだが、スペクトラルと MIT は、共同プロジェクト
を通して、この極めて重要なシステムコンセプトをハイエンド・オーディオの世
界に初めて導入することで、パイオニアとしての地位を確立した。
ウルトラリニア・スペクトラルシステム・コンセプト
スペクトラルが自社の製品用に独自に開発した DC カプリングを採用した高速増
幅回路は、優れた過渡応答精度、極めて低レベルの時間軸歪みやフェーズノイズ
といった特徴を有し、従来のオーディオデザインと比べて、特に実用面で優位性
を誇っている。この「ウルトラリニア」回路こそが、スペクトラル製品が誇る、
他社製品と比べて格段に優れた解像度の源泉であり、これにより個別の音響空間
の忠実な再現が可能になった。
極めて広い周波数帯域を持つ出力はトランスミッターのような信号送信により
オーディオ信号を響かせ、メガヘルツレベルの振動を作り出す。スペクトラルの
アンプは、メガヘルツレンジの高域信号をハイパワーで増幅するため、高周波ノ
イズの侵入を防ぐ必要がある。そのためインターコネクトケーブルは高周波ノイ
ズから保護されており、スペクトラルのプリアンプは高周波域でも安定した動作
ができるよう設計されている。
スペクトラルのプリアンプはまた、フルディスクリート設計と DC カプリングを
採用。これは他のソリッドステート・プリアンプにはほとんど見られない特徴で
ある。多くのソリッドステート・プリアンプが、メインアンプを適切にドライブ
できないIC等のデバイスを使用しているのと違って、スペクトラルのプリアン
プは、高電流で駆動されるアンプとして設計されたスペクトラルのパワーアンプ
にふさわしい高電流出力を提供できる。
スペクトラルのスピーカーインターフェイスは、当社のアンプを安全かつ適切に
動作させるための環境を提供している。スペクトラルのアンプがメガヘルツ級の
周波数帯域幅を有しているため、これらのアンプに合ったスピーカーインター
フェイスのネットワークボックスには、特殊なポール構造が必要になる。また、
スペクトラルのアンプに適したインダクタンス特性も要求される。
ケーブルのモジュール式端末は、広帯域幅出力を特徴とするスペクトラルの高速、
高解像度回路に最適なローパスフィルターとして機能している。さらに超高周波
域でロールオフが発生するように調整されているため、オーディオ回路の立ち上
がりの早さと高速セトリングタイムが可能にする卓越した信号解像度、さらに絶
対的安定性と高周波干渉の排除に適した周波数特性といった 2 つの優れた特徴を
フルに発揮している。このようなケーブルネットワークとワイドバンド部品を組
み合わせることで、帯域幅が制限された従来のオーディオコンポーネントとワイ
ヤーケーブルの組み合わせでは不可能であった画期的な性能をほぼすべての領域
で発揮することができる。
スペクトラル・ウルトラリニアシリーズ IIIケーブル
30 余年に亘るネットワークテクノロジー開発の経験をベースに、スペクトラルは、
新たに第三世代のスピーカーインターフェイスとインターコネクトケーブルを生
み出した。スペクトラル・ウルトラリニアシリーズは、最高のオーディオシステ
ム構築を容易にするスペクトラル用途向けに特別に設計したインターコネクト
ケーブルとスピーカーインターフェイスを提供している。プリアンプやメインア
ンプの最後のポイントでスペクトラルのコンポーネントに最適なインターフェイ
スを提供する理想の信号伝達特性を備えたケーブル、それがウルトラリニアシ
リーズである。
スペクトラル UL-350 ウルトラリニア III インターコネクト
スペクトラル機器をつなぐリファレ
スペクトラル UL-230 ウルトラ III インターコネクト
スペクトラルの機器間をつなぐエン
ンスクラスのケーブル。スペクトラ
トリークラスのケーブル。スペクト
コネクトケーブルは、スペクトラル
ターコネクトケーブルは、コストを
ル UL-350 ウルトラリニア III インター
コンポーネントと組み合わせて基準
となるレベルの性能を発揮。さらに、
スペクトラルコンポーネント向けに
ラル UL-230 ウルトラリニア III イン
抑えながら、洗練されたサウンドと
最大限のパフォーマンスを約束。ス
ペクトラルコンポが要求する精巧な
最適化された新次元の 350 シリーズ MIT デザインを採用。何十年もかけて磨かれ、
タイミング調整と、完璧なインピー
け継ぎながら、パフォーマンスを格段に向上させている。MIT リファレンスケーブル
音楽性により、上級グレードの MIT インターコネクトケーブルの限界に迫るトータル
MI-350 CVT/Terminator の形でその才能を開花させた MI-350 シリーズの伝統を受
用に開発されたデザイン要素をスペクトラルシステムに合わせて最適化することで、
ダンス整合を兼ね備えた専用ケーブルネットワーク。そのバランスの良さと豊かな
パフォーマンスを発揮。また、UL-38 ウルトラリニア III スピーカーインターフェイス
さらに高いレベルの静音化とクリアな音の再現を可能にしている。UL-60 ウルトラリ
との相性も抜群で、スペクトラルのコンポーネントと組み合わせることで、リアルで
オコンポーネントとも理想のマッチングを実現。すべてのスペクトラルシステムにお
ケーブル、それが UL-230 ウルトラリニア III である。
ニア III スピーカーインターフェイスやスペクトラルの高解像度リファレンス・オーディ
いて最高のサウンドを約束している。
スペクトラル UL-60 HD ウルトラリニア III スピーカーインターフェイス
透明感のある音の再現が可能。まさに、ローエンド用途のためのインターコネクト
スペクトラル UL-38 HD ウルトラリニア III スピーカーインターフェイス
スペクトラルシステム用のリファレ
スペクトラル の 高 速アンプとスピー
フェイス。スペクトラル UL-60HD ウ
ブル。スペクトラル UL-38HD ウルトラ
ンスクラスのスピーカーインター
カーをつなぐエントリークラスのケー
ルトラリニア III は、スペクトラルア
リニア III ケーブルは、コストを抑えな
の性能を発揮できるよう設計されて
スペクトラルのメガヘルツ級アンプの
れた新次元の MIT Matrix デザインを採用。長年にわたって改善を重ねた後に
ング調整、完璧な末端処理、チューニングされたロールオフ特性を約束する専用ケーブル
スペクトラル MH-770 シリーズの伝統を受け継ぎながら、パフォーマンスにさらに磨
とも複雑で電気的に難しいスピーカー負荷に対しても余裕のある対応が可能。その結果、
ンプとの組み合わせで、基準レベル
おり、超リニア用途向けに最適化さ
MH-770 ウルトラリニア II というスピーカーインターフェイスの完成形を生み出した
きをかけている。MITの専売特許ともいえるデザイン要素をスペクトラルシステム
に合わせて最適化することで、さらに高いレベルの精度とリアルな音を生み出した。
最高の音とパフォーマンスを約束する UL-60 ウルトラリニア III は、スペクトラルの高
解像度リファレンス・オーディオコンポーネントの理想のパートナーとなっている。
がら、最大限のパフォーマンスを発揮。
安定動作に欠かせない精巧なタイミ
ネットワークである。UL-38 独自のチューニング技術が大きな安定性マージンを提供。もっ
MIT の上級グレードケーブルの限界に迫るトータルパフォーマンスを発揮し、バランスが
良く、きめの細かい音の再生を実現している。さらに、UL-230 ウルトラリニア・インター
コネクトケーブルとの相性も抜群で、スペクトラルのコンポーネントと組み合わせることで、
限りなくリアルで透明なサウンドが楽しめる。性能と価格の絶妙なバランス --- それが
UL-38 ウルトラリニア III スピーカーインターフェイスだ。
〒194-0023 東京都町田市旭町2-10-26 Tel. 042-739-6355 Fax 042-739-6322
2-10-26, Asahimachi, Machida-City Tokyo194-0023 Japan
Spectral Studio Reference CD Processor
SDR-4000SL
Spectral Studio Reference CD Processor
SDR-4000SL
スペクトラル SDR-4000SL スタジオ・リファレンス CD プロセッサー
SDR-4000SL リファレンス CD プロセッサーは、スペクトラル社のエンジニアリ
ング部門で造られ、Dr. キース・ジョンソンが独自にプログラミングとキャリブ
レーションを行った限定版リファレンス機であり、スペクトラル・デジタル・リファ
レンスシステム(SDR)の完成形でもある。1980 年代にスタートした SDR コ
ンポーネント開発プロジェクトの先陣を切ったのは、業界初の本格的なハイエ
ンドCD再生システム、SDR-1000 リファレンス・ディスクシステムだった。こ
の革新的な SDR-1000 は時代に先行するシステムであり、バランス・デコーディ
ングや複合型の修正フィルターといった基本的なプロセッシング技術革新の草
分けとなった。後継機種の SDR-2000 はスペクトラルの野心作で、その進化し
た技術と解像度の高さによりオーディオ業界を驚きの渦に巻き込んだ。伝説的
なパシフィックマイクロソニックス社の HDCD 録音システムと同等の妥協のな
い回路アーキテクチャーを採用したこのモデルは、デジタルプロセッサーの最
高傑作として世界を魅了した。
これら初期の SDR コンポーネント同様、究極のリファレンス機の開発には長い
年月を要する。続いて登場した SDR-4000 とその改訂版 SDR-4000 Pro はスペ
クトラル独自の HDCD「ロングフィルター」を搭載し、発売と同時に高い評価
を 得 ることと なっ た。そ の 後 さら に 4 年 の 期 間 を か け て 開 発 さ れ た
SDR-4000SL は、スペクトラル SDR プロジェクトの集大成として、すべての妥
協を排除したモデルである。スペクトラルのデザインチームは、究極のリファ
レンス機によって、「レッドブック」CD 再生の可能性を再定義するという最終
目標に挑戦し、見事に達成した。
音楽CDの再生に関して言えば、ハイビットシステムにおける技術面での妥協
はすでに無視できないレベルに達している。20 世紀最強の演奏を録音したデ
ジタル CD の登場以来 30 年以上が過ぎた現在も、豊かな音楽的伝統は CD に
よって継承されている。CD 録音のベストな再生が専用の CD 再生コンポーネ
ントでしか為し得ないのは技術的に明白である。究極の CD 再生を可能にした
再生システム、それが SDR-4000SL リファレンス CD プロセッサーだ。
SDR-4000SL
スタジオ・リファレンス CD プロセッサー
精度の限界に挑むスペクトラル独自の高性能光学ドライブ
1970 年代にスペクトラルが自社のレーザーディスクシステム用に開発した
オプティカルトラッキングサーボシステムは、CD ドライブの先駆者となった。
その後、フィリップスやティアック / エソテリックとの共同開発により最高級
の改訂版 CD ドライブが誕生し、初期の SDR コンポーネントに採用された。
さらに、光学ドライブやサーボの分野での実績と世界中の CD ドライブの性
能評価の経験をベースに、10 余年をかけて様々なメーカーの試作品をテス
トした結果、特注の専用高性能ドライブ、
「Spectral UltraDrive」が完成した。
生まれながらに優れた資質を持つドライブ
UltraDrive は、軍事用途や航空電子分野での使用をも念頭に設計されてい
る。そのため、使われている部品については長期間のサポートを提供して
いる。おそらく今後長きにわたり修理やパーツ交換が可能な数少ない光学
ドライブの1つとなるだろう。高い信頼性と長寿命を発揮する頑丈な構造。
初期の SDR モデルを含むほとんどの競合製品に見られるベルトを排除して、
ベルト交換の手間を省いている。
しかし、このドライブの最大のポイントは、ディスクドライブのクロックをな
くした点にある。UltraDrive は外部の発振器に同期処理するよう造られ、テ
ストされている。そのため、ドライブ内にリファレンスクロックを持たず、
DAC のマスタークロックを直接使用する方式を採用している。この方式は、
ロニクスを共同開発し、その結果、外部クロック同期に最適化された初の
光学ドライブが誕生した。
メンテナンスを容易にするモジュラー構造
スペクトラルは、ハイエンドオーディオ機器のメカニカルメンテナンスという
課題についても真っ向から取り組んでいる。従来、最高級 CD ドライブは大
型で複雑な構造のローディングやダンピング、サスペンションシステムを搭
最も精度の高い出力制御の方法だが、実際にこの理想的なアプローチを採
載していたため、修理や部品交換には大掛かりな分解や再調整が必要だっ
は自社でテストできるクロックを持たない製品など造りたがらないからだ。
クロックリファレンスに直接つながり、完璧に制振処理されたベースに装着
用してドライブを製造している例はほとんどない。光学ドライブのメーカー
スペクトラルは、独自の外部リファレンスにのみ同期するドライブエレクト
た。SDR-4000SL の UltraDrive はモジュラー構造を採用。UltraDrive はマスター
設計の基本:スペクトラルのソリューション
高品位デジタルオーディオコンポーネントの設計においても、アナログス
テージに良質のディスクリート増幅回路が必要なことに異論を唱える人など
いないはずだ。にもかかわらず、今日のデジタルオーディオ、プロセッサー
や CD プレーヤーでは、すべてとは言わないまでも、ほとんどのアナログス
テージで IC アンプ(IC オペアンプ)が使われているのは、驚くべき事実だ。
つまり、今日のデジタルオーディオ業界においては、低電圧・低バイアス
IC の使用が一般的になっている。モノリシック回路の性能の低さを考えれ
ば、高級クラスのデジタルコンポーネントにICチップを使うということは、
されているため、容易に交換できる。
保守的なオーディオファンにとっては驚き以外の何ものでもないかもしれな
スペクトラルの SDR コンポーネントは、当初からクロック同期の正確さとジッ
コストのICに代わる、ディスクリート構成の実用的なアンプの設計はほと
Spectralock マスタークロック・アーキテクチャー
ターの極少化を追求してきた。タイミングエラーやノイズが引き起こすジッ
ターは、デジタルオーディオの音質に多大な悪影響を与える。このジッター
軽減と音質強化という課題に真正面から取り組んだ成果が低ジッター
Spectralock マスタークロックである。
Spectralock データ管理システムは、UltraDrive ディスクトランスポートと完
全に一体化されており、完璧なシールド構造を持つ密閉された筐体内に収
納されている。そのため、電源供給は SDR-4000SL の他の部品同様、あた
い。しかし実際は、イコライザーやアウトプットアンプとして設計された低
んど不可能であると言える。そのため、ほとんどすべてのデジタルオーディ
オ製品がアナログ信号経路に IC チップを使用している。
デジタルオーディオはどこまで良くなるか?実際のところ、この質問に対して
答えを出すことはきわめて難しいだろう。回路についてはどこかで妥協をす
る必要があるからだ。デジタルオーディオの音は常に二流の ICアンプやバッ
ファー等のフィルターを通して耳に届く。妥協を強いる IC アンプの使用に
かもバッテリーを使用しているかのように本体から切り離されて行われる。さ
甘んじる以外 に 方 策 は な い の だろうか?スペクトラル の エンジ ニアは、
DAC の超高精度の水晶発振器に同期して出力される。この設計により、トラ
グ回路を開発した。その結果、DAC アンプとイコライザーからハイレベル
らに、信号が伝達されると、デジタル動作は自動的に無効になり、データは
ンスポートとサーボ動作の影響を受けない正確なフィルタリングが可能にな
り、ノイズのない「静かな」アナログ変換環境が実現した。その結果、S/N
比 120dB、データ精度 100 万分の1という業界随一の高スペックを達成した。
また、デジタル波形にリップル、ノイズ、漂遊磁界等が侵入することもない。
この新しい Spectralock と UltraDrive のコンビネーションにより、何も足さず、
何も引かない、ありのままのプログラムソースの再現が可能になった。
静音性に優れた電源部
SDR-4000SL のパワーサプライ・アレイは、完全に独立した5つのディスク
リート型の電源装置で構成され、CD ドライブとローダー、サーボ回路、表示・
制御システム、デジタルシステムと再クロック、アナログアンプの各部にそ
れぞれ電源を供給している。細部にわたって綿密な設計を加えることで、
プロセッサーやアナログ電子部品から電源ラインを介して伝わるノイズや歪
みの影響をシャットアウトし、他の高感度コンポーネントに影響を与えるエ
ミッションノイズも抑制している。
SDR-4000SL CD プロセッサー用に完全ディスクリート設計の高性能アナロ
出力ステージにいたるまで、すべてディスクリート設計のアナログ回路にな
り、ハイエンドプリアンプと同等の音質と性能が実現した。高周波を取り扱
う計測機器レベルの技術やパーツを投入したこのデザインは、高額なデジ
タルオーディオにも見られない極めて高度なデザインである。
比類なき変換精度
DAC ステージで最高のパフォーマンスを引き出すために、スペクトラルの
20 余年にのぼるデジタルオーディオ設計の経験は欠かせないものであっ
た。SDR-4000SL における D/A 変換はアナログデバイス社の AD1853 マル
チビット・シグマ / デルタ DAC をスペクトラル独自のダブルバランス構成
で使用しており、驚異的な高精度を誇っている。このユニークなマルチビッ
ト・ダブル・プッシュプル構造は、他の追随を許さぬ解像度と精度を可能
にするスペクトラル独自の革新的構造である。さらに I/V(電流ー電圧)変
換にもスペクトラル独自の専用 DAC アンプを使用している。
SDR-4000SL
スタジオ・リファレンス CD プロセッサー
初の完全ディスクリート方式の DAC アンプ
高性能パッシブ EQ
徹底した品質へのこだわり
究極の CD 再生システム
D/A 変換の後に続く DAC アンプあるいは I/V ステージもまた、最重要なア
イコライザーもまた性能の妥協を強いられているアナログ回路の1つである。
スペクトラルのクオリティの追求は SDR-4000SL のユーザーインタフェース
SDR-4000SL は最後のリファレンス CD プレーヤーとなり得るのか?スペクト
ナログ信号ステージである。中でも DAC アンプの直線性、スピード、解像
度は最終的なシステムの音質を決める上でもっとも重要な要素である。残
念なことに、今日のデジタルオーディオコンポーネントにおける DAC アン
プや I/V アンプのほとんどが、設計の容易さ、安定性、低価格といったメリッ
トのせいで、低バイアス・低電圧 IC オペアンプ回路を採用している。ライ
ブ録音環境下における試験の結果、高級クラスのデジタル製品での IC DAC
アンプの使用は、重大な性能の犠牲を強いることが判明した。
ディスクリート設計ながら動作の安定した DAC アンプの設計は、極めて難
しい作業であったが、スペクトラルにとっての最重要課題は、IC 使用による
ジレンマを解決することであった。解決策は、
デジタルデコーダー後のステー
ジで使用するディスクリート方式の高性能アンプを新たに開発することだっ
た。SHHA I/V モジュール
(スペクトラル・ハイスピード・ハイブリッド・アンプ)
は、完璧なバランスを誇り、最速の立ち上がりと帯域幅の広さを特徴とする
8 つの増幅部で構成されている。要求される精度を実現するのは、同等の
性能を持つスルーホール FET 素子と高速バイポーラトランジスターだけだ。
この SHHA DAC アンプモジュールにより、SDR-4000SL はアナログステージ
における性能の制約という、IC が抱えていた古典的な問題に初めて解決を
もたらした。
今日のイコライザーはアクティブ設計で使いやすい IC フィルター回路を採用
している。この回路はサイズとコストの面では非常に魅力的だが、信号が低
電圧モノリシックアンプ特有の歪みの影響を受けやすいという難点がある。こ
れに反して、SDR-4000SL のパッシブイコライザーは、手作りの銀リッツ線
チョークコイルや低ノイズバルク金属チップ抵抗体といった最高品質のパッシ
ブ部品を使用した、優れたトランジェント特性を持つ回路をベースに開発さ
れている。そのため、IC ベースのイコライザー特有の歪みを排除し、さらに
高レベルの信号純度を達成している。
にもおよんでいる。フロントパネルはアクリル製で、スペクトラルの伝統を
受け継ぐつや出しサテン仕上げを施している。さらに、遠くからでもリモコ
ン操作を確認できる見やすい大型ディスプレイを採用。リモコン部もさらに
使いやすく、精度もアップしている。フロントパネルに採用した瞬時に切り
替え可能な計測器グレードの操作ボタンをリモコンにも使用。軽快な動作
と耐久性を実現した。さらに 2 つのトランスミッター用赤外線ダイオードは、
パワーと動作レンジを最大限高めている。
妥協のないアナログ回路
SDR-4000SL Specifications
スペクトラルの技術の優秀性は、高性能かつ革新的な出力部にもっとも顕著
■ Sample Rate: 44.1KHz
■ D/A Conversion:
Four custom 24 bit DACs in double balanced configuration
■ Digital Filter:
8x oversampling, 56 bit math 64 bit accumulator HDCD
■ Analog Filter: Linear phase to 28KHz
■ Frequency Response:
DC to 22KHz +/- .3 dB (limited by encoding)
■ DAC Step Resolution: Better than -120dB
■ Digital Noise Output: 100 uV peak to peak or less
■ Transient Overshoot: 8% or less
■ Intrinsic Jitter:
1 picosecond RMS 3-4 picoseconds peak attenuation corner
frequency @ 100Hz
■ SDR-4000 Analog Systems Specifications:
Outputs: RCA single-ended
Output Impedance: 100 Ohms
Frequency Response: DC to 1.2 Mhz -3 dB
Harmonic Distortion: Less than .001
Intermodulation(SMPTE): Less than .001
Nominal Output: .75 Volt rms
Output Voltage Swing: 2.5 Volts rms maximum
Signal to Noise Ratio: Greater than 115 dB
Channel Separation: Better than 115 dB
Slew Rate: 250 V/us
■ SDR-4000 Power Requirements:
Voltage: Factory set 100,120,220,240VAC 47.5 Hz to 440 Hz
Continuous Dissipation: 65 Watts
に表れている。デジタルオーディオの設計においてはしばしば無視されてき
たが、ハイエンドのプリアンプ同様、ライン出力ステージが最終的な性能に
与える影響は極めて大きい。そのため、スペクトラルのエンジニアは IC によ
る妥協を排除し、最高級のプリアンプでその性能の高さを証明した最先端の
ディスクリートアナログアンプを使用した高速 SHHA アンプモジュールを開発。
これにより、アナログステージの最後に配したシングルエンドラインセクショ
ンは、世界最高級クラスのプリアンプに匹敵する音質と性能を発揮している。
ラルにとって SL と銘打った機種はSDR シリーズにおける最高峰とみなされ
てきたが、SDR-4000SL についても同様のことが言える。長年にわたって避
けることができないと考えられてきた多くの性能面での妥協は完璧に排除さ
れた。そのコストに関わらず、SDR-4000SL より明らかに優れた製品が現れ
る可能性は極めて少ないだろう。
真のリファレンス機とはどうあるべきか?この問いに対する究極の解答。真
に聴くに値するサウンド、真に所有する価値のある機器がここにある。
■ SDR-4000 CD Transport Specifications:
Controls: Front Panel
Eject Selector
Play Selector
Stop Selector
Pause Selector
Operate/Standby Selector
Time Display Function Selector
Display Brightness Selector
Scan Backward Selector
Scan Forward Selector
Previous Track Selector
Next Track Selector
Controls: Rear Panel
Spectralink Digital Interface (optional)
Main Power Switch
AC Line Fuse
IEC AC Power Connector
■ Disc Loader: Slot load, custom designed, MIL Spec.
■ Pickup: Objective lens drive type with 3-beam laser
pickup linear drive servo
■ Wow & Flutter: Below measureable limit
(accuracy of crystal)
■ Dimensions:
48cm (19")W, 14.7cm (5.81")H, 41.7cm (16.37")D
■ Weight: 14.1 KG (31 lbs.) net