第2回定期監査報告書

平成25年度
第2回定期監査報告書
く ら し と 文 化 部
文 化スポーツ課
スポーツ振興担当
国 体 推 進 室
平成26年2月17日
多摩市監査委員
平成25年度第2回定期監査報告書
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第9項の規定により、平成25年度第
2回定期監査の結果に関する報告を次のとおり提出する。
平成26年2月17日
第1
1
多摩市監査委員
沢登
袈裟平
多摩市監査委員
今井
三津江
監査の概要
監査の種類
地方自治法第199条第1項、第2項及び第4項の規定による監査
2
監査の対象
くらしと文化部(文化スポーツ課、スポーツ振興担当、国体推進室)
3
監査の範囲
平成25年4月1日から平成25年10月31日までの財務に関する事務の執行につい
て(国・都支出金等の関係文書及び補助金・助成金に関しては、平成24年度執行分を含
む)
4
監査の期間
平成25年10月16日から平成26年2月16日まで
5
監査の観点
⑴
収支の数値等に誤りがなく、正確に執行されているか
⑵
財務及び事務全般は、法令等に従って適正に執行されているか
⑶
効率的な予算執行が行なわれているか
⑷
契約事務は適正に行なわれているか
1
⑸
補助金・助成金の交付等の事務処理は適正に行なわれているか
⑹
チェック体制は整備されているか
⑺
財産物品等は適切に管理されているか
⑻
事務事業の執行にあたって市民福祉の増進、市民負担の軽減、市民サービスの向上に
努めているか
⑼
社会情勢や行政需要の変化への対応はなされているか
⑽
事務処理は、能率的、効率的に行われ、改善すべき点はないか
⑾
組織は簡素で、かつ、合理的なものとなっているか
⑿
各部局間の連携、整合性、総合性がとれ、公平性、信頼性が確保されているか
第2
監査の結果
監査対象の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業管理について、監査の観点に留意
し、関係諸帳簿類、総合事務管理システムの財務会計及び文書管理データの確認、意見聴取
等により監査を行なった。
この結果、各事務事業の執行は、適正に執行されているものと認められたが、これまでの
監査報告で指摘・改善を要望した事項について、改善に向けた検討・取組みが行なわれてい
るものの、一部改善すべき点が見受けられたので、以下各項目に分けて記述する。
なお、事務処理上留意すべき軽微な事項については、その都度、口頭で改善を求めた。
1
物品等の管理について(指摘/意見
各課)
備品台帳に登載されている監査対象の課の備品は、10月31日現在、重要物品(取得価
格又は評価額が50万円以上のもの)177品、一般物品3,485品の合計3,662品
である。重要物品については118品、一般物品については76品を抽出し、合計194品
を実地に調査確認をした。抽出の条件は、重要物品では展示パネルなどの同一多数の物品は
除き、一般物品は、課、施設別に総数の10%程度か10品程度とし、物品の種別が偏らな
いようにした。
物品の出納・管理等については、多摩市物品規則に規定されており、備品検査については
備品管理の統括管理者である各所管課長に対して総務契約課長から平成24年5月16日付
け文書で「新備品システム導入に伴う備品検査の変更について」の通知及び、平成24年1
0月23日付け文書「備品検査実施のお願い」があったところである。
備品の実地監査では物品管理システムから出力された備品ラベルを基にしたバーコードリ
ーダでの読取実施が各課で適切に実行されているか、という点も着目して行なったところで
ある。
実地調査での備品検査にあたっては、年1回の検査ということでまだ実施されていないと
いうことを考慮しても総務契約課からの検査方法で実施していた課が今回の監査対象部課に
おいては皆無であった。
2
【指 摘】
文化スポーツ課においては膨大な量の重要物品・備品を複合文化施設であるパルテノン多
摩にて所有されているが、パルテノン多摩の指定管理者が管理する施設及び物品等の対象は
財産台帳及び備品台帳によるものであり、所管課は備品ラベルがバーコードラベルに変更と
なった時点で備品ラベルの張替をすべきであった。遅滞無く物品の管理をされたい。
スポーツ振興担当においては、総合体育館にある備品を平成24年度中にバーコードリー
ダでの検査を行なえなかった理由としては、総合体育館が平成24年度、25年度の2ヵ年
にかけて大規模改修工事があり、さらに竣工後、時期をおかずに国体の会場となっていたこ
とを勘案しても、国体終了後に速やかに備品の検査を行なうことは出来たはずである。
また、国体推進室においては備品ラベルの貼付もされていない状況であり多摩市物品規則
が遵守されていなかった。東京国体という大きな事業が終了後には購入した備品については
所属を変更しての使用となるのではあるが、備品の管理はルールに基づき処理をすべきであ
る。
その他の物品については、概ね適正に管理を行なっていることは確認できたが、重要物品・
一般備品のなかには既に使用できない物品あるいは現状のままでは使用できない物品、さら
に使用できるがそのまま放置されている物品などがあった。今回の調査は、調査日を事前に
連絡の上、現場を確認した結果ではあるが、抽出した物品以外の検査及び管理をルールに基
づき実行されるよう求める。
なお、実地調査における各所管課及び施設の備品の保管場所並びに該当備品の提示は適正
であった。
【改善すべき事項】
① 備品検査に当たっては年1回、必ずバーコードリーダでの読み取り方法により行ない徹
底すること。
(バーコードリーダの備品ラベル貼付不可の備品は除く。
)
【文化スポーツ課、
スポーツ振興担当、国体推進室】
② 高額な重要物品の使用のされ方であるが、現時点ではほとんど使用されていない物品、
現状のままでは使用できない物品、使用目的が不明なままの物品が重要物品として保管
されている。適正な物品の管理を行なわれたい。
【文化スポーツ課
パルテノン多摩】
③ 既に使用できなくなった備品及び工事に伴って新規備品に交換され不用となった備品の
手続きの遅滞。速やかに処理手続きを行なわれたい。
【スポーツ振興担当
総合体育館】
④ 破損はしていないが現時点では使用していない備品については、返納手続きなどを行な
い備品の有効活用を行なわれたい。
【スポーツ振興担当
温水プール】
⑤ 地上デジタル化により既に使用できなくなったテレビがいまだに保管されているので、
処分等の手続きを行なわれたい。
【スポーツ振興担当
武道館・陸上競技場】
⑥ すべての物品に対して、多摩市物品規則に基づいた管理をされたい。即刻、備品ラベル
の貼付を行ない、備品の管理保管を行なわれたい。【国体推進室】
【意見】
物品の管理については、「多摩市物品規則」第26条第3項にあるように「総括管理者は、
毎年1回、物品管理者に課で使用中の物品の管理状況の検査をさせ、必要に応じその結果を
3
会計管理者等に報告しなければならない。
」とあるように、物品の管理状況については使用中
の物品の検査を行ない、本来の使用目的を終了した物品に関しては、早急に所管替えあるい
は処分等を行なうべきである。さらに、事務改善のひとつとしてバーコードリーダの導入を
行ない備品検査の方法を変更したにもかかわらず守られないことは遺憾である。また、備品
の用途目的がなくなった物品についてはその時点で備品の対応を図るべきである。
なお、書画は重要物品として36点、備品として11点の計47点については、複合文化
施設(パルテノン多摩)の収蔵庫(温度、湿度の管理あり)で保管をしており、内34点は
本庁舎をはじめコミュニティセンターなどの施設に貸出しを行なっているようであるが、保
管場所の経費、保管場所の有効利用等を鑑みて書画についての重要物品としての取り扱いな
ど検討考慮すべきものと考える。重要物品に関しては地方自治法施行規則の財産に関する調
書として作成されるものであることから、より物品全般にわたり管理条件・保存状態の確認・
検査の実行、さらに目的を終了した物品の迅速な対応(売却、廃棄など)を怠るようなこと
がないようにされたい。
2
現金の取扱い、現金管理簿等について(指
摘)
各課、実地調査確認したところ、仮払金、現金、預金通帳、現金管理簿については適切な
取り扱いがなされていた。また、郵券については実地調査時には一部、払出簿の管理が適切
でなかったが、指摘後、速やかに改善されたため現時点では適正な管理となっている。平成
24年度第3回定期監査で指摘した事項は改善されていた。現金の運搬方法(スポーツ振興
担当において「公金輸送業務委託」を締結している)については適切な取り扱い、適正な管
理がされていた。
現金以外の学校跡地利用券の管理方法であるが、実地調査確認をしたところ一部適正でな
い部分があった。利用券は現金と同様に現在枚数と売払い枚数の払出簿などの作成をして管
理すべきである。直ちに改善をされたい。
3
契約事務及び関連する財務事務について(指摘/意見)
契約事務及び関連する財務事務については、概ね適切に執行されていた。平成23年度第
2回定期監査で指摘した事項の改善はされていたが、文書システム稼動に伴う再確認通知文
書(平成15年5月29日付、15多総文第219号通知)で「起案文書作成時の注意事項」
のなかで意思決定事案での文書番号をつけない、とあったが、当通知文書の伝達不徹底によ
る契約締結伺起案文書決裁時での不要な文書番号の取得がみられた。各々の事務処理につい
ては前例踏襲することなく、最新版のルールに従った事務手続きで行なわれたい。
4
特命随意契約について(意
見)
特命随意契約に関しては、ことさらに特命での契約理由は透明性及び公平性の観点から、
だれもが納得できるものでなくてはならない。
さらに、契約に際し競争性の観点から、その妥当性が期待しにくいことから、慎重かつ厳
4
正な運用が求められる。安易に継続することなく質の向上を目指して毎年評価を行ない、事
業を執行していただきたい。
5
文書の適正な管理等について(指摘/意見)
文書の管理・保管等については、概ね適切であったが、一部に文書保存年限及び文書保存
簿冊の誤りが見られた。また、一部に文書収受がされていない文書が見られた。事務処理の
原則に従って処理をされたい。「多摩市文書管理規程」「文書事務の手引き」を再度、一読し
誤りの無い処理をされたい。
くらしと文化部は総合体育館、複合文化施設等の施設を所管しており市民が利用するに当
たり登録・申込書などの膨大な個人情報を取り扱っているが、紙ベースでの簿冊の管理・保
管については所管課(各施設を含む)の職員各々が個人情報の取扱に対する重要性の認識も
高く、今後も引続きこのような体制を維持継続できるよう努められたい。
6
内部統制について(意見)
内部統制については、再三述べているところであるが、内部統制とは、
「職員が間違いを起
こさない仕組み」であり、
「組織がエラーをすることを防ぐ仕組み」である。内部統制の行政
における目的は「法令遵守」、「業務の有効性・効率性」、「資産の保全」、「財務報告書の信頼
性」である。人間のやることには絶対ということはないので、内部統制が必要であり存在し
ている理由である。内部統制の基本的要素である統制活動とは、市長の命令及び指示が適切
に実行されることを確保するための方針や手続きで決裁・事務分掌など、仕事に関するルー
ルすべてである。さらに作られたルールは正しく伝えられ正しく理解されなければならない。
監査においても、事前に監査通知により監査の日程・提出書類等は周知されているはずで、
通知無く抜き打ちでの監査は行なっていない。事前に提出書類の再確認とチェックを行なう
ための期間は確保されているはずである。この提出までの期間を利用して、人間のやること
には絶対ということはないという視点でのチェックを行ない、書類の初歩的な不備や誤りの
修正、さらに不備や誤りの原因など、監査の書類提出までの期間はルールが正しく理解でき
ているか、また、ルールがきちんと機能しているかを職員全体で「確認する機会」と捉えら
れたい。さらに、職員が誤りやすい事案があれば、防止策としてのマニュアルを作成するな
どで業務の効率と有効性を高め、業務プロセスでのリスクを抑えるよう内部統制を図られた
い。
7
職員の超過勤務について(意見)
今回の監査対象である国体推進室は、東京国体の開催に基づく組織であり、平成24年は
東京国体のリハーサル大会を実施し平成25年に本番となったが、開催のための準備・本番・
終了後の残務処理と国体推進室の職員の労働時間は長期にわたっての超過勤務となっていた。
多摩市オリジナルの手法で市全体を盛り上げ国体開催の成功を図るとのことであったが、平
成24年5月から平成25年7月までの土・日勤務は他部局課の職員の応援もあっての実施
5
であった。幸い、東京国体は成功裏に終了したが、2020年の東京オリンピックを控え、
今後このような職員の身体と精神の健康管理面からも過剰な時間外勤務を課すことの無い体
制を整えられたい。
8
指定管理者制度による公共施設の管理等について
(意見)
多摩市に限らず、各自治体では公共施設の指定管理者制度を活用して管理運営を託してい
るところである。多摩市の文化・歴史の発信拠点である多摩市複合文化施設(パルテノン多
摩)は元々、市が直営をしていた施設を平成18年度から指定管理者制度を導入し公益財団
法人多摩市文化振興財団に管理運営と主催事業等を委託して、現在に至っている。平成28
年3月末で現指定管理者の契約は終了するが、多摩市複合文化施設という公共性・公益性を
求められている施設の運営に対して経費的な理由だけでの指定管理者の選定は危ぶまれると
思われる。しかしながら、現、公益財団法人多摩市文化振興財団が現状のままで公益目的事
業、収益事業、管理経費に至るまでの全般にわたる改革に取り組み、さらに実行をしなけれ
ば、将来の展望は危ういと思われる。市の施策のなかで十分に検討をされ対処されることを
望む。
なお、温水プール・総合福祉センターについての指定管理者は、公募で平成20年度から
現在に引き続いて同じ事業者での指定管理となっており、公共性と利益の創出を基本とする
民間事業者としての立場とのバランスは十分に取れており、市民からの評価も高い状況にあ
る。今後も引続き努力されたい。
6
<参考資料>
歳入一覧
(予算現額は、当初予算、補正予算を反映している)
(平成25年10月末現在)
課
項・目
名
名称
歳入名称
予算現額
調定額
収入済額
単位:円
還付執累額
公共施設撮影使用料
56,000
133,000
133,000
0
複合文化施設使用料
2,412,000
1,608,000
1,206,000
0
5,000
5,760
5,760
0
総合体育館使用料
16,750,000
0
2,646,700
50,000
温水プール使用料
765,000
481,670
412,860
0
陸上競技場使用料
4,058,000
0
2,115,700
50,000
キャンプ練習場使用料
1,249,000
0
892,650
240,000
屋外体育施設使用料
42,956,000
756,000
29,656,150
4,144,000
公衆電話用地使用料
1,000
0
0
0
5,422,000
0
2,559,150
80,000
350,000
50,000
0
0
33,701,000
34,488,000
34,488,000
0
84,000
18,000
18,000
0
公衆電話電気料
2,000
0
0
0
光熱水費使用料
1,981,000
828,627
728,612
0
公共施設駐車料
264,000
123,000
72,000
0
2,607,000
1,664,000
1,588,300
0
222,000
100,500
100,500
0
12,660,000
8,486,491
4,313,684
0
435,000,000
0
0
0
0
80,000
80,000
0
18,800,000
0
0
0
電柱用地使用料
使用料
武道館使用料
都補助金
文化スポーツ課
総合体育館食堂使用料
第68回国民体育大会
競技施設整備費補助金
(1/2)
複写用紙等売払代金
雑入
学校跡地施設利用料
事業参加者負担金
旧豊ヶ丘中学校利用
者負担金
市債
総合体育館大規模改
修事業債
第68回国民体育大
都補助金
国体推進室
会競技普及啓発事業
費補助金(4/5)
スポーツ祭東京20
13気運醸成等補助
金(4/5、1/2)
7
第68回国民体育大
会正式競技・デモスポ
事業費補助金(1/
58,458,000
0
0
0
637,803,000
48,823,048
81,017,066
4,564,000
2)
合
計
事業別歳出一覧(予算現額は、当初予算額、補正予算額、予算流用、予備費充当を含む)
課名
事
業
名
予算現額
命令執累額
負担確累額
350,047,040
175,047,040
397,000
224,700
224,700
文化推進事務経費
1,235,000
1,176,820
1,157,820
都市交流推進事業
470,000
403,815
403,815
国際化推進事業
2,443,000
2,136,500
1,008,500
多摩市国際交流センター補助事業
3,780,000
3,780,000
2,835,000
34,710,000
17,346,843
15,568,650
文化関係団体育成費
3,400,000
3,400,000
3,400,000
新施設予約システム管理運用経費
5,012,000
3,847,333
2,158,422
830,000
530,706
78,681
5,463,000
1,960,090
1,915,780
スポーツ教室運営事業
782,000
259,640
111,572
スポーツ団体助成事業
10,702,000
10,702,000
10,702,000
1,236,000
1,236,000
1,236,000
地域スポーツ振興事業
192,000
73,389
73,389
東京ヴェルディ1969協働事業
736,000
54,000
54,000
体育施設運営審議会経費
218,000
0
0
704,216,000
664,286,140
646,365,530
50,895,000
40,981,100
22,978,085
温水プール管理運営費
184,057,000
182,113,894
105,209,394
東京国体開催事業
148,998,000
146,881,962
146,751,048
1,509,822,000
1,431,441,972
1,137,279,426
複合文化施設修繕事業
文化スポー ツ 課
学校跡地施設市民開放経費
体育事務経費
スポーツ推進委員費
スポーツ 振興担当
スポーツ大会等派遣事業
総合体育館管理運営費
武道館及び陸上競技場管理運営経費
進室
単位:円
350,050,000
多摩市立複合文化施設等管理運営事業
国体推
(平成25年10月末現在)
合
計
8
仮払金一覧表
所管課名
文化スポーツ課
スポーツ振興担当
(内
(平成25年8月末日現在)
金額(円)
10,000
時間外保管場所
備考
手提金庫を事務室内耐火金庫
利用料時のつり銭用
にて
(窓口 レジ)
109,000
*内訳のとおり
訳)
総合体育館
85,000
手提金庫を会計課耐火金庫内
利用料時のつり銭用
にて
(窓口 レジ)
複写機
4,000 複写機内
武道館
10,000 発券機内
発券機つり銭用
陸上競技場
10,000 発券機内
発券機つり銭用
合
計
119,000
9
複写機使用つり銭用