留学成果報告書 - 九州産業大学

平成 27 年度派遣留学生
留学成果報告書
東亜大学校(韓国)
商学部第一部観光産業学科
12CT070
齋藤
綾香
『留学生活を振り返って』
まず、最初に留学をして本当に良かったと思っています。学年が 4 年生であ
ったため、留学の合格発表を受けてから正直悩みました。4 年生の後期に留学
することに意味はあるのだろうか。就職活動はどうすればいいのだろうか。し
かし、長い人生の中の半年間、日本を離れて生活することは無駄にはならない
と考え、留学に臨みました。
韓国語の授業は、すべて韓国語で行われます。クラスは多くて 15 人ぐらい
で外国人ばかりです。秋学期のクラスメイトは、中国人、ベトナム人、ロシア
人、トルコ人などがいました。そのため、クラスでの共通語は韓国語です。日
本語が通じないので、仲良くなれるか初日は不安でしたが、私のクラスメイト
は積極的に話してくれる学生が多かったため、毎日楽しく勉強することができ
ました。時には、クラスの約束を守らなかったクラスメイトが全員分のコーヒ
ーを買ってきてくれたり、先生が、作文が一番うまかった人にお菓子をくれた
り、授業が終わってからクラスメイト全員でご飯も食べに行ったりしたので、
クラス全体が団結した感じで、学期が終わる頃には皆が親友のようになってい
ました。また、日本に興味のある学生が多いため、日本のことをいざ聞かれる
と話すことが出来ないので日本文化を紹介できるようにしておくと良いと思い
ます。九州産業大学以外の日本人の学生はあまり多くはありません。クラスに
日本人が 2 人いるかいないかぐらいなので、日本語を使う機会が減ります。日
本語を使わず、韓国語で話をするので、気がつくと韓国語の実力が伸びてお
り、久しぶりに会う韓国人の友達から、韓国人かと思うくらい実力が上がった
と言われ、嬉しくなりました。
韓国語授業のイベントも多くありました。韓国の伝統楽器や伝統舞踊の体験
や、語学堂が外国人ばかりなので、自国の料理を作って販売する外国人祭り
や、韓国語や文化のクイズイベントのゴールデンベルなどがありました。ま
た、一泊二日で韓国民俗村とエバーランドに行きました。九州産業大学でも文
化祭に有名人が来てくれますが、韓国の文化祭でも多くの有名人が来てくれま
す。その中でも、私が好きな歌手が東亜大の文化祭に来ていたので、胸が高鳴
り、感動しました。
韓国での生活は驚きの連続で、戸惑うことも多くありました。例えば、地下
鉄の電車のなかで物を売っていたり、バスのスピードが非常に速いことには驚
きました。また、日本人は優しいと言われますが、韓国の人々もとても親しみ
やすく、情に熱い人が多いと感じました。文化として面白いと思ったのが、出
前の種類の多さです。日本では、出前といっても種類は限られています。しか
し、韓国では何でも出前を頼むことができ、どこにでも持ってきてくれます。
大学生活を送る中で、何台ものバイクが毎日のように行き来するのは韓国で
は当たり前で、日本では見たことの無いこの光景は、面白い文化だと思いまし
た。さらに、韓国人のファッションは皆同じ様なスタイルで後ろ姿では見分け
がつかないほどです。これは、男女関係無く言えることだと思います。悪く言
えば個性がないように見られます。日本人は多様なファッションスタイルがあ
りますが、これも、一つの韓国の文化というより考え方なのかなと思います。
授業以外では、多くの経験をしました。元々、好きだったバレーボールのサ
ークルに入り、韓国人の学生に混ざりスポーツをすることが出来ました。また
休日や冬休みを使って、釜山以外の観光地に行くことが出来ました。例えば、
漢方の街と言われるテグに行って、歴代の大統領や文化人などが訪れた喫茶店
で漢方茶を楽しんだり、自然の美しさを感じる済州島に行ったり、クリスマス
にカップルで賑わう全州の韓屋敷に行くことが出来て充実した日々を送ること
が出来ました。授業が終われば、毎日お昼ごはんを食べに友人とまだ行ってい
ないお店を探し歩いたり、安い料金でお腹いっぱいご飯を食べ、午後は韓国語
の復習を行ったり、留学生ならではの生活をすることが出来て、今思えば宝物
のような時間を過ごすことができました。
今後、この留学という経験を生かして、韓国語を使って仕事が出来ることを
目標としています。現実は、英語や中国のスキルを必要とする場所が多く、な
かなか韓国語を活かせる場所というのは限られています。しかし、留学を通し
て学んだ積極性を持って、自分が必要とされる場所を探し、諦めることなく忍
耐強く探し求めれば、道は開けると思っています。単位取得のために受講し始
めた韓国語が面白くなり、もっと勉強したいと思い、大学の先生方や両親のお
かげで留学することが出来ました。この経験は私にとってかけがえのない時間
です。
最後に、留学に行くことは勇気のいることだと思います。また、留学に行く
前は不安なことだらけで、悩める日もあると思いますが、留学してしまうと悩
んでいたことが嘘のように思えて、きっと楽しくなると思います。時に、ハプ
ニングがあり悲しいこともあると思います。しかし、それ以上に楽しいこと面
白いことが私にはありました。それは私だけでなく、皆にあると思っていま
す。すべて経験です。誰しもが経験できることではないので、大いに楽しんで
ください。留学に行く前と行った後では大きく考え方が変わると思います。
以上
語学堂のクラスの皆と
四十段階段の前で
スンハクキャンパス校門
平成 27 年度派遣留学生
留学成果報告書
東亜大学校(韓国)
国際文化学部国際文化学科
13KK036
末廣 ちあき
『留学生活、これからの自分』
私は 2015 年 8 月 30 日から翌年 2 月までの半年間、釜山にある東亜大学校に
留学しました。
私が留学してすぐに感じたことは、実際に韓国語を使用する実践経験の足り
なさでした。特に留学当初の寮生活においては、部屋の電球やドアの鍵の不具合
などが相次いだため、その度に担当者へ事情を説明しに行かなければなりませ
んでしたが、私の場合は上手く状況が説明できなかったり、単語が思い浮かばな
かったりと自分のスピーキング力の低さを痛感しました。そのような場面の多
くを一緒に留学した先輩や、サポートしてくれるバディ(東亜大の学生サポータ
ー)の韓国人学生に手助けしてもらいながらも、韓国語で話すことに慣れていく
努力をしていきました。
まず、先輩やバディが話している韓国語を注意深く聞くことを心掛け、その中
で分からないことがあればメモして質問し、頻繁に会話の中に出てくる表現や
フレーズなどを使用して話しました。また、韓国人やその他の外国人留学生の友
人達との会話や、SNS でのやり取りも大きな力になったと思います。実際に、
時間が経つにつれて、一人で銀行や郵便局へ行ったり、何かの手続きをしに行く
機会が増えていくなかで、自分の韓国語は伝わるのか、相手の言っている事が聞
き取れるのかなど不安はありましたが、失敗しながらも少しずつ上手くこなせ
るようになっていきました。
留学したばかりの 9 月には、交換留学生向けのプログラムで一泊二日の旅行
をする機会がありました。遊園地と民俗村へ行き、楽しい思い出を作ると同時に
バディ以外の韓国人学生や他大学の日本人の交換留学生とも仲良くなることが
できました。韓国人学生の中には、後日、日本への留学面接を控えている学生と
出会い、願書の見直しをお願いされました。しかし、見直す必要も無いほどしっ
かりとした日本語と内容で志望動機が書かれており、彼らの語学力と留学に対
する意識の高さに身が引き締まる思いでした。
韓国語講座のクラスでは日本人は私一人だけでしたので、最初は心細さや不
安を感じていましたが、クラスメートの外国人学生の多くがとても人懐っこく、
数少ない日本人の私によく話しかけてくれました。最初の頃は互いに慣れない
言語での会話に苦労しましたが、授業が進み留学生活に慣れていくにつれて
徐々に意思疎通のとれた会話ができるようになっていきました。また、人見知り
の私でも彼らの積極性に刺激を受けることが多く、自分から話しかけたりと授
業中での発言が増えていきました。
授業は全て韓国語で行われるため、わからない単語は全て書き出すようにし
ました。また、クラスが一つ上がると一気に文法や単語も増えるため、毎日の復
習がいかに大切かを実感しました。韓国語で文章を書く機会も圧倒的に増えま
したが、それからは確実に単語が覚えやすくなり、スピーキング力の上達にも繋
がったと思います。留学期間の後半になると先生方の話すスピードも速くなっ
ていきましたが、それでも大まかな意味が理解できるようになり、授業が本当に
充実して感じられ、もっとここで韓国語を勉強したいという気持ちが大きくな
っていきました。最後の学期では成績で優秀賞をもらい、自分の努力が結果とし
て表れたことをとても嬉しく感じました。
11 月には期末考査後に約一ヶ月の休暇があり、その間にかねてから行きたい
と思っていた済州島へ旅行することもできました。外国の地で学生だけの旅行
だったこともあり、大変なこともありましたが済州島独特の風土を感じること
ができ、とても思い出深い経験となりました。
正直、思い切って応募した留学でしたが、不安なことが多く、留学前は韓国語
の実力と自分に、あまり自信が持てないままでいました。しかし、実際に留学生
活を送るなかで、徐々に言葉が上達し自分の力で達成できることが増えていっ
たことは、帰国後の今、自信へと変わったと感じています。今後、私には就職活
動というチャレンジが控えていますが、留学にて自分を精神的に成長させ、自信
を得る経験ができたことを強みに変えて活かしていくつもりです。一方で、留学
を無事に終えた今でも韓国語の実力不足は十分感じているので、語学の勉強は
続けていきたいと思います。また、交換留学生のサポートや韓国人学生との交流
の機会があれば積極的に参加し、貴重な経験をさせて頂いたことへの感謝の気
持ちと留学で得た成果を、微力ながら行動で返していきたいと思っています。
東亜大学校と語学堂について
東亜大学校は 3 つのキャンパス(スンハク、ブミン、クドク)があり、最初に生
活していた寮は、スンハクキャンパスにあります。昨年、韓国語講座の授業を行
う語学堂が、ブミンキャンパス近くに移転されたため、寮から語学堂までの通学
は無料のスクールバスや地下鉄を利用しました。スンハクキャンパスは山の中
にあり、寮はさらにその頂上にあるため外出時の移動は大変でしたが、学校から
最寄りの地下鉄の駅までは巡回バスが出ており、その他の公共交通機関も日本
に比べてはるかに安いため、慣れればそれほど苦には感じませんでした。ブミン
キャンパスは交流課がある新しい建物で、留学生をサポートする制度もしっか
りしています。
語学堂の石堂グローバルハウスは同じ建物内に教室と外国人留学生専用の寮
があり、カフェとコンビニも 1 階に併設されています。12 月にこちらの寮に引
っ越しましたが、建物の清潔さや立地の良さは便利だと感じました。また、語学
堂の授業では留学生同士の交流を深めるイベントがいくつか開催され、留学生
活をより楽しめると思います。
最後に
留学は不安や大変なこともある分、それ以上の成果や自分自身の変化が得ら
れる貴重な体験だと思います。これから留学する方、または留学を考えている方
も、半年という短い期間ではありますが、自分らしい充実した日々を送ってくだ
さい。
今回の留学をサポートしてくださった全ての皆様に改めて感謝したいと思い
ます。ありがとうございました。
交換留学生のプログラム旅行
釜山の有名な観光地の一つ、海雲台(ヘウンデ)の海水浴場で見た初日の出。
以上