講演資料

グローバルに分散が図られた
機関投資家ポートフォリオ内における
米国商業用不動産私募ファンドの重要性
James O. Buckingham
TA Realty
2015年11月11日
CONFIDENTIAL | 1
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目次
1.
グローバル不動産マーケットの概況
2.
米国不動産マーケットの概況
3.
商業用不動産のパフォーマンス
4.
商業用不動産のアセットクラスとしての成長
5.
商業用不動産のリスク及びリスク低減方法
6.
リスク低減:分散可能リスク/分散不可リスク
7.
非上場米国商業用不動産ファンドの利点
8.
ケーススタディ:バリューアド型商業用不動産ファンド
9.
サマリー
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グローバル不動産マーケットの概況
米国は世界最大の商業用不動産マーケットを有している
 機関投資家にとって投資適格な商業用不
動産の世界市場規模は約$26.6兆1である
世界の各地域における商業用不動産
マーケットサイズ(単位:$兆)
ラテン
アメリカ, 1.8
 市場は主要国に集中、米国単独で世界市場
の25.4%($6.8兆円)を占めている
国別商業用不動産マーケットサイズ
湾岸諸国,
0.7
欧州, 9.4
アジア
太平洋, 7.2
米国, 25.4%
その他,
41.5%
日本, 10.1%
北米, 7.5
フランス,
4.7%
1: Prudential Real Estate Investors 2013.
ドイツ,
英国,
6.1%
5.2%
中国,
7.0%
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グローバル不動産マーケットの概況
米国における商業用不動産は世界最大の取引量を誇り、投資家に極めて流動性の高
いマーケットを提供している
 米国の不動産取引量は世界全体の44%を占めており、世界的にも極めて流動性の高いマー
ケットとなっている
過去1年商業用不動産総取引量
海外不動産投資市場として米国が魅
力的である主なポイント
 強固で安定したGDP成長予測
その他各国
25%
米国
44%
日本
6%
中国
3%
ドイツ
8%
 人口統計のプラス傾向(世界における
経済大国の内、米国及び英国のみ生産
年齢人口が増加している)
 的確な法律及び不動産に係る権利
 豊富な流動性を確保可能な多種多様の
マーケット・都市が米国内に存在
 世界最大の商業用不動産マーケット
英国
14%
1: JLL Global Market Perspective 2015.
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米国不動産マーケットの概況
米国不動産マーケットではキャップレートが年々低下し、物件価格が上昇する中に
おいても取引量は衰えることなく推移している
米国商業用不動産のキャップレート
物流
1: Real Capital Analytics, 2015.
郊外オフィス
米国商業用不動産価格インデックス
商業
賃貸住宅
CBDオフィス
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商業用不動産のパフォーマンス
全アセットクラスの利回りが低下しているマクロ環境下、米国商業用不動産はエク
イティや債券と比較してもパフォーマンスは良好である
 年金基金や保険会社はインカム及びキャピタルゲインの両方が期待出来る商業用不動産によ
り多くの資金を向けている
アセットクラス別トータルリターン比較1
2014
2012-2014
20%
13%
10%
10%
3%
2%
8%
1%
0%
エクイティ
債券
コモディティ
商業用不動産
-10%
-20%
-13%
不動産リターンは過去3年平均におい
て、株式と債券の間に位置している
-30%
-33%
-40%
1: Bloomberg, Federal Reserve, IPD, Prudential Real Estate Advisors, 2015.
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商業用不動産のアセットクラスとしての成長
商業用不動産のパフォーマンス及び分散効果がより認知されてきたことにより、米
国機関投資家はより多くの資金を商業用不動産にアロケートしている
米国機関投資家による不動産アロケーション推移(1980年~2015年1)
12%
10%
米国機関投資家による不動産アロケーションは 1980年か
ら2015年にかけて、約5倍に増加している。
9.6%
8%
6%
5.2%
5.6%
4.5%
4%
3.2%
3.7%
2.9%
2.1%
2%
0%
1980
1: NAIOP, 2015.
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
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商業用不動産のリスク及びリスク低減方法
商業用不動産にはベータリスク及びアルファリスクという2つのリスクが存在する
 ベータリスク :市場全体のトレンドに関するリスク(及びリターン)
 アルファリスク:ベンチマークを上回るために取られるリスク(及びリターン)
ベータリスク
資本市場/ビジネスサイクル
運用者インセンティブ
不動産市場サイクル
機能的陳腐化リスク
金利リスク
人口統計上の傾向
インフレリスク
アルファリスク
物件種別
地理的/経済的立地
流動性リスク
運用者リスク
取引タイミング
ファイナンス手法
リーシング
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リスク低減:分散可能リスク/分散不可リスク
商業用不動産における最も重要なリスク低減最小化手法は分散化である
 分散化によってすべてのリスクが低減出来るわけではないものの、重要なリスクの多くは引
き下げることが出来る
地理的/経済的リスク
州の分散(例-カリフォルニア州、ニューヨーク州、
テキサス州)
州内での分散
(例-沿岸部、内陸、都心、郊外等)
産業の分散
(例-IT、エネルギー、政府系等)
物件リスク
投資スタイルリスク
オフィス
物流
賃貸住宅
商業
郊外
シングル
テナント
郊外
モール
都心部
コミュニティ
センター
都心部
伝統的
クリエイ
ティブ
マルチ
テナント
低密度
高密度
食料品店等
を核とする
施設
コア
バリューアド
オポチュニスティック
核施設に隣
接する施設
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リスク低減:分散可能リスク/分散不可リスク
完全には分散化できないリスクも存在するものの、いくつかの重要なステップを踏
むことにより、それらのリスクを低減することは可能である
インフレリスク
投資家リスク
資本市場サイクル
毎年賃料が上昇改定される
リース契約締結
多くの不動産市況サイクル
を経験した、長いトラックレ
コードを有するマネージャー
の選定
長期に亘り継続的に投資を
行うことにより、市況変動リ
スクを均すことが可能
リース満了期が一度に来な
いリース期間の設定
最適化されたファイナンス手
法の採用(最適なレバレッジ
比率、レートや満期期限)
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非上場米国商業用不動産ファンドの利点
米国商業用不動産市場のパフォーマンスは債券と株式の間に位置し、NOIやキャップ
レートが弱含みの局面においても、安定した配当を生む性質を持つアセットである
商業不動産のリターン源泉の内訳1
10%
9%
7%
6%
5%
4%
3%
2%
1%
0%
Effective Fed Funds Rate
8%
 米国の商業不動産は固定
利率の債券と異なり、エ
クイティ同様にキャッ
シュフローの成長に伴う
アップサイドをもたらす
可能性がある
 現金分配の利回りは
キャップレートやNOIが
弱含みの局面においても
安定している
 商業不動産の総合利回り
は、NOIの成長やキャッ
プレートの圧縮により増
加する可能性がある
フェデラルファンド実効金利
1: NCREIF, BlackRock, St. Louis Fed, 2013 and 2015.
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非上場米国商業用不動産ファンドの利点
不動産は特にマーケットの後退期において他の金融資産と低相関を示し、ポート
フォリオ分散に適する
60% 株式 / 40% 債券でのポートフォリオにおいて、
リターンが低い20四半期1(1980年 – 2014年)
 左図20四半期のうち17の
四半期において、60/40
のポートフォリオの利回
りがマイナスな中、米国
の非上場商業用不動産は
ポジティブな
利回りを示している
 左図20四半期中、米国の
非上場商業用不動産の
パフォーマンスが-5%を
下回った期は2四半期し
かない
1: NCREIF, Barclays Capital, Wilshire, J.P. Morgan, 2014.
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非上場米国商業用不動産ファンドの利点
不動産キャッシュフロー及び時価評価はインフレ感度が高く、ポートフォリオのイ
ンフレヘッジ能力に寄与する(インフレに連動した、若しくはインフレを上回る
リターン)
商業用不動産インデックス年間リターン1(1978年 – 2014年)
黒線は金利が底を打ったタイミングを示す
 米国の商業不動産はインフレ
に連動しつつ、一部時期を除
きインフレ率を上回るパ
フォーマンスを記録
 米国における一般的な不動産
賃貸借の契約条項は、年間の
賃料増加を認めている(イン
フレ感度への寄与)
※NCREIF Property インデックスは、全米不動産投資受託者協議会が四半期ごとに公表する実物 不動産のインデック
スで、個々の商業用不動産を集計したトータル・リターンを示し、不動産投資成果を評価す る指標として普及している
もの
1: NCREIF, Federal Reserve Bank of Minneapolis, 2014.
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非上場米国商業用不動産ファンドの利点
非上場米国商業用不動産ファンドは、アセットクラス及び立地によって分散を図る
ことが出来る
米国商業用不動産分散事例
地理的分散
物件種別による分散
商業
4%
NE
WNC
賃貸住宅
19%
ENC
MT
ME
PA
SW
オフィス
42%
SE
太平洋(PA)
南東部(SE)
中東部(ME)
30%
21%
11%
北東中部(ENC)
北東部(NE)
山岳部(MT)
9%
9%
6%
南西部(SW)
10%
北西中部(WNC)
4%
物流
35%
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ケーススタディ:
Washington Food Center, Los Angeles, CA
取得時期
2013年4月
アセットクラス
物流
取得価格
$31.3 MM
物件規模
292,910 SF
稼働率(取得時)
13%
Focus Points (キーポイント)
 安定稼働後グロス・レバレッジ前NOI利回りは8.95%想定
 取得価格の$107/SFは再調達価格の62%
 大手商業銀行が抵当権行使により取得後、2年間運用して
いた物件を取得
 冷却設備完備の物流施設であり、中央冷凍庫は
117,088SFを有し、またテナント別に7区画に区分けが出
来る(それぞれ16,500 SF ~44,700 SF規模)
 ロサンゼルス中心部に立地、高速道路5路線に簡単アクセ
ス可、Long Beach港及びLos Angeles港から15 mile圏内
という好立地
 2008年竣工、天井高42 ftの冷凍設備及び天井高30 ftの冷
蔵区画があり、それぞれ区画及び中央冷凍庫は切り分け
て区画ごとに売却が可能な設計
 Los Angeles市内の物流施設のストックは130.0 million SF、
平均空室率は約1.5%
 既存冷蔵システム改良及びリースアップによるバリュー
アドを実施
 取得後、5件の新規リース締結により稼働率76%へと改善
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ケーススタディ:
Freeway Corporate Park, Santa Ana, CA
取得時期
2015年4月
アセットクラス
オフィス
取得価格
$24.0 MM
物件規模
128,266 SF
稼働率(取得時)
91%
Focus Points (キーポイント)
 安定稼働後グロス・レバレッジ前NOI利回りは6.21%想
定、取得価格の$187/SFは再調達価格の88%
 6.19エーカーの土地上に2棟のオフィスビルが大学キャ
ンパス風に配置
 取得後3年間にて既存リースの25%が満期を迎えること
から、これら区画においてより賃料の高い新たなリース
契約を締結、および取得時点の空室区画のリースアップ
を行うことにより、NOIを高める機会がある
 高速道路2路線へのアクセスに加え、John Wayne空港へ
はわずか2 mileの好立地、また近隣には様々な商業、エ
ンターテインメント及びホテル等のアメニティが存在
(複合施設開発計画もあり)
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サマリー
市場規模及び流動性が世界最大である米国商業用不動産ファンドは、機関投資家が
効果的なポートフォリオ分散を行いつつ、成長キャッシュフローを享受出来る投資
手段となる
ポートフォリオ
の分散化
安定利回り
及びエクイティ 米国商業用不動産
投資に類する
アップサイド
インフレ
感度
最大且つ最も
流動性のある
市場
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