ジャカルタ体験記 <その1.ワヤン劇場> ワヤン(wayang)とはインドネシアのジャワ やバリで行われる人形を用いた伝統的な影絵 芝居で、インドの古代叙事詩「マハーバーラタ」 や「ラーマーヤナ」などが主な演目である。 (Wikipedia より)左図のような影絵芝居では なく、これを生身の人間(俳優)が演ずるワヤ ンを「ワヤン・オラン」と言う。ジャカルタに はこのワヤン・オラン専用劇場があり、毎週土 曜夜8時半開演で週替りの演目が用意されて いる。会場は、老若男女、枕持参で親に連れら れてきている幼児やとにかく毎度ほぼ満席な ので、予め「ガムランに近い席」と SMS でチ ケット予約する。ステージ下にはオーケストラ ボックスならぬ、ガムランボックスがあり、約 20名ほどのガムラン奏者と女性歌手4人(全 員 60 代)の生演奏。迫力満点で文句なしに素 晴らしい。これを耳にするだけでも行くだけの 価値はあると思う。 (入口にある手書きの演目ボード) この日の演目は、「ガトットコチョ・チノボ」 開演前も劇が始まってからも会場内がとても騒がし いことに最初驚いた。日本では普通、劇が開始しよ うものなら、会場はしんと静まり返るにちがいない。 それが劇が始まっても何でも、世間話なのか何なの か観客は互いに話をしていて騒がしく、路上の屋台 からワンプレートの食事とボトルの甘いお茶を持ち 込んでいる人もいる。お喋りはやめてワヤンに集中して楽しもうという真剣味はないの? と思ったが、ものの本(もちろん松本亮氏のワヤン解説本)によれば、 「本来、演劇芸能は食べながら、飲みながら、また横になりタバコをすったりしながら娯 しむものであった。子供がうろうろしたり、飽きば出てゆき途中から入場してもいっこう に差し支えない。何やらひそひそ話しをし、ときには役者たちにやじをとばす。たとえ台 詞がしばらく聞こえなくなっても、その間にひとは自由な想像をたくましくすることがで きる」・・・・・ (とにかく多い登場人物と ど派手な衣装) (アドリブ満載の現代風刺コントもあり) (開幕・閉幕の印グヌンガン Gunungan) そんな楽しみ方で良いのだと思ったら、長丁場ゆえ時には苦痛にも感じる理解できないジ ャワ語の台詞も、違った味わいに聞こえてきた。しかし、日によっては4時間を要し、内 容は実はおとぎ話のような、人としての教えや語り伝える価値のある英雄伝などらしいが、 ワヤン関連のサイトで日本語で読んでも理解が難しい。それでも足しげく通っていれば、 徐々に徐々に楽しめる部分が増えていくのではないかなと期待しながら、またこの土曜も 観劇を予定している。 { Wayang Orang Bharata} http://wobharata.multiply.com/ JJCスタッフ(K)
© Copyright 2024 Paperzz