1 - 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

米国 IT 業界動向 2009 年 8 月
JETRO, New York
1. 企業動向
(1)アップル
アップルの4〜6月期は増収増益となった。前期比では2%の増益。製品別にみると、
6月に投入したiフォン3GSがiフォン全体の売り上げ増に牽引、前年同期比626%増の約
520万台に拡大した。また、マックが4%増の約260万台となった。逆にデジタル楽曲プレ
ーヤのiポッドは同比7%減の約1020万台に落ち込んだ。また、ソフト配信サービス「ア
ップ・ストア」は、運用開始から1年間で世界でのダウンロード件数が15億を突破した。
同社は、7〜9月期の売り上げを87億〜89億ドルになると予測している。【7月22日
Apple】
AT&Tの通信網に不満を持つiフォン消費者が増加し、さらにアプリケーション開発者も
不満を募らせているが、ここにきてグーグルの新機能「グーグル・ボイス」に対応しない
方針を決めたため、アップルとAT&Tへの不満が一気に強まっている。グーグル・ボイスは、
利用者に一つの電話番号を無料で提供し、利用者が指定するほかの電話に伝言を転送でき
るサービスだ。しかし、このサービスをiフォンで利用しようとすると、特殊なアプリケ
ーションが必要になるほか、電話をかけた際に、相手方に電話番号が表示されないといっ
た不具合が生じるという。こうした利用者の不満に対し、アップルとAT&Tは明確な公式見
解を出していない。そうした中、ハイテク系雑誌テッククランチ(TechCrunch)の著名コ
ラムニストで、マイケル・アーリントン氏は、グーグル・ボイスを使えないことや、両社
の不誠実な態度を理由に、iフォンの使用をやめてTモバイルに乗り換えた。一般ユーザ
ーにも影響力を持つ同氏がiフォンへの不満を公言したことから、多くの一般利用者がア
ップルに見切りを付ける可能性があるとも言われている。【8月3日 Washington Post】
アップルが開発中とされるタブレット型パソコンに関して、ネットブックと競争する製
品となり、発売から最初の1年で12億ドルを売り上げるという予想が出ている。パイパ
ー・ジャフレイ(Piper Jaffray)のアナリストが報告した。製品はブロガーの間で「iパ
ッド(iPad)」と呼ばれており、アップルが秘密裏に開発を進めている。今回、分析結果
を発表したアナリストのジーン・マンスター氏は、アップルと提携するアジアの部品メー
カーと話をし、製品のある程度の概要を突き止めたという。それによると、製品はiポッ
ド・タッチに似ているがそれよりも大型のタッチ・スクリーン機器で、2010年初めに投入
される見込みだ。また、価格は、マックブックの999ドルよりも30〜50%安く、ネットブ
ックと競合することになる模様。マンスター氏はさらに、販売台数について、発売から1
年で200万台を見込んでいる。また、中国の新聞によると、アップルから部品製造を受注
した企業として、フォックスコン(Foxxconn)やウィンテック(Wintek)、ダイナパック
(Dynapack)の3社の名が挙がっている。【8月10日WSJ】
世界各国の携帯電話会社は、アップルと独占契約を結んでiフォンの販促に注力してい
るが、同製品の販売で増益を達成している会社は皆無のようだ。デンマークの市場調査会
社ストランド・コンサルタントが報告した。同社の調査報告によると、世界各国における
iフォンの販売は、米国におけるAT&Tとアップルの契約方式を基にしている。この方法で
は、AT&Tがiフォンの独占販売権を得る代わりに、AT&Tがアップルに対して、iフォン1台
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当たり数百ドルの助成金を支払うという仕組みだ。これによって、AT&Tは、iフォンに引
き付けられて加入する顧客の増加と、加入者が毎月払うデータ通信料による増収増益を見
込んでいた。ストランドのアナリストは、数字を見る限り、iフォン効果は確認できず、
むしろ、競合他社の方が健闘していると説明している。例えば、東南アジア最大の携帯電
話会社、シングテルでは、iフォン発売後、営業利益率が3〜4%低下しており、実際に
は、携帯電話会社と電話機メーカーの独占契約がかえって重荷になるという見方も強まっ
ている。一方、販促モデルとなっているAT&Tは、2009年第2四半期、iフォンの新規加入
者数が新規加入者総数である1400万人の3分の2に達したと発表している。しかし、その
一方で、同社がアップルに支払った助成金はおよそ7億2000万ドルに上り、助成金が利益
を圧迫しているのではないかという指摘もある。【8月18日Information Week】
アップルは、フランスで起きたiフォンの爆発事故に関する調査を開始した。アップル
が欧州連合(EU)欧州委員会に報告したところによると、同社はこの事故が個別の問題で、
一般的な問題とは考えていないようだ。【8月19日 CNN】
(2)シスコシステムズ
シスコの5〜7月期決算は、減収減益となった。顧客企業各社のIT関連投資節減によっ
て、国内外でのルータ販売数が大幅に落ち込んだことが原因となった。【8月5日 Cisco
Systems】
シスコは、オンライン・メディアと娯楽事業を拡張している。その一環として同社は、
音楽業界世界3位のワーナー・ミュージック・グループとの間で結んでいる、大物音楽家
向けにウェブサイトを開設し管理するための既存契約を延長した。シスコは、この提携が
これまで音楽メディアとシリコンバレーの間に存在した緊張を緩和することを期待してい
る。また、シスコは今回、音楽メディア企業向けに新ソフト・サービス「イーオス
(Eos)」を開発した。同サービスは、楽曲や動画のほか、ソーシャル・ネットワーキン
グ・サイト(SNS)を管理し、さらに著作権保護にも対応する。新サービスはシスコのサ
ーバを使用。このため、音楽メディア企業はサービスの保守管理を心配する必要がない。
ワーナー・ミュージックは、イーオスのサービス契約を結ぶ初の娯楽大手となる。【8月
14日 Internet News】
(3)デル
デルは、12インチ型ネットブックの製造を中止しようとしているが、一部の専門家らは、
この方針を過ちだと指摘している。パソコン・メーカーは、利幅を大きくしようとして9
〜10インチのネットブックの生産を好む傾向になる。しかし、利用者側にしてみると、10
インチ以下では物足りないという意見も強いため、12インチ型ネットブックには期待が寄
せられていたというのが専門家の意見だ。今回のデルの方針転換の背景には、マイクロソ
フトやインテルの販売戦略が強く関係している。インテルは、ネットブック向けに省電力
プロセッサのアトム(Atom)を10インチ以上のネットブックへ供給するにあたり販売価格
をつり上げている。さらにマイクロソフトも、ネットブック向けウィンドウズを通常のラ
ップトップ向けより安く供給しているが、10インチより大きな機種や、RAMが1ギガバイ
ト、あるいはハードディスク・ドライブ(HDD)が160ギガバイトより大きいネットブック
をその対象外としている。両社とも、ラップトップの売り上げを考慮して、こうした戦略
を展開している。【8月11日 PC World】
デルは、中国の携帯電話会社最大手、中国移動通信(チャイナ・モバイル)向けにスマ
ートフォンを開発している。製品の詳細は明らかにされていないが、「Mini3i」になると
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みられている。新型スマートフォンは、中国移動通信が運営する中国最大のスマートフォ
ン向けオンライン・アプリケーション・ストア「モバイル・マーケット」に対応する。現
在、ノキアやサムスン、LGをはじめとする各メーカーの10機種がモバイル・マーケット対
応機種として認められている。中国移動通信は、TD-SCDMA技術規格に基づく3G通信網を提
供。その加入者数は、4億9300万人以上に達している。【8月18日 AFP】
(4)ヒューレット・パッカード(HP)
HPはブラウザ基盤の非公開ネットワーク(ダークネット)「ベイルド(Veiled)」の試
作品を開発した。HPの研究員によると、ベイルドは、ピア・ツー・ピア(P2P)型とクラ
イアント/サーバ型のハイブリッド型。複数ユーザーのブラウザ間で手軽にプライベー
ト・ネットワークを構築できるのが特徴。また、ユーザーは匿名で参加できるほか、すべ
ての参加者がブラウザを閉じると、ネットワークが痕跡をほとんど残さずに消滅する仕組
みだ。ダークネットは、安全な通信とファイル共有を目的に構築するネットワークを指す。
これまでは、デスクトップ用アプリケーションを使って構築できたが、特定の設定や利用
のための高度な技術的知識が必要だった。しかし、最近では、クロームの「V8」やファイ
ヤー・フォックスの「トレースモンキー(TraceMonkey)」といったジャバスクリプト・
エンジンが登場し、パソコンや携帯電話のブラウザで実行可能になったという。【7月23
日 Information Week】
HPの5〜7月期の四半期決算は、減収減益となった。欧州や新興国で主力のとなってい
た個人向けパソコン販売が18%減の84億ドルと不審に終わったのが原因。昨年8月に買収
完了し売り上げが93%増の85億ドルとなった法人向けITサービスの受託・保守部門でもこ
の減収を補填できなかった。一方、法人向け機器やプリンタ販売、印刷関連部門もそれぞ
れ」2割以上の減収幅となった。【8月19日 HP】
(5)IBM
IBMは、中国企業向けのソフト開発を専門とする施設「中国分析ソリューション・セン
ター(China Analytics Solution Center)」を北京に開設した。新施設は、IBM北京支社
の「中国事業革新センター(China Business Innovation Center)」内に設置された。当
初の従業員数は、ソフト技術者や数学者を中心とした約300人で、将来的にはさらに300人
を追加する見込みだ。主要事業は、中国内の運輸および公益事業で使われるスマート・グ
リッド向けのアプリケーション開発。【8月5日 Information Week】
IBMとカリフォルニア工科大学の研究者らは、DNA(核酸)構造を活用した次世代マイク
ロチップの開発に取り組んでいる。研究成果は、英科学誌「ネイチャー・ナノテクノロジ
ー」に掲載された論文に掲載された。同研究では、人工DNAナノ構造(DNA折り紙)を活用
することにより、超小型マイクロチップを開発する。具体的には、DNA分子でできた足場
に数百万のカーボン・ナノチューブを付着させ、それらを堆積させることによって回路基
板として機能させる仕組み。実用化されれば、22nm〜6nmのリソグラフィ技術がより低コ
ストで実現できるという。【8月17日 eWeek】
IBMは、無線認証(RFID)タグや探知機から収集した情報を一括処理するソフト「ウェ
ブスフィア・センサー・イベンツ(WebSphere Sensor Events)」を発表した。新製品は、
RFIDタグや探知機から受け取ったデータに基づいて業務の変更を自動更新する。ソフトの
根幹技術には、IBMが昨年買収したアプトソフト(AptSoft)の業務処理技術を採用。それ
に独自のウェブスフィアとティボリの技術を統合している。IBMによると、行政府や電力
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会社は、同ソフトを使って、ネットワーク上にあるセンサーからの情報をもとに高速道路
や送電網を監視し、状況に応じて管理できるという。【7月18日 Information Week】
IBMは、近年、経済発展が目覚ましいブラジルのハイテク事業開発に向けた大規模な新
構想を発表した。それに伴い、同社はベンチャー・キャピタルや起業家、開発を推進する
ブラジル政府当局FINEPをサンパウロに招き、初のフォーラムを開催する。IBMはそれと同
時に、ポルトガル語のウェブサイト「デベロッパーワークス(developerWorks)」を開設
し、JavaやLinuxのほか、ロータス(Lotus)といった同社製品向けの技能向上を図る無償
プログラムやオンライン学習手引書を提供していく。ブラジル市場をめぐっては、IBMの
ほか、HPやベンチャー・キャピタルや私企業投資ファンドが同国のハイテク市場への参入
機会を狙っている。現地の投資業界団体によると、2008年末時点で国内外約150の投資会
社が計280億ドルを同市場に投資し、2004年の60億ドルから年平均50%の成長率を記録し
ている。【8月22日 Businessweek】
(6)インテル
インテル傘下の投資会社インテル・キャピタル(Intel Capital)は、クリーン技術
(クリーンテク)分野のベンチャー企業への投資に積極的に取り組んでいる。同社はすで
に、エネルギー効率化技術を手がけるシーパワー(CPower)をはじめ、スマート・メータ
ー向けソフト開発を手がけるグリッド・ネット(Grid Net)を含む5社に合計約1000万ド
ルを投資しているが、年内にさらに複数の投資案件を発表していく。現在、インテル・キ
ャピタルが投資対象としているのは、主にバッテリ技術、電気自動車、リチウム・イオ
ン・バッテリ、スマート・グリッド技術を開発する企業。【8月3日 Reuters】
インテルとマイクロン・テクノロジーは現在、34nm(ナノメートル)技術および、多値
セル(MLC:セルに複数のビットを記録できる)技術を採用した最新の3ビット/セルNAND
技術を開発している。両社は、この技術用いた半導体メモリの量産を2009年末から共同で
開始し、消費者電子機器向けに出荷していく計画だ。製造は、シンガポールを含めた両社
の合弁工場で生産していく。マイクロンは、サンプルをすでに出荷済み。NAND型メモリは、
ハードディスク・ドライブ(HDD)の代わりとして市場拡大が期待されるソリッドステー
ト・ドライブ(SSD)や小型大容量の記録媒体として機能する。【8月12日 WSJ】
(7)マイクロソフト
マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は、ウィンドウズやオ
フィスに代表される主力ソフトから新機軸のネット・サービスまで、多様な製品で大胆な
値下げを行っていく方針を明らかにした。景気低迷と競争激化が圧力となった模様。値下
げにより、グーグルやそのほかの競合他社へ対抗していく方針だ。また、マイクロソフト
は、ニューオーリンズで「オフィス2010」を公開すると同時に、機能を削減した広告サポ
ート版をウェブサイトで無償提供する方針を明らかにした。同社はまず、電子メール・プ
ログラム「エクスチェンジ」のオンライン版に月額制を導入する。さらに、10月22日に発
売される新版OS「ウィンドウズ7」は、現行版「ビスタ」の発売価格より40ドル値下げさ
れる。また、150ドルのオフィスの場合、数多くの特典分を差し引くと実際の価格は100ド
ル程度であるほか、ブラジルやインドではさらに値引きされる。オフィスの値下げが最も
著しいのは中国。同国では、2008年9月にオフィスを29ドルで試験的に発売して以来、売
り上げが800%を超える伸びを記録している。中国ではオフィス市場の95%を海賊版が占
めている。【7月23日 Businessweek】
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マイクロソフトの4〜6月期決算は減収減益となった。パソコン市場が低迷したことや
他社製OSの無償提供拡大が影響した模様。売上高は2四半期連続で前年実績を下回った。
一方、6月末の通年売上高は前年比3.3%減の584億3700万ドル。純利益は17.6%減の145
億6900万ドルにとどまった。次期OSのウィンドウズ7や6月に始めた新検索エンジン「ビ
ング(Bing)」への投資がかさんだのが原因。【7月24日Microsoft】
マイクロソフトとヤフーは、オンライン検索および同広告分野の向こう10年間におよぶ
事業提携で合意した。提携により、ヤフーは自社サイトでマイクロソフトの新検索エンジ
ン「ビング(Bing)」を採用し、マイクロソフトはその見返りとしてヤフー・サイトへの
広告掲載料を支払う。マイクロソフトは最初の5年間において、ヤフー・サイトで広告表
示する場合に売り上げの88%をヤフーに支払う。その結果、ヤフーは、年間5億ドルの増
益を期待できる。【7月29日 CNN】
マイクロソフトは、自社が保有していたオンライン広告代理店レーザーフィッシュを広
告代理店大手の仏ピュブリシスに5億3000万ドル相当の現金および株式交換で売却する。
ピュブリシスは、レーザーフィッシュの買収によってオンライン広告技術を取り込むのが
狙い。一方のマイクロソフトは、ピュブリシスとの連携を通して広告収入のテコ入れを図
っていく。売買手続きは2009年中に完了する見込み。レーザーフィッシュは利用者の視点
を重視したウェブ広告画面の企画・立案が根幹事業となっている。2007年にマイクロソフ
トに買収されたものの、これまで不況に伴い業績が伸び悩んでいた。【8月10日
Bloomberg】
マイクロソフトは、ノキア製スマートフォン向けにオフィスの携帯電話版を提供する。
携帯電話向けOS市場で競合関係にあった両社が他社へ対抗するために歩み寄った格好だ。
マイクロソフトは、ウィンドウズ・モバイル以外のOSにもオフィスを対応させることで、
携帯機器市場を拡張していく。しかし、オフィスの書類を異なるOS搭載機器間で共有する
利用者がどれほどいるか疑問が残るところ。【8月12日 WSJ】
テキサス州の連邦地裁は、カナダのソフト会社i4iがマイクロソフトを特許侵害で訴え
ていた件で、2003年と2007年版の「ワード」の販売を60日以内に打ち切るようマイクロソ
フトに命じる判決を下した。同地裁はさらに、i4iに2億9000万ドルの損害賠償金を払う
ようマイクロソフトに命じた。訴えによると、i4iは、ワードとウィンドウズ・ビスタが
同社のXML関連技術特許を侵害していると主張。2007年に訴訟を起こしていた。これに対
して、マイクロソフトは、i4iの特許が無効であると主張し、控訴する構えだ。【8月13日
AP/Reuters】
(8)グーグル
グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が、アップルの社外取締役を
辞任する。グーグルのOS事業がアップルの中核事業とぶつかり、競争関係が強まっている
のが理由だ。シュミット氏はこれまで、携帯電話に関する会議で席を外すことで対応して
きた。しかし、今後は、取締役会議の大半に関与できなくなることから、今回の辞任とな
った。【8月3日 TechCrunch】
グーグルは、携帯電話用OS「アンドロイド(Android)」のビジネス利用者向け機能を
拡充する。同市場に君臨するリサーチ・イン・モーション(RIM)のブラックベリー製品
へ対抗していく。その一環として、グーグルは、2009年末までにビジネス用途に重点を置
いた機能をアンドロイドに追加する計画だ。その一部として、新しいサービスや機能を年
2回にわたって利用者に無線送信するという画期的な更新機能が組み込まれる。また、ア
ンドロイド携帯電話向けのグーグル・エクスペリエンスでは、「Gメール」「グーグル・
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カレンダー」「グーグル・アップス」などのウェブ・ベースのサービスの統合度が向上す
る。一方、RIMのビジネス用プラットフォーム「ブラックベリー・エンタープライズ・サ
ーバ」は、プッシュ・メールへの対応と安全性の点で人気を集めていることから、グーグ
ルにとってブラックベリーとの競争はかなり厳しいとの見方もある。J・ゴールド・アソ
シエーツ(J. Gold Associates)では、2011年時点で企業向けスマートフォン市場の約
60%をRIMが占有すると予測している。【8月3日 Information Week】
グーグルは、ビデオ圧縮技術を手がけるオン2テクノロジーズ(On2 Technologies)を
1億650万ドルで買収する。グーグルが株式公開企業を買収するのは今回が初めてとなる。
オン2は、高精細(HD)ビデオを携帯通信機器で再生できるようにするソフトを開発して
いる。同ソフトは、アドビ・システムズやスカイプにも使われている。グーグルは今後、
オン2のソフトをユーチューブに活用していく。また、携帯電話向けOSのアンドロイドや
パソコン向けOSのクロームへの導入も見込まれている。グーグルは、オン2の圧縮技術を
利用することで、年間数百万ドル規模のコスト削減が可能になるとしている。グーグルは
同時に、ラジオ広告配信技術をテレビおよびラジオ放送業界向けのソフトを開発するワイ
ドオービット(WideOrbit)に売却した。同売却は、グーグルのラジオ広告販売の試みが
失敗に終わったことを意味している。【8月6日 WSJ】
グーグルは、新たな検索機能「カフェイン(開発コード名)」を公開した。この機能は、
利用者の求める検索内容を的確に判断し、関連性の高いウェブサイトの一覧を瞬時に表示
できるようにする。ユーザーは試験版を利用して、フィードバックを返すことができる。
一方、これまでグーグルのサイト向けにSEO(検索エンジンの最適化)を施してきたサイ
トは、再び対応に追われることになる。【8月12日 Internet News】
(9)オラクル
オラクルは、データ統合ツールを開発するゴールデンゲート・ソフトウェア
(GoldenGate Software)を買収する。買収金額は明らかにされていない。今回の買収で、
オラクルはデータ統合事業の強化を図っていく考えだ。また、ゴールデンゲートが抱える
400社以上の顧客を取り込める。これらの顧客の中には、自動預金支払機ネットワーク
(ATM)大手3社や通信事業大手5社のうち4社が含まれる。買収手続きは今年後半に完
了する見込み。ゴールデンゲートの技術は、様々なデータベースのログ・ファイルからデ
ータをリアルタイムで収集できるCDC(change data capture)機能が特徴となっている。
また、元となるデータベースの処理能力は、データ検索および収集によって低下しないと
いう。すでに、ゴールデンゲート製品の一部は、オラクルのフュージョン・ミドルウェア
やビジネス・インテリジェンス、EPM(Enterprise Performance Management)に統合済み。
オラクルは2006年にも同業者のサンオプシス(Sunopsis)を買収している。【7月24日
Computer World】
主な企業の決算報告:
企業名
四半期売上高
前年同期比
四半期純益
前年同期比
アップル
シスコ
HP
マイクロソフト
83.37 億ドル
85.35 億ドル
274.51 億ドル
130.99 億ドル
11.7%
-17.6%
-2.1%
-17.3%
12.29 億ドル
10.81 億ドル
16.42 億ドル
30.45 億ドル
14.6%
-46.3%
-19.0%
-29.1%
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2.パーソナル・コンピュータ、携帯機器とソフトウェア(OS)
(1)ティセラ(Tsera)は、アップルやマイクロソフトを含む電子機器メーカー23社をテキ
サスの連邦地裁に提訴した。同社のタッチ・スクリーン技術特許が侵害されているという
のが提訴の理由。訴状によると、アップルのiポッド・クラッシックおよびiポッド・ナノ、
マイクロソフトのズーン、そのほかの携帯音楽プレーヤが同社の特許を侵害しているとい
う。ティセラは2003年「タッチパッドで携帯電子機器を制御する方法と仕組み(Methods
and Apparatus for Controlling a Portable Electronic Device Using a Touchpad)に
関する特許(特許584)」を取得している。同特許は、利用者がタッチ・スクリーン上で
コマンドを入力する方法に関する技術を記述している。例えば、機器内に組み込まれたマ
イクロコントローラが利用者の指の動きを追跡し、あらかじめ記録されている動作パター
ンと照合し、その動きを認識するといった具合だ。23社の中でも特に標的とされているの
がアップル。ティセラによると、アップルが特許を申請した当時、アップルはティセラの
特許584を先行技術として申請書の中で記述しており、尐なくとも2004年9月30日の時点
で同特許の存在を知っていたと主張している。【7月23日 Information Week】
(2)小売り世界最大手ウォルマート・ストアーズは、一部のラップトップ機種をネットブッ
クより安い価格で販売する。例えば、ウィンドウズ・ビスタを搭載したメモリ容量3ギガ
バイト(GB)、ハードディスク・ドライブ(HDD)の容量が160GBのヒューレット・パッカ
ード(HP)製ラップトップは298ドル。3GBのメモリ、320GBのHDDを搭載した台湾エイサ
ー製機種が548ドル。USAトゥデーによると、ウォルマートは現在、国内3600店舗のうち
1200店のパソコン売り場を刷新中で、品ぞろえを増やし家電の激安販売を強化する戦略を
進めている。【7月24日 USA Today】
(3)各安の高精細テレビ(HDTV)メーカーのビジオ(Vizio)は、発光ダイオード(LED)を
バックライトに搭載したLCDテレビを競合製品より1500ドルも安く発売する。LEDバックラ
イト機種は、2004年から市場投入されているが、価格は標準的製品の2倍以上高い。この
LED搭載機種を同社は破格の値段で販売する。ビジオが発売するLED−LCDテレビの第1弾は、
55インチ型で価格は約2000ドル。競合他社の製品は同サイズで約3500ドル。【7月31日Los
Angeles Times】
(4)新興企業のシナプティクス(Synaptics)は、ラップトップ用タッチパッド(画面上の
カーソルを指先で操作する小型パッド)の機能を向上させる新技術を開発している。シナ
プティクスが開発している技術は、タッチパッドに併設されるクリック用ボタンをなくす
代わりに、タッチパッドの面積を大きくし、そのパッド上で全ての動作を行えるようにす
るというものだ。さらに、利用者がタッチパッドを使った機能を独自に追加できる技術も
開発している。例えば、タッチパッド上で「A」という文字を描くとアマゾンAmazon.com
のサイトへ直接移動するという機能が組み込める。さらに、指を使って電子ブックのペー
ジを移動したり、画像を回転させたり、書類を拡大したりできる機能も計画している。同
技術の商品化の時期については明らかにされていない。【8月4日 Computer World】
(5)ネット対応テレビの売上高は、2009年第2四半期に10億ドルを記録した。調査会社クイ
クセル・リサーチ(Quixel Research)が報告した。同社の調査結果によると、今年4〜
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6月におけるネット対応テレビの米国内売上高は、前期(7億7600万ドル)から40%増加
した。また出荷台数は、前期の36万5000台から70%増の62万台に達し、今年上半期だけで
2008年(98万5000台)通年の結果を上回った。ネット対応テレビの販売が増加した理由と
して、ユーチューブに代表される動画サイト、ネットフリックスのような映画DVDレンタ
ル事業者の配信サービス、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やそのほか
のコンテンツ・サービスをテレビで使う世帯が増加したことが挙げられる。また、大半の
消費者がブロードバンド接続を利用していることも、ネット接続テレビの普及に寄与して
いる。【8月6日 Information Week】
3.インターネットとメディア・ビジネス
(1)プラスチック・ロジックは、独自の電子ブック・リーダー(読み取り機)を開発。AT&T
や書店最大手バーンズ&ノーブル(B&N)と提携して、2010年初頭にもサービスを開始す
る。提携によりAT&Tが無線ネットワークを提供し、B&Nが電子ブックを供給する。プラス
チック・ロジックの機器は、スクリーンの大きさがほぼレターサイズ(8.5× 11インチ)
で、キンドルと同様にディスプレイにはeインク社の技術を採用している。新聞記事も読
めるよう米国内の新聞大手とも契約を交渉中だ。また、AT&Tの広大なネットワークを使う
ことで、携帯電話通信網だけでなくWi-Fi接続でも利用できる。プラスチック・ロジック
は、ビジネス文書をほぼフルサイズで読みたいという様々な分野の専門家を対象に販促し
ていく考えだ。【7月24日 AP】
(2)独立系通信会社シュアウェスト・コミュニケーションズ(SureWest Communications)
は、マイクロソフトのIPテレビ(IPTV)用プラットフォーム「メディアルーム
(Mediaroom)」を採用して、カリフォルニア州サクラメント地域で双方向性のテレビ・
サービスを開始する。新規IPTVサービスには、住居内のどのテレビでも利用できるデジタ
ル動画録画(DVR)ほか、高精細(HD)ビデオ・オン・デマンド、コンピュータとテレビ
間での写真や楽曲の共有なども含まれる。また、DVR遠隔予約や、テレビ画面へのコーラ
ーID表示といったサードパーティが開発した機能も組み込めるのが特徴だ。シュアウェス
トは、2009年12月までに1万5000世帯、2010年第2四半期までにさらに1万世帯にサービ
スを拡大し、最終的に2万5000世帯へのサービス提供を目指す考えだ。【7月29日
SureWest Communications Press Release】
(3)オンライン広告料が一部で値上がりしつつあり、同業界が回復基調に転じたという見方
も出てきている。シリコンバレーの広告分析会社パブマティック(Pubmatic)が報告した。
同社の調査結果によると、第三者業者によって販売されたバナー広告とボックス広告の料
金は2009年上半期に35%上昇した。パブマティックは、オンライン広告の価格が昨年下落
した要因として、フェイスブックやマイスペースに代表されるソーシャル・ネットワーキ
ング・サイト(SNS)の人気上昇を挙げている。こられのサイトの人気が高まった結果、
広告出稿個所の増加見込みにつながり、業界全体にわたって値崩れを引き起こしたという。
その一方で、過去1年ほどにわたって精密な広告標的を可能にする新技術を提供する会社
が多数登場し、同技術によって広告価値が高まり、価格が押し上げられたという。これら
の企業には、ブルーカイ(BlueKai)やターン(Turn)がある。ブルーカイは、ウェブ利
用者の閲覧履歴を記録して、広告主が人口統計学的なデータや利用者の嗜好に基づく標的
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絞り込みを可能にした。また、ターンの技術は、ウェブ利用者の価値を自動分析できるよ
うにする。今回、パブマティックが調査の対象としたのは、広告配信ネットワークやほか
の仲介サービスを介して販売された広告の料金だけとなっている。このため、新聞社やテ
レビ放送局のウェブサイトのように、独自にオンライン広告販売を手がけている会社の料
金は含まれない。【7月31日Forbes】
(4)IP電話大手スカイプ(Skype)が、親会社のeベイと創業者の間で揺れ動いている。eベ
イは、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料の中で、事態が改善しなければ事業継続
は難しいという見解を示した。これに対して、スカイプは、eベイから分離独立し新規株
式公開(IPO)するという計画に変更はないと主張している。一部の報道によると、両氏
がスカイプの買い戻そうとすでに複数の非公開投資会社と買収資金調達について協議して
いるという。現在、スカイプのIP電話サービスの根幹を成すピア・ツー・ピア(P2P)技
術の権利は、スカイプ創業者のニクラス・ゼンストローム氏とヤヌス・フリス氏が所有し
ている。その両氏は現在、共同設立したジョルティッド(Joltid)を通じ、eベイとの間
で結んだライセンス契約の終了を求めている。スカイプは独立部門として利益を出してい
る。【7月31日 Information Week】
(5)スマートフォン向けの電子ブック・サービスが登場し、電子ブック市場の急拡大とさら
なる競争激化が予想されている。例えば、米書店最大手のバーンズ&ノーブルは最近、携
帯機器ブラックベリー用の電子ブック・リーダー(読み取り)ソフトを開発した。その結
果、待ち時間を使ってブラックベリーで読者する人が増えているという。調査会社フォレ
スター・リサーチによると、Amazon.comの販売するキンドルは今年第1四半期に90万台以
上が売れたが、スマートフォン用電子ブック・リーダーのダウンロード件数はそれをはる
かに上回っているという。また、グーグルも電子ブック市場へ本格参入する見通しから、
さらなる競争激化が予測されている。一方、業界専門家らは、電子ブックの互換性欠如が
普及の妨げになると警告している。例えば、Amazon.comが販売する電子ブックは、同社の
キンドルにしか対応していない。対するバーンズ・アンド・ノーブルの電子ブックは、ウ
ィンドウズ、iフォン、ブラックベリー向けに提供される専用ソフトが必要となる。電子
ブック市場の主導権争いは今後本格化する可能性があるものの、標準規格の行方次第では
伸び悩むと可能性もあるとみられている。【8月14日 AP、8月17日 WSJ】
4.電子商取引と IT サービス
(1)Amazon.comは、オンライン靴販売業者のZappos.comを8億4700万ドルで買収する。買収
金額は同社史上最高額となる。オンライン百貨店として成功している同社だが、アパレル
分野では存在感が極めて弱い。そこで、この巨大なオンライン・アパレル市場のテコ入れ
するためにZappos.comの買収に至った模様。Zappos.comは、カスタマイズできる靴の販売
に特化し、商品送料と返却送料の両方とも無料という独自のサービスで拡大してきた。
Amazon.comも、ザッポスに対抗しようと靴販売に特化したウェブサイト(Endless.com)
を数年前に立ち上げたものの失敗に終わっている。【7月23日 WSJ】
(2)Salesforce.comやネットスイート(NetSuite)が開拓してきたSaaS(Software-as-aService)市場で、新たなサービスを売り物にした新興企業らが台頭しつつある。例えば、
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サービスチャネル(ServiceChannel)は、清掃業者やメンテナンス業者といった小規模企
業のサービスを利用する大企業向けにアプリケーションを開発している。同社のサービス
は、オラクルやピープルソフト、SAPといった業務用アプリケーション製品と互換性があ
るほか、サーベンス・オクスリー法(企業改革法)に準拠するほか、毎日1万件の処理を
こなす通信容量も備える。マルケット(Marketo)は、潜在顧客との関係構築に特化した
マーケティング管理用アプリケーションを開発している。また、スマートヴォルト
(SmartValt)は、会計アプリケーションのクイックブックス(QuickBooks)からアクセ
スする文書管理サービスを打ち出した。そのほか、特定業務に特化したオン・デマンド・
アプリケーションを簡単に構築できるサース・スイート(SaaS Suite)を開発しているコ
レント・テクノロジー(Corent Technology)もある。コレントの製品は、すでにボーイ
ングが採用して、数万個に上る飛行機の部品を管理するアプリケーションを構築している。
【7月31日 Internet News】
(3)新興企業のエフィシエンシー2.0(Efficiency 2.0)は、消費者向け電力消費管理用ソ
フトを完成させた。同社のソフトは、電力を利用する人の所在地、年齢、人口統計データ、
生活様式、住居に関する質問への回答といった情報を収集して分析し、利用者ごとに電力
消費を抑える方法を提示する仕組み。また、ソーシャル・ネットワーキング・サービス
(SNS)大手フェイスブックと同様の方法で近隣住民同士が「友達」になり、友達間で電
力消費を比較するというサービスも提供する。例えば、集団の中で電力消費量が突出して
いる人にはしかめ面の画像が、尐ない人には笑顔の画像が与えられる。消費量の多い人に
罪悪感を持たせて、結果的に節電意識を高めようという試みだ。すでに数社の電力会社が
同社の技術の採用を決めたという。【8月5日 Businessweek】
(4)ゼネラル・モーターズ(GM)は、eベイの協力を得てカリフォルニア州にある225店超の
ディーラーが取り扱うGM製新車のオンライン試験販売を開始した。期限は9月8日まで。
購入希望社は、ネット( www.gm.ebay.com )上でディーラーの展示場を閲覧して、スポ
ーツ多目的車(SUV)や小型トラックを含む最大2万台の新車の中から好みの車を選べる。
その際、価格交渉、ローンの組成、支払いに至るまでのあらゆる手続きをオンライン上で
済ますことができる。【8月11日 CNN】
(5)2009年第2四半期(4〜6)の米ネット小売の売り上げは、前年同期比1%減の302億
ドルにとどまった。調査会社コムスコアが発表した。同社のコムスコアのフルゴニ会長は、
「10%近い失業率とガソリン価格の上昇という現実に加えて、貯蓄率の上昇が相まって、
消費者の自由な支出が抑えられている」と現状を指摘し、景気悪化を抜け出すには当面時
間がかかるとの見通しを明らかにした。【8月11日Reuters】
(6)オンライン旅行予約に不満を感じる人が増加している。調査会社大手フォレスター・リ
サーチが報告した。同社の最新報告によると、オンライン予約する旅行者は2007年から
2009年にかけて15%減尐。さらに、旅行サイトが提供する商品選択肢に満足する旅行者は、
2008年の39%から今年は33%に減尐した。同社のアナリストは、旅行サイトやオンライン
予約手続きの使い勝手が以前からほとんど改良されておらず、多くの消費者が不満を抱く
ようになっていると説明している。【8月13日 NYT】
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(7)プログラミングの知識がなくてもiフォン向けビジネス・アプリケーションを簡単に作
れるサービスを新興企業スウェブ・アップス(Sweb Apps)が開発した。利用者はまず、
同社サイトで対象ビジネス分野を決め、組み込みたい各種機能のボタンを選択し、販売価
格を含む各種関連情報を追加してスウェブ・アップスのサーバにアップロードする。後は、
スウェブ・アップスがアップ・ストアに配信する仕組みだ。利用者は必要に応じてアプリ
ケーションを簡単に変更できる。同サービスの価格は、ボタンを1つ搭載するごとに50ド
ルかかり、最低4つのボタンを搭載する必要がある。また、月額25ドルのホスティング費
用もかかる。その中にはウェブ・トラフィック分析サービスも含まれる。スウェブ・アッ
プスは今後、iフォン向けに課金システムを提供する計画だ。また、iフォンに組み込まれ
ている加速度計(accelerometer)を利用するためのボタンも導入する計画。それにより、
ゲーム感覚のアプリケーションも作成できるようになる。【8月20日 Internet News】
5.半導体とハードウェア技術
(1)2009年第2四半期(4〜6月)の世界半導体市場の売り上げは、前期比17%増の517億
ドルに達した。在庫管理の改善が貢献した。米半導体工業会(SIA)が明らかにした。SIA
の報告によると、6月の半導体販売額は前月比3.7%増の172億ドルだった。同団体のスカ
リス会長は、月間の販売額が4ヵ月連続で増加した点を指摘し、業界が通常の季節的な成
長パターンに戻りつつあると説明している。【8月4日 SIA】
(2)グラフィク・プロセッサ製造大手エヌビディア(Nvidia)は、マイクロソフトの携帯楽
曲プレーヤの最新機種「ズーン(Zune)HD」に、省電力プロセッサの「テグラ(Tegra)
APX2600」を供給する。APX2600は、Arm11ベースのプロセッサ・コアのほか、グラフィ
ク・プロセッサ・コア「Gフォース(GeForce)」で構成される。さらに、高精細(HD)ビ
デオのエンコーダおよびデコーダに特化したコアも備えており、解像度が720p(ピクセ
ル)の動画を再生できるのが特徴だ。競合製品であるiポッドは720pの映像を再生できな
い。【8月14日 Industry Standard】
6.その他(通信、政府・議会動向など)
(1)クアルコム(Qualcomm)とベライゾン・ワイヤレスは、新しい合弁事業の一環として、
スマート・グリッド・サービスを提供していく。ただし、詳細は一切明らかにしておらず、
スマート・グリッド技術については、「サーキット・ブレーカーや変圧器、変電施設機器
など、送電網に関連した電力会社の資産を無線接続できるようにするもの」と説明するに
留まっている。ベライゾンは、スマート・メーターを手がけるアイトロン(Itron)との
連携を4月に発表しており、すでに同市場への進出を本格化しつつある。【7月29日
Greentech Media】
(2)AT&T、ベライゾン・コミュニケーションズ、コムキャストの3社は、連邦政府の要請を
受け、広帯域(ブロードバンド)通信網に関する情報を連邦政府に提出することに合意し
た。連邦政府は現在、商務省の全米通信情報局(NTIA=National Telecommunications
and Information Administration)主導の下、高速ネット接続が可能な地域を示す全米地
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図「ブロードバンド・マップ」の作成を進めている。これにともない、通信業界団体も加
盟企業に対し、地図作成計画への協力を呼びかけていた。最終的に双方向機能を盛り込ん
だ米国地図を作成し、一般消費者が地域ごとに利用可能なブロードバンド・サービス事業
者を検索できるようにしてく。一方、政府はブロードバンド・サービスを手頃な価格で全
米に普及させるため、設備投資が必要な地域の特定や政策の立案にそれら情報を役立てて
いく。【8月10日 San Jose Mercury】
(3)新興企業ロウ44(Row 44)は、北米内の航空便を対象に航空機内Wi-Fiサービスを提供
するにあたり、連邦通信委員会(FCC)から認可を取得した。同社のサービスは、従来の
ものと異なり、通信衛星ネットワークを利用する。ロウ44はすでにカナダおよびメキシコ
の両政府から同サービス提供に関する認可を取得済みで、今後はほかの地域にもサービス
を拡張する方針。現在、アラスカ航空およびサウスウエスト航空が同社のサービスを試験
的に導入している。【8月10日 Information Week】
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