Vive Mexico!!! メキシコ・VIVE Colola 甲斐史織 私がウミガメのボランティア活動を知って、応募したのは出発の2か月前くらいでした。行く前に持って いたメキシコへのイメージは「タコス、美人、とんがった帽子」という本当にベイシックなもので、メキシ コの人がスペイン語を話すこと、メキシコが日本よりも暑いということも全く知りませんでした。だから、 両親や友達に「メキシコに行ってくる!」といった時に、治安面などですごく心配されて、全力で止められ ましたが私は知識がなさすぎて「大丈夫」とだけ笑顔で言ったのを思い出します。しかし、もちろん申し込 む前に自分でメキシコについて調べ、ラテンの友達やカナダ人からもメキシコについてたくさん聞き情報を 集めました。ほとんどの人がメキシコは危ない、マフィアがいる、特に女の子は一人でメキシコに行くのは 危険だからやめたほうがいいと言われました。特に私の場合はあまりスペイン語を話せなかったので尚更、 「騙されて危険な目に合うよ」と散々言われ脅されました。インターネットで調べても不安になる情報がほ とんどだった気がします。なので、実を言うと NICE へ申し込みをした時は不安な気持ちがすごく大きかった です。 しかし、ボランティアへの参加が決まってからというもの、不安な気持ちはどこかへ消えウミガメを見る ことができる、本場のタコスを食べることができる、という楽しみで出発前からすごくウキウキしていまし た。実際にメキシコについてからもとても心暖かい人たちに何度も助けられボランティア前の数日間の一人 旅も充実したものになりました。リーダー研修はモレリアという場所で4日間ありました。そこでリーダー トレーニングに参加したのですが、驚くことに最初のミーティングの日に緊張する中、開始時刻の10分前 にオフィスに行きドアを開けて挨拶をしたら「え!?もう来たの??今からご飯食べようと思ったところだ ったのよ、、 (焦) 、 」と言われ30分近く待たされました。 私は当たり前のように 5 分前には到着するようにと逆算 して集合場所に向かったのですが、そこはメキシコ!初 っ端なから日本での常識はメキシコでの常識ではないと いうことを実感させられました。さらに、このミーティ ングの後、実際にオフィスの人から「13:00と言っ たらメキシコでは13:30という意味だよ。」と言われ ました。 (笑)この経験からもわかるようにメキシコはす ごくのんびりとした国だと思います。ワークキャンプが 始まってからは楽しいことも大変だったこともあっとい う間に過ぎていった気がします。まずワークキャンプ1 海でキャンプ♪ のほうでは、私自信、全く土地勘がなく、インターネッ トも何も使えない環境の中でリーダーをしなければいけない状況だったので自分に全く余裕がありませんで した。また、英語が話せると聞いていた地元のボランティアの方々も全く英語が話せず、すごくコミュニケ ーションをとるのが大変で不安な気持ちからワークキャンプがスタートしました。しかし、他のボランティ アの子たちや日本からの参加者にも助けられて最後まで何とか切り抜けられました。 そんなワークキャンプ1の思い出の中で、わたしの一番思 い出に残っていることは、満点の星空の下でみんなと火を焚 いて BBQ をし、サルサを踊って、いろいろな国の歌を歌い、 たわいもない話をしながら海岸で寝袋をひいて寝たことです。 トイレもない、電灯もない、そもそも車道からジャングルの ような道を下って10分くらいのところにあるビーチだった ので私たち以外人もいないそんな環境でした。しかし、波の 音、月の光、明るく燃える炎、海の匂いを五感で感じ、自然 の偉大さ、私たち人間のはかなさを改めて認識させられ、ま たボランティアメンバーたちとの絆もより深めることができ、 弱ったウミガメを運んでいると すごく感慨深い夜になりました。また、もう一つのエピソー ころ。 ドなのですがボランティアメンバーが到着した第1日目にメ キシコの女の子がビーチで弱っているウミガメを見つけました。そのウミガメはすごく弱っていて私たちは 海岸に落ちていたココナッツの殻などで地道に海から水を運びウミガメにかけていたのですが、あまり効果 はなく、さらにその日はとても日差しが強かったのでみんなで話し合った結果海までウミガメを運ぼうとい うことになりました。そこには地元の人は誰一人としていなかったのでどうすればいいか分からない状況と ウミガメがとても弱っていて時間がないということでそういう決断をしました。というものの、ウミガメは 非常に力が強く、また重さも尋常ではありません。ですが、 「助けたい!」という一心の思いでボランティア 全員が力を合わせその弱ったウミガメを海の近くまで運びました。海の近くまで運んだことにより、そのウ ミガメは自力で海に戻ることができ、最後には波に乗って海に戻っていきました。もしも、私たちが諦めて いたらそのカメは死んでいたかもしれません。誰一人として知識がない状況でしたが、みんなで知恵を出し 合って一つの命を助けることができたというのはすごく心に残る忘れられない思い出です。 ワークキャンプ2ではワークキャンプ1と違って宿舎ではなく毎日アメリカのボランティアの子とビーチ で寝ました。毎日どこに寝るのかを決めるのがすごく楽しみで、ウミガメの堀った穴で寝たり、ウミガメが 産卵しているすぐ横で寝たりしました。また、ワークが少し早く終わった日には地元の人とビーチで寝なが らテキーラを飲んだり、夜の海で遊んだりしました。毎日ビーチで寝ていたのでほぼ毎日日の出とともに目 が覚め、朝から Colola の美しい日の出を見ながらおしゃべりをしたり、お散歩をしたりしました。また、ワ ークキャンプ1で一回すべての流れを経験している分自分に余裕をもってリーダーを務めることができてい たと思います。メキシコでの経験は私にとって毎回予想外のことばかりで毎日が新鮮でした。ボランティア の仲間、Colola の方々、VIVE MEXICO の方々、そしてボランティアのみんなが私をサポートしてくれたので 約2か月の間すごく充実したかけがえのない日々を過ごすことができました。念願だったウミガメの保護活 動に参加することもでき、また以前よりももっともっと ウミガメを知りたいという気持ちが大きくなりました。 機会があれば日本のウミガメの保護活動にも携わってみ たいなとも思っています。日本とメキシコは距離的にも 文化的にも遠い国ですが、メキシコの人々の温かさと情 熱、メキシコの自然、文化、食べ物にすごく魅了された 気がします。また、いつかメキシコに戻れる日がくるな らば、また同じメンバーで COLOLA の海に行き、BBQ をし て満点の星空でたわいもない話をしながら寝袋で寝たい sleep on the beach!!! なと思います。
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