JFEスチールの自動車用ステンレス鋼

JFEスチールの
自動車用ステンレス鋼
JFEスチールのステンレス鋼
特長
JFEスチールは、クロム系（フェライト系およびマルテンサイト系）ステンレス鋼に特化
した、世界屈指の一貫製造ステンレス鋼メーカーです。
当社の自動車用ステンレス鋼は、優れた耐食性、耐熱性、耐久性を有するのみならず、
SS-VOD（真空脱炭炉）などの当社独自の精錬技術により極低炭素、極低窒素を実現し、
さらに世界に誇る高速・強力熱間圧延設備の特長をフルに生かしr値の向上を図ることに
より、非常に高い加工性を得ております。特に、フェライト系ステンレス鋼では最高レベル
のｒ値を有する高加工性フェライト系ステンレス鋼JFE436LTをご提供しております。
100%クロム系特化
お客様のニーズにマッチした
豊富な品揃え
優れた新商品
開発力
優れた品質
安定供給と
高いコスト
パフォーマンス
自動車用ステンレス鋼生産拠点
東日本製鉄所
（西宮工場）
薄板・極薄
ステンレス鋼
（BA・箔）
東京
名古屋
大阪
東日本製鉄所
（千葉地区）
薄板ステンレス鋼
（熱延・冷延）
知多製造所
ステンレス電縫管
自動車用ステンレス製部材と適用鋼種
《適用可能鋼種》
●エキゾーストマニフォールド（エキマニ）
●触媒担体（メタルハニカム）
●触媒コンバータケース
JFE-TF1
JFE-MH1
JFE-TF1
JFE429EX
●EGRクーラー
JFE20-5USR
JFE-MH1
JFE18-3USR
JFE429EX
JFE434LN2
JFE443CT
JFE430CuN
JFE439L
JFE429EX
●べローズ管
JFE-MH1
JFE-TF1
●DPF、SCR、SCRタンク（ディーゼル）
●排熱回収器
●マフラー・マフラーカッター
排ガスパイプ
JFE443CT
JFE439L
JFE434LN2
JFE443CT
JFE436LT
JFE429EX
JFE443CT
JFE436LT
JFE436LT
JFE432LTM
JFE430CuN
JFE439L
JFE409L
ホットエンド用（高温用）ステンレス鋼
1 特長
優れた加工性と耐食性が両立した、高い精錬技術で製造する（極低C、N）＋（Nb添加）のフェライト系ステンレス鋼です。耐熱性のみならず
厳しい加工に対応できる高加工性仕様を標準としています。特にJFE-TF1は高温エキマニ用としてSUS444に匹敵する高温特性を有する、
優れた高耐熱・高加工性フェライト系ステンレス鋼です。
エキゾーストマニフォールド
べローズ管
触媒コンバータケース
EGRクーラー
2 成分・物理的特性・機械的特性
成分（重量％）
鋼種名
相当規格名
C
Si
Mn
Cr
Cu
Mo
規格 ≦ 0.015 ≦ 1.00 ≦ 1.00 16.00-18.00 1.00-1.50
Nb
N
0.40-0.60
その他
Al：添加
JFE-TF1
代表例
0.007
0.80
0.20
17.50
1.25
規格 ≦ 0.015 ≦ 1.00 ≦ 1.00 14.00-16.00
0.45
1.50-1.80
0.40-0.60
1.58
0.52
1.75-2.50
8×
（C＋N）-0.80
1.84
0.36
JFE-MH1
代表例
0.004
0.34
0.20
14.84
規格 ≦ 0.025 ≦ 1.00 ≦ 1.00 17.00-20.00
JFE434LN2
≦ 0.025
SUS444
代表例
0.005
0.29
0.15
18.93
0.008
0.30-0.70
規格 ≦ 0.030 ≦ 1.50 ≦ 1.00 13.00-16.00
JFE429EX
代表例
0.008
0.86
0.37
物理的特性
鋼種名
!
0.44
14.60
機械的特性（上段：規格、下段：代表例, L方向）板厚 2.0mm
熱伝導度
熱膨張係数
ヤング率
密度
0.2％耐力
100℃
0∼650℃
（g/cm3）（×103MPa）
（N/MPa）
-6
（×10 / ℃）（W/m・℃）
引張強さ
（MPa）
伸び
（%）
硬さ
Hv
195 ≦
360 ≦
22 ≦
≦ 200
400
530
33
185
195 ≦
360 ≦
22 ≦
≦ 200
310
480
36
168
245 ≦
410 ≦
20 ≦
≦ 200
365
525
33
162
195 ≦
360 ≦
22 ≦
≦ 200
290
470
36
162
n値
平均
r値
0.18
1.4
0.20
1.4
0.20
1.2
0.22
1.4
JFE-TF1
7.74
208
12.3
19.1
JFE-MH1
7.72
216
12.0
26.4
JFE434LN2
7.75
206
11.5
25.9
JFE429EX
7.70
225
12.2
26.8
SUSXM15J1（比較）
7.93
188
17.2
16.3
305
655
62
170
0.45
1.1
SUS304（比較）
7.93
188
17.2
16.3
306
688
56
165
0.32
0.94
3 熱疲労特性（試験条件は21ページ）
2500
1200
830℃ 200℃ η=0.4
880℃ 200℃ η=0.4
1000
繰り返し数（サイクル）
繰り返し数（サイクル）
2000
1500
1000
500
800
600
400
200
0
JFE-TF1
0
JFE-MH1 JFE429EX Type441
（比較）
JFE-TF1
JFE-MH1 JFE429EX Type441
（比較）
0.9
830℃ 200℃
〈Type441（比較）の成分〉
17.9％Cr ー 0.48％Nb ー 0.17％Ti
0.8
JFE-TF1
JFE-MH1
拘束率 η
0.7
JFE429EX
Type441（比較）
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0
1000
2000
3000
4000
寿命（サイクル）
4 耐酸化性
1）連続酸化（400時間）
2）繰り返し酸化（300サイクル）
400
9
＃320仕上げ白抜きは微小剥離あり
酸化増量（g/m2）
300
250
8
JFE-TF1
JFE-MH1
Type441（比較）
150
100
6
4
3
2
0
1
850
900
温度（℃）
950
1000
1050
JFE429EX
5
50
800
JFE-TF1
JFE-MH1
JFE429EX
200
-50
750
＃320仕上げ白抜きは微小剥離あり
T℃×20分 →100℃×0分の繰り返し
7
酸化増量（g/m2）
350
0
800
850
900
950
1000
温度（℃）
"
ホットエンド用（高温用）ステンレス鋼
5 高温疲労特性（試験条件は21ページ）
340
220
2.0mmt, 22Hz
320
200
JFE-TF1
JFE-MH1
180
曲げ応力（MPa）
JFE429EX
280
260
240
JFE429EX
160
140
120
220
100
200
180
1.E＋04
1.E＋05
1.E＋06
80
1.E＋04
1.E＋07
1.E＋05
繰り返し数（サイクル）
150
2.0mmt, 22Hz
750℃
130
JFE-TF1
JFE-MH1
140
曲げ応力（MPa）
130
120
110
JFE429EX
110
100
90
100
80
90
70
1.E＋05
1.E＋06
JFE-MH1
120
JFE429EX
60
1.E＋04
1.E＋07
1.E＋05
1.E＋06
繰り返し数（サイクル）
6 高温塩害特性（試験条件は21ページ）
2000
1800
＃320仕上げ
JFE-TF1
腐食減量（g/m2）
1600
1400
JFE-MH1
JFE429EX
1200
1000
800
600
400
200
0
400
500
800℃
JFE-TF1
繰り返し数（サイクル）
600
700
温度（℃）
#
1.E＋07
140
2.0mmt, 22Hz
曲げ応力（MPa）
1.E＋06
繰り返し数（サイクル）
160
80
1.E＋04
700℃
JFE-TF1
JFE-MH1
300
曲げ応力（MPa）
2.0mmt, 22Hz
600℃
800
900
1.E＋07
7 高温強度
300
200
250
0.2％耐力（MPa）
0.2％耐力（MPa）
150
200
150
100
JFE-TF1
100
50
JFE-MH1
50
JFE429EX
Type441（比較）
0
0
200
400
600
800
0
700
1000
800
温度（℃）
900
1000
温度（℃）
300
500
450
250
350
引張強さ（MPa）
引張強さ（MPa）
400
300
250
200
150
200
150
100
JFE-TF1
100
JFE-MH1
50
JFE429EX
50
Type441（比較）
0
0
200
400
600
温度（℃）
800
1000
0
700
800
900
1000
温度（℃）
$
コールドエンド用（低温用）ステンレス鋼
1 特長
優れた加工性と耐食性が両立した、高い精錬技術で製造する（極低C、N）＋（Ti添加）のフェライト系ステンレス鋼です。タンデム冷間圧延＋
CAL焼鈍・酸洗の最適プロセス製造でコストパフォーマンスにも優れます。
DPF・SCR・SCRタンク
排熱回収器
マフラー・マフラーカッター・排ガスパイプ
2 成分・物理的特性・機械的特性
成分（重量％）
鋼種名
相当規格名
C
Si
Mn
Cr
Cu
Mo
規格 ≦ 0.025 ≦ 1.00 ≦ 1.00 20.00-23.00 0.30-0.80
JFE443CT
Ti
N
その他
8×（C＋N）-0.80
≦ 0.025
0.30
0.01
SUS443J1
代表例
0.01
0.1
0.2
21.0
0.4
0.75-1.50 11×（C＋N）-0.75 ≦ 0.025
規格 ≦ 0.025 ≦ 1.00 ≦ 1.00 16.00-19.00
SUS436L
JFE436LT
代表例
0.008
0.09
0.17
1.20
17.87
0.008
0.29
≦ 0.025 Nb：8×（C＋N）
-0.80
規格 ≦ 0.025 ≦ 1.00 ≦ 1.00 16.00-20.00 0.30-0.80
JFE430CuN SUS430J1L
代表例
0.011
0.47
0.21
19.20
0.008
0.52
0.40-0.80 8×（C＋N）-0.80
規格 ≦ 0.025 ≦ 0.75 ≦ 1.00 17.00-19.00
Nb：0.43
≦ 0.015
JFE432LTM SUS436J1L
代表例
JFE439L
SUS430LX
AISI439
0.008
0.12
0.18
0.54
17.45
0.008
0.10
0.17
0.008
6×（C＋N）-0.75
規格 ≦ 0.030 ≦ 0.75 ≦ 1.00 17.00-19.00
代表例
0.27
≦ 0.020
0.008
0.30
17.43
規格 ≦ 0.030 ≦ 1.00 ≦ 1.00 10.50-11.75
JFE409L
代表例
0.006
0.24
0.39
11.02
物理的特性
鋼種名
%
Ti：6×C-0.75
SUH409L
Ti：0.23
機械的特性（上段：規格、下段：代表例, L方向）板厚 0.8mm
熱伝導度
熱膨張係数
密度
ヤング率
100℃
0∼650℃
（g/cm3）（×103MPa）
-6
（×10 / ℃）（W/m・℃）
0.2％耐力
（MPa）
引張強さ
（MPa）
伸び
（%）
硬さ
Hv
205 ≦
390 ≦
22 ≦
≦ 200
305
483
31
153
245 ≦
410 ≦
20 ≦
≦ 230
293
484
30
150
205 ≦
390 ≦
22 ≦
≦ 200
356
496
29
169
205 ≦
390 ≦
25 ≦
≦ 200
250
461
31
144
175 ≦
360 ≦
22 ≦
≦ 200
245
429
31
145
175 ≦
360 ≦
25 ≦
≦ 175
239
411
34
136
n値
平均
r値
0.20
1.3
0.25
1.4
0.18
1.3
0.25
1.4
0.24
1.4
0.26
1.6
JFE443CT
7.74
204
11.5
22.5
JFE436LT
7.73
212
11.6
23.6
JFE430CuN
7.73
205
11.6
24.0
JFE432LTM
7.73
206
11.6
24.0
JFE439L
7.73
203
11.3
24.5
JFE409L
7.74
201
12.3
32.9
SUS430（比較）
7.70
200
11.9
26.1
318
488
29
155
0.20
1.0
SUS304（比較）
7.93
193
18.7
16.2
279
652
57
167
0.34
1.0
普通鋼（比較）
7.87
206
15.0
57.7
185
317
40
90
0.22
1.5
3 耐食性
1）内面腐食
JFEスチール方式凝縮水腐食試験（試験条件は21ページ）
400
最大孔食深さ（μm）
350
300
250
200
150
100
50
0
JFE443CT
JFE436LT
JFE432LTM
JFE439L
JFE409L
2）外面腐食
JASO複合サイクル腐食試験 30サイクル（表面＃600研磨仕上げ、試験条件は21ページ）
JFE443CT
JFE436LT
JFE432LTM
JFE439L
SUS304（比較）
JFE430CuN
JFE439L
SUS304（比較）
沖縄大気暴露試験 4年間（表面＃600研磨仕上げ）
JFE443CT
JFE436LT
&
コールドエンド用（低温用）ステンレス鋼
4 高温特性
250
200
JFE409L
JFE439L
JFE439L
JFE432LTM
JFE432LTM
JFE436LT
SUS304
150
100
JFE436LT
300
JFE430CuN
引張強さ（N/MPa）
0.2％耐力（N/MPa）
400
JFE409L
JFE430CuN
SUS304
200
100
50
0
500
600
700
800
900
0
500
1000
600
700
800
900
1000
温度（℃）
温度（℃）
拡大図
拡大図
80
50
70
40
引張強さ（N/MPa）
0.2％耐力（N/MPa）
60
30
20
50
40
30
20
10
10
0
750
800
850
温度（℃）
'
900
950
0
750
800
850
温度（℃）
900
950
自動車用ステンレス鋼の加工性
1 高加工性 436LT
成分（重量％）
鋼種名
相当規格名
高加工性 JFE436LT
C
Si
Mn
Cr
Mo
Ti
N
規格
≦ 0.025
≦ 1.00
≦ 1.00
16.00-19.00
0.75-1.50
11X（C＋N）-0.75
≦ 0.025
代表例
0.003
0.06
0.15
17.80
1.20
0.18
0.007
SUS436L
物理的特性
機械的特性（上段：規格、下段：代表例）板厚 0.8mm
熱伝導度
熱膨張係数
ヤング率
密度
100℃
0∼650℃
（g/cm3）（×103MPa）
-6
（×10 / ℃）（W/m・℃）
鋼種名
高加工性 JFE436LT
7.73
212
11.6
0.2％耐力
（MPa）
引張強さ
（MPa）
伸び
（%）
硬さ
Hv
245 ≦
410 ≦
20 ≦
≦ 230
305
468
33
155
23.6
n値
平均
r値
0.23
1.5
2.0
〈JFE430XT成分〉16.2%Cr-0.17%Ti
高加工性
JFE436LT
〈SUS430成分〉16.2%Cr
一般
JFE436LT
平均 r 値
1.5
JFE430XT
SUS430
1.0
0.5
1
1.5
優
2
2.5
リジング指数
3
劣
（適用例）給油管
2 その他の自動車用ステンレス鋼の加工性（代表例）
板厚：0.8mm
板厚：2.0mm
CCV
（mm）
LDR
9.0
38.6
2.39
JFE436LT
12.6
60.4
2.10
120
140
JFE432LTM
12.0
63.4
2.05
120
2.10
180
JFE439L
12.6
59.9
2.10
120
2.05
200
JFE409L
13.2
60.3
2.05
120
SUS430（比較）
9.1
37.0
2.00
80
SUS304（比較）
11.9
38.4
2.00
40
エリクセン値
（mm）
CCV
（mm）
LDR
穴拡げ率
（％）
JFE-TF1
12.7
60.8
2.03
200
JFE443CT
JFE-MH1
12.6
60.4
2.10
170
JFE434LN2
12.0
63.4
2.05
JFE429EX
12.6
59.9
JFE409L
13.2
60.3
鋼種名
鋼種名
エリクセン値
（mm）
穴拡げ率
（％）
自動車用ステンレス鋼の溶接性
JFE436LT
SUS304
200
200
180
180
160
160
140
140
120
100
80
120
100
80
60
60
40
40
20
20
0
100
：適正
：不適
：適正条件範囲
（試験条件は21ページ）
溶接電流（A）
溶接電流（A）
1 TIG溶接
200
300
400
500
600
0
100
700
200
溶接速度（mm/min）
300
400
500
：適正
：不適
：適正条件範囲
JFE-MH1
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200 300 400 500 600 700 800 900 10001100
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200 300 400 500 600 700 800 900 10001100
溶接速度（mm/min）
JFE429EX
溶接電流（A）
700
JFE-TF1
280
260
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200 300 400 500 600 700 800 900 10001100
溶接速度（mm/min）
溶接電流（A）
溶接電流（A）
2 MIG溶接（試験条件は22ページ）
600
溶接速度（mm/min）
溶接速度（mm/min）
3 スポット溶接
10
溶接部断面写真
JFE436LT
【スポット溶接条件】
溶接電流（kA）
ちり発生限界
・スクイズ：30サイクル
・ホールド：25サイクル
・加圧力：2,000N
・ウエルド：9サイクル
・電極：16mmφ, 40R,
16mmφOD（Rタイプ）
8
SUS304
6
4
ボタン径＝3√t 限界
JFE436LT
SUS304
自動車用ステンレス鋼の加工解析技術
プレス加工、スピニング加工、パイプの曲げ加工、ハイドロフォーミングなど、さまざまな加工に対する解析を行うことにより、お客様に最適な
鋼種選択および最適な加工条件をご提案致します。
1 プレス加工における加工解析例
r 値＝ 1.2
r 値＝ 1.9
r 値＝ 2.5
0.85
0.80
0.75
Min ＝ 0.610mm
Min ＝ 0.627mm
0.70
Min ＝ 0.645mm
0.65
板厚（mm）
プレス成形のシミュレーション解析例角筒形状品（150mm × 150mm × H）、
ブランク＝0.8mmt × φ320mm
2 パイプの曲げ加工における加工解析例
2.0
30°
クランプ側
60°
90°
軸押し側
Thickness（mm）
1.9
クランプ
曲げ部
1.8
1.7
1.6
30°
（計算）
60°
（計算）
90°
（計算）
90°
（実測）
1.5
1.4
直線部
直線部
曲げ部
JFE409L素管
φ50.8×ｔ2.0(mm)
曲げ加工
50R、90゜
曲げ
1.3
0
50
100
150
200
250
Position（mm）
パイプの回転引き曲げによる曲げ部の板厚分布
メタルハニカム用高耐酸化性ステンレス箔
1 特長
JFE20-5USRおよびJFE18-3USRは、クロム（Cr）、アルミ（Al）をベースに高温酸化で生成するAl2O3皮膜（アルミナ皮膜）の成長を
抑制する効果の高いランタン（La）等を添加した、耐高温酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼です。またJFE20-5USRは、当社の
優れた広幅箔冷間圧延技術を適用することにより、板厚が20μmもの薄い箔材とすることができます。JFE20-5USRの箔材は、触媒
コンバータ用メタルハニカム素材をはじめ電熱ヒーターや燃焼筒などの耐酸化性を必要とする用途に適しています。
触媒担体（メタルハニカム）
2 成分・機械的特性
(mass %)
鋼
種
名
C
規格
0.015
Si
1.0
Mn
1.0
Al
Cr
La
5.0 ∼ 6.0
19 ∼ 21
0.06 ∼ 0.12
5.5
20.0
0.08
3.0 ∼ 4.0
17 ∼ 19
0.06 ∼ 0.12
3.4
18.0
0.08
JFE20-5USR
代表例
0.005
規格
0.010
0.1
1.0
0.1
1.0
JFE18-3USR
代表例
鋼種名
仕上げ
0.003
0.1
0.1
板厚
耐力
引張強さ
伸び
硬さ
（mm）
（N/MPa）
（N/MPa）
（％）
Hv
0.3
1,052
1,147
2
359
0.05
1,147
1,222
2
357
0.3
525
652
23
216
0.05
527
648
25
221
0.3
975
1,019
2
328
0.05
1,020
1,084
2
331
0.3
448
539
30
176
0.05
438
539
29
178
2BTH
JFE20-5USR
2BT
2BTH
JFE18-3USR
2BT
2BTH : 冷延後焼鈍なし（ハード品）
2BT : 冷延後焼鈍
!
3 物理的性質（代表例）
鋼種名
温度
（℃）
電気抵抗
比熱
熱拡散率
（μΩ・cm）（103J/kg・℃）（cm2/sec）
熱伝導率
温度
熱膨張係数
引張強さ
（W/m・℃）
（℃）
（10−6/ ℃）
（MPa）
20
142
0.48
0.034
11.8
100
142
0.52
0.035
13.1
20 ∼ 100
11.1
300
143
0.61
0.036
15.7
20 ∼ 300
12.0
600
145
0.73
0.038
19.9
20 ∼ 600
13.3
200
900
148
0.69
0.046
22.5
20 ∼ 900
14.9
35
1200
148
0.70
0.053
26.5
20 ∼ 1,200
16.0
20
115
0.48
0.041
14.4
100
117
0.51
0.041
15.7
20 ∼ 100
10.3
300
122
0.60
0.041
18.3
20 ∼ 300
11.3
600
132
0.89
0.043
22.7
20 ∼ 600
12.5
170
900
138
0.69
0.049
25.1
20 ∼ 900
13.9
30
1200
140
0.71
0.056
29.6
20 ∼ 1,200
15.1
650
JFE20-5USR
540
JFE18-3USR
板厚 : 1.0mm
4 耐酸化性
1）酸化時間に対する酸化増量の変化
大気中
酸化増量（×10-2 kg / m2）
3.0
JFE20-5USR（板厚 : 0.05mm）
低い
2.0
1200℃
耐酸化性
1150℃
1.0
1100℃
1000℃
高い
0
酸化増量（×10-2 kg / m2）
3.0
JFE18-3USR（板厚 : 0.05mm）
低い
2.0
耐酸化性
1100℃
1.0
1000℃
高い
0
0
100
200
酸化時間（hr）
300
400
"
メタルハニカム用高耐酸化性ステンレス箔
2）各温度での200時間酸化後の酸化増量
30
3.0
89
外観 1000℃ 200時間後
大気中 200時間
JFE18-3USR
JFE20-5USR
酸化増量（×10-2 kg / m2）
SUS310S
SUS304
2.0
JFE20-5USR
JFE18-3USR
1.0
SUS310S*
0
700
800
900
SUS304*
1000
* スケール剥離あり
温度（℃）
3）耐酸化性に及ぼす希土類元素（REM）の影響
ベース : 20重量％ Cr-5重量％ Al
1150℃、大気中
*外観
1.5
La/0.02原子%
酸化増量（×10-2 kg / m2）
REMなし
Ce/0.06原子%
La/0.04原子%
1.0
0.5
ブレークアウェー
0
0
100
200
酸化時間（hr）
#
300
400
5 電気抵抗
180
160
電気抵抗（μΩ・cm）
140
120
100
80
JFE18-3USR
JFE20-5USR
NCH1(80Ni-20Cr)
60
SUS304
SUS430
40
0
200
400
600
800
1000
1200
温度（℃）
6 製造可能寸法
1.20
板厚（mm）
0.10
0.08
0.06
0.04
0.03
0.02
10
930
430
0
0
500
1,000
幅（mm）
: 製造可能
: 要相談
●上記の範囲外の寸法のものは別途御相談下さい。
●コイル標準内径は500mmφ又は300mmφです。
●厚さ許容差： t ≧ 50μ ± 6％； t ＜ 50μ ±10％
＊その他の厚さ許容差については、別途御相談下さい。
$
製造工程図
ダスト、スラグ
高クロム
銑鉄
ダスト、スラグ
ダスト、スラグ
リサイクル炉
銑鉄
溶融還元炉
溶鋼炉
〈千葉〉
脱炭炉
スクラップ
クロム鉱石
連続鋳造機
保持炉
熱間タンデム・ミル
加熱炉
真空脱炭炉
（SSーVOD）
スラブ
連続焼鈍酸洗設備（HAPライン）
連続焼鈍酸洗設備（CALライン）
コールドエンド用
ステンレス鋼
冷間タンデム・ミル
連続焼鈍酸洗設備（CAPライン）
インライン・スキンパス・ミル
ホットエンド用
ステンレス鋼
ゼンジミア・ミル
光輝焼鈍設備（BAライン）
%
メタルハニカム用
ステンレス箔
&
製品安全データシート
Material Safety Data Sheet
JIS Z7250に準拠し作成
1．製品及び会社情報
製品の名称：ステンレス鋼板および鋼帯
会社情報：会社名 JFEスチール株式会社
住所東京都千代田区内幸町2丁目2番3号
問合せ先：担当部門東日本製鉄所（千葉地区）商品技術部ステンレス室
住所千葉県千葉市中央区川崎町１番地
電話番号 043−262−2291／2587
FAX番号 043−262−2980
2．危険有害性の要約
危険有害性に関する有用な情報はない。ただし次の場合には注意が必要である。詳細は７項の取り扱い及び保管上の注意を
参照のこと。
1）溶接、溶断、研磨等の加工を行い、ヒューム、粉塵が生じる場合には、保護具の着用や排気処置を行う。
2）酸洗等、薬品を用いて処理する場合には、保護具の着用や排気処置を行う。
3）切断面での切創に注意し、必要に応じて保護手袋を着用する。
3．組成、成分情報
（１）単一の化学物質・混合物の区分：混合物（合金鋼）
（２）化学物質等（製品）の化学特性：合金を形成し安定している
（３）主な成分および含有量
化学名
または一般名
化学式
成分範囲
（wt%）
アメリカ化学
登録番号 CAS No.
GHS No.
労働安全衛生法
政令番号
鉄
Fe
残量
7439-89-6
クロム
Cr
10∼40
ニッケル
Ni
0∼30
マンガン
Mn
モリブデン
Mo
銅
Cu
ＰＲＴＲ法
政令番号・種類
7440-47-3
108
142
7440-02-0
169
418
308-1種
0∼10
7439-96-5
200
550
412-1種
0∼10
7439-98-7
215
603
453-1種
0∼10
7440-50-8
850
379
87-1種
注 1）主成分および濃度については、鋼種規格により異る。 2）用途により上記成分以外に微量元素を含むものが有る。
4．応急処置：必要な応急処置の後、必要の応じて医師の診断を受ける。
事故等における応急処置の例：
1）ヒューム、粉塵を吸入し呼吸器官系に異常を感じた場合、速やかに医師の診断を受ける。
2）ヒューム、粉塵が目に入った場合、大量の水でよく洗い、速やかに医師の診断を受ける。
3）切断面にて切創等をした場合、傷口を消毒し必要に応じて医師の手当てを受ける
5．火災時の措置：一般環境下では燃焼、爆発性は無い。ただし微粉の場合には、燃焼、爆発する場合がある。
6．漏出時の措置、除去方法：一般環境下では固体であり、漏出しない。
7．取り扱い及び保管上の注意
1）取り扱い上の注意
1 本製品を溶接、溶断、研磨等の加工を行いヒューム、粉塵等が生じる場合は、暴露限界以上のヒューム、粉塵の影響
を受けないように保護眼鏡、防塵マスク等の着用や換気処置をすること。
また、粉塵、ヒューム等の収集物については、その形態（成分元素の酸化物が粉体状になっていること等）に応じた
危険有害性を確認のこと。なお暴露限界値については「日本産業衛生学会勧告値」や「ACGIH：米国産業衛生専門家
会議勧告書」や「OSHA PEL：アメリカ労働安全衛生庁勧告値」を参照のこと。参考として、アメリカ労働安全衛生
庁勧告値（OSHA PEL）を示す。
（六価クロム：5μg/m3、ニッケル：1mg/m3、マンガン：5mg/m3、モリブデン：15mg/m3、銅ヒューム：0.1mg/m3、
銅ダスト：1mg/m3）
'
2 酸洗、脱スケール等により金属が溶解する場合、溶解物質に接触したり吸引等しないよう対応すること。
3 切断面が鋭利なため、取り扱いには保護手袋を着用すること。
2）管理上の注意
1 水漏れ、酸・アルカリもしくはそれらを含んだ物質との接触、高温多湿の環境を避けること。
8．暴露防止及び保護措置
一般環境下では、該当なし。ただし、溶接、研磨等の作業では7項の取り扱い注意事項を参照のこと。
9．物理的及び化学的性質
1
2
3
4
1）物理的性質形状：板状又は帯状の固体、色：銀白色、臭い：無臭、融点：1400℃以上、
3
5 密度：7∼9g/cm
1
2）化学的性質溶媒に対する溶解性：水には不溶性。強酸
（塩酸、硫酸等）、高温アルカリには多少溶解する。
酸化性酸では溶解を抑制する保護皮膜（不動態皮膜）が形成される。
2 加工により生じた微粉は、燃焼・爆発性を有する場合が有る。
10．安定性及び反応性
1）安定性：一般環境下では化学的に安定している。
2）危険有害な分解生成物：加熱、溶解、溶融、研磨等加工時には金属化合物やヒューム等を生成する。
11．有害性情報
鋼板の状態では安定な物質である。加工時に生成するヒューム等については7項を参照のこと。
また、一部の鋼種については、アレルギーを持つ人が長期間接触した場合には、肌の異常を生じる可能性がある。
12．環境影響情報：一般環境下では、一般鋼に比べて分解（腐食）されにくい。
13．廃棄上の注意：ステンレス鋼材スクラップとしてリサイクルするとができる。
14．輸送上の注意：特になし。
15．適用法令：特になし。
16．その他の情報
参考資料等
（1）危険物データブック（東京消防庁警防研究会）
（2）経団連ＰＲＴＲ対象物質アセスメント表（経済団体連合会）
（3）主要化学品1000種データ特別調査レポート（海外化学技術資料研究所）
（4）Metallic Alloys and Harmonization of Classification Criteria（OECD）
（5）化学製品の安全データシート（ISO 11014-1）
（6）日本産業衛生学会勧告値、OSHA PEL、ACGIH TLV等
（7）労働安全衛生法
（8）PRTR法（特定化学物質の環境への排出量把握等及び管理の改善の促進に関する法律）
本化学物質等安全データシートは、弊社製品を取り扱う事業者殿に化学的に安全な取り扱いを確保する為の参考情報と
して、提供されるものです。現時点で入手できる資料、情報に基づいて作成しております。弊社が知見を有さない危険
有害性があるかもしれませんので、安全性の保証書ではありません。取り扱う事業者殿は用途・用法に適した安全対策
を講ずる必要がある事をご理解の上、ご活用願います。
試験条件・その他
1）熱疲労試験条件（T 4）JFEスチール方式凝縮水腐食試験条件 200℃）
■熱疲労試験片の形状
■試験方法
8
20
45R
浸漬
合成凝縮水の注水
蒸発
80℃保持
乾燥
完全乾燥
15
26
120
135
■熱疲労試験条件
温度（℃）
T
10サイクルで取り出し
T−200
＋200
2
合成凝縮水組成
Cl-：50ppm,
200
90 10
180
SO32-：250ppm,
活性炭：50g /リットルなど pH：8.9
90
5）JASO複合サイクル腐食試験条件
a
■試験方法
歪制御
自由熱膨張による歪
歪
εF
時間（秒）
b
塩水噴霧 35℃, 5% NaCl 30分
■拘束率
拘束率：η ＝
a
＝
a＋ b
η＝0
a ＝
η＝1
b ＝ 0
εt
εF
乾燥
60℃ × 60分
湿潤
40℃ × 60分
εt ＝ 0
εt ＝
εF
（ a ＝ 0）自由な伸び収縮が可能な状態
50サイクルで取り出し
（ b ＝ 0）完全に拘束され一切の伸び収縮が許されない状態
6）TIG溶接条件
2）高温疲労試験条件
■溶接条件
■高温疲労試験片（シェンク式）の形状［板厚 : 1.5mm］
30
30
38
9
25
20
9
30
・板厚：0.8mmなめ付け溶接
・アーク長：2mm
・シールドガス：Ar 15L/min
・タングステン電極径：2.4mmφ
・Ar 純度：99.99％以上
R2
15
0
60
15
4
8.5
タングステン
2.4mmφ
90
12∼17mm
2mm
3）高温塩害試験条件
温度（℃）
■高温塩化物腐食条件
大気雰囲気
1サイクル
120
飽和NaCl水溶液：5min.浸漬
5
時間（min.）
Ar シールド15L/min.
7）JFE-TF1、JFE-MH1、JFE429EXのMIG溶接条件
■溶接条件
溶接電源：ダイヘンデジタルパルス350
パルス設定：6、微調整：標準
突き出し（チップー母材間距離）：15mm
試験板長さ：約300
15
2.0
■溶接ワイヤーとシールドガス
ワイヤ：MIG430NbL（1.2mmΦ）
シールドガス：Ar-2%O2（流量：20L/min）
2.0
50°
約20
約80
エキマニ材
単位： mm
マフラー材
JFE-TF1
Type444
（JFE434LN2）
JFE-MH1
コスト
ダウン
Type430J1L
（JFE430CUN, LNM）
排ガス対策
軽量化
コスト
ダウン
保証期間
延長
Type429
（JFE429EX）
触媒搭載
（耐食性向上）
Type409L
（JFE409L）
鋳鉄
’
75
’
80
JFE443CT
Type436L
（JFE436LT）
Type432
（JFE432LTM）
コスト
ダウン
Type439L
（JFE439L）
Type409L
（JFE409L）
溶融アルミめっき鋼
’
85
’
90
’
95
’
00
’
05
’
10
’
15
西暦（年）
’
75
’
80
’
85
’
90
’
95
’
00
’
05
’
10
’
15
西暦（年）
孔食電位（耐孔食性）
孔食電位（mV vs. SCE at 30℃）
500
■孔食指数（P. I.）
JFE434LN2
〈フェライト系ステンレス鋼〉
Cr% ＋ 3.3 × Mo%
400
〈オーステナイト系ステンレス鋼〉
JFE443CT
SUS304
Cr% ＋ 3.3 × Mo% ＋ 16 × N%
300
JFE-MH1
JFE430CUN
JFE18-3USR
200
JFE-TF1
JFE436LT
JFE20-5USR
JFE432LTM
JFE439L
100
JFE429EX
SUS430
JFE409L
0
10
15
20
孔食指数（P. I.）
25
Cat.No.G1J-002-02
http://www.jfe-steel.co.jp
本社〒100 - 0011 東京都千代田区内幸町 2 丁目 2 番 3 号（日比谷国際ビル）TEL 03(3597)3111 FAX 03(3597)4860
大阪支社
〒530-8353 大阪市北区堂島 1 丁目 6 番 20 号（堂島アバンザ 10 F）
TEL 06(6342)0707
FAX 06(6342)0706
名古屋支社
〒451-6018 名古屋市西区牛島町 6 番 1 号（名古屋ルーセントタワー 18 F）
TEL 052(561)8612
FAX 052(561)3374
北海道支社
〒060-0005 札幌市中央区北五条西 2 丁目 5 番（JRタワー 17 F）
TEL 011(251)2551
FAX 011(251)7130
東北支社
〒980-0811 仙台市青葉区一番町 4 丁目 1 番 25 号（東二番丁スクエア 3 F）
TEL 022(221)1691
FAX 022(221)1695
新潟支社
〒950-0087 新潟市中央区東大通 1 丁目 3 番 1 号（新潟帝石ビル 4 F）
TEL 025(241)9111
FAX 025(241)7443
北陸支社
〒930-0004 富山市桜橋通り 3 番 1 号（富山電気ビル 3 F）
TEL 076(441)2056
FAX 076(441)2058
中国支社
〒730-0036 広島市中区袋町 4 番 21 号（広島富国生命ビル 7 F）
TEL 082(245)9700
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四国支社
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九州支社
〒812-0025 福岡市博多区店屋町 1 番 35 号（博多三井ビルディング 2 号館 7 F）
TEL 092(263)1651
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千葉営業所
〒260-0028 千葉市中央区新町 3 番地 13（千葉TNビル 5 F）
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神奈川営業所
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静岡営業所
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岡山営業所
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