(2004年8月改訂版)は

核兵器廃絶のための緊急行動
2020ビジョン
2004 年 8 月
平和市長会議
1
趣旨
核兵器廃絶のための国際合意として 1970 年 3 月に発効した核不拡散条約(NPT)
は、2000 年のNPT再検討会議で、ヒロシマ・ナガサキの願いである核兵器廃絶を実現
するためのステップとして、「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」を盛
り込んだ最終文書を採択しました。
しかし、現在の世界情勢を見ると、唯一の核超大国である米国は、この約束を履行し
ないばかりか、核兵器の先制使用さえ辞さない態度で国際社会に臨み、また、小型核兵
器の研究に着手することさえ表明しています。さらに、北朝鮮がNPT脱退を宣言し、
核の保有について発言するなど、NPT体制は崩壊の危機に瀕し、核兵器廃絶への展望
が開けない状況にあります。
このため、平和市長会議を中心とする世界の都市、NGO、市民が連携して、2020 年
までの核兵器廃絶を実現する「核兵器廃絶のための緊急行動」を展開します。
2
1)
目標
2005 年のNPT再検討会議において、以下のことが決定されること。
① 全ての核兵器の実戦配備を即時解除すること。
② 2020 年までの核兵器廃絶を実現するため、2010 年のNPT再検討会議で「核兵器
禁止条約」を締結することに向け、具体的な交渉を開始すること。
2) 2010 年のNPT再検討会議において、世界各国が「核兵器禁止条約」を発効させ、核
兵器の廃絶に取り組むこと。
3) 2020 年までに核兵器の脅威から完全に解き放たれた平和な世界を実現すること。
核兵器不拡散条約(NPT)の概要
NPTは、
「 1967 年 1 月 1 日前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国」即ち、
米国、ロシア、英国、フランス、中国の 5 か国を「核兵器国」と定め、それ以外の国(「非核兵
器国」)への核兵器の拡散を防止するとともに、核兵器国に核軍縮交渉を義務付けることを目的
とする条約です。1968 年 7 月に署名のために開放され、1970 年 3 月に発効しました(日本は 1970
年 2 月署名、1976 年 6 月に批准)。現在の締約国数は 189 か国にのぼっており極めて普遍性の高
い条約です。条約の運用状況を検討する会議を 5 年毎に開催することが定められており、次回の
会議(NPT 再検討会議)は、2005 年 5 月 2 日から 27 日まで、ニューヨークの国連本部で開かれ
ます。
- 1 -
3
概要
「核兵器廃絶のための緊急行動」は、次の 4 ステップで展開しています。
1)
ステップ1 (NPT 再検討会議準備委員会)
ステップ 1 は、 2004 年 4 月の NPT 再検討会議準備委員会に市長代表団を派遣し、核兵
器廃絶を訴えることでした。その成果は①のとおりです。これに前後して②、③のとお
り、ヨーロッパとアメリカで、緊急行動への支持が表明されました。
①
NPT再検討会議準備委員会(2004 年 4 月 26 日∼5 月 7 日)
平和市長会議は、12 か国 19 都市の市長、副市長等で市長代表団を編成して、ニュー
ヨーク国連本部で開催された NPT 再検討会議準備委員会に出席し核兵器廃絶を求めるス
ピーチを行いました。また、国連事務次長、非同盟諸国、EU、ロシア、中国、ブラジル
の政府関係者等と個別に会談し、核兵器廃絶を求める市民の声を強く訴え、ニューヨー
ク市議会議員や反核 NGO 関係者と交流し、核兵器廃絶に向けたネットワークの拡大に努
めました。
【長崎市長スピーチ】
私たちの街、長崎は 1945 年 8 月 9 日、原子爆弾による被害を受けました。その爆発
により発生する想像を絶する熱線、爆風、放射線は、一瞬のうちに街を廃墟と化し、
人口のおよそ 3 分の 2 にあたる約 15 万人を殺傷しました。
かろうじて死を免れた人たちの多くは、今なお原爆の後遺症に苦しみ続けておりま
す。最近になって、国の調査の結果、例え爆心地から 10 キロ以上離れた場所にいた
人でも、被爆体験と併せ、人間の細胞を蝕む放射線を被曝し、いつ発病するかも知れ
ないとの不安などから、PTSD(心的外傷後ストレス障害)となり、身体的健康度
を低下させていることが科学的、医学的に実証されました。59 年経っても決して消し
去ることのできない核兵器がもたらすこのような悲惨な実態を皆さんにご理解 いた
だきたいのです。
私たち長崎市民の核兵器廃絶の訴えは、あの 59 年前の悲惨な体験から出発していま
す。しかし原爆を投下した米国を恨んでいるのではありません。どんな人にもあの苦
しみを経験させたくない、核兵器による犠牲者は長崎市民が最後であってほしいとの
気持ちから世界に訴え続けています。
しかしながら、私たちの願いに逆らうように、近年核兵器を巡る世界の状況を見る
と、新たな核兵器開発国の出現や、唯一の核超大国となった米国による小型核兵器開
発と核爆発実験再開の動きなど、危険な様相を呈しています。
NPTの意義は今や崩壊の危機に瀕していると言っても過言ではありません。2000
年の再検討会議で採択された「核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束」は
忘れ去られたのでしょうか。
核兵器の恐怖に曝されるのは、市民です。世界の各都市は国家の枠組みを超え、平
和市長会議に参加し、核兵器廃絶の緊急行動に立ち上がっています。そしてNGOと
連携し、その運動は大きなうねりとなるでしょう。
被爆地市民の悲願は、今や地球市民の意思でもあります。
【広島市長スピーチ】
本日、ここに 4 名の被爆者が来ています。原爆の惨禍から生き残った彼らは、耐え
がたいほどの個人の痛みを乗り越えて、私たちに体験を語り、私たち皆を、彼らが苦
しんできた運命から救うために、休むことなく取り組んできた、ごく普通の市民です。
来年、被爆 60 周年を迎えます。被爆者は皆、この節目となる年に開催される貴 2005
年再検討会議によって、彼らが長年達成しようと懸命に取り組んできた、核による大
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虐殺から自らを守る準備をしている世界が、やっと彼ら被爆者の目に見えるよう、祈
っています。
核兵器廃絶の時が熟しているのは明らかなはずです。影響力のある反核運動が起こ
りつつあり、日ごとに勢いを増しています。私は市長会議の緊急行動に寄せられた賛
同の大きさに驚いていますが、私たちは来年の再検討会議に焦点を当てている数多く
の運動のひとつに過ぎないのです。世界中で、草の根から市長、国会議員、国家指導
者に至るまであらゆるレベルで、核に対する催眠状態から、核兵器は完全に必要なく、
非道徳的な危機であることに、人々は目覚めつつあります。来年、再検討会議の際に
ここに集まる時、NPTの 35 年の歴史で類を見ないほど、世界中の関心、期待、希
望は更に大きくなり、その中心にいるのが皆様になるでしょう。
半世紀以上にわたって、この地球上の全ての人々は、私たちの大部分には理解でき
ないほど非常に恐ろしい脅威の下で暮らしています。現在、その脅威は減少している
のではありません、増大しているのです。広島、長崎両市民を代表し、平和市長会議
に加盟している 579 都市の 2 億 5 千万人の市民を代表し、核の脅威から解放されて生
きたいと願う全人類を代表し、私たちが、安全で、平和で、美しい地球を残す義務を
負っている、子供たちや将来の世代を代表して、明確な期限を定めて、2020 年までに
全ての核兵器を廃絶するための交渉と計画を始めるよう要請します。どうか、高齢の
被爆者たちが、世界の指導者たちがついに将来の世代を核兵器のない世界に迎え入れ
るために必要な措置を取る事を決定したのだと知って、人生の最終章を安心して暮ら
せるよう、お願いいたします。
彼ら被爆者にはただ 1 つ願いがあります。それは、彼らの最後の一人がこの世を去
る前に、核兵器のない世界を実現することです。核兵器が廃絶されてはじめて、被爆
者は安心して生きていくことができ、そして、既に永眠された方々も安らかに眠るこ
とができるのです。
ここに、あるご年配の女性がかけていた、眼鏡があります。原爆の閃光が彼女の目
に飛び込み、それが、彼女が最後に見たものとなりました。ご覧のとおり、眼鏡はね
じれ、レンズは変形しています。この眼鏡は、私たちが現在暮らしている、残酷でゆ
がんだ世界を表しています。いかなる紛争であれ、世界が放射能の暴力で爆破され、
この世の終わりを迎えてはならないということを、私たち全員が認識しなければなり
ません。
「核兵器廃絶のための緊急行動」PR ビデオの無償配布について
平和市長会議は、
「核兵器廃絶のための緊急行動」への理解・賛同を求めるため、本年 4 月、
ニューヨーク国連本部で開催された NPT 再検討会議準備委員会へ参加した平和市長会議代表
団の活動状況などを収録したビデオ(VHS)と DVD(言語はともに英語)を作成いたしました。希
望される場合には、媒体(VHS か DVD)、方式(NTSC,SECOM 等)、送付先、受取人(氏名、電話番
号)を、お知らせください。無償でお届けいたします。
②
欧州議会での支持決議(2004 年 2 月 26 日)
2004 年 2 月 26 日、ベルギー・ブリュッセルで開催された欧州議会の本会議で、平和
市長会議の緊急行動を支持する決議文が採択されました。その内容は、2004 年 4 月 26
日から 5 月 7 日まで、ニューヨーク国連本部で開かれた第 3 回 NPT 再検討会議準備委員
会に向けて、欧州連合として取り組む核軍縮の方向性を示すもので、要点は以下のとお
りです。
・NPT は、核軍縮のための重要な国際法であること。
・テロ組織などへの核拡散を懸念すること。
・EU の目標は、核兵器の完全廃棄であること。
・核軍縮を実現するためには、期限付きの行程表が必要であり、その実現に向けあら
ゆる努力が行われるべきであること。
- 3 -
・NPT 再検討会議及び NPT 再検討会議準備委員会において、EU 及びその加盟国は、核
軍縮に向けて連携して取り組むこと。
・広島・長崎両市長が主導する核兵器廃絶のための緊急行動への支持を表明する。
③
全米市長会議での支持決議(2004 年 6 月 28 日)
2004 年 6 月 28 日、アメリカ・ボストンで開催された全米市長会議(加盟都市数 1,183)
の第 72 回総会で、平和市長会議の緊急行動を支持する決議文が採択されました。
その内容は、全米市長会議として、2005 年の NPT 再検討会議において、核兵器を廃絶
するための交渉開始が決定されることを、アメリカ大統領に求めるもので、要点は以下
のとおりです。
・世界中の都市は核兵器に全く無防備であること。
・来年 5 月に NPT 再検討会議が開かれること。
・核兵器国は誠実に核軍縮交渉を進めることに同意していること。
・平和市長会議が核兵器廃絶のための緊急行動を始めていること。
・米国大統領に、核兵器廃絶のための交渉を開始するという 2005 年 NPT 再検討会議
の決定への支持を求めること。
・核の脅威から開放されるまで核兵器の問題に取り組み続けること。
200
4 年 NPT 再検討会議準備委員会での秋葉広島市長
2004 年 NPT 再検討会議準備委員会での伊藤長崎市長
2004 年 NPT 再検討会議準備委員会
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市長代表団集合写真
2)
ステップ2
「核兵器のない世界を創るための記憶と行動の 1 年」(2004 年 8 月 6 日
∼2005 年 8 月 9 日)
①
「核兵器のない世界を創るための記憶と行動の 1 年」への参加
世界では既に多くの都市や平和グループが、8 月 6 日と 8 月 9 日を記念して、両日を
それぞれ「ヒロシマデー」「ナガサキデー」と呼んで、核兵器の恐ろしさを人々に伝え
る取り組みを進めています。
平和市長会議は、2004 年 8 月 6 日から 2005 年 8 月 9 日までの 1 年間を「核兵器のな
い世界を創るための記憶と行動の 1 年」と位置づけ、市民がこれまで以上に核兵器の問
題に目を向けるよう、加盟都市、世界の主要都市、反核 NGO に、この期間に、パレード、
コンサート、集会、祈りの会、シンポジウム、スポーツイベント、芸術コンクールなど
の行事を開催するよう呼びかけます。
②
「核兵器廃絶のための交渉開始を支持する市長声明」署名活動及び自国政府への要請
2005 年 5 月にニューヨーク国連本部で開かれる NPT 再検討会議において、2020 年まで
の核兵器廃絶を実現するための交渉開始が決定されるためには、同会議に出席する各国
政府の賛同を得る必要があります。このため、各加盟都市は、自国内で「核兵器廃絶の
ための交渉開始を支持する市長声明」への署名活動を行い、とりまとめた署名を携え自
国政府に対し、大統領、首相、外務大臣等の政府首脳が NPT 再検討会議に出席し、2020
年までの核兵器廃絶に向けて先導的に行動することを要請します。
③
平和市長会議加盟都市数の増加
平和市長会議の加盟都市数は、109 か国・地域、611 都市(2004 年 8 月現在)となって
います。平和市長会議では、NPT 再検討会議が開かれる 2005 年 5 月までに、加盟都市を
1000 都市へと増加させ、核兵器廃絶を願う世界の都市の声を結集したいと考えています。
④
「国際法を守る壁」プロジェクト
紛争の平和的解決や国際法の順守などを訴えることを目的に、ドイツの平和関連 NGO
「Aktion-Volkerrecht」(日本語で「国際法運動」の意)が、2003 年 2 月から「国際法
を守る壁」プロジェクトを実施しています。このプロジェクトは、平和や国際法の順守
を求める署名活動の一つとして、賛同者が平和メッセージと名前などを記入した木製の
ブロック(横 8cm、縦 4cm、幅 2cm)をつなぎ合わせて、2005 年の 5 月の NPT 再検討会
議開催期間中、ニューヨークの国連本部の周囲に「国際法を守る壁」を築き、国連の政
府代表者等に NPT などの国際法の大切さを訴えようとするものです。
2004 年に開催された NPT 再検討会議準備委員会の開催期間中には、それまでに集まっ
たブロックで作った「壁」をニューヨーク市内の公園で展示し、注目を集めました。2004
年 8 月現在、約 17000 人からの賛同があり、「壁」の延長は約 70m となっています。
平和市長会議では、このプロジェクトの趣旨に賛同し、平和市長会議のネットワークを活
用し、一人でも多くの賛同者、ひいては、一つでも多くのブロックを集め、2005 年 5 月の
NPT 再検討会議開催期間中に、ニューヨークの国連本部
の周囲に 1mでも長く「国際法を守る壁」を築き、国際
法の遵守を訴えます。
- 5 -
「国際法を守る壁」プロジェクトへの参加方法について
① 主宰 NGO「Aktion-Volkerrecht」(FAX:+49-6221-41-82-00、http://www.a-vr.org/、
Email:[email protected].)に連絡して、木製ブロックを購入してください。
② 賛同者(ブロック記入者)を募集して、1000 個を目途に壁を作成してください。
③ その壁を、2005 年 NPT 再検討会議開催までにニューヨークへ持参又は郵送してください。
(後日、送付先をお知らせします。)
3)
ステップ3
NPT再検討会議(2005 年 5 月 2 日∼5 月 27 日)
各国政府代表は 2005 年 5 月、NPTを見直すためにニューヨークの国連本部に参集し
ます。この会議で、2020 年の核兵器廃絶を実現するための具体的な交渉開始が決定される
ため、以下のことを実施したいと考えています。
① 100 人を超える市長代表団を編成して、NPT再検討会議に出席し、代表者数名によ
る演説や各国政府代表者に対する要望活動を展開します。
② 少なくとも 1000 のNGO代表がNPT再検討会議に出席し、核兵器廃絶を求める要
望活動を行います。
③ NPT再検討会議の開催期間中に、ニューヨークの街に百万人の人々が集結し、市民
の意思を表示します。
このため、平和市長会議は、何百人もの市長に 2005 年の 5 月にニューヨークに参集す
るよう呼び掛けます。それは、数億人の市民を代表することになります。世界中の草の根
グループには、NPT再検討会議に代表者を派遣し、メンバーはそれぞれの地元で、関連
イベントを開催するよう呼びかけます。アボリション 2000 は、2000 のNGOに参加を求
めることにしています。
また、市長代表団のニューヨーク滞在中、大規模な都市展や平和行進、集会がニューヨ
ークで行われるよう働きかけていきます。世界中で何百もの関連イベントが開かれ、市民
が集結すれば、NPT再検討会議と緊急行動は、世界が注視するところとなります。政府
代表は、市民は核兵器のない世界を求めていることを確信することになります。
4)
ステップ4
ヒロシマ・ナガサキプロセス(2005 年 6 月∼)
「核兵器廃絶のための緊急行動」が求めるものは、2005 年のNPT再検討会議で、進歩
的で体系的な核兵器撤廃の包括的なプログラムを 2010 年のNPT再検討会議で採択する
ことについて交渉を開始することが決定されることです。2010 年から 2020 年までの 10 年
間は、核兵器廃絶プログラムを実施するための期間です。
この 2020 年を見据えたビジョン、つまり「2020 ビジョン」が達成されることは、2020
年に 50 周年を迎えるNPTの目標を達成することを意味します。2020 年は、ヒロシマ・
ナガサキの原爆投下の 75 周年にもあたります。世界はそれまでに、この2都市を襲った破
壊が世界中のどこであっても二度と起きてはならないと確約することが求められています。
「核兵器廃絶のための緊急行動」が求める交渉は、ヒロシマ・ナガサキの被爆 60 周年
である 2005 年の 8 月 6 日・9 日に先駆けて開始されることが望まれます。しかし、この交
渉開始の合意が実現しない場合には、「2020 ビジョン」を実現するための代替策としてヒ
ロシマ・ナガサキプロセスが始められます。
そのため、平和・反核活動で国際的に広く認められている方々で顧問会議を構成し、そ
の助言を得て進めることを考えています。顧問会議でNPT再検討会議の結果を評価し、
ステップ 4 の進め方を検討します。
- 6 -
4
核兵器廃絶を実現するために
平和市長会議では、2005 年 5 月の NPT 再検討会議に向けて、核兵器廃絶の世論をこれ
まで以上に盛り上げるため、次のことをお願いしたいと考えています。それぞれの立場
で、できることを、できる時に、できる範囲で実施してください。
1)
①
市長さんへのお願い
2005 年 5 月に、ニューヨーク国連本部で開かれる NPT 再検討会議に貴台又は貴台の代
理が参加してください。国連入構証の取得、ニューヨークの宿泊先の確保、政府代表者
等との面談調整等、NPT 再検討会議出席に必要な雑務については、事務局がすべて行い
ます。
② 2004 年 8 月 6 日から 2005 年 8 月 9 日までの間に、貴市で、NGOや平和グループと
協力して核兵器廃絶を求めるイベントを開催してください。(イベントを開催した場合
には、その概要を事務局へお知らせください。)
③ 2005 年の 5 月までに、平和市長会議の加盟都市を 1000 にするため、貴市の姉妹都市
及び貴台がお知り合いの未加盟市長へ、貴台が直接加盟要請をしてください。又は、加
盟が見込まれる未加盟市長を事務局へご紹介ください。(加盟状況は、平和市長会議の
ホームページで確認できます。)
④ 「国際法を守る壁」プロジェクトに参加してください。
(詳細は、6 ページをご覧ください。)
⑤ 地元の NGO や市民グループが行う平和イベントや、「緊急行動」支援活動に協力して
ください。
2)
①
NGO・市民グループへのお願い
2005 年 5 月、ニューヨークへ行き、NPT 再検討会議及び大規模集会に出席してくださ
い。
② 2004 年 8 月 6 日から 2005 年 8 月 9 日までの間に、核兵器廃絶を求めるイベントを開
催してください。(イベントを開催した場合には、その概要を事務局へお知らせくださ
い。)
③ 「核兵器廃絶のための緊急行動」を宣伝してください。2005 年 5 月に、ニューヨーク
で行われる大規模な行動に参加してください。
④ あなたの街の市長に、「核兵器廃絶のための緊急行動」への賛同・支持・参加を働き
かけてください。
⑤ 「国際法を守る壁」プロジェクトに参加してください。
(詳細は、6 ページをご覧ください。)
⑥ 地元の NGO や市民グループが行う平和イベントや、
「緊急行動」支援活動に協力してく
ださい。
3)
①
市民の皆さんへのお願い
核兵器の脅威と「核兵器廃絶のための緊急行動」について、友人やご家族と話し合っ
てください。
② 地元の平和グループに参加してください。そして、そのグループに「核兵器廃絶のた
めの緊急行動」への参加を奨励してください。
③ 2005 年 5 月、ニューヨークへ行き、NPT 再検討会議及び大規模集会に出席してくださ
い。
④ あなたの街の市長に、「核兵器廃絶のための緊急行動」への賛同・支持・参加を勧め
てください。
⑤ 「国際法を守る壁」プロジェクトに参加してください。
(詳細は、6 ページをご覧ください。)
⑥ 「核兵器廃絶のための緊急行動」の資金として、平和市長会議への寄附をお願いしま
す。
- 7 -
ジュネーブからの呼びかけ
――要約すると、私たちは今ここに、2005 年に締約国が核不拡散条約を再検討する会議を、
如何なる国が反対したとしても、過半数の票決によって、次の呼び掛けを可決する機会と
することを要求します。すなわち、全核兵器の実戦配備を即時解除すること。疑問の余地
なく規定された日程に従って全ての核兵器の解体及び破壊に向けて明確な行動を取ること。
並びに核兵器全廃を目的とする検証可能で不可逆的制度を確立するために、普遍的「核兵
器禁止条約」に関する交渉を行うこと。
「不可能だ、核保有国が決して合意するわけはない」と言う人もいるでしょう。しかし、植物
が人間なしでも生存し続けられるように、指導者の陰に隠れていようとも、一般市民こそ
究極的には真の力を持っているのです。民衆が立ち上がり、軍国主義者や競争主義を奉ず
る指導者に真の力がどこにあるのかを知らしめるときが来たのです。言葉や、分別や、拘
束力のない条約の先に進まなくてはならない時が来たのです。核兵器を保持すると言い続
ける如何なる国に対しても経済制裁を課す時が来たのです。デモ、行進、スト、ボイコット、
その他のあらゆる非暴力的手段を使って、何百万もの私たちの兄弟姉妹の殺戮に、私たち
の生活する場所の破壊に、そして人類の絶滅に反対する時が来たのです。私たちの生命を
護るために非暴力的手段で闘う時が来たのです。
本日この部屋に集まっている私たち全ては、非常に高水準の富と教育に恵まれているが故
に、核の危険性について、それぞれの国でその他の多くの人々を教育する責務を負ってい
ます。私たちは、彼らが自らを守れるように、彼らに情報を提供し、彼らの力を動員しな
ければなりません。私たちは、世界中で大規模な草の根キャンペーンを開始することによ
り、どの国においても国民は、怯むことなく核兵器の廃絶を実行する指導者しか受け入れ
ない、という姿勢を明確に示す責務を負っています。
「軍産複合体があまりにも強大だ」と言う人もいるでしょう。民衆が支配者を正そうとする
とき何が起こるかについて、私は幻想を抱いてはいません。アメリカの奴隷解放には 100
年、それに加えて、残酷で血なまぐさい戦争が必要でした。そして、彼らをリンチや屈辱
的差別から解放するのにそれから更に百年かかりました。ガンジーがインドをイギリスの
統治から解放するには 30 年かかりました。ベトナム戦争を止めさせるのには 15 年かかり
ました。ボトム・アップ、つまり下からの変革には時間がかかり、大きな犠牲を伴います。
しかし、残念ながら、道義的、精神的なビジョンを持つ人間が、再度この闘いを引き受け
なければなりません。核兵器廃絶の重要性そして正当性は奴隷解放に劣るものではありま
せん。私たちはただ単に技術や武器と戦っているのではありません。マーチン・ルーサー・
キング・ジュニアが述べたように、私たちは、私たち自身の心の中にある核兵器と闘って
いるのです。私たちは、正当だと考えられる何らかの理由を付けることができれば、核兵
器による虐殺は許されるという考え方そのものと闘っているのです。私たちは、人類が最
終戦争を始める権限を少数の権力者に与えても良いという思想と闘っているのです。私た
ちは、何十億人もの人が悲惨で生命の危険と隣合わせの貧困生活を送っているにも拘らず、
それを無視して軍隊による過剰殺戮能力を保持するために何兆ドルも使って当然だ、とい
う考え方と闘っているのです。
私たちの当面の目標は核兵器ですが、長期的目標は新しい世界秩序を創ることにあります。
この新しい世界では、支配者の富やエゴを守るために殺したり殺されたりするほど愚かな
人はいなくなります。私たちが求めるのは、飢餓、疫病又は暴力の中で、明日も生きていら
れるのだろうかと思いながら眠りにつく男性や女性、子ども達がいない世界です。私たちが
求めるのは、隣人と一室を共にするとき、人殺しや盗みを働く敵の中で自らを護らなくて
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はならないと感じるのではなく、私たちの安全、治安、生存、並びに喜びが相互に関わる兄弟
姉妹と共にいる私たちが見える世界なのです。
私たちは近いうちに核兵器廃絶のための新しいキャンペーンについての発表をしたいと考
えています。広島・長崎両市が、世界 541 都市 2 億 5 千万人以上を代表する世界平和市長会
議の支援を受け、このキャンペーンを企画し、発展させ、実施する手助けをしたいと思って
いるあらゆる人と共に取り組みたいと考えています。皆さん、どうぞこのキャンペーンに
参加して下さい。貴方にできる何らかの方法でキャンペーンを支援してください。我々の
子ども達や孫達のために力を合わせようではありませんか。2005 年には核兵器を禁止しよ
うではありませんか。
2003 年 4 月 30 日、スイス・ジュネーブ国連本部で開催されたNPT再検
討会議準備委員会において、各国政府代表者の前で行われた平和市長会議
会長・秋葉忠利広島市長のスピーチより
問合せ先/寄附口座:
財団法人広島平和文化センター国際部平和連帯推進課
坂田裕夫
〒730-0811 広島市中区中島町1−2
℡:082-242-7821
Fax:082-242-7452
E メール:[email protected]
URL
: http://www.pcf.city.hiroshima.jp/mayors/
カ ク ヘ イ キ ハ イ ゼ ツ ノ タ メ ノ キンキュウ コ ウ ド ウ ジ ッ コ ウ イ イ ン カ イ
寄附口座:核兵器 廃絶 の ため の 緊 急 行動 実行 委員会
広島銀行広島市役所支店 普通預金 3004641
アイデアをお寄せください
キャンペーンを効果的に実施する。または、幅広く情報を提供するためのアイデアを上
記問合せ先にお寄せください。平和市長会議のウェブサイトからでもお送りいただけます。
2004 年 4 月 28 日
ニューヨーク市議会から
緊急行動への賛同書を受け取る
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