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2011年7月号
発行 小林製薬株式会社 広報部
本社 〒541-0045
大阪府大阪市中央区道修町4-4-10
KDX小林道修町ビル
TEL 06-6222-0142 FAX 06-6222-4261
東京 〒104-0032
東京都中央区八丁堀4-5-8
KDX八丁堀ビル6F
TEL 03-5541-8016 FAX 03-3555-3380
特
女性QOL(クオリティオブライフ)とセルフメディケーション
集
~女性QOL意識調査から~
》 「普段の生活で体調が悪いと感じる」
66.2%
》 「女性特有の体調の悩み・症状を経験したことがある」 84.7%
》 「我慢してしまう体調の悩みを市販薬で治せるとしたら、利用したい」
69.0%
小林製薬は、心身の悩みを捉え、女性の一生涯に「あったらいいな」をお届けします。
小林製薬ニュースレター
■特集
女性QOLとセルフメディケーション
~女性QOL意識調査から~
女性の環境変化とQOLニーズ
グラフ1:体調不良の内容 TOP10(N=515)
男女雇用機会均等法が施行されて25年。この間、女性
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
の生き方・暮らし方は目まぐるしく変化してきました。
肩こり、腰痛
1985年の制定当時1,548万人、全体の35.9%だった女
74.8
体がだるい・疲れがとれない
性の雇用者数は、2009年には2,311万人、42.3%にまで
64.8
頭が痛い
増加。特に、この10年で結婚後も働く(働きたい)20代・
48.1
イラつき
30代女性が10%も増加しています。(出典:総務省「労
34.6
肌荒れ
29.6
手足が冷える
28.4
して」「市民として」など、活躍の場が広がってくると同時
眠りが浅い、眠れない
28.2
に、体や心の悩みも多様化・日常化しています。多くの
めまい
28.2
女性が体調に不安を感じ、「もっと健康的な生活を」と願
不安感
いつつ、忙しい・恥ずかしい・面倒などの理由から、なか
関節が痛い
働力調査」)「妻として」「母として」に加えて、「働く女性と
25.2
22.6
なか行動に移せないのが現状のようです。こうした女性
の悩みに着目し、更年期や肥満薬の新たな市場を開拓
グラフ2:将来の健康不安(N=341)
し続けてきた小林製薬では、今回、現代女性たちが自
不安を感じない
0.3%
身の体調や健康、QOLについてどのように感じているの
あまり不安を
感じない
3.2%
か、アンケート調査を行いました。
女性特有の悩み・症状の実情
どちらと
も言えな
い
15.2%
不安を
感じる
18.5%
1.女性の約3人に2人が「体調の悪さを感じている」
20代~60代・計515名の女性に、普段の体調を伺ったと
やや不安を
感じる
62.8%
ころ、「体調の悪さを感じる」方が66.2%、3人に2人が日
常生活の中でなんらかの体調不良を感じています。そ
の内容は、
①「肩こり・腰痛」
2.女性特有の症状を経験した人は 84.7%。
②「だるさ・疲労」
さらに、具体的な症状について伺いました。
③「頭痛」
女性固有の症状として多いのは「便秘」「生理痛」「生理
④「イラつき」
不順」「膀胱炎」、50代以上で増える「更年期症状」、20
⑤「肌荒れ」
代・30代に多くみられる「傷あと」などが挙げられます。こ
など、さまざま。その上、これらの症状から、 「将来の健
れらを合わせると、実に84.7%の女性が、実際にいずれ
康に不安を感じる」方が81.3%。日々、多様な悩みをか
かの症状に悩んだ経験があるのです。しかも、多くの女
かえ、それが将来の健康不安につながっている人が尐
性が、もしこれらの症状になっても「我慢したり、放置して
なくないようです。
しまう」と答えています。
1
2011.7.5
小林製薬ニュースレター
「尿もれ」「腟の痒み」「腟カンジダ症」「膀胱炎」などデリ
その意味で、小林製薬ならではのセルフメディケーショ
ケートな部分の症状については、「人に言うと恥ずかし
ンの推進によって、女性のQOLの向上に貢献できる機
い」という声が多く、また、「更年期」「便秘」「傷あと」など
会はまだまだ沢山あると考えています。
は、「治療するほどの病気ではない」「我慢できる程度だ
から」という意識が強くみられます。また特徴的な声とし
<セルフメディケーションを推進する5つのポイント>
て、「更年期」については「改善の方法がわからない」、
1) 生活者視点での潜在ニーズの探求
「傷あと」については「どうせ治らない」といった迷いやあ
女性の悩みには、顕在化しにくい症状が多く見られます。
きらめの気持ちもあるようです。
「独自調査」や「家庭訪問」などを通じ、さまざまな女性の
暮らしに触れ、見つめ、対話することで、秘められたニー
ズを掘り起こし続けていきます。
グラフ3:女性特有の悩み(N=515)
0.0
20.0
40.0
60.0
悩んだ経験がある
2) 漢方・保健薬など新たな処方の活用・啓発
80.0 100.0
女性特有の体調不良や症状に着目すると、まだ活用さ
84.7
れていない有効な漢方処方や保健薬が多くあります。症
《内訳》
メタボリック(肥満)
更年期症状(ほてり・のぼせ・イラつき)
22.3
腟の痒み
16.1
腟カンジダ症
16.3
傷あと(やけどあとやニキビあと等)
膀胱炎
その他
3) 治せることへの気づき・啓発
セルフメディケーションには何よりも、女性自身が「我慢
48.5
生理痛
尿もれ
QOL向上を目指します。
21.6
便秘
生理不順
状と処方を適応させ、啓発することで、さらなる女性の
19.8
しなくてもよい、治せるものだ」ということに気づくことが重
46.0
要です。小林製薬が得意とする分かりやすいコミュニ
25.2
16.1
ケーションで、まず「治せる」ことを啓発し、きっかけを拡
24.1
げていきます。
14.2
4) 買いやすさ・手に取りやすさの追求
小林製薬ならではのセルフメディケーション
お客さまとの接点において、自分の悩みを改善する市
このようなさまざまな不調や症状を抱えながらも、一方で、
販薬の存在に気づき、実際に試していただくために、
女性たちは「もっと体調に気を使いたい(59.6%)」「もっ
ネーミング・パッケージ・広告・店頭づくりなど、「買いや
と健康的な生活がしたい(61.7%)」という要望も強く持っ
すさ」「手に取りやすさ」を徹底追求していきます。
ています。「“あったらいいな”をカタチにする」をスローガ
5) 心の不快・不調からの解放
ンに掲げる小林製薬にとって、時代変化、また、一人ひ
悩みがデリケートである分、心のケアにも配慮しなけれ
とりのライフステージ変化によって生じ続ける、女性たち
ばなりません。「自分だけではない」という共感をもたらす
の未充足ニーズを発掘し“快”を提供することも、大切な
タレント起用に配慮したコミュニケーションや「恥ずかし
使命の一つです。切実な痛みや辛さをともなうマイナス
さ」「うしろめたさ」を軽減する新しい買い方提案、ホーム
状態を改善しゼロに戻すことはもちろん、「病気」というほ
ページやセミナーを通じての情報提供、同じ悩みを抱え
どではないちょっとした不快や気になる状態も取り除き、
もっと快適なプラスの状態にしていきたいと願っています。
2
るお客さま同士が話し合える場づくり、などの努力を重
ねています。
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小林製薬ニュースレター
小林製薬では、このようなセルフメディケーションの視点
■Case 3 「フェミニーナ 腟カンジダ錠」 2010年発売
を活かし、さまざまな女性のQOL向上のご提案を続けて
います。その中から、代表的な製品事例をご紹介します。
■Case 1 「女性保健薬 命の母A」 2005年発売
第一類医薬品
購入カードや携帯を使った新しい買い方を導入、
「恥ずかしさ」のハードルを軽減。
デリケートゾーンの痒みをともなう「腟カンジダ」の再発を
を自宅で治せるのが「フェミニーナ 腟カンジダ錠」。近年
第二類医薬品
患者が増加傾向にあると言われていますが、OTC医薬
女性の社会的立場の変化とともに、
大きくなった「更年期症状への対処」ニーズが起点。
品は「購入するのが恥ずかしい」などの意見が多く、手
多くの女性が悩んでいるにも関わらず、長年、我慢するこ
にするのが難しいものでした。そこで、製品パッケージや
とが当たり前とされてきた更年期症状。このニーズを捉え、
店頭のセルフチェックシート、携帯電話などを使用し、店
これまで幅広い婦人薬として親しまれてきた「女性保健
頭の薬剤師に提示するだけでスムーズに購入していた
薬 命の母A」を、ほてりや冷えなどの「更年期症状」を治
だけるシステムを導入。「恥ずかしい」気持ちにも配慮し
す薬として新たに位置づけ、リニューアル発売しました。
たこれまでにない工夫を行っています。
そのわかりやすいメッセージが多くの女性に届き、「更年
期症状改善薬」という市場を顕在化させました。
■Case 4 「アットノン」 2011年発売
■Case 2 「ビスラット ゴールド a」 2009年発売
第二類医薬品
第二類医薬品
「どうせ治らない」「治すほどでもないけど・・・」
潜在的な不快ニーズを掘り起こし、大ヒット。
肥満の新たな原因「加齢による代謝の低下」に注目。
適合処方を見つけ、解決策を提案。
肥満予防へのニーズを探求した結果、「過食」以外に年
あきらめたり、放っておくのが普通だった「傷あと」。多く
の女性が本当は治したいと考えており、その気持ちに応
えたいとの想いから開発されました。傷あとが気になって
齢とともに「脂質の代謝が落ちる」タイプの肥満があること
ストレスを感じていた女性に支持され、爆発的なヒットと
に着目。この症状の処方探索を進めた結果、「大柴胡湯
なりました。今後も、「傷あとを改善する」という新たな未
(だいさいことう)」という漢方製剤にたどり着き、「ビスラッ
充足ニーズを追求し、女性のQOL向上にお役立ちして
ト ゴールド a」が誕生しました。新たなタイプの肥満症状
をわかりやすく訴求し、多くのご支持をいただいています。
3
参ります。
2011.7.5
小林製薬ニュースレター
これからも 女性のQOL向上を目指して
■Case 5 「ボーコレン」 2011年発売
女性が潜在的に抱えこんでしまう多くの悩みが「市販薬
で治せるとしたら?」という質問に対し、69.0%の方が
「利用したい」と答えています。小林製薬は、こうした期
待に応え、まだ解決できていない多くの悩み・症状に対
処する製品開発に全力を注いで参ります。そして、これ
第二類医薬品
からも女性たちの「今」を見つめ、声にできない「声」に耳
を傾け、一生涯のQOLにお役に立てるブランドであり続
女性に起こりやすい排尿痛。
痛みを我慢せず、自宅で治す。
けたいと願っています。
女性は男性に比べ尿道が短く、膣や肛門、尿道が近く
グラフ4:市販薬の使用意向(N=515)
にあるため、細菌が膀胱に入りやすい体の構造になって
利用したくない
2.9%
どちらかと言えば
利用したくない
6.2%
います。そのため「排尿痛」は多くの女性が抱える悩みと
もいえます。そのような不快を改善するために誕生した
のがボーコレン。 「ボーコレン」は、「利尿作用」や「抗炎
どちらとも
言えない
21.9%
症・抗菌作用」などのある11種類の生薬が組み合わさっ
た漢方薬。お医者さんに行かなくても、自宅でつらい「排
利用したい
21.4%
どちらかと言え
ば利用したい
47.6%
尿痛」を緩和できる、OTC医薬品です。
調査設計 :
「女性の健康に関するアンケート」、対象:20代~60代の女性 各年代103名 合計515名、調査手法:インターネット調査
実施日:2011年5月28日(土)・29日(日)、調査機関:株式会社マクロミル、調査主管:小林製薬株式会社
「“ボーコレン”開発担当者に聞く」
薬粧品事業部
マーケティング部
新製品開発グループ
加藤 友紀
開発のきっかけは、女性の中に、「排尿痛」や「残尿感」を感じ、日頃の生活に支障を
きたしている方が多くいるとわかったこと。詳しく調べると、病院に行くのが恥ずかしい
から我慢したり、忙しい時間を縫って病院へ行き、また恥ずかしい思いをしたという人
が多くいらっしゃいました。
そんな方々が近くの薬局で手軽に購入して自分で症状を改善できるお薬があれば、
必ずお役に立てると考え、開発を進めてきたのです。
また、「ボーコレン」は、恥ずかしい気持ちに配慮した商品ですので、パッケージも女
性が店頭で恥ずかしくなく手に取れるよう、そして、続けてしっかり服用してもらえるよう
に、ピンクカラーのパウチタイプを採用しました。
これからも、社会で活躍する女性や、家族を支える女性などが、毎日、生き生きと健康
な生活を送って頂ける「ボーコレン」のような商品の開発に努めていきたいと思います。
4
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