OpenOffice.org の環境を統一して ビジネス現場の生産性アップ ~会社や組織内で役立つ拡張機能の作成方法~ オープンソースカンファレンス 2010 Tokyo/Fall 主催:オープンソースカンファレンス実行委員会 会場:明星大学 日野キャンパス 26 号館 509 教室 2 月 26 日(金) 13:00-13:45 OpenOffice.org 日本ユーザー会 鎌滝雅久 本日の内容 ● ● ● ● ● 自己紹介 OpenOffice.org とは 拡張機能が新機能を提供!? 日本語環境改善拡張機能とは 拡張機能の作成方法 自己紹介 ● ● OpenOffice.org 日本ユーザー会コミッティメン バー OpenOffice.org Q&A サイトの管理人 – ● http://oooug.jp/faq/ こんな本も書いています – 「オープンガイドブック OpenOffice.org 3.0 」 OpenOffice.org とは ● ● オープンソースのオフィススイート(統合環境) OpenDocument Format ( ODF )というドキュメ ント形式は国際共通規格( ISO/IEC 26300 ) – ● ユネスコが ODF の普及を推進( 2009 年の発表) Microsoft Office との相互運用に期待 – – – OpenOffice.org 3.0 から Office 2007 独自のファイ ル形式の読み込みに対応 Office 2007 SP2 から ODF に対応 Interoperability の時代へ OpenOffice.org とは Writer Calc Impress Draw Base Math テンプレート 拡張機能 拡張機能が新機能を提供!? ● 最近の OpenOffice.org の新機能は拡張機能で 提供されるものも多い – SUN PDF Import Beta ● – SUN Wiki Publisher ● – PDF の読み込みとハイブリッド PDF の作成 MediaWiki サーバーへ Writer から直接アップロード SUN Report Builder ● データベースのレポートツール SUN PDF Import Beta SUN Wiki Publisher SUN Report Builder 日本語環境改善拡張機能とは ● Default Settings ForJapanese.oxt – – – – – 2009 年 6 月 29 日 Ver1.0 を正式リリース http://extensions.services.openoffice.org/projec t/DSFJ Microsoft Officeに近いページ、フォントサイズなどの 書式を実現 プレゼンテーションの背景など盛りだくさんのテンプレー ト 実用的に利用できるクリップアート集 Writer の改善点 標準で作成した文書 IPA フォント 両端揃え 行末が揃い、文字のはみ出 しが起きにくくなる Impress に豊富なマスターページ 約 80 種類のプレゼンテーション用背 景のほか、はがき、原稿用紙、履歴書な どの実用的なテンプレートも追加 各アプリケーションから利用できる クリップアート集 「入力支援」機能を使った「あいさつ文」 ② ① 主な拡張機能作成の手段 ● OpenOffice.org Basic – ● ● 拡張機能としてエクスポートできるので簡単に作成可能 です Java 、C++ などのプログラム言語 Non-code プログラミング – – – – クリップアート、テンプレート集 初期設定改善 ユーザーの環境の統一 OpenOffice.org の作業環境、設定の共有 (企業 / 団体向け) 拡張機能を作ろう ● 拡張機能に関するドキュメント – 拡張機能のデベロッパーズガイド http://wiki.services.openoffice.org/wiki/Documentation/DevGuide/Extensions/Extens ions – Non-code extensions (日本語) http://doc.services.openoffice.org/wiki/Non-code_extensions_ja ● 企業・団体にお薦めの拡張機能作成法 – – non-code extensions を読むと、プログラムの知識は 必要なく、XML 形式のユーザー設定ファイルやテンプ レートを集めて拡張機能用の XML ファイルを書けばよ いことがわかります 最終的には ZIP 圧縮し、拡張子を「oxt 」にして完成 拡張機能で可能な初期設定 ● Writer 、Calc 、Impress 、Draw 用のテンプレート – – – ● Writer の定型文を作成する入力支援用データ – – ● ● 標準テンプレート ページ設定・フォントなどの書式設定を含むスタイル スライド用のデザイン / 背景 あいさつ文 名刺デザイン スペルチェック、オートコレクトなどOpenOffice.org の機能のオン / オフ ギャラリー用クリップアートの素材データ 拡張機能の構成ファイル ● 必ず作成するディレクトリ – META-INF ● ● manifest.xml に OpenOffice.org 用設定ファイルを登録 必ず作成するファイル – description.xml ● 拡張機能のバージョン、システム要件、拡張機能マネージャ で表示される説明ファイル、拡張機能の作成者のURL 、ア イコン、リリースノートのURL などを登録します manifest.xml の内容 ● 日本語環境改善拡張機能の場合 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE manifest:manifest PUBLIC "-//OpenOffice.org//DTD Manifest 1.0//EN" "Manifest.dtd"> <manifest:manifest xmlns:manifest="http://openoffice.org/2001/manifest"> <manifest:file-entry manifest:full-path ="Paths.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Common.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Writer.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Impress.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Calc.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Setup.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Linguistic.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> <manifest:file-entry manifest:full-path="Labels.xcu" manifest:media-type="application/vnd.sun.star.configuration-data"/> </manifest:manifest> OpenOffice.org 用設定ファイル description.xml の内容 ● 日本語環境改善拡張機能の場合 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <description xmlns="http://openoffice.org/extensions/description/2006" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" xmlns:d="http://openoffice.org/extensions/description/2006"> <identifier value="jp.sourceforge.openoffice-docj.DefaultSettingsForJapanese" /> <version value="1.1.1" /> <platform value="all" /> <dependencies> <OpenOffice.org-minimal-version value="3.0" d:name="OpenOffice.org 3.0"/> </dependencies> <registration> <simple-license accept-by="admin" default-license-id="this" > <license-text xlink:href="licenses/license.txt" license-id="this" /> <license-text xlink:href="licenses/license_ja.txt" lang="ja-JP" license-id="lic-ja" /> </simple-license> </registration> <display-name> <name lang="ja"> 日本語環境改善拡張機能 </name> <name lang="en">Default Settings For Japanese</name> </display-name> <publisher> <name xlink:href="http://oooug.jp/" lang="ja">OpenOffice.org 日本ユーザー会 </name> <name xlink:href="http://oooug.jp/" lang="en">OpenOffice.org Users Group Japan</name> </publisher> <icon> <default xlink:href="oooug-jp_logo.png" /> </icon> <extension-description> <src xlink:href="description/description_ja.txt" lang="ja" /> <src xlink:href="description/description_en.txt" lang="en" /> </extension-description> </description> setup.xcu (標準テンプレートの設定) の内容 ● 日本語環境改善拡張機能の場合 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <oor:component-data xmlns:oor="http://openoffice.org/2001/registry" xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" oor:name="Setup" oor:package="org.openoffice"> <node oor:name="L10N"> <prop oor:name="ooLocale" oor:type="xs:string"> <value>ja</value> </prop> </node> <node oor:name="Office"> <node oor:name="Factories"> <node oor:name="com.sun.star.text.TextDocument"> <prop oor:name="ooSetupFactoryTemplateFile" oor:type="xs:string"> <value>%origin%/template/Writer4ja.ott</value> </prop> </node> <node oor:name="com.sun.star.sheet.SpreadsheetDocument"> <prop oor:name="ooSetupFactoryTemplateFile" oor:type="xs:string"> <value>%origin%/template/Calc4ja.ots</value> </prop> </node> 〈省略〉 </node> </node> </oor:component-data> テンプレートを格納するディレクトリ ● template – ● ここにテンプレートを置くと「自分のテンプレート」に表示 template 以下のディレクトリ – forms ● – layout ● – プレゼンテーション背景 personal ● – 業務用書類と契約書 個人用通信文とドキュメント presnt ● プレゼンテーション テンプレートの作成方法 ● ● ● ● Writer 、Calc 、Impress 、Draw で白紙のファイル を開く F11 キーを押下して「スタイルと書式設定」ダイアロ グを表示する スタイルを選び、マウスの右ボタンをクリックして表 示されるコンテキストメニューで「変更」を選び、フォン トなどを変更 [ファイル] - [ドキュメントテンプレート] - [保存]を 選び、「ドキュメントテンプレート」ダイアログの「新しい ドキュメントテンプレート」欄で名前を付け、「範囲」欄 で保存場所を選び[ OK ]をクリック 「スタイルと書式設定」 ダイアログの使い方 ● ● 「スタイルと書式設定」ダイアログ下部のドロップダ ウンリストから「階層」を選ぶ 「階層」のトップ、「標準」のフォントを変更すれば、すべ てのスタイルのフォントが統一できる ② ① 「ドキュメントテンプレート」 ダイアログの使い方 ● ● 「ドキュメントテンプレート」ダイアログでは、テンプ レートを保存する場所を選択できる 保存する場所に従い、先に紹介したディレクトリに格 納される ② ① ③ 入力支援、クリップアートを 格納するディレクトリ ● autotext – ● 入力支援データをグループごとにまとめた「~.bau 」ファ イルを格納 gallery – – クリップアートは sgXXX.sdg 、sgXXX.sdv 、sgXXX.thm の 3 種類の ファイルに分けて登録される これら 3 種類のファイルが 1 つのテーマとして「ギャラ リー」に表示される仕組み 「入力支援」のあいさつ文の登録 ● ● ● ● Writer のドキュメント上の登録したい「あいさつ文」 をマウスで選択 [編集] - [入力支援]を選択し、「入力支援」ダイアロ グで、[グループ]ボタンをクリックし、グループを追加 「入力支援」ダイアログに戻り、追加したグループを 選択し、「ブロック名」欄と「ショートカットキー」欄を設 定 [閉じる]ボタンをクリック 「入力支援」ダイアログの使い方 ● グループの追加 ① ② ④ ③ ● あいさつ文の登録 ② ③ ① ④ 名刺用のデザインの登録 ● 画像を加えた名刺などのデザインも登録可能 「ギャラリー」に新しいテーマを作成 ● ● ● ● Draw でクリップアートを作成 図形描画バーの[ギャラリー]ボタンをクリック 「ギャラリー」ペインの[新しいテーマ]をクリック 「属性:新しいテーマ」ダイアログの「全般」タブでテー マの名称を設定 ① ② クリップアートを「ギャラリー」に登録 ● ● ギャラリーに作成されたテーマに、Draw 上のクリッ プアートをドラッグ & ドロップして登録 クリップアートをマウスで選択したら2秒ほど待ち カーソルが に変わったらドラッグ & ドロップ OpenOffice.org の ユーザー設定ファイルの格納場所 ● Windows XP の場合 – ● Windows Vista/7 の場合 – ● C:\Documents and Settings\( ユーザー 名 )\Application Data\OpenOffice.org\3\user C:\ ユーザー \( ユーザー 名 )\AppData\Roaming\OpenOffice.org\3\user その他の OS – ~/.openoffice.org/3/user オリジナルの拡張機能の作成 ● ユーザー設定ファイルの格納場所以下の template 、autotext 、gallery ディレクトリを拡張機 能用に収集 – ● autotext ディレクトリは、登録時のパス設定に注意 日本語環境改善拡張機能を展開し、同様のディレク トリに追加し再度 ZIP アーカイブ化、拡張子を「oxt 」 とすれば、オリジナルの拡張機能となる まとめ その 1 ● 拡張機能のダウンロード – – ● OpenOffice.org repository for Extensions http://extensions.services.openoffice.org/ 拡張機能作者の公開サイト テンプレートのダウンロード – http://templates.services.openoffice.org/ja/ 日本語化され、日本用テンプレートも公開 まとめ その 2 ● 拡張機能に関するドキュメント – 紹介や操作方法などのドキュメント http://openoffice-docj.sourceforge.jp/wiki/Documentation/Extension_Manual – 「日本語環境改善拡張機能」の使い方 http://openoffice-docj.sourceforge.jp/wiki/Documentation/Extension_Manual/ DefaultSettingsForJapanese ● OpenOffice.org 日本ユーザー会 – – http://oooug.jp/ SNS http://oooug.jp/sns/ 最後に ● ● 本日はご清聴ありがとうございます OpenOffice.org 日本ユーザー会の展示ブースで は、ユーザー会特製クリアファイルがもれなく貰える ユーザー調査アンケートを行っています
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