会津オリンパス A棟 No.16-001-2010更新 新築 工場・物流施設 Aizu Olympus Building “A” 発注者 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 設計・監理 戸田建設株式会社一級建築士事務所 施工 カテゴリー A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB TODA CORPORATION E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 戸田建設株式会社 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 環境負荷低減の見える化 太陽光発電パネル設備 会津オリンパスに来社された方が、環境負荷低減を実感 4階屋上及び南側の壁面に太陽光発電を設置しています。 して頂けるよう、エントランスホールに設置しているモ これにより、発電量がピークの状態では、生産エリアの大部 ニターでは、完成外観模型のスイッチと連動し、会津オ 分の照明をまかなうことができます。 リンパスの環境への取り組みや、リアルタイム及び月ご との太陽光発電量、太陽光集熱量を表示することができ ます。また、データをまとめ、効果の検証を行っていま ~最先端のエコファクトリーを目指した大型環境設備の導入と「見せる環境負荷低減」~ す。 SIMPLE&IMPRESSIVE 内視鏡の生産においては、世界市場の約70%という高い シェアを占めるオリンパス医療部門、その主力工場に相応 しい、最先端の環境負荷低減を取り入れた新工場建設のプ 太陽光発電システム ロジェクトです。 新工場の計画においては、設備等のコアを背面片側に集約 太陽光集熱パネル設備 し、フレキシブルな生産エリアを確保し、また国道と既存 5階屋上には、太陽光集熱パネルを設置しています。この エリアを20Mの貫通道路でつないで、動線の確保をしつ 太陽光発電システムの効果をわかりやすく表示 つ、外観のアクセントとしています。 前面の国道に対して、長さ130M、高さ25Mの門型デ 冷水蓄熱塔(温度成層型冷水直径10m×高さ約30m 2000t) ザインにより、際立った存在感を出し、設計コンセプトで 屋外にステンレス製の温度成層型蓄熱塔を設置し、2000 ある「SIMPLE&IMPRESSIVE」を表現して トンの水を、夜間の割安な電力を用いてターボ冷凍機を稼働 います。 させ蓄冷します。高さ約30mの水密度の差(冷たい水は下 設備は、太陽光エネルギーを熱に変換して、ステンレス製 蓄熱槽に蓄熱し、工場内の給湯熱に利用しています。 また、この設備は経済産業省の補助金を受けています。 に貯まる)を利用し、効率よく冷水蓄熱をしています。 年間1,000tのCO2削減を目指して 国道側 A棟全体で様々な環境負荷低減設備を導入し、年間、約 そして蓄熱した冷水を日中、工場内の冷房に用い、電力の平 北西外観 準化にも寄与します。 1,000トンのCO2削減に取り組みます。 屋上には、太陽光発電と太陽光集熱を、建物の南側の外 壁に、太陽光発電を設置しています。また冷水蓄熱塔は、 2000tの空調用の冷水を、深夜電力を用いて蓄熱し 太陽光集熱システム ます。これらの環境設備は、積極的に建築デザインの一 部と捉え、外部にアピールしています。 免震ピットを利用したクールヒートトレンチ 免震構造を採用することで、大地震等の各種災害に工場の事 太陽光発電設備(壁面) 冷水冷水蓄熱塔(2000t) 業継続(BCP)を可能にします。また、施設の免震ピット 内地熱を利用して外気負荷を減らし、空調負荷低減を図って 阿賀川河川敷より会津オリンパスと磐梯山を望む 太陽光発電設備 太陽光集熱設備 LEDサイン照明 います。 冷水蓄熱塔(2000t) 冷水蓄熱塔システム 設計担当者 統括:徳久光彦/建築:薄倉修/構造:谷地畝和夫、大清水亮市/ 設備:山口秀雄、細川幸哉、加藤晃司 国道側 南西外観 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 鳥瞰外観 太陽光発電設備(壁面) 主要な採用技術(CASBEE準拠) 福島県会津若松市 2009 年 47,037㎡ 22,503㎡ S造(柱CFT),一部RC,SRC造 地下0階、地上5階 Q2. 2. 耐用性・信頼性(設備の信頼性(BCP対応)、剛すべり支承を組合せることで微振動に対応した免震構法(TO-HISⅡ構法) Q2. 3. LR1.1. LR1.2. LR1.3. LR1.4. 対応性・更新性(荷重のゆとり、設備の更新性(屋上設備用架台)) 建物の熱負荷抑制(Low-E 複層ガラス、高断熱外壁) 自然エネルギー利用(太陽光発電、太陽光集熱、地熱利用クールヒートトレンチ、井水による融雪) 設備システムの高効率化(水蓄熱)、LED照明(外部サイン)、オール電化(厨房) 効率的運用(BEMS 、竣工後の実態評価) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します エコポート九州新工場 発注者 株式会社エコポート九州 設計・監理 熊谷組一級建築士事務所 施工 No.06-005-2010作成 新築 工場・物流施設 カテゴリー 株式会社熊谷組 環境配慮型工場 本工場には、環境配慮のための設備が採用されています。 3工場の屋根には、太陽光発電が設置され、その出力は最大2 00kWを確保しています。現在設置していない他の2工場に A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 も将来太陽光発電が載せられる様に、荷重をみており、それら をあわせると最大出力400kWまで可能となります。 また、工場敷地内中央部には、出力10kWの風力発電装置が 設けられており、これは工場のシンボルタワーにもなっていま 再資源化の道を大きく切り拓く、エコを意識した廃棄物処理工場 す。 これら太陽光発電や風力発電は、事務所や工場の電力の一部を 循環型社会の構築を目指した再資源化工場 賄うよう計画されています。 本工場は熊本県熊本市の西にある、熊本港の港湾施設内の土地を定期賃借して建設された工場です。発注者は紙の専門商社であ 工場内で使用する水は極力井戸水を使用し、使った後の水は、 る日本紙パルプ商事様と九州地区リサイクル事業大手の有価物回収協業組合石坂グループ様とで業務提携を結び設立した、株式 敷地内にある水処理施設にて再処理され、再度工場内で使うよ 会社エコポート九州様です。循環型社会の構築の一助となる様に、機密文書を溶解しクレープ紙等を作り再資源化する工場と共 うにしています。その一部は、正面玄関脇の池の水にも使用し に、廃プラスチックを種類別に分類し再生ペレットを作る工場、木質系廃材から燃料となる木質ペレットを作る工場、RPF ており、ここを訪れる人の憩いの場となっています。 (固形燃料)を製造する工場等で構成されています。更に環境に配慮するために、太陽光発電設備、風力発電設備の設置や、井 工場屋根に設置された太陽光発電(200kW) 戸水を利用し、使用した水は更に水処理を施して工場で再利用するなど、ゼロエミッションをも見据えた工場としています。 省エネ型工場 事務所、工場の照明には一部に高効率反射板を設けています。 また、見学者対応室や廊下にはLED照明を設置し、外灯には 太陽光発電付き照明を設置しています。 工場内では人が居るところに集中的に空調するスポット空調の 採用や、事務所部分では全熱交換機を採用するなど、省エネや 環境に配慮した設備を各所に設置しています。 外灯に太陽光発電を利用 港を意識した船をデザインした事務所・後ろに風力発電設備を設置 視聴覚室 再生樹脂ペレット 木質ペレット 工場配置 1.正面玄関 9 2.RPF製造工場棟 7 6 10 8 3.木質再資源化工場棟 4.機密文書溶解処理・製紙工場棟 2 1 5.機密文書警備棟 5 4 6.廃プラスチック選別工場棟 7.廃プラスチックマテリアル工場棟 3 クレープ紙 8.本社事務所棟 9.船積み用保管施設 RPF トップライト・ハイサイドを取り入れた明るい工場 設計担当者 10. 水処理施設 統括:梅原 俊雄/建築:木内 芳幸/構造:濱田 弘行、金子 猪治/設備:新井 勘/電気:草野 昭/インテリア:坪根 正博/監修:山本建築事務所 山本 俊晴 全景 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 省エネルギー性能 熊本県熊本市 2010 年 27,866㎡ 13,641㎡ S造他 13棟 地上2階(事務所棟他) CASBEE評価 Aランク BEE=1.6 2006年度版 自己評価 3.0 10 0 S 1.5 A 1.6 64 BEE=1.0 B+ B- Q 50 0.5 C 0 0 38 50 L 100 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2. 3. Q3. 2. LR1.2. LR2.1. LR3.3. Z. 対応性・更新性(空調配管、電線を露出配管配線) まちなみ・景観の配慮(色彩の配慮、周辺緑地の確保) 自然エネルギー利用(太陽光発電、風力発電、自然採光) 水資源保護(井水利用、再生水利用) 周辺環境への配慮(シートシャッターの採用) その他(破砕機を遮音壁にて囲う) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します 株式会社エルモ社 本社棟および西工場 No.22-003-2010更新 改修・保存 工場・物流施設 ELMO COMPANY ,LIMITED Head office Building and West Factory カテゴリー 発注者 株式会社エルモ社 設計・監理 前田建設工業株式会社一級建築士事務所 A. 環境配慮デザイン Maeda Corporation E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 前田建設工業中部支店 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 施工 B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB H. 生産・施工との連携 耐震改修と設備改修による安全・安心・快適・省エネの実現 西工場の改修計画 西工場は、耐震補強と外装、内装、空調、電気、給排水の全面 改修を行い、工場としての機能復旧を図った。 建築の改修は、躯体や建材はできる限り既存を利用し、廃材を 出さない工夫をしている。西工場の外壁色は、本社棟と別棟工 場に合わせ、3棟に一体感を持たせる計画とした。 耐震補強は、生産ラインや諸室の配置を配慮した上で、耐震壁 を14ヶ所に新設した。 既存の空調方式は、ガス冷温水発生機による中央ダクト方式で あったために個別空調に対応できていなかった。また、熱源の 改修計画の経緯 維持管理に手間がかかっていた。空調設備の改修では、個別空 本建物は、電子・精密機器メーカーの本社棟と西工場棟で、 調化と維持管理の簡素化のために空冷ヒートポンプ式ビル用マ 本社棟は本館、北館、南館、東館の4棟からなり、最も古い ルチエアコンを採用した。また、全熱交換型換気ユニットを採 建物は築50年である。本改修工事の目的は、耐震補強、外装、 用し省エネルギーを図った。 内装、設備の改修およびフロアの用途変更により、建物の性 改修前の西工場 電気設備は、プルスイッチ付き高効率型照明器具や人感センサ 能と機能を高め、環境を改善し、今後30年使える建物にする ーによる照明制御(便所)を採用し省エネルギーを図った。さ ことである。また、コンプライアンスの確保をコンセプトと らに、組み立てラインの変更に対応できる「可動式電源コンセ して、リニューアル部分を現行の建築基準法に適合させるべ ント」を設置し、生産作業効率の向上を図っている。 く、西工場は全面改装し、本社棟は必要に応じて改修する方 また、節水器具(自動水栓、擬音装置)を採用し、節水にも配 針とした。 慮している。 改修後の西工場(左)と本社棟(右) 本社棟の改修計画 本社棟の改修工事は、通常の営業をしながらの大改修であっ たため、まず機能していなかった西工場を完成させ、本社棟 西工場のヒートポンプ室外機 の生産部門を西工場に移転することで、本社棟にできる空き 改修後の西工場 西工場の全熱交換形換気ユニット スペースを利用して、本社棟は「営業しながら施工」を行っ ( 東館:SR C 造+R C 造・7階建 ) た。耐震補強は柱の綱板巻き補強と耐震壁を75ヶ所、耐震ブ レースを19ヶ所新設した。耐震ブレースは、その形状を安全 東 館 訴求のデザインとして生かし、食堂においては柱を鮮やかな グリーンに塗装して、空間のアクセントにしている。 空調設備の改修は、既存機器を極力利用しながら、温度ムラ 北 館 や上下温度差の解消のために、機器配置の変更や吹出口の増 設などを行い、温熱環境の改善を図った。 西 館 凡例 R C 補強壁 鉄骨 ブ レ ー ス 補 強 電気設備の改修は、更新が必要な照明器具は高効率型照明器 具を採用し、省エネルギーを考慮した。また、浸水による被 害を回避するために、地下1階にあった主電気室を4階へ移設 した。 南 館 ( 北館:R C 造・4階建 ) 本社棟食堂の耐震ブレース ( 西館:R C 造+S造・4階建 ) ( 南館:R C 造・3階建 ) 本社棟1階耐震補強平面図 設計担当者 統括:高橋春也/建築:伊藤朋子/構造:魚川伸裕/電気設備:田中好之/機械設備:松田珠由樹 主要な採用技術(CASBEE準拠) 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 愛知県名古屋市 2009 年 6,110㎡ 16,782㎡ RC,SRC造 地下1階、地上7階 Q2. 2. 耐用性・信頼性(耐震補強) LR1.3. LR2.1. LR2.2. 設備システムの高効率化(個別空調システム、高効率照明、人感センサー照明制御) 水資源保護(自動水栓、擬音装置) 非再生性資源の使用量削減(既存躯体の継続利用) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します No.05-005-2010更新 北日本新聞 創造の森 越中座 新築 工場・物流施設 THE KITANIPPON SHIMBUN SOZOUNOMORI ETCHUZA 発注者 設計・監理 カテゴリー 北日本新聞社 KAJIMA DESIGN 鹿島・佐藤工業・日本海建興 共同企業体 施工 省エネが図られた設備システム 印刷中は発熱量が膨大となる輪転場の空調は、 印刷時と非印刷時の空調系統を分けることで高 効率化を図っている。また、大容量の給排気を A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 安定的に確保するため軒裏を利用した給気シス テムを採用している 輪転機の基礎は、振動を建屋及び近隣に伝えな いため独立した基礎を設けている。また、独立 環境と地域社会との共生を目指した新聞印刷工場 基礎により発生するピット部分を設備スペース とし、躯体の有効利用を図っている。 独立基礎 雪 地域環境に配慮 した給気システム 独立基礎 軒下給気 OA 生産プロセスと整合性のとれた合理的な建築システム 電動可変縦ルーバーによる温熱環境向上と眺望 庇 確保の両立/ブラインドレス 2階の立山連峰を望める開口部には、日射を自 在にコントロールし熱負荷を抑える電動可変 事務室 ルーバーと大庇を採用した。電動ルーバーは開 閉時ともに温熱環境の快適性向上と眺望の確保 ルーバー を両立でき、年間を通じて快適な室内環境を形 成している。 新聞博物館/積極的な見学者対応 本施設には、工場見学ルートの一環として新聞 博物館が併設されており、産業観光ルートにも 最新鋭の生産技術と『地域・風土・歴史の尊重』との融合 指定されている。地域密着型イベント開催の核 富山県の地方紙「北日本新聞」の新製作拠点である。最新鋭の輪転機2セット を導入。1セット分の増築エリアを確保する事により輪転機の更新に対応し、 施設としても多大な貢献をしており、地域活性 八尾 高岡・金屋町 富山・岩瀬 高岡・山町筋 地域の景観の継承を目指した外観デザイン 建て屋の長寿命化を図っている。工場でありながら芝生広場やビオトープ空 発信拠点としての役割を担う。エントランスには、全面ガラス貼りのオープン 新聞博物館 見学コリドー 『婦負の風』での野点 敷地には雨水調整池が設けられていたが、季節 田島川 な見学者ホールを設置し、ガラス越しに工場内が望めるエスカレーターにより を感じ取れる木々や水辺を整備しビオトープ空 ネイチャーガーデン『婦負の風』 屋上庭園 『鵜坂野』 3階新聞博物館への直通動線を設け、臨場感あふれる印刷プロセス全体を把握 エントランス プラザ 間につくり上げた。利用者に憩いの場を提供す ると共に隣接する田島川の川沿いの修景として 相応しい環境景観を形成している。竣工後の運 や耐候性鋼鈑、天然石等を用いて内部空間の違いを表出し、圧倒的な輪転場の ボリュームを周辺環境に溶け込ませることを意図した。竣工後、それぞれの広 場には「歴史を語り継ぎたい」という建主の思いにより平成に消滅した古代か 見学者動線 ネイチャーガーデン『婦負の風』 間、屋上ガーデン、地域交流施設、新聞博物館等を備え、地域に開かれた情報 することができる。外観は、地域の歴史的景観を意識しながら、要所に再生木 化に対し有効に機能している。 桜のプロムナード 営管理の努力もあり、カルガモが雛を産む環境 芝生の広場 『婦負の丘』 にまで成長しているようである。またスタッフ がドジョウやトンボやメダカ呼び寄せ育てる工 らの郡名が継承されている。 夫をしたり、また小鳥の巣箱作りのイベントが 立山連峰 行われるなど、子供たちの環境教育の場として 屋上庭園 『鵜坂野』 桜のプロムナード 増築エリア 輪転場 も役立っている。 見学窓 VISTA 見学窓 前面道路 芝生の広場『婦負の丘』 道路 ネイチャーガーデン『婦負の風』 周辺環境との調和が図られた施設構成 CASBEE評価 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 富山県富山市 2006 年 21,486㎡ 9,140㎡ 柱:SRC造 梁:S造 地上4階 Sランク BEE=3.0 2006年度版 自己評価 3.0 100 S 1.5 A 3.0 82 + BEE=1.0 B - B Q 50 0.5 C 0 0 27 50 L 100 ここで誕生したカルガモの雛 『婦負の風』 (写真:北日本新聞社) 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2. 2. Q3. 1. Q3. 3. LR1.1. LR1.3. LR3.3. 耐用性・信頼性(電源二重引き込み、瞬低対策、避雷器、防潮堤、電源引き込み嵩上げ) 生物環境の保全と創出(雨水調整池の緑化・ビオトープ化、屋上緑化) 地域性・アメニティへの配慮(地域交流施設・新聞博物館の併設、イベント広場、災害緊急避難場所) 建物の熱負荷抑制(庇、電動可変ルーバー) 設備システムの高効率化(高効率空調、ピット有効利用) 周辺環境への配慮(生産機器の防振対策-独立基礎、敷地の緑化) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します No.19-004-2010作成 五洋食品産業株式会社 新本社工場 発注者 五洋食品産業株式会社 設計・監理 ㈱間組九州支店一級建築士事務所 施工 ㈱間組九州支店 新築 工場・物流施設 カテゴリー 地域性・アメニティへの配慮 建物の高さを低く抑えることにより、敷地周辺の山なみの景観への阻害を低減し、隣接する高速道路への圧迫感を無くしました。 さらに、敷地周囲の外灯には指向性のある高圧ナトリウムランプを用い、防虫効果と敷地外への光漏れを防ぎました。 また、敷地の前庭には虫が嫌う植物を植えたハーブガーデンを設けることで、工場を訪れる人に安らぎ感を感じて頂くと共に防虫 A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 効果も期待しています。 維持管理・更新性への配慮 ・内装材は汚れにくく、清掃のしやすい材料を選定しています。 自然と協調した衛生的な食品工場 ・床、巾木は湯洗い清掃が行える形状とし、工場内排水溝や桝はステン レス製で底面がR加工されたHACCP対応製品を設置し、清掃性を 冷凍庫・冷蔵庫を核とした食品工場 向上しています。 敷地のある糸島市は福岡市の西隣に位置する農・畜産業地域です。古くは魏志倭人伝に記される伊都国であり、昨今は鉄道・高速 ・目の届かない建具の上枠や設備器具の天板はホコリが溜まりにくく目 道路も整備され、福岡市のベッドタウンとしての性格を持ち、北に玄海灘、南に背振山系の山々を有する豊かな自然に恵まれてい に付きやすいよう傾斜加工にしています。 ます。「五洋食品産業株式会社 新本社工場」は冷凍ケーキの製造に特化した工場であり、大小様々な冷凍庫・冷蔵庫が生産過程 ・天井裏にキャットウォークを設けることで、設備機器・空調配管等の の中に配置された「品質安定向上」を実現できる食品工場として、糸島市が誘致する産業団地の一角に建設されました。 メンテナンスや修繕を容易に行え、様々な状況も間近で確認できます。 建物内観 自然環境・自然エネルギーを活用しライフサイクルコストを低減 自然の恵みを効果的に活用し、環境に配慮した工場を実現しました。 ・凍上防止管を冷凍庫床下に埋設し、ファンにより外気を管内で流動させることで床下土壌の凍結防止を行っています。 ・天井裏の換気は、建物内外に設置された湿度センサーにより内部より湿度の低い外気のみを取り込んでいます。 ・屋根や外壁の十分な断熱、遮音により、冷凍ケーキの製造に適した室内環境の確保を図っています。 給気 省エネルギーへの配慮 湿度の 低い空気 ・ケーキを焼くために不可欠なオーブンの大容量の排熱には、2重フード給排気連動ファンによる給排気を専用で行うことで、工 天井裏 排気 熱 キャットウォーク ハーブガーデン 熱 場内の他の部分への熱負荷の流出を抑えています。 冷気 冷凍庫 ・フィルターを通って建物内に入った清浄な空気は、清潔ゾーンから汚染ゾーンへ、与圧制御により無駄なく循環し排出されます。 清潔エリア 与圧制御 汚染エリア ハーブガーデン 虫除け ・高効率型の照明器具を採用し、使用目的に応じた細やかな点滅計画を行っています。 床下換気 凍上防止管 アスファルト舗装 ・節水型衛生器具を採用し、水道使用量の節減を図っています。 ・燃焼器具の燃料はLPGとしNOX、SOX発生を低減しています。 冷凍ケーキ製造に適した室内環境づくり 隙間を許さない食品工場 建物は室内外とも、あらゆる隙間を潰していくことで、止水、虫除けと同時に高気密性と高断熱性の確保を行い、エネルギーの無 駄な漏洩を防いでいます。 ・建物の外装、外部建具には隙間塞ぎ対策が幾重にも施されています。 ・工場内の内装はボードジョイントまで全てシール処理を行っています。 ・設備ダクト等による外壁開口部は、パネル化を行い、面と面の納まりを実現しています。 建物外観全景 工場エリア清潔区分図 清潔エリア 準清潔エリア 準清潔エリア 汚染エリア 省エネルギー性能 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 南西側外観 福岡県糸島市 2010 年 5,564㎡ 2,111㎡ S造 地上1階 ERR(CASBEE準拠) LCCO2削減 CASBEE評価 25 % 46 % Aランク BEE=1.7 2008年度版 自己評価 サニタリールーム 3.0 100 S 1.5 A + BEE=1.0 B - 1.7 56 Q 50 B 0.5 C 0 0 32 50 L オーブン室 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2. 3. LR1.2. LR1.3. LR2.1. Z. 対応性・更新性(キャットウォーク整備による容易な設備配管、配線の修繕、更新) 自然エネルギー利用(床下凍上防止管敷設、湿度制御を行った天井裏換気) 設備システムの高効率化(高効率型の照明器具の選定) 水資源保護(節水型便器、自動水栓、節水コマの採用) その他(外皮性能における十分な断熱性能の確保、清掃のしやすい材料の選定と形状の造作) 100 サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します GLP尼崎 No.21-004-2010更新 新築 GLP amagasaki 工場・物流施設 発注者 尼崎ロジスティック特定目的会社 設計・監理 (株)フジタ一級建築士事務所 施工 カテゴリー A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB H. 生産・施工との連携 Fujita CORPORATION E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 (株)フジタ大阪支店 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 1、緑化・ランドスケープ 屋上緑化を含め、豊かな植栽とランドスケープ手法による周辺 調和と景観形成を実現した。車道からの景観に考慮し、印象的 なアプローチ景観を形成した。 物流施設における環境創生の可視化 サステナブルディベロップメントへの取組み エントランス横の石のオブジェ 公害都市として知られる尼崎臨海地域という立地条件の中、 周辺地域及び施設利用者に対し、高環境への企業取組みを訴 求するという「環境創生の可視化」をテーマとし、サステナ 2、風力発電 ブルディベロップメントへの取組みを試みた。 主な取組み 1、緑化・ランドスケープ -まちなみ・景観への配慮- その他の取組み 自然の風を利用した発電システムにより、外灯などに利用して ・ 外壁断熱パネルによる熱負荷の低減 いる。風力発電設備(風車)を高さ12mの10kW×2基設 2、風力発電 -自然エネルギー利用- ・ 避難安全検証法による合理化 置し、発電した電気は、北側敷地内歩道沿いの外灯18W×1 3、雨水利用 -水質源保護- ・ 制震構造による建物予想最大損失の低減 6台に利用している。 ・ PC構造による省力化と資源の低減 ・ 鋼管杭による掘削土の削減 4、フォトロード -排気ガス浄化とヒートアイランド低減- 風力発電(風車) 1、緑化・ランドスケ-プ 発電利用 2、風力発電 3、雨水利用 自然の雨水を貯留し、外構植栽の灌水に利用している。10t 雨水貯留槽を地中に埋設し、北側敷地内歩道沿い緑地の約30 0㎡と北西緑地の約1300㎡に散水している。 雨水利用システム概念 散水エリア 4、フォトロード 自動車排気ガスを浄化し、ヒートアイランド現象を緩和させて いる。比較的据え切り操作が少ない構内道路範囲で、東側入口 ゲートと出口ゲートに排水性舗装に高耐久性高粘度バインダー 材を使用して、表面温度低減型フォトロードを約1600㎡施 工した。 フォトロードとは、自動車排ガス中の窒素酸化物(NOx)を、 出口ゲート 入口ゲート 高機能舗装の道路表面にコーティングした光触媒(二酸化チタ ン)と太陽光(紫外線)の作用により酸化し、中性の硝酸カル シウムとして固定させ、雨水により洗い流す仕組みである。 設計担当者 4、フォトロ-ド 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 3、雨水利用 計画:伊藤 良介、福井 博晃/構造:小西 俊/電気:阪下 佳広/設備:遠藤 健 大気浄化と表面温度低減の仕組み 主要な採用技術(CASBEE準拠) 兵庫県尼崎市 2006 年 59,078㎡ 135,988㎡ 柱RC造+梁S造 地上5階 Q3 .2. まちなみ・景観への配慮(緑化・ランドスケープ) LR1.1. LR1.2. LR2.1. LR2.2. LR3.2. 建物の熱負荷抑制(外壁断熱パネル、熱線吸収ガラス) 自然エネルギー利用(風力発電) 水質源保護(雨水利用) 非再生性資源の使用量削減(柱のPC化) 地域環境への配慮(フォトロード:排気ガス浄化及びヒートアイランド低減) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します No.10-001-2010更新 タクボエンジニアリング東金テクニカルセンター 新築 研究所/工場・物流施設 TAKUBO TOGANE Technical Center 発注者 設計・監理 施工 タクボエンジニアリング株式会社 清水建設株式会社一級建築士事務所 清水建設株式会社 自然採光、自然換気をデザインする 自然が色濃く残る立地条件を生かし、風・光を居住者が最大限に享受できるよう、建築と設備が一体となったデザインを実現した。 カテゴリー N A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 事務室換気窓 居住者とともに進化するパッシブデザイン 建築主は塗装システムの開発・設計・施工を 国内外に展開するトップエンジニアリングカン パニーである。 環境問題と常に向き合ってきた企業の開発セ ンターとして建設された本建物は、同社の強い 環境理念とその取組みを内外に発信できるよう、 「環境負荷削減を目に見える形として具現化する デザイン」をコンセプトとして計画した。 外皮温熱負荷削減も意図した独創的な曲面形 状の外観、スケルトン事務室に自然通風換気・ 自然採光機能が調和した空間デザイン、視覚・風・ 光のつながりを兼ねた工場吹抜など、建築と設 備が一体となり、居住者にとって分かりやすく、 使い勝手の良い建築を目指した。 その結果、年間消費エネルギー量実績は、一 般事務所ビルをベンチマークとしたときの CO2 排出量削減比 50%を達成した。 主風向 表面風圧係数分布 外部風速に対する換気量予測 屋外気流解析による換気効果予測 建物・敷地形状及び卓越風(北東~東)と自然換気開口部位置の検討。シミュレーションの結果、北側換気開口部の風圧係数は +圧となり、約 7 回 /h(v=3m/s 時)の十分な換気量が得られることを確認した。 自然換気風量・風速実測結果(中間期代表日) 建物正面外観 S U N LIGHT 建物頂部のベンチレーター による自然換気システム トップライトからの自然採光 事務 室 自然換気効果の実測 事務室内換気回数:最大 12 回 /h、平均 6 回 /h であり、室内 気流風速は最大でも 0.4m/s と、有効な自然換気が計画通り行 われていることを確認した。 自然換気時の室内温熱環境実測結果(中間期代表日) MV 値は概ね ±0.5 の範囲内、最大で+0.8 の範囲となり、居 住者は自身の快適環境範囲内で、自然換気を積極的に利用し ていることがうかがえる。 曇天でも明るい事務室 プレゼ室 エントランス ホール 工場 WIND FLOW 工場エリア中央に配された吹抜けを中心に各居室がつながり、 組織の一体感を高めるとともに、光、風等の経路ともなっている。 WIND FLOW 東西方向断面図 ユーザー自身が温熱環境をコントロール 左:事務室 ハンドル網付換気窓 中:エントランスホール ジャロジー換気窓 右:工場 メッシュ付搬入扉 N 上 部 トップライト 事務室 (将 来 ) 自然採光時の照度測定結果 事務室のほぼ全域が照度 500 ルクス以上となっている。 居住者ヒアリングでも日中は ほぼ自然採光のみで運用して 事務室の実測照度 いることが確認された。 事務室 工場 吹抜け 鳥瞰 会議室 プレゼ室 エントランス ホール吹抜 け 工場吹抜 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 食堂 2階平面図 光と風のみち 建物中心部に吹抜を配置し、1 階に生産エリア、2 階は吹抜を取囲むように居 室を配置。 この吹抜は視覚的に各エリアをつなぐだけでなく、自然エネルギーを利用す る、光と風のみちとしても機能している。 社員の一体感を高め、周辺の豊かな自然環境を享受できる、生活感豊かな空 間を目指した。 PAL削減 LCCO2削減 バルコニー CASBEE評価 省エネルギー性能 千葉県東金市 2006 年 12,067㎡ 3,969㎡ S造 地上2階 D D U 30 % 50 % Sランク BEE=4.2 2004年度版 自己評価 3.0 100 S 1.5 A 4.2 76 + BEE=1.0 B - B Q 50 0.5 C 0 0 18 50 L 100 エントランスホール 事務室 設計担当者 建築:三嶋 志郎、大橋 一智/構造:辰巳 佳裕 設備:原田 昌明 写真撮影:石黒写真研究所 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2.3 Q3.2 LR1.1 LR1.2 LR1.3 LR3.1 対応性・更新性(荷重のゆとり、スケルトン&インフィル) まちなみ・景観への配慮(周辺の風環境を活かす、緑地の保全、新たなシンボルの形成) 建物の熱負荷抑制(表面積の少ない楕円形状の外皮) 自然エネルギー利用(自然換気、自然採光、太陽光発電) 設備システムの高効率化(全面床吹出し空調、蒸気レス塗装用空調システム) 地球温暖化への配慮(LCCO2削減) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します No.05-004-2010更新 虎屋京都工場 新築 工場・物流施設 TORAYA KYOTO PLANT 発注者 設計・監理 施工 株式会社 虎屋 カテゴリー 勾配屋根、「木」の縦格子、地域材料の石 垣という「和」を想起させる建築と調和さ 排水処理棟 せるため、 A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 鹿島建設 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 KAJIMA DESIGN 自然と呼応する建築・設備 ①段々畑をイメージした緑の駐車場 ②四季の花・食材の花木植栽による里山の 工場棟 風景再現 ③出土した古墳、現存するヒノキ林の保存 森の中の食品工場 (グッドデザイン賞、第1回建築人賞、日事連建築賞、建築学会作品選集) ④軒の深さ、アカマツルーバーによる日射 管理棟 遮蔽 守衛棟 ⑤掘削土の敷地内利用、雨水排水抑制設備 の採用などを計画に盛り込み、環境保全 に努めた。これらのことで、時間とともに さらに広域の自然との共生につながること を意図している。 機能性をデザインする 配置図 勾配屋根とバルコニー・縦格子で構成され た軒下空間は光と影により時間の流れを刻 み、四季の移ろいを室内へ取り入れる “間”としての空間である。その和を想起 するデザインは雨水集水・抑制機能を併せ もつ。落ち葉対策として長さ60mの軒先に は軒樋を設けず、バルコニー全体を軒樋と して計画し、化粧砂利の下に設けられた側 溝を通して1ヵ所に集水、雨水貯留槽へ放 流し、敷地全体の雨水排水抑制を可能にし ている。 雨水集水・抑制機能 管理棟:丹波生野石の石垣 筏森山の山並みと融合した建築 自然と建築の対峙 “森の中の工場”をつくりたい―。 日本の歴史と風土に育まれた和菓子の伝統を後世に伝えるため、恵みに包まれた環 境。眼前に桂川、背後に筏森山の尾根が連なる京都・丹後の森、を敷地に選んだ。だ が最新の食品工場の機能・形態は、自然の中に埋没できるボリュームを超えてしまう ため、自然の中に工場を隠すのではなく、自然の雄大さと建築の力強さを対峙させる ことで、共存を試みた。 管理棟は左右に迫り出る山と山とを繋ぐ「橋」。工場棟は山々へ連続する「橋」の背 景として配置した。有機的な自然と幾何学的建築に関係性を与えることで、自然と建 築が応答を繰り返し、既存の風景に馴染んでいく。アカマツの縦格子、蔵をイメージ した屋根、丹波生野石の石垣、自然の風合を意識した壁。建築の細部に日本の伝統美 をあしらうことで、老舗の風格を表現した。食品工場に求められる明確なエリア別け・ 管理棟:室内よりアカマツの縦格子を望む 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 京都府南丹市 2007 年 9,773㎡ 5,460㎡ RC造、S造 地上4階 管理棟:2階ロビー 管理棟:「縁側」を思わせるテラス 設計担当者 統括:菅野忠司/建築:吉野博史/構造:森崎諭志/設備:酒井達也・中田圭介/外構:ランドスケープデザイン 鵜川武史 動線計画、開口部を制限して気密性・防虫性を追求した基本性能を満足させている。 建物データ 管理棟:内部階段 CASBEE評価 Aランク BEE=1.6 2006年度版 自己評価 3.0 100 S 1.5 A 1.6 72 + BEE=1.0 B - B Q 50 0.5 C 0 0 43 50 L 100 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q3 .1 Q3 .2 LR1.1 LR1.3 LR3.2 LR3.3 生物環境の保全と創出 (外構緑化、地域の郷土種への配慮) まちなみ・景観への配慮 (地域性のある素材、歴史性の継承(出土古墳の保護)) 建物の熱負荷抑制 (庇の深い外装 高気密) 設備システムの高効率化 (LED照明、センサー制御) 地域環境への配慮 (掘削土の敷地内利用、雨水排水抑制設備) 周辺環境への配慮 (自然林の保護、現存するヒノキ林の保存) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します 日本伸縮管株式会社 ニューロン・ラボ 発注者 日本伸縮管株式会社 設計・監理 鴻池組大阪本店一級建築士事務所 施工 株式会社鴻池組 大阪本店 No.07-002-2010更新 新築 研究所/工場・物流施設 カテゴリー 太陽光発電 屋上緑化の東側と西側に、真南に面した太陽光パネルを2面設置し、そ のパネルで発電する電力量は1階エントランスのモニターに表示される。 1年間で発電される電力量はおよそ10,200kwhで、省エネと地球温暖化 A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 防止に寄与している。 自然との共生をめざして・・・ 発注者の企業理念、設計コンセプト 発注者は、読んで字のごとくインフラ 発電量表示パネル のステンレス製伸縮管設備の研究及び 屋上の太陽光パネル 製造する会社であり、当建物はその伸 縮管の研究・開発・製造施設を兼ね揃 ビオトープ えた建物として計画された。 このビオトープには、絶滅危惧種である 以前より社長には「我社の活動として モロコ、タナゴ、メダカなどが放流され 社会に役立つものを製造しているが、 ており、それらの回生を目標にPH管理も 自然に対してはモノづくりをする上で 随時行われている。また、ホタルを呼ぶ のCO2排出等、必ずしも自然環境に則 ためにカワニナ(ホタルの幼虫のえさ) したものばかりではない。せめて施設 も放たれている。中央に見える東屋は自 としては自然に優しいものでありた 社製造技術の広告を兼ねたオブジェであ い」という理念があった。自然と共生 り、建物竣工時よりマスコミだけでなく できるサステナブル建築に対し、経営 地域住民、子供たちの注目の的になって 者の方にかなり積極的な姿勢があった いる。また、自然に囲まれた環境は社員 こともあって、様々な試みを取り入れ の憩いの場ともなっている。 た施設とした。 東屋(オブジェ) ビオトープ 外観写真 雨水貯留槽 屋上緑化と自動灌水システム 工場屋根面積の半分にあたる 屋上緑化部分には世界初といわれている「知 約870㎡の屋根に降った雨を工 能化制御潅水システム」と名付けられた自動 場の地下に設置した雨水貯留 灌水システムを導入し、屋上でわずか厚み 槽に集水・貯留し、その水を 15cmの土で作物、樹木、芝生を育てている。 工場内で利用している。 「知能化制御潅水システム」とは、土中の湿 貯水量は約25tで、節水とイン 度や気温のデータに3時間後の気象予報デー フラの負荷低減の両立を果た タを組み合わせ、IT制御により潅水の要否判 している。 リフレッシュルーム リフレッシュルーム 断をするシステムである。 事務所の2階には広さ約170㎡のリフレッ 自然エネルギーである「雨」を最大限に有効 シュルームを設置している。室内にはビ 利用し、定時潅水の約40%節水ができるとい リヤード、ソフトダーツ、その他の娯楽 う実験データもある。 設備が置かれて、快適なオフィス環境の また、この屋上緑化は建物内の空調制御にも 創出に寄与している。 有効で省エネ(CO2削減)にも有効である。 インテリアもあえて一般の執務室とは全 植物本来の生育力で旬の野菜、果物の収穫が 自動灌水システムを導入した屋上緑化の芝生ゾーン(右下は菜園ゾーン) 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 楽しめる。 CASBEE評価 京都府相楽郡精華町 2007 年 10,944㎡ 3,546㎡ S造 地上2階 B+ランク BEE=1.4 2006年度版 自治体提出 く変わったものとして、気分転換しやす 工場内雨水貯留槽 3.0 100 S 1.5 A 1.4 58 Q 50 B + BEE=1.0 B - 0.5 C 0 0 40 50 L 屋根伏図 い空間作りを目指した。 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q3. 1. 生物環境の保全と創出(ビオトープ) Q3. 2. Q3. 3. LR1.2. LR2.1. まちなみ・景観への配慮(前面道路から20m控えた建物配置) 地域性・アメニティへの配慮(前面道路に面したビオトープ及び東屋、外壁緑化) 自然エネルギー利用(太陽光発電) 水資源保護(雨水利用) 100 サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します プロロジスパーク座間Ⅰ No.21-001-2010更新 新築 工場・物流施設 ProLogis Parc ZamaⅠ カテゴリー 発注者 プロロジス 設計・監理 株式会社フジタ一級建築士事務所 A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB Fujita Corporation E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 株式会社フジタ 横浜支店 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 施工 ①環境負荷の少ない施設づくり ・自然エネルギー利用と省エネルギー 屋根全面に国内物流施設最大規模である発電出力 1メガワットの太陽光発電パネルを設置、パワー コンディショナー、昇圧トランスを介して、本体 電力と系統連携をおこなっている。また、環境に ついて啓蒙する取組みとして、見学用デッキを設 置すると共に、発電状況をリアルタイムでプロロ 環境に配慮した超大型物流センター ジスのウェブサイトで確認できるようにしている。 太陽光発電量 最も使用電力の多い照明は、エネルギー消費効率 計画コンセプト 〔Lm/W〕が高く定格寿命を重視して器具を選定、 「プロロジスパーク座間Ⅰ」は、床面積14万㎡の大型 点滅回路は事務所・倉庫ともフル2線式リモコン 物流施設である。当開発では“サステイナビリティ” として、点滅区画と退出口にエリアリモコン、集 を理念に、環境配慮がこれまで以上に要求される社会 中リモコンを適宜設置し省エネと利便性に考慮し 情勢を踏まえ、かつ敷地周辺に住居が多い立地特性を た。外壁には省エネ効果の高い金属断熱パネルを 考慮し、特に以下の項目に重点的に取組んだ。 採用し、効果的にLCCO2を削減している。 ① 1メガワット太陽光発電システムの導入をはじめと ・長寿命化 した、環境負荷の少ない施設づくり 建物の長期使用はLCCO2削減の本質であり、構造 ② 地域環境へ配慮した施設づくり・施設を使用する と設備もその考えに従っている。構造面では免震 人にやさしい施設づくり 構造を採用、保管物と従業員の安全確保とともに、 CASBEE第三者認証でSランク認証を取得。評価項目で 上部躯体・設備類の損傷を防止している。柱・梁 は、免震PCによる躯体の長寿命化、更新への配慮、配 は全てプレキャストプレストレスの高強度高品質 置外構計画、太陽光発電、CO2削減が評価され、指標 な躯体として、建設時LCCO2削減と高耐久性を両 BEE値は3.9と物流施設として最高の値(2010年1月時 立した。 点)である。 設備は倉庫4分割対応をベースとしながら、入居 太陽光発電パネル 屋根 ▽ 道路境界線 上りランプ 守衛室 ▽ 隣地境界線 車路 共用棟 プロロジスパーク座間Ⅱ 開発予定地 △ 道路境界線 ▽ 隣地境界線 鉄塔 車路 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 トラックバース UP 上りランプ 車 路 基準階平面図 車動線・インフラ接続などを総合的に ②施設周辺環境へ配慮した施設づくり・施設を使用する人に 計画している。建物は敷地境界から大 やさしい施設づくり きく後退させボリューム感を軽減し、 建物は道路境界から東側で約50m、西側で約30m後退させ圧 周辺に緑豊かな景観を提供している。 迫感を軽減、地域郷土種を含めた多様な樹種による沿道緑化 建物は、1フロア約2万4000m2の を行っている。特に市街化調整区域に接する西側はバッファ 大規模な倉庫スペース、40fコンテ ゾーンとして、野鳥の生息を考慮した照葉樹による巾20m長 ナトレーラーが各階へ直接乗り入れる さ290mの緑地帯とした。その他、雨水については、2900tの 円形大型ランプウェイ、合計約190 雨水浸透貯留槽を設置し、降雨時の河川氾濫の抑制と地下水 台分のトラックバース、約350台分 への還元を図っている。歩道を延長380m拡幅整備して寄付、 の屋上駐車場を備え、物流の作業効率 交通負荷について安全性を向上している。 画している。 ERR(CASBEE準拠) LCCO2削減 CASBEE評価 56 % 21 % Sランク BEE=3.9 2008年度版 第三者認証 共用棟と歩行者アプローチ 3.0 100 S 1.5 A B + BEE=1.0 3.9 72 B - Q 50 0.5 C 0 0 18 50 L 100 施設従業員にも快適な環境を提供するため、レストラン、売 店、休憩所、託児所機能を備えた解放的な共用棟を計画した。 設計担当者 全体配置図 省エネルギー性能 神奈川県座間市広野台 2009 年 31,580㎡ 139,222㎡ RC造一部S造(免震構造) 地上5階、塔屋1階 トラックバース いる。 を最大限まで高めた物流施設として計 ▽道路境界線 プロロジスパーク座間 下りランプ スパーク座間」として、建物配置・歩 駐車場 太陽光発電パネル 車路 中央コア れるパーク座間Ⅱを含めた「プロロジ 雨水浸透 貯留槽 屋根 (5階) 下りランプ 東コア 西コア 来の変更を見込んだフレキシビリティを持たせて 全体計画は、別棟の共用施設・予定さ 事務所 倉 庫 DN ▽ 隣地境界線 雨水浸透 貯留槽 事務所対応 備設置スペース、PS・EPSの分散配置により、将 車路 屋上乗用車駐車場 (4階屋根) 免震装置 300m 企業の運用に対応できる予備電源を用意、空調設 建築計画 駐車場 倉庫内部 103m プロロジスパーク座間全景 N 太陽光パネルと見学スペース 統括:加藤壮/建築:河村賢一、東園宏仁/構造:奥村等、 笹井克彦/ 四季の緑を楽しめる歩行者専用アプローチ等、歩行者分離も 設備:鈴木浩史/電気:畠明/外構:堀田忠義 徹底した。 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2. 2. 耐用性・信頼性(免震構造、プレストレストプレキャストコンクリート造、フルPC化) Q2. 3. Q3. 1. LR1.1. LR3.1. LR3.2. 対応性・更新性(荷重のゆとり、テナント設備の増設対応) 生物環境の保全と創出(外構緑化、野鳥の生息に配慮した緑地帯、地域の郷土種への配慮) 自然エネルギー利用(1メガワットの太陽光発電システム) 地球温暖化への配慮(LCCO2削減:太陽光発電、高効率Hf蛍光灯) 地域環境への配慮(中高木植栽による日陰の形成、交通負荷軽減、雨水浸透貯留) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します ヤクハン製薬株式会社中央工場 発注者 ヤクハン製薬株式会社 設計・監理 熊谷組首都圏一級建築士事務所 施工 株式会社熊谷組北海道支店 No.06-002-2010更新 新築 工場・物流施設 カテゴリー A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 H. ランニングコストを低減する熱源空調計画 バルクタンク 製造工程毎に異なる熱負荷特性に応じた個別運転・設定が可能 の故障時における他室への影響が最小限であり、更新性も優位 評価技術/FB 生産・施工との連携 であること、そしてエネルギー単価が安価なことなどの理由に 温熱源より G であること、個別分散の空調方式のため、メンテナンスや万一 室外機 R R R よりガスヒートポンプエアコン(GHP)方式を採用ました。 S OA 直膨コイル組込 外気処理 空調機 OA 設計段階では、後述する省エネルギーに配慮した室圧管理計画 と併せて、電気方式(EHP)と比較して約21%のランニン 生産工程及び地域特性を理解し、全体最適に取り組んだ無菌医薬品製造工場 排気ファン グコストの低減が見込めると試算ました。 EA SA 工場にはハードウェアとしてBEMSなどのエネルギー管理設 アルコール系、ヨウ素系ほか各種の殺菌消毒剤を製造する本施設 備は設置していないが、生産施設として省エネ、省CO2は避 は、原料であるアルコールを大量に取り扱う危険物製造所であり、 けて通れない課題です。今後、消費エネルギーの実測調査や室 防爆仕様ながらGMP(Good Manufacturing Practice)に基づく無 内環境の快適性や改善要望など従業員へのヒアリングを行い、 菌空調システムを備えたクリーンルームを有しています。また、 フィルターユニット クリーンルーム 持続的に建物を使いつづけてもらえるよう働きかけていきたい 各製剤の原料水はイオン交換並びに逆浸透膜システムにより製造 です。 吸込口 吸込口 と考えてます。 した精製水を使用するなど高い製造能力を備えた医薬品製造工場 室内機 室内機 生産 装置 省エネルギーに配慮した室圧管理 熱源空調システム図 部分最適から全体最適へ転換した施設計画 (ゾーニング計画と非製造時モード運転) GMP対応と危険物製造所という2つの大きな法規制が該当すると共 工場内の換気ゾーニングを製造ライン工程やGMPに基づき、 に、北海道という地域特性がある中、建物のライフサイクル全般 「クリーンルームとして清浄度規定のある区域」「クリーンル にわたって、情報及び与条件の不足に起因する「3無(むり、むだ、 ームではないが包装室などの製造区域」「原材料や容器保管庫 むら)」の徹底的排除に努めました。その結果、「生産ライン」 などの非管理区域」の3系統に分類ました。 「プラント」「建屋」が各々分離独立計画する従来の「部分最適 清浄度規定のある区域は、特に「室圧重点管理ゾーン」と位置 形」から「装置プラント・建屋」が三位一体となった「全体最適 付け、室内陽圧維持用の外気処理空調機は24時間運転とまし 形」へ転換し、合理的な空間設計とエネルギー消費を押えた効果 た。 的な施設が完成しました。 24時間系統の外調機はインバータ搭載の変風量方式とし、供 外気処理空調機 排気ファン 電子式CAV 保管庫へ排出 開 給ダクト内の電子式CAVと組み合わせて夜間などの非製造時 には室圧保持のための最小風量運転モードを設定して、省エネ ルギー運転を行いました。(右システム図参照) 非管理区域への給気は製造区域からの空調二次空気を導入し、 入出荷室など外部と直接面するエリアへはさらに三次空気を取 り入れて順次カスケード的に利用することで、外気負荷の低減 開 開 充填 (A) 微差圧 ダンパー 【製造時(昼間)モード】 外気処理された新鮮空気を各室に供給、排気ファン にて大気排出する。清浄管理室の室圧管理は微差 圧ダンパーによって行う。 を図りました。 電子式CAV 無菌医薬品充填室 調整 開 開 (最小) 開 (最小) 電子式CAV 微差圧 ダンパー 充填 (A) 【非製造時(夜間)モード】 外気処理空調機 (GHP直膨コイル組込) アルコール製剤調合室 外観 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 CASBEE評価 北海道北広島市 2008 年 16,529㎡ 4,161㎡ S造 地上2階 Aランク BEE=1.6 2006年度版 自己評価 3.0 100 S 1.5 A 1.6 61 B + BEE=1.0 B - Q 50 0.5 C 0 0 38 50 L 100 設計担当者 建築(意匠):宮本勝正 微差圧ダンパー(角型) 構造:濱田弘行 設備:高木朋也 各分岐ダクトに設置している電子式CAVを調整してクリ ーンルームの陽圧管理分のみの外気を取り入れて省エ ネルギーを図る。 電気:山岸徹 技術:遠藤登史光 主要な採用技術(CASBEE準拠) Q2.3 対応性・更新性(設備の更新性) LR1.1 LR1.2 LR1.3 LR1.4 LR2.1 建物の熱負荷抑制(PAL性能、製造エリアの無窓化) 自然エネルギー利用(外気冷房) 設備システムの高効率化(ERR性能) 効率的運用(BEMS、清浄度・室間差圧管理) 水資源保護(節水型機器、井水利用) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します No.03-010-2010更新 六花の森プロジェクト 外構・景観 工場・物流施設/美術館・博物館 Rokka-Forest Project 発注者 六花亭製菓株式会社 基本計画 株式会社 大林組 デザイン監修 OBAYASHI CORPORATION 株式会社 大林組 施工 古民家を再生した建築群 (坂本直行記念館、各美術館など) 湿地の回復 河道跡を活用したせせらぎ 湿地の回復 微地形を活用した湿地 カテゴリー A. 環境配慮デザイン B. 省エネ・省CO2技術 C. 各種制度活用 D. 評価技術/FB E. リニューアル F. 長寿命化 G. 建物基本性能確保 H. 生産・施工との連携 I. 周辺・地域への配慮 J. 生物多様性 K. その他 三番川 礼内川(一級河川) 池(ミズバショウ) 自然と対話する厚生エリア 河畔林をつなぐみどり 河畔林の保存 (オオバナノエンレイソウなど) 地域固有の植物に着目した工場・美術館とランドスケープ アート 風景に力強さを与える彫刻 既存樹(ハルニレの巨樹)を 保存した木立 お 菓子工場 敷地踏査に基づく緑地環境資源の抽出と活用 駐車場 六花亭製菓が工場を帯広市郊外の中礼内村に建設を計画。1997年2月より 丘の創出 風景を取り込む地形づくり 湿地のまわりに生育した 地域の山野草エリア アートを取り入れた 車寄せ N 敷地調査を始め、計画地周辺の豊かな自然環境に溶け込んだお菓子工場、 古民家を活用した 受付売店棟 駐車場 ランドスケープづくりを目指し、約10年の歳月を掛けて(工場は1998年竣 2007年六花の森オープン時の配置図 工) 2007年9月に約10haの広大な「六花の森」がオープンした。 植生の保全 計画・設計において大林組は生物多様性、地域景観などに配慮し、敷地内 現地での踏査・分析により、乾燥し外来種が繁茂する植生 に存在する自然環境の調査をもとに、環境資源を丹念に抽出することで、 の現状を確認した。地域固有種を中心とした植生の回復・ 敷地固有の植物の保全、地域景観でもある河畔林の保全とネットワーク 化、微地形や河道跡を手掛かりとしたクリークの創出や湿地の回復、エコ 敷地内踏査で明らかになった林床植物 トーンの創出など、エコロジカルな屋外環境づくりに取り組んだ。 保全を図った。オオバナノエンレイソウ、ニリンソウ、エ ゾエンゴサク、オオイタドリ、スミレ、フクジュソウ、ク サソテツ、オオブキ、ユキザサ、エゾニュウ、アマドコ 埋もれていた自然を丁寧に拾い上げ再構成することにより、敷地が本来有 放置され外来種の草本類が繁茂して乾燥化が進んでいた敷地 ロ、サンナシ、ハルニレ、ケショウヤナギ、ドロノキ等 していた環境的特徴を顕在化させ、豊かな水とみどりによる魅力ある空間 河畔林の強化保全 に再生した。 航空写真の分析や現地踏査から、分断・孤立林化した河畔 広大な河畔林景観のなかで自然に溶け込んだお菓子工場、古民家の再生に 林の現状を確認した。地域の植生を考慮した幼木を植栽す よる美術館、地元作家によるアートの配置など環境・建築・復元・修景・ ることにより、河畔を一つの系として捉えてエコロジカル 文化芸術など様々な分野が融合したランドスケーププロジェクトである。 ネットワークの創出を図った。札内川流域に広がる地域特 敷地内で見られる植物や生き物たち 冬季は、ハルニレやサンナシなどの高木以外は一面雪に覆われる 日高山脈と札内川流域の河川景観が地域特有の景観資源 有の河川景観を強化することにつながった。 エコ・トーン(移行帯)の創出 敷地内の湿地を回復し、陸域から水域にいたる多様な植生 を可能にする緑地環境の創出を図った。草本類の多様性は クリークの形状に大きく左右される点に着目した。抽水植 既存のハルニレ林などを保全しつつ造成を開始した頃の敷地 物や小動物の棲家となる多様な環境を創出するためのク リーク形状を検討し、敷地条件に配慮しつつランドスケー プ計画に盛り込んだ。 湿地の回復 地形図の分析や現地での踏査から、敷地内に残る河道跡 (みずみち)や伏流水、河岸段丘の特徴を確認した。調査 結果をもとに湿地ゾーンの回復を図った。乾燥化による植 生の変化を抑え、外来種を抑制し地域の草花を保全・育成 する環境を創出した。(回復した湿地の面積約5,000㎡) 微地形を活用 坂本直行記念館 工場と池を中心とした前庭 地形の微細な特徴を抽出し、クリークの形状や湿地、園路 多様な植物を導き、敷地内に潤いをもたらす湿地の創出 基本計画・デザイン監修担当者 草木を生育可能にし、地域の原風景をつくりだすことにつ 統括:飯田郷介/建築:川瀬俊二、東淳子、堀池隆弥 ながった。 ランドスケープ/岩井洋、寺井学 主要な採用技術(CASBEE準拠) 建物データ 所在地 竣工年 敷地面積 延床面積 構造 階数 昔の河道跡を基にしたクリークの創出と多様なみどり などの配置計画に取り入れた。水域から陸域までの多様な 北海道河西郡中札内村中札内西3線ほか 1998 年 (六花の森は2007年オープン) 約100,000㎡ 3,669.40㎡(工場)450㎡(美術館) RC造(工場)、木造(坂本直行記念館) 地上2階(工場)、地上1階(美術館) Q3.1. 生物環境の保全と創出(地域郷土種への配慮:敷地内の自然資源の踏査) Q3.1. 生物環境の保全と創出(野生小動物の生息域の確保:エコロジカルネットワークの強化) Q3.1. 生物環境の保全と創出(山野草などの貴重種の保全:オオバナエンレイソウやフクジュソウなど) Q3.2. まちなみ・景観への配慮(地域景観に配慮した配置や高さ:周辺緑地の稜線に配慮した建築計画) Q3.2. まちなみ・景観への配慮(河畔林の保全と湿地の回復:クリークなどによるエコトーンの創出) Q3.3. 地域性・アメニティへの配慮(自然に触れるランドスケープ空間の提供:微地形を活用した場づくり) サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会 ※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
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