BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 4G の本格化に伴う通信業の変化 トランザクションバンキング部 中国調査室 メイントピックス...................................................................................................................... 2 4Gの本格化に伴う通信業の変化 ............................................................................................................................2 稲垣清の経済・産業情報 ........................................................................................................ 6 中国の高齢化社会への突入と介護ビジネスの可能性 ........................................................................................... 6 全国情報 ............................................................................................................................. 8 【マクロ経済】 ............................................................................................................................................................. 8 2013 年のCPIは前年比 2.6%増=抑制目標を達成 .......................................................................................... 8 2013 年の貿易総額、前年比 7.6%増 ................................................................................................................. 8 12 月のHSBCサービス部門購買担当者指数(PMI)、28 ヶ月ぶりの低水準 .................................................... 8 【金融】....................................................................................................................................................................... 9 銀監会、2014 年工作会議を開催=民営銀行の参入を許可 ............................................................................ 9 2014 年も穏健な金融政策を継続=中国人民銀行............................................................................................ 9 シャドーバンキング、規制強化へ ........................................................................................................................ 9 保監会、保険企業の創業板投資を許可............................................................................................................. 9 【産業】..................................................................................................................................................................... 10 2013 年の新車販売台数、2000 万台超 ............................................................................................................ 10 日系自動車トップスリー、年間販売台数の過去最高を更新 ............................................................................ 10 【政策】..................................................................................................................................................................... 10 クロスボーダー電子商取引小売輸出企業、税金還付、免税政策が適用 ....................................................... 10 上海自由貿易試験区、家庭用ゲーム機の製造、販売を解禁 ......................................................................... 11 上海自由貿易試験区、外資にVPN業務を解禁 .............................................................................................. 11 地方情報 ........................................................................................................................... 12 【北京】 2013 年の財政収入、前年比 10.4%増................................................................................................ 12 【上海】 2013 年の土地譲渡収入は 2,000 億元超 ........................................................................................... 12 【山東】 青島市、2013 年の対外投資は 70 億元超え...................................................................................... 12 【広東】 大気汚染の応急措置に、一部公用車の使用を禁止 ......................................................................... 12 【成都】 四川省の高速道路、延べ 5,000 キロに............................................................................................... 12 【深セン】宝安国際空港、2013 年の旅客数は延べ 3000 万人超え................................................................. 12 中国のマクロ経済指標 ......................................................................................................... 13 BTMUの中国調査レポート(2014 年 1 月) ............................................................................. 14 1 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 メイントピックス 4Gの本格化に伴う通信業の変化 工業情報化部は 2013 年 12 月 4 日、中国移動通信(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナテレコム)、中国 聯通(チャイナユニコム)の 3 社に対し、TD-LTE(Time Division Long Term Evolution)の経営免許、つまり 第 4 世代(4G)モバイル通信業務のライセンスを発給した。これは、通信キャリア大手 3 社は正式に 4G の運 営が可能となり、中国も 3G から 4G の社会に移ることを意味している。本稿では、公開資料をベースに、4G 時 代の特徴、通信キャリアそれぞれの発展状況、市場規模および業界への影響について分析してみたい。 Ⅰ.4G の特徴 工業情報化部はライセンスの発給について、4G はネット接続スピードが速い、アクセス遅延時間が短い、接 続料金が安いなどの特徴を有しており、これにより、モバイルビジネス、モバイル交通物流等の新たな業務形 態を生み出すことができると説明した。試験データによると、ダウンロードスピードは 100Mbps と、現在のダイ ヤルアップ接続より 2000 倍速く、アップロードスピードも 20 Mbps に達している。例えば 4G の環境下で、容 量が 2GB の HD(高精細度)動画をダウンロードすると、わずか約 5 分間で完了する。そのうえ、遅延時間が 0.05 秒未満と 3G の 1/4 である。 また、同部はライセンスの発給は情報消費の促進、経済成長の牽引に重要な意義があると強調した。3G の 発展を例にとってみると、最初の 3 年間、直接投資 4,556 億元、間接投資 2 兆 2,300 億元を牽引しており、 GDP に対し直接的に 2,110 億元、間接的に 7,440 億元寄与した。中信証券の予測によると、4G 導入による 経済への波及効果は、2013-2015 年の設備投資総額が 1,400 億元に上り、このうち、主体設備、伝送投資、 基地局関連、電源の投資総額はそれぞれ 619 億元、107 億元、479 億元、179 億元となるとしている。 中国の 4G の正式な商用化はグローバル通信業の流れにも順応している。GSA(世界移動式設備供給業者 協会)の統計では、2010 年スウェーデン通信キャリア TeliaSonera が世界初の LTE ネットを正式商用化して 以来、既に 83 ヶ国が 222 件の LTE 網を構築しており、今年末までに 260 件に達する見通しだという。ただし、 今回発給された 3 件の 4G ライセンスは中国自主規格の TD-LTE である。現在の世界大手の 4G 事業者は 国際的に主流となっている FDD-LTE 規格を採用している。GSA の統計によると、現在、TD-LTE 網は世界で 39 件しかなく、ユーザー規模が小さい。 工業情報化部は、条件が熟せば、FDD-LTE のライセンスを発行する方針を明らかにした。順調に行けば、中 国電信と中国聯通は FDD-LTE のライセンスを取得すると見込まれる。但し、TD-LTE が産業化する前に、 FDD-LTE のライセンス発行の具体的なタイムテーブルが見えないと関係筋は言う。 Ⅱ.大手 3 社それぞれの情勢 中国移動の勝利には尚遠く 【表1】中国移動2007年-2013年第1-3四半期の収入と純利益の変動 業界では、今回のライセンス発行は中国移動 営業収入 に最も有利に働くと見られており、同社はこれ (億元) までの不利な局面を挽回できると見込んでい 2007年 3,569.59 2008年 4,123.43 る。3G 時代の過去 5 年間、中国移動は中国独 2009年 4,521.03 自の規格 TD-SCDMA(Time Division 2010年 4,852.00 Synchronous Code Division Multiple 2011年 5,279.99 2012年 5,604.00 Access)を採用したことが影響し、利益の伸び 2013年 率が 2 桁から 1 桁に後退した。2007 年と 2008 年 第1-3四半期 4,630.00 は、純利益の伸び率がそれぞれ 31.9%と (出所)中国移動の決算報告 2 伸び率 (%) 20.9 15.5 9.8 7.3 8.8 6.1 純利益 (億元) 870.62 1,127.93 1,151.66 1,196.00 1,258.70 1,293.00 伸び率 (%) 31.9 29.6 2.3 3.9 5.2 2.7 9.4 915.00 -1.9 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 29.6%に達したものの、2009 年に 3G の運営が開始されて以来、2009 年の 2.3%、2010 年の 3.9%、2011 年 の 5.2%、2012 年の 2.7%と急速に縮小し、2013 年第 1-3 四半期はマイナスに落ち込んだ(表 1)。 逆に、国際的に主流な規格である WCDMA のライセンスを取得した中国聯通は数年にわたり高成長を遂げ、 アップルの iPhone 販売促進によるコスト増に伴い、短期的に伸び率が下落した 2009 年と 2010 年を除き、 2011 年と 2012 年の純利益はそれぞれ 20%と 68.5%に急増した(表 2)。中国電信も今年第 1-3 四半期の純 利益は前年同期比+17.1%の 147.14 億元となった(表 3)。 【表2】中国電信2007年-2013年第1-3四半期の収入と純利益の変動 営業収入 (億元) 1,775.88 1,847.79 2,082.19 2,193.67 2,450.41 2,830.70 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 第1-3四半期 2,381.86 (出所)中国電信の決算報告 伸び率 (%) 2.8 4.0 12.9 5.0 11.7 15.5 純利益 (億元) 225.17 200.66 132.71 152.62 165.02 149.25 伸び率 (%) 1.1 -12.8 -33.9 15.0 6.5 -9.5 9.7 147.14 17.1 【表3】中国聯通2007年-2013年第1-3四半期の収入と純利益の変動 営業収入 (億元) 1,004.70 1,712.40 1,539.50 1,713.00 2,091.50 2,489.30 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 第1-3四半期 2,201.70 (出所)中国聯通の決算報告 伸び率 (%) 4.1 -5.7 -1.2 11.3 22.3 19.0 純利益 (億元) 93.19 143.30 95.60 38.50 42.12 70.96 伸び率 (%) 166.0 58.2 -35.2 -59.7 20.0 68.5 19.0 83.70 51.0 中国移動の関係者は、4G についてユーザーからは「スピード」・「カバー率」・「料金」・「サービス」の 4 要素へ の期待が大きいと説明した。しかし現時点では 3G・4G ともに、ユーザーが多くなるほどスピードが落ち、初期 時点でのカバー率も低い。また、エリクソン消費者実験室が発表した「2013 都市消費者通信行為研究報告」 によると、69%の人はデータ通信料金が高いと感じている。このように、中国移動はユーザーの期待を十分に は満たせていない。 ライセンス発行前の某内部会議で、中国移動の李正茂・副総裁は、2013 年に同社の 4G をカバーする都市数 を 100 大中都市以上に、基地局数を 20 万以上に、また 2014 年中更に 20 万の基地局を建設、都市数を 300 以上に拡大する目標を示した(表 4)。しかし、2013 年の 20 万局のう 【表4】通信キャリア大手3社の4G網構築計画 ち、約半分が計画通りに完成して 中国移動 中国電信 中国聯通 いない。基地局用地の不足およ 基地局総数 20万局 6万局 5.2万局 び緩慢な内部手続が要因である TD-LTE/FDD LTEの割合 20万/0万 1.8万/4.2万 1万/4.2万 という。中国移動の内部統制の問 100都市 31省 6省 カバー都市数 関連金額 約200億元 約100億元 約100億元 題が 4G の進捗を妨げ、業績の (出所)公開資料をもとに整理 好転を阻んでいる。 聯通と電信のジレンマ 工業情報化部は今回、TD-LTE のライセンスのみを発行したが、中国電信と中国聯通は FDD-LTE のネット ワーク構築を諦めていない。理論的には、中国聯通の 3G の WCDMA 技術は FDD-LTE へ円滑にグレード アップできる。一方、中国電信の CDMA2000 規格はいずれの規格にもスムーズに転換することは困難であり、 どちらにしても改めてネットワークを構築する必要がある。中国電信のネットワークは大手 3 社の中で最も進ん でおらず、ネットワーク構築の資金不足が同社の最大問題である。中国電信の 4G 網の建設計画によると、 TD-LTE への投資は 3 割に止まり、FDD-LTE を主に発展させる予定である。しかし、FDD-LTE のライセンス 発行をただ待ち続けていれば、4G 市場を失う恐れがある。かといって TD-LTE を拡大すると、重いコストの圧 力および建設期間を負うことになる。 長期的にみると、中国聯通と中国電信の 4G 網構築に差はないものの、現実的にみると、両社の 3G 投資は 回収期に入ったばかりであることから、力強さに欠けている。今年第 1-3 四半期の両社の純利益はそれぞれ 前年同期比+17.1%と+51%となった。 3 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 今後、中国聯通と中国電信の市場構成に大きく影響するポイントは、FDD-LTE のライセンスの発行方式およ び発行時期であろう。工業情報化部科学技術司の関係者は、ライセンスの発行は半年後或いは一年後、もし くは発行しない可能性すらあり、全ては今後の TD-LED の発展状況次第であるとコメントした。発行時期に よって、中国聯通と中国電信の市場環境が全く異なるといえよう。 大手 3 社の市場シェア 2012 年決算報告から大手 3 社の業務別市場シェアを分析してみる。まず、モバイル通信の既存ユーザー数 をみると、国内通信市場の競争構成が依然として大きな偏りが存在している。2012 年末時点の中国移動、中 国聯通、中国電信のモバイルユーザー数はそれぞれ 7.1 億人、2.39 億人、1.61 億人で、3 社全体の総数に 占める割合はそれぞれ 64%、21.5%、14.5%となっている(図 5)。3G のユーザー数について、2012 年末時点 の中国移動、中国聯通、中国電信の 3G ユーザー数はそれぞれ 8,793 万人、7,645.6 万人、6,905 万人に達し ており、市場シェアはそれぞれ 37.7%、32.8%、29.6%となり、市場シェアの差が 2G 市場に比べ顕著に縮小 している(図 6)。 【 図5】 通信キャリア3社のユーザー数 ( 2012年末) 【 図6】 通信キャリア3社の3Gユーザー数 ( 2012年末) 中国電信 29.6% 中国電信 14.5% 中国聯通 21.5% 中国移動 64% 中国移動 37% 中国聯通 32.8% 一方、固定ブロードバンド市場について、歴史的な背景により、「南電信北聯通」の二社寡占の様相を呈して いる。2013 年第 3 四半期末時点で、中国電信と中国聯通の固定ブロードバンドのユーザー数はそれぞれ 9,804 万人、6,408 万人となっている。中国移動はずっと固定ブロードバンドの運営ライセンスを取得できな かった。一方で、中国電信と中国聯通は「3G+ブロードバンド」という固定・移動のセット販売方式により、3G ユーザーの拡大を実現した。 ブロードバンドとの協同効果 中国聯通と中国電信は蓄積された固定ブロードバンド分野における優勢も 4G によって剥離しつつある。 4G のスピードが 3G の 10 倍で、光ファイバーに匹敵することから、4G が発達した国では、固定ブロードバンド に対する剥離現象が顕在化している。日本の通信事業者である NTT の光ファイバー・ブロードバンドの家庭 ユーザー数をみると、2012 年の新規ユーザー数は 4G 商業化前の 2010 年より 40%低下した。また、4G の利 用により、光ファイバー・ブロードバンドの使用量も減少しつつある。 工業情報化部は 4G ライセンスを発給すると同時に、中国移動に対する固定ブロードバンド業務の制限を撤 廃した。中国移動のブロードバンドのライセンスの取得は中国聯通と中国電信を脅かしている。 中国移動本部では 4G ネットワークの投資を推進し、固定ブロードバンド市場では展開を図らない戦略である。 一方、各子会社では、固定ブロードバンドとの協同効果がなければ、電信・聯通から政府機関や大企業等の 大手ユーザーを獲得することができないと認識しており、本部の政策と正反対であり、中国移動グループの営 業戦略の足並みの乱れが窺える。 Ⅲ.通信業界へ与える影響 通信業界のこれまでのライセンス発行や再編と違い、4G ライセンスは運営キャリアの間の市場構成に変化を もたらすだけではなかろう。4G 時代のインターネットの先進性はモバイルインターネットの利用をいつでもどこ でも可能にした。新たなインターネット技術の影響により、通信業界全体が変化しつつある。 4 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 OTT(Over The Top、インターネット会社が通信事業者に代わり、自らデータ業務を展開すること)事業者の 攻勢により、通信キャリアの存在感が薄くなる懸念が高まっている。これは今年初めの中国移動とテンセント (騰訊)との WeChat の有料化に関する争いからも窺える。 政府としても監督管理を強化しており、2013 年 5 月に工業情報化部は「移動通信転售業務 1 試行方案」を発 表し、12 月 26 日、民営企業 11 社は工業情報化部から第一陣のモバイル通信転売業務の試行資格を取得し た。長期に渡り禁止されていた基礎通信分野はとうとう民間資本へ開放されることとなった。 インターネット技術の発展に伴い、中国の三大通信キャリアはより広い範囲で根本的な変革を通じて、技術革 新と産業再生の流れを促進していくことが必要であろう。 三菱東京 UFJ 銀行(中国)トランザクションバンキング部 中国調査室 孫元捷 1 移動通信転售業務(モバイル通信転売業務)とは、モバイルネットワークを持つ基礎通信経営者からモバイル通信サービスを購買 し、新たに自己ブランドにパッキングした上、最終ユーザーに販売するモバイル通信サービスを指す。これらの企業は伝送網等の通 信インフラを自ら構築することなく、費用負担することなく基礎通信事業者のネットワークを借りることから、仮想移動体通信事業者とも 言う。 5 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 稲垣清の経済・産業情報 中国の高齢化社会への突入と介護ビジネスの可能性 稲垣 清 三菱東京UFJ銀行(中国)顧問 1947 年神奈川県生まれ。慶応義塾大学大学院終了後、三菱総合研究所、三菱 UFJ 証券(香 港)産業調査アナリストを歴任。現在、三菱東京 UFJ 銀行(中国)顧問。著書に『中国進出企業 地図』(2011 年、蒼蒼社)、『いまの中国』(2008 年、中経出版)、『中国ニューリーダーWho’s Who』(2002 年、弘文堂)、『中国のしくみ』(2000 年、中経出版)など。 Ⅰ.高齢化時代を迎えた中国と介護サービス市場 中国政府によると、2012 年末現在、60 歳以上の高齢者人口は 1.94 億人、総人口の 14.3%を占める(「65 歳 以上」は 1.17 億人、高齢者の比率 8.68 %)。そして、高齢者人口の将来予測では、2020 年には 2.43 億人、 2025 年には 3 億人を突破するとの見通しである。一般に、「60 歳以上」の人口が 15%を超える社会を「高齢 化社会」、「65 歳以上」の人口が 15%を超える社会を「超高齢化社会」といい、中国は間違いなく、「高齢化社 会」に突入しつつある。 高齢化問題という大きな課題を抱える中国であるが、見方を変えれば、「養老サービス市場」(介護市場)が大 きな可能性を秘めているともいえる。中国政府も、これを好機ととらえ、2013 年 9 月、「国務院関於加快発展養 老服務業的意見」を公布・施行し、「養老サービス」(「養老服務業」)の発展計画と企業対策を打ち出してい る。 「未富先老」という言葉がある。「富める前に、老い(高齢化)が始まる」という意味であり、今日、中国が直面し ている社会現象を示した言葉である。さらに、中国経済の発展と社会の変化にともなって、中国でも「ニュ―ビ ジネス」として、介護サービス、有料老人ホームの運営などが今後の有望分野になりつつある。 外資導入政策においても、これまでは、介護ビジネス(市場)に関連する言葉すら存在しなかったが、2004 年 に改訂された「外資ガイドライン」において、初めて、「家庭服務業」(老人ケアサービスなどを含む)が、外資 の進出を「奨励」する分野の一つとして、登場し、その後、2011 年の改訂版においては、「老人服務機構」(シ ルバーサービス)の建設・運営が「奨励」されるに至っており、日本の介護有力企業による高級有料老人ホー ムの運営が始まっている。しかし、高級とはいえ、入居料は莫大な金額であり、これに入居できるのは、ごく限 られた富裕層である。中国は、「老いて、なお格差と取り組まなければならない」。 また、老人ホームというハード施設の有望性と同時に、ベッド、紙おむつなど老人介護用品市場も急成長を遂 げており、とくに、紙おむつ分野では、その決め手となる薄膜吸収体に優れた技術をもつ日系メーカーの競 争力が目立っている。 Ⅱ.介護市場への日系企業の進出 介護ビジネス(市場)は、介護関連用品の製造販売という製造業としての市場、在宅介護のためのベッドレン タル提供やデイサービスの運営、そして介護施設の建設・運営など幅広い市場の可能性があるが、そのいず れの分野にもすでに外資、日系企業が参入しつつある。そして、日系企業はすでに日本での多くの経験とノ ウハウ、さらには日本人固有のきめ細かい、介護サービスを生かして、他社との差別化を行っている。日系介 護企業の対中進出のキーワードは、「沿海」、「富裕層」、「高付加価値(価格とサービスマインド)」である。 6 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 介護ビジネスへの日系企業の参入 介護用品製造・販売 フランスベッド ◎(南通) パラマウントベッド ◎(無錫) ユニチャーム ◎(上海) 介護施設の建設・運営 △(視野に入れる) セコム ○(上海・計画) ワタミの介護 メディカル・ケア・サ ービス ニチイケアネット ○(上海・計画) 日本ケアサプライ リエイ 介護サービス運営 ○(上海・計画) ◎(上海) ○(北京) ○(北京) ○(上海) ○(北京) ロングライフ △(意向あり) ◎(青島) HCM △(意向あり) ○(中国) 三貴工業所 ◎(上海) 日進医療器 ◎(常州) ウイズネット ○(大連) 日立システムズ ◎(大連) ◎(システム) 注:◎は設立・開始済み、○は合意・計画・準備中。各社のHPの広報より作成(2013年10月28 日現在)。 Ⅲ.中国の高齢化社会と日中ビジネス 「高齢化社会」の到来は、衣食住すべての分野での高齢者需要(養老市場)をも高める可能性があり、この分 野へのビジネスチャンスが拡がることを意味する。介護事業の経験豊富な日系企業の進出も始まっている。し かし、介護用品の製造・販売などの分野では、操業・営業はそれほどの困難を要さないが、介護サービスや 介護施設の運営となると、中国という国の制度、政府組織、習慣、生活様式などが日本とは大きく異なり、その 事業運営は容易ではない。一般の事業運営よりは、十分な準備と交渉能力が求められる。それでもなお、日 本企業は、介護サービスへの多くの経験と実績を持ち、その培ったノウハウを中国市場で展開する機会は多 く、日中関係が厳しい環境にある今日、この分野での日中協力を突破口に、両国のビジネス交流が活発化さ れることが期待される。 7 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 全国情報 【マクロ経済】 2013 年の CPI は前年比 2.6%増=抑制目標を達成 CPI、PPIの推移 CPI PPI 20 12 年 1 12 0月 年 20 11 12 月 年 20 12月 13 年 20 1月 13 年 20 2月 13 年 20 3月 13 年 20 4月 13 年 20 5月 13 年 20 6月 13 年 20 7月 13 年 20 8月 13 年 20 9 13 月 年 20 10 13 月 年 20 11 13 月 年 12 月 5 4 3 2 1 0 (1) (2) (3) (4) 20 中国国家統計局によれば、12 月の消費 者物価指数(CPI)は前年同月比 2.5%上 昇し、上昇幅は前月比 0.5 ポイント縮小し た。項目別で見ると、食料品(4.1%)、娯 楽教育文化用品・サービス(2.9%)、居住 (2.8%)、衣類(2.1%)、家庭設備用品・修 理サービス(1.4%)、医療保健・個人用品 (0.9%)はそれぞれ上昇している。酒・煙 草、交通、通信はそれぞれ 0.4%、0.1%、 0.1%と下落した。また食品のうち、生鮮野 菜は 2.6%上昇したが、上昇幅は前月比 19.7 ポイントと大きく鈍化し、12 月の CPI を抑える一因と見られる。 通年で見ると、2013 年の CPI は 2012 年と同じく前年比 2.6%の上昇となり、抑制目標である 3.5%を下回った。 CPI が 2 年連続で 2%台の伸びとなったことで、金融緩和の可能性もあるのではとの声もあるが、現段階では、 シャドーバンキングや不動産バブル、地方債務といった金融リスクの防止が主要課題であり、引き締め気味の 金融政策はしばらくの間変わらないと思われる。 また卸売物価指数(PPI)は通年で前年比 1.9%低下し、2 年連続のマイナスとなった。景気回復に向けた動き は依然として鈍いようである。 (1 月 9 日 国家統計局ほか) 2013 年の貿易総額、前年比 7.6%増 2013 年の貿易総額は前年比 7.6%増の 25 兆 8,300 億元(4 兆 1,600 億ドル)となり、初の 4 兆ドル突破となっ た。そのうち、輸出は同 7.9%増の 13 兆 7,200 億元(2 兆 2,100 億ドル)で、輸入は同 7.3%増の 12 兆 1,100 億元(1 兆 9,500 億ドル)であり、貿易黒字は前年比 12.8%増の 1 兆 6,100 億元(2,597 億 7,000 万ドル)となっ た。 貿易相手国(地域)の上位 5 位は EU(5,590 億 6,000 万ドル)、米国(5,210 億ドル)、ASEAN(4,436 億 1,000 万ドル)、香港(4,010 億 1,000 万ドル)、日本(3,125 億ドル)で変動はないが、伸び率で見ると、日本だけは前 年比 5.1%の減少となった。その原因について海関総署は、周知の通りで、これ以上説明する必要はないと 述べた。 今後の見通しについて海関総署は、世界経済の回復、および国内政策環境の改善といったプラス要因があ る一方、コスト上昇、貿易摩擦などのマイナス要因も存在しているとし、今年の中国貿易は安定成長に入り、 貿易構造の転換および利益の向上が期待されると述べた。 (1 月 10 日 海関総署) 12 月の HSBC サービス部門購買担当者指数(PMI)、28 ヶ月ぶりの低水準 HSBC が 6 日に発表した 2013 年 12 月の中国サービス部門購買担当者指数(PMI)は 50.9 となり、前月 8 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 (52.5)比 1.6 ポイント低下し、28 ヶ月ぶりの低水準であった。そのうち、生産と新規受注指数の伸びが鈍化し ており、全体を引き下げる要因と見られている。 HSBC の屈宏斌チーフアナリストは、12 月の PMI は低下したものの、雇用指数の上昇や製造業の持ち直し などプラスの面もあるとし、今後、サービス業参入基準の緩和や増値税改革など政策面の措置が後押となり、 サービス業は依然として大きなポテンシャルがあるとの見方を示した。 (1 月 7 日付 「証券時報」) 【金融】 銀監会、2014 年工作会議を開催=民営銀行の参入を許可 銀行業監督管理委員会(以下、銀監会)は 1 月 6 日、2014 年工作会議を開催した。銀監会は、2013 年の銀 行業は経済成長の促進とリスクの防止という 2 つの目標を平行して進め、零細企業と「三農」関連の貸出を拡 大し、不良債権を低い水準に抑え、安定を保ちながら、より成長、効率化することができたと述べた。 会議は銀行業の 2014 年の重要課題として、①銀行業の改革開放を進め、金融業の対内・対外開放を拡大し、 銀行の管理監督体制を改善し、持続可能な成長を目指すこと、②融資プラットフォーム、不動産のバブル化、 理財・信託商品といった金融リスクを未然に防止すること、③金融サービス水準を向上し、流動性を有効に活 用し、社会融資コストを下げること、の 3 点を挙げた。 なお、注目されている民営銀行について銀監会は、発起人の資質を厳格に審査し、リスク対策を採った上、3 ~5 社の民営銀行を許可していく方針を示した。今のところ、蘇寧電器、騰訊 HD などが有力視されている。 (1 月 6 日 中国銀行業監督管理委員会) 2014 年も穏健な金融政策を継続=中国人民銀行 中国人民銀行(中央銀行)は 1 月 9~10 日、2014 年工作会議を行い、穏健な金融政策の継続を 2014 年の 最重要目標とするほか、社会融資総量の適切な増加の維持、金融改革の強化、クロースボーダー人民元決 済の拡大、資本市場の多層化、外貨管理改革の推進、金融リスク管理体制の強化などを今年の重要課題と して挙げた。 (1 月 11 日付 「上海証券報」) シャドーバンキング、規制強化へ 国務院はこのほど、シャドーバンキングの規制強化に関する通知(通称、「107 号文件」)を非公開で関連部 門と地方政府に通達した、と各メディアは報じた。チャイナネットによれば、通知はシャドーバンキングの定義 を明確化したほか、銀行や信託会社に対するネガティブリストの設定や各当局部門の監督管理責任制度の 確立、および協力の拡大などを通じ、規制を強化していくという。 社会科学院によれば、2012 年末時点でのシャドーバンキングの取引規模は約 20 兆 5,000 億元で、中国 GDP の 40%、中国銀行業総資産の 16%にあたるという。通知は、こうしたシャドーバンキングの過度な膨張を 抑え、潜在的な金融リスクを回避することが狙いと見られる。 (1 月 7 日付 「中国証券報」) 保監会、保険企業の創業板投資を許可 中国保険監督管理委員会(保監会)は 8 日、国内の保険会社が深セン証券取引所の新興企業向け市場「創 業板」への直接的な投資を認めることを発表した。 債務問題やインサイド取引などによる罰則を受けた企業を除き、創業板に上場したすべて企業に投資するこ とが可能である。また保険会社の持ち株が上場企業の発行株の 5%を上回る場合、保監会への届け出や関 9 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 連情報の公開が義務付けられている。その他、資本金などに対する規制がなく、予想以上の緩和と言われ る。 創業板は 2013 年、82.7%の上昇を記録したが、新規株式公開(IPO)の再開などにより、今年は去年並みの 上昇を見込めない。投資が解禁されたからといって、保険資金は速やかに流入するとは限らないとの見方が 多い。 (1 月 8 日付 「21 世紀財経報道」) 【産業】 2013 年の新車販売台数、2000 万台超 中国自動車工業協会によれば、2013 年の中国の新車販売台数は前年比 13.9%増の 2,198 万 4,100 台で、 5 年連続の世界一となった。 車種別で見ると、乗用車は 1,792 万 8,900 台で 15.7%増となり、伸び幅は前年比 8.6 ポイント上昇した。商 用車は 405 万 5,200 台で 6.4%増となり、13 年のマイナス(5.5%減)からプラスに転じた。 乗用車のうち、セダンは 11.8%増の 1,200 万 9,700 台、スポーツタイプ多目的車(SUV)は 49.4%増の 298 万 8,800 台となり、乗用車全体の伸びにそれぞれ 42.7% 49.4%寄与した。 乗用車の市場シェアで見ると、地場系は全体の 40.3%を占め、1 位をキープしたが、前年比 1.6 ポイント低下し た。ドイツ系は 18.8%、日系は 16.4%、米国系は 12.4%、韓国系は 8.8%、フランス系 3.1%となった。 今年の見通しについて同協会は、中国経済の持ち直しや都市化の進展に伴う自動車需要の拡大などプラス の面もある一方、環境汚染、エネルギー、交通などの問題にも直面しているとした上、今年の伸び率を8~ 10%と予測している。 (1 月 9 日 中国自動車工業協会) 日系自動車トップスリー、年間販売台数の過去最高を更新 日産自動車、トヨタ自動車、ホンダの日系自動車メーカー上位 3 社は 2013 年の中国での新車販売台数を発 表し、3 社そろって過去最高を記録した。 トヨタは 91 万 7,500 台で前年比 9.2%増となり、目標であった 90 万台超を達成した。スポーツタイプ多目的車 (SUV)「RAV4」のニューモデルなど新型車の投入は販売を後押ししたと見られる。なお、2014 年の販売目標 は 2 割増の 110 万台に設定した。 ホンダは 75 万 6,882 台で前年比 26.4%増となった。主力車種である「アコード(雅閣)」(14.8%増の 11 万 9,542 台)、CR‐V(12.4%増の 18 万 9,970 台)の販売は堅調であるほか、「オデッセイ(奥徳賽)」が 30.5% 増の 2 万 7,277 台、「クロスツアー(歌詩図)」が 38.5%増の 4 万 7,064 台と好調であった。14 年の中国での 販売目標は前年比 18.9%増の 90 万台に設定した。 日産は 126 万 6,200 台で前年比 17.2%増となり、125 万台との目標を達成した。2014 年の販売目標をまだ明 らかにしていないが、13 年以上の販売を目指すという。 (1 月 8 日付 「環境時報」ほか) 【政策】 クロスボーダー電子商取引小売輸出企業、税金還付、免税政策が適用 国家税務総局は 1 月 9 日付けで「クロスボーダー電子商小売輸出の税収政策に関する通知」を発表し、2014 年 1 月 1 日から条件に合うクロスボーダーの電子商取引小売を行う企業は対外貿易企業と同様に、増値税・ 10 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 消費税の税金還付・免税政策を享受できると規定した。 商務部によれば、2012 年のクロスボーダー電子商取引規模は前年比 25%増の約 2 兆元であった。2013 年 の増加幅は 30%超と見込まれている。「通知」の実施はこうしたクロスボーダー電子商取引の増加に対応する ためのもので、関連企業のコスト削減、およびクロスボーダー電子商取引の更なる発展に役たつと思われる。 (1 月 10 日 国家税務総局) 上海自由貿易試験区、家庭用ゲーム機の製造、販売を解禁 国務院は 1 月 6 日、上海自由貿易区に限り、家庭用ゲーム機の製造・販売禁止措置を一時的に解除すると 発表した。外資企業が自由貿易区内で生産したゲーム機は、関連部門の審査をクリアすれば、国内市場へ の販売が可能となる。 中国では、青少年への悪影響などにより、2000 年からゲーム機の製造・販売をすべて禁止した。しかし、ネッ トゲームや輸入ゲーム機などが絶えなかった。 試験区設置前に公表された全体計画には、外資企業のゲーム機販売の解禁に関する条項が盛り込まれた。 すでに Xbox を有するマイクロソフト社は自由貿易区に拠点を置き、解禁に向けた準備を進めている。今回の 正式な発表に伴い、ソニー、任天堂など日本のゲーム機メーカーも中国という巨大市場を狙って進出を急ぐ ものと見込まれる。 (1 月 7 日付 「第一財経日報」) 上海自由貿易試験区、外資に VPN 業務を解禁 工業情報化部は 7 日、上海自由貿易試験区で仮想プライベートネットワーク(VPN)業務の開放など、外資に 対する付加価値通信業務の規制を緩和すると発表した。 規制を緩和するのは全部で 7 分野で、そのうち、外資に新たに開放するのは①VPN 業務、②コールセンター 業務、③プロバイダー業務、④テレビ電話会議、遠隔診断など国内マルチ通信業務の 4 分野である。出資比 率は VPN 業務のみ上限を 50%としたが、残る 3 業務には制限を設けない。 今回の規制緩和の対象は登記地と設備が自由貿易区内にある企業としている。サービス対象地域はプロバ イダー業務のみ自由貿易区内に制限されたが、残る 3 業務は全国での展開が認められている。 (1 月 7 日 工業情報化部) 11 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 地方情報 【北京】 2013 年の財政収入、前年比 10.4%増 【上海】 2013 年の土地譲渡収入は 2,000 億元 超 2013 年の北京市財政収入は 3,661 億 1,000 万元 で前年比 10.4%増となった。北京市財政局は、① 製造業、金融業など重点産業の発展、②市民の所 得増加および就業の安定、③増値税改革に伴う第 2 次・第 3 次産業の融合などが経済成長を促進し、 財政収入の増加につながったと分析した。 捜房網によれば、2013 年の上海市の土地譲渡 収入(工業用地を除く)は前年比 137.4%増の 2,129.7 億元に達し、都市別の土地譲渡収入の 最高額を記録した。 2013 年の土地譲渡件数は 378 件で、同 45.5% 増となった。そのうち、マンションなど住宅用途 は 97 件で成約金額が 942.6 億元、商業施設な ど商業用途は 117 件で、成約金額は 1,083.2 億 元であった。 また北京市は 2013 年、食品と薬品の安全管理の強 化、軌道交通システムの整備、中・低所得層向けの 保障性住宅の建設などに 196 億 8,000 万元を投じ、 財政支出の構造改革を着実に進めている。 (1 月 7 日付「新京報」) (12 月 16 日 捜房網) 【山東】 青島市、2013 年の対外投資は過去最高 【広東】 大気汚染の応急措置に、一部公用車の 使用を禁止 青島市商務局によれば、2013 年の青島市の対外 投資額は合計 11 億 8,000 億米ドル(約 71 億元)で 前年同期比 17%増加となり、山東省内で第 1 位を キープした。 6 日の広州市空気質量指数(AQI)は「2 級預 警」にあたる 195~216 に達した。広州市は 7 日、その応急措置として公用車使用の 2 割減を 実施した。 企業に優良な投資環境を提供するため、青島市商 務局は対外投資重大項目に対する支援体制を構 築・改善し、44 社の重点企業の対外投資・グローバ ル経営を資金面でサポートした。 公用車使用削減のほか、2 級預警には、一部工 場の運転停止や爆竹の禁止など 11 項目の応 急措置がある。解除については市政府は、AQI を見ながら規定に基づき発表するという。 (1 月 6 日付「青島日報」) (1 月 8 日付「南方日報」) 【成都】 四川省の高速道路、延べ 5,000 キロに 【深セン】宝安国際空港、2013 年の旅客数は延 べ 3000 万人超え 中国四川省の高速道路の総延長は、楽山、自貢の 両市を結ぶ道路の開通により、節目の 5,000 キロ メートルを超えた。 民航資源網によれば、深セン宝安国際空港の 2013 年の旅客数は前年比 9.1%増の延べ 3,226 万 8,400 人で、初の 3,000 万人突破となった。 四川省交通庁によれば、四川省の高速道路建設は 1990 年に始まり、2008 年に 2,000 キロを超えた。 2013 年に中部~南部、瀘州市~重慶市を繋ぐ高 速道路が相次ぎ開通し、総延長は 5,046 キロに達し た。 また昨年 11 月、第 3 ターミナルの運用も始ま り、宝安国際空港は旅客を年間で最大 4,500 万人受け入れることが可能となった。 (1 月 8 日付「四川日報」) (1 月 9 日 民航資源網) 12 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 中国のマクロ経済指標 2013年北京市経済指標の推移(月次、前年比) 2013-01 2013-02 2013-03 2013-04 2013- 05 2013-06 201 3-07 20 13-08 2013-09 2013-10 2013-11 2013-12 鉱工業生産 付加価値ベース生産高 消費 社会消費財小売総額(名目) 投資、年初よりの累計 都市部固定資産投資 不動産開発投資 インフラ投資 対外貿易( 累計ベース) 輸出 輸入 鉱工業利益、年初より累計 規模以上 伸び率 物価 消費者物価指数( C P I,月次) 生産者出荷価格指数(月次) 生産者仕入れ価格指数( 月次) 新築住宅価格指数(月次) 財政、年初より累計 財政収入 財政支出 所得(累計ベース) 一人当たり可処分所得(都市) 一人当たり現金収入( 農村) 前年比,% 9.6 5.7 7.7 7.8 6.4 8.1 7.3 8.6 7.5 7.8 前年比,% 10.2 7.8 14.4 5.6 7.4 9.7 7.1 8.6 10.9 8.7 前年比,% 前年比,% 前年比,% 10.2 25.9 (2.6) 12.1 9.4 16.9 9.2 6.5 13.2 7.3 7.3 8.1 7.4 7.2 6.2 7.8 1.2 6.8 7.8 5.8 1.8 8.2 9.5 2.7 8.0 9.7 1.7 8.2 9.0 0.9 1.4 6.7 9.9 6.7 9.9 0.7 2.9 3.7 7.5 23.1 5.8 16.9 15.0 10.7 1.7 (8.4) 5.3 12.2 18.6 8.4 1.7 3.6 2.8 0.3 4.6 (2.7) (2.4) 8.6 3.2 (2.8) (3.6) 10.3 2.7 (3.1) (4.0) 11.8 3.5 (3.1) (3.6) 12.9 3.3 (2.6) (2.0) 14.1 2.7 (2.5) (1.5) 14.9 3.3 (2.3) (1.5) 16.0 3.4 (2.2) (1.2) 16.4 3.3 (2.2) (0.8) 16.3 前年比,% 前年比,% 前年比,% 前年比,% 前年比,% 前年比,% 前年比,% 19.1 6.6 11.9 (13.5) 23.2 3.1 (2.8) (2.4) 3.3 3.9 (2.8) (2.4) 5.9 6.4 21.2 前年比,% 前年比,% 15.1 10.8 15.6 6.3 15.1 13.6 12.1 7.2 12.7 8.8 12.5 9.5 11.3 8.9 11.1 12.5 11.6 14.3 11.8 8.7 前年比,% 前年比,% 10.8 11.8 7.9 9.5 8.3 9.9 9.0 10.6 9.4 10.6 9.8 11.0 10.0 11.2 9.9 11.0 10.2 11.1 10.2 11.1 注:北京市統計局等のデータを基に当行中国調査室作成 13 BTMU(China)経済週報 2014 年 1 月 15 日 第 188 期 BTMU の中国調査レポート(2014 年 1 月) 産業トピックス 「中国ステンレス業界」(2014 年 1 月号) https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/140114_01.pdf 企業調査部(香港) BTMU 中国月報 第 95 号 http://www.bk.mufg.jp/report/chi200401/113120101.pdf 国際業務部 海外駐在情報 China Economic TOPICS No. 52 「2020 年に向けた中国の改革深化に関する政策方針 ~共産党第18期三中全会での「決定」について~」 https://reports.btmuc.com/fileroot_bj/FILE/jpreport_chinese/131203_01.pdf 経済調査室(香港) 経済レポート 経済見通し(2013 年 11 月号) http://www.bk.mufg.jp/report/ecolook2013/index.htm 経済調査室 経済レビュー 経済マンスリー(2013 年 12 月) http://www.bk.mufg.jp/report/ecomon2013/index.htm 経済調査室 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