海外安全対策情報(平成28年度第2四半期) 1 社会・治安情勢 パラナ州

海外安全対策情報(平成28年度第2四半期)
1 社会・治安情勢
パラナ州公安局発表によるクリチバ市内の2015年の殺人件数は488件、2
014年比81件減であるが、依然として高い殺人率で推移している。大クリチバ
圏での2015年の殺人件数は1,121件,市民10万人当たりでは34.71
件。世界保健機構が許容範囲としている殺人件数(10万人当たり10件)の3倍
以上。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)クリチバ市及び大都市圏では近年,誘拐,ATM爆破強盗,携帯電話販売店
や薬局店,レストラン及び住居を狙った武装強盗,運転中及び停車中を狙った車両
強盗,武装集団による長距離バス及び路線バス内強盗が多発している。時間帯,場
所を問わず銃器を使用した犯罪が増加しており,十分な注意が必要である。渡航情
報(危険情報)については,パラナ州大クリチバ圏は「十分注意してください」を
継続中。
(2)パラナ州西部に面する隣国との国境地帯(特にパラグアイ)からは頻繁に大
麻等の麻薬類及び銃器類の密輸が行われており,軍警察による押収量は増加する一
方である。2009年及び2010年のパラナ州における武器押収量は全伯一位で
ある。近年,パラナ州は麻薬の搬入ルートのみならず麻薬消費地域となっており,
麻薬絡みの犯罪も増加している。
(3)警備会社からの銃器盗難、火薬工場からの爆発物(TNT火薬)の盗難が頻
発しており、多くの犯罪で盗難拳銃・爆薬が使用されている。このことから、強盗
犯は高い確率で殺傷能力の高い武器を所持しており、十分な注意が必要である。
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犯罪事例(7月~9月)
(1)7月2日(土)午前6時頃、サンジョゼドスピニャイス市に所在するVOLVO
社工場が武装集団の襲撃を受けた。武装集団はATMの現金を標的に襲撃をしたが
同工場内にはATMは存在せず現金の強奪は断念。常駐警備員が所持していた38
口径リボルバーおよび防弾チョッキを奪って逃走した。なお、同武装集団はサブ
マシンガンおよびライフル銃で武装していた。
(2)7月17日(日)日中、クリチバ市セミナリオ地区の薬局に二人組の強盗が
侵入。店舗の従業員および客を拳銃で脅してレジ内現金等を強奪し逃走を試みた
が、通報で駆けつけた警察官と鉢合わせになり銃撃戦へと発展した。なお、銃撃
戦による負傷者は強盗犯の男1名のみ。
(3)7月23日(土)、クリチバ市セントロ地区において、車両強盗犯と軍警察
のカーチェイスが発生。巡回を行っていた軍警察が盗難登録をされた走行中の車
両を発見し停車を呼びかけたが、同車両はこれに応じず逃走、セントロ地区にお
いてハンドル操作を誤り電柱に激突し停車した。同車両内には未成年を含む4名
が乗車しており麻薬所持および多額の現金を所持していた。
(4)7月24日(日)午後1頃、セントロ地区クルス・マシャド通り366番地
前で男性が射殺された。同人は6発の銃弾を浴びており、何らかのトラブルによ
る報復殺人である可能性が高いとのこと。
(5)7月26日(火)クリチバ市ヘボウサス地区において電撃誘拐が発生。二人
組の犯人は被害者の男性を拳銃で脅し、銀行ATMで現金を引き出しさせた後に解
放。被害者男性に身体的被害なし。なお、犯人は同被害者を解放した後に捜索に
当たっていた警察官と銃撃戦となり逮捕された。
(6)8月8日(月)夜間、市内セントロ地区グアダルーペ・バスターミナルにお
いて発砲事件が発生。同事件は、非番の文民警察官が同バスターミナル内で発生
した携帯電話強盗の犯人に対して発砲したもので、犯人は腕に被弾し現行犯逮捕
となった。なお、事件発生時のバスターミナルは帰宅者等で混雑しており騒然を
極めた。
(7)8月9日(火)夜間、クリチバ市内バリグィ公園付近において長距離バスが
強盗に襲われ乗客の現金および携帯電話を強奪された。同バスはクリチバ市のセ
ントロ地区発、パラグアイ行きの長距離バスであり、商品の買い出しを目的に多
くの小売業者が乗車していた。
(8)8月13日(土)日中、クリチバ市ポルタオン地区において発砲事件が発生。
同事件は、自宅付近のスーパーで買い物を終えた非番の警察官が二人組の強盗に
遭遇し、所持していた拳銃で犯人に向け発砲したもの。なお、犯人の1名は即死、
もう1名は現場から逃走した。
(9)8月17日(水)夜間、クリチバ市セントロ地区のパラナ連邦大学前におい
て殺人事件が発生。被害者の男性は未成年の息子と一緒に居たところを襲撃され、
20発の弾丸を撃ち込まれ即死。内1発は未成年の息子にも被弾したが軽傷との
こと。
(10)8月23日(火)午後3時頃、クリチバ市セントロ地区のグアダルーペ・
バスターミナル前にある簡易食堂に男が1人現われ、拳銃を隠し持っている振り
をしながら従業員を脅し、レジにあった現金を強奪して逃走した。なお、同店舗
はここ1年で同様の強盗に複数回遭っており警備を強化していた。
(11)8月28日(日)午前4時頃、アグア・ヴェルデ地区に所在するサンタン
デル銀行のATMが5人組の強盗に爆破され、ATM内部の現金が強奪された。
警察によると、犯人は2台の乗用車で逃亡した。
(12)8月28日(日)午前4時頃、クリチバ市バイロ・アルト地区のスーパー
マーケット「リオ・ヴェルデ(Rio Verde)」内設置のATM「Banco 24 Horas」
が複数名の強盗に爆破され、ATM内部の現金が強奪された。
(13)8月31日(水)早朝、クリチバ市プラド・ヴェーリョ地区TRE-PR
(パラナ州地方選挙控訴裁判所)内設置のATM3台(2台はCEF-連邦貯蓄公
庫、1台はブラジル銀行)が強盗に爆破され、ATM内部の現金が強奪された。
(14)9月1日(木)午前4時15分頃、クリチバ市ボン・レティロ地区カルロ
ス・ピオリ通りの SERPRO(連邦政府財務省の関係機関)内設置のATM2台(1
台はCEF-連邦貯蓄公庫、1台はブラジル銀行)が複数名の強盗に爆破され、
ATM内部の現金が強奪された。
(15)9月1日(木)午前4時20分頃、バルサ・ノヴァ市セントロ地区のイタ
ウ銀行のATMが強盗に爆破され、ATM内部の現金が強奪された。
(16)9月2日午前5時頃、クリチバ市サンタ・フェリシダデ地区の市環境局建
物内設置のサンタンデル銀行ATM2台が強盗犯に爆破され、ATM内部の現金
が強奪された。
(17)9月2日午前4時20分頃、アルミランテ・タマンダレ市ヴィララチェル
地区裁判所内設置のCEF(連邦貯蓄公庫)ATM1台が強盗に爆破され、AT
M内部の現金が強奪された。
(18)9月5日(月)夜間、クリチバ市カンポコンプリド地区において強盗殺人
事件が発生。被害者の女性は自宅で2人組の強盗に襲われ、金品を強奪された後
に射殺された。
(19)9月20日(月)深夜、クリチバ市セントロ地区の路上において刺殺事件
が発生。被害者は30代の男性で、肩および胸部を刃物で裂かれていた。
(20)9月26日(月)深夜、クリチバ市サンタキテリア地区の路上において殺
人事件が発生。被害者は22歳男性で、複数名の犯人から銃弾をあびて即死。