Base入門1

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Base
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データベースについて ................................................................................................................................. 3
データベースを新規作成する方法。 ........................................................................................................... 4
既存のデータベースファイルを開く方法。 ................................................................................................ 8
テーブルを作成する方法。 ........................................................................................................................ 11
テーブルにデータを入力する方法。 ......................................................................................................... 23
テーブルを定義する効果について。 ......................................................................................................... 31
データベースファイルをダウンロードする。 ........................................................................................... 35
クエリーを作成する方法。 ........................................................................................................................ 37
クエリーを実行、編集する方法。 ............................................................................................................. 49
クエリーを複製する方法。 ........................................................................................................................ 54
クエリーでデータを抽出する方法。 ......................................................................................................... 61
レポートを作成する方法。 ........................................................................................................................ 66
レポートのデザインを編集する方法。 ...................................................................................................... 78
フォームを作成する方法。 ........................................................................................................................ 85
2
http://officehp.com/category/4580735-1.html
Base データベースについて
OpenOffice.org や StarSuite には、 Base というデータベースアプリケーションが含まれて
います。この二つは同じものです。
Base は Microsoft Office の Access に相当します。Access と同じように、テーブル、クエリ
ー、フォーム、レポート、マクロなどの機能が使えます。
また Base は Access、MySQL、PostgreSQL など、他のデータベースに接続することもできま
す。
Base を使うメリットは、何といってもオープンソースソフトウェアであることです。無償で利用
でき、開発はインターネット上で続けられているので、更新することが可能です。
Base は Java で書かれたデータベースである HSQLDB を標準で利用するため、JRE をインス
トールしている必要があります。JRE(Java Runtime Environment)とは、Java の実行環境のこ
とです。
あなたのパソコンに JRE がインストール済みか確認する方法は簡単です。
Windows の場合は、コントロールパネルを開き、「Java」のアイコンが表示されていれば、既に
インストールされています。
もしインストールされていない場合は、JRE を入手してインストールしてください。
3
JRE の入手先
http://java.com/ja/
Base データベースを新規作成する方法。
Base は標準で HSQLDB(Java 製データベース)を利用するようになっています。HSQLDB はイ
ンストール済みなので、すぐにデータベースを作成することができます。
Base は OpenOffice.org と StarSuite の両方に含まれていますが、どちらも同じです。したが
って、これから行なう手順は、どれで行なってもかまいません。
【1】まずは Base を起動します。
・OpenOffice.org の場合
・StarSuite の場合
【2】データベースウィザードの画面が表示されたら、「新規データベースの作成」を選択し、「次
へ」ボタンをクリックします。
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データベースウィザードでは、既存のデータベースファイルを開いたり、他のデータベースに接続
することもできます。
【3】データベースを保存した後の処理は、そのままの設定で「次へ」ボタンをクリックします。
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*ここでデータベースを登録しています。
【4】わかりやすい場所に保存してください。ファイル名に「test」と入力し、「保存」ボタンをク
リックします。
【5】Base の画面が開きました。データベース名は「test」です。
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この画面でテーブル、クエリー、フォーム、レポートの作成や編集が行なえます。
ここでいったん Base を終了してみましょう。
【6】Base の「閉じる」ボタンをクリックします。
7
【7】保存した場所に「test.odb」というファイルが作成されていることを確認してください。
新規に作成したファイルの拡張子は「.odb」になっています。Base では、1 つのデータベースに
関連する情報が、1 つのファイルにまとまっています。Base はこのような odb ファイルをたく
さん作ることができます。
【ワンポイント】
odb ファイル は登録名とファイルの場所で管理(データベースを登録)されているので、コピーや
移動した場合は、設定を変更する必要があります。
メニューから「ツール → オプション」でダイアログボックスを表示し、「OpenOffice.org Base
または StarSuite」から「データベース」を選択すると、データベースの管理が行なえます。
実は Base はデータベース自体の機能は持っていなくて、標準で HSQLDB をデータベースとし
て使います。Base はデータベースのフロントエンド(クライアントまたは窓口)としての役割なの
で、「データベースを登録」という表現が合っているのです。
HSQLDB 以外にも Access や MySQL など、様々なデータベースのフロントエンドとして使え
ます。
Base 既存のデータベースファイルを開く方法。
Base の odb ファイル は、ダブルクリックで簡単に開くことができます。
しかしパソコンに OpenOffice.org と StarSuite の両方がインストールされている場合は、ど
ちらかの Base が優先されて開きます。私のパソコンでは StarSuite が優先されます。
そこで確実に OpenOffice.org の Base で開きたい場合について説明します。
【1】OpenOffice.org の Base を起動します。
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【2】データベースウィザードの画面が表示されたら、「既存のデータベースファイルを開きます。」
を選択し、データベースファイルを選択して、「完了」ボタンをクリックします。
*「最近使用されたもの」に無い場合は、「開く」から直接ファイルを指定します。
【3】OpenOffice.org の Base でファイルが開きました。
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同様の手順で StarSuite の Base でも開くことができます。
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【ワンポイント】
結 局 Base は 同 じ も の な の で 、 ど ち ら で 開 い て も 同 じ で す 。 し か し OpenOffice.org と
StarSuite でアプリケーションの「更新」状態が違うこともあるので、覚えておくと役立ちます。
(バグの修正など)
Base テーブルを作成する方法。
今回は Base にテーブルを作成します。テーブルはデータを保存する表のようなものです。
Base などのデータベースアプリケーションでは、まず初めにテーブルを作成し、どのような種類
のデータを扱うのか設定する必要があります。
この辺が Excel や Calc などの表計算ソフトとは異なる点です。表計算ソフトなら設定無しに、
すぐにデータを入力できますよね。
表計算ソフトを使い慣れた人には、不便に感じると思いますが、データ型をきちんと設定すること
で、データを効率的に保存できたり、適切な値が入力されているかチェックすることができるので
す。
使っていくうちに、データベースのメリットが、どんどんわかるようになるので大丈夫です。
以下の手順は OpenOffice.org と StarSuite のどちらの Base で行なってもかまいません。
【1】Base を起動して、前回作成した「test.odb」を開きます。
*ダブルクリックでも開けます。
【2】データベースファイルウィンドウが開きました。
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*この画面が起点になり、各種操作を行なっていきます。
【3】「テーブル」アイコンをクリックします。
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【4】タスクの「デザイン表示でテーブルを作成」をクリックします。
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【5】テーブルデザイン画面が表示されました。
【6】フィールド名に半角で「PREF_CD」と入力します。
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*フィールドは表計算ソフトの列をイメージしてください。
【7】フィールドの種類は「 整数[INTEGER] 」を選択します。
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【8】1 行目は以下のようになります。
【9】2 行目は、フィールド名に半角で「PREF_NAME」と入力します
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*フィールドの種類は「 テキスト[VARCHAR] 」のままにします。
【10】PREF_NAME の行を選択し、長さに半角で「10」と入力します。
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*「長さ」とは、入力できる最大文字数のことです。
【11】PREF_CD の行をマウスで右クリックし、「プライマリキー」を選択します。
【12】プライマリキーが設定されました。
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*プライマリキー(主キー)とは、レコードを特定するもので、重複しない値です。通常は数値の連
番を使うことが多いです。
【13】ここまでの作業を「保存」します。
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【14】テーブル名に「T01Prefecture」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
【15】テーブルが保存されました。保存されるとタイトル名が変わります。
【16】テーブルデザイン画面を閉じます。
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【17】データベースファイルウィンドウに、作成したテーブルのアイコンが表示されています。
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【18】データベースファイルウィンドウを閉じます。
【19】変更を保存するメッセージが表示される場合は、「保存」ボタンをクリックしてください。
テーブル作成は、大体今回のような手順になります。あとはフィールドの数が増えるだけです。
【解説】
(1)フィールドは表計算ソフトの列にあたります。「1 列」ごとにフィールドを「1 行」設定してい
くような感じです。実際にデータを入力する画面では、表計算ソフトと同じように列になるのです
ぐにわかります。
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(2)フィールドの種類とはデータ型のことです。保存するデータに合わせて設定します。
(3)整数[INTEGER] の範囲は -2147483648 ~ 2147483647 の整数です。範囲を超えた数値
を入力すると循環します。実際に入力してみるとわかります。
2147483647 の次は -2147483648 になる
-2147483648 の次は 2147483647 になる
OpenOffice.org BASIC の変数とは、範囲が異なるので注意してください。
Integer 型 -32768~32767 の整数
(4)テキスト[VARCHAR] は可変長の文字列です。初期値では 50 に設定されていますが、それよ
り短い場合は容量が自動的に小さくなるので、そのままでもかまいません。長さを設定すると入力
する文字数を制限することができます。
(5)プライマリキーについても、実際にデータを入力するとわかりますので、安心してください。
プライマリキーを設定したフィールドには、同じ値を入力できなくなります。
Base テーブルにデータを入力する方法。
今回は Base で作成したテーブルに、データを入力してみましょう。
テーブルの設定(定義という)が済んでしまえば、あとは表計算ソフトで入力する時と変わりません。
前回のテーブルデザイン画面と、今回の入力画面を比較して、どのように対応しているか考えなが
ら行なってください。
OpenOffice.org と StarSuite のどちらの Base でも OK です。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、テーブルを表示します。
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【2】「T01Prefecture」を選択して、「データベースオブジェクトのオープン」をクリックします。
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テーブルを右クリックして、「開く」を選択しても開けます。
【3】データを入力する画面が開きました。
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【4】「データの編集」ボタンが、押された状態であることを確認します。
*押されていないと入力できません。
【5】PREF_CD のフィールド(列)に、半角で「1」と入力します。
【6】PREF_NAME には「北海道」と入力します。
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データは自動的に保存されますが、タイミングは次のレコードに移動した時です。
フィールドやレコードの移動には「Tab キー」、「Enter キー」、「矢印キー」が使えます。
【7】同様の手順で、いくつかレコードを入力してください。
*入力は数レコードでかまいません。あとで全都道府県のデータを入力したファイルをダウンロー
ドできるようにします。
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【8】画面下には、レコード数が表示されていて、移動ボタンもあります。
次はレコードを削除する場合です。
【9】削除したいレコードを選択し、「Delete キー」を押します。
【10】メッセージが表示されるので、「はい」をクリックすると、レコードが削除されます。
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【11】データ入力画面を閉じると、データベースファイルウィンドウに戻ります。
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【ワンポイント】
データベースファイルウィンドウから、テーブルの編集、削除が行なえます。テーブルの設定を変
更する時や、不要なテーブルを削除する時に使います。
・テーブルを編集する場合
・テーブルを削除する場合
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*このテーブルはまだ使うので、削除しないように注意してください。
Base テーブルを定義する効果について。
Base でテーブルを作成する時は、フィールド名とフィールドの種類を定義(設定)しました。
Excel や Calc などの表計算ソフトと比べると、データベースは一見面倒くさそうですが、メリッ
トがたくさんあります。
テーブルを定義することで、あらかじめどんなデータを格納するのかわかっているため、効率的に
保存できます。また入力したデータが適切な値かチェックしてくれます。データベースがエラーを
表示して教えてくれるので、入力ミスが防げます。
【1】プライマリキーを設定したフィールドに、重複した値を入力すると、エラーになります。
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1 は既に北海道で使われているためです。
【2】整数[INTEGER] を設定したフィールドに、文字を入力しようとすると、自動的に「0」にな
ります。
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【3】テキストの長さを「10」に設定したフィールドに、11 文字以上入力しようとすると、エラ
ーを表示します。
半角で 11 文字以上入力してもエラーになります。
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ということは、全角半角の区別はなく、文字数でチェックしています。
【ワンポイント】
テキスト[VARCHAR] を設定したフィールドに、数字の「1」を入力することはできます。これは
数値ではなく、文字としての 1 と判断できるからです。
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OpenOffice.org と StarSuite のどちらの Base を使って確認しても OK です。
Base データベースファイルをダウンロードする。
学習用に Base のデータベースファイルを用意したので、ダウンロードしてください。
前回までに作成した「test.odb」とまったく同じテーブル定義ですが、データは 47 都道府県す
べて入力済みです。レコード数が多いほうが学習する時に便利なので、ダウンロードした方を使っ
てください。
【1】 test.zip をダウンロードします。
*ファイルは圧縮されていますので、解凍してください。
【2】ファイルを解凍すると「test.odb」があるので、前回まで使っていたファイルと差し替えて
ください。
*保存場所とファイル名が同じ場合は、データベースは登録されています。
【3】Base を起動して、「test.odb」を開き、テーブルを表示します。
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【4】「T01Prefecture」を開くと、47 都道府県が表示されます。
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データを確認したら、テーブルは閉じてください。
確認は OpenOffice.org と StarSuite のどちらの Base でもかまいません。
Base クエリーを作成する方法。
Base では、簡単なフォームやレポートなら、テーブルから直接作成することができます。
しかしどんなに簡単なものでも、いったんテーブルからクエリーを作り、そのクエリーを基にして
フォームやレポートを作成したほうが便利です。
クエリーを利用すると、テーブルから必要なフィールドだけを表示したり、レコードを並べ替える
ことができます。クエリーには他にもたくさん機能があります。
テーブルはデータを蓄積する役割だけにして、クエリーを通してデータを扱うのがコツです。クエ
リーがわかれば、きっとデータベースがわかりますよ。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、クエリーを表示します。
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【2】「デザイン表示でクエリーを作成」をクリックします。
38
【3】クエリーのデザイン画面が表示されました。
【4】追加のダイアログボックスで、「T01Prefecture」を選択し、「追加」ボタンをクリックしま
す。
【5】クエリーのデザイン画面に、「T01Prefecture」が追加されました。
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*テーブル(表)が複数ある場合は、複数追加できます。
【6】追加のダイアログボックスは閉じてください。
【7】「PREF_CD」をダブルクリックします。
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【8】画面下のフィールドに「PREF_CD」が選択されました。
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【9】同様に「PREF_NAME」を選択します。
42
*必要なフィールドだけを選択できます。
【10】PREF_CD の「並べ替え」で、「昇順」を選択します。
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・昇順
・降順
小 → 大
大 → 小
【11】「クエリーの実行」ボタンをクリックします。
44
【12】デザイン画面の上に、クエリーの実行結果が表示されました。
45
ここまでの作業を保存しましょう。
【13】「保存」ボタンをクリックします。
46
【14】クエリー名に「Q01Prefecture」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
【15】タイトルが変わり、クエリーが保存されました。
47
【16】クエリーのデザイン画面を閉じます。
48
【17】データベースファイルウィンドウに、作成したクエリーが表示されています。
【解説】
テーブルに入っているデータは、順番どおりに並んでいるとは限りません。そのためクエリーで「並
べ替え」の方法を指定する必要があります。
逆に言うと、テーブルにデータを入力する時は、どんな順番でもよいわけです。あとでクエリーで
自由自在に加工できます。
その加工したデータを使って、フォームやレポートを作ると、上手く表示できます。
Base クエリーを実行、編集する方法。
前回 Base で作成したクエリーを、実行してみましょう。
クエリーはテーブルを基に作成しているので、クエリーから追加、更新、削除したデータは、テー
ブルに反映されます。
また一度作成したクエリーは、何度でもデザイン画面で編集することができます。もちろん不要な
クエリーは削除できます。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、クエリーを表示します。
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【2】「Q01Prefecture」を選択し、「データベースオブジェクトのオープン」をクリックします。
50
*ダブルクリックでも同じ
【3】クエリーの実行結果が表示されました。
テーブルを表示した時と同じように見えますが、これはクエリーです。タイトルを見るとわかりま
す。
クエリーはテーブルとつながっているとイメージしてください。データの変更はテーブルに反映さ
れます。
【4】確認したらクエリーは閉じてください。
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【5】クエリーは作成後も、「編集」することができます。
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【6】クエリーを削除することもできます。
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*まだ使うので、削除はしないでください。
Base クエリーを複製する方法。
Base では、似たようなクエリーを作成する場合は、クエリーをゼロから作るより、複製(コピー)
したほうが簡単です。
今回学んで欲しい要点をまとめると以下の通りです。
・クエリーはコピーできる
・クエリーは編集することができる
・コピーしたクエリーの基は同じテーブルである
・データをクエリーで加工できる
一つのテーブルから、クエリーを使うことで、様々なデータの見せ方ができる点に注目してくださ
い。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、クエリーを表示します。
【2】「Q01Prefecture」を右クリックして、「コピー」を選択します。
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【3】何も無い部分を右クリックして、「貼り付け」を選択します。
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【4】クエリー名に「Q02PrefectureDesc」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
*Desc は降順の意味
【5】「Q02PrefectureDesc」が作成されました。
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コピーしただけですから、この段階では Q01Prefecture とまったく同じです。
【6】「Q02PrefectureDesc」を選択し、「編集」をクリックします。
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【7】クエリーのデザイン画面が表示されました
コピー元の Q01Prefecture と、コピーの Q02PrefectureDesc は、同じ T01Prefecture が基
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になっています。
【8】「並べ替え」を「降順」にします。
【9】「保存」ボタンをクリックします。
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【10】「クエリーの実行」ボタンをクリックします。
60
【11】クエリーの実行結果が表示されました。
都道府県が降順に並んでいるので、沖縄県がレコードの先頭にきました。
【12】確認したら、クエリーのデザイン画面を閉じてください。
今回は昇順のクエリーを降順に変えただけですが、クエリーの複製は設定が複雑になるほど有効で
す。
Base クエリーでデータを抽出する方法。
Base ではクエリーを使って、条件に合うレコードだけを抽出して表示することができます。
今回の例では、都道府県から四国の県だけを抽出してみます。
データベースのクエリーを使うことで、複雑なプログラムを書くことなく、簡単な設定だけでデー
タを扱うことができます。
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【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、クエリーを表示します。
【2】「Q01Prefecture」をコピーして、「Q03PrefFilter36-39」を作成します。
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*クエリーの名前は自由に付けてかまいません。
【3】「Q03PrefFilter36-39」を編集します。クエリーのデザイン画面を表示してください。
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【4】PREF_CD の「条件」に、半角で「 BETWEEN 36 AND 39 」と入力します。
PREF_CD が 36 以上 39 以下という意味です。その値を含みます。
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【5】四国の県が抽出されました。
【6】「条件」を変えて、クエリーをいくつか作ってみてください。
< 8 8 より小さい
> 8 8 より大きい
<= 8 8 以下
>= 8 8 以上
どうですか?テーブルはデータを蓄積する役割だけにして、クエリーでデータを加工するというこ
とが、何となく分かってきたのではないでしょうか。
このように一つのテーブルから、複数のクエリーを作成することができます。そしてそのクエリー
から、レポートやフォームを作成することで、いろんな見せ方ができるのです。
【ワンポイント】
クエリーを利用すると、以下のようなことができます。
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1.テーブルから必要なフィールドだけを表示する
2.条件を指定してレコードを抽出する
3.レコードの並べ替え
4.データを集計する
5.複数のテーブルを関連付ける
4、5 以外は既に試しましたね。
Base レポートを作成する方法。
Base ではウィザードを使って、簡単にレポートが作成できます。
同じテーブル T01Prefecture に保存されているデータを、クエリーを使っていろいろなレポート
にすることができます。
もちろんテーブルから直接レポートを作成できますが、クエリーを使うことをおすすめします。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、レポートを表示します。
【2】「ウィザードを使用してレポートを作成」をクリックします。
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【3】レポートウィザードが開始しました。
67
【4】「テーブルまたはクエリー」で、「Q01Prefecture」を選択します。
【5】「>>」ボタンをクリックします。
【6】全てのフィールドが右側へ選択されたら、「次へ」ボタンをクリックします。
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ここでレポートに表示するフィールドを選択することができます。テーブルやクエリーにあるフィ
ールドは、必ずしも全て表示する必要はありません。
【7】ラベル付けフィールドは、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
*レポートに表示するラベルです。後で編集できます。
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【8】グループ化は、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
*グループ化は集計する時に使います。
【9】方向は「縦」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
*レイアウトは好きなものを選んでください。
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【10】レポートのタイトルに「R01PrefectureASC」と入力し、「自動レポート」を選択したら、
「完了」ボタンをクリックします。
*ASC は昇順という意味です。
*自動レポートとはデータが変更された場合、レポートに反映される設定です。スタティックなレ
ポートは、常にレポート作成時点のデータになります。通常は自動レポートにしてください。
【11】レポートが表示されました。
71
*レポートのレイアウトは後で編集できます。
【12】「印刷プレビュー」ボタンをクリックします。
72
【13】印刷プレビュー画面が表示されました。プリンタでどのように印刷されるか確認すること
ができます。
73
【14】「印刷プレビューを閉じる」ボタンをクリックします。
74
【15】レポートも閉じてください。
【16】データベースファイルウィンドウに、作成したレポートが表示されています。
75
【17】同様の手順で、レポート「R02PrefectureDesc」、「R03PrefFilter36-39」を作成してく
ださい。
76
・R02PrefectureDesc
・R03PrefFilter36-39
77
同じテーブル T01Prefecture なのに、クエリー次第でいろいろ表現できるのは面白いですね。
【ワンポイント】
レコードの並べ替えはクエリーで行なっているので、レポートの作成時に設定する必要はありませ
ん。
レコードを並べ替えたいときは、クエリー側を変更するだけで済むので、レポートに手を加える必
要がなくなります。
Base レポートのデザインを編集する方法。
Base のウィザードを使って作成したレポートは、レイアウトが右に寄りすぎているので、編集し
てみましょう。
やはり最終的な微調整は、人間が手動で行なうのが一番です。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、レポートを表示します。
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【2】レポート「R01PrefectureASC」を選択し、「編集」をクリックします。
79
【3】レポートの編集画面が表示されました。
表の列を調整します。
【4】以下の図のように、 PREF_CD 部分の罫線をマウスでクリックしたまま、
【5】左に移動します。
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【6】同様に PREF_NAME も移動してください。
【7】最終的に以下の図のようにします。
81
【8】「保存」ボタンをクリックします。
82
【9】レポートのデザイン画面を閉じてください。
【10】「R01PrefectureASC」を選択し、「データベースオブジェクトのオープン」をクリックし
ます。
83
【11】レポートが表示されました。
84
表示が左に寄りましたね。少し見やすくなったと思います。
【12】同様の手順で、レポート「R02PrefectureDesc」、「R03PrefFilter36-39」も編集してみ
てください。
レポートのデザイン画面では、他にもいろいろ変更できます。要領は Word や Writer のような
ワープロソフトと同じです。
ラベルを変更したり、フォント、サイズ、罫線、色などを、自由に変更することができます。いろ
いろ試してください。
【ワンポイント】
1つのテーブルから複数のクエリーが作成できたように、1つのクエリーからは複数のレポートが
作成できます。用途に合わせて、レイアウトやデザインを変えたレポートにすると便利です。(上
司に報告用と自分用で変えたりとか)
Base フォームを作成する方法。
Base では、フォームもレポートとほとんど同じ手順で作成できます。
データはテーブルから直接入力することもできますが、クエリーとフォームを使えば、いろんな入
力の仕方ができるので便利です。
通常、直接テーブルを扱うのは開発者だけで、ユーザーにはフォームを使ってもらいます。そのほ
うが管理しやすく、安全にデータを扱えるからです。
【1】Base を起動して、「test.odb」を開き、フォームを表示します。
85
【2】「ウィザードを使用してフォームを作成」をクリックします。
86
【3】フォームウィザードが開始しました。
【4】「テーブルまたはクエリー」で、「Q01Prefecture」を選択します。
87
【5】「>>」ボタンをクリックします。
【6】全てのフィールドが右側へ選択されたら、「次へ」ボタンをクリックします。
88
【7】サブフォームの設定では、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
*サブフォームは、伝票と明細の関係のような、フォームの中にフォームを組み込みたいときに使
います。
【8】メインフォームの整列でデータ表を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
89
*都道府県はフィールドが 2 つしかないので、表がわかりやすいです。しかし顧客マスターのよう
に、フィールド数が多い場合は、1 レコードごとに表示する単票のような形式が便利です。
【9】データエントリの設定では、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
*データをどのように扱えるか設定できます。
90
【10】好きなスタイルを選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
【11】フォーム名に「F01PrefectureASC」と入力し、「完了」ボタンをクリックします。
*ASC は昇順という意味です。
【12】フォームが表示されました。
91
*フォームのレイアウトは後で編集できます。
【13】確認したら、フォームを閉じてください。
92
【14】データベースファイルウィンドウに、作成したフォームが表示されています。
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【15】同様の手順で、フォーム「F02PrefectureDesc」、「F03PrefFilter36-39」を作成してくだ
さい。
・F02PrefectureDesc
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・F03PrefFilter36-39
95
F03PrefFilter36-39 は四国しか表示しません。「99 ハワイ」のようにデータを新規入力すること
はできますが、フォームを再度開いたときには表示されなくなります。
あまり意味はないようですが、特定のレコードだけを表示して、データを入力する例だと考えてく
ださい。
【解説】
フォームはデータを入力するためのものです。今回の例では、どのフォームを使っても、最終的に
クエリーを通じて、テーブル T01Prefecture に保存されます。
いろんな形式のフォームを作ることで、入力パターンを変えることができます。
例えば
・新人にはデータの入力のみ可能にする
・最新の 10 件だけ表示した状態で入力する
ということが簡単にできます。部署や使う人によって、フォームを変えると便利です。
またボタンを配置して、クリックした時に、プログラムで処理を行なうような場合もフォームを使
います。
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